IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -ゲート装置 図1
  • -ゲート装置 図2
  • -ゲート装置 図3
  • -ゲート装置 図4
  • -ゲート装置 図5
  • -ゲート装置 図6
  • -ゲート装置 図7
  • -ゲート装置 図8
  • -ゲート装置 図9
  • -ゲート装置 図10
  • -ゲート装置 図11
  • -ゲート装置 図12
  • -ゲート装置 図13
  • -ゲート装置 図14
  • -ゲート装置 図15
  • -ゲート装置 図16
  • -ゲート装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025115560
(43)【公開日】2025-08-07
(54)【発明の名称】ゲート装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20250731BHJP
【FI】
G07G1/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010071
(22)【出願日】2024-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 昂輝
(72)【発明者】
【氏名】杉山 智則
(72)【発明者】
【氏名】中司 文雄
(72)【発明者】
【氏名】大谷 優奈
(72)【発明者】
【氏名】中原 可南子
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA17
3E142EA30
3E142FA14
3E142GA02
3E142GA17
3E142GA18
3E142GA22
3E142GA41
3E142HA02
3E142HA03
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】ゲート装置の近くに店員を配置せずとも、ゲート装置の状態を監視できる。
【解決手段】ゲート装置は、ゲート機構と、発光体と、切替部と、制御部とを備える。ゲート機構は、客が通過する通路に沿って配置される。発光体は、ゲート機構の上方に設けられる。切替部は、ゲート機構の動作モードとして、通路を通過する人物を検知する検知器により通路を通行する人物が検知されると通報を行う第1モードと、検知器により通路を通行する人物が検知されても通報を行わない第2モードとを切り替える。制御部は、発光体の発光状態を、第1モードのときと第2モードのときとで変化させる。
【選択図】 図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が通過する通路に沿って配置されたゲート機構と、
前記ゲート機構の上方に設けた発光体と、
前記ゲート機構の動作モードとして、前記通路を通過する人物を検知する検知器により前記通路を通行する人物が検知されると通報を行う第1モードと、前記検知器により前記通路を通行する人物が検知されても通報を行わない第2モードとを切り替える切替部と、
前記発光体の発光状態を、前記第1モードのときと前記第2モードのときとで変化させる制御部と、
を具備するゲート装置。
【請求項2】
前記通路の上流において、前記客との取引を決済する決済部、
をさらに具備し、
前記制御部は、前記決済部で決済が行われているときに前記発光体の発光状態をさらに変化させる、請求項1記載のゲート装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記決済部で決済が行われているときに店員を呼び出す事象が発生すると、前記発光体の発光状態をさらに変化させる、請求項2記載のゲート装置。
【請求項4】
前記店員を呼び出す事象は、前記決済部に生じたエラーを含み、
前記制御部は、前記エラーのレベルに応じて前記発光体の発光状態をさらに変化させる、請求項3記載のゲート装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1モードのときに前記検知器により前記通路を通行する人物が検知されると、前記発光体の発光状態をさらに変化させる、請求項1記載のゲート装置。
【請求項6】
前記発光体は、前記通路の路面に対して鉛直方向に立設されたポールの先端部に設けられたパトランプである、請求項1乃至5のうちいずれか一記載のゲート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ゲート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品が陳列されている売場において、客が自らモバイル端末を操作して買上商品の登録を行い、その買上商品の会計も、売場とは別の会計場において客が自ら会計機を操作して行うようにした店舗システムが開発されている。スーパーマーケット等の量販店等においてこの種の店舗システムを導入することにより、会計場の混雑緩和を図ることができる。また、会計担当の店員(従業員)を減らせるので、人件費の削減も図ることができる。
【0003】
ただし、決済に店員が関わらないので、客が決済をせずに店を立ち去る不正が発生しやすいという懸念がある。そこで、会計場の出口へと通じる通路に、決済を完了した客を通過可能とするゲート装置を設置することが考えられている。しかし、ゲート装置を設置した場合には、客が通過不可となったとき等に対応するための店員が必要となる。店員は、ゲート装置の状態を監視するためにゲート装置の近くで待機していなければならず、非効率である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-153157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、装置の近くに店員を配置せずとも装置の状態を監視できるゲート装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、ゲート装置は、ゲート機構と、発光体と、切替部と、制御部とを備える。ゲート機構は、客が通過する通路に沿って配置される。発光体は、ゲート機構の上方に設けられる。切替部は、ゲート機構の動作モードとして、通路を通過する人物を検知する検知器により通路を通行する人物が検知されると通報を行う第1モードと、検知器により通路を通行する人物が検知されても通報を行わない第2モードとを切り替える。制御部は、発光体の発光状態を、第1モードのときと第2モードのときとで変化させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る店舗システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、取引ファイルに記述される主要なデータを示す模式図である。
図3図3は、ゲート装置の要部回路構成を示すブロック図である。
図4図4は、ゲート機構の一例を示す斜視図である。
図5図5は、ゲート装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示す模式図である。
図6図6は、ゲート装置のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図7図7は、ゲート装置のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図8図8は、ゲート装置のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図9図9は、通行不可画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図10図10は、警告画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図11図11は、確認中画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図12図12は、店員呼出画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図13図13は、通行許可画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図14図14は、通行エラー画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図15図15は、会計中画像とパトランプの状態の一例を示す図である。
図16図16は、本実施形態におけるパトランプの状態遷移説明図である。
図17図17は、他の実施形態におけるパトランプの状態遷移説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、装置の近くに店員を配置せずとも装置の状態を監視できるゲート装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態は、取引対象者である客が自らモバイル端末を操作して買上商品の登録を行い、その買上商品の会計も客が自ら会計機を操作して行うようにした店舗システムのゲート装置を例示する。はじめに、店舗システムについて説明する。
【0009】
[店舗システムの概略説明]
図1は、一実施形態に係る店舗システム100の概略構成を示す模式図である。店舗システム100は、商品が陳列された売場に構築される売場システム10と、売場とは区分けされた会計場に構築される会計場システム20と、からなる。
【0010】
売場システム10は、複数台のモバイル端末11と、モバイルサーバ12とを含む。売場システム10は、複数台のモバイル端末11と、モバイルサーバ12とを、通信ネットワーク13のアクセスポイント14を介して無線で接続する。
【0011】
モバイル端末11は、タッチパネル、カメラ等の入出力デバイスと、アクセスポイント14と無線通信が可能な無線通信ユニットと、を備えた携帯型の情報端末である。例えば客が所有するスマートフォン、店舗から貸し出されるハンディターミナル、ショッピングカートに取り付けられたタブレット端末等がモバイル端末11となり得る。例えばスマートフォンの場合、売場システム10が導入された店舗での客の買物を支援するためのアプリケーションソフトウェア、いわゆる買物アプリをインストールすることによってモバイル端末11となる。
【0012】
モバイル端末11は、売場を移動しながら買上商品を集める客が操作者となる。客は、買上商品を入手する毎にモバイル端末11を操作して、その買上商品に係るデータを入力する。例えば客は、モバイル端末11のカメラで買上商品のバーコードをスキャニングすることにより、買上商品の商品コードを入力する。例えば客は、モバイル端末11のタッチパネルを操作することにより、買上商品の商品コード、買上点数等を入力する。モバイル端末11に入力された買上商品に係るデータは無線送信され、アクセスポイント14を介してモバイルサーバ12で受信される。
【0013】
モバイルサーバ12は、モバイル端末11を使用して買上商品を登録する客との取引を支援するためのコンピュータである。モバイルサーバ12は、複数の取引ファイル16を保存するための記憶領域を有する。取引ファイル16は、モバイル端末11を使用する客との取引毎に作成されるデータファイルである。
【0014】
図2は、取引ファイル16に記述される主要なデータを示す模式図である。図示するように取引ファイル16には、取引番号、取引日時、1以上の商品販売データ、合計データ、支払いデータ、決済完了フラグFa等が記述される。
【0015】
取引番号は、モバイル端末11を使用した取引を個々に識別するために発番される一意の番号である。例えば取引番号は、モバイル端末11を使用した取引が開始される毎に“1”ずつ増加する連続番号である。取引番号は、モバイル端末11を使用した取引の会計が指示される毎に“1”ずつ増加する連続番号であってもよい。取引番号は、その他のアルゴリズムに基づく一意の番号であってもよい。
【0016】
取引日時は、その取引が行われた日付及び時刻である。時刻は、取引が開始された時刻であってもよいし、取引の会計が指示された時刻であってもよい。
【0017】
商品販売データは、モバイル端末11に入力された買上商品に係るデータを基に作成される。商品販売データは、買上商品の商品コード、価格、買上点数、買上金額等を含む。商品コードは、モバイル端末11に入力された買上商品の識別コードである。価格は、各商品の商品コードと関連付けて当該商品の価格が設定されたPLU(Price Look Up)ファイルから取得した価格である。買上点数は、モバイル端末11に買上点数が入力された場合にはその点数であり、買上点数が入力されていない場合には“1”である。買上金額は、価格に買上点数を乗算して算出される金額である。
【0018】
合計データは、合計点数と合計金額のデータで構成される。合計点数は、取引ファイル16に含まれる商品販売データの買上点数の合計である。合計金額は、取引ファイル16に含まれる商品販売データの買上金額の合計である。
【0019】
支払いデータは、代金の支払い方法を識別するための支払い種別と、その支払い方法による支払い金額と、を含む。後述する会計機21において取引番号で特定される取引の決済が行われると、取引ファイル16に支払いデータが記述される。
【0020】
決済完了フラグFaは、当該取引ファイル16で管理される取引の決済が完了したか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、決済を完了していないことを示す決済完了フラグFaを“0”とし、決済を完了したことを示す決済完了フラグFaを“1”とする。
【0021】
図1の説明に戻る。
買物を終えた客は、会計を指示する操作をモバイル端末11に対して行う。会計を指示する操作が行われることにより、モバイル端末11の表示デバイスに会計用の機械可読コードが表示される。機械可読コードは、例えばバーコード又は二次元コードである。本実施形態では、機械可読コードをバーコードとする。以下では、会計用の機械可読コード(バーコード)を会計バーコードと称する。会計バーコードは、取引ファイル16を識別するための情報を含む。情報は、例えば取引番号である。客は、会計バーコードを会計機21のスキャナで読み取らせることにより、当該会計機21での決済が可能となる。会計機21での決済は、電子マネー決済、クレジットカード決済、コード決済等のキャッシュレス決済であってもよいし、現金による決済又は商品券等の金券による決済等であってもよい。
【0022】
なお、モバイル端末11にキャッシュレス決済用のアプリケーションソフトウェア、いわゆる決済アプリがインストールされている場合には、モバイル端末11での決済が可能である。決済は、電子マネー決済、クレジットカード決済、コード決済等のキャッシュレス決済である。客によりモバイル端末11に対してキャッシュレス決済のための操作が行われると、モバイル端末11から支払いデータが無線送信される。支払いデータは、代金支払い方法を示す支払い種別と支払い金額とを含む。例えば消費者が電子マネーを用いてキャッシュレス決済を行った場合には、電子マネーを示す支払い種別の情報と電子マネーによる支払い金額とを含む支払いデータが無線送信される。無線送信された支払いデータは、アクセスポイント14を介してモバイルサーバ12で受信される。
【0023】
会計場システム20は、複数台の会計機21と、店舗サーバ22と、アテンダント端末23とを含む。会計場システム20は、複数台の会計機21と店舗サーバ22とアテンダント端末23とを通信ネットワーク24で接続する。通信ネットワーク24は、例えばLANである。なお、図1においてはアテンダント端末23を一台のみ示しているが、2台以上のアテンダント端末23を通信ネットワーク24に接続して、会計場システム20を構成してもよい。
【0024】
会計場システム20は、通信ネットワーク24に通信サーバ31を接続する。売場システム10は、通信ネットワーク13に通信サーバ32を接続する。店舗システム100は通信サーバ31と通信サーバ32との間をサーバ間ネットワーク30で接続する。このような接続により、会計場システム20における各会計機21及び店舗サーバ22と、売場システム10における各モバイル端末11及びモバイルサーバ12とは、相互間でデータを送受信することが可能となる。
【0025】
会計機21は、ゲート機構40を備えた第1会計機21-1と、ゲート機構40を備えていない第2会計機21-2と、を含む。ゲート機構40を備えた第1会計機21-1は、ゲート装置の一例である。ゲート装置、つまりはゲート機構40を備えた第1会計機21-1については後で詳細に説明する。
【0026】
第2会計機21-2は、モバイル端末11を操作して買上商品をセルフで登録した客との取引を決済するための機器である。第2会計機21-2は、POS(Point Of Sales)端末、決済端末等とも称される周知の会計機をそのまま適用できる。第2会計機21-2は、典型的には、客が自ら取引を決済するための操作を実行するセルフ式である。第2会計機21-2は、取引を決済するための操作を店員が行う対面式であってもよい。
【0027】
第2会計機21-2は、会計バーコードを読み取るためのスキャナを備える。スキャナで会計バーコードを読み取ることにより、第2会計機21-2は、その会計バーコードの情報により識別される取引ファイル16をモバイルサーバ12から取得する。そして第2会計機21-2は、その取引ファイル16のデータを基に取引を決済する。決済は、前述したように電子マネー決済、クレジットカード決済、コード決済等のキャッシュレス決済であってもよいし、現金による決済又は商品券等の金券による決済等であってもよい。
【0028】
第2会計機21-2は、取引を決済する毎に、取引番号、取引日時、商品販売データ、合計データ、支払いデータ等の取引の明細を記録したレシートを発行する。そして第2会計機21-2は、そのレシートに、スキャナで読み取った会計バーコードを印刷する。
【0029】
レシートは、客が保有するモバイル端末11に電子レシートの形態で表示されてもよい。電子レシートには、紙を媒体とするレシートと同様に、取引番号、取引日時、商品販売データ、合計データ、支払いデータ等の取引の明細を記録した情報が含まれる。そして、この電子レシートにも、会計バーコードが表示される。なお、取引の明細を記録した情報は表示されず、会計バーコードだけがモバイル端末11に表示されてもよい。
【0030】
店舗サーバ22は、各会計機21において決済された取引のデータを、通信ネットワーク24を介して収集し集計することにより、商品販売時点における店舗の売上、在庫等の情報を管理するサービス等を行うコンピュータである。
【0031】
アテンダント端末23は、アテンダントと称される店員が常駐するために会計場の一部に設けられたアテンダントカウンタに設置される。アテンダント端末23は、表示デバイスを備え、店員が各会計機21に対する入力内容等を監視するために使用される。具体的にはアテンダント端末23は、表示デバイスにおいて会計機21別に、その会計機21でそれぞれ処理されている情報をリアルタイムに表示する。表示デバイスに表示される情報は、会計機21で決済された取引の商品販売データ、例えば商品名、価格、数量等を含む。また、取引の合計金額(決済金額)、支払方法別の代金支払金額等も表示デバイスに表示される。アテンダント端末23は、店員が携帯するハンディ型の端末であってもよい。アテンダント端末23をハンディ型の端末とすることで、店員はアテンダントカウンタに常駐していなくてもよい。
【0032】
[ゲート装置の構成説明]
図3は、ゲート装置を構成する第1会計機21-1及びゲート機構40の要部回路構成を示すブロック図である。第1会計機21-1は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、時計54、通信インターフェース55、タッチパネル56、固定スキャナ57、プリンタ58、スキャナインターフェース59、カードリーダインターフェース60、釣銭機インターフェース61、ゲート機構インターフェース62及びシステム伝送路63等を備える。システム伝送路63は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路63は、プロセッサ51と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0033】
第1会計機21-1は、プロセッサ51と、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、時計54及び通信インターフェース55とを、システム伝送路63で接続することにより、コンピュータを構成する。そしてシステム伝送路63に、タッチパネル56、固定スキャナ57、プリンタ58等の入出力デバイス及びスキャナインターフェース59、カードリーダインターフェース60、釣銭機インターフェース61、ゲート機構インターフェース62等のデバイスインターフェースを接続し、コンピュータで制御することにより、第1会計機21-1としての機能を実現している。なお、システム伝送路63に接続される入出力デバイスまたはデバイスインターフェースは、上記のものに限定されない。例えばキーボード等の他の入出力デバイスが接続されてもよいし、キャッシュレス決済端末のインターフェース等が接続されてもよい。
【0034】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、ゲート装置としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ51は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサであることが好ましい。
【0035】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0036】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0037】
時計54は、日付と時刻を計時する。プロセッサ51は、時計54によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0038】
通信インターフェース55は、通信ネットワーク24に接続された店舗サーバ22、アテンダント端末23、通信サーバ31等との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0039】
タッチパネル56は、第1会計機21-1の表示デバイスとして機能するディスプレイと入力デバイスとして機能するタッチセンサとを含む。タッチパネル56は、第1会計機21-1のユーザである客又は店員に対して種々の情報をディスプレイに表示する。タッチパネル56は、ディスプレイの画面に対するタッチ操作をタッチセンサで検知して、そのタッチ位置に応じた入力を受け付ける。
【0040】
固定スキャナ57は、バーコード又は二次元コード等の機械可読コードをスキャニングして読み取る入力デバイスである。固定スキャナ57は、第2会計機12-2から発行されたレシートに印刷され、若しくはモバイル端末11のディスプレイに表示された会計バーコード等を読み取ることができる。固定スキャナ57は、店員が携帯するIDカードにプリントされた機械可読コードを読み取ることも可能である。店員が携帯するIDカードには、その店員固有の識別コード、いわゆる店員コードを示す機械可読コードがプリントされている。
【0041】
プリンタ58は、レシートを印刷し発行するための印字デバイスである。レシートは、取引番号、取引日時、商品販売データ、合計データ、支払いデータ等の取引の明細を記録した紙媒体である。
【0042】
スキャナインターフェース59は、ハンディスキャナ71(図4を参照)とデータ通信を行うことが可能なインターフェースである。ハンディスキャナ71は、携帯型のスキャナであり、固定スキャナ57と同様に機械可読コードをスキャニングして読み取る入力デバイスである。
【0043】
カードリーダインターフェース60は、カードリーダとデータ通信を行うことが可能なインターフェースである。カードリーダは、例えばクレジットカード、電子マネーカード、ポイントカード等のカード媒体に記録されたデータを読み取る入力デバイスである。カードリーダは、ICカードのデータを読み取るICカードリーダであってもよいし、磁気カードのデータを読み取る磁気カードリーダであってもよい。ICカードリーダは、接触式のICカードリーダであってもよいし、非接触式のICカードリーダであってもよい。
【0044】
釣銭機インターフェース61は、預り金の入金及び釣銭の払出しが可能な自動釣銭機とデータ通信を行うことが可能なインターフェースである。
【0045】
ゲート機構インターフェース62は、ゲート機構40が備える機器、例えば人感センサ41、パトランプ42、LED43、スピーカ44、ディスプレイ45等とそれぞれデータ通信を行うことが可能なインターフェースである。
【0046】
[ゲート機構の構成説明]
図4は、第1会計機21-1と1対1で対応付けられるゲート機構40の一例を示す斜視図である。ゲート機構40は、略直方体の形状をなす筐体400を有する。筐体400は、客が図示矢印の方向に進む通路PAに沿って配置される。通路PAは、図示矢印方向に進む客が進入する側を入口とし、客が退出する側を出口とする。入口から進入した客は、通路PAを通って出口から出ることにより、例えば店内から店外へと退出することができる。あるいは客は、店内の一部の場所から別の場所へと移動することができる。
【0047】
筐体400は、通路PAの床面に接地する面の四辺から上方に延伸する4つの面のうち、通路PAに沿って配置された一面を側面401とし、店内側を向けて配置された一面を正面402とし、通路PAの床面に接地する面と対向した一面を上面403とする。そして、正面402と上面403との接合部を第1会計機21-1のフォルダ404とする。
【0048】
フォルダ404は、第1会計機21-1のプリンタ58と固定スキャナ57とタッチパネル56とを保持する。具体的にはフォルダ404は、レシートの発行口581が正面402側となるようにプリンタ58を保持する。フォルダ404は、プリンタ58の上部において、読取窓571が正面402側となるように固定スキャナ57を保持する。フォルダ404は、固定スキャナ57の上部において、画面561が正面402側となるようにタッチパネル56を保持する。このような配置により、ゲート機構40の正面に立つ客は、例えば発行口581から発行されるレシートを容易に受け取ることができる。また客は、会計バーコード等を固定スキャナ57の読取窓571に容易に翳すことができる。また客は、タッチパネル56に表示される画像を見てタッチ操作することができる。
【0049】
フォルダ404の側面401とは反対側の側面には、スキャナインターフェース59に接続されたハンディ型のスキャナ、いわゆるハンディスキャナ71が係止されている。また、図示しないが、カードリーダインターフェース60に接続されたカードリーダ、釣銭機インターフェース61に接続された自動釣銭機等も筐体400の近くに配置されている。例えばカードリーダは、筐体400の上面403に配置されていてもよい。
【0050】
筐体400の上面403には、パトランプ42とディスプレイ45が取り付けられている。パトランプ42は、発光体の一例である。パトランプ42は、筐体400の正面402とは反対側の面、いわゆる裏面に近い側の上面403において、床面に対して鉛直方向に取り付けられたポール421の頂部に設けられている。そして、このポール421の手前側に、画面451を正面402側に向けてディスプレイ45が配置されている。ディスプレイ45は、タッチパネル56よりも画面が小さい表示デバイスであってもよい。
【0051】
人感センサ41、LED43、及びスピーカ44は、筐体400に内蔵されている。筐体400は、通路PAに沿った側面401に、人感センサ41用のスリット405と、LED43用のスリット406とを形成している。人感センサ41は、スリット405の位置を通過する人物の動き又は熱を感知する赤外線センサである。人感センサ41は、赤外線以外の方法でスリット405の位置を通過する人物を検知してもよい。人感センサ41は、通路PAを通過する人物を検知する検知器の一例である。LED43は、客に対して通路PAを矢印方向に進むように案内するための光がスリット406から漏れるように、所定の色とパターンで点灯または点滅する。なお、検知器は、必ずしも筐体400に内蔵されている必要はなく、ゲート機構40とは別体として設けられていてもよい。例えば、ゲート機構40とは別体の機器に取り付けられて、通路PAを通過する人物を検知してもよい。例えば、検知器がカメラである場合、通路PAを通過する人物を画像認識により検知し、当該カメラが検知した検知結果をゲート機構40、または、第1会計機21-1に対して送信する。ゲート機構40は、カメラからの検知結果を受信することで、通路PAを通過する人物を検出する。
【0052】
以下では、通路PAにおいて、客が進入する入口側、すなわちタッチパネル56、固定スキャナ57等が設けられている側を上流と表し、その反対の出口側、すなわちディスプレイ45、パトランプ42等が設けられている側を下流と表す。なお、パトランプ42が設けられる位置は通路PAの下流側に限定されない。通路PAの中央部又は上流側にパトランプ42が設けられていてもよい。
【0053】
かかる構成のゲート機構40と1対1で対応するように筐体400に設けられた第1会計機21-1は、客が図示矢印の方向に進む通路PAの上流において、客との取引を決済することが可能な決済装置の一例である。なお、第1会計機21-1を構成するタッチパネル56、固定スキャナ57、プリンタ58等の筐体400に対する位置関係は、図4に示すものに限定されない。要は、通路PAの上流に位置する客が操作しやすい位置にタッチパネル56、固定スキャナ57、プリンタ58等が配置されていればよい。
【0054】
[ゲート装置の機能説明]
図3に示すように、第1会計機21-1のプロセッサ51は、ゲート機構インターフェース62を介して接続されるゲート機構40をも制御する。すなわち第1会計機21-1のプロセッサ51は、ゲート装置のプロセッサ51であると言い換えることができる。
【0055】
図5は、ゲート装置のプロセッサ51が有する主要な機能構成を示す模式図である。プロセッサ51は、決済部511、切替部512及び制御部513としての機能を有する。
【0056】
決済部511は、取引対象者である客が通過する通路PAの上流において、第1会計機21-1を制御して当該客との取引を決済する機能である。決済部511は、例えば固定スキャナ57によりコード決済用の機械可読コードが読み取られると、取引の代金をコード決済用の残高で支払うコード決済処理を実行する。決済部511は、例えばカードリーダにより電子マネーカードが読み取られると、取引の代金を電子マネーで支払う電子マネー決済処理を実行する。決済部511は、例えばカードリーダによりクレジットカードが読み取られると、取引の代金を口座の残高で支払うクレジットカード決済処理を実行する。決済部511は、例えば自動釣銭機に現金が投入されると、取引の代金を投入金額で支払う現金決済処理を実行する。これらの決済処理はいずれも周知の処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0057】
切替部512は、ゲート機構40の動作モードとして、第1モードと第2モードとを切り替える機能である。第1モードは、検知器である人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されると通報を行う動作モードである。第2モードは、人感センサ41に通路PAを通行する人物が検知されても通報を行わない動作モードである。ゲート機構40の動作モードが第1モードであるとき、通路PAは通過不可となる。ゲート機構40の動作モードが第2モードであるとき、通路PAは通過可能となる。
【0058】
制御部513は、発光体であるパトランプ42の発光状態を、第1モードのときと第2モードのときとで変化させる機能である。例えば制御部513は、第1モードのときはパトランプ42を消灯させ、第2モードのときはパトランプ42を青色に点滅させる。
【0059】
また制御部513は、決済部511で決済が行われているときにパトランプ42の発光状態をさらに変化させる機能を含む。例えば制御部513は、決済部511で決済が行われているときにパトランプ42を青色に点灯させる。
【0060】
また制御部513は、決済部511で決済が行われているときに店員を呼び出す事象が発生すると、パトランプ42の発光状態をさらに変化させる機能を含む。店員を呼び出す事象とは、例えば客が購入した商品の中に酒、煙草等の年齢確認が必要な商品が含まれている場合である。また、例えばプリンタ58に搭載されているレシート用紙がニアエンドになった場合、あるいは自動釣銭機が収容されている釣銭用の硬貨又は紙幣が不足した場合等である。例えば制御部513は、店員を呼び出す事象が発生すると、パトランプ42を青色の点灯状態から黄色の点灯状態に変化させる。また、パトランプ42が複数の色を点灯表示可能である場合は、例えば制御部513は、店員を呼び出す事象が発生すると、青色の点灯に加えて黄色の点灯を行うようにパトランプ42を制御する。すなわち、制御部513は、パトランプ42の点灯状態を青色および黄色の2色の点灯状態となるよう制御する。
【0061】
また制御部513は、第1モードのときに人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されると、パトランプ42の発光状態をさらに変化させる機能を含む。例えば制御部513は、第1モードのときに通路PAを通行する人物が検知されると、パトランプ42を赤色に点滅させる。
【0062】
[ゲート装置の動作説明]
図6乃至図8は、ゲート装置のプロセッサ51がゲート装置プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。また、図9乃至図15は、その情報処理の中でタッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451に表示される画像と、パトランプ42の発光状態の一例である。以下、各図を用いてゲート装置の主要な動作を説明する。なお、図6乃至図8の流れ図で示した情報処理の手順は一例である。本実施形態と同様の作用効果を奏し得るのであれば、手順を適宜変更することができる。また、図9乃至図15に示した画像及び発光状態も一例である。本実施形態と同様の作用効果を奏し得るのであれば、画像及び発光状態の内容を適宜変更することができる。
【0063】
ゲート装置のプロセッサ51は、ゲート装置プログラムが起動すると、図6乃至図8の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、プロセッサ51は、図6のACT1としてパトランプ42の発光状態を消灯とする。またプロセッサ51は、ACT2として人感センサ41に通電することにより、人感センサ41をオンする。オンした人感センサ41は、例えば赤外線を出射する等の通路PAを通行する人物を検知するための動作を開始する。
【0064】
人感センサ41をオンしたプロセッサ51は、ACT3へと進む。プロセッサ51は、ACT3としてタッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行不可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図9に示す通行不可画像が表示される。すなわち、タッチパネル56の画面561には、通路PAの入口側に来た客に対して会計バーコードを固定スキャナ57でスキャンさせることを指示するテキストが表示される。テキストとともに、例えば人が固定スキャナ57にバーコードを翳しているイラスト等が表示されてもよい。ディスプレイ45の画面451には、通路PAを通行できないことを示すテキストと、「×」印が点滅している画像が表示される。このときパトランプ42は、消灯している。
【0065】
これらの表示に従い、大抵の客は、通路PAに進入する前に会計バーコードを固定スキャナ57でスキャンさせるであろう。会計バーコードは、モバイル端末11の表示デバイスに表示されている。あるいは第2会計機21-2で決済を終えている客においては、レシートに会計バーコードが印刷されている場合もあり得る。
【0066】
通行不可画像の表示を制御したプロセッサ51は、ACT4へと進む。プロセッサ51は、ACT4としてゲート装置の動作モードを第1モードMaとする。すなわちプロセッサ51は、人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されると通報を行うモードとする。そしてプロセッサ51は、ACT5として人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されたか否かを確認する。人感センサ41の信号がオフ信号であり、人物が検知されていない場合には、プロセッサ51は、ACT6へと進む。プロセッサ51は、ACT6として取引開始が指示されたか否かを確認する。プロセッサ51は、固定スキャナ57で会計バーコードがスキャンされると、取引開始が指示されたと判定する。会計バーコードがスキャンされていない場合、すなわち取引開始が指示されていない場合には、プロセッサ51は、ACT5へと戻る。このように動作モードを第1モードMaとしたプロセッサ51は、ACT5及びACT6において、通路PAを通行する人物が検知されるか、取引開始が指示されるのを待ち受ける。
【0067】
ACT5及びACT6の待ち受け状態において、取引開始が指示される前に人感センサ41の信号がオン信号となると、プロセッサ51は、通路PAを不正に通行する人物が検知されたと判定する。プロセッサ51は、ACT7へと進む。プロセッサ51は、ACT7としてパトランプ42の発光状態を赤点滅とする。またプロセッサ51は、ACT8として通報処理を実行する。通報処理は、アテンダント端末23に対して通報信号を送信する処理である。また通報処理は、タッチパネル56及びディスプレイ45に対して警告画像を表示させる処理を含む。この処理により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図10に示す警告画像が表示される。すなわち、タッチパネル56の画面561においては、会計が完了していないことを示すテキストまたはイラスト等が表示される。ディスプレイ45の画面451においては、点滅していた「×」印の画像が点灯状態となる。このとき、パトランプ42は、赤色で点滅している。スピーカ44から警報用の音が発せられてもよい。
【0068】
通報信号を受信したアテンダント端末23は、ゲート装置において不正通行の警告が発せられていることを報知する。この報知を受けて、アテンダントである店員は、パトランプ42が赤色で点滅しているゲート機構40の場所まで行き、不正通行に対する処置を行う。例えば店員は、不正通行を行った人物を特定して対処する。その後店員は、IDカードに機械可読コードの形態で印刷された店員コードをハンディスキャナ71で読み取らせる。店員コードが読み取られると、ゲート装置の動作モードが一時的に店員モードに切り替わる。店員モードに切り替わることで、ゲート装置は通報処理の解除が可能となるので、店員は、例えばタッチパネル56を操作して通報処理を解除する。通報処理が解除されると、ゲート装置の動作モードは、第1モードMaに戻る。
【0069】
ACT8において通報処理を行ったプロセッサ51は、ACT9へと進む。プロセッサ51は、ACT9として通報処理が解除されるのを待ち受ける。通報処理の解除は、例えば、ゲート機構40のディスプレイ45または第1会計機21-1のタッチパネル56を介して通報処理の解除を指示する入力を行う。例えば、店員は、第1会計機21-1の固定スキャナ57に店員が保持するバーコードを読み取らせることにより、第1会計機21-1を店員モードに移行させる。この店員モードにおいて、ディスプレイ45またはタッチパネル56に表示された通報解除のアイコンをタッチすることで通報処理を解除する。なお、通報処理の解除はこれに限らない。通報処理が解除されると、プロセッサ51は、ACT10へと進む。プロセッサ51は、ACT10としてパトランプ42の発光状態を消灯とする。また、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451を、図9に示す通行不可画像の表示状態に戻す。その後、プロセッサ51は、ACT5及びACT6の待ち受け状態に戻る。
【0070】
ACT5及びACT6の待ち受け状態において、固定スキャナ57により会計バーコードがスキャンされると、プロセッサ51は、取引開始が指示されたと判定する。プロセッサ51は、ACT11へと進む。プロセッサ51は、ACT11としてパトランプ42の発光状態を青点灯とする。またプロセッサ51は、タッチパネル56に対して確認中画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561には、図11に示す確認中画像が表示される。確認中画像は、取引結果を確認中であることを示すテキストまたはイラスト等を表示した画像である。なお、ディスプレイ45の画面451は、「×」印の画像の点滅状態が継続している。パトランプ42は、青色で点灯している。
【0071】
プロセッサ51は、ACT12として会計バーコードから取引番号を取得する。前述したように、会計バーコードは、モバイル端末11の表示デバイスに表示されているものであってもよいし、レシートに印刷されているものであってもよい。取引番号を取得したプロセッサ51は、ACT13へと進む。プロセッサ51は、ACT13として取引ファイル16を取得する。すなわちプロセッサ51は、取引ファイル16を要求する要求コマンドをモバイルサーバ12に宛てて出力する。要求コマンドには、ACT12において取得した取引番号が含まれる。要求コマンドを受信したモバイルサーバ12は、そのコマンドに含まれる取引番号が記述された取引ファイル16を検出し、要求コマンド送信元のゲート装置へと送信する。かくしてプロセッサ51は、取引ファイル16を取得することができる。
【0072】
取引ファイル16を取得したプロセッサ51は、ACT14へと進む。プロセッサ51は、ACT14としてその取引ファイル16を解析して、商品販売データを調べる。プロセッサ51は、ACT15として店員の呼び出しが必要な商品の商品販売データが記述されているか否かを確認する。店員の呼び出しが必要な商品とは、例えば酒類、煙草等の年齢確認が必要な商品である。店員の呼び出しが必要な商品は、年齢確認が必要な商品以外の商品であってもよい。
【0073】
取引ファイル16に店員の呼び出しが必要な商品の商品販売データが記述されていない場合には、プロセッサ51は、ACT20へと進む。ACT20の処理については、後述する。
【0074】
一方、取引ファイル16に店員の呼び出しが必要な商品の商品販売データが記述されている場合には、プロセッサ51は、ACT16へと進む。プロセッサ51は、ACT16としてパトランプ42の発光状態を黄点灯とする。またプロセッサ51は、ACT17として店員呼出処理を実行する。店員呼出処理は、アテンダント端末23に対して店員呼出信号を送信する処理である。また店員呼出処理は、タッチパネル56及びディスプレイ45に対して店員呼出画像を表示させる処理を含む。この処理により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図12に示す店員呼出画像が表示される。すなわち、タッチパネル56の画面561においては、店員を呼び出していることを示すテキストまたはイラスト等が表示される。ディスプレイ45の画面451においては、点滅していた「×」印の画像が点灯状態となる。このとき、パトランプ42は、黄色で点灯している。スピーカ44から注意喚起用の音が発せられてもよい。注意喚起用の音は、警報用の音と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば警報用の音は、”ピー”という連続音だが、注意喚起用の音は、”ピッ、ピッ“という間欠音であってもよい。
【0075】
店員呼出信号を受信したアテンダント端末23は、アテンダントに呼出しがあることを報知する。例えばアテンダント端末23は、店員呼出信号を受信したことに応じて、アテンダント端末23のディスプレイにゲート装置において店員呼出が行われている旨のメッセージを表示することにより報知する。この報知を受けて、アテンダントである店員は、パトランプ42が黄色で点灯しているゲート機構40の場所まで行き、年齢確認等を行う。その後店員は、IDカードに機械可読コードの形態で印刷された店員コードをハンディスキャナ71で読み取らせる。店員コードが読み取られると、ゲート装置の動作モードが一時的に店員モードに切り替わる。店員モードに切り替わることで、ゲート装置は店員呼出処理の解除が可能となるので、店員は、例えばタッチパネル56を操作して店員呼出処理を解除する。店員呼出処理が解除されると、ゲート装置の動作モードは、第1モードMaに戻る。
【0076】
ACT17において店員呼出処理を行ったプロセッサ51は、ACT18へと進む。プロセッサ51は、ACT18として店員呼出処理が解除されるのを待ち受ける。店員呼出処理が解除されると、プロセッサ51は、ACT19へと進む。プロセッサ51は、ACT19としてパトランプ42の発光状態を青点灯とする。また、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451を、図11に示す確認中画像の表示状態に戻す。その後、プロセッサ51は、ACT20へと進む。
【0077】
このように、取引ファイル16を解析した結果、店員の呼び出しが必要な商品の商品販売データが含まれていないか、店員の呼び出しが必要な商品の商品販売データが含まれていたために店員呼出処理が実行され、その店員呼出処理が解除されると、プロセッサ51は、ACT20へと進む。
【0078】
プロセッサ51は、ACT20として決済が完了しているか否かを確認する。すなわちプロセッサ51は、取引ファイル16に記述されている決済完了フラグFaを調べる。決済完了フラグFaは、他の決済手段であるモバイル端末11又は第2会計機21-2を用いて当該取引ファイル16で管理される取引の決済が完了している場合には“1”であり、完了していない場合には“0”である。プロセッサ51は、決済完了フラグFaが“0”の場合には、決済が完了していないと判定する。プロセッサ51は、決済完了フラグFaが“1”の場合には、決済が完了していると判定する。
【0079】
<他の決済手段により決済を終えた客に対する動作>
ACT20において、決済が完了していると判定された場合、プロセッサ51は、図7のACT21へと進む。プロセッサ51は、ACT21としてゲート装置の動作モードを第2モードMbとする。すなわちプロセッサ51は、人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されても通報を行わないモードとする。またプロセッサ51は、ACT21としてパトランプ42の発光状態を青点滅とする。
【0080】
しかる後、プロセッサ51は、ACT23へと進む。プロセッサ51は、ACT23として時間カウンタTに第1の初期値である時間Tmをセットする。時間カウンタTは、1秒が経過する毎にカウント値を“1”ずつ減算する減算カウンタである。時間Tmは、ゲート装置以外で決済を完了している客が通路PAを通過するのに要すると想定される時間である。すなわち、モバイル端末11にインストールされている決済アプリを利用して決済を完了している客、又は、第2会計機21-2を利用して決済を完了している客が通路PAを通過するのに要すると想定される所定の時間である。時間Tmは、任意である。本実施形態では、時間Tmを10秒とする。
【0081】
時間カウンタTに時間Tmをセットしたプロセッサ51は、ACT24へと進む。プロセッサ51は、ACT24としてタッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行許可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図13に示す通行許可画像が表示される。すなわち、タッチパネル56の画面561においては、通路を通過してよいことを示すテキストまたはイラスト等が表示される。ディスプレイ45の画面451においては、時間カウンタTのカウント値を示す数字とともに、その数字が“0”になる前に通路を通過することを客に促すテキストが表示される。さらに、客に対して通路PAを矢印方向に進むように案内するための光がスリット406から漏れるように、LED43が発光する。このとき、パトランプ42は、青色で点滅する。これらの表示に従い、取引を完了している客は、時間カウンタTのカウント値が“0”になる前に通路PAを通過するであろう。
【0082】
通行許可画像の表示を制御したプロセッサ51は、ACT25へと進む。プロセッサ51は、ACT25として時計54によって計時されている時刻が1秒を経過するのを待ち受ける。1秒を経過すると、プロセッサ51は、ACT26へと進む。プロセッサ51は、ACT26として時間カウンタTを“1”だけ減算する。そしてプロセッサ51は、ACT27として時間カウンタTが“0”になったか否かを確認する。時間カウンタTが“0”よりも大きい値の場合、プロセッサ51は、ACT25へと戻る。
【0083】
このように、動作モードを第2モードMbとしたプロセッサ51は、ACT25乃至ACT27において、時間カウンタTが“0”になるのを待ち受ける。そしてその間、プロセッサ51は、ディスプレイ45の画面451に表示されている数字を時間カウンタTに合わせて減算する。またプロセッサ51は、人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されても通報処理を行わない。
【0084】
ACT25乃至ACT27の待ち受け状態において、時間カウンタTが“0”になると、プロセッサ51は、ACT28へと進む。プロセッサ51は、ACT28として待ち受け状態の間に人物が通路PAを通過したか否かを判断する。待ち受け状態の間に、人感センサ41により人物が検知され、その後、検知されなくなると、プロセッサ51は、通路PAを通過したと判断する。これに対し、待ち受け状態の間に人物が検知されない場合には、プロセッサ51は、人物が通路PAを通過していないと判断する。また、人物が通路PAの途中で留まっており、人感センサ41により人物が検知され続けている場合も、プロセッサ51は、人物が通路PAを通過していないと判断する。
【0085】
プロセッサ51は、待ち受け状態の間に人物が通路PAを通過したと判断した場合には、ACT29へと進む。プロセッサ51は、ACT29としてパトランプ42の発光状態を消灯とする。またプロセッサ51は、ACT30としてタッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行不可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図9に示す通行不可画像が表示される。また、パトランプ42は消灯する。その後、プロセッサ51は、図6のACT4へと戻る。プロセッサ51は、ゲート装置の動作モードを第1モードMaとして、ACT5及びACT6の待ち受け状態となる。
【0086】
一方、人物が通路PAを通過することなく時間カウンタTが“0”になった場合には、プロセッサ51は、ACT31へと進む。人物が通路PAを通過することなく時間カウンタTが“0”になるということは、通路PAの通過が許可された客に対して何らかのトラブルが発生して通路PAを通過できない事象が発生したと考えられる。そこでプロセッサ51は、ACT31としてパトランプ42の発光状態を赤点灯とする。またプロセッサ51は、ACT32として通行エラー処理を実行する。この通行エラー処理により、アテンダント端末23に対して通行エラー信号が送信される。また通行エラー処理は、タッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行エラー画像を表示させる処理を含む。この処理により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図14に示す通行エラー画像が表示される。すなわち、タッチパネル56の画面561においては、通過時間が経過したために通行エラーとなったことを示すテキストまたはイラスト等が表示される。ディスプレイ45の画面451においては、「×」印の画像が点灯状態となって表示される。このとき、パトランプ42は、赤色で点灯している。スピーカ44から通行エラー用の音が発せられてもよい。通行エラー用の音は、警報用の音と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0087】
通行エラー信号を受信したアテンダント端末23は、ゲート装置において通行エラーが発生していることを報知する。この報知を受けて、アテンダントである店員は、パトランプ42が赤色で点灯しているゲート機構40の場所まで行き、通行エラーに対する処置を行う。例えば店員は、客に通行エラーとなった理由を確認し、問題の解決を図る。その後店員は、IDカードに機械可読コードの形態で印刷された店員コードをハンディスキャナ71で読み取らせる。店員コードが読み取られると、ゲート装置の動作モードが一時的に店員モードに切り替わる。店員モードに切り替わることで、ゲート装置は通行エラー処理の解除が可能となるので、店員は、例えばタッチパネル56を操作して通報処理を解除する。通行エラー処理が解除されると、ゲート装置の動作モードは、第1モードMaに戻る。
【0088】
通行エラー処理を行ったプロセッサ51は、ACT33へと進む。プロセッサ51は、ACT33として通行エラー処理が解除されるのを待ち受ける。通行エラー処理が解除されると、プロセッサ51は、ACT34へと進む。プロセッサ51は、ACT34としてパトランプ42の発光状態を消灯とする。またプロセッサ51は、ACT35としてタッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行不可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図9に示す通行不可画像が表示される。また、パトランプ42は消灯する。その後、プロセッサ51は、図6のACT4へと戻る。プロセッサ51は、ゲート装置の動作モードを第1モードMaとして、ACT5及びACT6の待ち受け状態となる。
【0089】
<他の決済手段により決済を終えていない客に対する動作>
図6のACT20において、決済が完了していないと判定された場合、プロセッサ51は、図8のACT41へと進む。プロセッサ51は、ACT41としてタッチパネル56及びディスプレイ45に対して会計中画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図15に示す会計中画像が表示される。すなわち、タッチパネル56の画面561には、通路PAの入口側に来た客に対して代金を支払うことを指示するテキストが表示される。テキストとともに、例えば人が自動釣銭機に現金を投入しているイラスト等が表示されてもよい。ディスプレイ45の画面451には、通路PAを通行できないことを示すテキストと、「×」印が点滅している画像が表示される。このときパトランプ42は、青色で点灯している。
【0090】
会計中画像の表示を制御したプロセッサ51は、ACT42へと進む。プロセッサ51は、ACT42として決済処理を行う。決済処理は、例えば前述したコード決済処理、電子マネー決済処理、又はクレジットカード決済処理等のキャッシュレス決済が含まれる。キャッシュレス決済である場合、現金決済と比較して、決済処理に要する時間が短くて済むため、本実施形態においては好ましい。なお、決済処理は、取引の代金を投入金額で支払う現金決済処理であってもよい。
【0091】
プロセッサ51は、ACT43として決済処理が完了するのを待ち受ける。このときプロセッサ51は、ACT44として決済処理の途中でエラーが発生したか否かを監視する。例えば、プリンタ58のレシート用紙がニアエンドになるエラーが発生したり、自動釣銭機において硬貨詰り等のエラーが発生したりすると、プロセッサ51は、ACT45へと進む。プロセッサ51は、ACT45としてパトランプ42の発光状態を黄点灯とする。またプロセッサ51は、ACT46として店員呼出処理を実行する。この店員呼出処理により、アテンダント端末23に対して店員呼出信号が送信される。また、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図12に示す店員呼出画像が表示される。このとき、パトランプ42は黄色に点灯する。
【0092】
店員呼出信号を受信したアテンダント端末23は、アテンダントである店員に呼出しがあることを報知する。この報知を受けて、店員は、パトランプ42が黄色に点灯しているゲート機構40の場所まで行き、決済中に生じたエラーに対処する。例えば店員は、レシート用紙の交換、釣銭硬貨の補充等を行う。その後店員は、ゲート装置の動作モードを店員モードに切り替えて、呼出解除のための操作を行う。
【0093】
店員呼出処理を行ったプロセッサ51は、ACT47へと進む。プロセッサ51は、ACT47として店員呼出処理が解除されるのを待ち受ける。店員呼出処理が解除されると、プロセッサ51は、ACT48へと進む。プロセッサ51は、ACT48としてパトランプ42の発光状態を青点灯とする。その後、プロセッサ51は、ACT41へと戻る。すなわちプロセッサ51は、タッチパネル56及びディスプレイ45に対して会計中画像の表示を制御する。そしてプロセッサ51は、決済処理を継続する。
【0094】
決済処理が完了すると、プロセッサ51は、ACT49へと進む。プロセッサ51は、ACT49としてゲート装置の動作モードを第2モードMbとする。すなわちプロセッサ51は、人感センサ41により通路PAを通行する人物が検知されても通報を行わないモードとする。またプロセッサ51は、ACT50としてパトランプ42の発光状態を青点滅とする。
【0095】
しかる後、プロセッサ51は、ACT51へと進む。プロセッサ51は、ACT51として時間カウンタTに第2の初期値である時間Tnをセットする。時間Tnは、ゲート装置で決済を完了した客が通路PAを通過するのに要すると想定される時間である。すなわち、ゲート装置で決済を終えた客が通路PAを通過するのに要すると想定される所定の時間である。決済を終えた客は、例えばスマートフォン、クレジットカード、財布等をバッグにしまってから通路PAに進入すると想定される。このため、時間Tnは、時間Tmと同様に任意ではあるが、時間Tmよりも長い時間が好ましい。本実施形態では、時間Tnを15秒とする。
【0096】
時間カウンタTに時間Tnをセットしたプロセッサ51は、ACT52へと進む。プロセッサ51は、ACT52としてタッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行許可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図13に示す通行許可画像が表示される。さらに、客に対して通路PAを矢印方向に進むように案内するための光がスリット406から漏れるように、LED43が発光する。このとき、パトランプ42は、青色で点灯する。
【0097】
これらの表示に従い、取引を終えてスマートフォン、クレジットカード、財布等をバッグにしまった客は、時間カウンタTのカウント値が“0”になる前に通路PAを通過するであろう。
【0098】
通行許可画像の表示を制御したプロセッサ51は、ACT53へと進む。以後、プロセッサ51は、ACT53乃至ACT63として、図7のACT25乃至ACT35の処理と同様の処理を実行する。すなわち、時間Tmを計時する間に人物が通路PAを通過した場合には、プロセッサ51は、パトランプ42の発光状態を消灯とする。またプロセッサ51は、タッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行不可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図9に示す通行不可画像が表示される。また、パトランプ42は消灯する。その後、プロセッサ51は、図6のACT4へと戻る。プロセッサ51は、ゲート装置の動作モードを第1モードMaとして、ACT5及びACT6の待ち受け状態となる。
【0099】
これに対し、人物が通路PAを通過することなく時間Tmが計時された場合には、プロセッサ51は、パトランプ42の発光状態を赤点灯として、通行エラー処理を実行する。その後、通行エラー処理が解除されると、プロセッサ51は、パトランプ42の発光状態を消灯とする。またプロセッサ51は、タッチパネル56及びディスプレイ45に対して通行不可画像の表示を制御する。この制御により、タッチパネル56の画面561及びディスプレイ45の画面451には、それぞれ図9に示す通行不可画像が表示される。また、パトランプ42は消灯する。その後、プロセッサ51は、図6のACT4へと戻る。プロセッサ51は、ゲート装置の動作モードを第1モードMaとして、ACT5及びACT6の待ち受け状態となる。
【0100】
[パトランプの状態遷移の説明]
図16は、パトランプ42の状態遷移説明図である。なお、図6乃至図8を用いて説明した動作と共通する部分については同一の符号を付している。
パトランプ42は、デフォルトの待機状態においては消灯している(ACT1)。この待機状態において、通路PAを通行する人物が検知されると(ACT5においてYES)、パトランプ42は、赤色に点滅する(ACT7)。したがって、パトランプ42が赤色に点滅したことを確認した店員は、そのパトランプ42が設けられたゲート装置において、客が決済をせずに店を立ち去る不正通行が検知されたことを知り得る。店員は、不正通行に対する処置を行う。処置を終えると(ACT9)、パトランプ42は、消灯する(ACT10)。したがって、赤色に点灯していたパトランプが消灯したことによって、別の店員は、不正通行に対する処置が行われたと認識できる。
【0101】
待機状態において、固定スキャナ57により会計バーコードがスキャンされると(ACT6においてYES)、パトランプ42は、青色に点灯する(ACT11)。したがって、パトランプ42が青色に点灯したことを確認した店員は、そのパトランプ42が設けられたゲート装置において決済が開始されたことを知り得る。
【0102】
その決済の途中で店員を呼び出す事象が発生すると(ACT15においてYES)、パトランプ42は黄色に点灯する(ACT16)。したがって、パトランプ42が青色の点灯状態から黄色の点灯状態に変化したことを確認した店員は、そのパトランプ42が設けられたゲート装置において店員を呼び出す事象が発生したことを知り得る。店員は、例えば客の年齢を確認する等の処置を行う。処置を終えると(ACT18)、パトランプ42は、再び青色に点灯する(ACT19)。したがって、黄色に点灯していたパトランプが青色の点灯状態に戻ることによって、別の店員は、呼出状態が解消されたと認識できる。
【0103】
固定スキャナ57によりスキャンされた会計バーコードで特定される取引の決済が第2会計機21-2で完了している場合(ACT20においてYES)、パトランプ42は青色で点滅する(ACT22)。したがって、パトランプ42が青色の点灯状態から青色の点滅状態に変化したことを確認した店員は、そのパトランプ42が設けられたゲート装置において客の通過が可能になったと認識し得る。その後、所定の時間内に客が通路PAを通過すると(ACT28においてYES)、パトランプ42は、消灯する(ACT29)。したがって、青色に点滅していたパトランプ42が消灯したことを確認した店員は、決済を終えた客がゲート装置を通過したと認識できる。
【0104】
これに対し、所定の時間内に客が通路PAを通過しなかった場合には(ACT28においてNO)、パトランプ42は、赤色に点灯する(ACT31)。したがって、パトランプ42が青色の点滅状態から赤色の点灯状態に変化したことを確認した店員は、ゲート装置において通行エラーが発生したと認識できる。店員は、通行エラーに対する処置を行う。処置を終えると(ACT33)、パトランプ42は、消灯する(ACT34)。したがって、赤色に点灯していたパトランプが消灯したことによって、別の店員は、通行エラー状態が解消されたと認識できる。
【0105】
一方、固定スキャナ57によりスキャンされた会計バーコードで特定される取引の決済が第2会計機21-2で完了していない場合には(ACT20においてNO)、第1会計機21-1において決済処理が実行される(ACT42)。そして、この決済処理の最中にエラーが発生すると(ACT44においてYES)、パトランプ42は、黄色に点灯する(ACT45)。したがって、パトランプ42が青色の点灯状態から黄色の点灯状態に変化したことを確認した店員は、ゲート装置において決済の途中でエラーが発生したと認識できる。店員は、エラーを解消するための処置を行う。処置を終えると(ACT47)、パトランプ42は再び青色に点灯する(ACT48)。したがって、黄色に点灯していたパトランプが青色の点灯状態に戻ると、別の店員は、ゲート装置における決済中のエラー状態が解消されたと認識できる。なお、ゲート装置における決済中のエラーとしては、例えば、釣銭機における貨幣詰まり、プリンタのレシート用紙詰まり、通信不良による第1会計機21-1と他の機器間でのオフライン状態の発生、等が挙げられる。
【0106】
第1会計機21-1において決済処理が終了すると(ACT43においてYES)、パトランプ42は青色に点滅する(ACT50)。したがって、パトランプ42が青色の点灯状態から青色の点滅状態に変化したことを確認した店員は、そのパトランプ42が設けられたゲート装置は客の通過が可能であると認識し得る。その後、所定の時間内に客が通路PAを通過すると(ACT56においてYES)、パトランプ42は、消灯する(ACT57)。したがって、青色に点滅していたパトランプ42が消灯したことを確認した店員は、決済を終えた客がゲート装置を通過したと認識できる。
【0107】
これに対し、所定の時間内に客が通路PAを通過しなかった場合には(ACT56においてNO)、パトランプ42は、赤色に点灯する(ACT59)。したがって、パトランプ42が青色の点滅状態から赤色の点灯状態に変化したことを確認した店員は、ゲート装置において通行エラーが発生したと認識できる。店員は、通行エラーに対する処置を行う。処置を終えると(ACT61)、パトランプ42は、消灯する(ACT62)。したがって、赤色に点灯していたパトランプが消灯したことによって、別の店員は、通行エラー状態が解消されたと認識できる。
【0108】
以上詳述したように、店員は、パトランプ42の発光色及び点灯又は点滅の発光状態から、ゲート装置の状態を認識することができる。具体的には、パトランプ42が赤色で点滅すると、店員は、不正通行が検知されたと認識できる。パトランプ42が青色で点灯すると、店員は、取引開始が指示されたと認識できる。その後、パトランプ42が青色で点滅すると、店員は、決済を終えた客が通過可能になったと認識できる。一方、パトランプ42が青色の点灯状態から黄色の点灯状態に変化した場合には、店員は、年齢確認等の店員を呼び出す事象が発生している、又は第1会計機21-1にエラーが発生していると認識できる。また、パトランプ42が青色の点滅状態から赤色の点灯状態に変化した場合には、店員は、決済を終えた客が通過しなかったと認識できる。
【0109】
ここで、パトランプ42は、図4に示すように、通路PAの路面に対して鉛直方向に立設されたポールの先端部に設けられている。このため、ゲート装置の周囲にポールよりも高さのある障害物がなければ、比較的離れた場所からも店員はパトランプ42の発光状態を確認することができる。したがって、本実施形態によれば、装置の近くに店員を配置せずとも装置の状態を監視できるゲート装置を提供することができる。
【0110】
また、本実施形態においては、パトランプ42の発光状態を赤色の点滅状態とする通報処理においてはアテンダント端末23に対して通報信号を送信し、パトランプ42の発光状態を黄色の点灯状態とする店員呼出処理においてはアテンダント端末23に対して店員呼出信号を送信し、パトランプ42の状態を赤色の点灯状態とする通行エラー処理においてはアテンダント端末23に対して通行エラー信号を送信するようにしている。そして、通報信号を受信したアテンダント端末23は、ゲート装置において不正通行の警告が発せられていることを報知する。店員呼出信号を受信したアテンダント端末23は、アテンダントに呼出しがあることを報知する。通行エラー信号を受信したアテンダント端末23は、ゲート装置において通行エラーが発生していることを報知する。したがって、アテンダント端末23を監視している店員は、報知が行われるまではゲート装置のパトランプ42を注視する必要はない。したがって、アテンダントとしての業務をより効率的に進めることができる。そしてこの効果は、アテンダント端末23として店員が携帯する端末を採用することで、より大きなものとなる。
【0111】
[他の実施形態]
図17は、他の実施形態におけるパトランプ42の状態遷移説明図である。図16を用いて説明した前記実施形態では、所定の時間内に客が通路PAを通過しなかった場合には(ACT28又はACT56においてNO)、パトランプ42は、赤色に点灯するようにした(ACT31)。他の実施形態では、不正通行と同様に、パトランプ42は、赤色に点滅するようにする(ACT31)。
【0112】
その代わりに、他の実施形態では、決済処理の最中に発生するエラーを重大なエラーと簡易なエラーとにレベル分けする。重大なエラーとは、通信エラー等のように店員ではすぐに対処し得ないエラーである。簡易なエラーとは、レシート用紙のニアエンド、釣銭硬貨の不足等のように店員が容易に対処できるエラーである。
【0113】
決済処理の最中にエラーが発生すると(ACT44においてYES)、そのエラーが重大なエラーであるのか簡易なエラーであるのかを特定する(ACT71)。そして簡易なエラーの場合には(ACT71においてNO)、パトランプ42は、黄色に点灯する(ACT45)。これに対し、重大なエラーの場合には(ACT71においてYES)、パトランプ42は、赤色に点灯する(ACT72)。
【0114】
このような構成の他の実施形態によれば、パトランプ42が青色の点灯状態から黄色の点灯状態に変化した場合には、ゲート装置において店員が容易に対処できる簡易なエラーが発生した場合を示しており、赤色の点灯状態に変化した場合には、店員が容易には対処できない重大なエラーが発生した場合を示している。したがって、店員は、パトランプ42の発光状態から、ゲート機構40の近くに居なくても適切にエラー対応をとることができる。
【0115】
なお、パトランプ42の発光状態は、前記実施形態又は他の実施形態で説明した状態に限定されるものではない。パトランプ42としては他に緑色又は紫色で発光可能なものもあるので、店員が離れた位置からでもゲート装置の状態を確認可能なように発光色を適宜変更してもよい。
【0116】
また、前記実施形態では、発光体であるパトランプ42を、通路の路面に対して鉛直方向に立設されたポールの先端部に設けた。他の実施形態としては、ゲート機構40の上方の天井部等から吊り下ろした保持具に二種類以上の発光状態を有する発光体を保持し、その発光体の発光状態を、第1モードのときと第2モードのときとで変化させるようにしてもよい。
【0117】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10…売場システム、11…モバイル端末、12…モバイルサーバ、14…アクセスポイント、16…取引ファイル、21…会計機、21-1…第1会計機、21-2…第2会計機、22…店舗サーバ、23…アテンダント端末、40…ゲート機構、41…人感センサ、42…パトランプ、43…LED、44…スピーカ、45…ディスプレイ、51…プロセッサ、56…タッチパネル、57…固定スキャナ、58…プリンタ、511…決済部、512…切替部、513…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17