(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001172
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】ノズルおよび熱風溶接機
(51)【国際特許分類】
B29C 65/10 20060101AFI20241225BHJP
B29C 35/04 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
B29C65/10
B29C35/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100623
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】523235862
【氏名又は名称】丸茂 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 聡
【テーマコード(参考)】
4F203
4F211
【Fターム(参考)】
4F203AK01
4F203AR07
4F203DA12
4F203DB01
4F203DC03
4F203DL00
4F203DM03
4F211AK01
4F211TA01
4F211TH06
4F211TN24
(57)【要約】
【課題】 容易に溶接できる、熱風溶接機のノズルを提供する。
【解決手段】熱風溶接機のノズルであって、
熱風を吹き出す先端部を有し、外力によって曲げることができる流路と、
前記先端部の近傍に設けられた操作部と、を備え、
前記操作部を動かすことで前記先端部の向きを変更可能であることを特徴とするノズル。
前記操作部は、前記先端部近傍に接続された一端から、前記熱風溶接機の本体近傍まで他端が伸びている、ノズル。
前記流路は、前記熱風溶接機の本体に接続された直線部を有する、ノズル。
前記直線部に設けられ、前記操作部へ伸びる延伸部と、
前記延伸部に接続され、前記操作部を支える支持部と、をさらに有する、ノズル。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱風溶接機のノズルであって、
熱風を吹き出す先端部を有し、外力によって曲げることができる流路と、
前記先端部の近傍に設けられた操作部と、を備え、
前記操作部を動かすことで前記先端部の向きを変更可能であることを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記操作部は、前記先端部近傍に接続された一端から、前記熱風溶接機の本体近傍まで他端が伸びている、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記流路は、前記熱風溶接機の本体に接続された直線部を有する、請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記直線部に設けられ、前記操作部へ伸びる延伸部と、
前記延伸部に接続され、前記操作部を支える支持部と、をさらに有する、請求項3に記載のノズル。
【請求項5】
前記支持部は、一端から他端まで貫通した中空構造を有し、
前記操作部は、前記支持部の前記中空構造を通っている、請求項4に記載のノズル。
【請求項6】
前記操作部は、前記先端部に対して回転可能に取り付けられている、請求項1に記載のノズル。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のノズルを備える、熱風溶接機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルおよび熱風溶接機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2018-193758号公報(特許文献1)がある。この公報には、「側壁に凹凸部を有しているノズルを備える熱風溶接機」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者は熱風溶接を容易にできないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば以下の構成を採用する。
熱風溶接機のノズルであって、
熱風を吹き出す先端部を有し、外力によって曲げることができる流路と、
前記先端部の近傍に設けられた操作部と、を備え、
前記操作部を動かすことで前記先端部の向きを変更可能である、ノズル。
【0006】
前記操作部は、前記先端部近傍に接続された一端から、前記熱風溶接機の本体近傍まで他端が伸びている、ノズル。
【0007】
前記流路は、前記熱風溶接機の本体に接続された直線部を有する、ノズル。
【0008】
前記直線部に設けられ、前記操作部へ伸びる延伸部と、
前記延伸部に接続され、前記操作部を支える支持部と、をさらに有する、ノズル。
【0009】
前記支持部は、一端から他端まで貫通した中空構造を有し、
前記操作部は、前記支持部の前記中空構造を通っている、ノズル。
【0010】
前記操作部は、前記先端部に対して回転可能に取り付けられている、ノズル。
【0011】
上記に記載したノズルのいずれかを備える、熱風溶接機。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熱風による溶接を容易に行うことができる。
上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、熱風溶接機のノズルの全体概要図である。
【
図2】
図2は、熱風溶接機のノズルを曲げた際の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示におけるノズル4は、熱風により樹脂を溶接するための熱風溶接機1の本体部2に取り付けられるためのノズルであり、特に、熱風の向きを調節するためのノズルである。
熱風溶接機1は、例えば、グリップ部3を有していてもよい。これにより、熱風溶接機1を手で持って扱うことができ、溶接を容易に行うことができる。
【0015】
ノズル4は、熱風溶接機1から吹き出される熱風を溶接箇所に導くことができる。言い換えると、ノズル4は、熱風を一定の方向に流通させることができる。そのため、ノズル4は、熱風が通過する一端から他端を貫通する中空構造を有している。ノズル4は、例えば、筒形状であってもよい。
【0016】
図1で示すように、ノズル4は、流路5および操作部8を備える。
流路5は、熱風溶接機1の本体部2に接続され、先端部Hまで熱風を導くための部材であり、外力によって曲げることができる可曲部6を有する。流路5の長さは、例えば、2~30cmであってもよい。
操作部8は、先端部Hに取り付けられる。操作部8は、先端部Hの向きを変更することができる部材である。
【0017】
流路5は、金属材料で形成されている。金属材料は、例えば、ステンレス、銅であってもよい。
ステンレスは、例えば、SUS316L、SUS304であってもよい。これにより、最大温度300度にもなる熱風を溶接箇所まで導くことができる。
ステンレスは、SUS316Lであってもよい。これにより、流路5の耐食性を向上させることができる。また、流路5は、同一の金属材料で構成されてもよいし、部分ごとに異なる金属材料で構成されていてもよい。
流路5は、筒形状である。筒形状は、例えば、円筒であってもよいし、角柱形状であってもよい。流路5の内径は、例えば、3~10mmであってもよい。
【0018】
流路5は、外力によって曲げることができる可曲部6を有している。可曲部6は、例えば、側壁に凹凸が繰り返し形成された凹凸形状を有していてもよい。可曲部6は、例えば、金属糸で編み込まれた構造を有していてもよい。可曲部6は、例えば、金属板が折り重ねたじゃばら構造を有していてもよい。これにより、可曲部6は外力によって曲がることができ、熱風が吹き出す方向を調節することができる。
【0019】
流路5は、例えば、直線部7を有していてもよい。直線部7は、例えば、円筒形状であってもよい。また、直線部7は、例えば、多角形状であってもよい。直線部7の長さは、例えば、1~20cmであってもよい。また、直線部7は、例えば、流路5において、複数設けられていてもよい。このとき、複数の直線部7は、例えば、可曲部6の両端に接続されるように設けられていてもよい。流路5が直線部7を有することで、流路5全体の剛性が向上し、溶接を容易に行うことができる。
【0020】
流路5は、先端部Hを有している。先端部Hは、熱風が吹き出す方向を決定する部材である。先端部Hの直径は、流路5の直径と同じでもよいし、異なっていてもよい。先端部Hの直径は、例えば、1~10mmであってもよい。
【0021】
操作部8は、先端部Hの近傍に取り付けられ、先端部Hの向きを変更することができる部材である。操作部8は、先端部Hの近傍に取り付けられているとは、流路5の可曲部6の中点から先端部Hまでの間に取り付けられていればよい。
【0022】
操作部8は、例えば、先端部Hに取り付けられた一端から熱風溶接機1の本体部2の近傍まで他端が伸びた棒形状であってもよい。熱風溶接機1の本体部2の近傍とは、操作部8の他端が流路5の先端部Hと反対側の端よりも熱風溶接機1の本体部2に近い位置にあるということである。操作部8は、例えば、金属材料で形成されてもよい。金属材料は、例えば、ステンレス、銅であってもよい。操作部8の長さは、例えば、1~30cmであってもよい。
【0023】
操作部8は、例えば、指掛部9を有していてもよい。指掛部9は、操作部8を、指を使って操作するのを助ける部材である。指掛部9は、例えば、リング形状であってもよい。指掛部9は、操作部8と同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。指掛部9の直径は、例えば、1~3cmであってもよい。
【0024】
操作部8は、例えば、指掛部9および指掛部10を有していてもよい。指掛部10は、例えば、指掛部9に対して垂直に形成されてもよい。これにより、操作部8を引く動作を、指掛部9を使って行うことができ、操作部8を押し込む動作を、指掛部10を使って行うことができ、溶接を容易に行うことができる。
【0025】
操作部8は、
図1に示すように、先端部Hに対して溶接で接続されていてもよい。
操作部8は、例えば、先端部Hに対して回転可能に接続されていてもよい(図示せず)。先端部Hに、例えば、軸受部を設け、さらに操作部8の先端に軸を設け、回転可能に接続させてもよい(図示せず)。これにより、操作部8が先端部Hの向きを変更する際にかかる力を回転する力に一部変換することができ、操作部8の接続部分が破損する可能性を低減することができる。また、これにより、溶接した場合と比べて、先端部Hから操作部8に対して熱風の熱が伝播しにくくすることもできる。
【0026】
ノズル4は、操作部8を支える延伸部11と支持部12とを有していてもよい。延伸部11は、操作部8を支持する支持部12を取り付ける部材である。延伸部11は、例えば、直線部7に設けられてもよい。延伸部11は、例えば、直線部7に溶接によって接続されていてもよい。また、延伸部11は、例えば、直線部7にネジ止め又はカシメ加工によって接続されていてもよく、これにより、溶接した場合と比べて、直線部7から延伸部11に対して熱風の熱が伝播しにくくすることができる。
【0027】
延伸部11は、例えば、棒形状であってもよい。延伸部11は、例えば、金属材料で形成されていてもよい。金属材料は、例えば、ステンレス、銅であってもよい。延伸部11の長さは、例えば、0.5~1.5cmであってもよい。
【0028】
支持部12は、操作部8を支える部材である。支持部12は、例えば、一端から他端を貫通する中空構造を有していてもよい。操作部8は、支持部12の中空構造を通って動作することができるため、安定して先端部Hの向きを変更することができ、溶接を容易に行うことができる。支持部12は、例えば、円筒形状であってもよい。また、支持部12は、例えば、多角形状の筒であってもよい。
【0029】
支持部12は、例えば、金属材料で形成されていてもよい。金属材料は、例えば、ステンレス、銅であってもよい。支持部12の長さは、例えば、0.5~2cmであってもよい。支持部の中空構造の内部の径は、例えば、1~5mmであってもよい。
【0030】
本体部2はグリップ部3との接続部分に凹部13を有していてもよい。凹部13は、例えば、グリップ部3を横断する溝形状であってもよい。凹部13の溝形状は、例えば、操作部8が伸びる方向と略同じ方向に伸びていてもよい。凹部13は、例えば、操作部8に当接するように設けてもよい。これにより、安定して操作部8を動かすことができ、溶接を容易に行うことができる。
【0031】
図2に示すように、流路5が曲がっている時に、操作部8は、湾曲してもよい。これにより、操作部8にかかる力を分散させることができるため、操作部8を破損しにくくすることができる。
【0032】
以上、本開示について詳細に説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 :熱風溶接機
2 :本体部
3 :グリップ部
4 :ノズル
5 :流路
6 :可曲部
7 :直線部
8 :操作部
9、10:指掛部
11 :延伸部
12 :支持部
13 :凹部