IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-高圧コネクタ 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011602
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】高圧コネクタ
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20250117BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20250117BHJP
【FI】
B60K1/00 ZHV
B60K6/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113807
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内岡 勇介
【テーマコード(参考)】
3D202
3D235
【Fターム(参考)】
3D202EE23
3D235AA02
3D235BB03
3D235CC12
3D235DD12
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH22
(57)【要約】
【課題】車両の衝突時に高圧コネクタに接続された高圧ケーブルが損傷するのを抑制することができる高圧コネクタを提供すること。
【解決手段】車両に搭載された電気機器と高圧ケーブルとを電気的に接続するための高圧コネクタであって、高圧コネクタは、車両の前後方向に延在し電気機器の上面と対向する第1コネクタ部と、車両の高さ方向に延在し電気機器の背面と対向する第2コネクタ部とによって、略L字形状に構成されており、第2コネクタ部の高さ方向で下側の端面から下側に向かって高圧ケーブルを出すように構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された電気機器と高圧ケーブルとを電気的に接続するための高圧コネクタであって、
前記高圧コネクタは、前記車両の前後方向に延在し前記電気機器の上面と対向する第1コネクタ部と、前記車両の高さ方向に延在し前記電気機器の背面と対向する第2コネクタ部とによって、略L字形状に構成されており、
前記第2コネクタ部の前記高さ方向で下側の端面から下側に向かって前記高圧ケーブルを出すように構成したことを特徴とする高圧コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動車両のパワーユニットの側部に設けられた高圧コネクタに対して、車両前後方向及び車両上方側からの衝撃を吸収することが可能なコネクタ保護構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-49943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の高圧コネクタでは、高圧ケーブルが後ろ向きに出ていくようになっているため、車両の衝突時に高圧コネクタの首下の部分がブレーキ装置やダッシュパネルなどの干渉物と干渉して、高圧ケーブルが損傷するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両の衝突時に高圧コネクタに接続された高圧ケーブルが損傷するのを抑制することができる高圧コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る高圧コネクタは、車両に搭載された電気機器と高圧ケーブルとを電気的に接続するための高圧コネクタであって、前記高圧コネクタは、前記車両の前後方向に延在し前記電気機器の上面と対向する第1コネクタ部と、前記車両の高さ方向に延在し前記電気機器の背面と対向する第2コネクタ部とによって、略L字形状に構成されており、前記第2コネクタ部の前記高さ方向で下側の端面から下側に向かって前記高圧ケーブルを出すように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る高圧コネクタは、車両の衝突時に高圧コネクタに接続された高圧ケーブルが損傷するのを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るた高圧コネクタをPCUに組み付けた状態の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る高圧コネクタの実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係る高圧コネクタ3をPCU1に組み付けた状態の一例を示した図である。実施形態に係る高圧コネクタ3は、車両に搭載された電気機器であるPCU(Power Control Unit)1と高圧ケーブル4との電気的に接続するために用いられる。高圧コネクタ3は、高圧ケーブル4の一端側で高圧ケーブル4と電気的に接続されて設けられている。高圧ケーブル4の他端側は、車両に搭載された蓄電装置である高圧バッテリと電気的に接続されている。車両は、回転電機であるモータと、高圧バッテリからモータに供給される電力を制御する電力制御装置であるPCU1と、モータ及びPCU1を同一空間内に配置されるエンジンコンパートメントと、を備えている。また、実施形態に係るハイブリッド車両においては、モータ及びトランスアクスルなどを収容するトランスアクスルケース2が、エンジンコンパートメント内に配置されている。
【0011】
モータは、電動機及び発電機として機能することが可能な回転電機である。PCU1は、インバータ、制御基板、及び、インバータ及び制御基板を収容するケースなどによって構成されている。PCU1は、トランスアクスルケース2の上面に取り付けられて機電一体で構成されている。なお、前記電気機器としては、PCU1に限らず、例えば、インバータなどであってもよい。トランスアクスルは、モータと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置であって、モータから出力された動力を駆動輪に伝達する。トランスアクスルは、例えば、変速機やデファレンシャルギヤ機構などを含んで構成されている。エンジンコンパートメントは、車両の走行中に前方からの空気が流入可能な空間である。
【0012】
高圧コネクタ3は、車両前後方向に延在しPCU上面1aと対向する第1コネクタ部3aと、車両の高さ方向に延在しPCU背面1bと対向する第2コネクタ部3bとによって略L字形状に構成されている。なお、PCU背面1bは、PCU1における車両前後方向で後ろ側の面である。第1コネクタ部3aの車両前後方向で前側の端部には、PCU上面1aに設けられたPCU側端子と嵌合して電気的に接続されるコネクタ側端子が設けられている。第1コネクタ部3aの車両前後方向で後ろ側の端部は、第2コネクタ部3bの前記高さ方向で上側の端部と一体で接続されている。第2コネクタ部3bの高さ方向で下側の端面からは、高圧コネクタ3の内部でコネクタ側端子と電気的に接続された高圧ケーブル4が、前記高さ方向で下側に向かって出ている。
【0013】
実施形態に係る高圧コネクタ3においては、第1コネクタ部3aとPCU上面1aとが接触し、第2コネクタ部3bとPCU背面1bとが接触している。なお、第1コネクタ部3aとPCU上面1a、または、第2コネクタ部3bとPCU背面1b、の少なくとも一方が接触していなくてもよい。すなわち、実施形態に係る高圧コネクタ3は、第1コネクタ部3aと第2コネクタ部3bとがPCU上面1aとPCU背面1bとに沿うような略L字形状に構成されていれば良い。実施形態に係る高圧コネクタ3においては、PCU上面1aとPCU背面1bとに沿うような略L字形状であることによって、PCU側端子とコネクタ側端子とを電気的に接続するためのPCU1に対する高圧コネクタ3の組み付け作業時に組み付け易くすることができる。
【0014】
また、実施形態に係る高圧コネクタ3においては、第2コネクタ部3bの高さ方向で下側の端面から下側に向かって高圧ケーブル4が出ている。これにより、車両の前方からの衝突時に、高圧コネクタ3の車両後方に配置された後方部品であるブレーキ装置やダッシュパネルなどの干渉物5と高圧ケーブル4との干渉を回避することができる。また、車両の前方からの衝突時に、PCU1と干渉物5とによって高圧ケーブル4が挟まれるのを抑制することができる。
【0015】
実施形態に係る高圧コネクタ3は、車両の衝突時に干渉物5と高圧コネクタ3とが干渉した際に、高圧コネクタ3における干渉物5との干渉部分の損傷を抑制可能な強度設計を行っている。例えば、高圧コネクタ3は、アルミダイキャスト製とし、高圧コネクタ3を構成する筐体の肉厚を厚くしたり、前記筐体内にリブなどの補強部材を設けたりして強度を高める。
【0016】
以上のように、実施形態に係る高圧コネクタ3においては、高圧コネクタ3に接続された高圧ケーブル4が、車両の衝突時にブレーキ装置やダッシュパネルなどの干渉物5と干渉して損傷するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 PCU
2 トランスアクスルケース
3 高圧コネクタ
4 高圧ケーブル
5 干渉物
図1