(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025115569
(43)【公開日】2025-08-07
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20250731BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20250731BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/01 301D
G07G1/12 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010084
(22)【出願日】2024-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大祐
(72)【発明者】
【氏名】福澤 一郎
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA07
3E142DA08
3E142EA04
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】代金の支払いに関する操作を客に行わせることで人件費の削減を図る。
【解決手段】決済システムは、第1の処理装置と、第2の決済装置と、指示装置とを備える。第1の処理装置は、店員が操作者となって客との取引に係る情報を入力する入力装置と、入力装置を介して入力された取引に係る情報を基に、客が操作者となって取引を決済する第1の決済装置と、を含む。第2の決済装置は、入力装置で入力された取引に係る情報を保留する保留装置から当該取引に係る情報を取得し、客が操作者となって取引を決済する。指示装置は、店員が操作者となって保留装置で保留された取引に係る情報を第2の決済装置に出力する指示を行う。そして決済システムは、指示装置を、第2の決済装置の客が操作する操作面側とは反対側に配置する。
【選択図】
図47
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員が操作者となって客との取引に係る情報を入力する入力装置と、前記入力装置を介して入力された前記取引に係る情報を基に、客が操作者となって取引を決済する第1の決済装置と、を含む第1の処理装置と、
前記入力装置で入力された前記取引に係る情報を保留する保留装置から当該取引に係る情報を取得し、客が操作者となって取引を決済する第2の決済装置と、
店員が操作者となって前記保留装置で保留された前記取引に係る情報を前記第2の決済装置に出力する指示を行う指示装置と、
を備え、
前記指示装置を、前記第2の決済装置の客が操作する操作面側とは反対側に配置する、決済システム。
【請求項2】
店員が操作者となって客との取引に係る情報を入力する入力装置と、
前記入力装置を介して入力された前記取引に係る情報を基に、客が操作者となって取引を決済する第1の決済装置と、
前記入力装置で入力された前記取引に係る情報を保留する保留装置から当該取引に係る情報を取得し、客が操作者となって取引を決済する第2の決済装置と、
店員が操作者となって前記保留装置で保留された前記取引に係る情報を前記第2の決済装置に出力する指示を行う指示装置と、
を備え、
前記指示装置を、前記第2の決済装置の客が操作する操作面側とは反対側に配置する、決済システム。
【請求項3】
前記指示装置の店員が操作する操作面を、前記第2の決済装置の客が操作する操作面とは相反する向きに配置する、請求項1又は2記載の決済システム。
【請求項4】
前記入力装置と前記第1の決済装置とを、前記入力装置の店員が操作する操作面と前記第1の決済装置の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、
前記第1の決済装置の客が操作する操作面の裏側に、前記第2の決済装置を配置する、請求項1又は2記載の決済システム。
【請求項5】
前記入力装置と前記第1の決済装置とを、前記入力装置の店員が操作する操作面と前記第1の決済装置の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、さらに前記第1の決済装置の隣に前記第2の決済装置を、当該第2の決済装置の客が操作する操作面が前記第1の決済装置の客が操作する操作面と同一方向を向くように配置する、請求項1又は2記載の決済システム。
【請求項6】
前記入力装置と前記第2の決済装置とを、前記入力装置の店員が操作する操作面と前記第2の決済装置の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、さらに前記第2の決済装置の隣に前記第1の決済装置を、当該第1の決済装置の客が操作する操作面が前記第2の決済装置の客が操作する操作面と同一方向を向くように配置する、請求項1又は2記載の決済システム。
【請求項7】
前記入力装置と前記第1の決済装置とを、前記入力装置の店員が操作する操作面と前記第1の決済装置の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、さらに前記入力装置の隣に前記第2の決済装置を、当該第2の決済装置の客が操作する操作面が前記第1の決済装置の客が操作する操作面と同一方向を向くように配置する、請求項1又は2記載の決済システム。
【請求項8】
前記入力装置と前記第1の決済装置とは、1つのプロセッサで制御される1つの装置である、請求項1又は2記載の決済システム。
【請求項9】
店員が操作者となって客との取引に係る情報を入力する2台の入力装置と、
前記2台の入力装置と対応して設けられ、その対応する入力装置を介して入力された前記取引に係る情報を基に、客が操作者となって取引を決済する2台の第1の決済装置と、
前記入力装置で入力された前記取引に係る情報を保留する保留装置から当該取引に係る情報を取得し、客が操作者となって取引を決済する第2の決済装置と、
店員が操作者となって前記保留装置で保留された前記取引に係る情報を前記第2の決済装置に出力する指示を行う指示装置と、
を備え、
1台の前記入力装置及び当該入力装置と対応する1台の前記第1の決済装置と、別の1台の前記入力装置及び当該入力装置と対応する別の1台の前記第1の決済装置とを、店員用のスペースを挟んで互いに対向し、かつ、前記2台の入力装置の店員が操作する操作面は前記スペースの側を向き、前記2台の第1の決済装置の客が操作する操作面は前記スペースとは反対側を向くように配置し、
前記2台の第1の決済装置の間に前記第2の決済装置を、当該第2の決済装置の客が操作する操作面が前記スペースとは反対側を向くように配置し、
前記指示装置を、前記第2の決済装置の客が操作する操作面側とは反対側に配置する、決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、ホームセンター等の大型小売店向けの決済システムとして、二人制のシステムがある。二人制の決済システムは、チェッカと称される店員が操作者となる入力装置と、キャッシャと呼ばれる店員が操作者となる取引処理装置とを備える。入力装置は、商品に付されたバーコード等の購買商品に係る情報を入力するための機器である。取引処理装置は、入力装置を介して入力された情報を基に購買商品の商品販売データを処理して客との取引を決済するための機器である。二人制の決済システムは、入力装置と取引処理装置とが分かれているため、取引処理装置で一人目の客の決済を処理している間に入力装置で二人目の客の購買商品に係る情報の入力を開始することができる。したがって、客を効率的に捌くことができる。
【0003】
一方、近年では、人件費の削減、感染症対策等の観点から、取引の決済に必要な入金に関する操作を客自身に行わせたいという要望がある。二人制の決済システムにおいても、取引処理装置に対しての入金に関する操作を客自身に行わせる。そうすることにより、キャッシャを担当する店員が不要となるので、人件費を削減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、代金の支払いに関する操作を客に行わせることで人件費の削減を図る決済システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、決済システムは、第1の処理装置と、第2の決済装置と、指示装置とを備える。第1の処理装置は、店員が操作者となって客との取引に係る情報を入力する入力装置と、入力装置を介して入力された取引に係る情報を基に、客が操作者となって取引を決済する第1の決済装置と、を含む。第2の決済装置は、入力装置で入力された取引に係る情報を保留する保留装置から当該取引に係る情報を取得し、客が操作者となって取引を決済する。指示装置は、店員が操作者となって保留装置で保留された取引に係る情報を第2の決済装置に出力する指示を行う。そして決済システムは、指示装置を、第2の決済装置の客が操作する操作面側とは反対側に配置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る決済システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、1つの決済レーンが備える入力装置、取引処理装置、決済装置及び指示装置の位置関係を示す模式図である。
【
図3】
図3は、取引処理装置の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、取引処理装置のメインメモリに形成される主要な記憶領域を示す模式図である。
【
図5】
図5は、決済装置の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、決済装置のメインメモリに形成される主要な記憶領域を示す模式図である。
【
図7】
図7は、保留サーバの要部回路構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、保留サーバが有するレーンテーブルのデータ構造を示す模式図である。
【
図9】
図9は、指示装置の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、保留サーバ、入力装置、取引処理装置、決済装置及び指示装置がそれぞれ有する主要な機能構成を示す模式図である。
【
図11】
図11は、取引処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図12】
図12は、取引処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図13】
図13は、取引処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図14】
図14は、取引処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図15】
図15は、取引処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図16】
図16は、取引処理装置のプロセッサが第1の業務プログラムに従って実行する第3の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図17】
図17は、保留サーバのプロセッサが第2の業務プログラムに従って実行する第4の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図18】
図18は、保留サーバのプロセッサが第2の業務プログラムに従って実行する第4の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図19】
図19は、決済装置のプロセッサが第3の業務プログラムに従って実行する第5の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図20】
図20は、決済装置のプロセッサが第3の業務プログラムに従って実行する第6の情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図21】
図21は、入力装置のタッチパネルに表示される登録画面の一例である。
【
図22】
図22は、入力装置のディスプレイに表示される登録画面の一例である。
【
図23】
図23は、入力装置のタッチパネルに表示される小計画面の一例である。
【
図24】
図24は、入力装置のディスプレイに表示される小計画面の一例である。
【
図25】
図25は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図26】
図26は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い画面の一例である。
【
図27】
図27は、入力装置のタッチパネルにおいて支払い画面に表示される代金支払い待機時のポップアップの一例である。
【
図28】
図28は、入力装置のディスプレイにおいて小計画面に表示される代金支払い待機時のテキストの一例である。
【
図29】
図29は、入力装置のタッチパネルにおいて支払い画面に表示される取引処理装置での代金支払い可能時のポップアップの一例である。
【
図30】
図30は、入力装置のディスプレイにおいて小計画面に表示される取引処理装置での代金支払い可能時のテキストの一例である。
【
図31】
図31は、取引処理装置の第2のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図32】
図32は、取引処理装置の第2のタッチパネルに表示される支払い通知画面の一例である。
【
図33】
図33は、取引処理装置の第2のタッチパネルに表示される支払い中画面の一例である。
【
図34】
図34は、取引処理装置の第2のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
【
図35】
図35は、取引処理装置の第1のタッチパネルに表示されるガイダンス画面の一例である。
【
図36】
図36は、指示装置のタッチパネルに表示される指示画面の一例である。
【
図37】
図37は、入力装置のタッチパネルにおいて支払い画面に表示される決済装置での代金支払い可能時のポップアップの一例である。
【
図38】
図38は、入力装置のディスプレイにおいて小計画面に表示される決済装置での代金支払い可能時のテキストの一例である。
【
図39】
図39は、決済装置のタッチパネルに表示される明細確認画面の一例である。
【
図40】
図40は、決済装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
【
図41】
図41は、決済装置のタッチパネルに表示される支払い通知画面の一例である。
【
図42】
図42は、決済装置のタッチパネルに表示される支払い中画面の一例である。
【
図43】
図43は、決済装置のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
【
図44】
図44は、実施形態に係る決済システムの作用を説明するためのシーケンス図である。
【
図45】
図45は、実施形態に係る決済システムの作用を説明するためのシーケンス図である。
【
図46】
図46は、実施形態に係る決済システムの作用を説明するためのシーケンス図である。
【
図47】
図47は、決済システムのレイアウトにおける第1のパターンを示す模式図である。
【
図48】
図48は、第1のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図49】
図49は、第1のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図50】
図50は、第1のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図51】
図51は、決済システムのレイアウトにおける第2のパターンを示す模式図である。
【
図52】
図52は、第2のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図53】
図53は、決済システムのレイアウトにおける第3のパターンを示す模式図である。
【
図54】
図54は、決済システムのレイアウトにおける第4のパターンを示す模式図である。
【
図55】
図55は、第4のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図56】
図56は、決済システムのレイアウトにおける第5のパターンを示す模式図である。
【
図57】
図57は、第5のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図58】
図58は、第5のパターンの変形例を示す模式図である。
【
図59】
図59は、第5のパターンのレイアウトによる決済システムの指示装置に表示される指示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施形態に係る決済システムの基本的な構成及び動作について、
図1乃至
図43を用いて説明する。
【0009】
[決済システムの構成説明]
図1は、実施形態に係る決済システム100の概略構成を示すブロック図である。決済システム100は、保留サーバ10を備える。また決済システム100は、決済レーンL毎に第1の処理装置1、決済装置40及び指示装置50を備える。第1の処理装置1は、入力装置20と取引処理装置30とを含む。決済レーンLは、取引の決済を行う客が並ぶ通路を含む。本決済システム100を小売店で導入する場合には、商品を購入する消費者が客となる。本決済システム100を遊園地、美術館、博物館等の有料施設で導入する場合には、施設を利用する利用者が客となる。各決済レーンLには、それぞれ固有のレーン識別情報として例えば3桁のレーン番号が割り当てられている。
【0010】
決済システム100は、保留サーバ10と、各決済レーンLの取引処理装置30及び決済装置40とを、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク60により双方向の通信自在に接続する。そして決済レーンL毎に、取引処理装置30に対して入力装置20を伝送ケーブル70で接続する。また決済システム100は、各決済レーンLの指示装置50を通信ネットワーク60に有線又は無線で接続する。ただし指示装置50は、同一決済レーンLの決済装置40の通信アドレスしか認識しない。したがって指示装置50は、決済装置40とデータ通信を行い得るものの、保留サーバ10及び取引処理装置30とデータ通信を行うことはできない。また、取引処理装置30と決済装置40との間で直接のデータ通信は生じない。保留サーバ10、入力装置20、取引処理装置30、決済装置40及び指示装置50の詳細については後述する。
【0011】
図2は、1つの決済レーンLが備える入力装置20、取引処理装置30、決済装置40及び指示装置50の位置関係を示す模式図である。
図2は、スーパーマーケット、ホームセンター等の小売店における決済レーンLを示す。この種の小売店は、商品が陳列されている売場と、レジ等と称される会計場とが区分けされている。決済レーンLは、会計場に設けられる。
【0012】
会計場には、チェックアウトカウンタ80がある。小売店は、チェックアウトカウンタ80を、客が図示矢印の方向に歩いて移動する通路PAに沿って設置する。小売店は、チェックアウトカウンタ80の天面81に入力装置20を取り付ける。そして、該入力装置20よりも通路PAの上流側を登録前の購買商品を載せるための台82とし、下流側を登録後の購買商品を載せるための台83としている。
【0013】
入力装置20は、入出力デバイスとして、定置式スキャナ21と、ハンディスキャナ22と、タッチパネル23と、キーボード24と、ディスプレイ25とを備える。入力装置20は、チェックアウトカウンタ80の天面81から上方に突出するように定置式スキャナ21を配置し、この定置式スキャナ21の周囲にハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25を配置している。
【0014】
詳しくは、入力装置20は、チェックアウトカウンタ80の天面に定置式スキャナ21を固定している。定置式スキャナ21は縦型であり、バーコードの読取窓が通路PAとは反対側の面に位置する。入力装置20は、ハンディスキャナ22を、定置式スキャナ21の一側部に係止している。またタッチパネル23を、その操作パネル面が定置式スキャナ21の読取窓と同一方向を向くように定置式スキャナ21の上部に取り付けている。またキーボード24を、そのキー面がタッチパネル23の操作パネル面と同一方向を向くようにタッチパネル23の一側部に取り付けている。さらにディスプレイ25を、その表示画面が通路PAの側を向くように定置式スキャナ21の一側部に取り付けている。なお、ディスプレイ25は、タッチパネルであってもよい。
【0015】
このような入出力デバイスの配置により、チェックアウトカウンタ80を挟んで通路PAとは反対側のスペースSPに立つ従業員、いわゆる店員は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23又はキーボード24を操作して、客との取引に係る情報を入力することができる。客との取引に係る情報とは、例えば客が買い入れる購買商品に係る情報である。店員は、タッチパネル23に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。客は、ディスプレイ25に表示される情報により、購買商品の商品名、単価等を確認することができる。入力装置20は、スキャナ装置等と言い換えることができる。
【0016】
取引処理装置30は、POS(Point Of Sales)システムの端末として機能するコンピュータ機器である。小売店は、取引処理装置30をチェックアウトカウンタ80の下流側端部に設置する。
【0017】
取引処理装置30は、キーボード31、第1のタッチパネル32、第2のタッチパネル33、プリンタ34、自動釣銭機35、キャッシュレス決済端末36等のデバイスを備える。取引処理装置30は、キーボード31及び第1のタッチパネル32を店員が操作可能となるように配置し、第2のタッチパネル33、プリンタ34、自動釣銭機35及びキャッシュレス決済端末36を、客が操作可能となるように配置する。
【0018】
このようなデバイスの配置により、スペースSPに立つ店員は、第1のタッチパネル32の画面を見ながらキーボード31又は第1のタッチパネル32を操作することができる。一方、通路PAに立つ客は、第2のタッチパネル33に表示される情報、例えば代金の支払いに係る情報をその場で確認することができる。そして、代金を現金で支払う客は、通路PAに立ったまま自動釣銭機35に現金を投入し、払い出された釣銭を回収することができる。代金をキャッシュレス決済により支払う客は、通路PAに立ったままキャッシュレス決済端末36を操作して、キャッシュレスで代金を支払うことができる。代金の支払いが完了すると、プリンタ34からレシートが発行されるので、客はその場でレシートを受け取ることができる。
【0019】
このように取引処理装置30は、代金の支払いに関する操作を客が自ら行うようにしたセルフタイプの決済装置として機能する。取引処理装置30は、POS端末、電子式キャッシュレジスタ、販売処理装置等と言い換えることができる。
【0020】
決済装置40もまた、代金の支払いに関する操作を客が自ら行うようにしたセルフタイプの決済装置である。決済装置40は、例えば取引処理装置30が使用中のために取引処理装置30では代金の支払いができない客が使用する。このため小売店は、図示矢印で示される客の移動方向に対し、取引処理装置30よりも下流側に決済装置40を設置する。具体的には、取引処理装置30を操作するために通路PAに立つ客が対峙する取引処理装置30の一面とは反対側の面に沿って決済装置40を設置する。
【0021】
決済装置40は、タッチパネル41、プリンタ42、自動釣銭機43、キャッシュレス決済端末44等のデバイスを備える。タッチパネル41の操作パネル面、プリンタ42のレシート発行口、自動釣銭機43の貨幣投入・払出口、及びキャッシュレス決済端末44の操作部はいずれも装置本体の一面側にある。小売店は、取引処理装置30の前を通り抜けた客と対峙する側にその一面が位置するように決済装置40を設置する。
【0022】
このような設置により、決済装置40と対峙した客は、タッチパネル41に表示される情報、例えば代金の支払いに係る情報をその場で確認することができる。そして、代金を現金で支払う客は、その場で自動釣銭機43に現金を投入し、払い出された釣銭を回収することができる。代金をキャッシュレス決済により支払う客は、その場でキャッシュレス決済端末44を操作して、キャッシュレスで代金を支払うことができる。代金の支払いが完了すると、プリンタ42からレシートが発行されるので、客はその場でレシートを受け取ることができる。決済装置40は、会計機、セルフPOS端末、支払い機等と言い換えることができる。
【0023】
指示装置50は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報を決済装置40に呼び出す指示を行う装置である。詳細は後述するが、保留サーバ10は、取引処理装置30の作用により、客との取引に係る情報を保留する機能を有している。指示装置50は、取引に係る情報を決済装置40に呼び出す旨の指示を受け付けると、その指示を保留サーバ10に対して行う。
【0024】
指示装置50は、その一例としてタブレット端末を利用する。タブレット端末は、板状の液晶画面を備え、その画面を指又はペン等でタッチすることで操作できる入力デバイスである。指示装置50は、店員が操作者となる。このため小売店は、スペースSPに居る店員が操作しやすい位置に指示装置50を取り付ける。指示装置50の取付位置は、特に限定されない。
図2では、決済装置40の客が操作する面とは反対側において、画面をスペースSPの側に向けて指示装置50を取り付けた例を示している。
【0025】
[取引処理装置の構成説明]
図3は、取引処理装置30の要部回路構成を示すブロック図である。取引処理装置30は、プロセッサ301、メインメモリ302、補助記憶デバイス303、時計304、通信インターフェース305、タッチパネルインターフェース306、プリンタインターフェース307、釣銭機インターフェース308、決済端末インターフェース309、入力装置インターフェース310及びシステム伝送路311等を備える。システム伝送路311は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路311は、プロセッサ301と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0026】
取引処理装置30は、プロセッサ301と、メインメモリ302、補助記憶デバイス303、時計304、通信インターフェース305、タッチパネルインターフェース306、プリンタインターフェース307、釣銭機インターフェース308、決済端末インターフェース309及び入力装置インターフェース310とを、システム伝送路311で接続することにより、コンピュータを構成する。そして取引処理装置30は、このコンピュータに、システム伝送路311を介してキーボード31及び第1のタッチパネル32を接続する。また取引処理装置30は、タッチパネルインターフェース306に第2のタッチパネル33を接続し、プリンタインターフェース307にプリンタ34を接続し、釣銭機インターフェース308に自動釣銭機35を接続し、決済端末インターフェース309にキャッシュレス決済端末36を接続する。
【0027】
プロセッサ301は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ301は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、取引処理装置30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ301は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ301は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサである。
【0028】
メインメモリ302は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ302は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ302は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ302は、プロセッサ301が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ302は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ301によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0029】
補助記憶デバイス303は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス303となり得る。補助記憶デバイス303は、プロセッサ301が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ301での処理によって作成されたデータ等を記憶する。補助記憶デバイス303は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0030】
時計304は、日付と時刻を計時する。プロセッサ301は、時計304によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0031】
通信インターフェース305は、通信ネットワーク60に接続された保留サーバ10との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース305は、同じく通信ネットワーク60に接続されたPOSサーバ等の他のサーバとの間でデータ通信を行うためのインターフェースでもある。POSサーバは、店舗で販売される各商品の商品名、単価等の商品データを記憶した商品マスタを備え、取引処理装置30で処理された購買商品の商品販売データを収集し集計して、販売時点の売上、在庫等を管理するためのコンピュータである。
【0032】
タッチパネルインターフェース306、プリンタインターフェース307、釣銭機インターフェース308及び決済端末インターフェース309は、いずれも取引処理装置30に外付けされるデバイスとデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわちタッチパネルインターフェース306は、第2のタッチパネル33との間でデータ通信を行う。プリンタインターフェース307は、プリンタ34との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース308は、自動釣銭機35との間でデータ通信を行う。決済端末インターフェース309は、キャッシュレス決済端末36との間でデータ通信を行う。
【0033】
入力装置インターフェース310は、伝送ケーブル70で接続された入力装置20との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。すなわち入力装置インターフェース310は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24及びディスプレイ25との間でそれぞれデータ通信を行う。このように入力装置20は、取引処理装置30のプロセッサ301によって制御されるデバイスの集合体である。すなわち取引処理装置30と入力装置20は、1つのプロセッサ301によって制御される1つの装置(第1の処理装置1)であると言える。
【0034】
図4は、メインメモリ302に形成される主要な記憶領域を示す模式図である。取引処理装置30は、メインメモリ302における揮発性記憶領域の一部を第1ファイルエリア3021、第2ファイルエリア3022、ステータスメモリ3023、第1フラグメモリ3024、第2フラグメモリ3025及び従業員メモリ3026の領域としている。
【0035】
第1ファイルエリア3021は、客毎に作成される取引ファイルを記憶するための領域である。取引ファイルは、一取引として処理する客との取引に係る情報、例えば購買商品に係る情報を格納する。具体的には取引ファイルは、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等の項目を含む商品販売データを記憶する。商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された一意のコードである。販売金額は、単価に購買数量を乗算した金額である。商品販売データは、少なくとも購買商品の商品コードと購買数量とを含んでいればよい。
【0036】
第2ファイルエリア3022は、当該取引処理装置30で代金の支払いを行う客の取引ファイルを一時的に記憶するための領域である。第2ファイルエリア3022は、第1ファイルエリア3021に記憶された取引ファイル、若しくは保留サーバ10で保留された取引ファイルを記憶する。
【0037】
ステータスメモリ3023は、支払いステータスSTを記憶するための領域である。支払いステータスSTは、支払いに関する状態を表す識別情報である。支払いに関する状態には、入力装置20で代金支払い方法を指定しなかった第1状態と、入力装置20で代金支払い方法を指定した第2状態とがある。本実施形態では、第1状態を表す支払いステータスSTを“10”とし、第2状態を表す支払いステータスSTを“20”とする。
【0038】
第1フラグメモリ3024は、支払い中フラグFaを記憶するための領域である。支払い中フラグFaは、当該取引処理装置30において代金の支払い中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、代金の支払い中であることを示す支払い中フラグFaを“1”とし、代金の支払い中でないことを示す支払い中フラグFaを“0”とする。
【0039】
第2フラグメモリ3025は、保留中フラグFbを記憶するための領域である。保留中フラグFbは、当該取引処理装置30で処理した取引に係る情報を格納した取引ファイルを保留サーバ10で保留中か否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、保留中であることを示す保留中フラグFbを“1”とし、保留中でないことを示す保留中フラグFbを“0”とする。
【0040】
従業員メモリ3026は、従業員コードを記憶するための領域である。従業員コードは、店舗の従業員である店員毎に割り当てられた一意のコードである。従業員コードは、入力装置20の操作者である店員を識別する操作者識別情報として機能する。従業員メモリ3026は、当該取引処理装置30に対してサインオンを行った店員の従業員コードを記憶する。サインオンとは、入力装置20の操作者を認証して入力装置20及び取引処理装置30を使用可能な状態とすることである。スペースSPに立つ店員は、始めに、自身の従業員コードとパスワードとを入力することによりサインオンを行う。従業員コードとパスワードとが認証され、サインオンが成立すると、従業員メモリ3026に従業員コードが記憶される。かくして入力装置20及び取引処理装置30は、使用可能な状態となる。
【0041】
因みに、使用を終えた店員は、サインオフを行う。サインオフとは、入力装置20及び取引処理装置30を使用不可能な状態に戻すことである。サインオフを行うことにより、従業員メモリ3026の従業員コードがクリアされる。また、入力装置20及び取引処理装置30が使用不可能な状態となる。サインオンは、ログイン、サインインなどと言い換えることができる。サインオフは、ログアウト、サインアウト等と言い換えることができる。従業員コードは、店員コード、従業員ID、店員ID等と言い換えることができる。
【0042】
[決済装置の構成説明]
図5は、決済装置40の要部回路構成を示すブロック図である。図示するように決済装置40は、プロセッサ401、メインメモリ402、補助記憶デバイス403、時計404、通信インターフェース405及びシステム伝送路406等を備える。システム伝送路406は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路406は、プロセッサ401と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0043】
決済装置40は、プロセッサ401と、メインメモリ402、補助記憶デバイス403、時計404及び通信インターフェース405とを、システム伝送路406で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済装置40は、そのコンピュータに、システム伝送路406を介してタッチパネル41、プリンタ42、自動釣銭機43及びキャッシュレス決済端末44を接続する。
【0044】
プロセッサ401は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ401は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ401は、例えばCPUである。プロセッサ401は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサである。
【0045】
メインメモリ402は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ402は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ402は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ402は、プロセッサ401が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ402は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ401によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0046】
補助記憶デバイス403は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス403となり得る。補助記憶デバイス403は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ401での処理によって作成されたデータ等を記憶する。補助記憶デバイス403は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0047】
時計404は、日付と時刻を計時する。プロセッサ401は、時計404によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0048】
通信インターフェース405は、通信ネットワーク60に接続された保留サーバ10及び指示装置50との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0049】
図6は、メインメモリ402に形成される主要な記憶領域を示す模式図である。決済装置40は、メインメモリ402における揮発性記憶領域の一部を第3ファイルエリア4021及び第3フラグメモリ4022の領域としている。第3ファイルエリア4021は、当該決済装置40で代金の支払いを行う客の取引ファイルを一時的に記憶するための領域である。第3ファイルエリア4021は、保留サーバ10で保留された取引ファイルを記憶する。
【0050】
第3フラグメモリ4022は、支払い中フラグFcを記憶するための領域である。支払い中フラグFcは、決済装置40において代金の支払い中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、代金の支払い中であることを示す支払い中フラグFcを“1”とし、代金の支払い中でないことを示す支払い中フラグFcを“0”とする。
【0051】
[保留サーバの構成説明]
図7は、保留サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。図示するように保留サーバ10は、プロセッサ101、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、時計104、通信インターフェース105及びシステム伝送路106等を備える。システム伝送路106は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路106は、プロセッサ101と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0052】
保留サーバ10は、プロセッサ101と、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、時計104及び通信インターフェース105とを、システム伝送路106で接続することにより、コンピュータを構成する。
【0053】
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、保留サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ101は、例えばCPUである。プロセッサ101は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサである。
【0054】
メインメモリ102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ102は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ102は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ101によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0055】
補助記憶デバイス103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス103となり得る。補助記憶デバイス103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ101での処理によって作成されたデータ等を記憶する。補助記憶デバイス103は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0056】
時計104は、日付と時刻を計時する。プロセッサ101は、時計104によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0057】
通信インターフェース105は、通信ネットワーク60に接続された取引処理装置30及び決済装置40との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0058】
かかる構成の保留サーバ10は、補助記憶デバイス103における記憶領域の一部を従業員マスタ1031の領域としている。従業員マスタ1031は、各店員の従業員コードとそれぞれ関連付けて、その店員の氏名、パスワード等を記憶したデータベースである。パスワードは、従業員コードによって識別される店員が設定したサインオン用のパスワードである。なお、従業員マスタ1031は、保留サーバ10以外のサーバ、例えばPOSサーバが有していてもよい。
【0059】
保留サーバ10は、補助記憶デバイス103における記憶領域の一部をレーンテーブル1032の領域としている。レーンテーブル1032のデータ構造を
図8の模式図によって示す。図示するようにレーンテーブル1032は、レーン番号のカラムCaと、取引処理装置IDのカラムCbと、決済装置IDのカラムCcと、指示装置IDのカラムCdと、従業員コードのカラムCeとを有する。そしてレーンテーブル1032は、カラムCaにおいて、各決済レーンLのレーン番号を予め記述する。またレーンテーブル1032は、カラムCb、カラムCc及びカラムCdにおいて、同一行のカラムCaに記述されたレーン番号の決済レーンLに配置された取引処理装置30、決済装置40及び指示装置50の各装置IDを記述する。決済システム100を構成する全ての取引処理装置30には、それぞれ異なる識別情報として取引処理装置IDが設定されている。同じく、全ての決済装置40には、それぞれ異なる識別情報として決済装置IDが設定されており、全ての指示装置50には、それぞれ異なる識別情報として指示装置IDが設定されている。
【0060】
例えば3桁の数字“XXX”にレーン番号nnnを繋ぎ合わせることにより、レーン毎に異なるID“XXXnnn”を作成できる。そこで、3桁の数字“XXX”を取引処理装置30と決済装置40と指示装置50とで異なる数字とすることで、装置毎に異なる識別情報(装置ID)を作成することができる。
【0061】
カラムCeは、デフォルトの状態ではクリアされている。カラムCeは、対応するレーン番号の決済レーンLに設置されている取引処理装置30に対してサインオンが行われると、サインオンにより認証された従業員コードが記述される。その後、当該取引処理装置30に対してサインオフが行われると、カラムCeの従業員コードはクリアされる。
【0062】
図7の説明に戻る。
保留サーバ10は、補助記憶デバイス103における記憶領域の一部を従業員別フォルダ1033の領域としている。従業員別フォルダ1033は、入力装置20の操作者となり得る店員の数だけ用意されており、各店員の従業員コードによって識別されるデータフォルダである。従業員別フォルダ1033は、取引処理装置30から保留サーバ10へと出力された取引ファイルを記憶、つまりは保留するための領域である。保留サーバ10は、取引ファイルすなわち客との取引に係る情報を、当該取引ファイルを出力した取引処理装置30に対してサインオンを行った店員の従業員コードで識別される従業員別フォルダ1033で記憶する。保留サーバ10は、保留装置と言い換えることができる。
【0063】
[指示装置の構成説明]
図9は、指示装置50の要部回路構成を示すブロック図である。図示するように指示装置50は、プロセッサ501、メインメモリ502、補助記憶デバイス503、通信インターフェース504、タッチパネル505、カメラ506及びシステム伝送路507等を備える。システム伝送路507は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路507は、プロセッサ501と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0064】
指示装置50は、プロセッサ501と、メインメモリ502、補助記憶デバイス503及び通信インターフェース504とを、システム伝送路507で接続することにより、コンピュータを構成する。そして指示装置50は、そのコンピュータに、システム伝送路507を介してタッチパネル505及びカメラ506のデバイスを接続する。なお、指示装置50が有するデバイスは、タッチパネル505及びカメラ506に限定されるものではない。キーボード、ポインティングデバイス、バーコードスキャナ等を備えてもよい。
【0065】
プロセッサ501は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ501は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、指示装置50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ501は、例えばCPUである。プロセッサ501は、複数のプロセッサコアを含み、複数の処理を並行して実行することが可能なマルチコア・プロセッサであってもよい。
【0066】
メインメモリ502は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ502は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ502は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ502は、プロセッサ501が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ502は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ501によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0067】
補助記憶デバイス503は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス503となり得る。補助記憶デバイス503は、プロセッサ501が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ501での処理によって作成されたデータ等を記憶する。補助記憶デバイス503は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0068】
通信インターフェース504は、通信ネットワーク60に接続された決済装置40との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0069】
かかる構成の指示装置50は、補助記憶デバイス503における記憶領域の一部を従業員メモリ5031の領域としている。従業員メモリ5031は、従業員コードを記憶するための領域である。指示装置50は、タッチパネル505の画面を指示画面SEa(
図36を参照)とする。指示画面SEaの詳細な説明は後述するが、指示画面SEaは、指示装置50の操作者、つまりは指示者となり得る店員を選択可能な画面である。従業員メモリ5031には、指示者として選択された店員の従業員コードが記憶される。
【0070】
[決済システムの機能構成説明]
図10は、保留サーバ10、入力装置20、取引処理装置30、決済装置40及び指示装置50がそれぞれ有する主要な機能構成を示す模式図である。以下では、入力装置20、取引処理装置30、指示装置50、保留サーバ10、決済装置40の順に、各装置が有する機能について説明する。
【0071】
入力装置20は、入力手段2011、終了受付手段2012及び第1の支払い受付手段2013としての機能を有する。入力手段2011は、客との取引に係る情報、つまりは客が買い入れる購買商品に係る情報を入力する機能である。入力手段2011は、定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22、タッチパネル23、キーボード24等の入力デバイスを介して商品コード、購買数量等の購買商品に係る情報を入力する。例えば入力手段2011は、定置式スキャナ21又はハンディスキャナ22によって読み取られたバーコードから、購買商品の商品コードを入力する。例えば入力手段2011は、タッチパネル23又はキーボード24に対するテンキー操作によって入力された数値から、購買商品の購買数量を入力する。
【0072】
終了受付手段2012は、客との取引に係る情報、つまりは客が買い入れる購買商品に係る情報の入力終了指示を受け付ける機能である。終了受付手段2012は、タッチパネル23、キーボード24等の入力デバイスを介して購買商品に係る情報の入力終了指示を受け付ける。例えば終了受付手段2012は、タッチパネル23又はキーボード24に対する所定のキー操作によって生じた信号を入力終了指示として受け付ける。
【0073】
第1の支払い受付手段2013は、店員が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。店員が操作者となるデバイスは、例えばタッチパネル23である。第1の支払い受付手段2013は、タッチパネル23に代金支払い方法の選択画面を表示する。そして第1の支払い受付手段2013は、画面のタッチ操作により選択された代金支払い方法を選択入力された代金支払い方法として受け付ける。デバイスの種類は特に限定されない。例えばキーボード24であってもよい。代金支払い方法には、現金、いわゆる商品券等の金券、クレジットカード、電子マネー、コード決済等がある。なお、第1の支払い受付手段2013が有する代金支払い方法は、上述した全ての代金支払い方法を備えていなくてもよい。例えば商品券等の金券による代金支払い方法だけを備えていてもよい。
【0074】
取引処理装置30は、入力情報取得手段3011、第1の金額出力手段3012、第2の支払い受付手段3013、第1の決済手段3014、操作者取得手段3015、取引情報出力手段3016、案内手段3017、保留解除手段3018及び実行手段3019としての機能を有する。入力情報取得手段3011は、伝送ケーブル70で接続された入力装置20から情報等を取得する機能である。入力情報取得手段3011は、入力手段2011により入力を受け付けた購買商品に係る情報を入力装置20から取得する。入力情報取得手段3011は、終了受付手段2012で受け付けた入力終了指示の信号を入力装置20から取得する。入力情報取得手段3011は、第1の支払い受付手段2013で受け付けた代金支払い方法の情報を入力装置20から取得する。
【0075】
第1の金額出力手段3012は、入力装置20を介して入力された取引に係る情報を基に決済に必要な金額を出力する機能である。取引に係る情報は、例えば購買商品に係る情報である。購買商品に係る情報には商品の価格と販売数量とが存在する。第1の金額出力手段3012は、各購買商品の価格と販売数量とに基づいて決済に必要な金額を算出し、出力する。決済に必要な金額は、決済金額、合計金額、税込み合計金額、請求金額等と言い換えることができる。第1の金額出力手段3012は、表示デバイスに決済に必要な金額を表示することによって出力する。表示デバイスは、入力装置20のタッチパネル23又はディスプレイ25が該当する。表示デバイスは、取引処理装置30の第1のタッチパネル32又は第2のタッチパネル33であってもよい。
【0076】
第2の支払い受付手段3013は、客が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。客が操作者となるデバイスは、例えば第2のタッチパネル33である。第2の支払い受付手段3013は、第2のタッチパネル33に代金支払い方法の選択画面を表示する。そして第2の支払い受付手段3013は、画面のタッチ操作により選択された代金支払い方法を選択入力された代金支払い方法として受け付ける。デバイスの種類は特に限定されない。客が操作者となるデバイスは、ディスプレイに表示されるポインタを動かすポインティングデバイスであってもよい。代金支払い方法は、現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済等である。第2の支払い受付手段3013は、終了受付手段2012が入力終了指示を受け付けた時点で第1の支払い受付手段2013が代金支払い方法の選択入力を受け付けていない場合に、代金支払い方法の選択入力を受け付ける。入力終了指示を受け付けた時点で代金支払い方法の選択入力を受け付けているか否かは、支払いステータスSTによって識別可能である。具体的には、支払いステータスSTが“10”のとき、すなわち入力装置20で代金支払い方法を指定しなかった第1状態であるとき、第2の支払い受付手段3013は、第2のタッチパネル33を介していずれか1つの代金支払い方法が選択入力されるのを受け付ける。
【0077】
第1の決済手段3014は、第1の支払い受付手段2013又は第2の支払い受付手段3013で受け付けた代金支払い方法に従い、客との取引を決済する機能である。第1の決済手段3014は、終了受付手段2012が入力終了指示を受け付けた時点で取引の決済が可能である場合に、客との取引を決済する。すなわち第1の決済手段3014は、第1フラグメモリ3024によって記憶される支払い中フラグFaが“0”のとき、取引の決済が可能であると認定する。第1の決済手段3014は、例えば代金支払い方法として現金を受け付けた場合には、自動釣銭機35と協働して客との取引を決済する。第1の決済手段3014は、例えば代金支払い方法としてキャッシュレス決済を受け付けた場合には、キャッシュレス決済端末36と協働して客との取引を決済する。
【0078】
操作者取得手段3015は、操作者を識別する操作者識別情報を取得する機能である。操作者とは、入力装置20を操作して、客との取引に係る情報等を入力する店員のことである。よって、操作者識別情報は、従業員メモリ3026に記憶されている従業員コードである。操作者取得手段3015は、従業員メモリ3026から従業員コードを取得する。入力装置20の操作者を識別する操作者識別情報は、必ずしも従業員コードであるとは限らない。氏名,電話番号等のように従業員を識別できる情報であればよい。
【0079】
取引情報出力手段3016は、取引に係る情報を保留サーバ10に出力する機能である。取引情報出力手段3016は、取引の決済が不可能な状態で入力装置20から取引に係る情報の入力終了指示を受けた場合に、操作者取得手段3015によって取得した操作者識別情報とともに取引に係る情報を保留サーバ10に出力する。取引に係る情報は、例えば購買商品に係る情報である。購買商品に係る情報は、商品販売データとして取引ファイルに記憶される。取引情報出力手段3016は、第1フラグメモリ3024の支払い中フラグFaが“1”のときに入力情報取得手段3011が入力終了指示の信号を取得すると、取引ファイルを操作者識別情報とともに保留サーバ10に出力するように通信インターフェース305を制御する。
【0080】
案内手段3017は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報、つまりは取引ファイルの出力先を案内する機能である。保留サーバ10に保留された取引ファイルの出力先は、決済装置40又は取引処理装置30である。案内手段3017は、取引ファイルの出力先が決済装置40である場合には、決済装置40での代金の支払いを案内する。案内手段3017は、取引ファイルの出力先が取引処理装置30である場合には、取引処理装置30での代金の支払いを案内する。例えば、表示デバイスに案内のための画像を表示することによって店員又は客に案内する。表示デバイスは、入力装置20のタッチパネル23又はディスプレイ25、あるいは取引処理装置30の第1のタッチパネル32又は第2のタッチパネル33等が該当する。
【0081】
保留解除手段3018は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報、つまりは取引ファイルの保留解除を保留サーバ10に対して指令する機能である。保留解除手段3018は、取引ファイルの保留を解除する指示を受け付けるための第2の操作子を有する。第2の操作子は、第1のタッチパネル32に表示されるソフトウェアキーである。第2の操作子は、キーボード31に設けられたハードウェアキーであってもよい。第2の操作子が操作されると、保留解除手段3018は、保留サーバ10に対して取引ファイルの保留解除を指令する。具体的には保留解除手段3018は、保留サーバ10に対して取引ファイルの保留解除を指令する信号を出力する。
【0082】
実行手段3019は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報を基に客との取引の決済を実行する機能である。保留サーバ10に対して取引ファイルの保留解除が指令されると、その取引ファイルが第2ファイルエリア3022に記憶される。実行手段3019は、第2ファイルエリア3022に記憶された取引ファイルを基に、第1の金額出力手段3012及び第1の決済手段3014を動作させて、取引の決済を実行する。
【0083】
指示装置50は、受付手段5011及び指示手段5012としての機能を有する。受付手段5011は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報、つまりは取引ファイルを決済装置40へと出力する指示を受け付ける機能である。指示装置50は、取引ファイルを決済装置40へと出力する指示を受け付けるための第1の操作子を有する。指示装置50としてタブレット端末が使用される場合、第1の操作子は、タブレット端末の液晶画面に表示されるソフトウェアキーである。受付手段5011は、第1の操作子が操作入力されると、取引ファイルを決済装置40へと出力する指示として受け付ける。
【0084】
指示手段5012は、受付手段5011により取引ファイルを決済装置40へと出力する指示を受け付けたことに応じて、取引に係る情報を決済装置40に出力することを保留サーバ10に指示する機能である。指示手段5012は、取引に係る情報を決済装置40に出力することを指示する信号を、決済装置40を介して保留サーバ10へと出力する。
【0085】
保留サーバ10は、取引情報入力手段1011、保留手段1012、出力先認識手段1013、操作者認識手段1014及び保留情報出力手段1015として機能を有する。取引情報入力手段1011は、取引処理装置30から取引に係る情報、つまりは取引ファイルを入力する機能である。取引情報入力手段1011は、取引ファイルとともに操作者識別情報を入力する。操作者識別情報は、取引処理装置30に対してサインオンした店員の従業員コードである。
【0086】
保留手段1012は、取引情報入力手段1011によって入力した取引に係る情報、つまりは取引ファイルを保留する機能である。保留手段1012は、取引ファイルを、当該取引ファイルとともに入力した操作者識別情報によって特定される従業員別フォルダ1033で記憶、つまりは保留する。
【0087】
出力先認識手段1013は、当該保留サーバ10で保留している取引に係る情報、つまりは取引ファイルの出力先を認識する機能である。出力先認識手段1013は、指示装置50の指示手段5012から取引に係る情報を決済装置40に出力することを指示する信号を受信した場合には、取引ファイルの出力先を決済装置40として認識する。出力先認識手段1013は、取引処理装置30の保留解除手段3018から保留解除を指示する信号を受信すると、取引ファイルの出力先を取引処理装置30として認識する。
【0088】
操作者認識手段1014は、取引ファイルの出力先を指示した操作者の操作者識別情報を認識する機能である。取引ファイルの出力先を指示するのは、スペースSPに立つ店員である。操作者認識手段1014は、指示装置50又は取引処理装置30に対して操作を行った店員の従業員コードを認識する。店員の従業員コードは、レーンテーブル1032のカラムCeに記憶されている。店員の従業員コードは、指示装置50又は取引処理装置30から通知されてもよい。
【0089】
保留情報出力手段1015は、保留手段1012で保留した取引に係る情報、つまりは取引ファイルを、出力先認識手段1013により認識した出力先に出力する機能である。保留情報出力手段1015は、操作者認識手段1014により認識した従業員コードによって特定される従業員別フォルダ1033に記憶した取引ファイルを出力先に出力する。出力先認識手段1013によって認識された出力先が決済装置40である場合には、保留情報出力手段1015は取引ファイルを決済装置40に出力する。出力先認識手段1013によって認識された出力先が取引処理装置30である場合には、保留情報出力手段1015は取引ファイルを取引処理装置30に出力する。
【0090】
決済装置40は、取込み手段4011、第2の金額出力手段4012、第3の支払い受付手段4013及び第2の決済手段4014としての機能を有する。取込み手段4011は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報を取り込む機能である。取込み手段4011は、保留サーバ10の保留情報出力手段1015によって出力される取引ファイルを取り込み、第3ファイルエリア4021に記憶する。
【0091】
第2の金額出力手段4012は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報を基に決済に必要な金額を出力する機能である。第2の金額出力手段4012は、第3ファイルエリア4021に記憶した取引ファイルの情報を基に決済に必要な金額を出力する。例えば第2の金額出力手段4012は、表示デバイスに決済に必要な金額を表示する。表示デバイスは、決済装置40のタッチパネル41等が該当する。
【0092】
第3の支払い受付手段4013は、客が操作者となるデバイスを介して代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。客が操作者となるデバイスは、例えばタッチパネル41である。第3の支払い受付手段4013は、タッチパネル41に代金支払い方法の選択画面を表示する。そして第3の支払い受付手段4013は、画面のタッチ操作により選択された代金支払い方法を選択入力された代金支払い方法として受け付ける。デバイスの種類は特に限定されない。客が操作者となるデバイスは、ディスプレイに表示されるポインタを動かすポインティングデバイスであってもよい。代金支払い方法は、現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済等である。
【0093】
第2の決済手段4014は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報を基に取引を決済する機能である。第2の決済手段4014は、第1の支払い受付手段2013又は第3の支払い受付手段4013で受け付けた代金支払い方法に従い、客との取引を決済する。第2の決済手段4014は、第2の金額出力手段4012により出力した金額相当の代金が、第1の支払い受付手段2013又は第3の支払い受付手段4013で受け付けた代金支払い方法で支払われた場合に、客との取引を決済する。例えば代金支払い方法として現金を受け付けた場合には、第2の決済手段4014は、自動釣銭機43と協働して客との取引を決済する。例えば代金支払い方法としてキャッシュレス決済を受け付けた場合には、第2の決済手段4014は、キャッシュレス決済端末44と協働して客との取引を決済する。
なお、必ずしも保留サーバ10に保留された取引に係る情報に第1の支払い受付手段2013で受け付けた代金支払い方法を含む必要はない。第1の支払い受付手段2013で受け付けた代金支払い方法を含まない場合には、第2の決済手段4014は、保留サーバ10に保留された取引に係る情報を基に、第3の支払い受付手段4013で受け付けた代金支払い方法に従い、客との取引を決済する。
【0094】
取引処理装置30の入力情報取得手段3011、第1の金額出力手段3012、第2の支払い受付手段3013、第1の決済手段3014、操作者取得手段3015、取引情報出力手段3016、案内手段3017、保留解除手段3018及び実行手段3019としての機能は、いずれもプロセッサ301が第1の業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0095】
第1の業務プログラムは、メインメモリ302又は補助記憶デバイス303に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。第1の業務プログラムをメインメモリ302又は補助記憶デバイス303にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に第1の業務プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により第1の業務プログラムを配信して、メインメモリ302又は補助記憶デバイス303にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0096】
保留サーバ10の取引情報入力手段1011、保留手段1012、出力先認識手段1013、操作者認識手段1014及び保留情報出力手段1015として機能は、プロセッサ101が第2の業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0097】
第2の業務プログラムは、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。第2の業務プログラムをメインメモリ102又は補助記憶デバイス103にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に第2の業務プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により第2の業務プログラムを配信して、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0098】
決済装置40の取込み手段4011、第2の金額出力手段4012、第3の支払い受付手段4013及び第2の決済手段4014としての機能は、プロセッサ401が第3の業務プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0099】
第3の業務プログラムは、メインメモリ402又は補助記憶デバイス403に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。第3の業務プログラムをメインメモリ402又は補助記憶デバイス403にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に第3の業務プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により第3の業務プログラムを配信して、メインメモリ402又は補助記憶デバイス403にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0100】
[決済システムの動作説明]
次に、
図11乃至
図20の流れ図、及び、
図21乃至
図43の画面例を用いて、決済システム100の主要な動作を説明する。なお、流れ図を用いて説明する動作の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0101】
図11乃至
図14は、取引処理装置30のプロセッサ301が第1の業務プログラムに従って実行する第1の情報処理の要部手順を示す流れ図である。売場を回って購買商品を集めた客は、会計場へと移動する。そして客は、空いている通路PAにおけるチェックアウトカウンタ80の台82に購買商品を置く。スペースSPに立つ店員は、客が会計場に来ると、登録開始を指令する。例えば店員は、タッチパネル23に表示されたスタートボタンにタッチする。この操作が、登録開始の指令となる。この指令を受けて、プロセッサ301は、第1の情報処理を開始する。プロセッサ301は、ACT101として入力装置20におけるタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面とする。
【0102】
図21は、タッチパネル23に表示される登録画面SAaの一例である。登録画面SAaは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaは、最新の購買商品の商品名、購買数量及び販売金額を表示するためのエリアである。明細エリアAAbは、一連の番号順に、一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額をリスト形式で表示するエリアである。合計エリアAAcは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示するエリアである。登録画面SAaは、小計ボタンBAaを含む。小計ボタンBAaは、ソフトウェアキーである。小計ボタンBAaは、一取引として登録した購買商品の小計出力を指令するための操作子である。
【0103】
図22は、ディスプレイ25に表示される登録画面SBaの一例である。登録画面SBaは、画面を複数の行(
図22の例では7つの行)に区分し、1行目から最終行の1つの前までの行を明細エリアABaの行とし、最終行を合計エリアABbの行とする。そして、明細エリアABaの行では、1行ずつ購買商品の商品名、単価、購買数量及び販売金額を表示する。合計エリアABbでは、1行に購買数量の合計と販売金額の合計とを表示する。
【0104】
登録画面SAaを確認した店員は、チェックアウトカウンタ80に置かれた購買商品の登録を行う。すなわち店員は、購買商品に付されているバーコードを入力装置20の定置式スキャナ21又はハンディスキャナ22でスキャニングする。バーコードをスキャニングすることにより、入力装置インターフェース310を介して購買商品の商品コードが取引処理装置30に入力される。なお、購買商品にバーコードが付されていない場合には、店員は、入力装置20のタッチパネル23にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から購買商品を選択する。このような操作により、バーコードのない購買商品の商品コードが入力装置インターフェース310を介して取引処理装置30に入力される。
【0105】
タッチパネル23及びディスプレイ25の画面を登録画面SAa及び登録画面SBaとしたプロセッサ301は、ACT102へと進む。プロセッサ301は、ACT102として購買商品の登録を待ち受ける。入力装置インターフェース310を介して入力装置20から商品コードが入力されると、プロセッサ301は、購買商品の登録有りと判断する。プロセッサ301は、ACT102からACT103へと進む。プロセッサ301は、ACT103として第1ファイルエリア3021に取引ファイルを作成する。以下では、ACT103において生成された取引ファイルを第1取引ファイルと称する。
【0106】
第1取引ファイルを作成したプロセッサ301は、ACT104へと進む。プロセッサ301は、ACT104として商品販売データを処理する。この処理は、入力された商品コードで特定される商品の商品名、単価等を商品マスタから読込み、商品コード、商品名、単価、購買数量、販売金額等を含む購買商品の商品販売データを生成する処理である。購買商品の商品販売データを生成したプロセッサ301は、ACT105へと進む。プロセッサ301は、ACT105としてその購買商品の商品販売データを第1取引ファイルに格納する。またプロセッサ301は、ACT106として登録画面SAa及び登録画面SBaを更新する。
【0107】
登録画面SAaに関しては、プロセッサ301は、第1取引ファイルに格納した商品販売データの商品名、購買数量及び販売金額をカレントエリアAAaに表示する。このとき、1つ前に登録された購買商品の商品販売データがカレントエリアAAaに表示されていた場合には、プロセッサ301は、商品販売データの商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ301は、第1取引ファイルに格納された全ての商品販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアAAcに表示する。
【0108】
登録画面SBaに関しては、プロセッサ301は、第1取引ファイルに格納した商品販売データの商品名、単価、購買数量及び販売金額を明細エリアABaの1行目に表示する。このとき、明細エリアABaの1行目に商品販売データが表示されていた場合には、プロセッサ301は、1行目以降のデータを2行目以降に順次シフトしてから、第1取引ファイルに格納した商品販売データを1行目に表示する。またプロセッサ301は、第1取引ファイルに格納された全ての商品販売データの購買数量及び販売金額の合計を合計エリアABbに表示する。
【0109】
登録画面SAa及び登録画面SBaを更新したプロセッサ301は、ACT107へと進む。プロセッサ301は、ACT107として次の購買商品が登録されたか否かを確認する。次の購買商品が登録されていない場合には、プロセッサ301は、ACT108へと進む。プロセッサ301は、ACT108として小計ボタンBAaが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAaが入力されていない場合には、プロセッサ301は、ACT107へと戻る。このようにプロセッサ301は、ACT107及びACT108において次の購買商品が登録されるか小計ボタンBAaが入力されるのを待ち受ける。
【0110】
ACT107及びACT108の待ち受け状態において、購買商品が登録されると、プロセッサ301は、ACT104へと戻る。そしてプロセッサ301は、ACT104乃至ACT106の処理を前述したのと同様に実行する。かくして、店員が入力装置20の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、チェックアウトカウンタ80に置かれた購買商品のデータを1品ずつ入力する毎に、プロセッサ301は、その購買商品に係る情報、すなわち商品コードを基に購買商品の商品販売データを生成して、第1取引ファイルに格納する。またプロセッサ301は、登録画面SAa及び登録画面SBaを更新する。こうして、購買商品の登録を終えると、店員は、小計ボタンBAaにタッチする。
【0111】
ACT107及びACT108の待ち受け状態において、小計ボタンBAaがタッチ操作により入力されると、プロセッサ301は、ACT109へと進む。プロセッサ301は、ACT109として入力装置20におけるタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を小計画面とする。
【0112】
図23は、タッチパネル23に表示される小計画面SAbの一例である。小計画面SAbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアAAdを含む。また小計画面SAbは、小計値引ボタンBAb、小計割引ボタンBAc、支払い方法選択ボタンBAd、支払いボタンBAe及び戻るボタンBAfを含む。各ボタンBAb,BAc,BAe,BAfはソフトウェアキーである。小計値引ボタンBAbは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAcは、合計金額の割引を指令するための操作子である。因みに、小計値引ボタンBAbを入力するとともにキーボード24のテンキーで値引額を入力することにより、合計金額が値引される。同様に、小計割引ボタンBAcを入力するとともにキーボード24のテンキーで割引率を入力することにより、合計金額が割引される。
【0113】
支払い方法選択ボタンBAdは、支払い方法の選択を指令するための操作子である。支払いボタンBAeは、購買商品の登録を終えて代金支払いへの移行を指令するための操作子である。戻るボタンBAfは、購買商品の登録に戻ることを指令するための操作子である。
【0114】
図24は、ディスプレイ25に表示される小計画面SBbの一例である。小計画面SBbは、代金の支払いに関する情報が表示されるエリアABcを含む。エリアABcには、購買商品の合計数量及び合計金額と、預り金額と、残額が表示される。この時点では、預かり金額が発生していないので、預かり金額は0円であり、残額は、合計金額から預り金額を減じた金額となる。
【0115】
小計画面SAbを確認した店員は、未登録の購買商品がチェックアウトカウンタ80に残っているか否かを確認する。未登録の購買商品がある場合、店員は戻るボタンBAfにタッチする。未登録の購買商品がない場合には、店員は客に支払い方法を確認するか否かを決める。例えば、店舗が混雑している時間帯は客に支払い方法を確認し、空いている時間帯は客に支払い方法を確認しない。客に支払い方法を確認する場合には、店員は支払い方法選択ボタンBAdにタッチする。客に支払い方法を確認しない場合には、店員は支払いボタンBAeにタッチする。
【0116】
タッチパネル23の画面を小計画面SAbとし、またディスプレイ25の画面を小計画面SBbとしたプロセッサ301は、ACT110へと進む。プロセッサ301は、ACT110として戻るボタンBAfが入力されたか否かを確認する。戻るボタンBAfが入力されていない場合には、プロセッサ301は、ACT111へと進む。プロセッサ301は、ACT111として支払い方法選択ボタンBAdが入力されたか否かを確認する。支払い方法選択ボタンBAdが入力されていない場合には、プロセッサ301は、ACT112へと進む。プロセッサ301は、ACT112として支払いボタンBAeが入力されたか否かを確認する。支払いボタンBAeが入力されていない場合には、プロセッサ301は、ACT110へと戻る。このように、小計画面SAbを表示したプロセッサ301は、ACT110乃至ACT112において戻るボタンBAfが入力されるか、支払い方法選択ボタンBAdが入力されるか、支払いボタンBAeが入力されるのを待ち受ける。
【0117】
ACT110乃至ACT112の待ち受け状態において、戻るボタンBAfがタッチ操作により入力されると、プロセッサ301は、ACT113へと進む。プロセッサ301は、ACT113としてタッチパネル23及びディスプレイ25の画面を直前の登録画面SAa及び登録画面SBaに戻す。そしてプロセッサ301は、ACT107及びACT108の待ち受け状態となる。かくして店員は、入力装置20の定置式スキャナ21、ハンディスキャナ22又はタッチパネル23を操作して、未登録であった購買商品のデータを入力することができる。
【0118】
ACT110乃至ACT112の待ち受け状態において、支払い方法選択ボタンBAdがタッチ操作により入力されると、プロセッサ301は、
図12のACT121へと進む。プロセッサ301は、ACT121としてタッチパネル23の画面を支払い方法選択画面SAc(
図25を参照)とする。ディスプレイ25の画面は、小計画面SBbのままである。
【0119】
図25は、タッチパネル23に表示される支払い方法選択画面SAcの一例である。支払い方法選択画面SAcは、小計画面SAbと同様の合計エリアAAdを含む。また支払い方法選択画面SAcは、支払い方法別の選択ボタン群BAgを含む。選択ボタン群BAgには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン及び金券ボタンが含まれる。
【0120】
現金ボタンは、現金支払いを指令するためのボタンである。クレジットボタンは、クレジットカード支払いを指令するためのボタンである。電子マネーボタンは、電子マネー支払いを指令するためのボタンである。コード決済ボタンは、コード決済支払いを指令するためのボタンである。金券ボタンは、金券による代金支払いを指令するためのボタンである。金券ボタンが入力されると、商品券等の金券の種別を選択するための画面が表示される。現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン、コード決済ボタン及び金券ボタンは、いずれもソフトウェアキーである。
【0121】
支払い方法選択画面SAcを確認した店員は、客に支払い方法を確認する。そして店員は、客が選択した支払い方法のボタンにタッチする。例えば客が現金で支払うことを希望した場合には、店員は、選択ボタン群BAgの現金ボタンにタッチする。例えば客がクレジットカードで支払うことを希望した場合には、店員は、選択ボタン群BAgのクレジットボタンにタッチする。同様に、客が電子マネー又はコード決済で支払うことを希望した場合にも、店員は、選択ボタン群BAgの該当するボタンにタッチする。
【0122】
タッチパネル23の画面を支払い方法選択画面SAcとしたプロセッサ301は、ACT122へと進む。プロセッサ301は、ACT122として支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BAgに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ301は、ACT123へと進む。プロセッサ301は、ACT123として選択された支払い方法の支払いコードを取得する。本実施形態では、現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い、コード決済支払い等の支払い方法別に予め固有の支払いコードが設定されている。例えば現金ボタンがタッチされた場合には、プロセッサ301は、現金支払いに対応する支払いコード、例えば“11”を取得する。例えばクレジットボタンがタッチされた場合には、プロセッサ301は、クレジットカード支払いに対応する支払いコード、例えば“22”を取得する。他の電子マネーボタン及びコード決済ボタンがタッチされた場合も同様である。
【0123】
支払いコードを取得したプロセッサ301は、ACT124へと進む。プロセッサ301は、ACT124としてタッチパネル23の画面を支払い画面SAd(
図26を参照)とする。ディスプレイ25の画面は、小計画面SBbのままである。
【0124】
図26は、支払い方法として現金支払いが選択された際の支払い画面SAdの一例である。支払い画面SAdは、小計画面SAb及び支払い方法選択画面SAcと同様の合計エリアAAdを含む。また支払い画面SAdは、支払いボタンBAhを含む。支払いボタンBAhは、代金支払いへの移行を指令するための操作子である。支払いボタンBAhは、ソフトウェアキーである。支払い画面SAdを確認した店員は、支払いボタンBAhにタッチする。
【0125】
タッチパネル23の画面を支払い画面SAdとしたプロセッサ301は、ACT125へと進む。プロセッサ301は、ACT125として支払いボタンBAhが入力されるのを待ち受ける。支払いボタンBAhがタッチ操作により入力されると、プロセッサ301は、ACT126へと進む。
【0126】
一方、
図11におけるACT110乃至ACT112の待ち受け状態において、支払いボタンBAeがタッチ操作により入力されると、プロセッサ301は、
図12のACT126へと進む。このように、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ301は、ACT126へと進む。
【0127】
プロセッサ301は、ACT126として支払い中フラグFaを調べる。取引処理装置30において代金の支払いが行われていない状態では、支払い中フラグFaは“0”である。支払い中フラグFaが“0”であるとき、プロセッサ301は、
図13のACT131へと進む。ACT131以降の処理については後述する。
【0128】
ACT126において支払い中フラグFaが“1”、すなわち取引処理装置30において代金の支払いが行われている状態では、プロセッサ301は、ACT127へと進む。プロセッサ301は、ACT127として保留中フラグFbを調べる。同じ決済レーンLで決済した前の客の取引に係る情報が保留サーバ10で保留されていない場合には、保留中フラグFbは“0”である。保留中フラグFbが“0”であるとき、プロセッサ301は、
図14のACT141へと進む。ACT141以降の処理についても後述する。
【0129】
ACT127において保留中フラグFbが“1”、すなわち同じ決済レーンLで決済した前の客の取引に係る情報が保留サーバ10で保留されている場合には、プロセッサ301は、ACT128へと進む。プロセッサ301は、ACT128としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに代金の支払いが不可能であることを報知するポップアップPUa(
図27を参照)を表示する。またプロセッサ301は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、代金の支払いが不可能であるため待機することを指示するためのテキストTXa(
図28を参照)を表示する。
【0130】
図27は、タッチパネル23の支払い画面SAdに表示されるポップアップPUaの一例である。ポップアップPUaを確認した店員は、前の客が代金の支払いを終えるまで待機することとなる。
【0131】
図28は、ディスプレイ25の小計画面SBbに表示されるテキストTXaの一例である。テキストTXaを確認した客は、代金の支払いが可能となるまで待機することとなる。
【0132】
タッチパネル23及びディスプレイ25を用いて代金の支払いが不可能であることを報知したプロセッサ301は、ACT125へと戻る。プロセッサ301は、支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhが再度入力されるのを待ち受ける。支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ301は、ACT126へと進む。そしてプロセッサ301は、ACT126以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、支払い中フラグFaが“0”に書き換えられていた場合には、プロセッサ301は、
図13のACT131へと進む。支払い中フラグFaは“1”のままだが保留中フラグFbが“0”に書き換えられていた場合には、プロセッサ301は、
図14のACT141へと進む。
【0133】
これに対し、支払い中フラグFa及び保留中フラグFbが依然として“1”のままであった場合には、プロセッサ301は、ACT128へと進む。したがって、タッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdにはポップアップPUaが継続して表示され、ディスプレイ25の小計画面SBbにはテキストTXaが継続して表示される。
【0134】
支払い中フラグFaが“0”のとき、すなわち取引処理装置30において代金の支払いが行われていないときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ301は、
図13のACT131へと進む。プロセッサ301は、ACT131としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに取引処理装置30での代金支払いが可能であることを報知するポップアップPUb(
図29を参照)を表示する。またプロセッサ301は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、代金の支払いが可能であることを指示するためのテキストTXb(
図30を参照)を表示する。
【0135】
図29は、タッチパネル23の支払い画面SAdに表示されるポップアップPUbの一例である。ポップアップPUbを確認した店員は、取引処理装置30で代金の支払いが可能であることを知り得るので、客を取引処理装置30が設置されている方へと案内することとなる。
【0136】
図30は、ディスプレイ25の小計画面SBbに表示されるテキストTXbの一例である。テキストTXbを確認した客は、店員の案内に従い取引処理装置30が設置されている方へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0137】
タッチパネル23及びディスプレイ25を用いて代金の支払いが可能であることを報知したプロセッサ301は、ACT132へと進む。プロセッサ301は、ACT132として支払いコードを取得しているか否かを確認する。支払いコードを取得していない場合には、プロセッサ301は、ACT133へと進む。プロセッサ301は、ACT133としてステータスメモリ3023に記憶される支払いステータスSTを“10”とする。これに対し、ACT123の処理において支払いコードを取得している場合には、プロセッサ301は、ACT134へと進む。プロセッサ301は、ACT134としてその支払いコードを第1取引ファイルに格納する。またプロセッサ301は、ACT135としてステータスメモリ3023に記憶される支払いステータスSTを“20”とする。
【0138】
ACT133又はACT135の処理を終えると、プロセッサ301は、ACT136へと進む。プロセッサ301は、ACT136として第1ファイルエリア3021に記憶されている第1取引ファイルを選択する。そしてプロセッサ301は、ACT137としてその第1取引ファイルを第2ファイルエリア3022に保存する。しかる後、プロセッサ301は、ACT138として第1フラグメモリ3024の支払い中フラグFaを“1”に書き換える。またプロセッサ301は、ACT139として第1ファイルエリア3021をクリアする。以上でプロセッサ301は、第1の情報処理を終了する。以下では、第2ファイルエリア3022に保存した取引ファイルを第2取引ファイルと称する。
【0139】
一方、支払い中フラグFaは“1”であるが、保留中フラグFbが“0”のときに、小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されると、プロセッサ301は、
図14のACT141へと進む。プロセッサ301は、ACT141として支払いコードを取得しているか否かを確認する。支払いコードを取得していない場合には、プロセッサ301は、ACT142へと進む。プロセッサ301は、ACT142としてステータスメモリ3023に記憶される支払いステータスSTを“10”とする。これに対し、ACT123の処理において支払いコードを取得している場合には、プロセッサ301は、ACT143へと進む。プロセッサ301は、ACT143としてその支払いコードを第1取引ファイルに格納する。またプロセッサ301は、ACT144としてステータスメモリ3023に記憶される支払いステータスSTを“20”とする。
【0140】
ACT142又はACT144の処理を終えると、プロセッサ301は、ACT145へと進む。プロセッサ301は、ACT145として通信インターフェース305を介して保留サーバ10に保留イベントを送信する。保留イベントは、取引ファイルの保留を要求するイベントである。保留イベントには、当該取引処理装置30の取引処理装置IDが含まれている。
【0141】
詳細は後述するが、保留イベントを受信した保留サーバ10からは許諾応答が返信されるので、プロセッサ301は、ACT146として許諾応答を待ち受ける。そして通信インターフェース305を介して許諾応答を受信すると、プロセッサ301は、ACT147へと進む。プロセッサ301は、ACT147として従業員メモリ3026から従業員コードを取得する。そしてプロセッサ301は、ACT148として第1取引ファイルを従業員コードとともに保留サーバ10に出力する。
【0142】
その後、プロセッサ301は、ACT149として保留中フラグFbを“1”にする。またプロセッサ301は、ACT150として第1ファイルエリア3021をクリアする。以上でプロセッサ301は、第1の情報処理を終了する。
【0143】
図13を用いて説明したように、支払いボタンBAe又は支払い画面SAdが入力されたときに支払い中フラグFaが“0”である場合、つまりは取引処理装置30で代金を支払っている客がいない場合には、取引処理装置30での代金支払いが可能であることが報知される。また、第1取引ファイルが第2ファイルエリア3022に保存されて、支払い中フラグFaが“1”となる。したがって、取引処理装置30においては客のセルフによる代金支払いが可能となる。客は、取引処理装置30の設置場所まで移動して、代金支払いのための操作を行う。
【0144】
一方、
図14を用いて説明したように、支払いボタンBAe又は支払い画面SAdが入力されたときに支払い中フラグFaが“1”である場合、つまりは取引処理装置30で代金を支払っている客がいる場合には、第1取引ファイルは保留サーバ10に出力される。また、保留中フラグFbが“1”となり、第1ファイルエリア3021がクリアされる。そしてこの時点では、客が取引処理装置30で代金を支払うのか、決済装置40で代金を支払うのかは定まっていない。
【0145】
ところで、
図13及び
図14を用いて説明したように、第1の情報処理が終了した時点で、第1ファイルエリア3021はクリアされる。したがって、取引処理装置30のプロセッサ301は、引き続き第1の情報処理を開始することができる。すなわち、次の客が会計場に来たので店員が登録開始を指令すると、プロセッサ301は、ACT101以降の第1の情報処理を前述したのと同様に実行する。したがって、タッチパネル23の画面は、登録画面SAaとなる。
【0146】
ここにプロセッサ301は、入力装置インターフェース310を介してACT102及びACT106の処理を実行することにより、入力手段2011により入力を受け付けた購買商品に係る情報を入力装置20から取得する入力情報取得手段3011(第1の入力情報取得手段)としての機能を実現する。またプロセッサ301は、入力装置インターフェース310を介してACT112及びACT125の処理を実行することにより、終了受付手段2012で受け付けた入力終了指示の信号を入力装置20から取得する入力情報取得手段3011(第2の入力情報取得手段)としての機能を実現する。さらにプロセッサ301は、入力装置インターフェース310を介してACT121乃至ACT123の処理を実行することにより、第1の支払い受付手段2013で受け付けた代金支払い方法の情報を入力装置20から取得する入力情報取得手段3011(第3の入力情報取得手段)としての機能を実現する。
【0147】
プロセッサ301は、タッチパネル23及びディスプレイ25と協働してACT109及びACT124の処理を実行することにより、第1の金額出力手段3012としての機能を実現する。プロセッサ301は、通信インターフェース305と協働して、ACT145乃至ACT148の処理を実行することにより、取引情報出力手段3016としての機能を実現する。プロセッサ301は、従業員メモリ3026と協働してACT147の処理を実行することにより、操作者取得手段3015としての機能を実現する。
【0148】
図15は、取引処理装置30のプロセッサ301が第1の業務プログラムに従って実行する第2の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ301は、前述した第1の情報処理と並行して第2の情報処理を実行する。
【0149】
プロセッサ301は、ACT161として支払い中フラグFaが“1”になるのを待ち受ける。第1の情報処理のACT138において、支払い中フラグFaが“1”になると、プロセッサ301は、ACT162へと進む。プロセッサ301は、ACT162として支払いステータスSTを調べる。支払いステータスSTが“10”、すなわち第1の情報処理で代金の支払い方法が選択されなかった場合には、プロセッサ301は、ACT163へと進む。プロセッサ301は、ACT163として第2のタッチパネル33の画面を支払い方法選択画面SCa(
図31を参照)とする。
【0150】
図31は、第2のタッチパネル33に表示される支払い方法選択画面SCaの一例である。支払い方法選択画面SCaは、支払い方法別の選択ボタン群BCaを含む。選択ボタン群BCaには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンが含まれる。また支払い方法選択画面SCaは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアACaを含む。合計エリアACaには、第2取引ファイルに記憶された購買商品の商品販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が表示される。
【0151】
支払い方法選択画面SCaを確認した客は、希望する支払い方法のボタンにタッチする。例えば現金で支払うことを希望した客は、選択ボタン群BCaの現金ボタンにタッチする。例えばクレジットカードで支払うことを希望する客は、選択ボタン群BCaのクレジットボタンにタッチする。例えば電子マネーで支払うことを希望する客は、選択ボタン群BCaの電子マネーボタンにタッチする。例えばコード決済で支払うことを希望する客は、選択ボタン群BCaのコード決済ボタンにタッチする。
【0152】
第2のタッチパネル33の画面を支払い方法選択画面SCaとしたプロセッサ301は、ACT164へと進む。プロセッサ301は、ACT164として支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BCaに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ301は、ACT165へと進む。プロセッサ301は、ACT165として、第1の情報処理のACT123の処理と同様に、選択された支払い方法の支払いコードを取得する。
【0153】
一方、ACT162において支払いステータスSTが“20”、すなわち第1の情報処理で代金の支払い方法が選択されていた場合には、プロセッサ301は、ACT166へと進む。プロセッサ301は、ACT166として第2取引ファイルから支払いコードを抽出する。
【0154】
ACT165又はACT166の処理を終えたプロセッサ301は、ACT167へと進む。プロセッサ301は、ACT167として第2のタッチパネル33の画面を支払い通知画面SCb(
図32を参照)とする。支払い通知画面SCbは、ACT165又はACT166の処理により得た支払いコードに基づく画面である。
【0155】
図32は、第2のタッチパネル33に表示される支払い通知画面SCbの一例である。
図32は、ACT165又はACT166の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の支払い通知画面SCbを示す。支払い通知画面SCbは、釣銭機情報エリアACbを含む。釣銭機情報エリアACbには、合計金額と、自動釣銭機35に投入された現金の総額いわゆる投入金額と、合計金額から投入金額を減額した残額とが表示される。
【0156】
支払い通知画面SCbを確認した客は、自らが選択した支払い方法で代金を支払う。例えば現金支払いを選択した客は、自動釣銭機35に現金を投入する。クレジットカード支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末36のリーダでクレジットカードのデータを読み取らせる。電子マネー支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末36のリーダで電子マネー媒体のデータを読み取らせる。コード決済支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末36のスキャナでコード決済用のバーコードまたは二次元データコードを読み取らせる。
【0157】
第2のタッチパネル33の画面を支払い通知画面SCbとしたプロセッサ301は、ACT168へと進む。プロセッサ301は、ACT168として代金の支払いが開始されるのを待ち受ける。例えば現金支払いが選択された場合には、プロセッサ301は、自動釣銭機35に現金が投入されるのを待ち受ける。例えばクレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ301は、キャッシュレス決済端末36でクレジットカードのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えば電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ301は、キャッシュレス決済端末36で電子マネーのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えばコード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ301は、キャッシュレス決済端末36でコード決済用のバーコード又は二次元データコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0158】
代金の支払いが開始されると、プロセッサ301は、ACT169へと進む。プロセッサ301は、ACT169として取引番号を発番する。取引番号は、例えば3桁の取引処理装置IDに4桁の一連番号を付した7桁の番号である。一連番号は、取引処理装置30において取引が決済される毎に“1”ずつ加算される。取引番号を発番したプロセッサ301は、ACT170へと進む。プロセッサ301は、ACT170として第2のタッチパネル33の画面を支払い中画面SCc(
図33を参照)とする。
【0159】
図33は、第2のタッチパネル33に表示される支払い中画面SCcの一例である。
図33は、ACT165又はACT166の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の支払い中画面SCcを示す。支払い中画面SCcは、支払い通知画面SCbと同一のレイアウトである。支払い中画面SCcは、釣銭機情報エリアACbに表示される情報が、自動釣銭機35に投入された現金の金額に応じて更新される。支払い中画面SCcは、さらに会計ボタンBCbを含む。会計ボタンBCbは、ソフトウェアキーである。会計ボタンBCbは、代金の支払い終了を指令するための操作子である。選択した支払い方法での代金の支払いを終えた客は、会計ボタンBCbにタッチする。
【0160】
第2のタッチパネル33の画面を支払い中画面SCcとしたプロセッサ301は、ACT171へと進む。プロセッサ301は、ACT171として会計ボタンBCbが入力されるのを待ち受ける。会計ボタンBCbがタッチ操作により入力されると、プロセッサ301は、ACT172へと進む。プロセッサ301は、ACT172として支払いコードに基づき取引の決済処理を実行する。すなわち、支払いコードが現金支払いのコードである場合には、プロセッサ301は、自動釣銭機35に投入された現金で取引の決済処理を実行する。支払いコードがクレジットカード支払いのコードである場合には、プロセッサ301は、キャッシュレス決済端末36で読み取ったクレジットカードのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードが電子マネー支払いのコードである場合には、プロセッサ301は、キャッシュレス決済端末36で読み取った電子マネーのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードがコード決済支払いのコードである場合には、プロセッサ301は、キャッシュレス決済端末36で読み取ったバーコード又は二次元データコードで取引の決済処理を実行する。これらの決済処理はいずれも周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0161】
決済処理を終えると、プロセッサ301は、ACT173へと進む。プロセッサ301は、ACT173としてプリンタ34を駆動してレシートを発行する。またプロセッサ301は、ACT174として第2のタッチパネル33の画面を支払い完了画面SCd(
図34を参照)とする。レシートは、購買商品の商品名、価格、数量、金額等の明細を記録したシートである。レシートには、取引日付、時刻、取引番号等も記録される。
【0162】
図34は、第2のタッチパネル33に表示される支払い完了画面SCdの一例である。
図34は、ACT165又はACT166の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の支払い完了画面SCdを示す。支払い完了画面SCdは、支払い通知画面SCb及び支払い中画面SCcと同様の釣銭機情報エリアACbを含む。支払い完了画面SCdを確認した客は、レシートとお釣りを取って店を出ることとなる。
【0163】
支払い完了画面SCdを表示したプロセッサ301は、ACT175へと進む。プロセッサ301は、ACT175として第2取引ファイルのデータ、つまりは決済を完了した客が購入した商品のデータを保存する。データの保存先は、例えば補助記憶デバイス303である。データの保存先は、メインメモリ302であってもよい。あるいは、通信インターフェース305を介してPOSサーバに第2取引ファイルを送信して、POSサーバで保存してもよい。POSサーバの代わりに保留サーバ10で保存してもよい。
【0164】
第2取引ファイルのデータを保存したプロセッサ301は、ACT176へと進む。プロセッサ301は、ACT176として第2ファイルエリア3022をクリアする。またプロセッサ301は、ACT177として支払い中フラグFaを“0”に書き換える。以上で、プロセッサ301は、第2の情報処理を終了する。
【0165】
ここにプロセッサ301は、第2のタッチパネル33と協働してACT167の処理を実行することにより、第1の金額出力手段3012としての機能を実現する。プロセッサ301は、第2のタッチパネル33と協働してACT163乃至ACT165の処理を実行することにより、第2の支払い受付手段3013としての機能を実現する。プロセッサ301は、ACT172の処理を実行することにより、第1の決済手段3014としての機能を実現する。
【0166】
このように、支払い中フラグFaが“0”のときに小計画面SAbの支払いボタンBAe又は支払い画面SAdの支払いボタンBAhが入力されて、支払い中フラグFaが“1”になると、プロセッサ301は、ACT162乃至ACT177の処理を実行する。この処理に基づく取引処理装置30の動作により、客は、取引処理装置30をセルフで操作して代金を支払うことにより、取引を決済することができる。
【0167】
図16は、取引処理装置30のプロセッサ301が第1の業務プログラムに従って実行する第3の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ301は、前述した第1の情報処理と並行して第3の情報処理も実行する。
【0168】
プロセッサ301は、ACT181として保留中フラグFbが“1”になるのを待ち受ける。第1の情報処理のACT149において、保留中フラグFbが“1”になると、プロセッサ301は、ACT182へと進む。プロセッサ301は、ACT182として第1のタッチパネル32の画面をガイダンス画面SDa(
図35を参照)とする。
【0169】
図35は、第1のタッチパネル32に表示されるガイダンス画面SDaの一例である。ガイダンス画面SDaには、客を決済装置40に案内する場合のガイダンスと、取引処理装置30を決済先とする場合のガイダンスとを表示したポップアップPUcとともに、保留解除ボタンBDaを表示する。保留解除ボタンBDaは、保留サーバ10に対して取引ファイルの保留を解除し、当該取引ファイルを当該取引処理装置30に送信することを指示する第2の操作子である。
【0170】
ガイダンス画面SDaを確認した店員は、保留サーバ10において取引ファイルが保留された客の代金支払先を決定する。例えば、取引処理装置30では別の客が代金を支払っているが、決済装置40では代金の支払いを行っている客が居ない場合には、店員は、決済装置40を代金支払先として決定する。例えば、決済装置40ではまだ別の客が代金を支払っているが、取引処理装置30で代金の支払いを行っていた客が支払いを終えた場合には、店員は、取引処理装置30を代金支払先として決定する。
【0171】
ここで、代金支払先として決定した店員の操作を明確にするために、
図16の説明を一時中断し、
図17及び
図18を用いて保留サーバ10のプロセッサ101が実行する情報処理について先に説明する。
【0172】
図17及び
図18は、保留サーバ10のプロセッサ101が第2の業務プログラムに従って実行する第4の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ101は、ACT201として保留イベントを待ち受けている。通信インターフェース105を介して保留イベントを受信すると、プロセッサ101は、ACT202へと進む。プロセッサ101は、ACT202として許諾応答を返信する。すなわちプロセッサ101は、保留イベントに含まれている取引処理装置IDにより特定される取引処理装置30に対して許諾応答を返信する。
【0173】
図14を用いて説明したように、保留イベントを送信した取引処理装置30のプロセッサ301は、許諾応答を受信すると、第1ファイルエリアに記憶した取引ファイル(第1取引ファイル)を、操作者識別情報である従業員コードとともに保留サーバ10へと出力する。そこで、許諾応答を返信したプロセッサ101は、ACT203として取引ファイルを待ち受ける。通信インターフェース105を介して取引ファイルを受信すると、プロセッサ101は、ACT204へと進む。プロセッサ101は、ACT204としてデータ送信元の取引処理装置30に対して設定された取引処理装置IDを取得する。取引処理装置IDは、保留イベントに含まれている。
【0174】
取引処理装置IDを検出したプロセッサ101は、ACT205へと進む。プロセッサ101は、ACT205として取引ファイルとともに受信した従業員コードを取得する。そしてプロセッサ101は、ACT206としてその従業員コードをレーンテーブル1032で記憶する。すなわちプロセッサ101は、ACT204の処理で取得した取引処理装置IDと同一行のレーンテーブル1032のカラムCeに、ACT205の処理で取得した従業員コードを記述する。
【0175】
従業員コードを記憶したプロセッサ101は、ACT207へと進む。プロセッサ101は、ACT207として取得した従業員コードで識別される従業員別フォルダ1033に、取引処理装置30から受信した取引ファイルを保存する。またプロセッサ101は、ACT208としてレーンテーブル1032を参照して、取引処理装置IDと同一行のカラムCdに記述されている指示装置IDを取得する。そしてプロセッサ101は、ACT209としてその指示装置IDで識別される指示装置50に対して指示有効化を示す信号を出力する。指示有効化を示す信号は、決済装置40を介して指示装置50へと送信される。指示有効化を示す信号とは、指示装置50の受付手段5011及び指示手段5012としての機能を有効にする信号である。以下では、従業員別フォルダ1033に保存した取引ファイルを第3取引ファイルと称する。
【0176】
指示装置50は、通常、タッチパネル505に指示画面SEa(
図36を参照)を表示している。
図36は、指示画面SEaの一表示例である。指示画面SEaは、プルダウンメニューとして各店員の氏名が表示されるプルダウンエリアAEaを備える。また指示画面SEaは、呼出ボタンBEaを配置する。呼出ボタンBEaは、ソフトウェアキーである。呼出ボタンBEaは、取引ファイルを決済装置40に送信することを指示する第1の操作子である。
【0177】
呼出ボタンBEaは、通常は入力が無効となっている。例えば呼出ボタンBEaはグレーアウトしており、入力できない状態となっている。指示装置50は、保留サーバ10から指示有効化を示す信号を受信すると、呼出ボタンBEaを入力可能な状態として、呼出ボタンBEaの入力を有効にする。このような指示画面SEaを表示した指示装置50は、受付手段5011としての機能を実現する。なお、プルダウンエリアAEaに表示される情報は、氏名ではなく従業員コードであってもよい。あるいは氏名と従業員コードの両方であってもよい。
【0178】
入力装置20の操作者として取引処理装置30に対してサインオンを行った店員は、プルダウンエリアAEaを操作してプルダウンメニューのなかから自身の氏名を選択する。このような操作により、当該店員の従業員コードが従業員メモリ5031に上書き保存される。なお、かかる操作は店員がサインオンした直後に行ってもよいし、その後の任意の時間帯に行ってもよい。
【0179】
また、代金支払先を決定した店員は、その決定に基づき、指示装置50又は取引処理装置30を操作する。具体的には、決済装置40を代金支払先として決定した店員は、指示装置50の呼出ボタンBEaを入力する。呼出ボタンBEaが入力されると、指示装置50からの指示を受け、決済装置40から第1信号が出力される。決済装置40から出力された第1信号は、保留サーバ10へと送信される。第1信号は、呼出ボタンBEaの入力に応じて出力される信号である。第1信号は、決済装置40を代金支払先として決定したことを指示する信号である。第1信号には、従業員メモリ5031に記憶されている従業員コードが含まれる。第1信号を出力する指示装置50は、指示手段5012としての機能を実現する。
【0180】
他方、取引処理装置30を代金支払先として決定した店員は、保留解除ボタンBDaを入力する。保留解除ボタンBDaが入力されると、取引処理装置30から保留サーバ10に対して第2信号が出力される。第2信号は、保留解除ボタンBDaの入力に応じて出力される信号である。第2信号は、取引処理装置30を代金支払先として決定したことを指示する信号である。第2信号には、従業員メモリ3026に記憶されている従業員コードが含まれる。
【0181】
指示有効化を示す信号を出力したプロセッサ101は、
図18のACT211へと進む。プロセッサ101は、ACT211として呼出ボタンBEaが入力されたか否かを確認する。呼出ボタンBEaが入力されていない場合、すなわち第1信号を受信していない場合には、プロセッサ101は、ACT212へと進む。プロセッサ101は、ACT212として保留解除ボタンBDaが入力されたか否かを確認する。保留解除ボタンBDaが入力されていない場合、すなわち第2信号を受信していない場合には、プロセッサ101は、ACT211へと戻る。このようにプロセッサ101は、ACT211及びACT212において、指示画面SEaの呼出ボタンBEaが入力されるか、ガイダンス画面SDaの保留解除ボタンBDaが入力されるのを待ち受ける。
【0182】
ACT211及びACT212の待ち受け状態において、指示装置50の指示を受け、決済装置40から出力された第1信号を受信すると、プロセッサ101は、呼出ボタンBEaが入力されたと認識する。プロセッサ101は、ACT213へと進む。プロセッサ101は、ACT213としてレーンテーブル1032を参照して、取引処理装置IDと同一行のカラムCcに記述されている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ101は、ACT214としてその決済装置IDで識別される決済装置40に対して実行イベントを送信する。実行イベントは、決済処理の実行を要求するイベントである。
【0183】
詳細は
図19を用いて後で説明するが、実行イベントを受信した決済装置40からは、許諾応答又は否定応答が返信される。許諾応答は、決済装置40において取引の決済が可能な場合に返信される。否定応答は、決済装置40において取引の決済が不可能な場合に返信される。
【0184】
実行イベントを送信したプロセッサ101は、ACT215へと進む。プロセッサ101は、ACT215として許諾応答を受信したか否かを確認する。許諾応答を受信した場合、プロセッサ101は、ACT216へと進む。プロセッサ101は、ACT216として第1信号から従業員コードを取得する。なお、プロセッサ101は、レーンテーブル1032を参照して、ACT204の処理で取得した取引処理装置IDと同一行のカラムCeに記述されている従業員コードを取得してもよい。
【0185】
従業員コードを取得したプロセッサ101は、ACT217としてその従業員コードの従業員別フォルダ1033を選択する。そしてプロセッサ101は、ACT218として選択された従業員別フォルダ1033に保留されている第3取引ファイルを決済装置40へと送信する。すなわちプロセッサ101は、ACT216において取得した従業員コードの従業員別フォルダ1033に記憶した第3取引ファイルを、ACT213の処理で取得した決済装置IDで識別される決済装置40へと送信する。
【0186】
取引ファイルを送信したプロセッサ101は、ACT219へと進む。プロセッサ101は、ACT219として第3取引ファイルの送信元である取引処理装置30に対して解除通知イベントを送信する。すなわちプロセッサ101は、ACT204の処理で取得した取引処理装置IDで識別される取引処理装置30に解除通知イベントを送信する。解除通知イベントは、保留状態が解除されたことを通知するイベントである。
【0187】
解除通知イベントを送信したプロセッサ101は、ACT220へと進む。プロセッサ101は、ACT220として第3取引ファイルを削除する。すなわちプロセッサ101は、ACT217において選択した従業員別フォルダ1033に保存されていた第3取引ファイルを削除する。以上で、プロセッサ101は、第4の情報処理を終了する。
【0188】
一方、ACT211及びACT212の待ち受け状態において、取引処理装置30から第2信号を受信すると、プロセッサ101は、保留解除ボタンBDaが入力されたと認識する。プロセッサ101は、ACT221へと進む。プロセッサ101は、ACT221として第2信号から従業員コードを取得する。なお、プロセッサ101は、レーンテーブル1032を参照して、ACT204の処理で取得した取引処理装置IDと同一行のカラムCeに記述されている従業員コードを取得してもよい。
【0189】
従業員コードを取得したプロセッサ101は、ACT222としてその従業員コードの従業員別フォルダ1033を選択する。そしてプロセッサ101は、ACT223として選択された従業員別フォルダ1033に保留されている第3取引ファイルを取引処理装置30へと送信する。すなわちプロセッサ101は、ACT222において選択した従業員別フォルダ1033に保存した第3取引ファイルを、ACT204の処理で取得した取引処理装置IDで識別される取引処理装置30へと送信する。
【0190】
第3取引ファイルを送信したプロセッサ101は、ACT224へと進む。プロセッサ101は、ACT224として第3取引ファイルを削除する。すなわちプロセッサ101は、ACT222において選択した従業員別フォルダ1033に保存されていた第3取引ファイルを削除する。以上で、プロセッサ101は、第4の情報処理を終了する。
【0191】
なお、ACT215において否定応答を受信した場合には、プロセッサ101は、ACT225へと進む。プロセッサ101は、ACT225として指示装置50に対してエラー信号を出力する。エラー信号を受信した指示装置50は、タッチパネル505の画面をエラー画面とする。エラー画面には、エラー解除を指令する操作子(ソフトウェアキー)が表示されている。
【0192】
エラー画面を確認した店員は、エラー解除を指令する操作子を入力する。この操作子が入力されると、指示装置からエラー解除信号が出力される。エラー解除信号は、決済装置40を介して保留サーバ10へと送信される。また、タッチパネル505の画面は、指示画面SEaに戻る。
【0193】
エラー信号を出力したプロセッサ101は、ACT226へと進む。プロセッサ101は、ACT226としてエラー解除信号を待ち受ける。通信インターフェース105を介してエラー解除信号を受信すると、プロセッサ101は、ACT211及びACT212の待ち受け状態に戻る。
【0194】
例えば、店員が呼出ボタンBEaを入力して、決済装置40を取引に係る情報の出力先として指示したが、決済装置40ではまだ前の客が決済を終えていない場合がある。このような場合には、指示装置50の画面がエラー画面となるので、店員は、エラー解除を指令する操作子を入力する。そうすると、指示装置50の画面が指示画面SEaに戻るので、店員は、前の客が決済を終えるのを待って、呼出ボタンBEaを入力すればよい。あるいは、取引処理装置30で決済をしていた客が先に決済を終了した場合には、店員は、保留解除ボタンBDaを入力すればよい。
【0195】
ここに、プロセッサ101は、通信インターフェース105と協働してACT201及びACT203の処理を実行することにより、取引情報入力手段1011としての機能を実現する。プロセッサ101は、従業員別フォルダ1033と協働してACT204乃至ACT207の処理を実行することにより、保留手段1012としての機能を実現する。プロセッサ101は、通信インターフェース105と協働してACT211及びACT212の処理を実行することにより、出力先認識手段1013としての機能を実現する。プロセッサ101は、レーンテーブル1032と協働してACT216及びACT221の処理を実行することにより、操作者認識手段1014としての機能を実現する。プロセッサ101は、通信インターフェース105と協働してACT217、ACT218の処理及びACT222、ACT223の処理を実行することにより、保留情報出力手段1015としての機能を実現する。
【0196】
このように、取引処理装置30から保留サーバ10へと出力された取引ファイル(第1取引ファイル)、すなわち取引に係る情報は、保留サーバ10における従業員別フォルダ1033において決済レーンLに立つ店員別に記憶、つまりは保留される。そして、店員が指示装置50の呼出ボタンBEaを入力すると、指示装置50から決済装置40に対して第1信号が送信される。この第1信号を受けて、保留サーバ10で保留されていた取引ファイル(第3取引ファイル)が決済装置40へと送信される。このとき、同一決済レーンLの取引処理装置30に対しては保留サーバ10から解除通知イベントが送信される。一方、店員が取引処理装置30の保留解除ボタンBDaを入力した場合には、取引処理装置30から決済装置40に対して保留解除イベントが送信される。この保留解除イベントを受けて保留サーバ10で保留されていた取引ファイル(第3取引ファイル)が取引処理装置30へと送信される。
【0197】
図16の説明に戻る。
ACT182においてガイダンス画面SDaの表示を制御したプロセッサ301は、ACT183へと進む。プロセッサ301は、ACT183として解除通知イベントを受信したか否かを確認する。解除通知イベントを受信していない場合には、プロセッサ301は、ACT184へと進む。プロセッサ301は、ACT184として保留解除ボタンBDaが入力されたか否かを確認する。保留解除ボタンBDaが入力されていない場合には、プロセッサ301は、ACT183へと戻る。このようにプロセッサ301は、ACT183及びACT184において解除通知イベントを受信するか保留解除ボタンBDaが入力されるのを待ち受ける。
【0198】
図17及び
図18を用いて説明したように、指示装置50に表示された指示画面SEaにおいて呼出ボタンBEaが入力されて、保留サーバ10で保留されていた取引ファイル(第3取引ファイル)が決済装置40に出力された場合には、保留サーバ10から取引処理装置30に解除通知イベントが送信される。プロセッサ301は、ACT183及びACT184の待ち受け状態において解除通知イベントを受信した場合には、ACT185へと進む。プロセッサ301は、ACT185としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに、決済装置40での決済を案内するためのポップアップPUd(
図37を参照)を表示する。またプロセッサ301は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、決済装置40で代金の支払いを行うことを客に指示するためのテキストTXd(
図38を参照)を表示する。
【0199】
図37は、タッチパネル23の支払い画面SAdに表示されるポップアップPUdの一例である。ポップアップPUdを確認した店員は、客を決済装置40へと案内する。
【0200】
図38は、ディスプレイ25の小計画面SBbに表示されるテキストTXdの一例である。テキストTXdを確認した客は、店員の案内に従い決済装置40へと移動し、代金の支払いを行うこととなる。
【0201】
ACT185の処理を終えると、プロセッサ301は、ACT186として保留中フラグFbを“0”にする。以上で、プロセッサ301は、第3の情報処理を終了する。
【0202】
一方、プロセッサ301は、ACT183及びACT184の待ち受け状態において保留解除ボタンBDaが入力された場合には、ACT187へと進む。プロセッサ301は、ACT187として支払い中フラグFaを調べる。ここで、支払い中フラグFaが“1”、すなわち取引処理装置30において前の客が決済を実行している場合には、プロセッサ301は、ACT183へと戻る。プロセッサ301は、保留解除ボタンBDaの入力を無効としてACT183及びACT184の待ち受け状態に戻る。
【0203】
ACT187において支払い中フラグFaが“0”、すなわち取引処理装置30では決済をしている客が居ない場合には、プロセッサ301は、ACT188へと進む。プロセッサ301は、ACT188として従業員メモリ3026から従業員コードを取得する。そしてプロセッサ301は、ACT189として保留サーバ10に保留解除イベントを送信する。保留解除イベントには、従業員メモリ3026から取得した従業員コードが含まれる。
【0204】
図18を用いて説明したように、取引処理装置30から保留解除イベントを受信した保留サーバ10は、保留していた取引ファイル(第3取引ファイル)を取引処理装置30へと送信する。そこで、保留解除イベントを送信したプロセッサ301は、ACT190として取引ファイルを受信するのを待ち受ける。通信インターフェース305を介して取引ファイルを受信すると、プロセッサ301は、ACT191へと進む。プロセッサ301は、ACT191として取引ファイルを第2ファイルエリア3022に保存する。因みに、受信した取引ファイルは、
図14のACT148において保留サーバ10へと出力した取引ファイルである。以下では、保留サーバ10から受信し、第2ファイルエリア3022に保存した取引ファイルを第4取引ファイルと称する。
【0205】
第4取引ファイルを第2ファイルエリア3022に保存したプロセッサ301は、ACT192へと進む。プロセッサ301は、ACT192としてタッチパネル23の小計画面SAb又は支払い画面SAdに取引処理装置30での代金支払いが可能であることを報知するポップアップPUb(
図29を参照)を表示する。またプロセッサ301は、ディスプレイ25の小計画面SBbに、代金の支払いが可能であることを指示するためのテキストTXb(
図30を参照)を表示する。
【0206】
このように、タッチパネル23及びディスプレイ25を用いて取引処理装置30での代金支払いが可能であることを報知したプロセッサ301は、ACT193へと進む。プロセッサ301は、ACT193として支払い中フラグFaを“1”とし、保留中フラグFbを“0”とする。しかる後、プロセッサ301は、
図15のACT162へと進む。そしてプロセッサ301は、ACT162乃至ACT177の処理を前述したのと同様に実行する。
【0207】
このように、保留サーバ10において保留されていた取引ファイルが取引処理装置30に戻されると、取引処理装置30のプロセッサ301は、
図15のACT162乃至ACT177の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ301は、第2のタッチパネル33の画面を支払い通知画面SCbとする。なお、入力装置20において支払い方法が選択されていない場合には、プロセッサ301は、支払い通知画面SCbの前に支払い方法選択画面SCaを表示する。そして、客の操作により支払い方法が選択されると、プロセッサ301は、支払い通知画面SCbを表示する。その後、支払いが開始されると、プロセッサ301は、第2のタッチパネル33の画面を支払い中画面SCcとする。またプロセッサ301は、取引番号を発番する。そして、客の操作により支払い中画面SCcの会計ボタンBCbが入力されると、プロセッサ301は、決済処理を実行し、レシートを発行する。また、プロセッサ301は、第2のタッチパネル33の画面を支払い完了画面SCdとする。かくして客は、取引処理装置30をセルフで操作して代金を支払うことにより、取引を決済することができる。
【0208】
ここに、プロセッサ301は、タッチパネル23及びディスプレイ25と協働してACT185及びACT192の処理を実行することにより、案内手段3017としての機能を実現する。プロセッサ301は、ACT184乃至ACT189の処理を実行することにより、保留解除手段3018としての機能を実現する。プロセッサ301は、ACT190乃至ACT193の処理及びその後のACT162乃至ACT172の処理を実行することにより、実行手段3019としての機能を実現する。
【0209】
図19は、決済装置40のプロセッサ401が第3の業務プログラムに従って実行する第5の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ401は、ACT301として実行イベントを待ち受けている。
【0210】
図18を用いて説明したように、保留サーバ10の従業員別フォルダ1033に取引ファイルが保留されている状態において、指示装置50に表示された指示画面SEaの呼出ボタンBEaが入力されて決済装置40が取引に係る情報の出力先として指示されると、ACT214の処理として保留サーバ10から決済装置40に実行イベントが送信される。プロセッサ401は、実行イベントを受信すると、ACT302へと進む。プロセッサ401は、ACT302として支払い中フラグFcを調べる。ここで、支払い中フラグFcが“1”、すなわち決済装置40において前の客がまだ決済を実行している場合には、プロセッサ301は、ACT303へと進む。プロセッサ401は、ACT303として保留サーバ10に否定応答の信号を送信する。以上で、プロセッサ401は、第5の情報処理を終了する。
【0211】
これに対し、ACT302において支払い中フラグFcが“0”、すなわち決済装置40では客が決済を行っていない場合には、プロセッサ401は、ACT304へと進む。プロセッサ301は、ACT304として保留サーバ10に許諾応答の信号を送信する。
【0212】
図18を用いて説明したように、実行イベントを送信した決済装置40から許諾応答を受信した保留サーバ10は、その決済装置40に保留していた取引ファイル(第3取引ファイル)を送信する。そこで許諾応答の信号を送信したプロセッサ401は、ACT305として取引ファイルを受信するのを待ち受ける。通信インターフェース405を介して取引ファイルを受信すると、プロセッサ401は、ACT306へと進む。プロセッサ401は、ACT306として取引ファイルを第3ファイルエリア4021に保存する。因みに、取引ファイルは、同じ決済レーンLに設置された取引処理装置30の第1ファイルエリア3021に記憶され、保留サーバ10へと出力された取引ファイルである。以下では、第3ファイルエリア4021に保存された取引ファイルを第5取引ファイルと称する。
【0213】
第5取引ファイルを第3ファイルエリア4021に保存したプロセッサ401は、ACT307へと進む。プロセッサ401は、ACT307として支払い中フラグFcを“1”にする。以上で、プロセッサ401は、第5の情報処理を終了する。
【0214】
このように決済装置40のプロセッサ401は、支払い中フラグFcが“0”、すなわち客が決済を行っていない状態で、保留サーバ10から実行イベントを受信すると、その後に保留サーバ10から出力される取引ファイルを取込み、第3ファイルエリア4021に保存する。またプロセッサ401は、支払い中フラグFcを“1”にする。
【0215】
ここに、プロセッサ401は、通信インターフェース405と協働してACT305及びACT306の処理を実行することにより、取込み手段4011としての機能を実現する。
【0216】
図20は、決済装置40のプロセッサ401が第3の業務プログラムに従って実行する第6の情報処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ401は、前述した第5の情報処理と並行して第6の情報処理を実行する。
【0217】
プロセッサ401は、ACT311として支払い中フラグFcが“1”になるのを待ち受ける。第5の情報処理のACT307において支払い中フラグFcが“1”になると、プロセッサ401は、ACT312へと進む。プロセッサ401は、ACT312としてタッチパネル41の画面を明細確認画面SFa(
図39を参照)とする。
【0218】
図39は、タッチパネル41に表示される明細確認画面SFaの一例である。明細確認画面SFaは、明細エリアAFaと、合計エリアAFbとに区分される。明細エリアAFaは、一連の番号順に、一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額をリスト形式で表示するエリアである。合計エリアAFbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示するエリアである。プロセッサ401は、第3ファイルエリア4021に保存した第5取引ファイルの商品販売データに基づいて、明細エリアAFaに一取引における購買商品の商品名、購買数量、単価、値割引額及び販売金額を表示させる。またプロセッサ401は、当該商品販売データに基づいて、合計エリアAFbに購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計とを表示させる。
【0219】
明細確認画面SFaは、確認ボタンBFaと店員呼出ボタンBFbとを含む。確認ボタンBFa及び店員呼出ボタンBFbは、ソフトウェアキーである。確認ボタンBFaは、購買商品の明細が明細確認画面SFaに表示されていることを客が確認したことを指令するための操作子である。店員呼出ボタンBFbは、客が店員を呼び出すことを指令するための操作子である。
【0220】
明細確認画面SFaを表示したプロセッサ401は、ACT313へと進む。プロセッサ401は、ACT313として確認ボタンBFaが入力されるのを待ち受ける。そして確認ボタンBFaが入力されると、プロセッサ401は、ACT314へと進む。プロセッサ401は、ACT314として第3ファイルエリア4021に保存された取引ファイルに支払いコードが含まれているか否かを確認する。支払いコードが含まれている場合、プロセッサ401は、ACT315へと進む。プロセッサ401は、ACT315として取引ファイルから支払いコードを抽出する。
【0221】
これに対し、支払いコードが含まれていない場合には、プロセッサ401は、ACT316へと進む。プロセッサ401は、ACT316としてタッチパネル41の画面を支払い方法選択画面SFb(
図40を参照)とする。
【0222】
図40は、タッチパネル41に表示される支払い方法選択画面SFbの一例である。支払い方法選択画面SFbは、支払い方法別の選択ボタン群BFcを含む。選択ボタン群BFcには、現金ボタン、クレジットボタン、電子マネーボタン及びコード決済ボタンが含まれる。支払い方法選択画面SFbは、一取引における購買商品の購買数量の合計と販売金額の合計が表示される合計エリアAFcを含む。合計エリアAFcには、第5取引ファイルの商品販売データを基に算出された購買数量の合計と販売金額の合計が表示される。なお、支払い方法選択画面SFbにおいても店員呼出ボタンBFbは表示されており、客は店員を呼び出すことができる。
【0223】
支払い方法選択画面SFbを確認した客は、希望する支払い方法のボタンにタッチする。例えば現金で支払うことを希望した客は、選択ボタン群BFcの現金ボタンにタッチする。例えばクレジットカードで支払うことを希望する客は、選択ボタン群BFcのクレジットボタンにタッチする。例えば電子マネーで支払うことを希望する客は、選択ボタン群BFcの電子マネーボタンにタッチする。例えばコード決済で支払うことを希望する客は、選択ボタン群BFcのコード決済ボタンにタッチする。
なお、前述したように、必ずしも保留サーバ10に保留された取引に係る情報に第1の支払い受付手段2013で受け付けた代金支払い方法を含む必要はない。このため、取引に係る情報に第1の支払い受付手段2013で受け付けた代金支払い方法を含まない運用の場合には、ACT314及びACT315の処理ステップを省略すればよい。
【0224】
タッチパネル41の画面を支払い方法選択画面SFbとしたプロセッサ401は、ACT317へと進む。プロセッサ401は、ACT317として支払い方法が選択されるのを待ち受ける。選択ボタン群BFcに対するタッチ操作によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ401は、ACT318へと進む。プロセッサ401は、ACT318として、第1の情報処理のACT123の処理と同様に、選択された支払い方法の支払いコードを取得する。
【0225】
ACT315又はACT318の処理を終えたプロセッサ401は、ACT319へと進む。プロセッサ401は、ACT319としてタッチパネル41の画面を支払い通知画面SFc(
図41を参照)とする。支払い通知画面SFcは、ACT315又はACT318の処理により得た支払いコードに基づく画面である。
【0226】
図41は、タッチパネル41に表示される支払い通知画面SFcの一例である。
図41は、ACT315又はACT318の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の支払い通知画面SFcを示す。支払い通知画面SFcは、支払い方法選択画面SFbと同様の合計エリアAFcを含む。また支払い通知画面SFcは、釣銭機情報エリアAFdを含む。釣銭機情報エリアAFdには、合計金額と、自動釣銭機43に投入された現金の総額いわゆる投入金額と、合計金額から投入金額を減額した残額とが表示される。なお、支払い通知画面においても店員呼出ボタンBFbは表示されており、客は店員を呼び出すことができる。
【0227】
支払い通知画面SFcを確認した客は、自らが選択した支払い方法で代金を支払う。例えば現金支払いを選択した客は、自動釣銭機43に現金を投入する。クレジットカード支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末44のリーダでクレジットカードのデータを読み取らせる。電子マネー支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末44のリーダで電子マネー媒体のデータを読み取らせる。コード決済支払いを選択した客は、キャッシュレス決済端末44のスキャナでコード決済用のバーコードまたは二次元データコードを読み取らせる。
【0228】
タッチパネル41の画面を支払い通知画面SFcとしたプロセッサ401は、ACT320へと進む。プロセッサ401は、ACT320として代金の支払いが開始されるのを待ち受ける。例えば現金支払いが選択された場合には、プロセッサ401は、自動釣銭機43に現金が投入されるのを待ち受ける。例えばクレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ401は、キャッシュレス決済端末44でクレジットカードのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えば電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ401は、キャッシュレス決済端末44で電子マネーのデータが読み取られるのを待ち受ける。例えばコード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ401は、キャッシュレス決済端末44でコード決済用のバーコード又は二次元データコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0229】
代金の支払いが開始されると、プロセッサ401は、ACT321へと進む。プロセッサ401は、ACT321として取引番号を発番する。取引番号は、例えば3桁の決済装置IDに4桁の一連番号を付した7桁の番号である。一連番号は、決済装置40において取引が決済される毎に“1”ずつ加算される。取引番号を発番したプロセッサ401は、ACT322へと進む。プロセッサ401は、ACT322としてタッチパネル41の画面を支払い中画面SFd(
図42を参照)とする。
【0230】
図42は、タッチパネル41に表示される支払い中画面SFdの一例である。
図42は、ACT315又はACT318の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の支払い中画面SFdを示す。支払い中画面SFdは、支払い通知画面SCbに会計ボタンBFdを追加した画面である。支払い中画面SCcは、釣銭機情報エリアAFdに表示される情報が、自動釣銭機43に投入された現金の金額に応じて更新される。会計ボタンBFdは、ソフトウェアキーである。会計ボタンBFdは、代金の支払い終了を指令するための操作子である。選択した支払い方法での代金の支払いを終えた客は、会計ボタンBFdにタッチする。なお、支払い中画面SFdにおいても店員呼出ボタンBFbは継続して表示されており、客は店員を呼び出すことができる。
【0231】
タッチパネル41の画面を支払い中画面SFdとしたプロセッサ401は、ACT323へと進む。プロセッサ401は、ACT323として会計ボタンBFdが入力されるのを待ち受ける。会計ボタンBFdがタッチ操作により入力されると、プロセッサ401は、ACT324へと進む。プロセッサ401は、ACT324として支払いコードに基づき取引の決済処理を実行する。すなわち、支払いコードが現金支払いのコードである場合には、プロセッサ401は、自動釣銭機43に投入された現金で取引の決済処理を実行する。支払いコードがクレジットカード支払いのコードである場合には、プロセッサ401は、キャッシュレス決済端末44で読み取ったクレジットカードのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードが電子マネー支払いのコードである場合には、プロセッサ401は、キャッシュレス決済端末44で読み取った電子マネーのデータで取引の決済処理を実行する。支払いコードがコード決済支払いのコードである場合には、プロセッサ401は、キャッシュレス決済端末44で読み取ったバーコード又は二次元データコードで取引の決済処理を実行する。これらの決済処理はいずれも周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0232】
決済処理を終えると、プロセッサ401は、ACT325へと進む。プロセッサ401は、ACT325としてプリンタ42を駆動してレシートを発行する。またプロセッサ401は、ACT326としてタッチパネル41の画面を支払い完了画面SFe(
図43を参照)とする。レシートは、取引処理装置30において、ACT173の処理で発行されるレシートと同一のものである。ただし、取引処理装置30から発行されるレシートには取引処理装置IDを含む取引番号が印刷されるが、決済装置40から発行されるレシートには決済装置IDを含む取引番号が印刷される。
【0233】
図43は、タッチパネル41に表示される支払い完了画面SFeの一例である。
図43は、ACT315又はACT318の処理により現金支払いの支払いコードを得た場合の支払い完了画面SFeを示す。支払い完了画面SFeは、支払い通知画面SFc及び支払い中画面SFdと同様の釣銭機情報エリアAFdを含む。店員は、釣銭機情報エリアAFdに表示される情報により、現金支払いを選択した客の支払いが完了したことを知り得る。なお、支払いを完了した客は店員を呼び出すことがないので、支払い完了画面SFeに店員呼出ボタンBFbは表示されていない。支払い完了画面SFeを確認した客は、レシートを取って店を出ることとなる。
【0234】
支払い完了画面SFeを表示したプロセッサ401は、ACT327へと進む。プロセッサ401は、ACT327として第3ファイルエリア4021に記憶した第5取引ファイルのデータ、つまりは決済を完了した客が購入した商品のデータを保存する。データの保存先は、例えば補助記憶デバイス403である。データの保存先は、メインメモリ402であってもよい。あるいは、通信インターフェース405を介してPOSサーバに第5取引ファイルを送信して、POSサーバで保存してもよい。POSサーバの代わりに保留サーバ10で保存してもよい。
【0235】
第5取引ファイルのデータを保存したプロセッサ401は、ACT328へと進む。プロセッサ401は、ACT328として第3ファイルエリア4021をクリアする。またプロセッサ401は、ACT329として支払い中フラグFcを“0”にする。以上で、プロセッサ401は、第6の情報処理を終了する。
【0236】
このように、保留サーバ10において保留されていた取引ファイル(第3取引ファイル)が決済装置40に取り込まれると、決済装置40のプロセッサ401は、
図20のACT312乃至ACT329の処理を実行する。すなわちプロセッサ401は、タッチパネル41の画面を明細確認画面SFaとする。そして、客の操作により確認ボタンBFaが入力されると、プロセッサ401は、タッチパネル41の画面を支払い通知画面SFcとする。なお、入力装置20において支払い方法が選択されていない場合には、プロセッサ401は、支払い通知画面SFcの前に支払い方法選択画面SFbを表示する。そして、客の操作により支払い方法が選択されると、プロセッサ401は、タッチパネル41の画面を支払い通知画面SFcとする。その後、支払いが開始されると、プロセッサ401は、タッチパネル41の画面を支払い中画面SFdとする。またプロセッサ401は、取引番号を発番する。そして、客の操作により支払い中画面SFdの会計ボタンBFdが入力されると、プロセッサ401は、決済処理を実行し、レシートを発行する。また、プロセッサ401は、タッチパネル41の画面を支払い完了画面SFeとする。かくして客は、決済装置40をセルフで操作して代金を支払うことにより、取引を決済することができる。
【0237】
ここに、プロセッサ401は、タッチパネル41と協働してACT316の処理を実行することにより、第3の支払い受付手段4013としての機能を実現する。プロセッサ401は、タッチパネル41と協働してACT319の処理を実行することにより、第2の金額出力手段4012としての機能を実現する。プロセッサ401は、ACT324の処理を実行することにより、第2の決済手段4014としての機能を実現する。
【0238】
[決済システムの作用説明]
次に、上記の如く動作する決済システム100の作用について、
図44乃至
図46のシーケンス図を用いて説明する。
図44において、店員は、一人目の客Aとの取引を開始する。すなわち店員は、入力装置20を操作して、客Aの購買商品を登録する(商品登録A)。購買商品が登録されると、取引処理装置30は取引ファイルAを作成する。購買商品の登録を終了すると、店員は、支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhを入力する(支払い入力A)。取引処理装置30は、取引の決済が可能か否かを判断する。この時点では、取引の決済が可能なので、取引処理装置30は、取引ファイルAを第2ファイルエリア3022に保存する。客Aは、取引処理装置30の設置場所まで移動し、代金の支払いを開始する(支払い開始A)。
【0239】
店員は、二人目の客Bとの取引を開始する。すなわち店員は、入力装置20を操作して、客Bの購買商品を登録する(商品登録B)。購買商品が登録されると、取引処理装置30は取引ファイルBを作成する。購買商品の登録を終了すると、店員は、支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhを入力する(支払い入力B)。取引処理装置30は、取引の決済が可能か否かを判断する。この時点で、客Aが代金の支払いを完了していないと、取引の決済が不可能である。取引処理装置30は、取引ファイルBを保留サーバ10に送信する。保留サーバ10は、取引ファイルBを保存する。取引ファイルBが保留サーバ10に送信されたことにより、取引処理装置30の第1のタッチパネル32にガイダンス画面SDaが表示されるので、店員は、指示装置50のタッチパネル505に表示されている呼出ボタンBEaを入力する。呼出ボタンBEaが入力されると、指示装置50からの指示を受けて決済装置40から保留サーバ10に第1信号が送信される。この第1信号を受けて、保留サーバ10から決済装置40に取引ファイルBが送信される。決済装置40は、取引ファイルBを第3ファイルエリア4021に保存する。客Bは、決済装置40の設置場所まで移動し、代金の支払いを開始する(支払い開始B)。
【0240】
店員は、三人目の客Cとの取引を開始する。すなわち店員は、入力装置20を操作して、客Cの購買商品を登録する(商品登録C)。購買商品が登録されると、取引処理装置30は取引ファイルCを作成する。購買商品の登録を終了すると、店員は、支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhを入力する(支払い入力C)。取引処理装置30は、取引の決済が可能か否かを判断する。この時点で、客Aが代金の支払いを完了していると、取引処理装置30は、取引ファイルCを第2ファイルエリア3022に保存する。客Cは、取引処理装置30の設置場所まで移動し、代金の支払いを開始する(支払い開始C)。
【0241】
店員は、四人目の客Dとの取引を開始する。すなわち店員は、入力装置20を操作して、客Dの購買商品を登録する(商品登録D)。購買商品が登録されると、取引処理装置30は取引ファイルDを作成する。購買商品の登録を終了すると、店員は、支払いボタンBAe又は支払いボタンBAhを入力する(支払い入力D)。取引処理装置30は、取引の決済が可能か否かを判断する。この時点で、客B及び客Cがいずれも代金の支払いを完了していないと、入力装置20のタッチパネル23及びディスプレイ25に支払い不可であることを示す情報が表示される。客Dは、支払が可能となるまで待機する。
【0242】
ここで、客Cの支払いが先に完了すると、取引処理装置30は、取引ファイルDを第2ファイルエリア3022に保存する。客Dは、取引処理装置30の設置場所まで移動し、代金の支払いを開始する(支払い開始Da)。
【0243】
これに対し、
図45に示すように、客Bの支払いが先に完了した場合には、取引処理装置30は、取引ファイルDを保留サーバ10に送信する。保留サーバ10は、取引ファイルDを保存する。また、指示装置50のタッチパネル505に表示されている指示画面SEaの呼出ボタンBEaが有効となるので、店員は呼出ボタンBEaを入力する。呼出ボタンBEaが入力されると、指示装置50からの指示を受けて決済装置40から保留サーバ10に第1信号が送信される。この第1信号を受けて、保留サーバ10から決済装置40に取引ファイルDが送信される。決済装置40は、取引ファイルDを第3ファイルエリア4021に保存する。客Dは、決済装置40の設置場所まで移動し、代金の支払いを開始する(支払い開始Db)。
【0244】
一方、
図46に示すように、客Bの支払いが先に完了したが、その後、直ぐに客Cも支払いを完了して取引処理装置30が空いた場合には、店員は、第1のタッチパネル32に表示されているガイダンス画面SDaの保留解除ボタンBDaを入力してもよい。保留解除ボタンBDaが入力されると、取引処理装置30から保留サーバ10に第2信号が送信される。この第2信号を受けて、保留サーバ10から取引処理装置30に取引ファイルDが送信される。取引処理装置30は、取引ファイルDを第2ファイルエリア2022に保存する。客Dは、取引処理装置30の設置場所まで移動し、代金の支払いを開始する(支払い開始Dc)。
【0245】
決済システム100は、上記の如く作用するので、取引処理装置30と決済装置40とを適宜選択して、多くの客を効率よく捌くことができる。しかも代金の支払いに関する操作は客自身が行うので、人件費の削減を図ることができる。また、店員が現金、キャッシュカード等に触れることもないので、感染症対策の面でも優れた効果を奏し得る。
【0246】
[決済システムのレイアウトについて]
ところで、
図2では1つの決済レーンLが備える入力装置20、取引処理装置30、決済装置40及び指示装置50のレイアウトを示しているが、レイアウトはこれに限定されない。そこで次に、いくつかのレイアウトのパターンについて、
図47乃至
図59を用いて説明する。
【0247】
<第1のパターン>
図47は、
図2に示したレイアウトのパターンを店員EM及び客CUa,CUbの動線とともに示す模式図である。以下では、このパターンを第1のパターンと称する。前述したように決済システム100は、入力装置20と、取引処理装置30と、決済装置40と、指示装置50とを含む。第1のパターンにおいては、決済システム100は、客の通路PAaに沿って配置されたチェックアウトカウンタ80の上に入力装置20を配置し、通路PAaの出口側のチェックアウトカウンタ80の端部に取引処理装置30を配置し、取引処理装置30の通路PAaに対して裏側に決済装置40と指示装置50とを配置している。
【0248】
入力装置20は、スペースSPに立つ店員EMが操作者となって客との取引に係る情報を入力するものである。そこで第1のパターンでは、入力装置20を、店員EMが操作する操作面、つまりは定置式スキャナ21のバーコード読取窓、タッチパネル23の操作パネル面、キーボード24のキー面等がスペースSPの側を向くように配置している。
【0249】
取引処理装置30は、入力装置20を介して入力された取引に係る情報を基に、通路PAaに立つ客CUaが操作者となって取引を決済するものである。そこで第1のパターンでは、取引処理装置30を、客CUaが操作する操作面、つまりは第2のタッチパネル33の操作パネル面、自動釣銭機35の現金投入部及び払出部等が通路PAaの側を向くように配置している。
【0250】
決済装置40は、取引処理装置30での決済が不可能な場合に取引に係る情報を保留する保留サーバ(保留装置)10で保留された取引に係る情報を基に、取引処理装置30の裏側へと繋がる通路PAcに立つ客CUbが操作者となって取引を決済するものである。そこで第1のパターンでは、決済装置40を、取引処理装置30の裏側において、客CUbが操作する操作面、つまりはタッチパネル41の操作パネル面、自動釣銭機43の現金投入部及び払出部等が通路PAcの側を向くように配置している。詳しくは、決済装置40の操作面とは反対側の面が、取引処理装置30の入力装置20側における側面と略面一となるように配置している。
【0251】
なお、取引処理装置30及び決済装置40は、いずれも客が操作者となって取引を決済するものである。そこで、取引処理装置30を第1の決済装置、決済装置40を第2の決済装置と言い換えることができる。
【0252】
指示装置50は、スペースSP内の店員EMが操作者となって保留サーバ10で保留された取引に係る情報を決済装置40に出力する指示を行うものである。そこで第1のパターンでは、指示装置50を、決済装置40のスペースSPに近い側、つまりは決済装置40の操作面とは反対側の面の近くに配置している。具体的には、指示装置50の店員EMが操作する操作面、つまりはタッチパネル505の操作パネル面が、決済装置40の操作面とは相反する向きとなるように配置している。
【0253】
第1のパターンにおいては、入力装置20に対する店員の操作により、取引に係る情報として例えば購買商品に係る情報の入力を終えた客CUaは、動線CUaLで示すように通路PAaを歩いて取引処理装置30の操作面と対峙する位置まで移動する。このとき、取引処理装置30は決済可能となっているので、客CUaは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を取引処理装置30に対して行う。そして決済を終えると、客CUaは出口へと向かう。
【0254】
ここで、客CUaが決済を行っている間に、入力装置20に対する店員の操作により、取引に係る情報の入力を終えた次の客CUbは、動線CUbLで示すように通路PAa及び通路PAcを通って決済装置40の操作面と対峙する位置まで移動する。このとき店員は、動線EMLで示すように指示装置50の場所まで移動し、呼出ボタンBEaにタッチする。そうすることにより決済装置40は決済が可能となるので、客CUbは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を決済装置40に対して行う。そして決済を終えると、客CUbは出口へと向かう。
【0255】
このように、一人目の客CUaは、動線CUaLで示されるようにほぼ直線的に移動すればよいので、効率的である。一方、二人目の客CUbも、動線CUbLで示されるように文字“L”の形に移動するだけなので大きな負担とはならない。このとき店員EMは、指示装置50の呼出ボタンBEaにタッチするためにスペースSP内を動線EMLで示されるように移動するので、ついでに客CUbの登録済商品が入った買物籠をチェックアウトカウンタ80から決済装置40の近くまで運ぶことが可能である。その場合において、決済装置40の指示装置50が配置されている側の面は、取引処理装置30の入力装置20側の側面と略面一となっている。このため、店員EMは、買物籠を運びやすい。また、例えば取引処理装置30においてトラブルがあった場合に店員EMはスペースSP内を移動して取引処理装置30の設置場所へと向かうが、決済装置40が店員EMの移動の妨げになるようなこともない。
【0256】
なお、第1のパターンにおいて、指示装置50の操作面の向きは、決済装置40の操作面の向きと相反する向きだけには限定されない。例えば、
図48において、符号50-1で示すように、店員から見て時計回りに任意の角度、例えば45度程度傾けて配置してもよい。そうすることにより、通路PAaを歩く客から指示装置50の操作面を覗き見されることはなくなる。あるいは、符号50-2で示すように、店員から見て反時計回りに任意の角度、例えば45度程度傾けて配置してもよい。そうすることにより、入力装置20を操作している店員EMは、振り返るだけで指示装置50の操作面を見やすくなる。このように、指示装置50の操作面の向きは、決済装置40の操作面の向きと相反する向きを中心に、時計回り又は反時計回りに任意の角度で傾けてもよい。
【0257】
また、決済装置40の位置は、
図47のパターン例で示す位置に限定されない。
図49は、決済装置40を取引処理装置30の幅Haだけ通路PAcの側に突出させた例である。すなわち、決済装置40の操作面とは反対側の面が、取引処理装置30の入力装置20側とは反対側の側面と略面一となるように配置している。このような配置により、取引処理装置30の裏側に位置する決済装置40の場所が客にとって分かり易くなる、というメリットがある。
【0258】
図50は、決済装置40の操作面が、取引処理装置30の入力装置20側とは反対側の側面と略面一となるように配置した例である。このような配置により、決済装置40の操作面と対峙する客の背中側の通路PAcが広くなる。また、指示装置50が、入力装置20を操作するためにスペースSPに立っている店員EMに近づくので、店員EMの移動量が少なくなる。
【0259】
以上詳述したように、第1のパターンは、入力装置20と取引処理装置(第1の決済装置)30とを、入力装置20の店員が操作する操作面と取引処理装置30の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、取引処理装置30の客が操作する操作面の裏側に決済装置(第2の決済装置)40を配置して、指示装置50を決済装置40の客が操作する操作面側とは反対側に配置したレイアウトのパターンである。このようなレイアウトを採用することにより、代金の支払いに関する操作を客に行わせることで人件費の削減を図る決済システム100を店員又は客に大きな負担をかけることなく実現することができる。
【0260】
<第2のパターン>
図51は、レイアウトの第2のパターンを店員EM及び客CUa,CUbの動線とともに示す模式図である。第2のパターンにおいても、第1のパターンと同様に、入力装置20と取引処理装置30とは通路PAaに沿って横並びに配置する。入力装置20の操作面がスペースSPの側を向き、取引処理装置30の操作面が通路PAaの側を向いて配置される点も同じである。
【0261】
第2のパターンは、取引処理装置30と横並びに決済装置40を配置する。具体的には、決済装置40の操作面が通路PAaの側を向くように配置する。指示装置50は、決済装置40の操作面とは反対側の面の近くに配置する。好ましくは、隣り合う取引処理装置30の方に寄せて指示装置50を配置する。このとき、入力装置20を操作している店員EMからも操作面が見えるように、決済装置40の操作面と相反する方向よりも反時計回りに角度をつけて配置する。
【0262】
第2のパターンにおいて、取引処理装置30を操作して決済を行う客CUaは、動線CUaLで示すように通路PAaを通って取引処理装置30の操作面と対峙する位置まで移動する。取引処理装置30は決済が可能なので、客CUaは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を取引処理装置30に対して行う。そして決済を終えると、客CUaは出口へと向かう。このとき、決済装置40を操作している客CUbが居る場合には、客CUaは、客CUbの背中側を回って出口へと向かう。
【0263】
一方、決済装置40を操作して決済を行う客CUbは、動線CUbLで示すように通路PAaに立つ客CUaの背中側を回って決済装置40の操作面と対峙する位置まで移動する。このとき店員EMは、動線EMLで示すように指示装置50の場所まで移動し、呼出ボタンBEaにタッチする。その際、店員EMは、客CUbの登録済商品が入った買物籠をチェックアウトカウンタ80から決済装置40の近くまで運ぶことができる。指示装置50に対する操作により決済装置40は決済が可能となるので、客CUbは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を決済装置40に対して行う。そして決済を終えると、客CUbは出口へと向かう。
【0264】
このように、第2のパターンは、入力装置20と取引処理装置(第1の決済装置)30とを、入力装置20の店員が操作する操作面と取引処理装置30の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、さらに取引処理装置30の隣に決済装置(第2の決済装置)40を、当該決済装置40の客が操作する操作面が取引処理装置30の客が操作する操作面と同一方向を向くように配置する。このようなレイアウトの第2のパターンであれば、取引処理装置30を操作して決済を行う客CUaのみならず、決済装置40を操作して決済を行う客CUbも通路PAaを略直線的に出口に向かって移動すればよい。
【0265】
一方、指示装置50は、
図51に示すように、決済装置40の操作面と相反する方向よりも反時計回りに角度をつけて配置しているので、店員EMは、入力装置20を操作しながらでも指示装置50の操作面を見ることができる。
【0266】
なお、指示装置50の操作面の向きは、
図51に示した向きに限定されない。例えば
図52の符号50-3で示すように、決済装置40の操作面と相反する方向に操作面が向くように指示装置50を取り付けてもよい。こうすることにより、通路PAaに居る客が指示装置50の操作面を見ることか全くできなくなる。あるいは符号50-4に示すように、入力装置20を操作する店員EMの側に操作面を向けて指示装置50を配置してもよい。そうすることにより、店員EMは、入力装置20を操作しながら指示装置50の容易に操作面を見ることができる。
【0267】
<第3のパターン>
図53は、レイアウトの第3のパターンを店員EM及び客CUa,CUbの動線とともに示す模式図である。第3のパターンは、第2のパターンから取引処理装置30と決済装置40の位置を入れ替えたものである。すなわち、入力装置20と決済装置40とを通路PAaに沿って横並びに配置する。このとき、入力装置20の操作面がスペースSPの側を向き、決済装置30の操作面が通路PAaの側を向くように配置する。さらに、決済装置30と横並びに取引処理装置30を配置する。具体的には、取引処理装置30の操作面が通路PAaの側を向くように配置する。また、指示装置50は、決済装置40の操作面とは反対側の面の近くに配置する。好ましくは、隣り合う入力装置20の方に寄せて配置する。そして指示装置50は、入力装置20を操作している店員EMからも操作面が見えるように、決済装置40の操作面と相反する方向よりも反時計回りに角度をつけて配置する。
【0268】
第3のパターンにおいて、取引処理装置30を操作して決済を行う客CUaは、動線CUaLで示すように通路PAaを通って取引処理装置30の操作面と対峙する位置まで移動する。このとき、決済装置40を操作している客CUbが居る場合には、客CUaは、客CUbの背中側を回って取引処理装置30へと移動する。取引処理装置30は決済が可能なので、客CUaは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を取引処理装置30に対して行う。そして決済を終えると、客CUaは出口へと向かう。
【0269】
一方、決済装置40を操作して決済を行う客CUbは、動線CUbLで示すように決済装置40の操作面と対峙する位置まで移動する。このとき店員は、動線EMLで示すように指示装置50の場所まで移動し、呼出ボタンBEaにタッチする。そうすることにより決済装置40は決済が可能となるので、客CUbは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を決済装置40に対して行う。そして決済を終えると、客CUbは出口へと向かう。このとき、取引処理装置30を操作している客CUaが居る場合には、客CUbは、客CUaの背中側を回って出口へと向かう。
【0270】
このように、第3のパターンは、入力装置20と決済装置(第2の決済装置)40とを、入力装置20の店員が操作する操作面と決済装置40の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、さらに決済装置の隣に取引処理装置(第1の決済装置)30を、当該取引処理装置の客が操作する操作面が決済装置40の客が操作する操作面と同一方向を向くように配置する。このようなレイアウトの第3のパターンにおいても、第2のパターンと同様に、取引処理装置30を操作して決済を行う客CUaのみならず、決済装置40を操作して決済を行う客CUbも通路PAaを略直線的に出口に向かって移動すればよい。その上、入力装置20を操作する店員EMの近くに指示装置50が位置するので、第2のパターンよりも店員EMの移動量が少なく、店員の負担を軽減できるメリットがある。
【0271】
<第4のパターン>
図54は、レイアウトの第4のパターンを店員EM及び客CUa,CUbの動線とともに示す模式図である。第4のパターンは、入力装置20を配置したチェックアウトカウンタ80の両側に取引処理装置30と決済装置40とを分けて配置したパターンである。入力装置20の配置は、他の第1乃至第3のパターンと共通である。すなわち、操作面を店員EMが立つスペースSPの側に向けてチェックアウトカウンタ80の上に配置する。
【0272】
取引処理装置30及び決済装置40は、いずれも操作面を通路PAの側に向けて配置する。指示装置50は、決済装置40の操作面とは反対側の面の近くに配置する。具体的には、指示装置50は、その操作面が決済装置40の操作面と相反する方向を向くように配置する。
【0273】
第4パターンにおいては、会計待ちの客が入場する入口は、入力装置20の操作面とは反対側の面と対峙する方向となる。入口から入場し、入力装置20に対する店員の操作により取引に係る情報の入力を終えた客CUaは、動線CUaLで示すように通路PAを通って取引処理装置30の操作面と対峙する位置まで移動する。取引処理装置30は決済が可能なので、客CUaは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を取引処理装置30に対して行う。そして決済を終えると、客CUaは、取引処理装置30の脇を抜けて出口へと向かう。
【0274】
一方、同じく入口から入場し、入力装置20に対する店員の操作により、取引に係る情報の入力を終えた次の客CUbは、動線CUbLで示すように通路PAを客CUaとは反対側に歩き、決済装置40の操作面と対峙する位置まで移動する。このとき店員は、動線EMLで示すように指示装置50の場所まで移動し、呼出ボタンBEaにタッチする。そうすることにより決済装置40は決済が可能となるので、客CUbは、取引の決済に必要な代金を支払うための操作を決済装置40に対して行う。そして決済を終えると、客CUbは、決済装置40の脇を抜けて出口へと向かう。
【0275】
このように、第4のパターンは、入力装置20と取引処理装置(第1の決済装置)30とを、入力装置20の店員が操作する操作面と取引処理装置30の客が操作する操作面とが相反する向きになるように並べて配置し、さらに入力装置20の隣に決済装置(第2の決済装置)40を、当該決済装置40の客が操作する操作面が取引処理装置30の客が操作する操作面と同一方向を向くように配置する。このようなレイアウトの第4のパターンであれば、客は、取引処理装置30又は決済装置40を操作して決済を行っている別の客の背中側を廻り込んで出口へと向かうようなことはなくなる。したがって、決済中の客の情報を他の客が覗き込むようなことはないので、プライバシーを守ることができる。また、入力装置20を操作している店員EMの近くに指示装置50が位置するので、店員EMの移動量は少なく、店員の負担も軽減できる。
【0276】
なお、指示装置50の向きは、
図54に示す向きに限定されない。例えば
図55に示すように、指示装置50の操作面が、入力装置20を操作している店員の側を向くように配置してもよい。そうすることにより、店員EMは、入力装置20を操作しながら指示装置50の操作面を見ることができる。
【0277】
<第5のパターン>
第1乃至第4のパターンは、1つの通路PAaに配置される決済システムを例示した。第5のパターンは、店員のスペースSPを挟んで隣接する2つの通路PAa,PAbに配置される決済システムの例である。すなわち第5のパターンは、通路PAa側のチェックアウトカウンタ80-1と通路PAb側のチェックアウトカウンタ80-2とを、店員のスペースSPを挟んで対向するように配置する。そして、チェックアウトカウンタ80-1には入力装置20-1を配置し、チェックアウトカウンタ80-2には入力装置20-2を配置する。入力装置20-1と入力装置20-2は、いずれも操作面をスペースSPの側に向けて配置する。このような配置により、通路PAa側の店員EMaは、入力装置20-1を操作して通路PAaを利用する客CUa、CUbの取引に係る情報を入力する。通路PAb側の店員EMbは、入力装置20-2を操作して通路PAbを利用する客CUc、CUdの取引に係る情報を入力する。
【0278】
第5のパターンは、チェックアウトカウンタ80-1の端部に取引処理装置30-1を配置し、チェックアウトカウンタ80-2の端部に取引処理装置30-2を配置する。具体的には第5のパターンは、取引処理装置30-1と取引処理装置30-2とを、各々の操作面とは反対側の面が対向するように各チェックアウトカウンタ80-1,80-2の端部に配置する。取引処理装置30-1は、入力装置20-1に対して取引に係る情報が入力された客CUaが決済を行う第1の決済装置である。取引処理装置30-2は、入力装置20-2に対して取引に係る情報が入力された客CUcが決済を行う第1の決済装置である。
【0279】
第5のパターンは、2つの取引処理装置30-1,30-2に挟まれて、1つの決済装置40を配置する。決済装置40は、操作面を通路PAcの側に向けて配置する。そして、第1のパターンと同様に、決済装置40の操作面とは反対側の面の近くに指示装置50を配置する。指示装置50は、その操作面を、決済装置40の操作面とは相反する方向に向けて配置する。
【0280】
決済装置40は、入力装置20-1に対して取引に係る情報が入力された客CUbが決済を行う第2の決済装置である。決済装置40は、入力装置20-2に対して取引に係る情報が入力された客CUdが決済を行う第2の決済装置でもある。
【0281】
第5のパターンにおいては、通路PAaの取引処理装置30-1を操作して決済を行う客CUa、及び通路PAbの取引処理装置30-2を操作して決済を行う客CUcの動線CUaL,CUcLは、第1のパターンで説明した客CUaと同様に、略直線的となる。一方、通路PAaを通って決済装置40で決済を行う客CUbと、通路PAbを通って決済装置40で決済を行う客CUdの動線CUbL,CUdLは、第1のパターンで説明した客CUbと同様に、文字“L”の形となる。したがって、客の移動は第1のパターンと同様に負担にはならず、効率的なものとなる。また、入力装置20-1を操作する店員EMa、及び、入力装置20-2を操作する店員EMbの動線EMaL,EMbLも、第1のパターンで説明した店員EMと類似したものとなる。したがって、店員の移動量は少なく、負担は小さい。
【0282】
このように第5のパターンは、2台の入力装置20-1,20-2と、2台の取引処理装置(第1の決済装置)30-1,30-2と、1台の決済装置(第2の決済装置)40と、1台の指示装置50とを備える。そして、1組の入力装置20-1及び取引処理装置30-1と、別の1組の入力装置20-2及び取引処理装置30-2とを、店員用のスペースSPを挟んで互いに対向するように配置する。具体的には、入力装置20-1,20-2の店員が操作する操作面はスペースSPの側を向き、取引処理装置30-1,30-2の客が操作する操作面はスペースSPとは反対側を向くように配置する。さらに、2台の取引処理装置30-1,30-2の間に決済装置40を配置する。具体的には、客が操作する操作面がスペースSPとは反対側を向くように決済装置40を配置する。そして決済装置40の客が操作する操作面側とは反対側に、指示装置50を配置する。このようなレイアウトを採用することにより、隣接する2つの通路に対して、代金の支払いに関する操作を客に行わせることで人件費の削減を図る決済システム100を店員又は客に大きな負担をかけることなく実現することができる。しかも、第5のパターンのレイアウトを採用することにより、隣接する2つの通路で決済装置40を共用できるので、第1乃至第4のパターンのレイアウトを採用する場合と比較してシステムコストを低減できる効果を奏し得る。
【0283】
なお、第5のパターンにおいても、
図48を用いて説明したように、指示装置50の操作面を任意の角度に傾けて配置したり、いずれか一方の通路に寄せて指示装置50を配置したりしてもよい。また、決済装置40の配置も特に限定されるものではない。因みに、
図56は、決済装置40の操作面とは反対側の面が、両取引処理装置30-1,30-2のチェックアウトカウンタ80-1,80-2側の側面と面一となるようにした場合を例示している。
【0284】
図57は、決済装置40を取引処理装置30-1,30-2の幅Haだけ通路PAcの側に突出させた例である。すなわち、決済装置40の操作面とは反対側の面が、両取引処理装置30-1,30-2のチェックアウトカウンタ80-1,80-2側とは反対側の側面と面一となるようにした配置している。このような配置により、取引処理装置30-1及び取引処理装置30-2に挟まれている決済装置40の場所が客にとって分かり易くなる、というメリットがある。
【0285】
図58は、決済装置40の操作面が、両取引処理装置30-1,30-2のチェックアウトカウンタ80-1,80-2側とは反対側の側面と面一となるように配置した例である。このような配置により、決済装置40の操作面と対峙する客の背中側の通路PAcが広くなる。また、指示装置50が、入力装置20を操作するためにスペースSPに立っている店員EMに近づくので、店員EMの移動量が少なくなる。
【0286】
ところで、第5のパターンのレイアウトを採用した場合には指示装置50も共用となるため、タッチパネル505に表示される指示画面のレイアウトを変更する必要がある。
図59は、第5のパターンのレイアウトのときの指示装置50の指示画面SEbの一例である。指示画面SEbは、タッチパネル505の画面を左右に二分割する。そして左側には、指示画面SEbに向かって左側に位置するレーンLのレーン番号例えば「001」と、プルダウンエリアAEaaと、呼出ボタンBEaaとを配置する。右側には、指示画面SEbに向かって右側に位置するレーンLのレーン番号例えば「002」と、プルダウンエリアAEabと、呼出ボタンBEabとを配置する。
【0287】
隣接する2つのレーンで共用される指示装置50のタッチパネル505の画面を指示画面SEbとすることにより、レーン番号「001」のレーンで接客を行う店員EMaは、プルダウンエリアAEaaにおいて自らの氏名を選択する。レーン番号「002」のレーンで接客を行う店員EMbは、プルダウンエリアAEabにおいて自らの氏名を選択する。このような操作により、指示装置50の従業員メモリ5031には、レーン番号「001」と関連付けて店員EMaの従業員コードが記憶される。また、レーン番号「002」と関連付けて店員EMbの従業員コードが記憶される。
【0288】
また、呼出ボタンBEaaは、レーン番号「001」のレーンで処理された取引の取引ファイルが保留サーバ10に保留されたタイミングで有効となる。したがって、店員EMaが呼出ボタンBEaaにタッチすると、決済装置40が空いていることを条件に、店員EMaの従業員コードが設定された従業員別フォルダ1033で保留されていた取引ファイルが保留サーバ10から決済装置40に出力される。かくして、レーン番号「001」のレーンで処理された取引の客CMbは、決済装置40でその取引を決済することができる。
【0289】
同様に、呼出ボタンBEabは、レーン番号「002」のレーンで処理された取引の取引ファイルが保留サーバ10に保留されたタイミングで有効となる。したがって、店員EMbが呼出ボタンBEabにタッチすると、決済装置40が空いていることを条件に、店員EMbの従業員コードが設定された従業員別フォルダ1033で保留されていた取引ファイルが保留サーバ10から決済装置40に出力される。かくして、レーン番号「002」のレーンで処理された取引の客CUdは、決済装置40でその取引を決済することができる。
【0290】
[変形例]
前記実施形態では、指示装置50の呼出ボタンBEaが入力されると、指示装置50からの指示を受け、決済装置40から保留サーバ10に第1信号が出力されるとして説明した。この点に関しては、指示装置50の呼出ボタンBEaが入力されると、指示装置50から直接保留サーバ10に第1信号が出力されるとしてもよい。
【0291】
前記実施形態では、指示装置50は、保留サーバ10から指示有効化を示す信号を受信すると、呼出ボタンBEaを入力可能な状態とした。この点に関しては、指示装置50は、常時、呼出ボタンBEaを入力可能な状態としてもよい。すなわち、保留サーバ10で取引ファイルを保留しているか否かに拘らず、呼出ボタンBEaが入力可能であってもよい。
【0292】
前記実施形態では、タブレット端末を指示装置50として用いる場合を例示した。指示装置50は、タブレット端末に限定されない。例えば、決済装置40として客操作用のタッチパネル41とは別に店員操作用のタッチパネルを設ける。店員操作用のタッチパネルは、スペースSPに立つ店員がタッチ操作可能な場所に設ける。決済装置40のプロセッサ401は、客操作用のタッチパネル41と同様に、店員操作用のタッチパネルも制御する。具体的にはプロセッサ401は、店員操作用のタッチパネルの画面を指示画面SEaとする。そして指示画面SEaの呼出ボタンBEaが入力されると、プロセッサ401は、取引に係る情報を決済装置40に出力することを指示する信号を、決済装置40を介して保留サーバ10へと出力する。すなわち、プロセッサ401によって制御される店員操作用のタッチパネルを指示装置50として機能させる。このような構成を採用することで、指示装置50としてタブレット端末ではなくタッチパネルを適用できるので、システムコストの低減を図ることができる。
【0293】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0294】
1…第1の処理装置、10…保留サーバ、20,20-1,20-2…入力装置、30,30-1,30-2…取引処理装置、40…決済装置、50…指示装置、60…通信ネットワーク、100…決済システム。