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特開2025-11821プログラム、情報処理方法および情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011821
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/42 20140101AFI20250117BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20250117BHJP
【FI】
A63F13/42
A63F13/58
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114160
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】野村 直弘
(57)【要約】
【課題】ゲームの処理負荷を低減しつつ、より楽しみやすいゲーム環境を提供する。
【解決手段】第1攻撃判定手段66は、その攻撃動作の種別に応じて、攻撃動作の対象の範囲となる範囲領域を生成する。第1攻撃判定手段66は、生成した範囲領域内に敵キャラクタが含まれているか否かを判定し、範囲領域内に含まれている敵キャラクタを一律に当たり判定の対象として決定する。第2攻撃判定手段68は、プレイヤキャラクタの攻撃動作の種別に応じて、プレイヤキャラクタの前方に攻撃動作の対象の範囲となる範囲領域を生成する。第2攻撃判定手段68は、プレイヤキャラクタによる攻撃動作が行われた時点において、生成された範囲領域に含まれている敵キャラクタをリストとして登録し、登録された敵キャラクタのうち、プレイヤキャラクタとの距離が最も近い敵キャラクタを攻撃動作の当たり判定の対象として決定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記攻撃動作の種別に応じて、前記単位により構成される第2範囲領域を規定し、当該第2範囲領域に対象となる前記オブジェクトが存在するか否か、および対象となる前記オブジェクトとプレイヤキャラクタとの距離を基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第2攻撃判定手段としてさらに機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記仮想空間における前記単位の夫々の範囲内に2以上のキャラクタオブジェクトの存在を制限する管理を実行する範囲空間管理手段としてさらに機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記仮想空間における前記単位に基づいて、キャラクタオブジェクトの移動経路を決定する経路探索手段としてさらに機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記仮想空間管理手段は、前記仮想空間にオブジェクトのそれぞれが配置されている場合の前記仮想空間の情報、およびオブジェクトのそれぞれが配置されていない場合の前記仮想空間の情報を含む情報を管理する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記仮想空間管理手段により管理される前記単位は、前記ゲームのプレイ画像として表示されない、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1攻撃判定手段または前記第2攻撃判定手段は、前記攻撃動作の対象となる前記オブジェクトの数が所定の数より多く存在する場合に機能し、前記攻撃動作の対象となる前記オブジェクトの数が所定の数以下の場合に機能しない、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2攻撃判定手段は、対象となる前記オブジェクトの所定の部位が前記攻撃動作の影響を受けるか否かを決定する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理ステップと、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のゲームにおいて、仮想空間の管理の方法の一つとして、いわゆるハイトマップを利用した方法が知られている。このハイトマップでは、仮想空間(地面)の各頂点の高さ情報に基づいて、レンダリングすることで仮想空間の凹凸などが表現される。
この点、例えば、特許文献1に記載の技術によれば、ハイトマップによる仮想空間(地面)の不正確性を補い、特に地面の撥ねるような動きに対応し得るレンダリング方法が開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-080148
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術の多くは、仮想空間の表現の精度を向上させようとするものがほとんどであった。しかしながら、仮想空間の表現の精度が向上すると、例えば、攻撃の判定や各種動作処理などゲーム内の多くの処理において、処理負荷が増大してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ゲームの処理負荷を低減しつつ、より楽しみやすいゲーム環境を提供することを目的とする。
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の第1の側面は、
コンピュータを、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段と、
として機能させるプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記プログラムは、前記攻撃動作の種別に応じて、前記単位により構成される第2範囲領域を規定し、当該第2範囲領域に対象となる前記オブジェクトが存在するか否か、および対象となる前記オブジェクトとプレイヤキャラクタとの距離を基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第2攻撃判定手段としてもさらに機能できる。
【0008】
また、第1の側面において、前記プログラムは、前記仮想空間における前記単位の夫々の範囲内に2以上のキャラクタオブジェクトの存在を制限する管理を実行する範囲空間管理手段としてさらに機能できる。
【0009】
また、第1の側面において、前記プログラムは、前記仮想空間における前記単位に基づいて、キャラクタオブジェクトの移動経路を決定する経路探索手段としてさらに機能できる。
【0010】
また、第1の側面において、前記仮想空間管理手段は、前記仮想空間にオブジェクトのそれぞれが配置されている場合の前記仮想空間の情報、およびオブジェクトのそれぞれが配置されていない場合の前記仮想空間の情報を含む情報を管理することができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記仮想空間管理手段により管理される前記単位は、前記ゲームのプレイ画像として表示されなくてもよい。
【0012】
また、第1の側面において、前記第1攻撃判定手段または前記第2攻撃判定手段は、前記攻撃動作の対象となる前記オブジェクトの数が所定の数より多く存在する場合に機能し、前記攻撃動作の対象となる前記オブジェクトの数が所定の数以下の場合に機能しなくてもよい。
【0013】
また、第1の側面において、前記第2攻撃判定手段は、対象となる前記オブジェクトの所定の部位が前記攻撃動作の影響を受けるか否かを決定する。
【0014】
また、本発明の第2の側面は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理ステップと、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定ステップと、
を含む情報処理方法である。
【0015】
また、本発明の第3の側面は、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段と、
を備える情報処理システムである。
【0016】
本発明の一態様の情報処理方法および情報処理システムも、本発明の一態様のプログラムに対応する情報処理方法または情報処理システムとして提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲームの処理負荷を低減しつつ、より楽しみやすいゲーム環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバの機能的構成の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける仮想空間の構成を説明するためのイメージ図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける攻撃動作に対する当たり判定の方法の一例を説明するためのイメージ図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける攻撃動作に対する当たり判定の方法の一例を説明するためのイメージ図であり、図5の例とは異なる例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける範囲空間を管理する方法の一例を説明するためのイメージである。
図8】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバが実行する第1攻撃判定処理の流れの一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバが実行する第2攻撃判定処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
まず、本発明の実施形態を説明するに先立ち、本発明の一実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本システム」と呼ぶ)の適用対象となるゲーム(以下、「本ゲーム」と呼ぶ)について説明する。
本ゲームは、例えば、ネットワークを介した対戦や協力を想定したアクションゲームである。本ゲームにおいて、プレイヤは、各種入力操作により仮想空間内に表示されたキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」と呼ぶ)を自由に操作することができる。そして、プレイヤは、プレイヤキャラクタを介して銃や爆発物などのゲーム内のオブジェクトを活用しながら、各種イベント(敵キャラクタを倒すなど)をクリアしていくことでゲームを進行する。
なお、本ゲームの敵キャラクタは、それぞれゲーム内で存在するための所定の耐久値(以下、「HP」と呼ぶ)を有しており、プレイヤキャラクタによる攻撃動作などの影響によりHPが所定の値を下回った場合に、ゲームから除外される。
【0020】
以下、図1を参照しながら本システムの構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本システムは、プレイヤ端末1乃至n(nは、任意の整数値)と、サーバ2とを含み構成される。プレイヤ端末1-1乃至1-nと、サーバ2とは、インターネットなどの所定のネットワークNを介して相互に接続されている。ただし、ネットワークNは必須の構成要素ではなく、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)などが利用されてもよい。
なお、以降の説明において、プレイヤ端末1-1乃至1-nを区別する必要がない場合、これらをまとめてプレイヤ端末1と呼ぶ。
また、以下、単に「画像」と呼ぶ場合には、「動画像」と「静止画画像」などの任意の形式の画像を含むものとする。
【0022】
プレイヤ端末1は、汎用的なPC(Personal Computer)やゲーム機などで構成され、本ゲームをプレイするプレイヤにより使用される。プレイヤ端末1は、本ゲームに関する各種プログラムが記憶され、プレイヤが本ゲームをプレイするための主要な処理を実行する。
【0023】
サーバ2は、汎用的なPCなどで構成され、本システムの管理者などに管理される。サーバ2は、本ゲームに関する各種プログラムが記憶され、プレイヤが本ゲームをプレイするための処理のうち、一部の処理を実行する。また、サーバ2は、プレイヤ端末1に対して、本ゲームに関する各種情報(ゲームのアップデート情報や他のプレイヤの進行情報など)を提供する。
【0024】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、プレイヤ端末1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0026】
制御部11は、CPU、GPU、半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等により構成される。制御部11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上で必要な情報等も適宜記憶される。
【0027】
制御部11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0028】
出力部16は、ディスプレイまたはスピーカなどに対して、画像情報または音声情報などを出力する。出力部16が出力した画像情報や音声情報は、ディスプレイやスピーカなどから、画像や音声として人が認識可能な状態で出力される。
【0029】
入力部17は、例えば、ゲーム用のコントローラにより構成される。入力部17は、プレイヤの入力操作に応じて、各種情報を入力する。
【0030】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種情報を記憶する。例えば、記憶部18には、ゲームの進行に必要となる各種ゲームプログラム、セーブデータ、アカウント情報等が格納されている。
【0031】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、他のハードウェア等との間で相互に行う通信等を制御する。
【0032】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。リムーバブルメディア31には、例えば、ゲームを実行するための各種プログラム等が格納される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0033】
ここで、サーバ2のハードウェア構成は、プレイヤ端末1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるため、説明を省略する。このような各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、プレイヤ端末1およびサーバ2における各種処理の実行が可能となる。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバの機能的構成の一例を示す図である。
【0035】
図3に示すように、プレイヤ端末1の制御部11は、各種プログラムなどを実行することにより、端末側ゲーム処理実行手段60と、入力操作受付手段62と、仮想空間管理手段64と、第1攻撃判定手段66と、第2攻撃判定手段68と、範囲空間管理手段70として機能する。
また、プレイヤ端末1の記憶部18の一領域には、第1仮想空間情報DB300と、第2仮想空間情報DB400とが設けられている。第1仮想空間情報DB300には、後述するゲーム内の通常の各仮想空間の配列データがアセット化されて格納されている。第2仮想空間情報DB400には、仮想空間内に配置されているオブジェクトの情報を含まない各仮想空間の配列データがアセット化されて格納されている。
【0036】
端末側ゲーム処理実行手段60は、プレイヤが本ゲームをプレイするための主要な処理を実行する。
具体的に端末側ゲーム処理実行手段60は、プレイヤなどの各種入力操作に従い、ゲーム情報に含まれる仮想のゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどを図示せぬ記憶部から読み出すなどして、ゲームプログラムを実行しつつ、ゲームに関する2次元または3次元の画像や音声などを生成する。すなわち、端末側ゲーム処理実行手段60は、プレイヤによる操作指示の結果を生成し、管理することで、ゲームの進行を制御する。
また、端末側ゲーム処理実行手段60は、例えば、プレイヤによる入力情報、入力情報が取得された時間情報、各種ゲーム処理の結果に関する情報など、本ゲームの進行に必要となる情報を、必要に応じて適宜、サーバ2へ送信する。
【0037】
入力操作受付手段62は、プレイヤからのゲームに関する入力操作を受け付ける。なお、入力操作受付手段62が受け付ける入力操作には、例えば、入力操作が行われたボタンやアナログスティックなどの種別に関する情報や押下された回数に関する情報などが含まれる。
【0038】
仮想空間管理手段64は、前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する。
具体的に、仮想空間管理手段64は、本ゲームの仮想空間を2次元または3次元の所定の大きさの単位(以下、「グリッド」と呼ぶ)として管理する。なお、仮想空間管理手段64による仮想空間の管理の具体的な方法は、図4乃至7を参照しながら、後述する。
【0039】
第1攻撃判定手段66は、前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する。
具体的に第1攻撃判定手段66は、プレイヤの攻撃動作が行われた場合に、その攻撃動作の行われた中心領域に対して、その攻撃動作の種別に応じて、攻撃動作の対象の範囲となるグリッドを基準とした範囲領域を生成する。そして、第1攻撃判定手段66は、生成した範囲領域内に敵キャラクタが含まれているか否かを判定し、範囲領域内に含まれている敵キャラクタを一律に攻撃動作の影響を受ける(以下、「当たり判定」と呼ぶ)対象として決定する。
なお、第1攻撃判定手段66による判定の詳細は、図5などを参照しながら、後述する。以下、第1攻撃判定手段66による攻撃動作の当たり判定を、「第1攻撃判定」と呼ぶ。
【0040】
これに対して、第2攻撃判定手段68は、前記攻撃動作の種別に応じて、前記単位により構成される第2範囲領域を規定し、当該第2範囲領域に対象となる前記オブジェクトが存在するか否か、および対象となる前記オブジェクトとプレイヤキャラクタとの距離を基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する。
具体的に第2攻撃判定手段68は、プレイヤキャラクタの攻撃動作の種別(例えば、装備している武器)に応じて、プレイヤキャラクタの前方に攻撃動作の対象の範囲となるグリッドを基準とした範囲領域を生成する。第2攻撃判定手段68は、プレイヤキャラクタによる攻撃動作が行われた時点において、生成された範囲領域に含まれている敵キャラクタをリストとして登録する。そして、第2攻撃判定手段68は、リストとして登録された敵キャラクタのうち、例えば、所定の範囲においてプレイヤキャラクタとの距離が最も近い敵キャラクタを攻撃動作の当たり判定の対象として決定する。
なお、第2攻撃判定手段68による判定の詳細は、図6などを参照しながら、後述する。以下、第2攻撃判定手段68による攻撃動作の当たり判定を、「第2攻撃判定」と呼ぶ。
【0041】
なお、本ゲームのプレイヤは、行う攻撃動作の判定を、第1攻撃判定手段66で行うか、第2攻撃判定手段68で行うかを選択でき、また任意のタイミングで切り替えることもできる。これにより、プレイヤは、ゲーム内の状況や敵キャラクタの量などに応じて、適切な判定方法を選択し、より自由度の高いゲームを楽しむことができる。
【0042】
範囲空間管理手段70は、前記仮想空間における前記単位の夫々の範囲内に2以上のキャラクタオブジェクトの存在を制限する管理を実行する。
具体的に範囲空間管理手段70は、ゲームの仮想空間において、所定の範囲内(例えば、同一のグリッド内)に2以上の敵キャラクタの存在を制限し、他の敵キャラクタを仮想空間内の他の領域(例えば、他のグリッド内)に移動させる。なお、範囲空間管理手段70の機能の詳細は、図7などを参照しながら、後述する。
【0043】
図3に示すように、サーバ2の制御部100は、各種プログラムなどを実行することにより、ゲーム情報管理手段120と、サーバ側ゲーム処理実行手段122として機能する。
【0044】
ゲーム情報管理手段120は、プレイヤ端末1によるゲームの進行に必要となる各種情報を管理し、各種処理を実行する。具体的に例えば、ゲーム情報管理手段120は、プレイヤ端末1から送信されてきたアカウント情報に対する認証、プレイヤ端末1からの各種ゲーム情報のダウンロード要求に対するゲーム情報の配信などを実行する。
【0045】
サーバ側ゲーム処理実行手段122は、プレイヤが本ゲームをプレイするための処理のうち、一部の処理を実行する。
具体的にサーバ側ゲーム処理実行手段122は、例えば、プレイヤキャラクタまたは他のプレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタ(以下、「他のプレイヤキャラクタ」と呼ぶ)による攻撃動作が行われた場合に、それぞれのプレイヤ端末1から送信されてくるダメージ情報を、通信部110を介して取得する。また、サーバ側ゲーム処理実行手段122は、取得したダメージ情報の内容を検証し、プレイヤ端末1で実行された攻撃動作が不正であったか否か判定する。
なお、サーバ側ゲーム処理実行手段122が、このような一部の処理を担うことで、例えば、プレイヤ端末1で不正行為(いわゆるチーム行為)などが行われた場合でも、ゲーム全体に与える影響を低減できる。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける仮想空間の構成を説明するためのイメージ図である。
【0047】
図4に示す通り、プレイヤキャラクタPCの存在する仮想空間は、所定の範囲(例えば、1グリッドは1m×1m)ごとに分割され、仮想空間全体を含む配列データがアセット化されて管理されている。なお、これらの配列データは、グリッドごとに地面からの高さ、天井の高さ、空間の属性(例えば、水面、マグマ、空中など)などの補足的な情報を含めて、管理され、第1仮想空間情報DB300に格納されている。なお、本システムは、上述の通り、このような通常の仮想空間の配列データだけでなく、配置されているオブジェクトを除外した状態の仮想空間の配列データが管理され、第2仮想空間情報DB400に格納されている。本システムは、このような異なる情報を有することで、例えば、ゲーム中のオブジェクトの破壊行動などに対して、効率的に処理負荷を低減することができる。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける攻撃動作に対する当たり判定の方法の一例を説明するためのイメージ図である。図5を参照しながら、本ゲームにおける特有の機能の一つである第1攻撃判定方法の詳細を説明する。
【0049】
図5の例では、プレイヤキャラクタPCの攻撃動作に対して、当たり判定の対象となる領域が格子状の領域として表示されている。ここで、重要な点は第1攻撃判定手段66による判定において、攻撃動作毎の攻撃範囲は、上述のグリッドを単位として生成される。すなわち、第1攻撃判定手段66は、仮想空間として管理されているグリッドのうち、どのグリッドが攻撃対象であるかという簡易的な情報を生成し、対象となるグリッド内に敵キャラクタが存在している場合、その攻撃動作の対象となり、攻撃動作の影響を受けることになる。このように第1攻撃判定手段66による判定は、広範囲の領域に対して、極めて簡便に攻撃動作の当たり判定を行うことができる点で有用である。
【0050】
他方、図6は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける攻撃動作に対する当たり判定の方法の一例を説明するためのイメージ図であり、図5の例とは異なる例を示す図である。図6を参照しながら、本ゲームにおける特有の機能の一つである第2攻撃判定方法の詳細を説明する。
【0051】
図6の例では、プレイヤキャラクタの前方に攻撃動作(武器)の射程を示す格子上のグリッドが表示されるとともに、敵キャラクタU1,敵キャラクタU2,敵キャラクタU3が一例として表示されている。第2攻撃判定においては、第1攻撃判定の場合と異なり、攻撃範囲を示すグリッド内に敵キャラクタが存在する場合。その敵キャラクタをまずは攻撃対象となる候補として決定する。その上で、攻撃対象の候補となる敵キャラクタを、例えば、プレイヤキャラクタに近い順に分類し、プレイヤキャラクタに近い敵キャラクタのみを攻撃対象として決定する。ここで、第2攻撃動作では、第1攻撃判定で生成されたグリッドと同じ大きさのグリッドを生成する必要はなく、通常は、第1攻撃判定で生成されたグリッドよりも小さいグリッドが生成されてもよい。
これにより、第2攻撃判定では、敵キャラクタに攻撃動作が当たるか否かだけに限られず、正確に体の部位(頭,腕,足など)を狙った攻撃や集団の前方に位置する敵キャラクタのみを攻撃するなどの詳細な処理も可能となる。
以上をまとめると、第1攻撃判定による攻撃動作は、広範囲に大きな攻撃動作を行う場合には処理負荷を低減するという利点がある反面、1体1体の敵オブジェクトを狙ったり、敵キャラクタの部位を狙うような正確な攻撃を行うことは難しいという問題がある。一方で、第2攻撃判定による攻撃動作は、正確な攻撃を行うことができるという利点がある反面、処理負荷の低減効果は低くそれなりの処理負荷がかかるという問題がある。プレイヤまたは本システムの管理者は、このような異なる攻撃判定方法をうまく活用することで、ゲーム内の状況に応じて、効率的に処理負荷を低減し、快適なゲーム環境を実現することができる。
【0052】
図7は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける範囲空間を管理する方法の一例を説明するためのイメージである。図7を参照しながら、本ゲームにおける特有の機能の一つである範囲領域管理機能の詳細を説明する。
【0053】
図7の例では、仮想空間内の所定の領域に新たな敵キャラクタが移動してきた場合の具体的な動作処理の一例が示されている。まず、図7の例では、仮想空間における所定の範囲領域(例えば、グリッド)が格子状に表現されている。ここで、図7の例において、各グリッド内には2体以上の敵オブジェクトが存在できない仕様となっている。そのため、図7の左側に示すように、例えば、範囲空間管理手段70は、新たに敵オブジェクトが移動してきた際に、先のグリッドにすでに他の敵オブジェクトが存在する場合、近接する他のグリッド(例えば、上のグリッド)に新たに移動してきた敵オブジェクトを移動させる。なお、図7の右側に示すように、例えば、範囲空間管理手段70は、近接する他のグリッド(例えば、上のグリッド)にも他の敵オブジェクトが存在する場合、すでに他の敵オブジェクトが存在するグリッドの手前のグリッドなどに新たな敵オブジェクトを組み付かせることで、仮想空間内の所定の領域内に2体以上の敵オブジェクトが存在しないゲーム環境を実現する。これにより、空間内の領域(グリッド)と敵オブジェクトを容易に関連付けて管理することが可能となる。そのため、結果として、他の各種ゲーム内処理において処理負荷を低減することが期待でき、また、自然な演出処理も実現することができる。
【0054】
図8は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバが実行する第1攻撃判定処理の流れの一例を示す図である。
【0055】
ステップS1において、入力操作受付手段62は、プレイヤからの攻撃動作に関する入力操作を受け付ける。
【0056】
ステップS2において、第1攻撃判定手段66は、プレイヤの攻撃動作が行われた場合に、その攻撃動作の種別に応じて、攻撃動作の対象の範囲となるグリッドを基準とした範囲領域を生成する。
【0057】
ステップS3において、第1攻撃判定手段66は、生成した範囲領域内に敵キャラクタが含まれているか否かを判定し、範囲領域内に含まれている敵キャラクタを一律に攻撃動作の当たり判定の対象として決定する。
【0058】
ステップS4において、端末側ゲーム処理実行手段60は、攻撃動作の種別に応じて、当たり判定の対象となった敵キャラクタに対して、敵キャラクタのそれぞれのHPを減少させる処理(以下、「ダメージ処理」と呼ぶ)を実行する。これにより、第1攻撃判定処理は終了する。
【0059】
図9は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムを構成するプレイヤ端末およびサーバが実行する第2攻撃判定処理の流れの一例を示す図である。
【0060】
ステップS21において、第2攻撃判定手段68は、プレイヤキャラクタの攻撃動作の種別(例えば、装備している武器)に応じて、プレイヤキャラクタの前方に攻撃動作の対象の範囲となるグリッドを基準とした範囲領域を生成する。
【0061】
ステップS22において、入力操作受付手段62は、プレイヤからの攻撃動作に関する入力操作を受け付ける。
【0062】
ステップS23において、第2攻撃判定手段68は、プレイヤキャラクタによる攻撃動作が行われた時点において、生成された範囲領域に含まれている敵キャラクタをリストに登録する。
【0063】
ステップS24において、第2攻撃判定手段68は、リストとして登録された敵キャラクタのうち、例えば、所定の範囲においてプレイヤキャラクタとの距離が最も近い敵キャラクタを攻撃動作の当たり判定の対象として決定する。
【0064】
ステップS25において、端末側ゲーム処理実行手段60は、攻撃動作の種別に応じて、当たり判定の対象となった敵キャラクタに対して、ダメージ処理を実行する。これにより、第2攻撃判定処理は終了する。
【0065】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0066】
[他の実施形態]
ここで、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、グリッドの単位に基づいて、各オブジェクト(例えば、プレイヤキャラクタなど)の移動経路を決定する機能を備えていてもよい。
また、本システムは、各オブジェクトの移動経路の探索に関して、以下のような仕様を備えていてもよい。
具体的に本システムは、例えば、仮想空間内の所定の地点に割り振られた番号、所定の地点から他の地点(または所定のエリアから他のエリア)に向かうための全経路情報、各経路の幅などの情報をあらかじめまとめて取得しておき、各オブジェクトの経路探索に利用してもよい。このような方法は、仮想空間の構成に制限を与える可能性があるものの、経路探索の処理において大きく処理負荷を軽減できる可能性がある。なお、本システムがこのような経路探索機能を採用するか否かは本システムの管理者などの任意である。
【0067】
また、上述の実施形態において、本システムの第1攻撃判定手段66は、範囲領域内に含まれている敵キャラクタを一律に攻撃動作の当たり判定の対象としたが、限定されない。本システムの第1攻撃判定手段66は、範囲領域内に含まれている敵キャラクタのうち所定の条件を満たした敵キャラクタのみを当たり判定の対象として決定してもよい。
【0068】
また、上述の実施形態において、本システムの第2攻撃判定手段68は、登録された敵キャラクタのうち、所定の範囲においてプレイヤキャラクタとの距離が最も近い敵キャラクタを攻撃動作の当たり判定の対象としたが、限定されない。本システムの第2攻撃判定手段68は、例えば、プレイヤキャラクタとの距離が近い複数体の敵キャラクタを当たり判定の対象として決定してもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、敵キャラクタが死亡したような場合、敵キャラクタ(の死体)に対応する分の座標を仮想空間内の領域を加算する(仮想空間の高さ情報を上書きする)ことで、動的に仮想空間内の地形を変化させることができる機能を備えていてもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、仮想空間における所定の単位(グリッド)をゲーム画像に表示してもよいし、表示しなくてもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにおいて、第1攻撃判定手段66または第2攻撃判定手段68は、攻撃動作の対象となる敵キャラクタが所定の数より多く存在する場合(例えば、攻撃動作に対する処理負荷が高い場合)にのみ機能する仕様を採用してもよい。なお、本システムは、敵キャラクタが所定の数以下の場合(例えば、攻撃動作に対する処理負荷が低い場合)には、あえて第1攻撃動作または第2攻撃動作による当たり判定を行わず、従前のゲームなどの通常の攻撃動作に対する当たり判定を行ってもよい。
【0072】
また、上述の実施形態(特に図6の実施形態)では説明を省略したが、本システムは、第2攻撃動作において敵キャラクタの部位のうち複数の部位が攻撃範囲に含まれている場合、任意の方法により攻撃動作の当たり判定の基準を設定してもよい。本システムは、例えば、攻撃範囲に含まれる部位のうちもっともプレイヤキャラクタに近い部位に攻撃動作が当たるものとしてもよいし、例えば、攻撃範囲に含まれるすべての部位に攻撃動作が当たるものとしてもよい。さらに言えば、このような当たり判定の基準は、例えば、プレイヤキャラクタによる攻撃動作の種別や装備する武器、プレイヤによるゲーム内設定などに基づいて異なっていてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態において、本システムにかかる第1攻撃動作および第2攻撃動作は、プレイヤキャラクタの攻撃動作に適用されるものとして説明したが、限定されない。本システムにかかる第1攻撃動作および第2攻撃動作と同様の手法は、例えば、魔法や特殊アクション、敵キャラクタに対する捕獲動作、味方キャラクタへの回復動作などの任意のゲームキャラクタの動作に関する当たり判定などにおいて適用することができる。
【0074】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本ゲームは、例えば、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用のゲーム機、業務用に設計された各種ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器などである任意のハードウェアにより実行されてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムにかかるゲームの内容は限定されない。本システムは、例えば、FPS(First Person Shooter)、TPS(Third Person Shooter)、RPG(Role Playing Game)、ネットワークを介さないアクションゲーム、シミュレーションゲーム、スポーツゲーム、カードゲーム、バトルロワイヤル(対称型、非対称型)、MOBA(Multiplayer online battle arena)、音楽ゲーム、格闘ゲーム、クイズゲームなどのあらゆるゲームに適用されてもよい。
【0076】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3などの機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは図3などの例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3などの例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成されてもよいし、ソフトウェア単体で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0077】
また、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェアなどを含み構成されてもよい。
【0078】
また、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0079】
また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
すなわち、例えば、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォンなどの携帯端末、任意のゲーム機などが自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部などの種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0080】
また、このようなプログラムを含む記録媒体は、プレイヤなどにプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でプレイヤに提供される記録媒体などで構成されてもよい。
【0081】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味している。
【0082】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0083】
以上をまとめると、本発明適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
コンピュータを、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段(例えば、仮想空間管理手段64)と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となるオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段(例えば、第1攻撃判定手段66)と、
として機能させるプログラムであれば足りる。
【0084】
すなわち、仮想空間管理手段64は、仮想空間管理手段として機能する。
第1攻撃判定手段66は、第1攻撃判定手段として機能する。
第2攻撃判定手段68は、第2攻撃判定手段として機能する。
範囲空間管理手段70は、範囲空間管理手段として機能する。
【0085】
<効果>
これにより、プレイヤは、ゲームの処理負荷によるストレスを感じることなく、よりゲームを楽しむことができる。
【符号の説明】
【0086】
1 プレイヤ端末
11 制御部
60 端末側ゲーム処理実行手段
62 入力操作受付手段
64 仮想空間管理手段
66 第1攻撃判定手段
68 第2攻撃判定手段
70 範囲空間管理手段
300 第1仮想空間情報DB
400 第2仮想空間情報DB
2 サーバ
100 制御部
120 ゲーム情報管理手段
122 サーバ側ゲーム処理実行手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2025-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となる移動可能なオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段と、
前記攻撃動作の種別に応じて、前記単位により構成される第2範囲領域を規定し、当該第2範囲領域に対象となる移動可能な前記オブジェクトが存在するか否か、および対象となる移動可能な前記オブジェクトとプレイヤキャラクタとの距離を基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第2攻撃判定手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記ゲームの状況に応じて、前記第1攻撃判定手段または前記第2攻撃判定手段により前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記仮想空間管理手段により管理される前記単位は、前記ゲームのプレイ画像として表示されない、
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1攻撃判定手段または前記第2攻撃判定手段は、前記攻撃動作の対象となる移動可能な前記オブジェクトの数が所定の数より多く存在する場合に機能し、前記攻撃動作の対象となる移動可能な前記オブジェクトの数が所定の数以下の場合に機能しない、
請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2攻撃判定手段は、対象となる移動可能な前記オブジェクトの所定の部位が前記攻撃動作の影響を受けるか否かを決定する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理ステップと、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となる移動可能なオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定ステップと、
前記攻撃動作の種別に応じて、前記単位により構成される第2範囲領域を規定し、当該第2範囲領域に対象となる移動可能な前記オブジェクトが存在するか否か、および対象となる移動可能な前記オブジェクトとプレイヤキャラクタとの距離を基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第2攻撃判定ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
ゲームにおける攻撃動作に関する入力操作を受け付ける攻撃動作受付手段と、
前記ゲームの仮想空間を、前記ゲームにおける移動または行動の基準ではない所定の単位で管理する仮想空間管理手段と、
前記仮想空間の所定の位置に前記単位により構成される第1範囲領域を規定し、当該第1範囲領域に対象となる移動可能なオブジェクトが存在するか否かを基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第1攻撃判定手段と、
前記攻撃動作の種別に応じて、前記単位により構成される第2範囲領域を規定し、当該第2範囲領域に対象となる移動可能な前記オブジェクトが存在するか否か、および対象となる移動可能な前記オブジェクトとプレイヤキャラクタとの距離を基準として、前記入力操作にかかる前記攻撃動作が対象となる移動可能な前記オブジェクトに影響を与えるか否かを決定する第2攻撃判定手段と、
を備える情報処理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
サーバ側ゲーム処理実行手段122は、プレイヤが本ゲームをプレイするための処理のうち、一部の処理を実行する。
具体的にサーバ側ゲーム処理実行手段122は、例えば、プレイヤキャラクタまたは他のプレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタ(以下、「他のプレイヤキャラクタ」と呼ぶ)による攻撃動作が行われた場合に、それぞれのプレイヤ端末1から送信されてくるダメージ情報を、通信部110を介して取得する。また、サーバ側ゲーム処理実行手段122は、取得したダメージ情報の内容を検証し、プレイヤ端末1で実行された攻撃動作が不正であったか否か判定する。
なお、サーバ側ゲーム処理実行手段122が、このような一部の処理を担うことで、例えば、プレイヤ端末1で不正行為(いわゆるチー行為)などが行われた場合でも、ゲーム全体に与える影響を低減できる。