IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 未来工業株式会社の特許一覧 ▶ 学校法人 日本福祉大学の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011788
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
B60N3/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114113
(22)【出願日】2023-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501261584
【氏名又は名称】学校法人 日本福祉大学
(74)【代理人】
【識別番号】100203460
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 肇
(72)【発明者】
【氏名】川村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 崇史
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088LA03
(57)【要約】
【課題】様々な形状の保持対象物を好適に保持可能な保持具を提供する。
【解決手段】
内部空間に保持対象物を保持可能な保持具10であって、下端側に設けられ、保持対象物と当接又は対向可能な受け部20と、受け部よりも上方に設けられ、保持対象物の外側面に当接可能な側方支持部30と、を備える。側方支持部30は、上方へ向けて立設する、内部空間を囲んで環状に配置されている複数の腕部31を有し、腕部31は、内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能であり、複数の腕部31に対して、内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能な縮径部材34が取り付けられている。腕部34には、縮径部材34の腕部31に対する上下方向の移動を抑制する位置決め部が設けられている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間に保持対象物を保持可能な保持具であって、
下端側に設けられ、前記保持対象物と当接又は対向可能な受け部と、
前記受け部よりも上方に設けられ、前記保持対象物の外側面に当接可能な側方支持部と、を備え、
前記側方支持部は、上方へ向けて立設する、前記内部空間を囲んで環状に配置されている複数の腕部を有し、
前記腕部は、前記内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能であり、
複数の前記腕部に対して、前記内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能な縮径部材が取り付けられている、保持具。
【請求項2】
前記腕部は、前記縮径部材の前記腕部に対する上下方向の移動を抑制する位置決め部が設けられている、請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
前記縮径部材は、前記弾性変形をしていない状態における直径が異なる複数のものを選択可能である、請求項2に記載の保持具。
【請求項4】
いずれの前記縮径部材も共通の前記位置決め部に取り付け可能である、請求項3に記載の保持具。
【請求項5】
前記側方支持部は環状の壁部を備え、
前記腕部はその壁部の上端から上方へ向けて立設しており、
前記壁部の上下方向の高さよりも、前記腕部の上下方向の高さのほうが大きい、請求項1に記載の保持具。
【請求項6】
取付対象に取り付ける場合に用いられる取付部をさらに備え、
前記取付部は前記受け部及び前記側方支持部を前記取付対象に対して相対的に回動可能であり、
前記取付部と前記受け部及び前記側方支持部との相対的な回動により、前記受け部及び前記側方支持部の上下方向の向きを維持可能である、請求項1に記載の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部空間に保持対象物を保持可能な保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボトル等の保持対象物を保持するための保持具として様々な形状のものが用いられているが、保持対象物の形状によっては好適に保持できない場合があるため、保持対象物の形状に応じた複数の保持具を用意する必要があった。この課題を解決した保持具として、特許文献1に記載の保持具がある。特許文献1の保持具では、上端側と下端側の空間の形状を異ならせることで、上端側の空間の形状に応じた保持対象物と、下端側の空間の形状に応じた保持対象物を保持可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-042522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の保持具では、2種類の形状の保持対象物を保持可能ではあるが、それ以外の形状の保持対象物については好適に保持することが困難である。また、上端側の空間では保持対象物を保持するための空間が浅くなり、保持対象物を保持可能であったとしてもその保持対象物の下端近傍のみを保持することとなり、安定した保持が困難となる場合もある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、様々な形状の保持対象物を好適に保持可能な保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の構成は、内部空間に保持対象物を保持可能な保持具であって、下端側に設けられ、前記保持対象物と当接又は対向可能な受け部と、前記受け部よりも上方に設けられ、前記保持対象物の外側面に当接可能な側方支持部と、を備え、前記側方支持部は、上方へ向けて立設する、前記内部空間を囲んで環状に配置されている複数の腕部を有し、前記腕部は、前記内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能であり、複数の前記腕部に対して、前記内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能な縮径部材が取り付けられている。
【0007】
第1の構成では、保持対象物を保持するうえで、保持対象物の形状に応じて腕部及び縮径部材の形状が変形するため、保持対象物の形状に関わらず、保持対象物を好適に保持することができる。そして、保持対象物を腕部が保持するうえで一部の腕部が弾性変形した場合に、その弾性変形に追従して縮径部材も弾性変形し、さらにその縮径部材の弾性変形により他の腕部も弾性変形する。これにより、一部の腕部のみが弾性変形する事態を抑制することができ、一部の腕部のみの弾性変形に起因する保持対象物の脱落が抑制される。
【0008】
また、保持対象物の直径が側方支持部の直径よりも大きい場合には、腕部が外側へ向けて弾性変形して保持対象物を支持することとなるが、この場合においては縮径部材も腕部の弾性変形に追従して外側へ向けて弾性変形し、縮径部材及び腕部が協働して保持対象物を保持することとなるため、保持対象物の直径が側方支持部の直径よりも大きい場合においても保持対象物を安定して保持することができる。
【0009】
第2の構成は、第1の構成に加えて、前記腕部は、前記縮径部材の前記腕部に対する上下方向の移動を抑制する位置決め部が設けられている。
【0010】
縮径部材を腕部に取り付けるうえで、縮径部材が上端側に移動すれば腕部の上端の変形量は小さくなるし、縮径部材が下端側に移動すれば腕部の上端の変形量は大きくなる。この点、第2の構成では、縮径部材の腕部に位置決め部を設けることにより、縮径部材による腕部の変形量を一定とすることができる。
【0011】
第3の構成は、第2の構成に加えて、前記縮径部材は、前記弾性変形をしていない状態における直径が異なる複数のものを選択可能である。
【0012】
第3の構成では、保持対象物の大きさや重量に応じて縮径部材を選択して腕部に取り付けることができる。
【0013】
第4の構成は、第3の構成に加えて、いずれの前記縮径部材も共通の前記位置決め部に取り付け可能である。
【0014】
第4の構成では、直径の異なる縮径部材を共通の位置決め部に取り付けることで、縮径部材の弾性力をより好適に選択することができる。
【0015】
第5の構成は、第1の構成に加えて、前記受け部は環状の壁部を備え、前記腕部はその壁部の上端から上方へ向けて立設しており、前記壁部の上下方向の高さよりも、前記腕部の上下方向の高さのほうが大きい。
【0016】
第5の構成では、弾性変形する腕部の長さをより長くすることができるため、縮径部材により腕部の先端の変形量をより大きく調節することができる。
【0017】
第6の構成は、第1の構成に加えて、取付対象に取り付ける場合に用いられる取付部をさらに備え、前記取付部は前記受け部及び前記側方支持部を前記取付対象に対して相対的に回動可能であり、前記取付部と前記受け部及び前記側方支持部との相対的な回動により、前記受け部及び前記側方支持部の上下方向の向きを維持可能である。
【0018】
第6の構成では、受け部及び側方支持部の上下方向の向きを保ちつつ、保持対象物を保持することができるため、取付対象が傾いた場合においては受け部及び側方支持部の上下方向の向きを天地の方向と一致させることができ、保持対象物を安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】保持具の斜視図。
図2】保持具の正面図。
図3】保持具の背面図。
図4】保持具の右側面図
図5】保持具の平面図。
図6】A-A線断面図。
図7】B-B線断面図。
図8】背面部の斜視図。
図9】背面部の正面図。
図10】背面部の背面図。
図11】C-C線断面図。
図12】D-D線断面図。
図13】操作部材の斜視図。
図14】操作部材の正面図。
図15】E-E線断面図。
図16】被取付部の斜視図。
図17】被取付部の正面図。
図18】被取付部の平面図。
図19】被取付部の底面図。
図20】被取付部の右側面図。
図21】背面部に操作部材、取付部、及び被取付部を取り付けた状態の正面図。
図22】背面部に操作部材、取付部、及び被取付部を取り付けた状態の背面図。
図23】F-F線断面図。
図24】G-G線断面図。
図25】被取付部を取り付ける状態を示すF-F線断面図。
図26】被取付部を取り外す状態を示すG-G線断面図。
図27】当接部が非当接位置にある場合の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態>
本実施形態に係る保持具10は、車椅子のアームサポート等の取付対象物に取り付けられて用いられ、内部空間に保持対象物である飲料等の容器を収容可能なものである。以下の説明では、保持具10の車椅子に対して取り付けられる側を背面側と定義し、車椅子に取り付けられた際の天地の方向を上下方向と定義する。
【0021】
保持具10は、保持具10全体の下端側に設けられている受け部20と、その受け部20よりも上方に設けられている側方支持部30と、を備えている。これら受け部20と側方支持部30とは、弾性変形可能な樹脂により一体成型されている。受け部20は、円筒形状であり厚みが略均一な側壁21と、その側壁21の下端に設けられており、側壁21の下端を閉塞している底面22とにより構成されている。受け部20がこのように構成されているため、受け部20全体は有底円筒形状であるといえ、受け部20の内部には、円柱状の内部空間が形成されているといえる。また、側壁21の直径は、側壁21の高さよりもやや大きい。
【0022】
側方支持部30は、受け部20の側壁21の上端から上方へ向けて立設している複数の腕部31を備えている。腕部31は13個設けられており、各腕部31の形状は略等しく、腕部31の高さは受け部20の側壁22の高さよりもやや高い。また、各腕部31は、周方向において均等な間隔を空けて設けられており、各腕部31の周方向の幅は、腕部31どうしの間隔よりも大きい。腕部31がこのように設けられているため、腕部31に囲まれる領域は、受け部20の内部と上下方向において連続する円柱形の内部空間を形成しているといえ、各腕部31は、その内部空間の内外方向に弾性変形可能であるといえる。
【0023】
腕部31の上端には、外側すなわち内部空間側とは反対の側へ向けて傾斜している傾斜部32が設けられている。この傾斜部32と腕部31との境界には、幅方向の全体に亘って、外側から内側へ向けて断面半円弧状に凹んでいる位置決め部33が形成されている。
【0024】
以上のように構成されている側方支持部30の腕部31に設けられている位置決め部33の外周を囲うように、円環形状の輪ゴム34が取り付けられて使用される。この輪ゴム34の内径は、腕部31における位置決め部33が形成されている部分の外径以下であればよい。輪ゴム34の内径が位置決め部33の外径と等しければ、輪ゴム34は取り付ける際には弾性変形して拡径するものの、位置決め部33の周囲に位置した状態では弾性変形していない状態となる。この状態で腕部31が拡径するように外側へ向かう力が加われば、輪ゴム34は弾性変形して拡径する。一方、輪ゴム34の内径が位置決め部33の外径よりも小さければ、輪ゴム34を位置決め部33の周囲に取り付けた場合に腕部31が内部空間の内側へ向けて弾性変形する。このとき、内部空間の内側へ向けて弾性変形した腕部31の復元力と、拡径した輪ゴム34の復元力とが釣り合った状態で維持される。なお、以上のようにして輪ゴム34が腕部31に対して取り付けられるため、輪ゴム34は、内部空間の内外方向へ向けて弾性変形可能な縮径部材と称することができる。
【0025】
保持具10の背面側には、上方へ向けて立設する保持部40が設けられている。この保持部40は、保持具10の受け部20から後方へ向けて張り出しており、上下方向に均一な厚みを有する板状の底部41と、その底部41の右端から上方へ向けて立設し、左右方向に均一な厚みを有する板状の右側面部42と、底部41の左端から上方へ向けて立設し、左右方向に均一な厚みを有する板状の左側面部43と、底部41の後端から上方へ向けて立設し、左右端がそれぞれ右側面部42、左側面部43と連接している板状の背面部50と、を備えている。すなわち、保持部40は、底部41、右側面部42、左側面部43及び背面部50により、上方及び前方が開放されている略箱状の形状であるといえる。
【0026】
底部41は、側壁21の上下方向の略中間位置から後方へ向けて張り出すように一体成型されており、左右幅は側壁21の左右幅よりも小さく、前後幅は、左右幅の略半分程度である。また、この底部41の前端の形状は、側壁21と一体成型されていることから、側壁21の外周面の形状に沿って後方へ向けて湾曲する円弧状である。
【0027】
右側面部42の高さは、腕部31に設けられている位置決め部33よりもやや上であり、且つ腕部31の上端までは至らない程度のものとなっている。この右側面部42は、側壁22の上端よりもやや上方までは前後幅が略一定であり、その位置よりも上方においては、後端は上方へ向けて垂直に立設し且つ前端が後方へ向けて傾斜しており、前後幅が上方へ向かうにつれて漸減している。左側面部43の形状は、右側面部42と同等の形状であるため、その説明は省略する。
【0028】
続いて、背面部50の構造について、図8~12を参照して説明する。図8~12には、左右側面部42,43の一部に相当する構成が図示されているが、その説明及び符号の付与は省略している。背面部50は、上方へ向けて立設する板状であり、高さは受け部20及び側方支持部30を合わせた高さよりも高くなっている。背面部50の上端は略台形状となっており、この上端から下方にやや間隔を空けて、第1貫通孔51が設けられている。この第1貫通孔51は、左右一対の平行な直線と、その直線の上端どうしを繋ぐ半円弧により外形が規定されており、上下方向を長軸とする長円形である。この第1貫通孔51の正面側の左右近傍には、正面へ向けて突出し、上下方向に垂直に延びる、一対のレール部52が設けられている。一対のレール部52の上端の位置は第1貫通孔51の上端よりもやや上であり、下端の位置は第1貫通孔51の下端よりもやや下である。この一対のレール部52は、上下方向の全域において、正面への突出量は均一であり、且つ、左右の間隔は一定である。また各レール部52の左右幅は正面側の前端近傍まで均一であり、各レール部52の正面側端部には、レール部52どうしの対向方向へ向けて張り出している張出部53が設けられている。この張出部53の正面側端部の張り出し量は上下方向において略均一であり、且つその張り出し量は、第1貫通孔51と位置が重畳しない程度の量となっている。第1貫通孔51の背面側の下方には、後方へ向けて突出する円柱形上の係止突起54が設けられている。この係止突起54の高さは、正面側に設けられているレール部52の突出量よりもやや小さい。
【0029】
第1貫通孔51の下方には、上下方向に延びる矩形状の開口55が設けられている。この開口55の左右の中心軸は、背面部50の左右の中心軸と略一致しており、且つ、開口55の上下方向の位置は、背面部50全体の略中央に位置している。また、開口55の左右幅は、レール部52の左右の間隔と略等しい。この開口55の下端から上方へ向けて立設するように、可動片61が設けられている。この可動片61の形状は、開口55と略相似する上下方向に延びる矩形板状である。可動片61の厚みは上端近傍に至るまでは背面部50の厚みと等しく、上端近傍から上端へ向けて厚みが漸増するように、後方へ向けて隆起する傾斜を有する変位部62が設けられている。一方、可動片61の正面側には傾斜が設けられておらず、背面部50の正面と略一致する平面を形成している。また、変位部62の上端縁には、下方に向けて凹んだ円弧状の当接部63が形成されている。
【0030】
可動片61の上下方向の中央よりもやや下方から下端近傍に至るまでには、左右幅が狭くなるように、左右のそれぞれに矩形状の切れ込み64が形成されている。これら切れ込み64の左右幅は互いに等しく、且つ、上下方向の位置及び上下の長さも互いに等しい。可動片61のこの切れ込み64の上端に位置する部分には、可動片61の他の箇所よりもやや薄く形成されており、上方へ向けて厚みが漸増する傾斜を有する付勢部65が設けられている。この付勢部65は、可動片61の上下方向の略中央に至るまで設けられている。この付勢部65の傾斜は背面側に設けられており、付勢部65の正面は、可動片61の正面と等しい平面を形成している。
【0031】
以上のように構成されている背面部50には、操作部材70が取り付けられて使用される。操作部材70の構造について、図13~15を参照して説明する。操作部材70は上下方向に延びる長方形状の板部71を備えている。板部71の左右幅は、背面部50の正面側に設けられているレール部52の左右の間隔と略等しい。すなわち、背面部50の開口55の左右の幅とも略等しい。板部71の前後方向の厚みは、背面部50の正面とレール部52に設けられている張出部53の背面との間隔と略等しい。この板部71の上端近傍には、円形の孔である第2貫通孔72が設けられている。この第2貫通孔72の中心は、板部71の左右方向の中央に位置しており、第2貫通孔72の直径は、第1貫通孔51の上下の外形を規定している半円弧の直径と略等しい。
【0032】
板部71の下端の左右のそれぞれには、下方へ向けて垂直に延びる一対の脚部73が設けられている。この脚部73の左右幅は、上下方向で略均一であり、開口55の左右端と可動片61の左右端との間隔と略等しい。それぞれの脚部73の下端の背面から突出するように、脚部73よりも左右幅が大きく、切れ込み64と左右幅が略等しい押圧部74が設けられている。左側の脚部73の下端に設けられている押圧部74の左端は、その脚部73の左端と共通する直線を形成しており、右側の脚部73の下端に設けられている押圧部74の右端は、その脚部73の右端と共通する直線を形成している。すなわち、押圧部74は、対向する方向へ向けて突出している。この押圧部74の背面は、上下方向に垂直に立設する平面となっており、正面側には、上端から下端へ向けて厚みが漸増するように傾斜が設けられている。また、第2貫通孔72の下端から脚部73の下端までの長さは、背面部50の第1貫通孔51の下端から切れ込み64の下端までの長さと略等しい。
【0033】
背面部50の背面側には、第1貫通孔52のやや下方から可動片61の上端近傍を覆うように、取付部80が取り付けられる。この取付部80は、前後方向に向け立設する湾曲壁形状の周壁部81を備えている。この周壁部81は、上端側が半円弧状であり、その半円弧の下端のそれぞれからやや外側へ向かって広がるように構成されている。換言すれば、周壁部81の背面視における形状は、下方が外側へ向けて広がるように開放している逆U字形状と称することもできる。また、周壁部81の上端側の半円弧の曲率は、可動片61に設けられている当接部63の曲率と略等しい。
【0034】
周壁部81の背面側端部には、周壁部81の内側方向へ向けて拡幅されている内側フランジ82が設けられている。この内側フランジ82の前後方向の厚みは全周に亘って略均一であり、且つ、周方向の幅も全周に亘って略均一である。一方、周壁部81の正面側端部には、周壁部81の外側方向へ向けて拡幅されている外側フランジ83が設けられている。この外側フランジ83の前後方向の厚みは全周に亘って略均一である、また、外側フランジ83の周方向の幅は均一ではなく、左右の端部が上下方向へ延び一対の平行の辺を構成しており、上端は左右方向へ水平に延びる辺を構成している。以上のように構成されている取付部80は、この外側フランジ83にネジ84をねじ込むことにより背面部50に取り外し可能に取り付けられる。
【0035】
以上のように構成されている背面部50に対しては、被取付部90が取り付けられて使用される。被取付部90の形状について、図16-20を参照して説明する。被取付部90は、前後方向に厚みを有する円板状の第1円板部91と、第1円板部91と厚みが略等しく直径が第1円板部91よりもやや小さい第2円板部93と、第1円板部91と第2円板部93を繋ぐ円板状の連結部92とにより構成されている。これら第1円板部91、連結部92、及び第2円板部93は中心軸を共有している。第1円板部91の半径は、可動片61の当接部63及び取付部80の周壁81の上端側の曲率半径と等しくなっている。第1円板部91及び第2円板部93の厚みは、背面部50の背面と、取付部80の内側フランジ82の正面との間隔よりもやや薄い。また、連結部92の前後方向の厚み、すなわち第1円板部91と第2円板部93との間隔は、取付部80の内側フランジ82の厚みと略等しい。
【0036】
第1円板部91の正面には、背面方向へ向けて窪んだ回動範囲規制部94が設けられている。この回動範囲規制部94は、正面視にて第1円板部91の外周に沿う円弧状の溝であり、上端が開放されている。また、回動範囲規制部94の深さは、背面部に設けられている係止突起54の高さと略等しく、上下幅も、係止突起54の直径と略等しい。一方、第1円板部91の正面において、回動範囲規制部94と中心対称の位置には、背面方向へ向けて窪んだ回動抑制部95が設けられている。この回動抑制部95は、下端が開放された略円形の溝であり、その深さは係止突起54の高さと略等しく、直径も係止突起54の直径と略等しい。
【0037】
被取付部90の前後方向の中心軸線上には、前後方向に貫通する円形の取付孔96が設けられている。この取付孔96の内部には雌ネジを設けることができ、その雌ネジを用いて車椅子のアームサポートに取り付けることができる。なお、取付対象が車椅子のアームサポートでない場合には、この取付孔96と種々の公知の取付手段を用いて、取付対象に対して好適な取付方法を採用することができる。
【0038】
以上説明した背面部50への操作部材70及び被取付部90の取り付け方、及び、その操作部材70の使用方法について、図21-27を参照して説明する。操作部材70は、背面部50の正面に設けられているレール部52の間に、下方から進入させて取り付ける。操作部材70の板部71の左右幅はレール部52の左右の間隔と略等しく、板部71の厚みは、背面部50の正面と張出部53の背面との間隔と略等しいため、操作部材70の板部71は、左右がレール部52に挟み込まれ、前後が背面部50と張出部53に挟み込まれることとなる。操作部材50に設けられている押圧部74は背面方向へと突出していることから、図24に示すように、可動片61の切れ込み64内へと入り込み、押圧部74の正面側に設けられている傾斜面と可動片61の付勢部65に設けられている傾斜面とが、やや間隔を空けて対向することとなる。このとき、操作部材70に設けられている第2貫通孔72の下端の外周と、背面部50に設けられている第1貫通孔51の下端の外周とを背面視にて略一致させることで、操作部材70の押圧部74が付勢部65を押圧していないことを目視にて判別可能となる。
【0039】
被取付部90は、背面部50と取付部80との間の空間に対して下方から進入させて取り付ける。このとき、背面部50及び取付部80に対して被取付部90を取り付けるということもできるし、被取付部90が構造物等に予め取り付けられているのであれば、背面部50及び被取付部90に対して取付部80を取り付けるということもできる。すなわち、背面部50及び取付部80と被取付部90とを互いに対向する方向へ向けて相対移動させることで、被取付部90は、背面部50と取付部80との間の空間に対して下方から進入する。
【0040】
被取付部90を取付部80の下方から進入させるうえで、被取付部90の第1円板部91の正面が背面部50の背面と対向するようにし、且つ、可動片61の背面に沿って摺動させる。このとき、被取付部90が可動片61の変位部62に到達すれば、図25に示すように、被取付部90の摺動に伴って可動片61は正面方向へ向けて押圧されて弾性変形し、被取付部90は可動片61の変位部62及び当接部63の背面側を通過して、背面部50と取付部80との間に進入可能となる。
【0041】
被取付部90が背面部50と取付部80との間に下方から進入すれば、被取付部90の第1円板部91の前後面は背面部50と取付部80とにより挟まれることとなる。被取付部90の第1円板部91と第2円板部93との間には、取付部80の内側フランジ82が嵌まりこむ。このとき、内側フランジ82は第1円板部91の背面、連結部92の外周面、及び第2円板部93の正面に摺接し、被取付部90は取付部80に対して摺動しながら取付部80の上端縁に至るまで移動する。また、被取付部90が可動片61の背面を通過し終えれば、弾性変形していた可動片61が元の形状へと復帰し、可動片61の上端に設けられている当接部63が被取付部90の下端縁に当接する。これにより、被取付部90の下方への離脱が抑制されることとなる。
【0042】
以上のようにして被取付部90を背面部50と取付部80との間に進入させるうえで、被取付部90の第1円板部91に設けられている回動範囲規制部94と回動抑制部95とのいずれを上方に向けるかで、被取付部90を揺動させることができるか否かを選択することができる。すなわち、回動範囲規制部94が上方を向くようにすれば、その回動範囲規制部94に背面部50に設けられている係止突起54が嵌まりこみ、回動抑制部95が上方を向くようにすれば、回動抑制部95に係止突起54が嵌まり込む。
【0043】
回動範囲規制部94に係止突起54が嵌まり込んだ場合、取付部80と被取付部90との上下左右方向の相対的な移動が抑制されているため、取付部80と被取付部90とは、被取付部90は中心軸周りに相対的に回動可能であり、その揺動可能な角度は、回動範囲規制部94の長さに応じた角度となる。一方、回動抑制部95に係止突起54が嵌まり込んだ場合、取付部80と被取付部90との相対的な回動は規制されることとなる。すなわち、保持具10全体を被取付部90の中心軸周りに揺動させる使用方法が求められるのであるのならば、回動範囲規制部94が上方を向くように被取付部90を固定し、保持具10全体が揺動しないことが求められるのであれば、回動抑制部95が上方を向くようにして被取付部90を固定する。
【0044】
以上のように取り付けられている被取付部90を取り外す際には、操作部材70を上側へ向けて引き上げる。具体的には、背面部50の第1貫通孔51と操作部材70の第2貫通孔72に対して指を入れて引き上げ、第1貫通孔51の上端縁と第2貫通孔72の上端縁の位置とが略一致するようにする。このとき、操作部材70の下端側に設けられている押圧部74の傾斜面が、可動片61の付勢部65の傾斜面に当接しつつ上方に引き上げられるため、押圧部74により付勢部65が押圧される。これにより、可動片61の基端近傍に対して前方へ向く力が加わることとなり、可動片61が前方へ向けて弾性変形する。したがって、可動片61の当接部63が被取付部90に当接しない位置である非当接位置へと移動し、被取付部90の下方への移動が可能となる。
【0045】
以上説明した可動片61の当接部63の位置について、当接位置であるか非当接位置であるかは、操作部材70の第2貫通孔72を視認することで、判別することが可能である。すなわち、操作部材70が引き上げられておらず当接部63の位置が当接位置である場合、図21に示すように、操作部材70の第2貫通孔72の下端縁と背面部50の第1貫通孔51の下端縁が略一致していることを視認することができる。一方、操作部材70が引き上げられており当接部63の位置が非当接位置である場合、図27に示すように、操作部材70の第2貫通孔72の上端縁と背面部50の第1貫通孔51の上端縁が略一致していることを視認することができる。以上のようにして、第1貫通孔51と第2貫通孔72とを視認することで当接部63の位置が当接位置であるか非当接位置であるかを判別することができるため、第1貫通孔51と第2貫通孔72とを纏めて、当接部63の位置を判別可能とするための表示部と称することができる。
【0046】
被取付部90を取り外した後、操作部材70を引き下げて押圧部74による付勢部65に対する押圧状態が解除されれば、可動片61が弾性変形状態から復帰し、当接部63が当接位置へと戻る。このとき、人為的に操作部材70を操作しなくとも、可動片61の弾性変形状態からの復帰に伴い、操作部材70が引き下げられる。具体的には、弾性変形している可動片61は弾性変形状態から元の状態へと復帰すべく変形するため、それに伴い付勢部65も背面方向へ向けて変位する。このとき、付勢部65の傾斜面により押圧部74の傾斜面が押圧され、その押圧により押圧部74が下方へ向けて移動する。すなわち、付勢部65により押圧部74が下方へ向けて付勢されることにより、操作部材70全体が下方へ向けて押し下げられる。
【0047】
なお、以上説明した背面部50、操作部材70、取付部80、及び被取付部90により構成されるものについて、受け部20及び側方支持部30を取付対象物に取り付ける際に用いられるものであるから、全体を纏めて取付装置と称することができ、その取付装置の構造全体を取付構造と称することもできる。また、背面部材50を本体と称することもでき、その本体が取付部80及び被取付部90を備えており、本体に対してさらに操作部材が取り付けられて使用されるということもできる。
【0048】
上記構成により、本実施形態に係る保持具は、以下の効果を奏する。
【0049】
・保持対象物を保持するうえで、保持対象物の形状に応じて腕部31及び輪ゴム34の形状が変形するため、保持対象物の形状に関わらず、保持対象物を好適に保持することができる。そして、保持対象物を腕部31が保持するうえで一部の腕部31が弾性変形した場合に、その弾性変形に追従して輪ゴム34も弾性変形し、さらにその輪ゴム34の弾性変形により他の腕部31も弾性変形する。これにより、一部の腕部31のみが弾性変形する事態を抑制することができ、一部の腕部31のみの弾性変形に起因する保持対象物の脱落が抑制される。
【0050】
・保持対象物の直径が側方支持部21の直径よりも大きい場合には、腕部31が外側へ向けて弾性変形して保持対象物を支持することとなるが、この場合においては輪ゴム34も腕部31の弾性変形に追従して外側へ向けて弾性変形する。したがって、輪ゴム34及び腕部31が協働して保持対象物を保持することとなるため、保持対象物の直径が側方支持部30の直径よりも大きい場合においても保持対象物を安定して保持することができる。
【0051】
・輪ゴム34を腕部31に取り付けるうえで、輪ゴム34が上端側に移動すれば腕部31の上端の変形量は小さくなるし、輪ゴム34が下端側に移動すれば腕部31の上端の変形量は大きくなる。この点、実施形態では腕部31に位置決め部33を設けることにより、輪ゴム34の上下方向の移動を抑制することができ、輪ゴム34による腕部31の変形量を一定とすることができる。
【0052】
・受け部20を構成する壁部22の高さよりも、腕部31の上下方向の高さのほうが大きいため、弾性変形する腕部31の長さをより長くすることができ、輪ゴム34により腕部31の先端の変形量をより大きく調節することができる。
【0053】
・回動可能な被取付部90を利用して保持具10を取付対象物に対して取り付けることができるため、保持具10の上下方向の向きを保ちつつ、保持対象物を保持することができる。したがって、取付対象が傾いた場合においては保持具10の上下方向の向きを天地の方向と一致させることができ、保持対象物を安定して保持することができる。
【0054】
・操作部材70の操作方向が上下方向であり、取付部80に対して被取付部90を取り付ける際の操作の方向と同じ方向であるため、取り付け及び取り外しの操作を認識しやすく、その操作をより容易に行うことができる
【0055】
・被取付部90の移動操作により当接部63を被当接位置へ変位させるため、当接部63を被当接位置へ変位させるための操作を別途行う必要がなくなり、取付部80の被取付部90への取り付けを容易に行うことができる。
【0056】
・第1貫通孔51と第2貫通孔72との位置関係を視認することで操作部材70が可動片61を押圧しているかを判別できるため、当接部63の位置が当接位置であるのか被当接位置であるのかを容易に判断することができる。
【0057】
・操作部材70の押圧部74が可動片61の基端寄りを押圧するため、可動片61への押圧量が小さくても可動片61の先端の変位量を大きくすることができるため、操作部材70の操作量をより小さくすることができる。
【0058】
・付勢部65により操作部材70が当接部63を弾性変形させない方向へと付勢することで、操作部材70が意図せずに可動片61を押圧して当接部63を被当接位置へと移動させる事態を抑制できるため、被取付部90の意図しない離脱を好適に抑制することができる。
【0059】
・被取付部90が取り付けられている構造物等の姿勢が変化したとしても取付部80と被取付部90との相対角度を変化させることにより、受け部20及び側方支持部30の姿勢を垂直に維持することができ、保持対象物の落下を抑制することができる。また、取付部80と被取付部90との相対的な回動角度が過剰であれば、過剰な回動により保持対象物の落下のおそれが生ずるが、回動範囲規制部94を備えていることから、取付部80と被取付部90との相対的な回動範囲を保持対象物が落下しない程度に規制することができる。加えて、回動抑制部95を用いて取付部80と被取付部90との相対的な揺動を規制することで、相対的な揺動が不要な場合において、取付部80と被取付部90との相対的な姿勢を維持することができる。
【0060】
・取付部80を被取付部90に取り付ける際に、取付部80と被取付部90とが相対的に対して摺動するものであれば、取付部80と被取付部90との摩擦係数は少ないほうがよいが、取付部80と背面部50とが一体として製造されているものであれば、他の構成要素の強度や弾性、コスト等を勘案して、必ずしも摩擦係数が最適なものが選択されるとは限らない。この点、本実施形態では、取付部80を本体から取り外し可能としているため、被取付部90との摩擦係数の小さい素材を優先して選択できるうえ、摺動により摩耗した場合には、取り外して交換を行うことができる。
<変形例>
【0061】
・実施形態における輪ゴム34について、弾性変形をしていない状態における直径が異なる複数のものを選択可能としてもよい。また、その輪ゴム34について、直径のみではなく太さの異なるものについても選択可能としてもよい。こうすることで、保持対象物の大きさや重量に応じて大きさの異なる輪ゴム34を選択して腕部31に取り付けることができる。また、その輪ゴム34について、直径のみではなく太さの異なるものについても選択可能としてもよい。この場合においても、直径や太さの異なる輪ゴム34を共通の位置決め部33に取り付けることで、輪ゴム34の弾性力をより好適に選択することができる。
【0062】
・輪ゴム34の代わりに、C字状の金属又は樹脂で形成されたリングを縮径部材として腕部31に取り付けるものであってもよい。
【0063】
・腕部31の内側に輪ゴム34等の縮径部材を取り付けることが可能な構造を設けてもよいし、外側と内側を選択して縮径部材を取り付けるものであってもよい。外側と内側を選択可能なものであれば、外側に取り付けた場合に過剰に縮径する場合には、内側に取り付けることで腕部31の変形量を調整することができる。
【0064】
・輪ゴム34の弾力が小さく腕部31に輪ゴム34を取り付けた場合に変形量が不十分である場合等には、取り付ける輪ゴム34の数を増加させることで、腕部31の変形量を調整するものとしてもよい。
【0065】
・輪ゴム34の直径としては、腕部31の外径と略等しいものを選択できるものとしてもよい。保持対象物として外径が腕部31の外径よりも大きいものを選択した場合、保持対象物により腕部31が外側へ向けて弾性変形することとなる。この場合には、輪ゴム34の直径を腕部31の外径と略等しいものとしておけば、腕部31の弾性変形に追従して輪ゴム34も弾性変形し、輪ゴム34と腕部31とが協働して保持対象物を保持することができる。
【0066】
・位置決め部33は、腕部31の延在方向の複数の位置に設けられていてもよい。この場合には、輪ゴム34を取り付ける位置を変更することで腕部31の変形量を調整することができ、保持対象物の大きさや重量に応じて輪ゴム34を取り付ける位置を変更することができる。
【0067】
・被取付部90の取付部80への進入方向は下方から上方へ向くものでなくてもよい。すなわち、上方から下方へ向けて進入させるものであってもよいし、左右方向の一方から他方へ向けて進入させるものであってもよい。
【0068】
・可動片61の基端を上方に位置するものとし先端を下方に位置するものとして、上方に位置している基端を押圧するものとしてもよい。
【0069】
・実施形態では変位部62を可動片61の上端側に設けているが、背面部50の別の場所に変位部62に相当する構成を設け、その部分に対して被取付部90が接触することで当接部63を被当接位置へと移動させるものとしてもよい。
【0070】
・実施形態では、第1貫通孔51と第2貫通孔72とを表示部として機能させ、第1貫通孔51と第2貫通孔72との位置合わせにより操作部材70が可動片61を押圧しているか否かを表示しているが、表示部として機能させるための構成はこれに限らず、様々な手段を採用可能である。例えば、背面部50と操作部材70との一方に縦長の孔を設け、他方には縦長の孔を介して視認可能な部材等を設け、その部材の位置により操作部材70の状態を確認するものとしてもよい。
【0071】
・第1貫通孔51及び第2貫通孔72の大きさを異なるものとせず、等しい大きさとしてもよい。この場合においても、目視した際に第1貫通孔51と第2貫通孔72の位置が一致している場合と一致していない場合とで、操作部材70が押圧状態であるか否かを判断することができる。
【0072】
・可動片61は下方から上方へ向けて延びているが、上方を基端とし下方を先端としてもよい。この場合には当接部63が可動片61の基端側に設けられることとなるため、可動片61をより大きく変位すべく、操作部材70の操作量をより大きくしたり、操作部材70の操作量が小さい場合でも可動片61をより大きく変形可能な構造としたりすればよい。
【0073】
・実施形態では、車イス等の取付対象物側に被取付部90を固定し、受け部20及び側方支持部30側に設けられている可動片61、取付部80等が回動することで、被取付部90と可動片61、取付部80等とが相対的に回動するものとしている。この点、取付対象物側に可動片61及び取付部80等を固定し、受け部20及び側方支持部30側に被取付部90を設け固定された可動片61及び取付部80に対して被取付部90が回動することで被取付部90と可動片61、取付部80等とが相対的に回動するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
保持具…10、受け部…20、側方支持部…30、腕部…31、位置決め部…33、輪ゴム…34、背面部…50、第1貫通孔…51、係止突起…54、可動片…61、変位部…62、当接部…63、切れ込み…64、付勢部…65、操作部材…70、第2貫通孔…72、押圧部…74、取付部…80、被取付部…90、第1円板部…91、連結部…92、第2円板部…93、回動範囲規制部…94、回動抑制部…95
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27