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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025115772
(43)【公開日】2025-08-07
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20250731BHJP
【FI】
H01F27/29 G
H01F27/29 125
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010410
(22)【出願日】2024-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇人
(72)【発明者】
【氏名】神戸 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】久保 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 啓雄
(72)【発明者】
【氏名】中本 慎吾
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA03
5E070EA02
(57)【要約】
【課題】金属端子近傍におけるワイヤの断線を抑制する。
【解決手段】コイル部品10は、ドラムコア10C、第1金属端子40、及び第1ワイヤ81を備えている。ドラムコア10Cは、柱状の巻芯部11、及び巻芯部11の中心軸Xに沿う方向の第1端に設けられている第1鍔部21、巻芯部11の第1端とは反対側の第2端に設けられている第2鍔部31を有する。第1金属端子40は、第1鍔部21に設けられている。第1金属端子40は、第1鍔部21の上面と向かい合う第1接合部45を有している。第1接合部45は、上面が左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に向かうほど下方向に向かうように傾斜している第1傾斜部45Bを有している。第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1接合部45の上面に接合されている。且つ、下方向を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第1傾斜部45Bに重なっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の巻芯部、及び前記巻芯部の中心軸に沿う方向の第1端に設けられた第1鍔部、前記巻芯部の第1端とは反対側の第2端に設けられた第2鍔部を有するドラムコアと、
前記第1鍔部に設けられた第1金属端子と、
前記巻芯部に巻回され、第1端及び当該第1端と反対側の第2端を有する第1ワイヤと、
を備え、
前記第1鍔部は、前記中心軸に沿う方向から視たときに、前記中心軸に直交する上下軸に沿う方向において前記巻芯部に対して外側に張り出しており、
前記上下軸及び前記中心軸の双方に直交する軸を左右軸とし、前記上下軸に沿う方向のうちの一方を上方向、前記上方向と反対方向を下方向としたとき、
前記第1金属端子は、第1接合部を有しており、前記第1接合部の下面は、前記第1鍔部の上面と向かい合っており、
前記第1接合部は、第1傾斜部を有しており、当該第1傾斜部の上面は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、
前記第1ワイヤの第1端は、前記第1接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第1傾斜部に重なっている
コイル部品。
【請求項2】
前記第1接合部は、第1平面部をさらに有しており、当該第1平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、
前記第1傾斜部は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部側で前記第1平面部に隣接している
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1ワイヤの第1端は、前記第1平面部においてのみ接合されている
請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1ワイヤの第1端は、前記第1傾斜部においてのみ接合されている
請求項2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1ワイヤの第1端は、前記第1傾斜部及び前記第1平面部に接合されている
請求項2に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1鍔部のうちの、前記左右軸に沿う方向において前記第1金属端子に対して前記中心軸を挟んで反対側の部分に設けられた第2金属端子と、
前記巻芯部に巻回され、第1端と当該第1端と反対側の第2端を有する第2ワイヤと、
をさらに備え、
前記第2金属端子は、前記第1鍔部の上面と向かい合う第2接合部を有しており、
前記第2接合部は、第2平面部と、前記中心軸に沿う方向において前記第2鍔部側で前記第2平面部に隣接する第2傾斜部と、を有し、
前記第2平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、
前記第2傾斜部の上面は、前記中心軸に沿う方向において前記第2鍔部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、
前記第2ワイヤの第1端は、前記第2接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第2ワイヤは、前記第2傾斜部に重なっている
請求項2に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1鍔部のうちの、前記左右軸に沿う方向において前記第1金属端子に対して前記中心軸を挟んで反対側の部分に設けられた第2金属端子と、
前記巻芯部に巻回され、第1端と当該第1端と反対側の第2端を有する第2ワイヤと、
をさらに備え、
前記第2金属端子は、前記第1鍔部の上面と向かい合う第2接合部を有しており、
前記第2接合部は、第2平面部と、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部側で前記第2平面部に隣接する第2傾斜部と、を有し、
前記第2平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、
前記第2傾斜部の上面は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、
前記第2ワイヤの第1端は、前記第2接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第2ワイヤは、前記第2傾斜部に重なっている
請求項2に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1平面部の上面の面積と、前記第2平面部の上面の面積と、が等しい
請求項6または7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記上下軸に沿う方向において、前記第1鍔部の上面から前記第1平面部までの最短距離と、
前記上下軸に沿う方向において、前記第1鍔部の上面から前記第2平面部までの最短距離と、が等しい
請求項6又は請求項7に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記上下軸に沿う方向における前記第1平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、
前記上下軸に沿う方向における前記第2平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、が等しい
請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第2鍔部に設けられ、前記中心軸に沿う方向において、前記第1金属端子と向かい合う第3金属端子と、
前記第2鍔部に設けられ、前記中心軸に沿う方向において、前記第2金属端子と向かい合う第4金属端子と、
をさらに備え、
前記第2鍔部は、前記中心軸に沿う方向から視たときに、前記上下軸に沿う方向において前記巻芯部に対して外側に張り出しており、
前記第3金属端子は、前記第2鍔部の上面と向かい合う第3接合部を有しており、
前記第3接合部は、第3平面部と、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部側で前記第3平面部に隣接する第3傾斜部と、を有し、
前記第3平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、
前記第3傾斜部の上面は、前記中心軸に沿う方向において前記第1鍔部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、
前記第4金属端子は、前記第2鍔部の上面と向かい合う第4接合部を有しており、
前記第4接合部は、第4平面部と、前記中心軸に沿う方向において前記第1鍔部側で前記第4平面部に隣接する第4傾斜部と、を有し、
前記第4平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、
前記第4傾斜部の上面は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、
前記第1ワイヤの第2端は、前記第3接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第3傾斜部に重なっており、
前記第2ワイヤの第2端は、前記第4接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第2ワイヤは、前記第4傾斜部に重なっている
請求項6又は請求項7に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第1平面部の上面の面積と、前記第2平面部の上面の面積と、前記第3平面部の上面の面積と、前記第4平面部の上面の面積と、が等しい
請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記上下軸に沿う方向における前記第1平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、
前記上下軸に沿う方向における前記第2平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、
前記上下軸に沿う方向における前記第3平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、
前記上下軸に沿う方向における前記第4平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、が等しい
請求項11に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記第1傾斜部は、前記左右軸に沿う方向における前記第1接合部の前記巻芯部側の端である第1傾斜端にまで至っており、
前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第1傾斜端に重なっている
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第1傾斜部の上面において、最も前記上方向側に位置する箇所から最も前記下方向に位置する箇所までの前記上下軸に沿う方向の寸法は、前記第1ワイヤの外径に比べて大きい
請求項1に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のコイル部品は、巻芯部及び2つの鍔部を備えている。巻芯部は四角柱状である。2つの鍔部は、巻芯部の両端に接続している。各鍔部は、巻芯部の中心軸線と直交する方向において、巻芯部から外側に張り出している。これら巻芯部及び鍔部は、コイル部品のコアを構成している。また、特許文献1に記載のコイル部品は、電極部とワイヤとを備えている。電極部は、鍔部に取り付けられている。ワイヤは、巻芯部に巻回されている。ワイヤの端部は、熱圧着により電極部に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-50317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコイル部品において、電極部で熱圧着されたワイヤは、電極部上で押しつぶされている。そのため、電極部上のワイヤは、熱圧着前の外径が保たれず扁平な形状に変形していることがある。このようなワイヤにおける扁平な部分が電極部の縁上にまで及んでいると、当該箇所においてワイヤが断線するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、柱状の巻芯部、及び前記巻芯部の中心軸に沿う方向の第1端に接続している第1鍔部、前記巻芯部の第1端とは反対側の第2端に接続している第2鍔部を有するドラムコアと、前記第1鍔部に取り付けられた第1金属端子と、前記巻芯部に巻回され、第1端及び当該第1端と反対側の第2端を有する第1ワイヤと、を備え、前記第1鍔部は、前記中心軸に直交する上下軸に沿う方向において前記巻芯部に対して外側に張り出しており、前記上下軸及び前記中心軸の双方に直交する軸を左右軸とし、前記上下軸に沿う方向のうちの一方を上方向、前記上方向と反対方向を下方向としたとき、前記第1金属端子は、前記第1鍔部の上面と向かい合う第1接合部を有しており、前記第1接合部は、上面が前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜している第1傾斜部を有し、前記第1ワイヤの第1端は、前記第1接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第1傾斜部に重なっているコイル部品である。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、金属端子近傍におけるワイヤの断線を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、コイル部品の斜視図である。
図2図2は、コイル部品の上面図である。
図3図3は、第1負方向を向いて、コイル部品を視たときの拡大図である。
図4図4は、変更例のコイル部品の上面図である。
図5図5は、変更例のコイル部品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、コイル部品の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図面中のものと異なる場合がある。
【0009】
<全体構成について>
図1に示すように、コイル部品10は、ドラムコア10Cと、板コア10Fと、を備えている。
【0010】
ドラムコア10Cは、巻芯部11、第1鍔部21、及び第2鍔部31を有している。
巻芯部11は、四角柱状である。巻芯部11の材質は、例えば、アルミナ、Ni-Zn系フェライト、合成樹脂、及びこれらの混合物等である。
【0011】
第1鍔部21は、巻芯部11の中心軸Xに沿う方向の第1端に設けられている。換言すると、第1鍔部21は、巻芯部11の中心軸Xに沿う方向の第1端に接続している。第2鍔部31は、巻芯部11の中心軸Xに沿う方向の第2端に設けられている。換言すると、第2鍔部31は、巻芯部11の中心軸Xに沿う方向の第2端に接続している。第1鍔部21及び第2鍔部31の材質は、巻芯部11と同じである。また、第1鍔部21及び第2鍔部31は、巻芯部11との一体成形物である。
【0012】
ここで、中心軸Xに直交する特定の軸を、上下軸Yとする。本実施形態では、中心軸Xに沿う方向を向いて視たときに、上下軸Yは、コイル部品10を基板に対して実装する際の実装面に対して直交する方向である。また、中心軸X及び上下軸Yの双方に直交する軸を左右軸Zとする。そして、中心軸Xに沿う方向のうちの一方を第1正方向X1とし、第1正方向X1とは反対方向を第1負方向X2とする。本実施形態では、第1正方向X1は、巻芯部11から第1鍔部21に向かう方向と一致する。第1負方向X2は、巻芯部11から第2鍔部31に向かう方向と一致する。また、上下軸Yに沿う方向のうちの一方を上方向Y1とし、上方向Y1とは反対方向を下方向Y2とする。また、左右軸Zに沿う方向のうちの一方を右方向Z1とし、右方向Z1と反対方向を左方向Z2とする。なお、ここでいう上方向Y1及び下方向Y2は、便宜上呼称しているものであり、重力方向を特定するものでない。また、右方向Z1及び左方向Z2についても便宜上呼称しているものであり、特定の視点からの左右方向を限定するものではない。
【0013】
本開示において、「上面」とは、上下軸Yに沿う方向のうちの上方向Y1側を向く面のことを指し、「下面」とは、下方向Y2側を向く面のことを指す。なお、「上面」は、必ずしも上方向Y1と厳密に直交していなくてもよく、例えば、コイル部品10に対して上方向Y1側から、下方向Y2側を向いてコイル部品10を視たときに、視認できる面を「コイル部品10の上面」とする。下面についても同様である。
【0014】
第1鍔部21は、中心軸Xに沿う方向から視たときに、上下軸Y及び左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に対して外側に張り出している。第1鍔部21は、左右軸Zに沿う方向において、対称形状である。第1鍔部21は、外端面21Aを有している。外端面21Aは、第1鍔部21の外面のうち、第1正方向X1側を向く面である。
【0015】
第1鍔部21は、本体部22と、突出部23と、を有している。本体部22は、中心軸Xに沿う方向に厚さが薄い、略直方体状である。第1負方向X2を向いて視たとき、本体部22の上方向Y1側及び下方向Y2側の両縁は、左右軸Zと平行である。また、第1負方向X2を向いて視たとき、本体部22の左方向Z2側及び右方向Z1側の両縁は、上下軸Yと平行である。
【0016】
突出部23は、本体部22の上面22Aから上方向Y1側に突出している。突出部23は、上方向Y1に向かうほど、左右軸Zに沿う方向の寸法が小さくなる四角錐台状である。突出部23は、本体部22の左右軸Zに沿う方向の略中央に位置している。突出部23の中心軸Xに沿う方向の寸法は、本体部22の中心軸Xに沿う方向の寸法と同じである。なお、本体部22と突出部23とは一体成形物である。すなわち、第1鍔部21の内部において、本体部22と突出部23との間に明確な境界はない。
【0017】
第2鍔部31は、左右軸Zに沿う方向に対して、第1鍔部21と対称形状である。すなわち、第2鍔部31は、中心軸Xに沿う方向から視たときに、上下軸Yに沿う方向及び左右軸Zに沿う方向において、巻芯部11に対して外側に張り出している。そして、第2鍔部31は、第1負方向X2を向く外端面31Aを有している。第2鍔部31は、本体部32と、突出部33と、を有している。第2鍔部31の本体部32及び突出部33の構成は、第1鍔部21の本体部22及び突出部23と同様である。すなわち、突出部33は、本体部32の上面32Aから上方向Y1側に突出している。
【0018】
板コア10Fは、長方形の板状である。板コア10Fの長辺は、中心軸Xと平行である。板コア10Fの短辺は、左右軸Zと平行である。板コア10Fは、ドラムコア10Cに対して下方向Y2側に位置する。板コア10Fは、第1鍔部21における下面、及び第2鍔部31における下面の双方に接続している。つまり、板コア10Fは、第1鍔部21及び第2鍔部31の間に架け渡されている。板コア10Fの材質は、ドラムコア10Cの材質と同じである。
【0019】
コイル部品10は、第1金属端子40、第2金属端子50、第3金属端子60、及び第4金属端子70を備えている。
第1金属端子40は、第1鍔部21に設けられている。すなわち、第1金属端子40は、第1鍔部21に取り付けられている。第1金属端子40は、第1鍔部21において、中心軸Xに対して右方向Z1側に位置している。第2金属端子50は、第1鍔部21に設けられている。すなわち、第2金属端子50は、第1鍔部21に取り付けられている。第2金属端子50は、第1鍔部21において、中心軸Xに対して左方向Z2側に位置している。すなわち、第2金属端子50は、第1鍔部21のうちの、左右軸Zに沿う方向において第1金属端子40に対して中心軸Xを挟んで反対側の部分に取り付けられている。第3金属端子60は、第2鍔部31に設けられている。すなわち、第3金属端子60は、第2鍔部31に取り付けられている。第3金属端子60は、第2鍔部31において、中心軸Xに対して右方向Z1側に位置している。すなわち、第3金属端子60は、中心軸Xに沿う方向において、第1金属端子40と向かい合っている。第4金属端子70は、第2鍔部31に設けられている。すなわち、第4金属端子70は、第2鍔部31に取り付けられている。第4金属端子70は、第2鍔部31において、中心軸Xに対して左方向Z2側に位置している。すなわち、第4金属端子70は、中心軸Xに沿う方向において、第2金属端子50と向かい合っている。これら第1金属端子40~第4金属端子70の詳細については後述する。
【0020】
図2に示すように、コイル部品10は、第1ワイヤ81及び第2ワイヤ91を備えている。図示は省略するが、第1ワイヤ81は、銅線と、絶縁被膜と、を有している。絶縁被膜は、銅線の外面を覆っている。第1ワイヤ81は、当該第1ワイヤ81が延びる方向に直交する断面で、略円形状である。第1ワイヤ81は、第1端81A及び当該第1端81Aと反対側の第2端81Bを有している。
【0021】
図1及び図2に示すように、第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1金属端子40に、熱圧着で接合されている。第1ワイヤ81は、第1金属端子40から、巻芯部11のうちの左方向Z2側、且つ上方向Y1側の稜線に向かって延びている。そして、第1ワイヤ81は、第1負方向X2を向いて視たとき、第1負方向X2に向かうにつれて時計回りで進行するように、巻芯部11に巻回されている。第1ワイヤ81の第2端81B側は、巻芯部11のうちの右方向Z1側、且つ下方向Y2側の稜線から第3金属端子60に向かって延びている。第1ワイヤ81の第2端81Bは、第3金属端子60に熱圧着で接合されている。
【0022】
なお、熱圧着とは、金属端子と加熱した治具との間にワイヤを挟み込んで、ワイヤを溶融させつつ金属端子に固定する方法である。この固定方法の結果として、ワイヤのうちの金属端子との接合箇所の近傍は、絶縁被膜が剥がれて銅線が露出している。
【0023】
第2ワイヤ91は、第1ワイヤ81と同じ構成である。すなわち、第2ワイヤ91は、銅線と、絶縁被膜と、を有している。第2ワイヤ91は、第1端91A及び当該第1端91Aと反対側の第2端91Bを有している。
【0024】
第2ワイヤ91の第1端91Aは、第2金属端子50に、熱圧着で接合されている。第2ワイヤ91は、第2金属端子50から、巻芯部11のうちの左方向Z2側、且つ下方向Y2側の稜線に向かって延びている。そして、第2ワイヤ91は、第1負方向X2を向いて視たとき、第1負方向X2に向かうにつれて時計回りで進行するように、巻芯部11に巻回されている。第2ワイヤ91の第2端91B側は、巻芯部11のうちの右方向Z1側、且つ上方向Y1側の稜線から第4金属端子70に向かって延びている。第2ワイヤ91の第2端91Bは、第4金属端子70に、熱圧着で接合されている。
【0025】
<第1金属端子について>
図1に示すように、第1金属端子40は、第1接着部41、第1連結部42、第1実装部43、第1延伸部44、及び第1接合部45を有している。なお、第1接着部41、第1連結部42、第1実装部43、第1延伸部44、及び第1接合部45は、一体成形物である。すなわち、第1金属端子40の内部においてこれらの部材の間に明確な境界はない。
【0026】
図1に示すように、第1接着部41は、略板状である。第1接着部41は、第1鍔部21の外端面21Aに接着剤を介して取り付けられている。第1接着部41は、第1金属端子40のうちの第1鍔部21の外端面21Aに対して中心軸Xに沿う方向において向かい合う部分のことである。
【0027】
第1連結部42は、第1接着部41の上方向Y1の端に接続している。第1連結部42は、第1接着部41から上方向Y1に向かって延びている。すなわち、図3に示すように、第1連結部42は、第1負方向X2を向いて視たとき、上方向Y1に向かって第1鍔部21から飛び出している。具体的には、第1連結部42は、第1鍔部21の突出部23に対して上方向Y1側に飛び出している。図1に示すように、第1連結部42は、途中で第1負方向X2に向かって約90度曲がっている。すなわち、第1連結部42における第1接着部41とは反対側の端は、第1負方向X2を向いている。
【0028】
第1実装部43は、第1連結部42における第1接着部41とは反対側の端に接続している。第1実装部43は、平板状である。第1実装部43の主面は上下軸Yに直交している。また、第1実装部43は、第1金属端子40のうちで最も上方向Y1側に位置する部分である。第1実装部43は、第1鍔部21の突出部23に対して上方向Y1側に離れている。つまり、第1実装部43と第1鍔部21との間には空隙が存在している。なお、第1実装部43は、コイル部品10を基板に実装する際に、基板と対向する部分である。
【0029】
図3に示すように、第1延伸部44の第1端は、第1実装部43の右方向Z1側の端に接続している。第1延伸部44は、第1実装部43から、右方向Z1側、且つ下方向Y2側に向かって、概ね斜めに延びている。第1延伸部44の第2端は、右方向Z1側を向いている。第1延伸部44の厚さ寸法は、当該第1延伸部44の第1端から第2端に延びている途中の部分で小さくなっている。すなわち、第1延伸部44の第2端における厚さ寸法は、第1延伸部44の第1端における厚さ寸法より小さくなっている。なお、第1延伸部44の厚さ寸法とは、第1延伸部44の延びる方向に直交する方向の寸法である。
【0030】
図1に示すように、第1接合部45は、第1延伸部44の第2端に接続している。第1接合部45は、概ね板状である。第1接合部45は、下方向Y2を向いて視たとき、中心軸Xに沿う方向に長手の略長方形状である。
【0031】
図3に示すように、第1接合部45は、第1鍔部21の本体部22の上面22Aに対して、上下軸Yに沿って向かい合っている。すなわち、第1接合部45の下面は、第1鍔部21の上面と向かい合っている。第1接合部45の下面は、第1鍔部21の上面に接触している。その一方で、第1接合部45における下面は、第1鍔部21に対して固定されていない。つまり、第1接合部45と第1鍔部21との間には接着剤等は介在していない。
【0032】
図2に示すように、第1接合部45は、第1平面部45A及び第1傾斜部45Bを有している。第1平面部45Aは、第1接合部45のうちの右方向Z1側の約半分を占めている。下方向Y2を向いて視たとき、第1平面部45Aは、中心軸Xに沿う方向に長手の略長方形状である。第1平面部45Aの上面は、上下軸Yに直交している。また、第1平面部45Aの下面も、上下軸Yに直交している。したがって、第1平面部45Aは、厚みが略一定である。
【0033】
第1傾斜部45Bは、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11側で第1平面部45Aに隣接している。第1傾斜部45Bは、左右軸Zに沿う方向における第1接合部45の巻芯部11側の端である第1傾斜端45Cにまで至っている。第1傾斜部45Bの上面は、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜している。すなわち、第1接合部45の上面は、第1傾斜端45Cにおいて最も下方向Y2側に位置している。
【0034】
第1傾斜部45Bの上面は平面状である。すなわち、第1傾斜部45Bは、左右軸Zに沿う方向において一定の斜度で傾斜している。また、第1傾斜部45Bの上面において、最も上方向Y1側に位置する箇所から最も下方向Y2に位置する箇所までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第1ワイヤ81の外径に比べて大きい。第1傾斜部45Bの下面は、上下軸Yに直交している。第1傾斜部45Bの下面は、第1平面部45Aの下面に対して面一である。
【0035】
<第2金属端子について>
図1に示すように、第2金属端子50は、第2接着部51、第2連結部52、第2実装部53、第2延伸部54、及び第2接合部55を有している。なお、第2接着部51、第2連結部52、及び第2実装部53は、それぞれ、第1接着部41、第1連結部42、及び第1実装部43を中心軸Xに沿う方向に対して反転した形状である。
【0036】
第2接着部51は、略板状である。第2接着部51は、第1鍔部21の外端面21Aに接着剤を介して取り付けられている。第2接着部51は、第2金属端子50のうちの第1鍔部21の外端面21Aに対して中心軸Xに沿う方向において向かい合う部分のことである。
【0037】
第2連結部52は、第2接着部51の上方向Y1の端に接続している。第2連結部52は、第2接着部51から上方向Y1に向かって延びている。すなわち、図3に示すように、第2連結部52は、第1負方向X2を向いて視たとき、上方向Y1に向かって第1鍔部21から飛び出している。具体的には、第2連結部52は、第1鍔部21の突出部23に対して上方向Y1側に飛び出している。図1に示すように、第2連結部52は、途中で第1負方向X2に向かって約90度曲がっている。すなわち、第2連結部52における第2接着部51とは反対側の端は、第1負方向X2を向いている。
【0038】
第2実装部53は、第2連結部52における第2接着部51とは反対側の端に接続している。第2実装部53は、平板状である。第2実装部53の主面は上下軸Yに直交している。また、第2実装部53は、第2金属端子50のうちで最も上方向Y1側に位置する部分である。第2実装部53は、第1鍔部21の突出部23に対して上方向Y1側に離れている。つまり、第2実装部53と第1鍔部21との間には空隙が存在している。
【0039】
第2延伸部54の第1端は、第2実装部53の左方向Z2側の端に接続している。第2延伸部54は、第2実装部53から、左方向Z2側、且つ下方向Y2側に向かって、概ね斜めに延びている。第2延伸部54の第2端は、左方向Z2側を向いている。図3に示すように、第2延伸部54の厚さ寸法は、当該第2延伸部54の第1端から第2端まで一定である。
【0040】
第2接合部55は、第1鍔部21の本体部22の上面22Aに対して、上下軸Yに沿って向かい合っている。すなわち、第2接合部55の下面は、第1鍔部21の上面と向かい合っている。第2接合部55の下面は、第1鍔部21の上面に接触している。その一方で、第2接合部55における下面は、第1鍔部21に対して固定されていない。つまり、第2接合部55と第1鍔部21との間には接着剤等は介在していない。
【0041】
図2に示すように、第2接合部55は、第2平面部55A及び第2傾斜部55Bを有している。第2平面部55Aは、第2接合部55のうちの第1正方向X1側の約半分を占めている。下方向Y2を向いて視たとき、第2平面部55Aは、左右軸Zに沿う方向に長手の略長方形状である。第2平面部55Aの上面は、上下軸Yに直交している。また、第2平面部55Aの下面も、上下軸Yに直交している。したがって、第1平面部45Aは、厚みが略一定である。
【0042】
第2傾斜部55Bは、中心軸Xに沿う方向において第2鍔部31側で第2平面部55Aに隣接している。第2傾斜部55Bは、中心軸Xに沿う方向における第2接合部55の第2鍔部31側の端である第2傾斜端55Cにまで至っている。第2傾斜部55Bの上面は、中心軸Xに沿う方向において第2鍔部31に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜している。すなわち、第2接合部55の上面は、第2傾斜端55Cにおいて最も下方向Y2側に位置している。
【0043】
第2傾斜部55Bの上面は平面状である。すなわち、第2傾斜部55Bは、中心軸Xに沿う方向において一定の斜度で傾斜している。また、第2傾斜部55Bの上面において、最も上方向Y1側に位置する箇所から最も下方向Y2に位置する箇所までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第2ワイヤ91の外径に比べて大きい。換言すると、第2傾斜部55Bの上面において、第1正方向X1の端から第1負方向X2の端までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第2ワイヤ91の外径に比べて大きい。第2傾斜部55Bの下面は、上下軸Yに直交している。第2傾斜部55Bの下面は、第2平面部55Aの下面に対して面一である。
【0044】
<第3金属端子について>
図2に示すように、第3金属端子60は、第2金属端子50と同様の形状である。第3金属端子60は、上下軸Yに平行で巻芯部11の中心を通る軸を中心として、第2金属端子50を180度回転させた形状である。第3金属端子60は、第3接着部61、第3連結部62、第3実装部63、第3延伸部64、及び第3接合部65を有している。
【0045】
第3金属端子60は、第3接着部61において第2鍔部31の外端面31Aに接合している。図1に示すように、第3接合部65は、第2鍔部31の本体部32の上面32Aに対して、上下軸Yに沿って向かい合っている。すなわち、第3接合部65の下面は、第2鍔部31の上面と向かい合っている。第3接合部65の下面は、第2鍔部31の上面に接触している。その一方で、第3接合部65における下面は、第2鍔部31に対して固定されていない。つまり、第3接合部65と第2鍔部31との間には接着剤等は介在していない。
【0046】
図2に示すように、第3接合部65は、第3平面部65A及び第3傾斜部65Bを有している。第3平面部65Aは、第3接合部65のうち第1負方向X2側の約半分を占めている。下方向Y2を向いて視たとき、第3平面部65Aは、左右軸Zに沿う方向に長手の略長方形状である。第3平面部65Aの上面は、上下軸Yに直交している。また、第3平面部65Aの下面も、上下軸Yに直交している。したがって、第3平面部65Aは、厚みが略一定である。
【0047】
第3傾斜部65Bは、中心軸Xに沿う方向において第1鍔部21側で第3平面部65Aに隣接している。第3傾斜部65Bは、中心軸Xに沿う方向における第3接合部65の第1鍔部21側の端である第3傾斜端65Cにまで至っている。第3傾斜部65Bの上面は、中心軸Xに沿う方向において第1鍔部21に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜している。すなわち、第3接合部65の上面は、第3傾斜端65Cにおいて最も下方向Y2側に位置している。
【0048】
第3傾斜部65Bの上面は平面状である。すなわち、第3傾斜部65Bは、中心軸Xに沿う方向において一定の斜度で傾斜している。また、第3傾斜部65Bの上面において、最も上方向Y1側に位置する箇所から最も下方向Y2に位置する箇所までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第1ワイヤ81の外径に比べて大きい。換言すると、第3傾斜部65Bの上面において、第1負方向X2の端から第1正方向X1の端までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第1ワイヤ81の外径に比べて大きい。第3傾斜部65Bの下面は、上下軸Yに直交している。第3傾斜部65Bの下面は、第3平面部65Aの下面に対して面一である。
【0049】
<第4金属端子について>
図2に示すように、第4金属端子70は、第1金属端子40と同様の形状である。第4金属端子70は、上下軸Yに平行で巻芯部11の中心を通る軸を中心として、第1金属端子40を180度回転させた形状である。第4金属端子70は、第4接着部71、第4連結部72、第4実装部73、第4延伸部74、及び第4接合部75を有している。
【0050】
第4金属端子70は、第4接着部71において第2鍔部31の外端面31Aに接合している。図1に示すように、第4接合部75は、第2鍔部31の本体部32の上面32Aに対して、上下軸Yに沿って向かい合っている。すなわち、第4接合部75の下面は、第2鍔部31の上面と向かい合っている。第4接合部75の下面は、第2鍔部31の上面に接触している。その一方で、第4接合部75における下面は、第2鍔部31に対して固定されていない。つまり、第4接合部75と第2鍔部31との間には接着剤等は介在していない。
【0051】
図2に示すように、第4接合部75は、第4平面部75A及び第4傾斜部75Bを有している。第4平面部75Aは、第4接合部75のうち、左方向Z2側の約半分を占めている。下方向Y2を向いて視たとき、第4平面部75Aは、中心軸Xに沿う方向に長手の略長方形状である。第4平面部75Aの上面は、上下軸Yに直交している。また、第4平面部75Aの下面も、上下軸Yに直交している。したがって、第4平面部75Aは、厚みが略一定である。
【0052】
第4傾斜部75Bは、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11側で第4平面部75Aに隣接している。第4傾斜部75Bは、左右軸Zに沿う方向における第4接合部75の巻芯部11側の端である第4傾斜端75Cにまで至っている。第4傾斜部75Bの上面は、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜している。すなわち、第4接合部75の上面は、第4傾斜端75Cにおいて最も下方向Y2側に位置している。
【0053】
第4傾斜部75Bの上面は平面状である。すなわち、第4傾斜部75Bは、左右軸Zに沿う方向において一定の斜度で傾斜している。また、第4傾斜部75Bの上面において、最も上方向Y1側に位置する箇所から最も下方向Y2に位置する箇所までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第2ワイヤ91の外径に比べて大きい。換言すると、第4傾斜部75Bの上面において、左方向Z2の端から右方向Z1の端までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第2ワイヤ91の外径に比べて大きい。第4傾斜部75Bの下面は、上下軸Yに直交している。第4傾斜部75Bの下面は、第4平面部75Aの下面に対して面一である。
【0054】
<各金属端子の厚さ寸法の関係について>
図3に示すように、上下軸Yに沿う方向における第1平面部45Aの下面から上面までの厚さ寸法T1と、上下軸Yに沿う方向における第2平面部55Aの下面から上面までの厚さ寸法T2と、が等しい。また、上述したように、第1平面部45Aの下面は、第1鍔部21の本体部22の上面22Aに接触している。また、第2平面部55Aの下面は、第1鍔部21の本体部22の上面22Aに接触している。したがって、上下軸Yに沿う方向において、第1鍔部21の上面から第1平面部45Aまでの最短距離と、上下軸Yに沿う方向において、第1鍔部21の上面から第2平面部55Aまでの最短距離と、が等しい。本実施形態では、第1鍔部21の上面から第1平面部45Aまでの最短距離は、ゼロである。
【0055】
なお、上下軸Yに沿う方向における各平面部の厚さ寸法は等しい。すなわち、上下軸Yに沿う方向における第1平面部45Aの厚さ寸法T1と、第2平面部55Aの厚さ寸法T2と、第3平面部65Aの厚さ寸法と、第4平面部75Aの厚さ寸法と、が等しい。
【0056】
また、上下軸Yに沿う方向において、第2鍔部31の上面から第3平面部65Aまでの最短距離と、上下軸Yに沿う方向において、第2鍔部31の上面から第4平面部75Aまでの最短距離と、が等しい。本実施形態では、第2鍔部31の上面から第3平面部65Aまでの最短距離は、ゼロである。
【0057】
図2に示すように、第1平面部45Aの上面の面積と、第2平面部55Aの上面の面積と、第3平面部65Aの上面の面積と、第4平面部75Aの上面の面積と、が等しい。すなわち、各金属端子における平面部の上面の面積が等しい。
【0058】
<各金属端子と各ワイヤの位置関係について>
第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1接合部45のうちの第1平面部45Aの上面及び第1傾斜部45Bの上面に接合されている。また、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第1傾斜部45Bに重なっている。下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、左右軸Zに沿う方向における第1接合部45の巻芯部11側の端である第1傾斜端45Cにも重なっている。
【0059】
第1ワイヤ81の第2端81Bは、第3接合部65のうちの第3平面部65Aの上面に接合されている。また、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第3傾斜部65Bに重なっている。下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、中心軸Xに沿う方向における第1接合部45の第1鍔部21側の端である第3傾斜端65Cにも重なっている。
【0060】
第1ワイヤ81の第1端81A及び第2端81Bは、熱圧着により偏平形状に変形している。第1ワイヤ81は、第1傾斜端45C上及び第3傾斜端65C上においては熱圧着の影響を受けにくい。そのため、第1傾斜端45C及び第3傾斜端65C上において、第1平面部45A及び第3平面部65A上と比較して、第1ワイヤ81の外径が保たれている。
【0061】
第2ワイヤ91の第1端91Aは、第2接合部55のうちの第2平面部55Aの上面及び第2傾斜部55Bの上面に接合されている。また、下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、第2傾斜部55Bに重なっている。下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、中心軸Xに沿う方向における第2接合部55の第2鍔部31側の端である第2傾斜端55Cにも重なっている。
【0062】
第2ワイヤ91の第2端91Bは、第4接合部75のうちの第4平面部75Aの上面に接合されている。また、下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、第4傾斜部75Bに重なっている。下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、左右軸Zに沿う方向における第4接合部75の巻芯部11側の端である第4傾斜端75Cにも重なっている。
【0063】
第2ワイヤ91の第1端91A及び第2端91Bは、熱圧着により偏平形状に変形している。一方で、第2ワイヤ91は、第2傾斜端55C上及び第4傾斜端75C上においては熱圧着の影響を受けにくい。そのため、第2傾斜端55C上及び第4傾斜端75C上において、第2平面部55A及び第4平面部75A上と比較して、第2ワイヤ91の外径が保たれている。
【0064】
<本実施形態の効果について>
(1)上記実施形態では、第1金属端子40における第1傾斜部45Bの上面は、巻芯部11に向かうほど、下方向Y2に向かう方に傾斜している。そのため、熱圧着などにより第1ワイヤ81が第1接合部45上で上下に押しつぶされるような変形した場合でも、第1ワイヤ81における第1傾斜部45Bの巻芯部11側の部分では、当該第1ワイヤ81の形状が熱圧着前の状態に保たれやすい。したがって、第1ワイヤ81における第1接合部45の縁上の部分で当該第1ワイヤ81が断線することを抑制できる。
【0065】
(2)上記実施形態では、第1接合部45は、第1平面部45Aを有している。また、第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1平面部45Aに接合されている。この第1平面部45Aの上面が上下軸Yに直交する平面であることで、圧着器具を上下軸Yに沿って押し付ける際には、第1平面部45Aに対しては第1ワイヤ81が略均等の力で圧着される。したがって第1平面部45Aに対する圧着力を管理しやすい。この点、各金属端子の平面部においても同様の効果を奏する。
【0066】
(3)上記実施形態では、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第1傾斜端45Cに重なっている。この構成によれば、第1ワイヤ81は、第1傾斜部45Bにおいて最も下方向Y2側に位置する第1傾斜端45C上を通る。そのため、第1ワイヤ81が第1接合部45上で上下軸Yに押しつぶされるような変形した場合においても、第1ワイヤ81は、第1傾斜端45C上においてその形状が保たれやすい。この点、各金属端子の傾斜端においても同様の効果を奏する。
【0067】
(4)上記実施形態では、下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、第2傾斜部55Bに重なっている。この構成によれば、第2ワイヤ91において巻芯部11に巻回された箇所から第2金属端子50に向かって引き出された方向に沿って、第2傾斜部55Bが位置している。そのため、第2ワイヤ91の第1端81A近傍においても(1)に記載の効果を奏する。
【0068】
(5)上記実施形態では、第1鍔部21の上面から第1平面部45Aまでの最短距離と、第1鍔部21の上面から第2平面部55Aまでの最短距離と、が等しい。この構成によれば、第1平面部45Aに対して第1ワイヤ81を熱圧着し、且つ第2平面部55Aに対して第2ワイヤ91を熱圧着する場合、それぞれのワイヤに対する接合箇所の上下軸Yに沿う方向の位置が同じであるため、圧着時の荷重が偏りにくい。
【0069】
(6)上記実施形態では、第1平面部45Aの下面から上面までの厚さ寸法T1と、第2平面部55Aの下面から上面までの厚さ寸法T2と、が等しい。この構成によれば、各ワイヤとの熱圧着時に各平面部の下面が第1鍔部21に接触した場合でも、各平面部の厚さ寸法が同じであるため、圧着時の荷重が偏らない。
【0070】
(7)上記実施形態では、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第3傾斜部65Bに重なっている。下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、第4傾斜部75Bに重なっている。そのため、第2鍔部31に取り付けられた第3金属端子60及び第4金属端子70においても各ワイヤの接合において(1)と同様の効果を奏する。
【0071】
(8)上記実施形態では、各平面部の上面の面積が等しい。そのため、金属端子毎に、各平面部に各ワイヤの端部を熱圧着する際の荷重の設定を変更せずとも、熱圧着が可能である。その結果、コイル部品10の製造時に、工程が複雑化することを抑制できる。
【0072】
(9)上記実施形態では、第1傾斜部45Bの最も上方向Y1側に位置する箇所から最も下方向Y2に位置する箇所までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第1ワイヤ81の外径に比べて大きい。この構成によれば、第1傾斜部45Bの下方向Y2側において、第1ワイヤ81の外径が保たれる。そのため、第1接合部45と、第1接合部45外との境界で第1ワイヤ81が断線することをより確実に抑制できる。この点、各金属端子においても同様の効果を奏する。
【0073】
<変更例>
上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0074】
・上記実施形態において、コイル部品10の構成は限定されない。例えば、コイル部品10は、板コア10Fを省略可能である。また、第1鍔部21及び第2鍔部31の形状は、上記実施形態の形状に限定されない。例えば、第1鍔部21は、突出部23を省略可能である。
【0075】
・上記実施形態において、巻芯部11の形状は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、巻芯部11の形状は、楕円柱状でもよいし、四角柱状以外の多角柱状でもよい。
・上記実施形態において、各ワイヤの形状は、上記実施形態の例に限定されない。各ワイヤが延びる方向に直交する断面で断面視したとき、当該ワイヤの形状は、円以外の楕円形状でもよいし、多角形状でもよい。
【0076】
・上記実施形態において、各ワイヤの外径は、特に限定されない。
・上記実施形態において、ドラムコア10C、及び板コア10Fの材質は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、ドラムコア10C、及び板コア10Fの材質は、Ni-Zn系のフェライトに限らず、Mn-Zn系フェライトのであってもよい。また、ドラムコア10C、及び板コア10Fの材質は、フェライト、アルミナ、合成樹脂、及びこれらの混合物等であってもよい。
【0077】
・上記実施形態において、板コア10Fの形状は、長方形の板状に限定されない。例えば、板コア10Fは、楕円形板状等であってもよい。
・上記実施形態において、第1金属端子40の形状は上記実施形態の例に限定されない。第1金属端子40が、第1鍔部21の上面と向かい合う第1接合部45を有していればよい。この点、各金属端子についても同様である。具体的には、例えば、第1金属端子40は、第1接着部及び第1連結部を有していなくてもよい。この場合、第1接合部45または第1実装部43または第1延伸部44、または、そのいずれか複数によって、第1金属端子40は第1鍔部21に固定される。
【0078】
・上記実施形態において、第1金属端子40は、第1実装部43と第1接合部45とが、上下軸Yにおいて同一高さにあってもよい。さらに、この場合、第1実装部43と第1延伸部44と第1接合部45とが面一になっていてもよい。
【0079】
・上記実施形態において、第1接合部45は、第1鍔部21の上面に対して離れていてもよい。また、第1接合部45は、接着剤などにより第1鍔部21に固定されていてもよい。この点、第2接合部55~第4接合部75についても同様である。
【0080】
・上記実施形態において、第1平面部45Aと第1傾斜部45Bとの間に明確な稜線が生じていなくてもよい。すなわち、第1接合部45の上面は、曲面となる箇所を有していてもよい。また、第1傾斜部45Bの上面は、平面に限らず曲面になっていてもよい。この点、第2接合部55~第4接合部75についても同様である。
【0081】
・上記実施形態において、第1接合部45は、第1平面部45Aを有していなくてもよい。例えば、図5に示す例では、第1接合部45全体が、第1傾斜部45Bになっている。この場合、第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1傾斜部45Bの上面に接合されていればよい。また、図5に示す例では、第2接合部55全体が、第2傾斜部55Bになっている。第3接合部65全体が、第3傾斜部65Bになっている。第4接合部75全体が、第4傾斜部75Bになっている。
【0082】
・上記実施形態において、第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1平面部45Aの上面及び第1傾斜部45Bの上面の両方に接合されていなくてもよい。すなわち、第1ワイヤ81の第1端81Aは、第1平面部45Aの上面または第1傾斜部45Bのいずれか一方の上面にのみに接合されていてもよい。この点、第2接合部55~第4接合部75についても同様である。
【0083】
・上記実施形態において、第1傾斜部45Bにおいて、上面が左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜していれば、第1傾斜部45Bの途中で斜度、及び曲率が変更されていてもよい。この点、第2傾斜部55B~第4傾斜部75Bにおいても同様で、傾斜部の途中で斜度、及び曲率が変更されていてもよい。
【0084】
・上記実施形態において、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第1傾斜端45Cに重なっていなくてもよい。すなわち、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第1傾斜部45Bにおける中心軸Xに沿う方向において第2鍔部31側の端を通っていてもよい。この場合でも、第1ワイヤ81のうち第1傾斜部45Bと重なっている部分においては、第1ワイヤ81の第1端81Aが過度に潰されることは防げる。この点、他傾斜端も同様で、下方向Y2を向いて視たとき、各ワイヤは、各傾斜端上に重なっていなくてもよい。
【0085】
・上記実施形態において、第1接合部45が第1傾斜部45Bを有していれば、第2接合部55は、第2傾斜部55Bを有していなくてもよい。第3接合部65は、第3傾斜部65Bを有していなくてもよい。また、第4接合部75は、第4傾斜部75Bを有していなくてもよい。
【0086】
・上記実施形態において、上下軸Yに沿う方向において、第1鍔部21の上面から第1平面部45Aまでの最短距離と、上下軸Yに沿う方向において、第1鍔部21の上面から第2平面部55Aまでの最短距離と、が等しくなくてもよい。なお、各鍔部の上面から各平面部までの最短距離が異なっていてもよい。
【0087】
・上記実施形態において、上下軸Yに沿う方向における第1平面部45Aの下面から上面までの厚さ寸法T1と、上下軸Yに沿う方向における第2平面部55Aの下面から上面までの厚さ寸法T2と、が等しくなくてもよい。なお、各平面部の厚さ寸法が異なっていてもよい。
【0088】
・上記実施形態において、各金属端子における平面部の面積が異なっていてもよい。
・上記実施形態において、第1傾斜部45Bの上面において、最も上方向Y1側に位置する箇所から最も下方向Y2に位置する箇所までの上下軸Yに沿う方向の寸法は、第1ワイヤ81の外径に比べて小さくてもよい。この点、他の傾斜部においても同様である。
【0089】
・上記実施形態において、第2金属端子50の第2傾斜部55Bは、左右軸Zに沿う方向において第2平面部55Aに隣接していてもよい。図4に示す例では、第2金属端子50は、第1鍔部21の上面と向かい合う第2接合部55を有している。第2接合部55は、第2平面部55Aと、第2傾斜部55Bとを有している。第2傾斜部55Bは、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11側で第2平面部55Aに隣り合っている。第2傾斜部55Bの上面は、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜している。図4に示す例では、第2ワイヤ91の第1端91Aは、第2接合部55のうちの第2平面部55Aの上面に接合されており、且つ、下方向Y2を向いて視たとき、第2ワイヤ91は、第2傾斜部55Bに重なっている。
【0090】
また、図4に示す例では、第3金属端子60は、第2鍔部31の上面と向かい合う第3接合部65を有している。第3接合部65は、第3平面部65Aと、第3傾斜部65Bとを有している。第3傾斜部65Bは、左右軸Zに沿う方向において第3平面部65Aに対して巻芯部11側に位置している。第3傾斜部65Bの上面は、左右軸Zに沿う方向において巻芯部11に向かうほど下方向Y2に向かうように傾斜している。図4に示す例では、第1ワイヤ81の第2端81Bは、第3接合部65のうちの第3平面部65Aの上面に接合されており、且つ、下方向Y2を向いて視たとき、第1ワイヤ81は、第3傾斜部65Bに重なっている。
【0091】
上記の図4に示す例では、巻芯部11から第2金属端子50に向かって引き出される第2ワイヤ91の方向に応じて、第2傾斜部55Bが位置している。すなわち、図4に示す例においても、第2金属端子50を含む各金属端子において上記実施形態の(1)に記載の効果が得られる。
【0092】
<付記>
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
[1]柱状の巻芯部、及び前記巻芯部の中心軸に沿う方向の第1端に設けられた第1鍔部、前記巻芯部の第1端とは反対側の第2端に設けられた第2鍔部を有するドラムコアと、前記第1鍔部に設けられた第1金属端子と、前記巻芯部に巻回され、第1端及び当該第1端と反対側の第2端を有する第1ワイヤと、を備え、前記第1鍔部は、前記中心軸に沿う方向から視たときに、前記中心軸に直交する上下軸に沿う方向において前記巻芯部に対して外側に張り出しており、前記上下軸及び前記中心軸の双方に直交する軸を左右軸とし、前記上下軸に沿う方向のうちの一方を上方向、前記上方向と反対方向を下方向としたとき、前記第1金属端子は、第1接合部を有しており、前記第1接合部の下面は、前記第1鍔部の上面と向かい合っており、前記第1接合部は、第1傾斜部を有しており、当該第1傾斜部の上面は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、前記第1ワイヤの第1端は、前記第1接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第1傾斜部に重なっているコイル部品。
【0093】
[2]前記第1接合部は、第1平面部をさらに有しており、当該第1平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、前記第1傾斜部は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部側で前記第1平面部に隣接している[1]に記載のコイル部品。
【0094】
[3]前記第1ワイヤの第1端は、前記第1平面部においてのみ接合されている[2]に記載のコイル部品。
[4]前記第1ワイヤの第1端は、前記第1傾斜部においてのみ接合されている[2]に記載のコイル部品。
【0095】
[5]前記第1ワイヤの第1端は、前記第1傾斜部及び前記第1平面部に接合されている[2]に記載のコイル部品。
[6]前記第1鍔部のうちの、前記左右軸に沿う方向において前記第1金属端子に対して前記中心軸を挟んで反対側の部分に設けられた第2金属端子と、前記巻芯部に巻回され、第1端と当該第1端と反対側の第2端を有する第2ワイヤと、をさらに備え、前記第2金属端子は、前記第1鍔部の上面と向かい合う第2接合部を有しており、前記第2接合部は、第2平面部と、前記中心軸に沿う方向において前記第2鍔部側で前記第2平面部に隣接する第2傾斜部と、を有し、前記第2平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、前記第2傾斜部の上面は、前記中心軸に沿う方向において前記第2鍔部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、前記第2ワイヤの第1端は、前記第2接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第2ワイヤは、前記第2傾斜部に重なっている[2]~[5]のいずれか一つに記載のコイル部品。
【0096】
[7]前記第1鍔部のうちの、前記左右軸に沿う方向において前記第1金属端子に対して前記中心軸を挟んで反対側の部分に設けられた第2金属端子と、前記巻芯部に巻回され、第1端と当該第1端と反対側の第2端を有する第2ワイヤと、をさらに備え、前記第2金属端子は、前記第1鍔部の上面と向かい合う第2接合部を有しており、前記第2接合部は、第2平面部と、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部側で前記第2平面部に隣接する第2傾斜部と、を有し、前記第2平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、前記第2傾斜部の上面は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、前記第2ワイヤの第1端は、前記第2接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第2ワイヤは、前記第2傾斜部に重なっている[2]~[5]のいずれか一つに記載のコイル部品。
【0097】
[8]前記第1平面部の上面の面積と、前記第2平面部の上面の面積と、が等しい[6]又は[7]に記載のコイル部品。
[9]前記上下軸に沿う方向において、前記第1鍔部の上面から前記第1平面部までの最短距離と、前記上下軸に沿う方向において、前記第1鍔部の上面から前記第2平面部までの最短距離と、が等しい[6]~[8]のいずれか一つに記載のコイル部品。
【0098】
[10]前記上下軸に沿う方向における前記第1平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、前記上下軸に沿う方向における前記第2平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、が等しい[9]に記載のコイル部品。
【0099】
[11]前記第2鍔部に設けられ、前記中心軸に沿う方向において、前記第1金属端子と向かい合う第3金属端子と、前記第2鍔部に設けられ、前記中心軸に沿う方向において、前記第2金属端子と向かい合う第4金属端子と、をさらに備え、前記第2鍔部は、前記中心軸に沿う方向から視たときに、前記上下軸に沿う方向において前記巻芯部に対して外側に張り出しており、前記第3金属端子は、前記第2鍔部の上面と向かい合う第3接合部を有しており、前記第3接合部は、第3平面部と、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部側で前記第3平面部に隣接する第3傾斜部と、を有し、前記第3平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、前記第3傾斜部の上面は、前記中心軸に沿う方向において前記第1鍔部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、前記第4金属端子は、前記第2鍔部の上面と向かい合う第4接合部を有しており、前記第4接合部は、第4平面部と、前記中心軸に沿う方向において前記第1鍔部側で前記第4平面部に隣接する第4傾斜部と、を有し、前記第4平面部の上面は、前記上下軸に直交しており、前記第4傾斜部の上面は、前記左右軸に沿う方向において前記巻芯部に向かうほど前記下方向に向かうように傾斜しており、前記第1ワイヤの第2端は、前記第3接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第3傾斜部に重なっており、前記第2ワイヤの第2端は、前記第4接合部の上面に接合されており、且つ、前記下方向を向いて視たとき、前記第2ワイヤは、前記第4傾斜部に重なっている[6]~[10]のいずれか一つに記載のコイル部品。
【0100】
[12]前記第1平面部の上面の面積と、前記第2平面部の上面の面積と、前記第3平面部の上面の面積と、前記第4平面部の上面の面積と、が等しい[11]に記載のコイル部品。
【0101】
[13]前記上下軸に沿う方向における前記第1平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、前記上下軸に沿う方向における前記第2平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、前記上下軸に沿う方向における前記第3平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、前記上下軸に沿う方向における前記第4平面部の下面から上面までの厚さ寸法と、が等しい[11]又は[12]に記載のコイル部品。
【0102】
[14]前記第1傾斜部は、前記左右軸に沿う方向における前記第1接合部の前記巻芯部側の端である第1傾斜端にまで至っており、前記下方向を向いて視たとき、前記第1ワイヤは、前記第1傾斜端に重なっている[1]~[13]のいずれか一つに記載のコイル部品。
【0103】
[15]前記第1傾斜部の上面において、最も前記上方向側に位置する箇所から最も前記下方向に位置する箇所までの前記上下軸に沿う方向の寸法は、前記第1ワイヤの外径に比べて大きい[1]~[14]のいずれか一つに記載のコイル部品。
【符号の説明】
【0104】
10…コイル部品
10C…ドラムコア
11…巻芯部
21…第1鍔部
31…第2鍔部
40…第1金属端子
45…第1接合部
45A…第1平面部
45B…第1傾斜部
50…第2金属端子
55…第2接合部
55A…第2平面部
55B…第2傾斜部
60…第3金属端子
65…第3接合部
65A…第3平面部
65B…第3傾斜部
70…第4金属端子
75…第4接合部
75A…第4平面部
75B…第4傾斜部
81…第1ワイヤ
91…第2ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5