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特開2025-11624情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011624
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20250117BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113847
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛
(72)【発明者】
【氏名】森 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】杉原 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】池松 貴史
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA05
3C100AA29
3C100AA65
3C100AA68
3C100BB13
3C100BB29
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】製造設備の設計データに基づいて、消費電力を算出できる仕組みを提供する。
【解決手段】電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出する情報処理システムが提供される。情報処理システムは、設計データに含まれる電動機器に対する動作指令に基づいて、電動機器の動作プロファイルを算出するエミュレータと、動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うシミュレータと、物理シミュレーションの結果に基づいて、電動機器の消費電力を算出する算出部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出する情報処理システムであって、
前記設計データに含まれる前記電動機器に対する動作指令に基づいて、前記電動機器の動作プロファイルを算出するエミュレータと、
前記動作プロファイルに基づいて、前記電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うシミュレータと、
前記物理シミュレーションの結果に基づいて、前記電動機器の消費電力を算出する算出部とを備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記物理シミュレーションの結果は、前記電動機器に生じる負荷の時系列データを含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記電動機器の消費電力として、タクトにおける消費電力の時系列データを算出する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記電動機器の消費電力の累積値である消費電力量から温室効果ガスの排出量を算出する換算部をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記エミュレータは、前記電動機器の機種に固有の情報に基づいて、前記動作プロファイルを算出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記算出部は、前記電動機器の機種に対応する制御モデルおよび機構特性モデルを参照して、前記電動機器で必要な電圧の時系列データおよび電流の時系列データを算出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記算出部は、前記電動機器の機種に対応する電気系モデルが規定する回生特性に基づいて、前記電圧の時系列データおよび前記電流の時系列データから前記電動機器の消費電力を算出する、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記算出された電動機器の消費電力および前記算出された電動機器の消費電力に基づく情報の少なくとも一方を含むユーザインターフェイス画面を提供するユーザインターフェイス部をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記ユーザインターフェイス画面は、前記電動機器を表現するオブジェクトを含む、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出するための情報処理プログラムであって、前記情報処理プログラムはコンピュータに、
前記設計データに含まれる前記電動機器に対する動作指令に基づいて、前記電動機器の動作プロファイルを算出するステップと、
前記動作プロファイルに基づいて、前記電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うステップと、
前記物理シミュレーションの結果に基づいて、前記電動機器の消費電力を算出するステップとを実行させる、情報処理プログラム。
【請求項11】
電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出する情報処理方法であって、
前記設計データに含まれる前記電動機器に対する動作指令に基づいて、前記電動機器の動作プロファイルを算出するステップと、
前記動作プロファイルに基づいて、前記電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うステップと、
前記物理シミュレーションの結果に基づいて、前記電動機器の消費電力を算出するステップとを備える、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンフットプリント(CFP:Carbon Footprint of Products)は、商品やサービスのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を意味している。近年、カーボンフットプリントを管理する仕組みの実現が要求されている。例えば、特開2010-191832号公報(特許文献1)は、製品単位でその生産にかかわる温室効果ガス排出を把握できるカーボントレーサビリティ管理システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-191832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、製造設備を設計するにあたって、温室効果ガスの排出量についても評価する必要がある。上述の先行技術に開示されるシステムは、現実に存在する製造設備から収集される情報に基づいて温室効果ガスの排出量を算出するものであるが、設計段階において、温室効果ガスの排出量を算出することはできない。
【0005】
本発明は、製造設備の設計データに基づいて、消費電力を算出できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施の形態に従えば、電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出する情報処理システムが提供される。情報処理システムは、設計データに含まれる電動機器に対する動作指令に基づいて、電動機器の動作プロファイルを算出するエミュレータと、動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うシミュレータと、物理シミュレーションの結果に基づいて、電動機器の消費電力を算出する算出部とを含む。
【0007】
この構成によれば、エミュレータによって算出された電動機器の動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うことで、電動機器の消費電力をより正確に算出できる。
【0008】
物理シミュレーションの結果は、電動機器に生じる負荷の時系列データを含んでいてもよい。この構成によれば、電動機器の消費電力量をより正確に算出できる。
【0009】
算出部は、電動機器の消費電力として、タクトにおける消費電力の時系列データを算出されてもよい。この構成によれば、タクトの単位で消費電力または消費電力量を評価できる。
【0010】
情報処理システムは、電動機器の消費電力の累積値である消費電力量から温室効果ガスの排出量を算出する換算部をさらに含んでいてもよい。この構成によれば、製造設備の設計データに基づいて、温室効果ガスの排出量を算出できる。
【0011】
エミュレータは、電動機器の機種に固有の情報に基づいて、動作プロファイルを算出してもよい。この構成によれば、電動機器の機種に応じて、動作プロファイルをより正確に算出できる。
【0012】
算出部は、電動機器の機種に対応する制御モデルおよび機構特性モデルを参照して、電動機器で必要な電圧の時系列データおよび電流の時系列データを算出してもよい。この構成によれば、電動機器の挙動に対応する電圧および電流の時系列データを算出できる。
【0013】
算出部は、電動機器の機種に対応する電気系モデルが規定する回生特性に基づいて、電圧の時系列データおよび電流の時系列データから電動機器の消費電力を算出してもよい。この構成によれば、電動機器の挙動に応じて生じ得る電力回生も考慮して、電動機器の消費電力をより正確に算出できる。
【0014】
情報処理システムは、算出された電動機器の消費電力および算出された電動機器の消費電力に基づく情報の少なくとも一方を含むユーザインターフェイス画面を提供するユーザインターフェイス部をさらに含んでいてもよい。この構成によれば、ユーザに対して、電動機器の消費電力および/または電動機器の消費電力に基づく情報を視覚的に提供できる。
【0015】
ユーザインターフェイス画面は、電動機器を表現するオブジェクトを含んでいてもよい。この構成によれば、ユーザに対して、算出される消費電力に対応する電動機器の情報を視覚的に提供できる。
【0016】
別の実施の形態に従えば、電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出するための情報処理プログラムが提供される。情報処理プログラムは、コンピュータに、設計データに含まれる電動機器に対する動作指令に基づいて、電動機器の動作プロファイルを算出するステップと、動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うステップと、物理シミュレーションの結果に基づいて、電動機器の消費電力を算出するステップとを実行させる。
【0017】
さらに別の実施の形態に従えば、電動機器を含む製造設備の設計データに基づいて消費電力を算出する情報処理方法が提供される。情報処理方法は、設計データに含まれる電動機器に対する動作指令に基づいて、電動機器の動作プロファイルを算出するステップと、動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うステップと、物理シミュレーションの結果に基づいて、電動機器の消費電力を算出するステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造設備の設計データに基づいて、消費電力を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態に従う情報処理システムの機能構成例を示す模式図である。
図2】本実施の形態に従う情報処理システムのハードウェア構成例を示す模式図である。
図3】本実施の形態に従う情報処理システムによる消費電力量の算出処理を説明するための模式図である。
図4】本実施の形態に従う情報処理方法における消費電力の時系列データを算出する方法を説明するための図である。
図5】本実施の形態に従う情報処理システムが提供するユーザインターフェイス画面の一例を示す。
図6】本実施の形態に従う情報処理システムが提供する比較結果の一例を示す。
図7】本実施の形態に従う情報処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本技術の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
<A.概要>
まず、本実施の形態に従う情報処理方法の概要について説明する。本実施の形態に従う情報処理方法は、温室効果ガスの排出量を設計段階で算出(または、推定)する処理を含む。
【0022】
本実施の形態に従う情報処理システム100は、製造設備の設計データに基づいて、シミュレータおよびエミュレータを連携させて、消費電力および消費電力量を算出する。算出された消費電力量に基づいて、温室効果ガスの排出量を推定できる。
【0023】
製造設備の設計データは、例えば、プロジェクトデータとして構成されてもよい。プロジェクトデータは、フロアまたはラインに配置された1または複数の装置の機械構成(レイアウトの情報を含む)、制御機器構成、ソフトウェア構成などを含んでいてもよい。
【0024】
図1は、本実施の形態に従う情報処理システム100の機能構成例を示す模式図である。図1を参照して、情報処理システム100は、プラントシミュレータ150と、3D物理シミュレータ160と、動作エミュレータ170と、消費電力算出部180と、ユーザインターフェイスエンジン190とを含む。
【0025】
プラントシミュレータ150は、1または複数の装置が配置されたフロアまたはラインの単位で製造スループットや消費エネルギーを算出する。プラントシミュレータ150は、装置のレイアウトや装置の動作スペックなどの情報に基づいて、製造スループットや消費エネルギーなどを算出する。すなわち、プラントシミュレータ150は、フロアレベルまたはラインレベルで、重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)を算出する。
【0026】
本実施の形態に従う情報処理方法においては、後述するように、装置毎に温室効果ガスの排出量を算出できるので、プラントシミュレータ150は、算出された温室効果ガスの排出量を用いてKPIを算出することもできる。
【0027】
3D物理シミュレータ160は、シミュレーションに相当し、装置レベルで機械設計を検証するために用いられる。3D物理シミュレータ160は、装置を構成する機械部品やレイアウトなどの情報に基づいて、装置の3D(dimensions)物理シミュレーションを実行する。実行される物理シミュレーションにおいて、装置は、剛体マルチボディモデルでモデル化されてもよい。
【0028】
本実施の形態に従う情報処理方法において、3D物理シミュレータ160は、動作エミュレータ170からの動作プロファイル(位置プロファイルおよび速度プロファイル)に従って、3D物理シミュレーションを実行する。動作エミュレータ170は、ロボットやサーボなどの固有動作をエミュレートできるように、機種毎に固有の設定および構成情報を参照できてもよい。すなわち、動作エミュレータ170は、電動機器の機種に固有の情報に基づいて、動作プロファイルを算出してもよい。
【0029】
動作エミュレータ170は、エミュレータに相当し、装置レベルで制御設計を検証するために用いられる。動作エミュレータ170は、制御機器の構成や制御プログラムなどの情報に基づいて、ロボットやサーボなどの動作をエミュレートする。なお、「サーボ」は、サーボドライバおよびサーボモータを総称するものである。
【0030】
本実施の形態に従う情報処理方法において、動作エミュレータ170は、動作プロファイル(位置プロファイルおよび速度プロファイル)を3D物理シミュレータ160に与える。
【0031】
消費電力算出部180は、算出部に相当し、3D物理シミュレータ160により算出されるロボットやサーボなどに生じる負荷、ならびに、動作エミュレータ170により算出される動作プロファイルに基づいて、ロボットやサーボなどにおける消費電力(または、消費電力量)を算出する。消費電力算出部180は、ロボットやサーボなどに固有の消費電力を算出できるように、機種毎に固有の電気回路および制御ロジックなどを参照できてもよい。消費電力算出部180により算出された消費電力は、プラントシミュレータ150に提供されてもよい。
【0032】
ユーザインターフェイスエンジン190は、ユーザインターフェイス部に相当し、消費電力算出部180により算出された消費電力、および、プラントシミュレータ150による処理結果などを含むユーザインターフェイス画面を提供する。ユーザインターフェイスエンジン190は、消費電力量からCFPを算出するための換算部198を含んでいてもよい。換算部198は、ロボットやサーボなどの消費電力の累積値(時間積分値)である消費電力量からCFP(温室効果ガスの排出量)を算出する。消費電力量からCFPへの換算式は、電力の購入先などに応じて予め定めされた換算係数を用いてもよいし、時間的に変化する換算係数を用いてもよい。この場合には、消費電力の時系列データに時刻を付与することで、時間帯毎の換算係数を反映できる。
【0033】
以下の説明において、ロボットやサーボなどの、電力を用いて製造に必要な処理を行う機器を「電動機器」とも総称する。本実施の形態において、製造設備は、1または複数の電動機器を含む。
【0034】
<B.情報処理システム100のハードウェア構成例>
次に、本実施の形態に従う情報処理システム100のハードウェア構成例について説明する。
【0035】
情報処理システム100は、1または複数のコンピュータで構成される。図1に示す機能構成が単一のコンピュータに配置されてもよいし、複数のコンピュータに分散して配置されてもよい。本明細書において、「情報処理システム」は、1または複数のコンピュータにより構成されるシステムを包含する。「情報処理システム」は、クラウド上の任意のコンピューティングリソースを用いてもよい。
【0036】
図2は、本実施の形態に従う情報処理システム100のハードウェア構成例を示す模式図である。図2には、単一のコンピュータにより情報処理システム100が構成される例を示す。
【0037】
図2を参照して、情報処理システム100は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサ102と、メインメモリ104と、入力部106と、表示部108と、USB(Universal Serial Bus)コントローラ110と、ネットワークコントローラ112と、光学ドライブ114と、ストレージ120とを含む。これらのコンポーネントは、バス118を介して接続される。
【0038】
プロセッサ102は、ストレージ120に格納された各種プログラムを読み出して、メインメモリ104に展開して実行することで、情報処理システム100で必要な処理を実現する。
【0039】
メインメモリ104は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ120は、例えば、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置で構成される。
【0040】
入力部106は、マウス、キーボード、タッチパネルなどで構成され、ユーザからの指示を受け付ける。表示部108は、ディスプレイ、各種インジケータなどで構成され、プロセッサ102からの処理結果などを出力する。
【0041】
USBコントローラ110は、USB接続を介して、任意のデバイスとデータをやり取りする。ネットワークコントローラ112は、任意のネットワークを介して、任意の情報処理装置とデータをやり取りする。
【0042】
光学ドライブ114は、コンピュータ読取可能なプログラムを非一過的に格納する記録媒体116(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体)からプログラムおよびデータを読み取って、ストレージ120などに格納する。
【0043】
情報処理システム100で実行される各種プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体116を介してインストールされてもよいが、ネットワーク上の任意のサーバからダウンロードする形でインストールするようにしてもよい。
【0044】
ストレージ120は、典型的には、情報処理プログラム130と、プログラムを実行するための環境を実現するOS132と、プロジェクトデータ134とが格納される。なお、ストレージ120には、図2に示すプログラム以外の必要なプログラムが格納されてもよい。
【0045】
情報処理プログラム130は、電動機器を含む製造設備の設計データ(プロジェクトデータ134)に基づいて消費電力を算出するための情報処理を実行するためのコンピュータ読取可能な命令を含む。
【0046】
図2には、1または複数のプロセッサがプログラムを実行することで必要な機能が提供される構成例を示したが、これらの提供される機能の一部または全部を、ハードワイヤード回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)など)を用いて実装してもよい。
【0047】
<C.消費電力量/温室効果ガスの算出>
次に、本実施の形態に従う情報処理システム100による消費電力量の算出処理について説明する。
【0048】
図3は、本実施の形態に従う情報処理システム100による消費電力量の算出処理を説明するための模式図である。図3には、ロボット(電動機器の一例)を含む装置の消費電力量を算出する処理を例示する。
【0049】
図3を参照して、情報処理システム100は、制御プログラムの少なくとも一部であるロボット動作プログラム50に基づいて、ロボットを含む装置の消費電力量を算出する。
【0050】
ロボット動作プログラム50は、ロボット(電動機器の一例)に対する動作指令である。ロボット動作プログラム50は、プロジェクトデータ(設計データ)の一部として含まれていてもよい。より具体的には、ロボット動作プログラム50は、ロボットの動作を定義するソースコードであり、例えば、V+プログラミング言語やGコードなどで記述される。
【0051】
ロボット動作プログラム50は、TCP(Tool Center Point)の移動指令(TCP移動指令)を含む。TCPは、ロボット制御の基準となる位置を示し、例えば、ロボットのツール先端などに設定される。TCP移動指令は、目標位置および目標姿勢を順次指定する命令、ならびに、軸補完方式の指定を含む。
【0052】
動作エミュレータ170は、ロボット(電動機器の一例)に対する動作指令に基づいて、ロボットの動作プロファイルを算出する。「動作プロファイル」は、電動機器がとるべき挙動の時間的変化を総称する。動作プロファイルは、例えば、目標位置の時系列データ、目標姿勢の時系列データ、目標角速度の時系列データ、目標加速度度の時系列データなどを含む。
【0053】
より具体的には、動作エミュレータ170は、ロボット動作プログラム50に含まれるTCP移動指令に従って、TCPを目標位置および目標姿勢に移動させるための軌道を生成し、逆キネマティクス演算により生成した軌道からロボットの各関節軸の動作プロファイル(目標位置および/または目標角速度の時系列データ)を算出する(ステップS1)。動作プロファイルは、タクト(1つのワークを処理する時間)の単位で算出されてもよい。
【0054】
軌道の生成および逆キネマティクス演算は、機種毎に固有の処理であるため、予め指定された機種に対応する動作エミュレータ170が選択される。
【0055】
動作エミュレータ170は、例えば、TCPの目標位置および/または目標速度の時系列データと、各関節軸の目標位置および/または目標角速度の時系列データを出力する。
【0056】
3D物理シミュレータ160は、動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行う。例えば、物理シミュレーションの結果は、電動機器に生じる負荷の時系列データを含む。より具体的には、3D物理シミュレータ160は、TCPの目標位置および/または目標速度の時系列データと、各関節軸の目標位置および/または目標角速度の時系列データに基づいて、ロボットの周辺環境(例えば、ロボットが把持するワークおよび周辺機器など)の物理シミュレーションを実行する(ステップS2)。周辺環境に含まれ得る装置および部材は、剛体マルチボディモデルとしてモデル化されてもよい。
【0057】
3D物理シミュレータ160は、物理シミュレーションによって、ロボットに生じる負荷を算出できる。例えば、3D物理シミュレータ160は、TCPに生じる負荷の時系列データおよび各関節軸に生じる負荷の時系列データを算出する。
【0058】
消費電力算出部180は、3D物理シミュレータ160による物理シミュレーションの結果(例えば、負荷の時系列データ)に基づいて、電動機器の消費電力を算出する。すなわち、消費電力算出部180は、3D物理シミュレータ160により算出されたロボットに生じる負荷に基づいて、ロボットの消費電力または消費電力量を算出する。
【0059】
より具体的には、消費電力算出部180は、TCPの目標位置および/または目標速度の時系列データと、各関節軸の目標位置および/または目標角速度の時系列データと、TCPに生じる負荷の時系列データおよび各関節軸に生じる負荷の時系列データとに基づいて、各関節軸の駆動に必要な電力を算出する。算出される電力は、正値(電力消費)および負値(電力回生)の両値をとり得る。電力の算出処理において、各関節軸の電圧および電流の時系列データが算出されてもよい。
【0060】
各関節軸の駆動に必要な電力の算出は、機種毎に固有の処理であるため、予め指定された機種に対応する制御モデル181および機構特性モデル182が参照される。すなわち、消費電力算出部180は、電動機器の機種に対応する制御モデル181および機構特性モデル182を参照して、電動機器で必要な電圧の時系列データおよび電流の時系列データを算出してもよい。
【0061】
制御モデル181は、ロボットやサーボなどを駆動するための制御系をモデル化したものである。制御モデル181は、機種毎に固有に用意される。
【0062】
機構特性モデル182は、ロボットやサーボなどの機械系をモデル化したものである。機構特性モデル182は、機種毎に固有に用意される。
【0063】
より具体的には、消費電力算出部180は、機構特性モデル182を参照して、ロボットに生じる負荷に対応して必要な、各関節軸のトルクおよび角速度の時系列データを算出する。消費電力算出部180は、制御モデル181を参照して、必要なトルクおよび角速度の時系列データに対応する、各関節軸の電圧および電流の時系列データを算出する。
【0064】
消費電力算出部180は、電気系モデル184を参照して回生特性などを反映しつつ、各関節軸の電圧および電流の時系列データに基づいて、消費電力を算出する。消費電力算出部180は、消費電力の時系列データを出力する。
【0065】
このように、消費電力算出部180は、電動機器の機種に対応する電気系モデル184が規定する回生特性に基づいて、電圧および電流の時系列データから電動機器の消費電力を算出する。
【0066】
電圧および電流の時系列データ、ならびに、消費電力の時系列データは、タクトの単位で算出されてもよい。すなわち、消費電力算出部180は、電動機器の消費電力として、タクトにおける消費電力の時系列データを算出してもよい。
【0067】
図4は、本実施の形態に従う情報処理方法における消費電力の時系列データを算出する方法を説明するための図である。図4には、1つの関節軸における電圧、電流および消費電力の時系列データの一例を示す。
【0068】
図4(A)には、電圧の時系列データを示し、図4(B)には、電流の時系列データを示す。図4(C)に示す消費電力の時系列データは、電圧の時系列データと電流の時系列データとを乗じたものである。電流の時系列データおよび消費電力の時系列において、正側の値は電力消費を示し、負側の値は電力回生を示す。
【0069】
図4(C)に示す消費電力の時系列データを累積することで、1つの関節軸についてのタクト毎の消費電力量を算出できる。
【0070】
ロボットに含まれる関節軸の数だけ、図4(C)に示すような消費電力の時系列データが算出されるので、すべての関節軸について消費電力の時系列データを累積することで、1つのロボットについてのタクト毎の消費電力量を算出できる。
【0071】
ユーザインターフェイスエンジン190は、消費電力算出部180により算出される消費電力の時系列データに基づいて、結果を出力する。ユーザインターフェイスエンジン190は、結果出力は、例えば、装置毎の消費電力、消費電力量、消費電力量の内訳などを視覚的に表現してもよい。
【0072】
図4には、1つのロボットを含む装置の消費電力量を算出する処理を例示するが、複数のロボットを含む装置については、3D物理シミュレータ160と、動作エミュレータ170と、消費電力算出部180とからなるセットをロボット毎に用意し、それぞれのセットにおいて算出される消費電力の時系列データを累積してもよい。
【0073】
ロボットを含む装置だけではなく、サーボモータなどで駆動されるコンベアなどの機構を含む装置についても同様に消費電力の時系列データを算出できる。コンベアなどの機構については、ロボット動作プログラム50に代えて、コンベアの駆動パターンが動作エミュレータ170に入力される。すなわち、コンベアの駆動パターンは、コンベア(電動機器の一例)に対する動作指令である。
【0074】
1または複数のロボット、ならびに、サーボモータなどで駆動される1または複数の機構を含む装置については、装置に含まれるすべてのロボットおよび/または機構の消費電力の時系列データをそれぞれ算出した上で、それぞれの消費電力の時系列データを累積することで、装置全体の消費電力量を算出できる。
【0075】
なお、消費電力の時系列データの累積は、ユーザインターフェイスエンジン190において実行されてもよいし、消費電力算出部180において実行されてもよい。
【0076】
<D.ユーザインターフェイス画面例>
次に、ユーザインターフェイスエンジン190が提供するユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。
【0077】
(d1:工程毎の消費電力量)
図5は、本実施の形態に従う情報処理システムが提供するユーザインターフェイス画面の一例を示す。図5を参照して、ユーザインターフェイス画面191は、対象のラインを示すオブジェクトに加えて、当該ラインに含まれる工程(プロセス)毎の消費電力量を示すグラフ192を含む。
【0078】
各工程を担当する1または複数の装置の消費電力量を上述の方法で算出することで、グラフ192を生成できる。ユーザは、グラフ192を参照することで、各ラインについて、工程毎の消費電力量を一見して把握できるとともに、各工程における消費電力量の内訳も確認できる。
【0079】
ユーザインターフェイス画面191において、特定の装置が選択されると、当該選択された装置を拡大表示したユーザインターフェイス画面193が表示されてもよい。ユーザインターフェイス画面193は、選択された装置示すオブジェクトに加えて、当該装置が担当する工程を示すシーケンス図194と、消費電力量の時間的変化を示すグラフ195とを含む。
【0080】
グラフ195は、ロボットの機種別に算出された消費電力量の比較結果を含んでいてもよい。ユーザは、グラフ195を参照することで、工程作業に適したロボットの機種を決定できる。
【0081】
図5に示すように、ユーザインターフェイス画面は、算出された電動機器の消費電力および算出された電動機器の消費電力に基づく情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。また、ユーザインターフェイス画面は、電動機器を表現するオブジェクトを含んでいてもよい。
【0082】
(d2:設計比較)
本実施の形態に従う情報処理方法においては、複数の製造設備の各々について、消費電力量を算出できる。消費電力量の算出において、3D物理シミュレータ160および動作エミュレータ170の処理結果に基づいて、タクトタイム(1つのワークを処理する時間の長さ)を算出することもできる。
【0083】
ユーザは、複数の製造設備の設計案のうち、消費電力量(あるいは、CFP)およびタクトタイムなどを参照して、最も適切な設計案を決定することができる。
【0084】
図6は、本実施の形態に従う情報処理システムが提供する比較結果196の一例を示す。図6を参照して、比較結果196は、複数の製造設備の設計案(ライン構成設備)の各々について、消費電力量と、CFPと、タクトタイムとを示す。
【0085】
図6に示す比較結果196の例では、設計案(1)において、CFPが最も少なくなる一方で、タクトタイムは最も長くなる。一方、設計案(2)において、CFPが最も多くなる一方で、タクトタイムは最も短くなる。例えば、ユーザは、要求されるタクトタイムを満たしつつ、CFPが最も少なくなる設計案を選択することができる。
【0086】
消費電力量(または、CFP)とタクトタイムとに基づいて、スコアを算出してもよい。例えば、スコア=係数A×消費電力量+係数B×タクトタイムなどを用いることができる。但し、係数Aおよび係数Bは、任意に決定される重み係数を示す。
【0087】
<E.処理手順>
次に、本実施の形態に従う情報処理方法の処理手順の一例について説明する。
【0088】
図7は、本実施の形態に従う情報処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に示す各ステップは、情報処理システム100のプロセッサ102が情報処理プログラム130を実行することで実現されてもよい。
【0089】
図7を参照して、情報処理システム100は、プロジェクトデータを読み込む(ステップS100)。
【0090】
情報処理システム100は、プロジェクトデータに含まれる1または複数の工程のうち1つの工程を選択し(ステップS102)、選択した工程についての機械構成、制御機器構成、ソフトウェア構成を抽出する(ステップS104)。情報処理システム100は、抽出した機械構成、制御機器構成、ソフトウェア構成に基づいて、選択した工程に含まれるロボットおよびサーボを抽出する(ステップS106)。
【0091】
情報処理システム100は、抽出したロボットおよびサーボのうち1つを選択し(ステップS108)、選択したロボットまたはサーボに対応する動作エミュレータ170を有効化し(ステップS110)、選択したロボットのロボット動作プログラムまたは選択したサーボの駆動パターンに基づいて、動作プロファイル(目標位置および/または目標角速度の時系列データなど)を算出する(ステップS112)。
【0092】
このように、情報処理システム100は、プロジェクトデータ(設計データ)に含まれる電動機器に対する動作指令(ロボット動作プログラムまたは駆動パターン)に基づいて、電動機器の動作プロファイルを算出する(ステップS110およびS112)。
【0093】
情報処理システム100は、算出した動作プロファイルに基づいて、選択したロボットまたはサーボの周辺環境の物理シミュレーションを実行し、負荷の時系列データを算出する(ステップS114)。このように、情報処理システム100は、動作プロファイルに基づいて、電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行って、電動機器に生じる負荷の時系列データを算出する(ステップS114)。
【0094】
情報処理システム100は、選択したロボットまたはサーボに対応する制御モデル、機構特性モデル、電気系モデルを選択し(ステップS116)、電圧および電流の時系列データを算出し(ステップS118)、消費電力の時系列データを算出する(ステップS120)。このように、情報処理システム100は、負荷の時系列データに基づいて、電動機器の消費電力を算出する(ステップS120)。
【0095】
抽出したロボットおよびサーボのすべてを選択済であるか否かを判断する(ステップS122)。抽出したロボットおよびサーボのうち未選択の工程があれば(ステップS122においてNO)、ステップS108以下の処理が繰り返される。
【0096】
抽出したロボットおよびサーボのすべてを選択済であれば(ステップS122においてYES)、情報処理システム100は、抽出したロボットおよびサーボの各々について算出された消費電力の時系列データを累積する(ステップS124)。累積された結果は、選択した工程についての消費電力の時系列データを示す。
【0097】
プロジェクトデータに含まれる1または複数の工程のすべてを選択済であるか否かを判断する(ステップS126)。プロジェクトデータに含まれる1または複数の工程のうち未選択の工程があれば(ステップS126においてNO)、ステップS102以下の処理が繰り返される。
【0098】
プロジェクトデータに含まれる1または複数の工程のすべてを選択済であれば(ステップS126においてYES)、情報処理システム100は、各工程についての消費電力の時系列データを統合して、ユーザインターフェイス画面を生成する(ステップS128)。
【0099】
<F.変形例>
情報処理システム100は、算出した消費電力の時系列データに基づいて、ユーザインターフェイス画面を提供してもよいし、ユーザインターフェイス画面に代えて、算出した消費電力の時系列データまたは消費電力の時系列データの累積結果(消費電力量)を外部装置へ出力するようにしてもよい。情報処理システム100が消費電力の時系列データをどのように加工するかについては、任意に設計できる。
【0100】
<G.付記>
上述したような本実施の形態は、以下のような技術思想を含む。
【0101】
[構成1]
電動機器を含む製造設備の設計データ(134)に基づいて消費電力を算出する情報処理システム(100)であって、
前記設計データに含まれる前記電動機器に対する動作指令(50)に基づいて、前記電動機器の動作プロファイルを算出するエミュレータ(170)と、
前記動作プロファイルに基づいて、前記電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うシミュレータ(160)と、
前記物理シミュレータの結果に基づいて、前記電動機器の消費電力を算出する算出部(180)とを備える、情報処理システム。
【0102】
[構成2]
前記物理シミュレーションの結果は、前記電動機器に生じる負荷の時系列データを含む、構成1に記載の情報処理システム。
【0103】
[構成3]
前記算出部は、前記電動機器の消費電力として、タクトにおける消費電力の時系列データを算出する、構成2に記載の情報処理システム。
【0104】
[構成4]
前記電動機器の消費電力の累積値である消費電力量から温室効果ガスの排出量を算出する換算部(198)をさらに備える、構成1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0105】
[構成5]
前記エミュレータは、前記電動機器の機種に固有の情報に基づいて、前記動作プロファイルを算出する、構成1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0106】
[構成6]
前記算出部は、前記電動機器の機種に対応する制御モデル(181)および機構特性モデル(182)を参照して、前記電動機器で必要な電圧の時系列データおよび電流の時系列データを算出する、構成1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0107】
[構成7]
前記算出部は、前記電動機器の機種に対応する電気系モデル(184)が規定する回生特性に基づいて、前記電圧の時系列データおよび前記電流の時系列データから前記電動機器の消費電力を算出する、構成5に記載の情報処理システム。
【0108】
[構成8]
前記算出された電動機器の消費電力および前記算出された電動機器の消費電力に基づく情報の少なくとも一方を含むユーザインターフェイス画面(191,193)を提供するユーザインターフェイス部(190)をさらに備える、構成1~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0109】
[構成9]
前記ユーザインターフェイス画面は、前記電動機器を表現するオブジェクトを含む、構成8に記載の情報処理システム。
【0110】
[構成10]
電動機器を含む製造設備の設計データ(134)に基づいて消費電力を算出するための情報処理プログラム(130)であって、前記情報処理プログラムはコンピュータ(100)に、
前記設計データに含まれる前記電動機器に対する動作指令に基づいて、前記電動機器の動作プロファイルを算出するステップ(S110,S112)と、
前記動作プロファイルに基づいて、前記電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うステップ(S114)と、
前記物理シミュレーションの結果に基づいて、前記電動機器の消費電力を算出するステップ(S120)とを実行させる、情報処理プログラム。
【0111】
[構成11]
電動機器を含む製造設備の設計データ(134)に基づいて消費電力を算出する情報処理方法であって、
前記設計データに含まれる前記電動機器に対する動作指令に基づいて、前記電動機器の動作プロファイルを算出するステップ(S110,S112)と、
前記動作プロファイルに基づいて、前記電動機器の周辺環境の物理シミュレーションを行うステップ(S114)と、
前記物理シミュレーションの結果に基づいて、前記電動機器の消費電力を算出するステップ(S120)とを備える、情報処理方法。
【0112】
<H.利点>
本実施の形態によれば、製造設備の設計データに基づいて、消費電力量および/または温室効果ガスの排出量を算出できる。本実施の形態は、温室効果ガス排出を抑制しつつ、効率的な製造が可能な設備の設計を支援できる。本実施の形態は、製造設備が実際に構成されていなくても、設計段階において、消費電力量および/または温室効果ガスの排出量を算出する。
【0113】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
50 ロボット動作プログラム、100 情報処理システム、102 プロセッサ、104 メインメモリ、106 入力部、108 表示部、110 USBコントローラ、112 ネットワークコントローラ、114 光学ドライブ、116 記録媒体、118 バス、120 ストレージ、130 情報処理プログラム、132 OS、134 プロジェクトデータ、150 プラントシミュレータ、160 物理シミュレータ、170 動作エミュレータ、180 消費電力算出部、181 制御モデル、182 機構特性モデル、184 電気系モデル、190 ユーザインターフェイスエンジン、191,193 ユーザインターフェイス画面、192,195 グラフ、194 シーケンス図、196 比較結果、198 換算部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7