(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011740
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】端末装置が実行する方法、サーバが実行する方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
G01C21/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114023
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
(72)【発明者】
【氏名】太田 剛平
(72)【発明者】
【氏名】谷崎 大介
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD46
2F129EE02
2F129EE34
2F129EE43
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF51
2F129FF57
2F129FF60
2F129HH02
2F129HH12
(57)【要約】
【課題】エネルギ供給設備の位置を案内する技術を改善する。
【解決手段】ユーザの端末装置が実行する方法であって、ユーザの車両の位置情報に基づいて、車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、車両のエネルギ残量を取得すること、及び車両が対象エリアに進入したと判定され、かつエネルギ残量が所定基準未満である場合に、対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力することを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置が実行する方法であって、
前記ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、
前記車両のエネルギ残量を取得すること、及び
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記端末装置は、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点の前記車両の位置情報に基づいて、合成音声で出力する前記メッセージの内容を決定し、前記メッセージを合成音声で出力する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記端末装置は、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点における前記車両の位置が、前記対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、前記チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、前記メッセージの内容を短くする、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記エネルギ供給設備の位置を前記端末装置の地図画面上に表示すること、及び
前記エネルギ供給設備の位置及び前記車両の位置に応じて、前記地図画面の縮尺を自動調整すること
を更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、前記端末装置は、前記2以上のエネルギ供給設備の中心位置を地図画面上に表示する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記ユーザが目的地点を設定している場合に、前記端末装置は、前記対象エリアの位置から前記目的地点までの距離に基づいて前記所定基準を算出する、方法。
【請求項7】
サーバが実行する方法であって、
ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、
前記車両のエネルギ残量を取得すること、及び
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを前記ユーザの端末装置に送信すること
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記サーバは、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点の前記車両の位置情報に基づいて、合成音声で出力する前記メッセージの内容を決定する、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記サーバは、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点における前記車両の位置が、前記対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、前記チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、前記メッセージの内容を短くする、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、
前記端末装置に、
前記エネルギ供給設備の位置を前記端末装置の地図画面上に表示させること、及び
前記エネルギ供給設備の位置及び前記車両の位置に応じて、前記地図画面の縮尺を自動調整させること
を更に含む、方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法であって、
前記対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、前記サーバは、前記端末装置に、前記2以上のエネルギ供給設備の中心位置を地図画面上に表示させる、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記サーバは、前記エネルギ供給設備の数及び/又は位置の変更に応じて、前記中心位置を算出する、方法。
【請求項13】
請求項7に記載の方法であって、
前記ユーザが目的地点を設定している場合に、前記サーバは、前記対象エリアの位置から前記目的地点までの距離に基づいて前記所定基準を算出する、方法。
【請求項14】
端末装置と、前記端末装置と通信可能なサーバと、を備えるシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定し、
前記車両のエネルギ残量を取得し、
前記端末装置は、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力する、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点の前記車両の位置情報に基づいて、合成音声で出力する前記メッセージの内容を決定し、
前記端末装置は、前記メッセージを合成音声で出力する、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点における前記車両の位置が、前記対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、前記チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、前記メッセージの内容を短くする、システム。
【請求項17】
請求項14に記載のシステムであって、
前記端末装置は、
前記エネルギ供給設備の位置を前記端末装置の地図画面上に表示し、及び
前記エネルギ供給設備の位置及び前記車両の位置に応じて、前記地図画面の縮尺を自動調整する、システム。
【請求項18】
請求項14に記載のシステムであって、
前記端末装置は、
前記対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、前記2以上のエネルギ供給設備の中心位置を地図画面上に表示する、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、
前記サーバは、
前記エネルギ供給設備の数及び/又は位置の変更に応じて、前記中心位置を算出する、システム。
【請求項20】
請求項14に記載のシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
前記ユーザが目的地点を設定している場合に、前記端末装置は、前記対象エリアの位置から前記目的地点までの距離に基づいて前記所定基準を算出する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置が実行する方法、サーバが実行する方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギ供給設備の情報を案内する技術が知られている。例えば特許文献1には、車両がサービスエリアに進入したことを検知すると、当該サービスエリアのマップを表示する車載装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エネルギ供給設備の情報を案内する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、エネルギ供給設備の情報を案内する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
ユーザの端末装置が実行する方法であって、
前記ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、
前記車両のエネルギ残量を取得すること、及び
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力すること
を含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
サーバが実行する方法であって、
ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、
前記車両のエネルギ残量を取得すること、及び
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを前記ユーザの端末装置に送信すること
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るシステムは、
端末装置と、前記端末装置と通信可能なサーバと、を備えるシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定し、
前記車両のエネルギ残量を取得し、
前記端末装置は、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、エネルギ供給設備の情報を案内する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、端末装置10と、サーバ20と、を備える。端末装置10とサーバ20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30を介して通信可能である。
【0013】
端末装置10は、例えば、PC(Personal Computer)、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレット端末等のコンピュータであり、カーナビゲーション機能を有する専用アプリケーションがインストールされている。あるいは、端末装置10は、ユーザの車両Vに備え付けられているカーナビゲーション(Automotive navigation system)である。端末装置10は、ユーザにより使用される。端末装置10は、後述するように、地図画面上に対象エリア及びエネルギ供給設備の位置を表示し、並びに合成音声を出力する。
【0014】
サーバ20は、例えばクラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装する。サーバ20は、ネットワーク30を介して端末装置10と通信可能である。
【0015】
ネットワーク30は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのM
AN、又はこれらの組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク30は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0016】
車両Vは、少なくとも駆動の一部にガソリン、電力、水素等のエネルギを使用する任意の自動車である。
【0017】
本実施形態において、ユーザは、車両Vで高速道路等の道路(以下、「道路等」という。)を走行している。車両Vは、車両Vの走行経路上にある各対象エリア内に設けられたエネルギ供給設備を利用して、エネルギを補充することができる。
【0018】
本実施形態において「エネルギ供給設備」とは、後述する対象エリアの敷地に設置され、車両Vにエネルギを補充することができる設備をいう。エネルギ供給設備は、例えばガソリンスタンド、EV充電スタンド、又は水素ステーション等であるが、これらに限られない。
【0019】
本実施形態において「対象エリア」とは、車両Vが道路等から進入することができ、ユーザが休憩するために又は車両Vにエネルギを補充するために一定時間駐車することができるエリアをいう。対象エリアは、例えばサービスエリア(SA)、又はパーキングエリア(PA)であるが、これらに限られない。本実施形態において、車両Vは、対象エリアに進入すると、進入路(減速車線)、駐車場、及び退出路(加速車線)を含む進行経路を、一方通行で順番に走行していく。また、エネルギ供給設備には、進入路又は駐車場から車両Vで直接アクセスすることができる。
【0020】
本実施形態において「車両Vが対象エリアに進入」とは、車両Vが道路等の走行経路から逸れ、対象エリアの進行経路上を走行することをいう。
【0021】
各対象エリアに関する情報は、予めサーバ20に保存されており、任意に変更することができる。
【0022】
ここで本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。端末装置10は、ユーザの車両Vの位置情報に基づいて、車両Vが対象エリアに進入したか否かを判定する。端末装置10は、車両Vのエネルギ残量を取得する。そして端末装置10は、車両Vが対象エリアに進入したと判定され、かつエネルギ残量が所定基準未満である場合に、対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力する。
【0023】
本実施形態によれば、車両Vにエネルギを供給する必要性が高いユーザに対して、例えば対象エリアのエネルギ供給設備の位置等、エネルギ供給設備に関する情報を伝えることができる。また、車両Vにエネルギを供給する必要性が高くないユーザに対しては、合成音声が出力されないので、煩わしさが低減し得る。このように、対象エリアに進入するユーザがエネルギ供給設備の情報を容易に把握することができる点で、エネルギ供給設備の情報を案内する技術が改善される。
【0024】
次に、システム1が備える各構成要素について詳細に説明する。
【0025】
(端末装置の構成)
図2に示すように、端末装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、出力部15と、取得部16と、を備える。
【0026】
制御部11は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるが、これに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるが、これに限られない。制御部11は、端末装置10全体の動作を制御する。
【0027】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部13を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
通信部13は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部13及びネットワーク30を介してサーバ20と通信する。
【0029】
入力部14は、ユーザによる入力操作を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、マウス、タッチパネル、出力部15のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクロフォン等であるが、これらに限られない。あるいは、入力部14は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0030】
出力部15は、情報を出力する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。あるいは、出力部15は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0031】
取得部16は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する、GPS受信機を有する。制御部11は、取得部16が受信したGPS信号に基づいて、端末装置10の位置(例えば緯度及び経度)を導出する。
【0032】
また、取得部16は、車両Vで使用されるエネルギの使用量を取得可能な任意のセンサモジュールを含む。例えば、車両Vがエネルギとしてガソリンを使用する場合、取得部16は、車両Vの燃料噴射量を測定可能なセンサモジュールを含んでもよい。例えば、車両Vがエネルギとして電力を使用する場合、取得部16は、車両Vの消費電力を算出可能な電力センサモジュールを含んでもよい。例えば、車両Vがエネルギとして水素を使用する場合、取得部16は、車両Vの消費燃料の量を測定可能なセンサモジュールを含んでもよい。
【0033】
(サーバの構成)
図3に示すように、サーバ20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備える。
【0034】
制御部21は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部21は、サーバ20全体の動作を制御する。
【0035】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、サーバ20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、地図情報、組み込みソフトウェア、及びデータベース等を記憶してもよい。
【0036】
通信部23は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。
【0037】
本実施形態では、通信部23は、車両Vの位置情報を端末装置10から受信することにより取得可能である。
【0038】
また、通信部23は、車両Vのエネルギ残量を端末装置10から受信することにより取得可能である。
【0039】
(端末装置の動作)
図4を参照して、本実施形態に係る端末装置10の動作を説明する。
図4の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
【0040】
S100:端末装置10の制御部11は、車両Vの位置情報を取得する。
【0041】
位置情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部11は、取得部16によって、車両Vの位置情報を取得する。車両Vの位置情報は、経度と緯度で特定されてもよい。
【0042】
位置情報は、任意のタイミングで取得されてもよい。
【0043】
S101:制御部11は、車両Vが対象エリアに進入したか否かを判定する。進入したと判定された場合(S101-Yes)、プロセスはS102に進む。進入していないと判定された場合(S101-No)、プロセスは終了する。
【0044】
車両Vが対象エリアに進入したか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、高速道路を走行している車両Vの位置情報が、高速道路の本線ではなく対象エリアへの減速車線上の位置を示す場合、制御部11は、車両Vが対象エリアに進入したと判定してもよい。一方、車両Vの位置情報が本線上の位置を示す場合、制御部11は、車両Vが対象エリアに進入していないと判定してもよい。
【0045】
S102:制御部11は、車両Vのエネルギ残量を取得する。
【0046】
例えば、制御部11は、取得部16によって車両Vのエネルギ残量を取得する。
【0047】
S103:制御部11は、エネルギ残量が所定基準未満であるか否かを判定する。所定基準未満であると判定された場合(S103-Yes)、プロセスはS104に進む。所定基準以上であると判定された場合(S103-No)、プロセスは終了する。
【0048】
所定基準は、固定値であってもよく、又は制御部11によって自動的に決定されてもよい。例えば、ユーザが目的地点を設定している場合に、制御部11は、車両Vが進入したと判定された対象エリアの位置から、目的地点までの距離に基づいて、所定基準を算出してもよい。例えば、制御部11は、対象エリアから目的地までの距離が長いほど、所定基準を高くしてもよい。このとき、制御部11は、車両Vの車種(燃費)等も考慮して所定基準を算出してもよい。例えば、制御部11は、車両Vの燃費が良いほど、所定基準を低くしてもよい。
【0049】
S104:制御部11は、車両Vが対象エリアに進入したと判定され、かつエネルギ残量が所定基準未満である場合に、対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを合成音声で出力する。メッセージの出力は、合成音声の形式でなくてもよく、例えば、制御部11は、メッセージをテキスト形式で端末装置10の画面上に表示してもよい。
【0050】
例えば、制御部11は、出力部15から、対象エリア内のエネルギ供給設備の位置を案内するメッセージを合成音声で出力する。この他にも、制御部11は、対象エリア内に設けられているエネルギ供給設備の数、種類等に関する情報を合成音声で出力してもよい。
【0051】
以上述べたように、端末装置10は、ユーザの車両Vの位置情報に基づいて、車両Vが対象エリアに進入したか否かを判定する。端末装置10は、車両Vのエネルギ残量を取得する。そして端末装置10は、車両Vが対象エリアに進入したと判定され、かつエネルギ残量が所定基準未満である場合に、対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力する。
【0052】
かかる構成によれば、車両Vにエネルギを供給する必要性が高いユーザに対して、対象エリアのエネルギ供給設備の情報を伝えることができる。また、車両Vにエネルギを供給する必要性が高くないユーザに対しては、合成音声が出力されないので、煩わしさが低減し得る。このように、対象エリアに進入するユーザがエネルギ供給設備の情報を容易に把握することができる点で、エネルギ供給設備の情報を案内する技術が改善される。
【0053】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
【0054】
例えば、上述した実施形態の一変形例では、S104において、端末装置10の制御部11は、車両Vが対象エリアに進入したと判定された時点の車両Vの位置情報に基づいて、合成音声で出力するメッセージの内容を決定してもよい。例えば車両Vが対象エリアに進入したと判定された時点で、車両Vがエネルギ供給設備付近まで進んでいた場合等、出力したメッセージが案内として適切でない場合があり得る。車両Vの位置に合わせて制御部11が出力するメッセージの内容を変更することによって、ユーザにエネルギ供給設備の位置をより適切に案内することができる。
【0055】
また例えば、上述の実施形態において、端末装置10の制御部11は、車両Vが対象エリアに進入したと判定された時点における車両Vの位置が、対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、メッセージの内容を短くしてもよい。例えば、車両Vが対象エリアに進入したと判定された時点で、対象エリア内の所定位置(例えば、対象エリアへの減速車線上又は駐車場内の位置)に設定されたチェックポイントより手前側の第1エリア内を走行していた場合、制御部11は、予め設定されたメッセージを全て出力する。車両Vがチェックポイントより奥側の第2エリア内を走行していた場合、制御部11は、予め設定されたメッセージより短いメッセージを出力する。出力するメッセージを短くする手法には、任意の手法が採用可能である。例えば、メッセージの一部を省略してもよく、或いはメッセージの再生速度を速くしてもよい。車両Vが進行経路上をかなり進んでおり、エネルギ供給設備までの距離が短い場合でも、出力するメッセージを短くすることによって、ユーザがより時間的に余裕を持ってエネルギ供給設備の位置を把握できるように案内することができる。
【0056】
また例えば、端末装置10の制御部11は、S104においてメッセージを出力する際に、エネルギ供給設備の位置を端末装置10の地図画面上に表示してもよい。また、制御部11は、エネルギ供給設備の位置及び車両Vの位置に応じて、地図画面の縮尺を自動調整してもよい。例えば、制御部11は、車両Vの位置とエネルギ供給設備の位置の両方が画面上に表示されるように縮尺を自動調整してもよい。これにより、ユーザは、エネルギ供給設備の位置を一目で確認することができる。この他にも、制御部11は、他の所定の施設等の位置を考慮して、地図画面の縮尺を自動調整してもよい。
【0057】
また例えば、上述の実施形態において、対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、端末装置10の制御部11は、当該2以上のエネルギ供給設備の代表位置(例えば、2以上のエネルギ供給設備の中心位置)を地図画面上に表示してもよい。
【0058】
また例えば、上述の実施形態において、サーバ20の制御部21は、エネルギ供給設備の数及び/又は位置の変更に応じて、中心位置を算出してもよい。例えば、制御部21は、対象エリアのエネルギ供給設備が増設された場合、エネルギ供給設備を映したドライブレコーダの映像又は衛星画像等を分析することにより、新しい中心位置を算出する。そして制御部21は、算出した中心位置を記憶部22に保存し、ネットワーク30を介して端末装置10に送信する。端末装置10の制御部11は、新しい中心位置を地図画面上に表示する。これにより、ユーザに最新のエネルギ供給設備の位置を案内することができる。
【0059】
また例えば、上述した実施形態において端末装置10が実行する一部の処理を、サーバ20が実行する実施形態も可能である。
【0060】
上述の場合、サーバ20の制御部21は、ユーザの車両Vの位置情報に基づいて、車両Vが対象エリアに進入したか否かを判定する。制御部21は車両Vのエネルギ残量を取得する。そして制御部21は、車両Vが対象エリアに進入したと判定され、かつエネルギ残量が所定基準未満である場合に、対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージをユーザの端末装置10に送信する。
【0061】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る端末装置10として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る端末装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0062】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
ユーザの端末装置が実行する方法であって、
前記ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、
前記車両のエネルギ残量を取得すること、及び
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力すること
を含む、方法。
[付記2]
付記1に記載の方法であって、
前記端末装置は、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点の前記車両の位置情報に基づいて、合成音声で出力する前記メッセージの内容を決定し、前記メッセージを合成音声で出力する、方法。
[付記3]
付記2に記載の方法であって、
前記端末装置は、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点における前記車両の位置が、前記対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、前記チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、前記メッセージの内容を短くする、方法。
[付記4]
付記1から3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記エネルギ供給設備の位置を前記端末装置の地図画面上に表示すること、及び
前記エネルギ供給設備の位置及び前記車両の位置に応じて、前記地図画面の縮尺を自動調整すること
を更に含む、方法。
[付記5]
付記1から4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、前記端末装置は、前記2以上のエネルギ供給設備の中心位置を地図画面上に表示する、方法。
[付記6]
付記1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ユーザが目的地点を設定している場合に、前記端末装置は、前記対象エリアの位置から前記目的地点までの距離に基づいて前記所定基準を算出する、方法。
[付記7]
サーバが実行する方法であって、
ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定すること、
前記車両のエネルギ残量を取得すること、及び
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを前記ユーザの端末装置に送信すること
を含む、方法。
[付記8]
付記7に記載の方法であって、
前記サーバは、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点の前記車両の位置情報に基づいて、合成音声で出力する前記メッセージの内容を決定する、方法。
[付記9]
付記8に記載の方法であって、
前記サーバは、前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点における前記車両の位置が、前記対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、前記チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、前記メッセージの内容を短くする、方法。
[付記10]
付記7から9のいずれか一項に記載の方法であって、
前記端末装置に、
前記エネルギ供給設備の位置を前記端末装置の地図画面上に表示させること、及び
前記エネルギ供給設備の位置及び前記車両の位置に応じて、前記地図画面の縮尺を自動調整させること
を更に含む、方法。
[付記11]
付記7から10のいずれか一項に記載の方法であって、
前記対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、前記サーバは、前記端末装置に、前記2以上のエネルギ供給設備の中心位置を地図画面上に表示させる、方法。
[付記12]
付記11に記載の方法であって、
前記サーバは、前記エネルギ供給設備の数及び/又は位置の変更に応じて、前記中心位置を算出する、方法。
[付記13]
付記7から12のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ユーザが目的地点を設定している場合に、前記サーバは、前記対象エリアの位置から前記目的地点までの距離に基づいて前記所定基準を算出する、方法。
[付記14]
端末装置と、前記端末装置と通信可能なサーバと、を備えるシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
ユーザの車両の位置情報に基づいて、前記車両が対象エリアに進入したか否かを判定し、
前記車両のエネルギ残量を取得し、
前記端末装置は、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定され、かつ前記エネルギ残量が所定基準未満である場合に、前記対象エリア内に設けられた1以上のエネルギ供給設備に関するメッセージを出力する、システム。
[付記15]
付記14に記載のシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点の前記車両の位置情報に基づいて、合成音声で出力する前記メッセージの内容を決定し、
前記端末装置は、前記メッセージを合成音声で出力する、システム。
[付記16]
付記15に記載のシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
前記車両が前記対象エリアに進入したと判定された時点における前記車両の位置が、前記対象エリアの進行経路上に設定されたチェックポイントより奥側の第2エリア内である場合には、前記チェックポイントより手前側の第1エリア内である場合と比較して、前記メッセージの内容を短くする、システム。
[付記17]
付記14から16のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記端末装置は、
前記エネルギ供給設備の位置を前記端末装置の地図画面上に表示し、及び
前記エネルギ供給設備の位置及び前記車両の位置に応じて、前記地図画面の縮尺を自動調整する、システム。
[付記18]
付記14から17のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記端末装置は、
前記対象エリア内に2以上のエネルギ供給設備が設けられている場合に、前記2以上のエネルギ供給設備の中心位置を地図画面上に表示する、システム。
[付記19]
付記18に記載のシステムであって、
前記サーバは、
前記エネルギ供給設備の数及び/又は位置の変更に応じて、前記中心位置を算出する、システム。
[付記20]
付記14から19のいずれか一項に記載のシステムであって、
前記端末装置又は前記サーバは、
前記ユーザが目的地点を設定している場合に、前記端末装置は、前記対象エリアの位置から前記目的地点までの距離に基づいて前記所定基準を算出する、システム。
【符号の説明】
【0063】
1 システム
10 端末装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 出力部
16 取得部
20 サーバ
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 ネットワーク