(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025115303
(43)【公開日】2025-08-06
(54)【発明の名称】ハーネス配索構造
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20250730BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20250730BHJP
H02G 3/08 20060101ALI20250730BHJP
H01R 13/56 20060101ALI20250730BHJP
【FI】
H05K7/00 F
H02G3/16
H02G3/08 010
H01R13/56
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024009784
(22)【出願日】2024-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 真司
【テーマコード(参考)】
4E352
5E021
5G361
【Fターム(参考)】
4E352AA09
4E352AA16
4E352BB15
4E352CC04
4E352CC13
4E352CC22
4E352CC53
4E352DD04
4E352DD10
4E352DD15
4E352DR05
4E352DR24
4E352GG17
4E352GG25
5E021FA09
5E021FB09
5E021FB20
5E021FC02
5E021FC40
5E021GA10
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC03
5G361AD01
5G361BA06
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】ハーネス接続時に発生する湾曲部の膨らみを抑制することにより、他の部品との接触を回避するハーネス配索構造を提供する。
【解決手段】本発明に係るハーネス配索構造は、例えば、弾性変形するハーネスと、ハーネスを屈曲させるガイド部と、ガイド部を回動可能とする回動部と、を有するカバーと、を備え、回動部は、ハーネスが接続端子に接続される場合、所定角度で回動が静止することで、ハーネスの弾性変形を規制する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性変形するハーネスと、
前記ハーネスを屈曲させるガイド部と、前記ガイド部を回動可能とする回動部と、を有するカバーと、を備え、
前記回動部は、前記ハーネスが接続端子に接続される場合、所定角度で回動が静止することで、前記ハーネスの弾性変形を規制する、
ハーネス配索構造。
【請求項2】
弾性変形するハーネスと、
前記ハーネスを屈曲させるガイド部と、前記ガイド部を回動可能とする回動部と、前記ガイド部を所定角度で維持するストッパと、を有するカバーと、を備え、
前記ストッパは、前記ハーネスが接続端子に接続される場合、前記ガイド部と当接することで、前記ハーネスの弾性変形を規制する、
ハーネス配索構造。
【請求項3】
前記カバーは、前記ハーネスの基部を覆う本体部と、前記本体部から延びる前記ガイド部と、を有し、
前記ガイド部は、下方に屈曲する下方延出部と、前記回動部と前記下方延出部との間に、前記下方延出部よりも緩い傾斜で屈曲する第一傾斜部と、
を備える請求項1または2に記載のハーネス配索構造。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記回動部と前記第一傾斜部との間に、前記回動部から上方に傾斜する第二傾斜部と、
を備える請求項3に記載のハーネス配索構造。
【請求項5】
前記ハーネスは、メインハーネスと、前記メインハーネスから分岐するサブハーネスと、を有し、
前記ガイド部は、前記サブハーネスの分岐する位置に延在するサブガイド部と、
を備える請求項1または2に記載のハーネス配索構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーネス配索構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子制御装置から配索される弾性変形するハーネスが知られている。ハーネスの両端を接続端子に接続した場合に、ハーネスの余長分によって湾曲部が発生することが考えられる。この湾曲部が他の部品と接触する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、ハーネス接続時に発生する湾曲部の膨らみを抑制することにより、他の部品との接触を回避するハーネス配索構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、弾性変形するハーネスと、ハーネスを屈曲させるガイド部と、ガイド部を回動可能とする回動部と、を有するカバーと、を備え、回動部は、ハーネスが接続端子に接続される場合、所定角度で回動が静止することで、ハーネスの弾性変形を規制する。
【0006】
この構成によれば、ハーネスが弾性変形する場合に、回動部が静止することによりハーネスの弾性変形を規制することができる。その結果、ハーネス接続時にハーネスが湾曲することによる膨らみを低減し、他の部品との接触を回避できる。
【0007】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、弾性変形するハーネスと、ハーネスを屈曲させるガイド部と、ガイド部を回動可能とする回動部と、ガイド部を所定角度に維持するストッパと、を有するカバーと、を備え、ストッパは、ハーネスが接続端子に接続される場合、ガイド部と当接することで、ハーネスの弾性変形を規制する。
【0008】
この構成によれば、例えば、ハーネスが弾性変形する場合に、ガイド部をストッパにより維持することでハーネスの弾性変形を規制することができる。その結果、ハーネスが外側に膨らむことを低減できる。
【0009】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、カバーは、ハーネスの基部を覆う本体部と、本体部から延びるガイド部と、を有し、ガイド部は、下方に屈曲する下方延出部と、回動部と下方延出部との間に、下方延出部よりも緩い傾斜で屈曲する第一傾斜部と、を備えてもよい。
【0010】
この構成によれば、例えば、ガイド部が回動するときに、下方延出部とストッパとが当接する前に、第一傾斜部がストッパに干渉することを抑制できる。
【0011】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、ガイド部は、回動部と第一傾斜部との間に、回動部から上方に傾斜する第二傾斜部と、を備えてもよい。
【0012】
この構成によれば、例えば、第二傾斜部を有するため他の部品とガイド部の第二傾斜部が干渉することを抑制できる。
【0013】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、ハーネスは、メインハーネスと、メインハーネスから分岐するサブハーネスと、を有し、ガイド部は、サブハーネスの分岐する位置に延在するサブガイド部と、を備えてもよい。
【0014】
この構成によれば、例えば、サブガイド部が分岐する位置に延在することでサブハーネスの延出方向を調節できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ハーネス接続時に発生する湾曲部を抑制することにより、他の部品との接触を回避するハーネス配索構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係るハーネス配索の構成を示す例示的かつ模式的な正面側の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るハーネスを電子制御装置へ接続前の構成を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るハーネスを電子制御装置へ接続後の構成を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、車両100に搭載される電子制御装置50に接続されるハーネス10を一例としている。車両100は、例えば、エンジンルームに電子制御装置50を収容している。本実施形態のハーネス10は、電子制御装置50と、パワーユニット側と、を接続するハーネスを一例とする。
【0018】
ここで、各図面に示した様に、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、車両100の前後方向に沿って設けられる。Y軸は、車両100の幅方向に沿って設けられる。Z軸は、鉛直方向に沿って設けられる。
【0019】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0020】
以下の説明において、+X方向は前後方向の前方であり、-X方向は後方と定義される。+Y方向は幅方向の内側であり、-Y方向は外側と定義される。+Z方向は鉛直方向の上方向であり、-Z方向は鉛直方向の下方向と定義される。なお、車両100が位置する場所やタイヤの状態の種々の条件により、Z方向が鉛直方向と異なっても良い。
【0021】
図1は、実施形態に係るハーネス配索の構成を示す例示的かつ模式的な正面側の斜視図である。
図1に示した様に、ハーネス10は、メインハーネス11と、メインハーネス11から分岐するサブハーネス12と、メインハーネス11を覆うカバー20と、電子制御装置50と接続されるコネクタ41と、を備える。
【0022】
メインハーネス11の一端(上部)は、コネクタ41を備え、コネクタ41を介して電子制御装置50の接続端子51に接続される。メインハーネス11の他端(下部)は、他のコネクタを介してパワーユニット側の接続端子に接続される(不図示)。
【0023】
ここで、電子制御装置50は、例えば、車両100のエンジンルーム内に搭載され、車体に固定されている。電子制御装置50は、一例として、EFI-ECU(Electrical Fuel Injection-Electronic Control Unit)とする。なお、電子制御装置50は、例えば、ハーネス10が接続される電気接続箱等の他の電子部品であってもよい。または、電子部品だけでなくハーネス10が接続可能な車両用部品であってもよい。
【0024】
電子制御装置50は、例えば、上面に接続端子が3ヶ所設けられている。具体的には、接続端子51と、第2接続端子52と、第3接続端子53と、が設けられている。3ヶ所の接続端子は、幅方向(Y方向)に一列で並んでいる。接続端子は、少なくとも1か所設けられていればよい。
【0025】
接続端子51は、幅方向内側(+Y方向)に位置し、ハーネス10のコネクタ41と接続されている。第2接続端子52は、幅方向の中央に位置し、サブハーネス12の第2コネクタ42と接続されている。第3接続端子53は、幅方向外側(-Y方向)に位置し、第3コネクタ43と接続されている。
【0026】
ここで、電子制御装置50に接続されるコネクタの順番について説明する。幅方向の外側、中央、内側の順番に接続される。つまり、第3コネクタ43、第2コネクタ42、コネクタ41の順番に接続される。
【0027】
次に、電子制御装置50の接続端子にコネクタを接続する手順について説明する。接続端子51にコネクタ41を接続する場合を一例とする。なお、コネクタ41より先に、コネクタ41の反対側に位置する他のコネクタがパワーユニット側に接続されている(不図示)。
【0028】
まず、接続端子51にコネクタ41の位置を合わせ、コネクタ41を差し込むことで係止される。次に、コネクタ41を差し込んだ位置でレバー411を+Y方向から-Y方向に回動させる。これにより、コネクタ41が下方に移動することで接続端子51に接続される。さらに、コネクタ41が下方に移動することに連動してハーネス10も下方に移動する。
【0029】
また、第2接続端子52に第2コネクタ42を接続する場合も同様の手順により接続される。第3接続端子53に第3コネクタ43を接続する場合についても同様である。
【0030】
ハーネス10の両端が接続された結果、ハーネス10の余長分がハーネス10の弾性変形によって湾曲する。これにより、湾曲するハーネス10の余長分が他の部品と干渉する可能性がある。
【0031】
しかし、本実施形態では、接続時に、回動部22がガイド部21と共に回動し、所定角度で静止する。そのため、ガイド部21によってハーネス10の弾性変形を規制できる。その結果、ハーネス10が湾曲することを低減できる。
【0032】
次に、本実施形態のハーネス10の詳細について説明を行う。
【0033】
メインハーネス11は、例えば、電子制御装置50に接続されている弾性変形するハーネス10である。弾性変形するため組付け時に作業者等が曲げにくいハーネスである。メインハーネス11は、電子制御装置50の接続端子51に接続されるコネクタ41を有する。また、パワーユニット側の接続端子に接続される他のコネクタを有する(不図示)。
【0034】
サブハーネス12は、例えば、メインハーネス11の一部から分岐している。サブハーネス12の分岐先の端部は、電子制御装置50の中央の第2接続端子52に接続される第2コネクタ42を有する。メインハーネス11よりも径が細いハーネスである。
【0035】
コネクタ41は、例えば、接続端子51と接続させるためのレバー411を有していてもよい。このようにレバー式のコネクタ41であってもよい。第2コネクタ42も同様に、第2接続端子52に第2コネクタ42を接続するための第2レバー421を有していてもよい。また、第3コネクタ43は、第3接続端子53に第3コネクタ43を接続するための第3レバー431を有していてもよい。なお、レバーを有さないコネクタであってもよい。
【0036】
レバー411は、例えば、+Y方向から-Y方向にヒンジ軸412を中心に回動されることにより、コネクタ41を下方に移動させ、接続端子51に接続、固定ができる。レバー411によってレバー無しの場合よりもコネクタ41を抜けにくくできる。第2レバー421、第3レバー431も同様である。
【0037】
第2レバー421は、レバー411同様に+Y方向から-Y方向に第2ヒンジ軸422を中心に回動されることにより、第2コネクタ42を下方に移動させ、第2接続端子52に接続、固定ができる。第3レバー431も同様に、+Y方向から-Y方向に第3ヒンジ軸432を中心に回動されることにより、第3コネクタ43を下方に移動させ、第3接続端子53に接続、固定ができる。
【0038】
カバー20は、本体部24と、ガイド部21と、回動部22と、ストッパ23と、を備える。ガイド部21は、サブガイド部25と、下方延出部210と、第一傾斜部211と、第二傾斜部212と、を備える。カバー20は、ハーネス10と一体に組付けられている。
【0039】
本体部24は、例えば、接続端子51に接続される側のメインハーネス11の基部を覆う。本体部24は、コネクタ41に取り付き、メインハーネス11の側面と上面と後面とを覆う箱形状を一例とする。
【0040】
ガイド部21は、例えば、メインハーネス11と当接することでメインハーネス11の延出方向を変更させ、屈曲させる。ガイド部21は、本体部24から延出している。また、回動部22によって回動可能である。
【0041】
回動部22は、例えば、本体部24とガイド部21との間に設けられる。回動部22はカバー20の板厚を薄くした部分であってもよく、これによりガイド部21を回動可能としてもよい。また、金属等のヒンジで形成されてもよい。また、所定角度で静止する機構を備えていてもよい。
【0042】
ストッパ23は、例えば、本体部24から一対延出し接続することで形成される枠形状である。ストッパ23は、ガイド部21を外側から囲む枠形状である。ガイド部21を所定角度に維持する。すなわちガイド部21が所定角度まで回動した位置でガイド部21の下方延出部210がストッパ23に当接して維持される。これにより、ガイド部21の角度が所定角度で維持され、回動を規制できる。
【0043】
サブガイド部25は、例えば、ガイド部21の一部からサブハーネス12の分岐部に沿って延びる。サブガイド部25は、ガイド部21から延出する角度によって、サブハーネス12の分岐方向を調節可能とする。
【0044】
下方延出部210は、例えば、ガイド部21の-Z方向に下がる部分であり、メインハーネス11と当接する当接面となる。そのため下方延出部210は、メインハーネス11と当接することでメインハーネス11を湾曲させ、延出方向を変更できる。下方延出部210の+Y側の面が、ストッパ23と当接することでガイド部21が静止し、メインハーネス11の回動が規制させる。
【0045】
なお、下方延出部210は、メインハーネス11を結束バンド等で支持してもよく、結束バンドを通す一対の貫通孔213が設けられていてもよい。また、サブガイド部25も同様に、サブハーネス12を結束バンド等で支持してもよく、結束バンドを通す一対の貫通孔251が設けられていてもよい。
【0046】
第一傾斜部211は、例えば、第二傾斜部212から斜め下方に延びる傾斜部である。下方延出部210よりも緩い傾斜で下方に延びる。第一傾斜部211は、下方の端部から下方延出部210がさらに延びる。第一傾斜部211は、ガイド部21が回動する際にストッパ23との干渉を避ける傾斜面である。
【0047】
第二傾斜部212は、例えば、メインハーネス11が接続後の位置で、回動部22から斜め上方に延びる傾斜部である。第二傾斜部212の斜め上方の端部から第一傾斜部211が斜め下方に向かって延びる。第二傾斜部212は、レバー411が回動前の位置で、レバー411との干渉を避ける傾斜面である。
【0048】
次に、
図2と
図3を用いて、電子制御装置50の接続端子51にメインハーネス11のコネクタ41を接続する前と接続した後の、ガイド部21とメインハーネス11の動きを説明する。
【0049】
図2は、実施形態に係るハーネスを電子制御装置50へ接続前の構成を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【0050】
図2に示した様に、メインハーネス11は、電子制御装置50の接続端子51に接続されるコネクタ41と反対側の他のコネクタと、を備える。はじめに、他のコネクタが、パワーユニット側の接続端子に接続される。次に、電子制御装置50の接続端子51にコネクタ41が接続される。
【0051】
接続端子51にコネクタ41が接続される前に、作業者等によりガイド部21を-Z方向に回動させる。これにより、下方延出部210が-Y方向に移動し、メインハーネス11も-Y方向に移動する。
【0052】
したがって、
図2に示した様に、メインハーネス11は、下方延出部210と当接することで湾曲する第1湾曲部111と、ガイド部21を回動させることで下方延出部210に押されて発生する第2湾曲部112と、を有する。
【0053】
第1湾曲部111は、下方延出部210と第二傾斜部212との間に位置する。第2湾曲部112は、第1湾曲部111と下方延出部210よりも下方に位置する。第2湾曲部112は、第1湾曲部111よりも-Y方向に位置する。
【0054】
メインハーネス11が作業者等によって湾曲された状態で、コネクタ41は、接続端子51に位置が合わされ、差し込まれることで係止される。次に、コネクタ41を差し込んだ位置で、レバー411を+Y方向から-Y方向に回動させる。
【0055】
これにより、レバー411の操作に連動して、コネクタ41が下がることで接続端子51に接続し、固定される。このとき、コネクタ41が下がる時にメインハーネス11も同じ量だけ下がる。
【0056】
図3は、実施形態に係るハーネス配索の電子制御装置50へ接続後の構成を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【0057】
図3に示した様に、コネクタ41が接続端子51に接続されることで、メインハーネス11の両端部が接続された状態となる。このとき、メインハーネス11は下がった変位量が余長分となり、余長分が弾性変形する。
【0058】
つまり、本実施形態では、第2湾曲部112が弾性変形によって+Y方向に移動する。第2湾曲部112が移動することで、下方延出部210が回動し、所定角度でストッパ23と当接する。
【0059】
その結果、接続後に、第2湾曲部112は、直線となる、または、接続前よりも湾曲の円が大きい湾曲となる。したがって、下方延出部210がストッパ23に当接することにより、メインハーネス11が下方延出部210の延出方向よりも-Y方向に位置するため、メインハーネス11が+Y方向に湾曲することを抑制でき、他の部品との干渉を抑制できる。
【0060】
(変形例)
本実施形態の一例として、下方延出部210がストッパ23に当接することでメインハーネス11の湾曲を抑制することとした。一方、変形例では、回動部22が所定角度で静止する機構を備えることでメインハーネス11の湾曲を抑制することとする。
【0061】
第2湾曲部112が弾性変形によって+Y方向に移動することで、下方延出部210も+Y方向に移動する。その結果、回動部22は、+Z方向に回動し、所定角度で静止する。この場合、カバー20がストッパ23を有さない場合でもメインハーネス11の湾曲を抑制できる。
【0062】
(本実施形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、弾性変形するハーネス10と、ハーネス10を屈曲させるガイド部21と、ガイド部21を回動可能とする回動部22と、を有するカバー20と、を備え、回動部22は、ハーネス10が接続端子51に接続される場合、所定角度で回動が静止することで、ハーネス10の弾性変形を規制する。これによれば、例えば、ハーネス10が弾性変形する場合に、回動部22が静止することによりハーネス10の弾性変形を規制できる。その結果、ハーネス10が外側に膨らむことを低減できる。さらに、外側に膨らむことで、近傍にある部品との干渉を低減できる。部品は例えばブレーキのリザーバータンク等を一例とする。
【0063】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、弾性変形するハーネス10と、ハーネス10を屈曲させるガイド部21と、ガイド部21を回動可能とする回動部22と、ガイド部21を所定角度で維持するストッパ23と、を有するカバー20と、を備え、ストッパ23は、ハーネス10が接続端子51に接続される場合、ガイド部21と当接することで、ハーネス10の弾性変形を規制する。これによれば、例えば、ハーネス10が弾性変形する場合に、ストッパ23とガイド部21とが当接することによりハーネス10の弾性変形を規制できる。その結果、ハーネス10が外側に膨らむことを低減できる。
【0064】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、カバー20は、ハーネス10の基部を覆う本体部24と、本体部24から延びるガイド部21と、を有し、ガイド部21は、下方に屈曲する下方延出部210と、回動部22と下方延出部210との間に、下方延出部210よりも緩い傾斜で屈曲する第一傾斜部211と、を備えてもよい。これによれば、例えば、ガイド部21が回動するときに、下方延出部210とストッパ23とが当接する前に、第一傾斜部211がストッパ23に干渉することを抑制できる。
【0065】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、ガイド部21は、回動部22と第一傾斜部211との間に、回動部22から上方に傾斜する第二傾斜部212と、を備えてもよい。これによれば、例えば、第二傾斜部212を有するため他の部品とガイド部21の第二傾斜部212とが干渉することを抑制できる。
【0066】
また、本発明の実施形態に係るハーネス配索構造は、例えば、ハーネス10は、メインハーネス11と、メインハーネス11の一部から分岐するサブハーネス12と、を有し、ガイド部21は、サブハーネス12の分岐する位置に延在するサブガイド部25と、を備えるようにしてもよい。これによれば、例えば、サブガイド部25が分岐する位置に延在することでサブハーネス12の延出方向を調節できる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態は、例として提示
したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態
は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない
範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施の形態は、発
明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲
に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 :ハーネス
11 :メインハーネス
12 :サブハーネス
20 :カバー
21 :ガイド部
210:下方延出部
211:第一傾斜部
212:第二傾斜部
22 :回動部
23 :ストッパ
24 :本体部
25 :サブガイド部
50 :電子制御装置
51 :接続端子