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特開2025-11722個人特性評価方法、環境負荷評価方法および体調リスク評価方法と体調リスク評価システム
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  • 特開-個人特性評価方法、環境負荷評価方法および体調リスク評価方法と体調リスク評価システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011722
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】個人特性評価方法、環境負荷評価方法および体調リスク評価方法と体調リスク評価システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20250117BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113996
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】清野 健
(72)【発明者】
【氏名】高梨 厚
(72)【発明者】
【氏名】荒巻 公一
(72)【発明者】
【氏名】外山 龍二
(72)【発明者】
【氏名】土井 与之
(72)【発明者】
【氏名】小川 敬太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】熱的負荷や作業による負荷に対する耐性面などの被評価者個人の特性の評価と、被評価者が働いている場所の労働環境に起因する環境負荷の評価とを可能とし、さらに被評価者の個人特性と環境負荷とから被評価者の体調リスクを評価する評価方法と被評価者の体調リスクを評価する評価システムを提供する。
【解決手段】本願で開示する第1の個人特性評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、測定装置11により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データとに基づいて、前記被評価者の体力特性、生活リズム、回復度のいずれかについての特性評価を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、
測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データとに基づいて、
前記被評価者の体力特性、生活リズム、回復度のいずれかについての特性評価を行うことを特徴とする個人特性評価方法。
【請求項2】
コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、
測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、
前記被評価者の温度特性を評価することを特徴する個人特性評価方法。
【請求項3】
コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の環境負荷を評価する環境負荷評価方法であって、
測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、
前記被評価者の環境負荷を評価することを特徴する環境負荷評価方法。
【請求項4】
請求項1、および/または、請求項2に記載の前記個人特性評価方法によって評価された個人特性評価結果と、請求項3に記載の環境負荷評価方法によって評価された環境負荷評価結果とに基づいて、コンピュータプログラムによって動作する前記コンピュータによって前記被評価者の体調リスクを評価することを特徴とする、体調リスク評価方法。
【請求項5】
前記体力特性の評価が、前記被評価者の身体活動量に依存した心拍数の変化として示される心拍応答によって行われる、請求項1に記載の個人特性評価方法。
【請求項6】
前記生活リズムの評価が、前記被評価者の安静時または低負荷時における心拍数に基づいて行われる、請求項1に記載の個人特性評価方法。
【請求項7】
前記回復度の評価が、前記被評価者の過去の心拍応答に基づいて行われる、請求項1に記載の個人特性評価方法。
【請求項8】
前記温度特性の評価が、前記被評価者の高温条件下の心拍応答と、低温条件下の心拍応答との差に基づいて行われる、請求項2に記載の個人特性評価方法。
【請求項9】
前記環境負荷の評価が、暑熱ストレスと作業負担とに基づいて行われる、請求項3に記載の環境負荷評価方法。
【請求項10】
被評価者の生体情報を取得する測定装置と、
コンピュータプログラムによって動作するクラウドサーバとを備え、
前記クラウドサーバの評価判定部が、前記測定装置で測定された前記被評価者の前記生体情報に基づいて前記被評価者の体調リスク評価を行うことを特徴とする、体調リスク評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、被評価者の生体情報や環境情報を取得する測定装置を用いて、当該被評価者の個人特性や、当該被評価者がいる環境から受ける環境負荷を評価するとともに、個人特性と環境負荷との評価結果に基づいて被評価者の体調リスクを評価する体調リスク評価方法と、これら評価方法によって被評価者の個人特性や体調リスクと労働環境を評価する体調リスク評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェアラブルな測定装置によって取得された被評価者の心拍、体温、身体の動きを示す加速度データなどの生体情報に基づいて、当該被評価者の健康状態を検出して評価する生体情報取得・評価システムが実用化されている。
【0003】
このような評価システムとして、被評価者の心拍データ取得する心拍検出手段と、被評価者の身体の動きに伴う加速度データを取得する加速度検出手段と、被評価者の服内温度を検出す温度検出手段とを備え、被評価者の行った作業の強度を示す作業負担指数と作業者の暑熱負荷指数とを算出して、この作業負担指数と暑熱負荷指数とに基づいて当該被評価者の熱中症発症リスクを算出する熱中症発症リスク管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-185386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の熱中症発症リスク管理システムは、被評価者がおかれている環境や行っている作業負荷の大きさを評価することで、当該被評価者が熱中症を発症するリスクが高くなっている状態であることを検出することができ、熱中症を発症するリスクが高いと判定された被評価者に対して、休憩を指示するなどの熱中症の発症を回避する対策を採らせることで熱中症の発症を未然に防ぐことができる。
【0006】
しかし、上記従来の熱中症発症リスク管理システムでは、現時点で熱中症を発症するリスクが高まっている被評価者を判別することはできるものの、その被評価者の熱中症発症リスクが高くなっている要因までは分からなかった。
【0007】
本願は、上記従来技術の有する課題を解決することを目的とするものであり、熱的負荷や作業による負荷に対する耐性面などの被評価者個人の特性の評価と、被評価者が働いている場所の労働環境に起因する環境負荷の評価とを可能とし、さらに被評価者の個人特性と環境負荷とから被評価者の体調リスクを評価する評価方法と被評価者の体調リスクを評価する評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願で開示する第1の個人特性評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データとに基づいて、前記被評価者の体力特性、生活リズム、回復度のいずれかについての特性評価を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本願で開示する第2の個人特性評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、前記被評価者の温度特性を評価することを特徴する。
【0010】
また、本願で開示する環境負荷評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の環境負荷を評価する環境負荷評価方法であって、測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、前記被評価者の環境負荷を評価することを特徴する。
【0011】
さらにまた、本願で開示する体調リスク評価方法は、本願で開示する個人特性評価方法によって評価された個人特性評価結果と、本願で開示する環境負荷評価方法によって評価された環境負荷評価結果とに基づいて、コンピュータプログラムによって動作する前記コンピュータによって前記被評価者の体調リスクを評価することを特徴とする。
【0012】
また、本願で開示する体調リスク評価システムは、被評価者の生体情報を取得する測定装置と、コンピュータプログラムによって動作するクラウドサーバとを備え、前記クラウドサーバの評価判定部が、前記測定装置で測定された前記被評価者の前記生体情報に基づいて前記被評価者の体調リスク評価を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成により、本願で開示する第1の個人特性評価方法は、被評価者の身体の動きと心拍との関係に基づいて、被評価者の体力特性、生活リズム、回復度を評価することができる。
【0014】
また、上記構成により、本願で開示する第2の個人特性評価方法は、被評価者の身体の動きと心拍と環境温度との関係に基づいて、被評価者の温度特性を評価することができる。
【0015】
また、本願で開示する環境負荷評価方法は、被評価者の身体の動きと心拍と環境温度との関係に基づいて、被評価者が環境から受ける環境負荷を評価することができる。
【0016】
さらに、本願で開示する体調リスク評価方法は、被評価者の個人特性評価結果と環境負荷評価結果とに基づいて、被評価者の体調リスクを評価することができる。
【0017】
また、本願で開示する体調リスク評価システムは、被評価者から得られた生体情報に基づいて、クラウドサーバの評価判定部が被評価者の体調リスクを評価する。
【0018】
本願で開示する各評価方法によれば、蓄積された生体データに基づいて熱中症や体調不良等の要因となる事象を定量化することで、様々な体調・環境リスクを低減するための改善案を提案することができ、個人の健康や労働環境の改善につなげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態として説明する体調評価システムの各部の構成を示すブロック図である。
図2図2は、被評価者の代謝当量と心拍数との関係を示すグラフである。
図3図3は、本実施形態にかかる体調リスク評価方法によって評価された被評価者の、各評価項目における評価点の平均値を示すレーダーチャートである。
図4図4は、本実施形態にかかる体調リスク評価方法の評価対象となった被評価者に評価結果を説明するために使用されるレーダーチャートの例である。
図5図5は、本実施形態にかかる体調リスク評価方法の評価対象となった被評価者の評価結果に対するコメント例である。
図6図6は、本実施形態にかかる体調リスク評価方法によって評価された、被評価者の体調リスク評価結果の分布を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願で開示する第1の個人特性評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データとに基づいて、前記被評価者の体力特性、生活リズム、回復度のいずれかについての特性評価を行う。
【0021】
このようにすることで、身体の動きが心拍数に与える影響の大きさを判定して、被評価者の体力、生活リズム、回復度を評価することができる。
【0022】
また、本願で開示する第2の個人特性評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の個人特性を評価する個人特性評価方法であって、
測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、前記被評価者の温度特性を評価する。
【0023】
このようにすることで、環境温度条件による身体の動きが心拍数に与える影響の違いに基づいて、被評価者の温度特性を評価することができる。
【0024】
また、本願で開示する環境負荷評価方法は、コンピュータプログラムによって動作するコンピュータによって被評価者の環境負荷を評価する環境負荷評価方法であって、測定装置により取得された前記被評価者の心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、前記被評価者の環境負荷を評価する。
【0025】
このようにすることで、被評価者の心拍データの変化に基づいて、被評価者がおかれた環境が被評価者に与える負荷の大きさを評価することができる。
【0026】
また、本願で開示する体調リスク評価方法は、本願で開示する個人特性評価方法によって評価された個人特性評価結果と、本願で開示する環境負荷評価方法によって評価された環境負荷評価結果とに基づいて、コンピュータプログラムによって動作する前記コンピュータによって前記被評価者の体調リスクを評価する。
【0027】
このようにすることで、本願で開示する体調リスク評価方法は、被評価者自身の個人特性と、被評価者が置かれている環境が被評価者に与える負荷の大きさとに基づいて、被評価者の体調のリスクを評価することができる。
【0028】
なお、前記体力特性の評価が、前記被評価者の身体活動量に依存した心拍数の変化として示される心拍応答によって行われることが好ましい。
【0029】
また、前記生活リズムの評価が、前記被評価者の安静時または低負荷時における心拍数に基づいて行われることが好ましい。
【0030】
さらに、前記回復度の評価が、前記被評価者の過去の心拍応答に基づいて行われることが好ましい。
【0031】
さらにまた、前記温度特性の評価が、前記被評価者の高温条件下の心拍応答と、低温条件下の心拍応答との差に基づいて行われることが好ましい。
【0032】
また、前記環境負荷の評価が、暑熱ストレスと作業負担とに基づいて行われることが好ましい。
【0033】
さらに、本願で開示する体調リスク評価システムは、被評価者の生体情報を取得する測定装置と、コンピュータプログラムによって動作するクラウドサーバとを備え、前記クラウドサーバの評価判定部が、前記測定装置で測定された前記被評価者の前記生体情報に基づいて前記被評価者の体調リスク評価を行う。
【0034】
このようにすることで、複数の被評価者に対する評価を同時に、かつ、正確に行うことができるとともに、得られた各評価者の評価結果を踏まえて複数の評価者が対象となっている職場の環境負荷の評価ができるようになり、さらに、多くの被評価者の評価結果をデータとして蓄積して、個人特性と環境負荷特性、体調リスクの評価方法の改善を行って評価の精度をさらに高めることが可能となる。
【0035】
以下、本願で開示する個人特性評価方法、環境負荷評価方法、体調リスク評価方法と、これらの評価方法によって被評価者の評価を行う体調リスク評価システムについて、本願で開示する各種の評価方法を用いて被評価者の体調を管理する体調管理システムを例示しながら図面を用いて説明する。
【0036】
(実施の形態)
本実施形態では、建築現場などの作業内容による肉体的な負荷と熱的環境とがいずれも比較的厳しい労働条件で働く複数の作業者をその体調リスクを評価する評価者とする評価システムとして、作業者の熱中症の発症リスクを評価管理する熱中症発症リスク管理システムを示して説明する。
【0037】
より具体的には、本実施形態で説明する体調評価システムは、炎天下での重労働を強いられるなど強い肉体的負荷と熱的負荷とがかかる建築現場の作業者を被管理者(評価方法の被評価者)として、現場監督などの管理者が、管理対象の作業者が熱中症とならないように管理するために導入されるものである。
【0038】
なお、以下で説明する熱中症発症リスク管理システムは、本願で開示する体調リスク評価方法が採用されたシステムの例示にすぎず、システム例を構成する個々の部材やそのデータ処理内容は、本願で開示する体調リスク評価方法をはじめ、本願で開示する個人特性評価方法や環境負荷評価方法を何ら制限するものではない。
【0039】
[システムの全体構成]
図1は、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムの各部の構成例を示すブロック図である。
【0040】
図1に示すように、建築現場で作業する作業者10は、温度と、心拍(脈拍)データと、体の動きを検出するための加速度検出手段である3次元加速度センサを備えた、測定装置である生体センサ11を装着するとともに、生体センサ11で得られた各種情報を外部に送信する情報送信部として機能する携帯端末としてのスマートフォン12を所持している。なお、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでは、作業者10が被管理者に相当する。
【0041】
本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでは、作業者10の各種情報を取得する生体センサ11は、一例として腕時計型の測定端末であり、作業者10は作業中にこの測定端末を利き腕ではない方の腕に装着する。生体センサ11が腕時計型の場合は、生体センサで測定される温度は、腕周辺の温度となる。また、別の形態として、作業者10が着用するアンダーシャツの胸部に着脱可能に取り付けられた測定端末を生体センサ11として用いることができる。この場合生体センサ11で測定される温度は、作業者10の服内温度となる。
【0042】
生体センサ11と作業者11が所持するスマートフォン12とは、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの短距離間通信によって常時接続されていて、生体センサ11が取得する各種の情報は、随時スマートフォン12に送られている。
【0043】
スマートフォン12は、生体センサ11から送られた作業者10の情報を送信する被評価者情報送信部13、データ受信部15、データ送信部16によって、無線LANや携帯電話の情報キャリアを用いて常時ネットワーク環境としてのインターネット20に接続されている。そして、スマートフォン12は、インターネット20上に設置された各項目の評価を行う評価判定部22を備えたサーバであるクラウドサーバ21に被評価者情報である作業者10の生体センサ11から取得された温度、心拍データ、加速度センサの測定データを伝送する。
【0044】
クラウドサーバ21は、内部にデータ受信部23とデータ送信部26を備えていて、インターネット20を介した情報の授受を行うことができるとともに、評価判定部22を備えていて、複数の作業者10からの測定データを受信して、それぞれの作業者についての個人特性、労働環境、体調リスクを評価する。また、熱中症の発症リスクが高まっている場合にはその旨を当該作業者に警告する警告情報を作成する。さらに、クラウドサーバ21は、データ記録部24を備えていて、複数人いる作業者10それぞれからの測定データ、警告情報の作成履歴などを時系列に記録することができる。
【0045】
さらに、クラウドサーバ21は、気象情報取得部25を有していて、インターネット20を介して気象情報を提供する情報サイトから気象情報を取得して、作業者10が作業している地域での気温や湿度、日照量などの現在時刻での気象条件や、今後数時間内における変化を見込んだ気象予報を取得することができる。
【0046】
また、クラウドサーバ21は、インターネット20を介して、熱中症発症リスクの判定対象の作業者10の作業を建築現場で監督する管理者である現場監督30が使用する管理者情報端末としてのパソコン31と接続されている。このため、作業者10が作業する作業現場にいる現場監督30は、パソコン31のデータ受信部33によって、クラウドサーバ21から随時送信される作業者10から得られた測定結果や、評価判定部22によって警告情報が生成されたか否かを把握することができる。
【0047】
クラウドサーバ21の評価判定部22は、作業者が装着する測定装置である生体センサ11から得られた温度データ、心拍データ、加速度データに基づいて、作業者10の体調評価し、作業者10の熱中症発症リスク指数を算出する。
【0048】
なお、評価判定部22で行われる熱中症発症リスク評価の詳細については、説明を省略する。
【0049】
また、クラウドサーバ21は、データ記録部24に記録された判定対象の作業者10の過去の履歴情報としての履歴データや、気象情報取得部25で取得した作業地域の気象情報、さらには、判定対象の作業者と同じ現場で働いている、判定対象の作業者以外の作業者から取得された各種情報の変化などの環境情報に基づいて、作業者10の熱中症発症リスク評価結果を補正して、より現実に即した熱中症発症リスクの評価判定を行うことができる。
【0050】
なお、本実施形態で例示する熱中症発症リスク管理システムにおいて、評価判定部22を備えるのはクラウドサーバ21に限られない。例えば、管理者情報端末や事業所の管理コンピュータ上に、リスク判定部を含めたクラウドサーバ21の各種機能を実装してもよく、その機能が実現できるのであれば、評価判定部が実装される場所や機器は問わない。
【0051】
現場監督30のパソコン31は、作業者10を含めた当該現場監督30が監督する作業現場に所属する作業者についての測定装置で得られた各種の情報や警告情報が生成されたか否かを管理する情報管理部32を備えている。情報管理部32は、クラウドサーバ21から送信された情報に基づいて、それぞれの作業者から得られた情報や警告情報が生成されたか否かの熱中症発症リスク評価判定の基準となる情報を常に最新情報として把握している。また、情報管理部32は、取得した各作業者の熱中症発症リスクの評価判定結果やその他の環境情報を表示画像処理部35へと出力し、表示画像処理部35で液晶モニタなどの表示デバイス36上に表示される画面内容が調整される。
【0052】
このようにして、現場監督30は、自分が監督する作業現場で働く作業者10の情報や熱中症発症リスクなどを、全体として一元的に、または、作業者個々の詳細情報として見やすい画面で把握することができる。なお、表示画像処理部35で処理された表示デバイス36に表示される具体的な画面内容については、適宜形成されるシステムによって求められる情報を見やすく表示できればよいため、本明細書での具体的な詳細の説明は省略する。
【0053】
さらに、現場監督30のパソコン31では、警告情報を通知した後に当該作業者10から得られる各種情報や、作業者10からの警告情報の受領確認を受け取ることで、作業者10が熱中症の発症を予防するための対策を行ったか否かを確認することができ、作業者10が熱中症の発症を予防するための対応をとっていない場合には、対象の作業者10に繰り返して警告情報を伝達するなど、作業者10の注意喚起を行うことができる。
【0054】
また、現場監督30は、空調や換気などの作業現場の作業環境を改善するための対策を採ることが可能である場合には、適宜実行して自身が監督する作業現場での熱中症の発症を予防することができる。
【0055】
なお、上記説明では、作業者10に熱中症を発症するリスクが高くなっていることを報知する警告情報を、クラウドサーバ21の評価判定部22で生成する例を説明したが、警告情報を、現場監督30のパソコン31に設置された情報管理部32で生成することができる。また、評価判定部22と、情報管理部32の双方で警告情報を生成するように設定することもできる。このようにすることで、作業現場を実際に監督している現場監督30のパソコン31から、評価判定部22での判定結果に先んじて警告情報を生成して対象となる作業者10に伝達することで、作業現場の実情に応じて熱中症の発症リスクをより低減することができる場合がある。
【0056】
クラウドサーバ21の評価判定部22、または、現場監督30のパソコン31で生成された警告情報は、現場監督30のパソコン31のデータ送信部34から、無線LANなどのローカルネットワークや携帯電話の情報キャリアを含めたネットワークを介して作業者10が装備するスマートフォン12に送信される。警告情報を受け取ったスマートフォン12の警告報知部14は、音声、画面表示、ランプの点灯または点滅、振動などの各種の情報伝達手段を用いて、作業者10に対して、自分が熱中症を発症するリスクが高まっていることを報知する。警告情報を確認した作業者10は、スマートフォン12のタッチパネルまたは操作ボタンなどを通じて警告情報を受け取った旨を報告するとともに、作業を中断して休息をとるなど熱中症を予防するための対策を実行する。
【0057】
作業者10のスマートフォン12は、作業者10が警告情報を確認して作業を中断したことを監督者30のパソコン31に送信し、監督者30は、作業者10が熱中症の発症を予防する対策をとったことを確認できる。
【0058】
さらに、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでは、現場監督30が把握している作業現場での熱中症発症リスクデータを、作業者10のスマートフォン12に送信して、作業者10が、自分が働いている作業現場での熱中症発症リスクの現状を確認することができる。例えば、自分以外の作業者の熱中症発症リスクが高くなっていることが確認できれば、各作業者自身が熱中症の発症を積極的に予防する対応を採ることが可能となる。また、他に熱中症発症リスクの警告情報を受け取って作業を中断した作業者がいることがわかれば、現場監督30からの自分宛の警告情報により素直に応じることが期待できる。
【0059】
さらに、作業者10が所有するスマートフォン12で、当該作業者10の現在までの熱中症発症リスクの変化や、生体センサ11で取得された自身の心拍数、加速度データから計算された健康状態の評価結果や、消費カロリーなどの関連情報を画面に表示して、作業者10自身が参照することができる。これら、作業者10が所有するスマートフォンでの表示画面についても、それぞれの目的に応じて必要事項を見やすく表示することができればよいため、本明細書での詳細な説明は省略する。
【0060】
クラウドサーバ21は、インターネット20を通じて作業者10が所属する会社や事業所40内の管理コンピュータ41にも接続されていて、現場監督30のパソコン31に送信された作業者10の測定結果情報や、クラウドサーバ21が熱中症の発症リスクを判断するために用いた各種の情報を、リアルタイムで、事業所40の管理コンピュータ41に対して送信する。事業所40の管理コンピュータ41は、自身のデータ受信部42とデータ送信部43とを備えているため、インターネットを介して現場監督30のパソコン31とも接続されていて、現場監督30から作業者10に対して警告情報が正しく伝達されたか、作業者10が熱中症の予防対策をとったか、などの情報を確認し、必要に応じて所定の指示を行うことができる。このようにすることで、作業者10が所属する事業所40においても、作業者10の状況や作業現場での対応を確認することができ、作業者10の熱中症発症リスクの回避をバックアップすることができる。
【0061】
また、クラウドサーバ21、現場監督30のパソコン31、および、事業所40の管理コンピュータ40は、インターネット20を経由して接続されているため、パソコン31や管理コンピュータ40の側からクラウドサーバ21にアクセスすることができ、クラウドサーバ21でのデータ処理内容を制御したり、評価判定部22での判定プログラムを更新したり、クラウドサーバ21から熱中症予防管理に必要な情報を適宜取り出したりすることができる。
【0062】
なお、上記説明においては、作業者が装備する携帯端末としてスマートフォンを例示したが、作業者の携帯端末はスマートフォンには限られず、携帯電話機やタブレット機器、さらには、熱中症発症リスク管理システムに特化した、情報の送受信が可能な専用の小型端末機器を用いることができる。
【0063】
また、作業者11が装着する生体センサ11が腕時計型で生体センサ11内に直接インターネット環境を介してクラウドサーバ21との間のデータの送受信が可能で、かつ、被評価者である作業者11に対して熱中症発症リスクが高くなっていることを報知する報知手段を備えている場合には、作業者11が生体情報の中継機器としてのスマートフォン12などの携帯端末を所持する必要がなくなる。
【0064】
さらに、上記説明では、現場監督の管理者情報端末から作業者の携帯端末に警告情報を送信する形態を説明したが、警告情報がクラウドサーバの評価判定部で生成される場合には、クラウドサーバから直接作業者の携帯端末に警告情報を送信するようにシステムを構成することもできる。
【0065】
なお、本実施形態で例示した熱中症発症リスク管理システムのように、建設現場での作業者の熱中症の発症リスクを管理する場合は、管理対象となる作業者の位置が建設現場内に限定される。また、作業期間も一定以上の日数にわたるため、当該建築現場で無線LANを構築することも可能となる。このように、被管理者が一定の範囲内にのみ存在する場合には、独自の無線LANを構築し、それぞれの作業者の生体情報の現場監督の管理者情報端末への送信を、インターネットを介さずにLAN内で行うことができる。この場合には、管理者情報端末から、または、LAN内に設置されたサーバユニットや別のパソコンなどの情報機器からインターネットに接続することで、クラウドサーバ内のリスク判定部で熱中症発症のリスク判定をしたり、気象情報取得部で取得した気象情報を利用したりすることができる。また、熱中症の発症リスクを判定するリスク判定部を建築現場のLANに接続されているサーバユニットやパソコンに設けることができる。
【0066】
一方、熱中症発症リスク管理システムとして、たとえば運送業界での作業者を対象とする場合には、被管理者が遠距離を移動することが想定される。このような場合でも、上記例示した熱中症発症リスク管理システムでは、被管理者の測定装置からの情報をインターネット上に配置されたクラウドサーバにてデータの管理や評価判定を行うため、被管理者が特定に位置にとどまっていない場合でもそのまま対応することができるという利点がある。
【0067】
[体調リスク評価方法]
次に、本願で開示する体調リスク評価システムにおける、個人特性評価、環境負荷評価、そしてこれらを用いた体調リスク評価方法の具体的内容について説明する。
【0068】
本願で開示する体調リスク評価方法では、被評価者が装着する生体センサ11(測定装置)が備える心拍検出手段によって検出された被評価者の心拍データと、三次元の加速度センサにより取得された加速度データとに基づいて、クラウドサーバ21の評価判定部22が被評価者の個人特性としての体力特性、生活リズム、回復度を評価する。また、生体センサ11(測定装置)が備える温度センサによって得られた温度情報と、被評価者の心拍データと、加速度データとに基づいてクラウドサーバ21の評価判定部22が被評価者の個人特性である温度特性と、環境負荷の評価を行う。
【0069】
(体力特性評価)
個人特性評価としての体力特性評価は、生体センサ11により測定された心拍データと加速度データとに基づいて、身体活動量に応じた心拍数の変化である心拍応答を用いて評価判定部22が行い、評価結果を1点~5点までの点数で表す。
【0070】
なお、以下の体力評価方法の説明においては、生体センサ11でi番目に得られたデータについて、
時刻:「t(min)[i]」i番目の出力データの時刻、
心拍数:「HR(min)[i]」時刻t(min)[i]における中央心拍数、
心拍数検出率:「QHR (min)[i]」時刻t(min)[i]における中央心拍数検出率、
代謝当量:「MET(min)[i]」時刻t(min)[i]における1分平均の代謝当量、
と規定する。
【0071】
体力特性評価では、心拍数検出率「QHR (min)[i]」が一定の割合(一例として5%)より大きい時刻のデータを用いて、評価期間t1≦ti≦t2の代謝当量と心拍数のデータ(MET(min)[i]、HR(min)[i])を代謝当量MET(min)[i]について以下の9つの部分区間に分ける
1.[区間1] 1.00≦MET(min)[i]<1.50
2.[区間2] 1.25≦MET(min)[i]<1.75
3.[区間3] 1.50≦MET(min)[i]<2.00
4.[区間4] 1.75≦MET(min)[i]<2.25
5.[区間5] 2.00≦MET(min)[i]<2.50
6.[区間6] 2.25≦MET(min)[i]<2.75
7.[区間7] 2.50≦MET(min)[i]<3.00
8.[区間8] 2.75≦MET(min)[i]<3.25
9.[区間9] 3.00≦MET(min)[i]<3.50
なお、各部分区間は幅0.5METsで、0.25MET刻みでシフトし、各区間にはオーバーラップがある。
【0072】
図2は、被評価者の代謝当量と心拍数との関係を表すグラフである。
【0073】
各部分区間において、MET(min)[i]、HR(min)[i]のそれぞれの中央値を計算し、図2に示すように縦軸を心拍数HR(min)[i]、横軸をMET(min)[i]とした図に表し、これらの中央値の値×(符号51)に対して最小二乗法で直線(符号52)
HEART RATE[bpm]=αMET・MET+HR(0) (1)
を当てはめる。
【0074】
ここで、「αMET」は直線の傾き、「HR(0)」は切片である。さらに、1METsに対応する心拍数HR(1)
HR(1)=HR(0)+=αMET (2)
で定義する。
【0075】
体力特性の得点は、以下の基準で決定する。ただし、以下の条件に加えて、αMET<5.5[bpm/MET]であれば1点を減点する
HR(1)≧100[bpm] ・・・ 1点
100[bpm]>HR(1)≧90[bpm] ・・・ 2点
90[bpm]>HR(1)≧80[bpm] ・・・ 3点
80[bpm]>HR(1)≧70[bpm] ・・・ 4点
70[bpm]>HR(1) ・・・ 5点。
【0076】
なお、上記計算において、一つでも部分区間の中央値が求められない場合、すなわち、部分区間に点が存在しない場合には、上記方法は使用せずに以下の方法で点数を求める。すなわち、
心拍数検出率「QHR (min)[i]」が一定の割合(一例として5%)より大きく、かつ、
1[METs]≦MET(min)[i]<2[METs]の中央値HRmidを求め、
HR(1)=HRmid-4[bpm] (3)
とする。
【0077】
このとき、体力特性の得点は、以下の基準で決定する
HR(1)≧100[bpm] ・・・ 1点
100[bpm]>HR(1)≧90[bpm] ・・・ 2点
90[bpm]>HR(1)≧80[bpm] ・・・ 3点
80[bpm]>HR(1)≧70[bpm] ・・・ 4点
70[bpm]>HR(1) ・・・ 5点。
【0078】
体力特性は、体力や持久力といった身体特性のことを意味している。体力や持久力が低下した状態では、仕事の強度である身体活動量(METs)と心拍数(HR)との関係を表した上記図2において、符号52で示す直線が上にシフトしたり、傾き「αMET」が小さくなったりする。このため、身体の動きがほとんどない安静状態である1METsでの心拍数、すなわち図2のグラフのY軸切片の値「HR(0)」を推定することによって、被評価者の体力特性が評価でき、本実施形態に示す体調リスク評価システムでは上記5つの区分を設定して評価点を定めている。
【0079】
(温度特性評価)
個人特性評価としての温度特性評価は、温度への耐性として主として熱さへの耐性の度合いを示し、生体センサ11により測定された心拍データと加速度データと温度データとに基づいて、環境温度の変化(温度上昇)が身体に与える影響を評価する。より具体的には、評価判定部22が高温条件下と低温条件下での心拍応答を求めて、温度の上昇による心拍数の上昇を評価して、評価結果を1点~5点までの点数で表す。
【0080】
以下の温度特性評価方法の説明においては、生体センサ11でi番目に得られたデータについて、上述した体力特性評価の説明に用いた時刻「t(min)[i]」、心拍数「HR(min)[i]」、心拍数検出率「QHR (min)[i]」、代謝当量「MET(min)[i]」の各指標に加えて、
温度:「Tw[i]」1分間平均の温度センサでの測定値[℃]
と規定する。
【0081】
なお、生体センサ11が腕時計型の場合は、温度は腕周辺温度となり、生体センサ11がアンダーシャツの胸部に着脱可能に取り付けられた測定端末の場合は、温度は服内温度となる。この測定部位の違いに対応させて、以下の温度特性評価において基準となる温度を2~3℃変化させることができる。
【0082】
温度特性評価では、評価期間t1≦ti≦t2のデータについて、温度「Tw[i]」の75%点(第3四分位点)を求め、この温度をTb[℃]とする。
【0083】
温度特性評価においても、上述した体力特性評価と同様に、心拍数検出率「QHR (min)[i]」が一定の割合(一例として5%)より大きい時刻のデータを用いる。評価期間t1≦ti≦t2のデータについて、
高温条件では、
b≦Tw[i]≦tb+5[℃] (4)
低温条件では、
b-5≦Tw[i]≦tb[℃] (5)
を満たすデータを抽出する。
【0084】
条件ごとに、代謝当量と心拍数のデータ(MET(min)[i]、HR(min)[i])を代謝当量MET(min)[i]について以下の9つの部分区間に分ける
1.[区間1] 1.00≦MET(min)[i]<1.50
2.[区間2] 1.25≦MET(min)[i]<1.75
3.[区間3] 1.50≦MET(min)[i]<2.00
4.[区間4] 1.75≦MET(min)[i]<2.25
5.[区間5] 2.00≦MET(min)[i]<2.50
6.[区間6] 2.25≦MET(min)[i]<2.75
7.[区間7] 2.50≦MET(min)[i]<3.00
8.[区間8] 2.75≦MET(min)[i]<3.25
9.[区間9] 3.00≦MET(min)[i]<3.50
なお、温度特性評価においても、各部分区間は幅0.5METsで、0.25MET刻みでシフトし、各区間にはオーバーラップがある。
【0085】
【数1】
【0086】
温度特性の得点は、HResについて、以下の基準で決定する
Res≧3.0[bpm/℃] ・・・ 0点
2.5≦HRes<3.0[bpm/℃] ・・・ 1点
2.0≦HRes<2.5[bpm/℃] ・・・ 2点
1.5≦HRes<2.0[bpm/℃] ・・・ 3点
1.0≦HRes<1.5[bpm/℃] ・・・ 4点
Res<1.0[bpm/℃] ・・・ 5点。
【0087】
温度特性は、環境温度が上昇または下降したときに身体がどの程度の負担を受けているかを評価する。このため、測定装置が腕時計型の場合は手首周辺の環境温度、測定装置がTシャツの胸部に取り付けられているものの場合は服内温度について、1℃上昇したときの心拍数の増加を熱負担指数「HRes」と定義して、この値によって評価点を定めている。
【0088】
(生活リズム評価)
生活リズム評価とは、生活習慣の安定性を評価するものであり、疲労の蓄積や寝不足、体調不良などによって生活が乱れていないかを評価する。
【0089】
生活リズム評価に用いられるデータとしては、評価期間t1≦ti≦t2のデータに少なくとも5日以上(d≧5)本システムの評価対象となって心拍データと加速度データとが取得されていることを前提とする。まず、評価の準備として、各測定日ごとに低負荷時心拍数HRd (low)(dは日にちを指定するインデックス)を計算する。
【0090】
【数2】
【0091】
なお、補正心拍数の計算には、カルマンフィルタを応用した方法を用いる。カルマンフィルタでは,過去のデータから予測心拍数を計算し,その予測心拍数と実測心拍数の信頼性を評価し,心拍数の補正を行う。補正の流れは以下である。
【0092】
1.計測開始時点では,予測心拍数 HR(pred)[i]の初期値を
HR(pred)[1]=HR(min)[1] (12)
とし、さらに,予測心拍数 HR(pred)[i]の誤差分散を
n[1]=σpred 2=10 (13)
とする。過去データがある場合は、最後の
HR(pred)[i] (14)
n[i] (15)
を引き継ぐ
2.実測値HR(min)[i]と予測値HR(pred)[i]の差v[i] を計算。

v[i]=HR(min)[i]-HR(pred)[i] (16)
ただし、HR(min)[i]がNAのときは、
v[i]=0 (17)
とする
3.現時点の時刻をt[i]とする。心拍数検出率QHR (min)[i]の関数として観測値の誤差分散σobs 2を計算する
v[i]≧-10[bpm]のとき、
【数3】
それ以外のとき、
【数4】
とする
4.観測値の誤差分散Fn[i]を計算
n[i]=Pn[i]+σobs 2 (20)
5.カルマンゲインKを計算
【数5】
8.2からの手順を繰り返す。
【0093】
生活リズム評価の得点は、以下の基準で決定する
10bpm≦σHR ・・・ 0点
8bpm≦σHR<10bpm ・・・ 1点
6bpm≦σHR<8bpm ・・・ 2点
4bpm≦σHR<6bpm ・・・ 3点
2bpm≦σHR<4bpm ・・・ 4点
σHR<2bpm ・・・ 5点。
【0094】
生活リズム評価として生活習慣の安定性を評価するために、本願で開示する体調リスク評価システムでは、長期間の測定データから休憩中を含む低負荷時の心拍数のバラツキの大きさを標準偏差によって把握している。低負荷時の心拍数のバラツキが大きいことは、疲労の蓄積や睡眠不足が頻繁に発生していると考えることができるため、心拍数の標準偏差の大きさによって評価点を定めている。
【0095】
(回復度評価)
回復度は、休憩時における負担の回復度合いを評価する。まず、過去データを用いて心拍応答を直線近似したパラメータを推定する。過去データは、評価期間t1≦ti≦t2を含む期間で、1ヶ月程度の長さを想定する。
【0096】
過去データの心拍応答の推定は、QHR (min)[i]>20%の過去データを用いる。
(MET(min)[i],HR(min)[i])をMET(min)[i]について以下の部分区間に分ける
1.[区間1] 1.00≦MET(min)[i]<1.50
2.[区間2] 1.25≦MET(min)[i]<1.75
3.[区間3] 1.50≦MET(min)[i]<2.00
4.[区間4] 1.75≦MET(min)[i]<2.25
5.[区間5] 2.00≦MET(min)[i]<2.50
6.[区間6] 2.25≦MET(min)[i]<2.75
7.[区間7] 2.50≦MET(min)[i]<3.00
8.[区間8] 2.75≦MET(min)[i]<3.25
9.[区間9] 3.00≦MET(min)[i]<3.50
なお、回復度評価においても、各部分区間は幅0.5METsで、0.25MET刻みでシフトし、各区間にはオーバーラップがある。
【0097】
続いて、上述した体力特性評価と同様に、各部分区間において、MET(min)[i]、HR(min)[i]のそれぞれの中央値を計算し、図2に示すように縦軸を心拍数HR(min)[i]、横軸をMET(min)[i]とした図に表し、これらの中央値の値×(符号51)に対して最小二乗法で直線(符号52)
【数6】
を当てはめる。
【数7】
【0098】
なお、上記計算において、一つでも部分区間の中央値が求められない場合、すなわち、部分区間に点が存在しない場合には、以下の扱いとする。
【数8】
【0099】
回復度評価の得点は、HRRについて以下の基準で決定する
20bpm≦HRR ・・・ 0点
16bpm≦HRR<20bpm ・・・ 1点
12bpm≦HRR<16bpm ・・・ 2点
8bpm≦HRR<12bpm ・・・ 3点
4bpm≦HRR<8bpm ・・・ 4点
HRR<4bpm ・・・ 5点。
【0100】
休憩による身体にかかっている負担の回復度を評価するために、過去のデータに基づいて当該被評価者の心拍応答(負荷の大きさに対する心拍数の変化の度合い:図2に示す直線52の傾斜の大きさ)から、低負荷となっている、すなわち休憩中と考えられる時間における心拍数を用いて定めた回復度指標に基づいて評価点を定めている。回復が十分であれば、休憩中(低負荷)の心拍数は安静時の心拍数(心拍応答直線の切片心拍数)付近まで低下しているはずであると考えることができる。
【0101】
回復度を評価することで、被評価者個人の特性としての作業負担の大きさに対する必要な休憩時間の長さを判断することができる。また、例えば、同じ環境にいる複数の被評価者の回復度がいずれも低い評価となっている場合には、休憩の取り方や休憩室の環境面に問題が無いかを検討するきっかけとなることが考えられる。
【0102】
(環境負荷評価)
環境負荷の評価では、以下に示すリスク評価指標R(t)を用いる。
【0103】
まず、WBGT値を推定する。生体センサ11が、上述した腕時計型の測定端末である場合は、
WBGT=1.57・TW-21.9(TW>28)
WBGT=22 (TW≦28) (26)
となる。

暑熱ストレスH[i]として、
【数9】
とする。ただし、H>1.1のとき
H=1.1 (28)
とする。

また、気温Ta、相対湿度RHを用いる場合は、以下の式を用いてWBGT指数の換算値を求める。
【数10】
作業負担W[i]を、
【数11】
とする。ここで、MET(HR)は、心拍数で補正した作業強度であり、以下の1分ごとの作業強度の評価に基づいて定める。
【0104】
まず、
1. MET(min)[i]≦1.6のときはMET(min)[i]をそのまま用いる
2. 1.6<MET(min)[i]<4.5のとき、時刻t[i]におけるHR(min)[i]の出力が計測できず利用可能出ない場合は、MET(min)[i]の値をそのまま用いる
MET(min)[i]の値が利用可能な場合は、
【数12】
を求める。ΔHR(min)[i]の値には、上限と下限とを設定して、
-0.5αMET≦ΔHR(min)[i]≦1.5αMET (32)
の範囲でトランケートする。つまり、
【数13】
とする。このとき、心拍数で補正した作業強度MET(HR)[i]を、
【数14】
により求める
3. 4.5<MET(min)[i]のとき、時刻t[i]におけるHR(min)[i]の出力が計測できず利用可能出ない場合は、MET(min)[i]の値をそのまま用いる
MET(min)[i]の値が利用可能な場合は、
【数15】
を求める。ΔHR(min)[i]の値には、上記2の場合と同様に上限と下限とを設定して、
-1.5αMET≦ΔHR(min)[i]≦0.5αMET (36)
の範囲でトランケートする。つまり、
【数16】
とする。このとき、心拍数で補正した作業強度MET(HR)[i]を、
【数17】
により求める。 評価に用いる暑熱ストレスHおよび作業負荷Wは単純算術平均を用いる.すなわち,それぞれの平均値を、
【数18】
【数19】
とする。ここで、t=t[i]であり、♯(・)は条件を満たすデータ点数を表す。
【0105】
暑熱作業リスクの判定を以下のようにして行う。
【数20】
【0106】
環境負荷評価の得点は、評価期間t1≦t≦t2におけるR(t)の値に基づいて以下の基準で決定する
評価期間t1≦t≦t2のうち、
R(t)≧1.0である時間が全体の20%以上 ・・・ 0点
R(t)≧1.0である時間が全体の10%以上20%未満 ・・・ 1点
R(t)≧0.8である時間が全体の10%以上、
かつ、R(t)≧1.0である時間が全体の10%未満 ・・・ 2点
R(t)≧0.5である時間が全体の20%以上、
かつ、R(t)≧0.8である時間が全体の5%以上 ・・・ 3点
R(t)≧0.5である時間が全体の20%以上
かつ、R(t)≧0.8である時間が全体の5%未満 ・・・ 4点
R(t)≧0.5である時間が全体の20%未満 ・・・ 5点。
【0107】
環境負荷評価では、測定装置により検出された被評価者の加速度データと温度データとを活用して、仕事の強度と環境温度によって身体に溜まる熱の程度を判定する。より具体的には、心拍数の上昇という形で現れる身体にかかる負担の大きにより環境を区分して、それぞれの区分にいた時間によって評価点を定めている。
【0108】
このため、個人差による環境負荷が身体に与える影響の大きさを考慮した上で、各被評価者が環境から受ける負荷の大きさを判断することができる。
【0109】
[体調リスク評価の結果]
以上説明したように、本実施形態で説明する体調リスク評価システムでは、被評価者自身の特性を評価する、体力特性評価、温度特性評価、生活リズム評価、回復度評価と、当該被評価者がいる環境の影響を示す環境負荷評価、との5つの項目について評価する。
【0110】
上述したように、それぞれの評価結果は0または1点から5点までの点数として表されるため、個々の評価項目についての点数からそれぞれの項目に対する評価結果の良し悪しを判断することに加えて、5つの項目の評価結果をまとめて把握することで、評価対象の体調リスクを総合的に判断することができる。
【0111】
図3は、本実施形態で示した体調リスク評価結果をまとめたレーダーチャートの例を示す図である。
【0112】
図3では、上記実施形態として説明した熱中症発症リスク評価システムの対象となった製造業に携わる200名の評価対象者の生体情報に基づいて、クラウドサーバ21の評価判定部22が評価した各評価項目に対する評価結果の平均値をレーダーチャートにまとめたものである。図3に示すように、5つの評価項目の評価結果をレーダーチャートとして表すことで、どの項目のリスク要因が高いかを視覚的に容易に把握することができる。また、評価結果をレーダーチャートとして表すことで、図3に示した評価結果の全体平均と被評価者個々の評価結果とを比較することや、個々の被評価者同士の評価結果を比較すること、さらには、同じ被評価者の過去の評価結果からの変化についても容易に把握することができる。
【0113】
また例えば、個々の被評価者に対して、1週間~2週間程度の所定の評価期間の体調リスク評価結果の評価項目ごとの平均点を算出し、直近の期間とその前の期間との2つの期間における評価結果をそれぞれレーダーチャートに表した評価レポートを作成することで、当該対象者の体調リスク評価について、各項目についての評価結果の良否の傾向や変化を一目で把握することができるようになる。
【0114】
また、この評価結果レポートに基づいて、被評価者それぞれに対して、自己の体調リスクを低減する上での具体的なアドバイスを行うことも可能となる。
【0115】
図4、および、図5は、本実施形態にかかる体調リスク評価方法による評価結果を被評価者に報告する結果報告書の記載例を示す図である。
【0116】
図4は、評価対象である被評価者の所定の期間における評価結果をレーダーチャートとしてまとめたものである。また、図5は、同じ被評価者の同じ期間における評価結果に基づいてアドバイスを行う場合のコメント例である。
【0117】
図4に示すように、特定の期間(期間1、期間2)における被評価者の評価結果をレーダーチャートとして示して比較可能とすることで、当該被評価者の各評価結果の変化が視覚的に容易に理解可能となり、特に、5つの評価項目のバランスの変化が一目で分かるようになる。このため、被評価者は、自分の体調の変化とより健康的な生活ができるようにする上で特に改善すべきポイントを明確に把握することができる。
【0118】
また、図5に示すように、期間1と期間2における被評価者の「体力特性」「温度特性」「環境負荷」「生活リズム」「回復度」についての評価点数を表して2つの期間における評価点数の変化に基づいて、当該被評価者における生活習慣の改善に向けての具体的なアドバイスを行うことができる。このようにすることで、被評価者は自身がより健康的な生活を行う上での具体的な方策を理解することができ、特に、異なる評価期間における評価結果の推移が示されることで、被評価者に対して、続く期間においてより一層の生活習慣の改善を行うことを動機付けることができる。
【0119】
なお、図5で例示したコメント欄の記載は、本願で開示する体調リスク評価システムのクラウドサーバ21の評価判定部22が自動的に行うもので、クラウドサーバ21は、本評価システムにおいて取得された膨大なデータに基づいて、それぞれの被評価者の体調リスクについて適切な評価を行うことができる。
【0120】
また、本実施形態で示す体調リスク評価システムでは、5つの評価結果の評価点を総和することによって、当該被評価者の体調リスクの大きさを端的に表すことができる。
【0121】
図6は、本実施形態にかかる体調リスク評価結果の総合点の分布例を示す図である。
【0122】
図6では、実施例で説明した熱中症発症リスク評価システムで評価対象となった製造業に従事する200人の生体データから、本実施形態にかかる体調リスク評価を行ったデータについて、5つの評価項目の点数の総和の分布を示している。
【0123】
図5に示す、25点が満点となる評価結果点数の総和の分布から、例えば、上位45%を「A」、続く45%を「B」、その他の10%を「C」と評価することで、被評価者の体調リスクの大きさを、全体的な位置づけにおいて分類することができる。
【0124】
以上説明したように、本願で開示する体調リスク評価システムは、被評価者が装着した生体センサから取得された被評価者の心拍データと動作の大きさを示す加速度データと温度データとに基づいて、クラウドサーバの評価判定部が、被評価者の個人特性である体力特性、温度特性、生活リズム、回復度と、被評価者のいる環境に対する評価である環境負荷を評価することで、被評価者の体調リスクを、総合的に、かつ、正確に評価・判定することができる。
【0125】
また、各項目の評価結果を0点から5点までの点数によって示すことによって、評価項目についてのバランスを容易に把握することができるとともに、全体平均、他の被評価者との比較、同一被評価者の異なる評価期間での評価結果との比較が容易にできるとともに、評価点の合計点を用いて被評価者の体調リスクを表すことにより、全体分類に資することができる。
【0126】
なお、上記実施形態では、各項目の評価点を0点から5点までとした例を示したが、分類が大まかなものにならず同時に細かすぎない範囲で、例えば、3点、7点など、5点以外の点数で分類することが可能であることは言うまでもない。ただし、上述したレーダーチャートによる評価結果の全体把握を行う観点や、評価点の合計によって複数の被評価者の傾向を把握する観点からは、各評価項目の最大評価点は同じに設定することが好ましい。
【0127】
また、上記実施形態では、本願で開示する体調リスク評価を熱中症発症リスク評価とともに行う形態を説明した。しかし、これは評価システムにおいて、被評価者の心拍データ、加速度データ、温度データを共通して評価に用いることを踏まえたものに過ぎず、本願で開示する体調リスク評価システムは、熱中症発症リスク評価システムと同時に用いられるものに限られるわけではない。また、本願で開示する体調リスク評価システムでは、被評価者の現在の評価結果に基づいて直ちに作業を中止させるような、熱中症発症リスク評価システムで必要な処置を行うものではない。このため、体調リスク評価システムでは、上記実施例で説明した複数人の被評価者である作業者を管理監督する管理者は必要なく、また、被評価者に対してリスクが高くなっていることを注意喚起する報知手段も必要ではない。
【0128】
一方で、本願で開示する体調リスク評価システムでは、仕事の強度や環境温度、また、生活習慣の乱れによる体力が低下している状態について、被評価者それぞれの体調を把握することができる。特に、継続して本願で開示する体調リスク評価システムの評価対象となることで、被評価者それぞれに対して体調を崩すことになる弱点を発見することや、体調リスクを低減するためにどのような改善の取組みを行えば良いかのアドバイスを行ってもよい。さらに、生活習慣改善の取り組みを行っている被評価者にその成果を知らせることができるなど、体調を崩してしまうことを未然に防ぐ提案を行うことができるなどの利点がある。
【0129】
また、上記実施の形態では、被評価者の体調評価として、「体力特性」「温度特性」「環境負荷」「生活リズム」「回復度」の5つの観点からの評価することを説明したが、本願で開示する体調リスク評価方法では、必ずしも5つの項目での評価を行うものには限られず、5つの項目の内のいずれか一つ、または複数の項目についての評価を行うものであっても構わない。
【0130】
さらに、上記実施の形態では、評価結果として本願で開示する体調リスク評価方法で評価される5つの評価項目の評価結果を被評価者に伝える例を示したが、上述した5つの項目以外の情報として、例えば、測定端末で測定された被評価者の体温や心拍数、さらに、被評価者が上記例示した測定端末以外の測定装置を使用して測定された、体重、体脂肪率などのデータを含めて報告することに何ら問題は無い。
【0131】
なお、本願で開示する体調リスク評価システムでは、被評価者の生体情報を取得する測定装置からのデータを、直接、または間接的にインターネット環境上のクラウドサーバが受け取って、得られたデータに基づいて被評価者の体調リスク評価が行われる。このため、例えば測定対象者が運輸業に従事するドライバーである場合など、被評価者が一箇所にまとまっていない場合や長距離を移動する場合でも、体調リスク評価の評価対象とすることができる。
【0132】
また、本願で開示する体調リスク評価システムの被評価者は、上記例示した作業負荷が大きな環境で働く労働者には限られず、例えば、スポーツ選手を被評価者とすることができ、トレーニング時の負荷の大きさの評価やトレーニングによる体力の向上度合いを示す指標として活用することができる。
【0133】
なお、上記説明した体力特性評価、温度特性評価、生活リズム評価、回復度評価、環境負荷評価における具体的な評価基準の数値などは、必要に応じて適宜変更すべきことは言うまでもない。また、本願で開示する体調リスク評価システムでの測定結果や評価結果は、クラウドサーバにデータとして蓄積することができるため、過去のデータを分析してより正確な評価ができる評価基準の検討を行うことができる。この場合、クラウドサーバに蓄積されたいわゆるビッグデータに基づいて、AI技術を利用して随時好ましい評価基準に更新可能であることもいうまでも無い。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本願で開示する個人特性評価方法、環境負荷評価方法、体調リスク評価方法、および、これらの各評価方法を実行する体調リスク評価システムは、多人数の被評価者の体調を管理する方法とその運用システムとして有用である。特に、例えば従来の熱中症発症リスク評価システムでは把握することができなかった、熱中症発症リスクが高まった要因を分析することや、熱中症発症リスクが高くならないようにする施策を検討する際のデータを得ることができる点において優れている。
【符号の説明】
【0135】
10 作業者(被評価者)
11 生体センサ(測定装置)
21 クラウドサーバ
22 評価判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6