IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

特開2025-11820プログラム、情報処理方法および情報処理システム
<>
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図1
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図2
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図3
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図4
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図5
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図6
  • 特開-プログラム、情報処理方法および情報処理システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011820
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20250117BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20250117BHJP
   A63F 13/60 20140101ALI20250117BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/35
A63F13/60
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114159
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】野村 直弘
(57)【要約】
【課題】ゲームの処理負荷を低減しつつ、より自然で臨場感のあるゲームシステムを提供する。
【解決手段】第1オブジェクト生成手段64は、ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する。第2オブジェクト生成手段66は、前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する。第3オブジェクト生成手段68は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する。端末側群れ管理手段70は、前記ゲームのプレイヤキャラクタまたは前記ゲームの仮想カメラとの距離が最も近い領域に前記第1オブジェクトを配置し、前記第1オブジェクトより遠い位置に前記第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトよりも遠い位置に前記第3オブジェクトを配置して管理または制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成手段と、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとの距離が最も近い領域に前記第1オブジェクトを配置し、前記第1オブジェクトより遠い位置に前記第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトよりも遠い位置に前記第3オブジェクトを配置して管理又は制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームの仮想空間のうち前記ゲームのプレイヤキャラクタの移動が禁止されている領域に前記第3オブジェクトを配置する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離が変化した場合に、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離に応じて、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを入れ替える又は再配置する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離が変化した場合に、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離に応じて、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを入れ替える又は再配置する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2オブジェクト生成手段は、前記第1オブジェクトの有する機能のうちの自律的なオブジェクト制御機能、攻撃機能、通信機能を少なくとも備えていない前記第2オブジェクトを生成する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2オブジェクト生成手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタの攻撃対象となる機能を少なくとも備えている前記第2オブジェクトを生成する、
請求項1又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第3オブジェクト生成手段は、個別のオブジェクトの単位として、前記ゲームのプレイヤキャラクタの攻撃対象となる機能を少なくとも備えていない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第3オブジェクトは、複数のオブジェクトの単位として、前記ゲームのプレイヤキャラクタの攻撃対象となる機能を少なくとも備えている、
請求項1又は8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記ゲームの管理者に管理されるサーバと、前記ゲームのプレイヤにより使用される情報処理端末とを含む情報処理システムにより実行されるプログラムであり、
前記オブジェクト管理制御手段は、
前記サーバにおいて機能し、前記情報処理端末に前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトの制御に関する指示を実行する第1制御手段と、
前記サーバ又は前記情報処理端末において機能し、前記第1制御手段による指示に基づいて、各種処理を実行する第2制御手段と、
前記情報処理端末において機能し、前記第2制御手段による指示に基づいて、各種処理を実行する第3制御手段と、
を備える、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成ステップと、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成ステップと、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成ステップと、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項12】
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成手段と、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御手段と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プレイヤが大量の敵キャラクタを倒しながらゲームを進行するゲームが知られている。このような種別のゲームでは、1のゲーム画像に大量の敵キャラクタが表示されるため、ゲームの処理負荷が問題となりやすい。
この点、例えば、特許文献1に記載の技術によれば、1つの板ポリゴンに複数の敵テクスチャをマッピングすることでゲーム全体の処理負荷を軽減するという手法が開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-188633
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術の多くは、あくまでも、1つの板ポリゴンに複数の敵テクスチャをマッピングすることで、単に見た目上、多くの敵キャラクタが存在するかのように見せているだけで、臨場感のある戦闘を表現するのに十分とは言えない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ゲームの処理負荷を低減しつつ、より自然で臨場感のあるゲームシステムを提供することを目的とする。
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の第1の側面は、
コンピュータを、
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成手段と、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御手段と、
として機能させるプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとの距離が最も近い領域に前記第1オブジェクトを配置し、前記第1オブジェクトより遠い位置に前記第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトよりも遠い位置に前記第3オブジェクトを配置して管理又は制御することができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームの仮想空間のうち前記ゲームのプレイヤキャラクタの移動が禁止されている領域に前記第3オブジェクトを配置することができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離が変化した場合に、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離に応じて、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを入れ替える又は再配置することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記オブジェクト管理制御手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離が変化した場合に、前記ゲームのプレイヤキャラクタ又は前記ゲームの仮想カメラとオブジェクトとの距離に応じて、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを入れ替える又は再配置することができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記第2オブジェクト生成手段は、前記第1オブジェクトの有する機能のうちの自律的なオブジェクト制御機能、攻撃機能、通信機能を少なくとも備えていない前記第2オブジェクトを生成することができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記第2オブジェクト生成手段は、前記ゲームのプレイヤキャラクタの攻撃対象となる機能を少なくとも備えている前記第2オブジェクトを生成することができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記第3オブジェクト生成手段は、個別のオブジェクトの単位として、前記ゲームのプレイヤキャラクタの攻撃対象となる機能を少なくとも備えていなくてもよい。
【0014】
また、第1の側面において、前記第3オブジェクトは、複数のオブジェクトの単位として、前記ゲームのプレイヤキャラクタの攻撃対象となる機能を少なくとも備えていてもよい。
【0015】
また、第1の側面において、
前記ゲームの管理者に管理されるサーバと、前記ゲームのプレイヤにより使用される情報処理端末とを含む情報処理システムにより実行されるプログラムであってもよく、
前記オブジェクト管理制御手段は、
前記サーバにおいて機能し、前記情報処理端末に前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトの制御に関する指示を実行する第1制御手段と、
前記サーバ又は前記情報処理端末において機能し、前記第1制御手段による指示に基づいて、各種処理を実行する第2制御手段と、
前記情報処理端末において機能し、前記第2制御手段による指示に基づいて、各種処理を実行する第3制御手段と、
を備えていてもよい。
【0016】
また、本発明の第2の側面は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成ステップと、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成ステップと、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成ステップと、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御ステップと、
を含む情報処理方法である。
【0017】
また、本発明の第3の側面は、
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成手段と、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成手段と、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御手段と、
を備える情報処理システムである。
【0018】
本発明の一態様の情報処理方法および情報処理システムも、本発明の一態様のプログラムに対応する情報処理方法または情報処理システムとして提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ゲームの処理負荷を低減しつつ、より自然で臨場感のあるゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバの機能的構成の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける群れの概念を説明するためのイメージ図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末が、群れの生成に関して実行する各種処理の流れの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける群れの管理を説明するためのイメージ図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバが、群れの管理に関して実行する各種処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態]
まず、本発明の実施形態を説明するに先立ち、本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本システム」と呼ぶ)の適用対象となるゲーム(以下、「本ゲーム」と呼ぶ)について説明する。
本ゲームは、例えば、ネットワークを介した対戦や協力を想定したアクションゲームである。本ゲームにおいて、プレイヤは、各種入力操作により仮想空間内に表示されたキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」と呼ぶ)を自由に操作することができる。そして、プレイヤは、プレイヤキャラクタを介して銃や爆発物などのゲーム内のオブジェクトを活用しながら、各種イベント(敵キャラクタを倒すなど)をクリアしていくことでゲームを進行する。
【0022】
以下、図1を参照しながら本システムの構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0023】
図1に示すように、本システムは、プレイヤ端末1-1乃至1-n(nは、任意の整数値)と、サーバ2とを含み構成される。プレイヤ端末1-1乃至1-nと、サーバ2とは、インターネットなどの所定のネットワークNを介して相互に接続されている。ただし、ネットワークNは必須の構成要素ではなく、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)などが利用されてもよい。
なお、以降の説明において、プレイヤ端末1-1乃至1-nを区別する必要がない場合、これらをまとめてプレイヤ端末1と呼ぶ。
また、以下、単に「画像」と呼ぶ場合には、「動画像」と「静止画画像」などの任意の形式の画像を含むものとする。
【0024】
プレイヤ端末1は、汎用的なPC(Personal Computer)やゲーム機などで構成され、本ゲームをプレイするプレイヤにより使用される。プレイヤ端末1は、本ゲームに関する各種プログラムが記憶され、プレイヤが本ゲームをプレイするための主要な処理を実行する。
【0025】
サーバ2は、汎用的なPCなどで構成され、本システムの管理者などに管理される。サーバ2は、本ゲームに関する各種プログラムが記憶され、プレイヤが本ゲームをプレイするための処理のうち、一部の処理を実行する。また、サーバ2は、プレイヤ端末1に対して、本ゲームに関する各種情報(ゲームのアップデート情報や他のプレイヤの進行情報など)を提供する。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、プレイヤ端末1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0028】
制御部11は、CPU、GPU、半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等により構成される。制御部11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上で必要な情報等も適宜記憶される。
【0029】
制御部11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0030】
出力部16は、ディスプレイまたはスピーカなどに対して、画像情報または音声情報などを出力する。出力部16が出力した画像情報や音声情報は、ディスプレイやスピーカなどから、画像や音声として人が認識可能な状態で出力される。
【0031】
入力部17は、例えば、ゲーム用のコントローラにより構成される。入力部17は、プレイヤの入力操作に応じて、各種情報を入力する。
【0032】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種情報を記憶する。例えば、記憶部18には、ゲームの進行に必要となる各種ゲームプログラム、セーブデータ、アカウント情報等が格納されている。
【0033】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、他のハードウェア等との間で相互に行う通信等を制御する。
【0034】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。リムーバブルメディア31には、例えば、ゲームを実行するための各種プログラム等が格納される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0035】
ここで、サーバ2のハードウェア構成は、プレイヤ端末1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるため、説明を省略する。このような各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、プレイヤ端末1およびサーバ2における各種処理の実行が可能となる。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバの機能的構成の一例を示す図である。
【0037】
図3に示すように、プレイヤ端末1の制御部11は、各種プログラムなどを実行することにより、端末側ゲーム処理実行手段60と、入力操作受付手段62と、第1オブジェクト生成手段64と、第2オブジェクト生成手段66と、第3オブジェクト生成手段68と、端末側群れ管理手段70と、ダメージ情報管理手段72として機能する。
【0038】
端末側ゲーム処理実行手段60は、プレイヤが本ゲームをプレイするために必要となる各種処理を実行する。
具体的に端末側ゲーム処理実行手段60は、プレイヤなどの各種入力操作に従い、ゲーム情報に含まれる仮想のゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどを図示せぬ記憶部から読み出すなどして、ゲームプログラムを実行しつつ、ゲームに関する2次元または3次元の画像や音声などを生成する。すなわち、端末側ゲーム処理実行手段60は、プレイヤによる操作指示の結果を生成し、管理することで、ゲームの進行を制御する。
また、端末側ゲーム処理実行手段60は、例えば、プレイヤによる入力情報、入力情報が取得された時間情報、各種ゲーム処理の結果に関する情報など、本ゲームの進行に必要となる情報を、必要に応じて適宜、サーバ2へ送信する。
【0039】
入力操作受付手段62は、プレイヤからのゲームに関する入力操作を受け付ける。なお、入力操作受付手段62が受け付ける入力操作には、例えば、入力操作が行われたボタンやアナログスティックなどの種別に関する情報や押下された回数に関する情報などが含まれる。
【0040】
第1オブジェクト生成手段64は、ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する。
ここで、第1オブジェクトとは、例えば、本ゲームにおいて、プレイヤキャラクタの攻撃対象である敵としてのすべての機能を備えている敵キャラクタの態様の一つである。第1オブジェクトは、プレイヤキャラクタの攻撃などに対して、回避行動や攻撃行動などを自由に行うことができる。
【0041】
第2オブジェクト生成手段66は、前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する。
ここで、第2オブジェクトとは、例えば、本ゲームにおいて、第1オブジェクト(通常の敵キャラクタ)が備える機能のうち、一部の機能が制限されている敵キャラクタの態様の一つである。第2オブジェクトは、第1オブジェクトと同様にプレイヤキャラクタの攻撃の対象となるものの、自律的なオブジェクト制御機能(いわゆるゲームにおけるAI機能)、攻撃機能(プレイヤキャラクタに対する攻撃動作)、通信機能などの一部の機能が制限されている。
なお、第2オブジェクトは、第1オブジェクトと見た目上、極めて近い動作を行うことができる。換言すれば、第2オブジェクトは、通常の機能を有する第1オブジェクトと極めて軽量に設計された第3オブジェクトの境界を違和感なく埋めるために設計されたオブジェクトの態様とも言える。
【0042】
第3オブジェクト生成手段68は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する。
ここで、第3オブジェクトとは、例えば、本ゲームにおいて、第2オブジェクト(一部の機能が制限された敵キャラクタ)が備える機能のうち、さらに一部の機能が制限されている敵キャラクタの態様の一つである。第3オブジェクトは、敵キャラクタとしての基本的な動作行動が制限され、プレイヤキャラクタの攻撃動作の影響を表現することに利用される。具体的に第3オブジェクトは、単独のオブジェクトとしてプレイヤキャラクタの攻撃の対象とはならず、集団としてプレイヤキャラクタの攻撃の対象となり、集団としてプレイヤキャラクタの攻撃の影響を受ける(例えば、群れ全体がダメージを受ける、一定数の第3オブジェクトが死亡するなど)。また、第3オブジェクトは、プレイヤキャラクタからの攻撃を受けた場合、その攻撃に対する演出処理(例えば、攻撃を受けているように見せる演出など)の対象となる。
【0043】
本システムでは、これらの各種オブジェクトを混在して管理することで、ゲームの処理負荷を低減しつつ、プレイヤは大量の敵キャラクタと自然に戦闘しているかのようなゲーム状況を実現する。
なお、これらの各種オブジェクトは、それぞれゲーム内で存在するための所定の耐久値(以下、「HP」と呼ぶ)を有しており、プレイヤキャラクタによる攻撃動作などの影響によりHPが所定の値を下回った場合に、ゲームから除外される。
【0044】
端末側群れ管理手段70は、前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御する。
具体的に端末側群れ管理手段70は、前記ゲームのプレイヤキャラクタまたは前記ゲームの仮想カメラとの距離が最も近い領域に前記第1オブジェクトを配置し、前記第1オブジェクトより遠い位置に前記第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトよりも遠い位置に前記第3オブジェクトを配置して管理または制御する。
なお、以降の説明において、複数の第1オブジェクト、複数の第2オブジェクト、複数の第3オブジェクトを含み、端末側群れ管理手段70などにより一体として管理または制御される敵キャラクタの集団を「群れ」と呼ぶ。
また、端末側群れ管理手段70は、サーバから送信されてきた指示情報を、通信部19を介して取得する。端末側群れ管理手段70は、取得した指示情報などに基づいて、第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトを生成または削除して、新たに各オブジェクトを配置する。
【0045】
ダメージ情報管理手段72は、実行されたプレイヤの攻撃動作に対する群れへの影響を算出する。具体的にダメージ情報管理手段72は、プレイヤの攻撃動作による各オブジェクトのHPへの影響と生存状況を算出する。また、ダメージ情報管理手段72は、算出した各オブジェクトのHPへの影響と生存状況に関する情報(以下、「ダメージ情報」と呼ぶ)をサーバ2へ送信する。
【0046】
図3に示すように、サーバ2の制御部100は、各種プログラムなどを実行することにより、ゲーム情報管理手段120と、サーバ側ゲーム処理実行手段122と、サーバ側群れ管理手段124として機能する。
【0047】
ゲーム情報管理手段120は、プレイヤ端末1によるゲームの進行に必要となる各種情報を管理し、各種処理を実行する。具体的に例えば、ゲーム情報管理手段120は、プレイヤ端末1から送信されてきたアカウント情報に対する認証、プレイヤ端末1からの各種ゲーム情報のダウンロード要求に対するゲーム情報の配信などを実行する。
【0048】
サーバ側ゲーム処理実行手段122は、プレイヤが本ゲームをプレイするための処理のうち、一部の処理を実行する。
具体的にサーバ側ゲーム処理実行手段122は、例えば、プレイヤキャラクタまたは他のプレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタ(以下、「他のプレイヤキャラクタ」と呼ぶ)による攻撃動作が行われた場合に、それぞれのプレイヤ端末1から送信されてくるダメージ情報を、通信部110を介して取得する。また、サーバ側ゲーム処理実行手段122は、取得したダメージ情報の内容を検証し、プレイヤ端末1で実行された攻撃動作が不正であったか否か判定する。
なお、サーバ側ゲーム処理実行手段122が、このような一部の処理を担うことで、例えば、プレイヤ端末1で不正行為(いわゆるチート行為)などが行われた場合でも、ゲーム全体に与える影響を低減できる。
【0049】
サーバ側群れ管理手段124は、群れの管理に関するサーバ側における各種処理を実行する。
具体的にサーバ側群れ管理手段124は、サーバ側ゲーム処理実行手段122において、実行された攻撃動作が不正でないと判定された場合、例えば、第2オブジェクトを4体、第3オブジェクトを10体ゲームから除外するなど、その攻撃動作が群れの構成や内容に与える影響を決定する。
そして、サーバ側群れ管理手段124は、その影響に関する情報(以下、「指示情報」と呼ぶ)を、プレイヤ端末1に送信する。
【0050】
続いて、図4を参照しながら、本ゲームの群れの概念について説明する。図4は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける群れの概念を説明するためのイメージ図である。
【0051】
図4には、プレイヤキャラクタPC、敵キャラクタA-1乃至A-m(mは、任意の整数値)、敵キャラクタB-1乃至B-p(pは、任意の整数値)および敵キャラクタC-1乃至C-q(qは、任意の整数値)が表示されている。
ここで、図4の例において、敵キャラクタA-1乃至A-mは第1オブジェクト、敵キャラクタB-1乃至B-pは第2オブジェクト、敵キャラクタC-1乃至C-qは第3オブジェクトにより構成される。すなわち、図4の例では、第1オブジェクトにより構成されるグループA、第2オブジェクトにより構成されるグループB、第3オブジェクトにより構成されるグループCが配置され、一体である群れとして管理されている。
本システムは、このような群れの概念を用いて、敵キャラクタを管理することで多数の敵キャラクタを効率的に管理することが可能となる。これにより、本システムは、単に多数の敵キャラクタを扱って処理した場合と比較して、多大な処理負荷を低減しつつ、プレイヤに臨場感のある戦闘環境を提供することができる。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末が、群れの生成に関して実行する各種処理の流れの一例を示す図である。
【0053】
ステップS1において、入力操作受付手段62は、プレイヤからのゲームに関する入力操作を受け付ける。
【0054】
ステップS2において、端末側群れ管理手段70は、生成する第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトの数を決定する。
【0055】
ステップS3において、第1オブジェクト生成手段64は、ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する。
【0056】
ステップS4において、第2オブジェクト生成手段66は、前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する。
【0057】
ステップS5において、第3オブジェクト生成手段68は、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する。
【0058】
ステップS6において、端末側群れ管理手段70は、前記ゲームのプレイヤキャラクタまたは前記ゲームの仮想カメラとの距離が最も近い領域に前記第1オブジェクトを配置し、前記第1オブジェクトより遠い位置に前記第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトよりも遠い位置に前記第3オブジェクトを配置する。これにより、群れ生成処理は終了する。
【0059】
次に、図6および図7を参照しながら、プレイヤ端末1およびサーバ2における処理の分担や全体の処理の流れについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける群れの管理を説明するためのイメージ図である。具体的に本システムにおいて、群れの管理は、「管理者」、「(プレイヤ端末側,サーバ側)親」、「子(オブジェクト本体)」という3つの階層により管理される。
ここで、管理者は、例えば、各オブジェクトを生成する数や削除する数を決定する、群れの中で同期の基準となるオブジェクトを生成するなどの群れ全体の構成を管理または制御する役割を有している。また、図6に示す通り、本システムにおいて、管理者はサーバ2のみに存在する。
親は、自立した思考を持ち、各オブジェクトの生成や削除を実行する。また、親は、各オブジェクトの存在する仮想空間上の座標やパラメータの同期などを実行する。また、親は、管理下にある子に対して、移動、攻撃などの抽象的な命令を実行する。なお、図6に示す通り、親は、それぞれのプレイヤ端末1およびサーバ2のいずれにも存在する。
子(オブジェクト本体)は、基本的に親の指示により移動、攻撃などの動作を実行する。なお、図6に示す通り、子は、それぞれのプレイヤ端末1にのみ存在する。
本システムは、このような階層構造を有することで、さらに効率的にオブジェクトを管理し、処理負荷を低減することができる。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバが、群れの管理に関して実行する各種処理の流れの一例を示す図である。
【0061】
ステップS21において、プレイヤ端末1の入力操作受付手段62は、プレイヤからの攻撃動作に関する入力操作を受け付ける。
【0062】
ステップS22において、プレイヤ端末1のダメージ情報管理手段72は、実行されたプレイヤの攻撃動作に対する群れへの影響を算出する。具体的にダメージ情報管理手段72は、プレイヤの攻撃動作による各オブジェクトのHPへの影響と生存状況を算出する。
【0063】
ステップS23において、プレイヤ端末1のダメージ情報管理手段72は、算出した各オブジェクトのHPへの影響と生存状況に関するダメージ情報をサーバ2へ送信する。
【0064】
ステップS41において、サーバ2のサーバ側ゲーム処理実行手段122は、それぞれのプレイヤ端末1から送信されてくるダメージ情報を、通信部110を介して取得する。
【0065】
ステップS42において、サーバ2のサーバ側ゲーム処理実行手段122は、取得したダメージ情報の内容を検証し、プレイヤ端末1で実行された攻撃動作が不正であったか否か判定する。
【0066】
ステップS43において、サーバ2のサーバ側群れ管理手段124は、サーバ側ゲーム処理実行手段122において、実行された攻撃動作が不正でないと判定された場合、その攻撃動作が群れの構成や内容に与える影響を決定する。
なお、サーバ側ゲーム処理実行手段122において、実行された攻撃動作が不正であると判定された場合、サーバ側群れ管理手段124は、実行された攻撃動作が群れの構成や内容に影響を与えないことを決定する。
【0067】
ステップS44において、サーバ2のサーバ側群れ管理手段124は、その影響に関する指示情報を、プレイヤ端末1に送信する。
【0068】
ステップS24において、プレイヤ端末1の端末側群れ管理手段70は、サーバ2から送信されてきた指示情報を、通信部19を介して取得する。
【0069】
ステップS25において、端末側群れ管理手段70は、取得した指示情報などに基づいて、第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトを生成または削除して、新たに各オブジェクトを配置する。これにより、プレイヤ端末1およびサーバ2が実行する各種処理は終了する。
【0070】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0071】
<他の実施形態>
また、上述の実施形態において、第2オブジェクトは、敵キャラクタの機能のうち、自律的なオブジェクト制御機能、攻撃機能、通信機能のみが制限されているものとして説明したが、限定されない。これらの機能は例示であり、本発明の思想の範囲において、第2オブジェクトで制限される機能は、本システムの管理者などにより任意に決定されてもよい。
【0072】
また、上述の実施形態において、本システムは、プレイヤキャラクタまたは本ゲームの仮想カメラとの距離が最も近い領域に前記第1オブジェクトを配置し、第1オブジェクトより遠い位置に第2オブジェクトを配置し、第2オブジェクトよりも遠い位置に第3オブジェクトを配置するものとして説明したが、このような配置方法は例示である。本システムが、第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトを配置する基準は任意である。
【0073】
また、上述の実施形態(特に図6の実施形態)において、本システムが群れを管理する方法を例示したが、あくまでも例示であり、限定されない。本システムは、任意の基準の階層構造により群れを管理してもよいし、階層構造を持たずに群れを管理してもよい。
【0074】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムでは、プレイヤ端末1は指示情報に基づいて、それぞれのプレイヤ端末1による任意の方法で各オブジェクトの数を調整してもよい。すなわち、本システムにおける指示情報には、例えば、攻撃動作後の各オブジェクトの数のみが含まれ、各プレイヤ端末1はゲームのプレイヤが違和感を感じないような方法が独自に選択されて各オブジェクトが削除されてもよい。これにより、さらに処理負荷を低減しつつ、プレイヤは、違和感を感じることなくゲームのプレイを継続することができる。
【0075】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、第2オブジェクトまたは第3オブジェクトは、第1オブジェクトよりも処理負荷が低くなる範囲において、第1オブジェクトの有していない機能や性能を有していてもよい。
【0076】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムの第2オブジェクトは、第1オブジェクトと比べて有する機能が制限されているものの、ある程度の機能を備えているため、比較的自由度の高い取り扱いが可能であってもよい。例えば、本システムは、プレイヤキャラクタに比較的近い領域、プレイヤキャラクタの移動や攻撃動作の対象となり得る領域に第2オブジェクトを配置してもよい。
また、本システムは、例えば、高所からの落下や炎上、建造物の上を走るなどのプレイヤのもとに到達するまでの間に大量のオブジェクトによる演出を盛り上げるために第2オブジェクトを利用してもよい。
【0077】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムの第3オブジェクトは、軽量化のため、行うことができる動作が非常に限定されている。そのため、本システムは、例えば、第3オブジェクトを、仮想空間内のプレイヤキャラクタの移動が禁止されている領域などに配置することが考えられる。
【0078】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、プレイヤ端末1は、各種オブジェクトの座標や位置に関する情報を、サーバ2に送信してもよいし、送信しなくてもよい。なお、サーバ2は、各種オブジェクトの座標や位置に関する情報を取得できない場合、仮想空間の空間ID、各種オブジェクトの数、移動方向・向きなどに関する情報のみを取得し、各オブジェクトの座標や位置を予測する機能を備えていてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、プレイヤキャラクタ又は仮想カメラと各オブジェクトとの距離が変化した場合(例えば、プレイヤキャラクタが移動する場合など)に、変化後のプレイヤキャラクタ又は仮想カメラと各オブジェクトとの距離に応じて、例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトを入れ替える、例えば、第2オブジェクトと第3オブジェクトを入れ替えるまたは再配置できる機能を備えていてもよい。なお、それぞれのオブジェクトを入れ替えるまたは再配置する場合、それぞれのオブジェクトがゲーム内の仮想カメラの撮像範囲外にある時に行うことが望ましい。
【0080】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、上述の実施形態のように多数のオブジェクトが存在する場合、対応する音声情報の再生にも処理負荷が大きくかかることが想定される。そこで、本システムは、例えば、所定の単位(例えば、図4のグループの単位や所定の数のオブジェクトの単位など)のオブジェクトをまとめた集団用の音声情報を生成し、ゲームの状況に応じて再生する機能を備えていてもよい。これにより、多数のオブジェクトの音声情報を、違和感なく再生することができる。
【0081】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、各オブジェクトのそれぞれを配置する領域に対して所定の制限を設けてもよい。本システムは、例えば、第1オブジェクトと第2オブジェクトの境界領域、または第2オブジェクトと第3オブジェクトの境界領域に、プレイヤキャラクタが通過できない壁などを配置してもよい。これにより、例えば、プレイヤキャラクタが第2オブジェクトまたは第3オブジェクトに接近することで、第2オブジェクトまたは第3オブジェクトの挙動を不自然に感じてしまうことを防ぐことができる。
【0082】
また、上述の実施形態において、第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトはいずれも同一の形状であるものとして説明したが、限定されない。本システムは、例えば、第2オブジェクトや第3オブジェクトの形状を第1オブジェクトの形状と異なるものとしてもよい。また、本システムは、例えば、第2オブジェクトや第3オブジェクトの形状を第1オブジェクトと類似の形状であるものの、画質や細部の異なる軽量化した形状としてもよい。これにより、本システムは、さらに処理負荷を軽減できる。
【0083】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、群れの数などに応じて、第1オブジェクト、第2オブジェクト、第3オブジェクトのすべてを配置せず、一部のオブジェクトのみを配置してもよい。例えば、本システムは、群れの数などに応じて、第1オブジェクトおよび第2オブジェクトのみを配置してもよいし、第1オブジェクトおよび第3オブジェクトのみを配置してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本ゲームは、例えば、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用のゲーム機、業務用に設計された各種ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器などである任意のハードウェアにより実行されてもよい。
【0085】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにかかるゲームの内容は限定されない。本システムは、例えば、FPS(First Person Shooter)、TPS(Third Person Shooter)、RPG(Role Playing Game)、ネットワークを介さないアクションゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲーム、カードゲーム、バトルロワイヤル(対称型、非対称型)、MOBA(Multiplayer online battle arena)、音楽ゲーム、格闘ゲーム、クイズゲームなどのあらゆるゲームに適用されてもよい。
【0086】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3などの機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは図3などの例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3などの例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成されてもよいし、ソフトウェア単体で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0087】
また、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェアなどを含み構成されてもよい。
【0088】
また、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0089】
また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
すなわち、例えば、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォンなどの携帯端末、任意のゲーム機などが自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部などの種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0090】
また、このようなプログラムを含む記録媒体は、プレイヤなどにプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でプレイヤに提供される記録媒体などで構成されてもよい。
【0091】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味している。
【0092】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0093】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
コンピュータを、
ゲームにおいて所定の機能を有する第1オブジェクトを生成する第1オブジェクト生成手段(例えば、第1オブジェクト生成手段64)と、
前記第1オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第2オブジェクトを生成する第2オブジェクト生成手段(例えば、第2オブジェクト生成手段66)と、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの有する機能のうちの一部の機能を備えていない第3オブジェクトを生成する第3オブジェクト生成手段(例えば、第3オブジェクト生成手段68)と、
前記ゲームの仮想空間において、前記第1オブジェクト、前記第2オブジェクト及び前記第3オブジェクトを管理又は制御するオブジェクト管理制御手段(例えば、端末側群れ管理手段70)と、
として機能させるプログラムであれば足りる。
【0094】
すなわち、第1オブジェクト生成手段64は、第1オブジェクト生成手段として機能する。
第2オブジェクト生成手段66は、第2オブジェクト生成手段として機能する。
第3オブジェクト生成手段68は、第3オブジェクト生成手段として機能する。
端末側群れ管理手段70は、オブジェクト管理制御手段として機能する。
【0095】
<効果>
これにより、プレイヤは、ゲームの処理負荷によるストレスを感じることなく、より自然で臨場感のあるゲームを楽しむことができる。
【符号の説明】
【0096】
1,1-1乃至1-n プレイヤ端末
11 制御部
60 端末側ゲーム処理実行手段
62 入力操作受付手段
64 第1オブジェクト生成手段
66 第2オブジェクト生成手段
68 第3オブジェクト生成手段
70 端末側群れ管理手段
72 ダメージ情報管理手段
2 サーバ
100 制御部
120 ゲーム情報管理手段
122 サーバ側ゲーム処理実行手段
124 サーバ側群れ管理手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7