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  • 特開-電動車 図1
  • 特開-電動車 図2
  • 特開-電動車 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011534
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電動車
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20250117BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20250117BHJP
【FI】
B60K1/00 ZHV
B60K6/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113707
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 拓也
【テーマコード(参考)】
3D202
3D235
【Fターム(参考)】
3D202EE23
3D235AA01
3D235BB25
3D235CC12
3D235CC32
3D235DD02
3D235DD12
3D235DD17
3D235FF26
3D235HH16
(57)【要約】
【課題】 車載部品の損耗を抑制する。
【解決手段】 電動車であって、走行用モータに電力を供給する電力制御ユニットと、前記電力制御ユニットの隣に配置されている車載部品、を有する。前記電力制御ユニットが、前記車載部品側に凸となる曲面部を有する保護部材を有している。前記電動車の走行時の振動によって前記車載部品が前記電力制御ユニットに対して接近したときに、前記曲面部が前記車載部品に接触する。この電動車では、振動時に曲面部が車載部品に接触するので、車載部品の損耗が抑制される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車であって、
走行用モータに電力を供給する電力制御ユニットと、
前記電力制御ユニットの隣に配置されている車載部品、
を有し、
前記電力制御ユニットが、前記車載部品側に凸となる曲面部を有する保護部材を有しており、
前記電動車の走行時の振動によって前記車載部品が前記電力制御ユニットに対して接近したときに、前記曲面部が前記車載部品に接触する、
電動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、電動車に関する。なお、本明細書において、電動車は、電力によりモータを駆動して走行する車両を意味する。電動車には、バッテリ電動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車等が含まれる。
【0002】
特許文献1に開示の車両は、衝突時にエンジンと車載部品との干渉を防止するプロテクタを有する。プロテクタによって、衝突時にエンジンと車載部品の損傷を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-123499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動車において、車両走行時の振動によって電力制御ユニットと車載部品とが干渉する場合がある。車載部品が電力制御ユニットに繰り返し干渉することで、車載部品が損耗する。本明細書では、車載部品の損耗を抑制する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する電動車は、走行用モータに電力を供給する電力制御ユニットと、前記電力制御ユニットの隣に配置されている車載部品、を有する。前記電力制御ユニットが、前記車載部品側に凸となる曲面部を有する保護部材を有している。前記電動車の走行時の振動によって前記車載部品が前記電力制御ユニットに対して接近したときに、前記曲面部が前記車載部品に接触する。
【0006】
この電動車では、振動によって車載部品が電力制御ユニットに対して接近したときに保護部材の曲面部が車載部品に接触する。曲面部が車載部品に接触しても、車載部品にキズ等は生じ難い。また、曲面部が車載部品に接触することで、電力制御ユニットの他の部分が車載部品に接触することが抑制される。したがって、この電動車では、車載部品の損耗が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】電動車のコンパートメントを上から見た平面図。
図2】ダクトと電力制御ユニットの側面図。
図3図2の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の電動車は、キャビンの前方にコンパートメントを有している。図1は、コンパートメントの内部を上側から見た平面図である。なお、図1において矢印FRは車両前方を示している。図1に示すように、コンパートメントの内部に、モータ10、電力制御ユニット20、及び、エアクリーナ50が収容されている。モータ10は、電動車の車輪を駆動する。電力制御ユニット20は、いわゆるPCU(Power Control Unit)である。電力制御ユニット20は、モータ10の上部に配置されている。電力制御ユニット20は、インバータを内蔵しており、モータ10に交流電力を供給する。電力制御ユニット20は、モータ10に供給する交流電力の周波数、振幅等を変更することで、モータ10の動作を制御する。電力制御ユニット20の前方に、エアクリーナ50のダクト52が配置されている。
【0009】
電力制御ユニット20は、カバー22とプロテクタ24を有している。カバー22は、電力制御ユニット20の上部を覆っている。プロテクタ24は、カバー22の前部を覆っている。電力制御ユニット20とダクト52の間には間隔が設けられている。図1の領域Aは、電力制御ユニット20とダクト52の間の間隔が最も狭い領域を示している。図2は、領域Aの位置における電力制御ユニット20とダクト52の位置関係を示している。図1、2に示すように、電力制御ユニット20のカバー22には、フランジ22aが設けられている。フランジ22aの前縁は、プロテクタ24よりも前側に配置されている。領域A内ではフランジ22aの前縁が電動車の左右方向に沿って直線状に伸びている。プロテクタ24は、フランジ22aよりも上側に配置されている。プロテクタ24は、カバー22の前面24aと上面24bを接続する曲面部24cを有している。曲面部24cは凸状の曲面である。曲面部24cはダクト52に対向する位置に配置されている。
【0010】
電動車の走行時の振動により、ダクト52と電力制御ユニット20がそれぞれ振動する。ダクト52と電力制御ユニット20は、電動車が前後方向に揺れたときに揺れ易い。電動車が前後方向に揺れると、図2の矢印Cに示すようにダクト52が斜め前後に揺れる。また、電動車が前後方向に揺れると、図3の矢印Dに示すように電力制御ユニット20がダクト52よりも小さい角度で斜め前後に揺れる。また、ダクト52と電力制御ユニット20はそれぞれ異なる位相で揺れる。したがって、電動車が振動すると、ダクト52と電力制御ユニット20の相対位置が変化し、ダクト52と電力制御ユニット20の間の間隔が変化する。図2、3の円Bは、ダクト52と電力制御ユニット20がそれぞれ振動したときにダクト52が電力制御ユニット20に対して変位する範囲を示している。図3に示すように、曲面部24cは、円Bに対して接線に沿って接するように設計されている。また、電力制御ユニット20のうちの曲面部24c以外の部分(例えば、フランジ22a等)は、円Bと接しない位置に配置されている。
【0011】
振動によってダクト52が電力制御ユニット20に最も接近した場合には、図2、3の円Bに示すようにダクト52が曲面部24cに接触する。曲面部24cは滑らかな曲面であるので、曲面部24cがダクト52に接触してもダクト52にキズ等はほとんど生じない。また、ダクト52が曲面部24cに接触することで、ダクト52が電力制御ユニット20の他の部分に接触することが防止される。したがって、ダクト52がフランジ22a等の角部に接触することが防止される。これにより、ダクト52にキズが生じることが防止される。したがって、実施形態の電動車では、走行時にダクト52が損耗し難い。
【0012】
なお、上述した実施形態では、ダクト52の損耗を抑制する技術について説明した。しかしながら、電動車の他の車載部品の損耗を、上述した技術により抑制してもよい。
【0013】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
図1
図2
図3