(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011587
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】トロエレベータ
(51)【国際特許分類】
A21C 9/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A21C9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113780
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000177298
【氏名又は名称】三鈴工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 仁
【テーマコード(参考)】
4B031
【Fターム(参考)】
4B031CA09
4B031CL09
4B031CL20
4B031CM02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検知センサーの作動により、実際に容器ホルダが傾く前に、容器ホルダの昇降を停止する。
【解決手段】縦方向に平行に設けた縦フレーム11と、被収納物を収納するパン生地用容器(ドウボックス)31と、縦フレーム11間で、パン生地用容器(ドウボックス)31を保持する容器ホルダ32と、縦フレーム11にそれぞれ設け、軸回転により容器ホルダ32を昇降する回転軸(スクリュー)12と、容器ホルダ32の傾斜を検知し、警告を伝送する検知センサー41と、を備え、検知センサー41は、それぞれの回転軸(スクリュー)12の回転を検出し、回転軸(スクリュー)12の回転検出が、どちらかだけになったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する、ことを特徴とするトロエレベータ。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に平行に設けた縦フレームと、
被収納物を収納するパン生地用容器(ドウボックス)と、
縦フレーム間で、パン生地用容器(ドウボックス)を保持する容器ホルダと、
縦フレームにそれぞれ設け、軸回転により容器ホルダを昇降する回転軸と、
容器ホルダの傾斜を検知し、警告を伝送する検知センサー
を備えることを特徴とするトロエレベータ。
【請求項2】
回転軸の回転を検出し、
回転軸の回転検出ができなくなったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する検知センサー
を備えることを特徴とする請求項1記載のトロエレベータ。
【請求項3】
それぞれの回転軸の回転を検出し、
回転軸の回転検出が、どちらかだけになったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する検知センサー
を備えることを特徴とする請求項1記載のトロエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトロエレベータに係る。詳細には、トロエレベータ安全装置にかかる。更に詳細には、パン生地(ドウ)はパン生地用容器(ドウボックス)に収納して搬送するが、パン生地用容器を昇降するに使用する容器ホルダ(昇降台)を昇降するトロエレベータにおいて、容器ホルダの傾きを検知し、トロエレベータの駆動を停止するトロエレベータの安全装置に係る。
【背景技術】
【0002】
動力伝達部を構成する部品が損傷等した際に容器ホルダの昇降を停止させることで、部品の損傷等を迅速に把握でき且つ重大な人身事故の発生を防止するとされるリフターとして、特許文献1記載発明が知られている。
同発明は、「左右のコラムと、左右の前記コラムの間に配置されて容器を保持する容器ホルダと、を備え、左右の前記コラムには、スクリューシャフトが回転可能に設けられており、前記スクリューシャフトには、前記容器ホルダに連結されるスクリューナットが螺合されており、動力伝達部により1つのモータの動力を左右の前記コラムの各前記スクリューシャフトに伝達して各前記スクリューシャフトの回転により前記容器ホルダを昇降させるリフターであって、
前記容器ホルダの側面には、ボスが設けられており、
前記スクリューナットに取り付けられるナットハウジングの外周面には、前記ボスの中心孔に嵌入される支持軸が設けられており、
前記ボスに対する前記支持軸の嵌入長さが80~120mmであり、
前記動力伝達部を構成する部品が損傷した際に左右の前記コラムにおいて一方の前記スクリューシャフトのみに前記モータの動力が伝達される状況において、前記容器ホルダが水平に対して傾いた状態で停止されることを特徴とするリフター。」からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載発明に係るリフターでは、容器ホルダが水平に対して傾いた状態で停止する。すなわち、容器ホルダが水平に対して傾かないと停止しなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のトロエレベータは、
縦方向に平行に設けた縦フレームと、
被収納物を収納するパン生地用容器(ドウボックス)と、
縦フレーム間で、パン生地用容器(ドウボックス)を保持する容器ホルダと、
縦フレームにそれぞれ設け、軸回転により容器ホルダを昇降する回転軸(スクリュー)と、
容器ホルダの傾斜を検知し、警告を伝送する検知センサー
を備える。
【0006】
この発明のトロエレベータは、更に、
回転軸(スクリュー)の回転を検出し、
回転軸の回転検出ができなくなったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する検知センサー
を備える。
【0007】
この発明のトロエレベータは、更に、
それぞれの回転軸の回転を検出し、
回転軸の回転検出が、どちらかだけになったら、容器ホルダ(昇降台)の傾斜と検知し、警告を伝送する検知センサー
を備える。
【発明の効果】
【0008】
検知センサーの作動により、実際に容器ホルダが傾く前に、すなわち、容器ホルダが水平に対して傾いた状態で停止する前に、容器ホルダの昇降を停止する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態に構成されたトロエレベータの正面図である。
【
図2】この発明の実施の形態に構成されたトロエレベータの左側面図である。
【
図3】この発明の実施の形態に構成されたトロエレベータの右側面図である。
【
図4】この発明の実施の形態に構成されたトロエレベータの平面図である。
【
図5】この発明の実施の形態に係るトロエレベータの正面図である。
【
図6】この発明の実施の形態に係るトロエレベータの
図5の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面にしたがって、この発明の実施例について説明する。
Aは、この発明の実施例に係るトロエレベータである。
11は、縦フレームである。縦フレーム11は、コラムともいう。縦フレーム11は、2本からなり、相互に平行に垂直に立て、例えば食品工場内のパン生地(ドウ)搬送ラインに設置する。12は、回転軸(スクリュー)である。回転軸(スクリュー)12は、縦フレーム11内を上下に貫通させる。
21は、横フレームである。横フレーム21は、縦フレーム11間を上部で連結する。
【0011】
22は、モータである。モータ22は、横フレーム21の一方の端部に設置する。23はベベルギアボックス、24はチェンカップリング、25は駆動軸である。駆動軸25は、ベベルギアからなる。
ベベルギアボックス23、チェンカップリング24は、図示するように、順次モータ22に隣接して横フレーム21に設置する。
駆動軸25は、両方のベベルギアボックス23、チェンカップリング24間に設ける。
チェンカップリング24は、回転軸(スクリュー)12両軸を回している連結部を構成する。
【0012】
26は、フランジカップリング、27はカムボックスである。
カムボックス27内に、昇降台である容器ホルダ32、を停止必要箇所で停止させるためのリミットスイッチ13及びカムが内臓されている。カムボックス27は、上昇端、上昇中間、下降端、下降中間の4箇所をそれぞれ検出して、昇降台である容器ホルダ32の停止位置検出をおこなう。
フランジカップリング26は、ベベルギアボックス23出力軸と回転軸(スクリュー)12を接続しベベルギアボックス23からの動力を回転軸(スクリュー)12に伝達する。
【0013】
モータ22の駆動は、ベベルギアボックス23に伝えられ、チェンカップリング24、ベベルギアである駆動軸25に伝わる。駆動軸25に伝わった駆動は、もう一方のチェンカップリング24、ベベルギアボックス23に伝わる。
【0014】
リミットスイッチ13は、図示するように、縦フレーム11のうちの片方に横フレーム21より下部で、縦フレーム11としては上部に設ける。リミットスイッチ13は、上昇端オーバーランを検知する。
リミットスイッチ13は、オーバーランリミットスイッチともいい、昇降台である容器ホルダ32が何らかのトラブルで上昇端位置にて停止しなかった場合の安全を図り、リミットスイッチ13で昇降台を停止させる。
【0015】
左右の2本の縦フレーム(コラム)11内部には、スクリューネジ軸からなる回転軸12を設ける。この実施例では、回転軸(スクリュー)12は、回転可能なスクリューシャフト(主軸又は雄ネジ)からなる。スクリューシャフトは、主軸又は雄ネジでもある。回転軸(スクリュー)12は、それぞれ上部で、ベベルギアボックス23に取付けられ、モータ22からの駆動により回転する。
スクリューシャフトである回転軸12の回転により容器ホルダ32を昇降させる。両方の回転軸12を回転させることで、容器ホルダ32を昇降させる。
【0016】
31は、パン生地用容器(ドウボックス)である。パン生地用容器(ドウボックス)31は、被収納物であるパン生地(ドウ)を収納し搬送するためのパン生地用の容器である。
【0017】
パン生地用容器(ドウボックス)31には、2本の縦フレーム11間で、容器を保持する容器ホルダ(昇降台)32を設ける。容器ホルダ32は、左右の縦フレーム11間に配置されて容器を保持する。
33は、ドウボックスホルダーである。ドウボックスホルダー33は、昇降台が昇降する際、昇降台に収容されているドウボックスが、ずれ落ちることを防止する。
両軸に容器ホルダ32両端部をそれぞれ取り付ける。
両軸に容器ホルダ32を取り付け、両軸を回転させることで、容器ホルダ32を昇降させている。
【0018】
検知センサー41は、
図6に図示するように、左右縦フレーム11下部にそれぞれ1個設置する。
検知センサー41は、回転軸(スクリュー)12の回転の有無を検出する。検知センサー41は、回転軸(スクリュー)12の回転の有無を検出することで、容器ホルダ32の傾斜を検知し、警告を伝送する。
検知センサー41は、回転軸(スクリュー)12の回転検出ができなくなったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する。
検知センサー41は、2本の回転軸(スクリュー)12の回転検出が、どちらかだけになったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する。すなわち、検知センサー41が2本の回転軸(スクリュー)12両軸の回転を感知するときは、正常に回転軸(スクリュー)12が作動していると判断し、2本の回転軸(スクリュー)12両軸とも回転を感知しないときは、両軸とも作動停止していると判断する。
【0019】
51は、ホッパーである。昇降台に収容されたパン生地用容器(ドウボックス)31が上昇、転倒しパン生地用容器(ドウボックス)31内のドウが流れ落ち、ホッパーを介しミキサー52に投入される。
ミキサー52では、流れ落ちたドウを攪拌する。
【0020】
検知センサー41は、ドウを注入されたパン生地用容器(ドウボックス)31が、容器ホルダ32に取り付けられて、上方に移動する間、回転軸(スクリュー)12の回転の有無を検出することで、容器ホルダ32の傾斜を検知し、警告を伝送する。
検知センサー41は、回転軸(スクリュー)12のどちらかの回転検出ができなくなったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する。検知センサー41は、回転軸(スクリュー)12の回転検出が、どちらかだけになったら、容器ホルダの傾斜と検知し、警告を伝送する。
検知センサー41は、容器ホルダ32の傾斜を検知し、警告を伝送する。
【0021】
カップリング26、ベベルギアボックス23、スクリュー12等が破壊し、スクリュー12の回転検出ができなくなったら、容器ホルダ32の傾斜を検知し、警告を伝送し、モータを非常停止させ、二次的被害を防止する。
特に、駆動、従動側、どちらかだけになったら、容器ホルダ32の傾斜を検知し、警告を伝送し、モータを非常停止させ、二次的被害を防止する。
昇降台である容器ホルダ32の起動指令中、スクリュー12の回転が検出されなかった場合、起動指令を切ってモータを停止させる。
そのため、この発明の実施例では、検知センサー41により、容器ホルダ32が傾く前に停止する。
【符号の説明】
【0022】
11 縦フレーム
12 回転軸(スクリュー)
31 パン生地用容器(ドウボックス)
32 容器ホルダ
41 検知センサー