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特開2025-11831情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011831
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20250117BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20250117BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/825
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114179
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(57)【要約】      (修正有)
【課題】育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのより優れた技術を提供する。
【解決手段】複数のゲーム媒体の指定を受け付け、指定された第1ゲーム媒体の第1パラメータと、第2ゲーム媒体の第2パラメータとが予め設定された蓄積条件を満たすように第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる蓄積値を特定し、蓄積条件は第1パラメータと第2パラメータとの間の相対的な関係を規定し、特定された蓄積値に基づき第1パラメータおよび第2パラメータのうちの少なくとも1つに対応する蓄積値が変更条件を満たすように、第1ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量と、第2ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量とを特定し、特定された使用量に基づき、消費ゲーム媒体を使用した場合における変更後の第1パラメータおよび第2パラメータを出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
次の各ステップを含み、
受付ステップでは、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定とを受け付け、ここで、
前記ゲーム媒体のパラメータのそれぞれは、当該パラメータに対応する蓄積値が所定の変更条件を満たすことにより変更されるように構成され、前記蓄積値は、所定の消費ゲーム媒体を使用することによって生成可能に構成され、
第1特定ステップでは、指定された前記第1ゲーム媒体の前記パラメータである第1パラメータと、指定された前記第2ゲーム媒体の前記パラメータである第2パラメータとが予め設定された蓄積条件を満たすように、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる前記蓄積値を特定し、ここで、
前記蓄積条件は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの間の相対的な関係を規定し、
第2特定ステップでは、特定された前記蓄積値に基づき、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つに対応する前記蓄積値が前記変更条件を満たすように、前記第1ゲーム媒体に対して使用する前記消費ゲーム媒体の使用量と、前記第2ゲーム媒体に対して使用する前記消費ゲーム媒体の使用量とを特定し、
出力ステップでは、特定された前記使用量に基づき、前記消費ゲーム媒体を使用した場合における変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータを出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記蓄積条件は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差が減少するように設定される第1蓄積条件、または前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差が増加するように設定される第2蓄積条件を含み、
前記受付ステップでは、ユーザからの前記第1蓄積条件または前記第2蓄積条件の指定を受け付け、
前記第1特定ステップでは、指定された前記蓄積条件に基づき、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる前記蓄積値を特定する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記受付ステップでは、前記第1パラメータまたは前記第2パラメータの変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータをさらに変更するように構成される第1変更指令をユーザから受け付け、
前記第1特定ステップでは、前記第1変更指令を受け付けた場合に、前記第1変更指令と前記蓄積条件と前記変更条件とに基づき、出力される前記変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちさらに変更を行うパラメータと、当該変更に必要な前記蓄積値とを特定し、
前記第2特定ステップでは、当該変更に必要な前記蓄積値に基づき、前記消費ゲーム媒体の使用量を特定する、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記受付ステップでは、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更を行う場合に使用される前記消費ゲーム媒体の量を変更する第2変更指令を受け付け、ここで、前記第2変更指令は、量を変更する前記消費ゲーム媒体の指定を含み、
前記第1特定ステップでは、前記第2変更指令を受け付けた場合に、前記第2変更指令と前記蓄積条件と前記変更条件とに基づき、出力される前記変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちさらに変更を行うパラメータと、当該変更に必要な前記蓄積値とを特定し、
前記第2特定ステップでは、当該変更に必要な前記蓄積値に基づき、指定された前記消費ゲーム媒体の使用量を特定する、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記第2特定ステップでは、前記第1パラメータまたは前記第2パラメータの変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータをさらに変更するように構成される第1変更指令、または前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更を行う場合に使用される前記消費ゲーム媒体の量を変更する第2変更指令を受け付けた場合に、さらに、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのそれぞれの変更条件を満たすために必要な前記蓄積値である要求値に対する、前記消費ゲーム媒体によって生成される前記蓄積値の差異に基づき、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうち、変更するパラメータを特定する、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記受付ステップでは、ユーザからの第3ゲーム媒体と第4ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定を受け付け、
前記第3ゲーム媒体のパラメータである第3パラメータおよび前記第4ゲーム媒体のパラメータである第4パラメータのうちの少なくとも1つの変更条件を満たすための第3変更指令を受け付け、
さらに、復元ステップでは、前記出力ステップの出力結果に基づき前記消費ゲーム媒体を使用することにより前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更が行われた後に、前記第3変更指令を受け付けた場合に、変更された前記第1パラメータおよび前記第2パラメータを、当該変更の前の状態に変更し、当該変更によって使用された前記消費ゲーム媒体の少なくとも一部を、当該変更の前の状態に変更する、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法において、
さらに提示ステップでは、前記第1パラメータまたは前記第2パラメータの変更後に残存する前記消費ゲーム媒体を使用することにより、指定された前記第3パラメータおよび前記第4パラメータのうちの少なくとも1つの変更が所定の復元条件を満たす場合に、前記復元ステップの処理が実行可能であることを提示させ、ここで、前記復元条件は、前記第3パラメータの変更量または前記第4パラメータの変更量が所定値未満であることを含む、
情報処理方法。
【請求項8】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項9】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数種類の素材アイテムを消費して育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラム等に関する技術が開示されている。
【0003】
当該技術に係るプログラム等は、複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラムであって、プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定する段階と、所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する段階と、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定段階と、をコンピュータに実行させるためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-11326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記ゲーム制御方法には、未だ改善の余地がある。
【0006】
本開示では上記事情に鑑み、例えば、より優れた技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを含む。受付ステップでは、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定とを受け付ける。ゲーム媒体のパラメータのそれぞれは、当該パラメータに対応する蓄積値が所定の変更条件を満たすことにより変更されるように構成され、蓄積値は、所定の消費ゲーム媒体を使用することによって生成可能に構成される。第1特定ステップでは、指定された第1ゲーム媒体のパラメータである第1パラメータと、指定された第2ゲーム媒体のパラメータである第2パラメータとが予め設定された蓄積条件を満たすように、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる蓄積値を特定する。蓄積条件は、第1パラメータと第2パラメータとの間の相対的な関係を規定する。第2特定ステップでは、特定された蓄積値に基づき、第1パラメータおよび第2パラメータのうちの少なくとも1つに対応する蓄積値が変更条件を満たすように、第1ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量と、第2ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量とを特定する。出力ステップでは、特定された使用量に基づき、消費ゲーム媒体を使用した場合における変更後の第1パラメータおよび第2パラメータを出力する。
【0008】
本開示によれば、ユーザにより興趣性の高い体験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
図3】情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。
図4】メニュー画面IM1の一例を示す図である。
図5】パーティ画面IM2の一例を示す図である。
図6】パーティ編成画面IM3の一例を示す図である。
図7】編成条件画面IM4の一例を示す図である。
図8】編成条件に基づき編成されたパーティ編成に係るパーティ画面IM2の一例を示す図である。
図9】育成条件を「均等に育成」に設定した場合における育成画面IM5の一例を示す図である。
図10】育成条件を「不均一に育成」に設定した場合における育成画面IM5の一例である。
図11】育成条件が「不均一に育成」に設定されている場合において最大設定ボタン94が操作されたときの育成画面IM5の一例を示す図である。
図12】素材に対応するレベルアップ貢献度の設定態様一例を示す図である。
図13】プレイヤキャラクタごとの育成に関する情報と、プレイヤキャラクタごとのレベルアップ貢献度との下限との関係を示す図である。
図14図11にて示される特定結果に基づき育成処理を実行した後の育成対象となるパーティ編成を含む、メニュー画面IM1の一例を示す図である。
図15】復元条件が満たされている場合における育成画面IM5の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。すなわち、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置からなる。
【0015】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0016】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0017】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0018】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0019】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0020】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0021】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0022】
通信部21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データ等が記憶されている。
【0024】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リスト等を記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報等が、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベル等)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さ等を含む。
【0025】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理等が挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0027】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)等が含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0028】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0029】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求等が挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0030】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報等が格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0031】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0032】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャ等のデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作等に応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0033】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0034】
2.2 機能構成
続いて、図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0035】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部23(プロセッサ)は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、受付部231と、特定部232と、復元部233と、出力部234と、提示部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0036】
受付部231は、受付ステップとして、種々の情報および入力を受け付けるように構成される。例えば、受付部231は、ユーザ情報等の情報や、ユーザからの参加要求の入力等を、情報処理装置2の記憶部22から受け付けるか、または、ゲーム装置3もしくは他の外部装置から通信ネットワーク11を介して受け付ける。本実施形態では、受付部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0037】
特定部232は、第1特定ステップおよび第2特定ステップとして、受け付けた情報等に基づき種々の情報の特定を行うように構成される。
【0038】
復元部233は、復元ステップとして、消費等がされた情報の復元を行うように構成される。
【0039】
出力部234は、出力ステップとして、特定部232の特定結果等の種々の情報を出力するように構成される。
【0040】
提示部235は、提示ステップとして、記憶部22または記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させ、ユーザに情報を提示するように構成される。具体的には、提示部235は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを通信ネットワーク11を介してゲーム装置3に送信するようにしてもよい。
【0041】
3.情報処理の概要
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて、その概要を説明する。図3は、情報処理システム1によって実行される情報処理の概要を示すアクティビティ図である。以下で説明する情報処理に含まれる各アクティビティにおける処理の結果は、適宜、ゲーム装置3のディスプレイ4a等を用いてユーザが認識可能な態様で出力され得る。なお、当該情報処理は、図示されない任意の例外処理を含みうる。例外処理は、当該情報処理の中断や、各処理の省略を含む。当該情報処理にて行われる選択または入力は、ユーザによる操作に基づくものでも、ユーザの操作に依らず自動で行われるものでもよい。また、本情報処理中で表示される各種画面の詳細は、次節以降で詳述される。
【0042】
本実施形態のゲームは、ユーザが複数のプレイヤキャラクタにより構成されるパーティを編成し、当該パーティを通じてクエストを進行するように構成される。各プレイヤキャラクタには、レベルが設定されている。各プレイヤキャラクタには消費アイテムを消費することにより経験値が蓄積可能に構成される。プレイヤキャラクタは、ゲーム媒体の一例であり、個々のプレイヤキャラクタが第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体の一例である。
【0043】
消費アイテムは、プレイヤキャラクタに対して使用することで消費されるように構成されている。消費アイテムは、消費ゲーム媒体の一例であり、ゲーム媒体の一種でもある。消費アイテムが特定のプレイヤキャラクタに対して使用されることにより、当該プレイヤキャラクタに経験値が付与される。
【0044】
プレイヤキャラクタのレベルは、当該経験値が所定の変更条件を満たすことにより上昇するように構成される。変更条件は、レベルごとにレベルアップに必要な経験値を規定する、いわゆる経験値テーブルとして機能可能に構成される。プレイヤキャラクタのレベルは、ゲーム媒体のパラメータの一例である。例えば、第1ゲーム媒体としてのプレイヤキャラクタのレベルは第1パラメータの一例であり、第2ゲーム媒体としてのプレイヤキャラクタのレベルは第2パラメータの一例である。また、これらのパラメータの変更に係る経験値は、蓄積値の一例である。言い換えれば、ゲーム媒体のパラメータのそれぞれは、当該パラメータに対応する蓄積値が所定の変更条件を満たすことにより変更されるように構成され、蓄積値は、所定の消費ゲーム媒体を使用することによって生成可能に構成される。
【0045】
プレイヤキャラクタに蓄積される経験値は、消費ゲーム媒体に応じて異なる。例えば、消費ゲーム媒体のレアリティが高いほど、プレイヤキャラクタに蓄積される経験値は多くなる。また、消費ゲーム媒体とプレイヤキャラクタとが所定の条件を満たす場合、当該プレイヤキャラクタに蓄積される経験値は、当該条件を満たさないプレイヤキャラクタに蓄積される経験値に比べて多くてもよい。このような条件としては、例えば、消費ゲーム媒体とプレイヤキャラクタとの属性やレアリティが一致している等の、消費ゲーム媒体とプレイヤキャラクタとの相性によって規定されていてもよい。
【0046】
[アクティビティA1]
まず、アクティビティA1にて、受付部231は、ユーザからログインIDおよびパスワードの入力を受け付け、これらに基づきログイン処理を行う。これにより、ユーザ認証が行われた場合、受付部231は、当該ユーザのユーザ情報を受け付ける。ユーザ情報は、例えば、ユーザが保有するゲーム媒体、ユーザが挑戦可能なクエストなど、種々の情報を含み得る。ゲーム媒体とは、例えば、プレイヤが操作するキャラクタであるプレイヤキャラクタ、装備、スキル、消費アイテムなど、ゲーム中でユーザ情報に対して付与可能な任意の対象を含み得る。
【0047】
[アクティビティA2]
次に、処理がアクティビティA2に進み、提示部235はメニュー画面IM1をディスプレイ4aに表示させる。ユーザは、メニュー画面IM1を通じて種々のメニュー選択操作を実行可能である。
【0048】
[アクティビティA3]
その後、処理がアクティビティA3に進み、制御部23はユーザからメニュー選択操作を受け付け、受け付けたメニュー選択操作に応じてディスプレイ4aの表示内容を遷移させる。
【0049】
[アクティビティA4]
アクティビティA3にて所定のメニュー選択操作を受け付けた場合、アクティビティA4にて提示部235は、パーティ画面IM2をディスプレイ4aに表示させる。ユーザは、パーティ画面IM2を通じてパーティ編成操作や育成操作等の種々の操作を行い、目的に応じた画面へと表示内容を遷移させることができる。受付部231は、当該操作を受け付ける。
【0050】
[アクティビティA5]
受付部231がパーティ編成操作を受け付けた場合、処理がアクティビティA5に進み、制御部23は、パーティ編成処理を実行する。これにより、提示部235がパーティ編成画面IM3、編成条件画面IM4、および育成画面IM5を適宜表示させ、受付部231がこれらの画面を通じてユーザからパーティの編成に係る操作を受け付ける。制御部23は、例えば、当該操作に応じて、予め設定された編成条件に基づきパーティ編成を行う。これにより、現在のパーティに含まれているプレイヤキャラクタが変更される。編成条件は、パーティ編成に組み込むプレイヤキャラクタの優先順位に関する条件である。編成条件は、例えば、プレイヤキャラクタのレベル、属性、レアリティなどの、プレイヤキャラクタに関する種々の情報に基づき、満たされることによってユーザがより有利にゲームを進行可能となるように設定されている。パーティの編成に係る操作は、ゲーム媒体としての指定の一例である。言い換えれば、受付部231は、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定とを受け付ける。パーティ編成処理は、クエストに参加させるパーティの編成を行うための処理であり、パーティメンバーであるプレイヤキャラクタの変更を、自動で、またはユーザの操作に応じて行うように構成される。パーティ編成処理の終了後、処理がアクティビティA4に戻り、再びパーティ画面IM2が表示される。なお、ゲーム媒体の指定とは、例えば編成に含まれるプレイヤキャラクタの指定であり、編成に含まれているプレイヤキャラクタは、指定されたゲーム媒体の一例である。また、ゲーム媒体の指定は、編成に含まれるプレイヤキャラクタとは無関係に指定されたプレイヤキャラクタであってもよい。例えば、制御部23は、後述する複数のプレイヤキャラクタの育成を一括で行う育成処理を実行する場合に、育成処理の実行対象となる複数のプレイヤキャラクタを改めてユーザに指定させてもよい。
【0051】
[アクティビティA6]
一方、受付部231が育成操作を受け付けた場合、処理がアクティビティA6に進み、提示部235は、育成画面IM5を表示させ、パーティ画面IM2にて各プレイヤキャラクタの育成等を行うことができる。プレイヤキャラクタの育成とは、例えば、消費アイテムを用いて経験値を蓄積させ、プレイヤキャラクタをレベルアップさせることを含む。
【0052】
[アクティビティA7]
次に、処理がアクティビティA7に進み、受付部231は、ユーザからの育成条件に関する指定を受け付ける。育成条件は、複数のプレイヤキャラクタに対して経験値を蓄積させる際の条件を規定する。例えば、育成条件は、2つのプレイヤキャラクタ育成の際のレベル同士の相対的な関係を規定する。相対的な関係とは、あるプレイヤキャラクタのレベルを基準とした場合における他のプレイヤキャラクタのレベルの大小などによって表現可能である。具体的には、育成条件は、育成するプレイヤキャラクタの優先順位や、優先する項目などによって規定される。育成条件は、蓄積条件の一例である。本実施形態の育成条件は、第1ゲームキャラクタのレベルと第2ゲームキャラクタのレベルとの差が減少するように設定される第1育成条件と、第1ゲームキャラクタのレベルと第2ゲームキャラクタのレベルとの差が増加するように設定される第2育成条件とを少なくとも含む。第1育成条件に基づくプレイヤキャラクタの育成は、複数のプレイヤキャラクタのレベル差を小さくし、均一にする傾向にある。第2育成条件に基づくプレイヤキャラクタの育成は、特定のプレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとのレベル差を大きくし、当該特定のプレイヤキャラクタを優先的にレベルアップさせる傾向にある。なお、育成条件は、第1育成条件と第2育成条件とをともに含んでいなくてもよく、これらのうちの少なくとも1つが含まれていてもよい。言い換えれば、蓄積条件は、第1パラメータと第2パラメータとの差が減少するように設定される第1蓄積条件、または第1パラメータと第2パラメータとの差が増加するように設定される第2蓄積条件を含む。本実施形態では、受付部231は、ユーザからの第1蓄積条件または第2蓄積条件の指定を受け付ける。
【0053】
[アクティビティA8]
次に、処理がアクティビティA8に進み、制御部23は、ユーザからの指定に基づき育成条件を設定する。
【0054】
[アクティビティA9]
次に、処理がアクティビティA8に進み、特定部232は、設定された育成条件に基づき、育成後の各キャラクタのレベルと、当該レベルまでの育成に必要な経験値と、当該経験値を生成するために必要な消費ゲーム媒体の消費量とを特定する。言い換えれば、特定部232では、指定された第1ゲーム媒体のパラメータである第1パラメータと、指定された第2ゲーム媒体のパラメータである第2パラメータとが予め設定された蓄積条件を満たすように、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる蓄積値を特定する。特定部232は、特定された蓄積値に基づき、第1パラメータおよび第2パラメータのうちの少なくとも1つに対応する蓄積値が変更条件を満たすように、第1ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量と、第2ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量とを特定する。その後、出力部234は、育成後の各プレイヤキャラクタのレベルと消費ゲーム媒体の変化(残存量、消費量等)を出力し、ディスプレイ4aに表示させる。言い換えれば、出力部234は、特定された使用量に基づき、消費ゲーム媒体を使用した場合における変更後の第1パラメータおよび第2パラメータを出力する。なお、この段階では制御部23は、出力部234として設定された育成条件に基づく育成後の状態を出力するに留まり、実際にプレイヤキャラクタのレベル等を変更するような処理を行っていない。当該処理は、後述する育成処理として実際に実行される。その後、受付部231は、ユーザから変更操作、実行操作、復元操作等の種々の操作を受け付ける。
【0055】
[アクティビティA10]
アクティビティA9にて変更操作が受け付けられた場合、処理がアクティビティA10に進み、受付部231は、育成条件の変更を受け付ける。育成条件の変更とは、上述した第1育成条件と第2育成条件との変更に限られず、育成の際に使用する消費ゲーム媒体の種類、特定のプレイヤキャラクタの育成後のレベルの変更など、種々の変更を含み得る。このような育成条件の操作に係る変更操作は、第1変更指令および第2変更指令の一例である。その後、特定部232は、変更後の育成条件に基づき、再度アクティビティA9の処理を実行する。言い換えれば、受付部231は、第1パラメータまたは第2パラメータの変更後の第1パラメータおよび第2パラメータをさらに変更するように構成される第1変更指令をユーザから受け付ける。特定部232では、第1変更指令を受け付けた場合に、第1変更指令と蓄積条件と変更条件とに基づき、出力される変更後の第1パラメータおよび第2パラメータのうちさらに変更を行うパラメータと、当該変更に必要な蓄積値とを特定する。特定部232では、当該変更に必要な蓄積値に基づき、消費ゲーム媒体の使用量を特定する。このような構成によれば、出力ステップにて出力された第1パラメータおよび第2パラメータに対して更に変更を加えるために必要な蓄積値と消費ゲーム媒体を特定することができるため、パラメータの変更に際しユーザの意図をより反映させやすくなる。また、言い換えれば、特定部232では、指定された蓄積条件に基づき、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる蓄積値を特定する。このような構成によれば、ユーザは、所望の蓄積条件を指定することにより、自身の方針に沿って複数のゲーム媒体のパラメータの変更を行うように、消費ゲーム媒体の使用をすることができる。したがって、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0056】
また、受付部231は、変更操作として、消費ゲーム媒体の量の変更に関する操作を受け付けてもよい。なお、量の変更とは、消費ゲーム媒体全体の使用量を変更するものに限られず、ある特定の消費ゲーム媒体の使用量の変更を含み得る。特定の消費ゲーム媒体の使用量の変更とは、数量の増減に限られず、当該消費ゲーム媒体の使用を禁止ないし制限することを含み得る。その後、特定部232は、変更後の育成条件に基づき、再度アクティビティA9の処理を実行する。言い換えれば、受付部231は、第1パラメータおよび第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更を行う場合に使用される消費ゲーム媒体の量を変更する第2変更指令を受け付ける。第2変更指令は、量を変更する消費ゲーム媒体の指定を含む。第2変更指令は、量を変更する消費ゲーム媒体の指定を含む。特定部232では、第2変更指令を受け付けた場合に、第2変更指令と蓄積条件と変更条件とに基づき、出力される変更後の第1パラメータおよび第2パラメータのうちさらに変更を行うパラメータと、当該変更に必要な蓄積値とを特定する。このような構成によれば、指定された消費ゲーム媒体を優先的に使用するなど、蓄積条件に沿って消費ゲーム媒体の使用態様を特定することができるため、ユーザにとっての利便性を向上することができる。本実施形態では使用態様を特定するためのアルゴリズムとして貪欲法が採用されているが、動的計画法、分岐限定法、深さ優先探索、整数計画法など任意の最適化手法が採用可能である。
【0057】
また、特定部232は、上述した変更操作を受け付けた場合に、プレイヤキャラクタのレベルアップに必要な経験値と、消費ゲーム媒体によって生成される経験値との差異に基づき、どのプレイヤキャラクタのレベルを優先的に変更させるかを特定してもよい。当該差異は、例えば、2つの値の差に限られず、比、変化率等の予め定められた関数やテーブルデータ等によって規定される。言い換えれば、特定部232では、第1変更指令または第2変更指令を受け付けた場合に、さらに、第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの変更条件を満たすために必要な蓄積値である要求値に対する、消費ゲーム媒体によって生成される蓄積値の差異に基づき、第1パラメータおよび第2パラメータのうち、変更するパラメータを特定する。このような構成によれば、消費ゲーム媒体をより適切に配分することができる。
【0058】
[アクティビティA11]
一方、アクティビティA9にて実行操作が受け付けられた場合、処理がアクティビティA11に進み、制御部23は、育成処理を実行する。育成処理とは、アクティビティA9の特定結果に基づき消費ゲーム媒体を消費させ、これにより生成される経験値を各プレイヤキャラクタに付与することにより、各プレイヤキャラクタのレベルを変更させる処理である。育成処理の結果、消費されたゲーム媒体の量が減少し、プレイヤキャラクタのレベルが上昇する。これにより、ユーザは、編成されたプレイヤキャラクタを育成し、ゲームをより有利に進行させることができる。その後、受付部231は、再びパーティ画面IM2を表示し、復元操作、終了操作等の種々の操作を受け付ける。受付部231が終了操作を受け付けた場合、制御部23は本情報処理を終了させる。
【0059】
[アクティビティA12]
一方、受付部231が復元操作を受け付けた場合、処理がアクティビティA12に進み、復元部233は、復元処理を実行する。復元処理は、過去に行われた育成処理を撤回し、プレイヤキャラクタのレベルや消費ゲーム媒体の量などを当該育成処理の前の状態に戻す処理である。当該復元処理は、撤回される育成処理にて育成されたプレイヤキャラクタとは異なるプレイヤキャラクタが、今回の育成処理の対象として指定されている場合に実行可能に構成されていてもよい。このような復元処理は、例えば、所定の復元条件が満たされている場合に、制御部23が復元操作を許容することにより実装可能である。復元処理が実行可能である場合、提示部235は、復元処理が実行可能であることをユーザに対して提示する。
【0060】
復元条件は、例えば、過去の育成処理にて育成されたプレイヤキャラクタとは異なる第3プレイヤキャラクタおよび第4プレイヤキャラ(第3ゲーム媒体、および第4ゲーム媒体の一例)が編成に含まれていることを含んでいてもよい。言い換えれば、提示部235は、第1パラメータまたは第2パラメータの変更後に残存する消費ゲーム媒体を使用することにより、指定された第3パラメータおよび第4パラメータのうちの少なくとも1つの変更が所定の復元条件を満たす場合に、復元ステップの処理が実行可能であることを提示させる。復元条件は、さらに、残存する消費ゲーム媒体を使用した場合における当該第3プレイヤキャラクタのレベルおよび第4プレイヤキャラクタのレベルの上昇量が所定値未満であることを含んでいてもよい。言い換えれば、復元条件は、第3パラメータの変更量または第4パラメータの変更量が所定値未満であることを含んでいてもよい。このような構成によれば、第3パラメータおよび第4パラメータのうちの少なくとも1つが残存する消費ゲーム媒体を使用しても復元条件を満たす程度しか変更されない場合に、復元部233の処理が実行可能であることが提示される。これにより、第1パラメータおよび第2パラメータの更新によって使用された消費ゲーム媒体を復元し、第3パラメータおよび第4パラメータの変更を促すことができる。このような復元操作は、第3変更指令の一例である。
【0061】
その後、処理がアクティビティA11に進み、制御部23は育成処理を実行する。言い換えれば、受付部231は、ユーザからの第3ゲーム媒体と第4ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定を受け付ける。受付部231は、第3ゲーム媒体のパラメータである第3パラメータおよび第4ゲーム媒体のパラメータである第4パラメータのうちの少なくとも1つの変更条件を満たすための第3変更指令を受け付ける。さらに、復元部233は、出力ステップの出力結果に基づき消費ゲーム媒体を使用することにより第1パラメータおよび第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更が行われた後に、第3変更指令を受け付けた場合に、変更された第1パラメータおよび第2パラメータを、当該変更の前の状態に変更し、当該変更によって使用された消費ゲーム媒体の少なくとも一部を、当該変更の前の状態に変更する。このような構成によれば、一旦変更を行い消費ゲーム媒体が使用された後であっても、変更されたパラメータを変更前の状態に変更することで、当該消費ゲーム媒体の少なくとも一部を第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体と異なる第3ゲーム媒体および第4ゲーム媒体に再使用することができる。したがって、消費ゲーム媒体の積極的な使用を促し、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0062】
アクティビティA11の育成処理を実行後、処理がアクティビティA4に戻り、出力部234は再びパーティ画面IM2を表示させる。その後、終了操作が行われた場合、本情報処理が終了する。
【0063】
以上をまとめると、情報処理システムによって実行される情報処理方法は、次の各ステップを含む。受付ステップでは、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定とを受け付ける。ゲーム媒体のパラメータのそれぞれは、当該パラメータに対応する蓄積値が所定の変更条件を満たすことにより変更されるように構成され、蓄積値は、所定の消費ゲーム媒体を使用することによって生成可能に構成される。第1特定ステップでは、指定された第1ゲーム媒体のパラメータである第1パラメータと、指定された第2ゲーム媒体のパラメータである第2パラメータとが予め設定された蓄積条件を満たすように、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる蓄積値を特定する。蓄積条件は、第1パラメータと第2パラメータとの間の相対的な関係を規定する。第2特定ステップでは、特定された蓄積値に基づき、第1パラメータおよび第2パラメータのうちの少なくとも1つに対応する蓄積値が変更条件を満たすように、第1ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量と、第2ゲーム媒体に対して使用する消費ゲーム媒体の使用量とを特定する。出力ステップでは、特定された使用量に基づき、消費ゲーム媒体を使用した場合における変更後の第1パラメータおよび第2パラメータを出力する。
【0064】
このような構成によれば、複数のゲーム媒体のパラメータの変更を行う際に、蓄積条件に合わせて相対的に変更させるように、消費ゲーム媒体を使用することができるため、複数のゲーム媒体のそれぞれに対し個別にパラメータを変更するために、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体のそれぞれに対して使用する消費ゲーム媒体の配分を行う手間を小さくすることができる。
【0065】
4.情報処理の詳細
本節では、前節にて概説された情報処理の詳細について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する各画面はあくまで一例であり、これに限られない。
【0066】
<メニュー画面IM1>
まず、アクティビティA2にて表示されるメニュー画面IM1の一例について説明する。図4は、メニュー画面IM1の一例を示す図である。当該画面は、例えばアクティビティA1にてログイン処理が行われた後にディスプレイ4aに表示される。ユーザは、ゲーム画面としてのメニュー画面IM1に対する入力を通じて、種々の画面へと移行する。図4に示すゲームのメニュー画面IM1には、ガチャボタン51と、編成ボタン52と、クエストボタン53と、アイテムボタン54とが表示されている。
【0067】
ガチャボタン51が操作されると、ガチャによる抽選を行うゲーム画面が表示される。編成ボタン52が操作されると、キャラクタの編成を行うゲーム画面が表示される。クエストボタン53が操作されると、クエストを選択するためのゲーム画面が表示される。アイテムボタン54が操作されると、ゲーム媒体の使用や変更等、ゲーム媒体に関する操作を行うゲーム画面が表示される。これらのボタン51~54の操作は、アクティビティA4におけるメニュー選択操作の一例である。
【0068】
<パーティ画面IM2>
メニュー画面IM1にて編成ボタン52が操作された場合、処理がアクティビティA4に進みパーティ画面IM2が表示される。図5は、パーティ画面IM2の一例を示す図である。パーティ画面IM2は、編成領域61と、遷移ボタン62と、決定ボタン63とを含む。
【0069】
編成領域61には、現在のパーティに含まれているプレイヤキャラクタ(言い換えれば、指定されたプレイヤキャラクタ)に関する情報が表示される。当該情報は、例えば、各プレイヤキャラクタの外観、属性(火、水等)、レアリティ(R,SR,SSR等)、レベルなどである。ユーザは、編成領域61を操作することにより、パーティ編成操作を行うことができる。
【0070】
遷移ボタン62は、育成操作を行うためのUIである。
【0071】
決定ボタン63は、終了操作を行うためのUIである。決定ボタン63を操作することにより、制御部23は、ディスプレイ4aの表示内容を再びメニュー画面IM1へと遷移させる。
【0072】
<パーティ編成画面IM3>
パーティ画面IM2にて編成領域61が操作された場合、処理がアクティビティA5に進みパーティ編成画面IM3が表示される。図6は、パーティ編成画面IM3の一例を示す図である。パーティ編成画面IM3は、編成領域71と、育成ボタン72と、変更ボタン73と、プレイヤキャラクタリスト74と、自動編成ボタン75と、全自動編成ボタン76と、条件設定ボタン77とを含む。
【0073】
編成領域71には、編成領域61と同様に現在のパーティに含まれているプレイヤキャラクタに関する情報が表示される。ユーザは、編成領域71に表示されるプレイヤキャラクタをカーソル等で指定することで、特定のプレイヤキャラクタを単独で指定することができる。
【0074】
育成ボタン72は、プレイヤキャラクタを個別に育成するための操作を行うための画面に遷移させるUIである。ユーザは、編成領域71にて指定されたプレイヤキャラクタ単独の育成を行うことができる。
【0075】
変更ボタン73は、指定されたプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタに変更するための操作である。
【0076】
プレイヤキャラクタリスト74は、ユーザ情報に対応付けられているプレイヤキャラクタの少なくとも一部を一覧可能に構成されている。ユーザは、プレイヤキャラクタリスト74に表示されるプレイヤキャラクタを指定することにより、パーティに編成されていないプレイヤキャラクタの育成や、当該プレイヤキャラクタをパーティ編成に加える等の種々の処理を制御部23に実行させることができる。プレイヤキャラクタリスト74は、変更ボタン73が操作されることにより表示されてもよい。
【0077】
自動編成ボタン75は、設定された編成条件に基づきパーティ編成を行う処理を行うためのUIである。自動編成ボタン75が操作されることにより、制御部23は、予め設定された編成条件に基づきパーティ編成に組み込むプレイヤキャラクタの変更を行う。
【0078】
全自動編成ボタン76は、設定された編成条件によらずパーティ編成を行う処理を行うためのUIである。制御部23は、例えば、編成条件によらずユーザが最も有利にゲームを進行可能なプレイヤキャラクタの組み合わせに係る候補を特定し、当該候補のなかで最も有利にゲームを進行可能なプレイヤキャラクタの組み合わせをパーティとして編成する。
【0079】
条件設定ボタン77は、ユーザからの編成条件の変更を受け付けるための操作である。制御部23は、条件設定ボタン77がユーザによって操作された場合に、ディスプレイ4aの表示内容を編成条件画面IM4に遷移させる。
【0080】
<編成条件画面IM4>
図7は、編成条件画面IM4の一例を示す図である。編成条件画面IM4は、ユーザの操作に応じて編成条件を設定するための画面であり、優先項目81と、変更操作部82と、順位設定領域83と、を含む。
【0081】
優先項目81は、パーティに優先的に組み込むプレイヤキャラクタに関する情報であり、属性、レアリティ、レベル、スキルシナジーなどを含む。スキルシナジーとは、各プレイヤキャラクタが保有するスキル同士のシナジーである。ユーザは、スキルシナジーを有するパーティを編成することにより、当該シナジーを発揮するスキルの強化や、新たなスキルの開放などの特典を得ることができ、これによりユーザがゲームを有利に進行することができる。制御部23は、予め規定されたスキルシナジーに関する参照情報を参照することにより、プレイヤキャラクタ同士のスキルシナジーの有無を特定する。ユーザは、優先項目81を操作することにより、編成条件として組み込む項目を設定することができる。編成条件として組み込む項目は、例えば、チェックボックスにチェックが入った状態となる。
【0082】
変更操作部82は、優先項目81に設定されている項目の優先順位を変更するような操作を受け付け可能なUIである。例えば、変更操作部82は、優先項目81の1つである属性に対して、優先順位の高い属性を変更可能に構成されている。また、変更操作部82は、優先項目81の1つであるスキルシナジーとして、パッシブスキルの発揮や、攻撃力の増加などの、その特典の態様に関する優先順位を変更可能に構成されている。
【0083】
順位設定領域83は、ユーザの操作に応じて編成条件として組み込まれている優先項目81の優先順位を設定可能に構成されている。制御部23は、例えば、優先項目81として属性とレアリティが編成条件として組み込まれており、レアリティの優先順位が1で、属性の優先順位が2となるように編成条件が設定されている場合、レアリティが最も上位となることを優先した上で、火属性で完全統一するパーティ編成を実現可能なプレイヤキャラクタの組み合わせを特定することができる。
【0084】
以下、説明の便宜上、このような編成条件に基づき編成されたパーティ編成の例について説明する。図8は、編成条件に基づき編成されたパーティ編成に係るパーティ画面IM2の一例を示す図である。パーティ編成に組み込まれているプレイヤキャラクタは、パーティ全体としてレアリティの合計が最も大きくなるように左から順にSSR,SSR,SRとなるように選定され、これらのプレイヤキャラクタの属性が火属性で統一されている。属性を統一によるプレイヤキャラクタ同士の相乗効果によって、ユーザはゲームをより有利に進行させることができてもよい。
【0085】
図8に示したパーティ画面IM2の遷移ボタン62を操作することにより、ユーザは当該パーティ編成に対する育成を行うことができる。ここで、図8に示したパーティ編成に対する育成に関する処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、消費ゲーム媒体として、ゲーム中で入手可能な「素材」というアイテムを例にとって説明するが、これに限られず消費ゲーム媒体の具体的態様は任意である。まず、育成条件を「均等に育成」に設定した場合の例について説明する。図9は、育成条件を「均等に育成」に設定した場合における育成画面IM5の一例を示す図である。育成画面IM5は、設定領域91と、育成対象領域92と、レベル変更ボタン93と、最大設定ボタン94と、素材領域95と、素材変更ボタン96とを含む。
【0086】
設定領域91は、ユーザの指定に応じて育成条件を設定可能な領域である。ここでは、育成条件は「均等に育成」が設定されている。当該育成条件は、パーティに編成されているプレイヤキャラクタ間のレベル差を下げることによって満たされるように構成されており、第1ゲームキャラクタのレベルと第2ゲームキャラクタのレベルとの差が減少するように設定される第1育成条件の一例である。当該育成条件は、例えば、プレイヤキャラクタ間のレベル差を表す評価関数によって規定される。当該評価関数は、例えば、レベルが最も高いプレイヤキャラクタに対する他のプレイヤキャラクタのレベルの差の総和が小さくことで、その値が小さくなるように構成されている。また、当該育成条件は、評価関数等によって規定されたものでなくてもよく、最大レベルのプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタ、例えば、最低レベルのプレイヤキャラクタ、のレベルを上昇させることで満たされるように構成されていてもよい。
【0087】
育成対象領域92は、育成対象となるプレイヤキャラクタに関する情報、例えば、外観、現在(育成前)のレベル、および育成後のレベル等、が表示される領域である。
【0088】
レベル変更ボタン93は、育成後のレベルを変更するためのUIである。育成後のレベルの変更は、設定領域91にて設定されている育成条件に従って行われる。例えば、ユーザは「均等に育成」という育成条件に基づき、現在のレベルが最低のプレイヤキャラクタの育成後のレベルを1上昇させるために必要な経験値と素材を特定し、育成対象領域92および後述する素材領域95に表示させる。
【0089】
最大設定ボタン94は、設定されている育成条件に適合する範囲で、ユーザが現在保有している素材(ユーザ情報に対応付けられている消費ゲーム媒体)を使用して上昇させられるレベルの最大値を育成後のレベルとして設定するためのUIである。これにより、育成条件に基づきレベルを最大まで上げる際のユーザの手間を減らすことができる。
【0090】
素材領域95は、育成対象領域92にて表示されるプレイヤキャラクタの現在のレベルを育成後のレベルまで上げるために必要な素材に関する情報が表示される領域である。当該情報は、例えば、素材の種類、保有数、消費数、育成後の残存数などを含む。また、素材領域95は、当該育成に使用される素材の使用態様を変更可能に構成されていてもよい。素材の使用態様とは、育成に用いる素材の種類、素材の数などを含み、育成に用いる素材の種類は、使用することが許容される素材に対してチェックボックスにチェックが入れられるなど、ユーザが視認可能に構成されている。
【0091】
素材変更ボタン96は、当該育成の際に使用される素材の量を、素材の種類ごとに設定可能なUIである。例えば、特定部232は、ある特定の素材に対する素材変更ボタン96の操作に応じて、さらに育成後のレベルを1だけ変更するために必要な経験値または余剰の経験値と、当該変更に伴い必要または余剰となる当該特定の素材の数を特定する。特に育成後のレベルを上昇させる場合、制御部23は、当該特定の素材の数が、変更前の育成後に残存する素材の数以上の場合に、当該変更を許容する。これにより、特定の素材を優先的に使用してプレイヤキャラクタの育成を行うことができる。
【0092】
なお、素材変更ボタン96による処理はこれに限られない。例えば、特定部232は、育成後のレベルを維持したまま、当該特定の素材以外の使用数を減らし、当該特定の素材の使用数を減らすような育成態様を特定し、育成対象領域92に表示させてもよい。
【0093】
次に、育成条件を「不均一に育成」に設定した場合における育成画面IM5の一例について説明する。図10は、育成条件を「不均一に育成」に設定した場合における育成画面IM5の一例である。「不均一に育成」という育成条件は、ある特定のプレイヤキャラクタのレベルを優先的に上げるように構成されており、第1ゲームキャラクタのレベルと第2ゲームキャラクタのレベルとの差が増加するように設定される第2育成条件の一例である。以下、図10に示される育成画面IM5に関する処理のうち、図9に示される育成画面IM5に関する処理と共通する部分については、同一の部材番号を用いることにより説明を省略することがある。
【0094】
図10に示される育成画面IM5は、さらに、各プレイヤキャラクタに対応する個別設定領域101を含む。個別設定領域101は、各プレイヤキャラクタに設定される個別の育成条件を設定可能に構成されている。以下、説明の便宜上、設定領域91にて設定されるパーティ全体の育成条件と区別するために、個別設定領域101にて設定される育成条件を、個別育成条件という。個別育成条件は、第1設定と、第2設定とを少なくとも含む。個別育成条件は、第1設定に対応するプレイヤキャラクタのレベルが、第2設定に対応するプレイヤキャラクタのレベルより高くなり、これにより、第1設定のゲームキャラクタのレベルと第2設定のゲームキャラクタのレベルとの差が増加するように構成される。
【0095】
本実施形態では、第1設定は「突出」という名称によって表され、第2設定は「最低限」という名称によって表される。本実施形態の育成条件は、各プレイヤキャラクタのレベルが予め定められた設定レベル以上であることを含み、第2設定に対応するプレイヤキャラクタのレベルが当該設定レベルと実質的に等しいことを含む。設定レベルは、ユーザが挑戦可能なクエストに応じて設定されていても、プレイヤキャラクタのスキル開放に必要なレベル等に応じてプレイヤキャラクタごとに個別に設定されていてもよい。本実施形態では、1つのプレイヤキャラクタの個別育成条件が「突出」に設定され、他のプレイヤキャラクタの個別育成条件が「最低限」に設定されている場合を例にとって説明する。まず、特定部232は、各プレイヤキャラクタの設定レベルを特定し、各プレイヤキャラクタのレベルを現在のレベルからそれぞれの設定レベルまで上げるために必要な経験値を特定する。その後、特定部232は、当該経験値を生成するために必要な素材を、使用が許容されている素材の範囲内で特定する。当該特定方法は任意であるが、特定部232は、素材ごとの経験値と、その使用優先順位等が記憶されている素材情報を参照することにより、必要となる素材の種類および量(以下、説明の都合上、暫定使用量という。)、ならびに当該素材を使用した後の各素材の残存量(以下、便宜上、暫定残存量という。)を特定する。
【0096】
次に、特定部232は、暫定残存量のうちの少なくとも一部を使用することによって、個別育成条件が「突出」に設定されているプレイヤキャラクタ(以下、説明の便宜上、突出プレイヤキャラクタという。)に付与可能な経験値と、当該最大の経験値を突出プレイヤキャラクタに付与した場合における突出プレイヤキャラクタの育成後のレベルを特定する。その後、特定部232は、突出プレイヤキャラクタのレベルが当該育成後のレベルに到達するために必要な素材の最小数を特定する。出力部234は、当該特定結果を育成対象領域92および素材領域95にて表示させる。
【0097】
なお、育成条件が「不均一に育成」に設定されている場合において最大設定ボタン94が操作されたとき、特定部232は、許容されている素材をすべて使用して育成した場合における育成後のレベルと、育成後に残存する素材の量とを特定し、出力部234は、当該特定結果を育成対象領域92および素材領域95に表示させる。図11は、育成条件が「不均一に育成」に設定されている場合において最大設定ボタン94が操作されたときの育成画面IM5の一例を示す図である。図11に示すように、チェックが入った素材のそれぞれの保有素材数が0となり、突出プレイヤキャラクタの育成後のレベルが40まで上がり、他のプレイヤキャラクタ(最低限に設定されたプレイヤキャラクタ)の育成後のレベルは設定レベルのままに保たれている。
【0098】
なお、このような素材の使用態様に関する特定の際、特定部232は、さらに許容指標に基づき当該素材の使用態様を特定してもよい。言い換えれば、育成条件は、許容指標に基づき規定される条件を含んでいてもよい。許容指標は、特定のプレイヤキャラクタのレベルを上げる際に、ある素材を使用することを許容するか否かを示す指標である。許容指標としては、例えば、当該素材を使用して当該プレイヤキャラクタをレベルアップさせることによってゲームをどの程度有利に進行させられるかを示す、レベルアップ貢献度が用いられる。レベルアップ貢献度は、例えば、素材に関する情報と、プレイヤキャラクタに関する情報とによって少なくとも規定される。素材に関する情報は、例えば、素材のレアリティ(大、中、小)、素材を使用することによって付与可能な付与経験値量などを含む。プレイヤキャラクタに関する情報は、例えば、プレイヤキャラクタのレベル、プレイヤキャラクタのレアリティなどを含む。レベルアップ貢献度は、例えば、素材のレアリティ、付与経験値が大きくなるほど高くなるように構成される。また、レベルアップ貢献度は、素材とプレイヤキャラクタとの関係性に応じて変化するように構成されている。例えば、レベルアップ貢献度は、プレイヤキャラクタのレアリティと素材のレアリティとの差が大きいほど低くなるように構成される。また、例えば、レベルアップ貢献度は、プレイヤキャラクタのレベルアップに必要な経験値に対する素材の付与経験値量の割合に応じて設定されていてもよい。例えば、レベルアップ貢献度は、当該割合が規定の値域外の場合に、当該割合が規定の範囲内の場合に比べて小さくなるように構成されていてもよい。これにより、レベルアップの際に、付与経験値量の小さい素材を大量消費することや、付与経験値量の大きい素材を使って過剰な経験値を付与することを抑制することができる。
【0099】
図12は、素材に対応するレベルアップ貢献度の設定態様一例を示す図である。ここでは、パーティ編成に含まれている3つのプレイヤキャラクタのそれぞれに対する、3種類の素材(大、中、小)のそれぞれのレベルアップ貢献度が示されている。以下、説明の便宜上、3種類の素材(大、中、小)のそれぞれを、大素材、中素材、小素材という。それぞれの素材を使用することによって得られる経験値(付与経験値量)は、大素材では1000、中素材では500、小素材では100となっており、大、中、小は付与経験値量の大小を示す指標でもある。パーティ編成に含まれている3つのプレイヤキャラクタのそれぞれには、「キャラ」という項目に示されるように1~3の識別番号が付与されている。ここでは説明の便宜上、図8の編成領域61に示される3つのプレイヤキャラクタに対して、左から順に1,2,3の識別番号が付与されているものとし、これらのプレイヤキャラクタを、それぞれの識別番号に対応付けてプレイヤキャラクタ1、プレイヤキャラクタ2、プレイヤキャラクタ3と表記することがある。プレイヤキャラクタ1~3のレベルは、それぞれ10,1,3であり、プレイヤキャラクタ1~3のレアリティは、それぞれSSR,SSR,SRである。各プレイヤキャラクタのレベルアップに必要な経験値は、当該プレイヤキャラクタのレベルが大きくなるにつれて大きくなる。そのため、いずれの素材についても、プレイヤキャラクタ1に対するレベルアップ貢献度は、プレイヤキャラクタ2,3に対するレベルアップ貢献度に比べて低い。また、いずれの素材についても、付与経験値量が小さくなるにつれてレベルアップ貢献度が低くなる傾向にある。一方、プレイヤキャラクタ2のレベルはプレイヤキャラクタ3のレベルより低いにも関わらず、プレイヤキャラクタ2のレアリティ(SSR)がプレイヤキャラクタ3のレアリティ(SR)より高いため、いずれの素材においても、プレイヤキャラクタ2に対するレベルアップ貢献度とプレイヤキャラクタ3に対するレベルアップ貢献度とが均衡し、等しくなっている。言い換えれば、レベルアップ貢献度は、プレイヤキャラクタのレアリティが低いほど高くなるように設定されている。なお、このようなレベルアップ貢献度とレアリティとの関係性は、レベルアップに必要な経験値がレアリティと相関によって表現されてもよい。
【0100】
図12に示すように、さらに、各素材に対して、レベルアップ貢献度の上限が設定されていてもよい。特定部232は、素材のプレイヤキャラクタに対するレベルアップ貢献度がレベルアップ貢献度の上限以下の場合には当該素材を当該プレイヤキャラクタに使用することを許容し、素材のプレイヤキャラクタに対するレベルアップ貢献度がレベルアップ貢献度の上限より大きい場合に、素材領域95等にてユーザが当該素材を使用することを許容しているか否かに関わらず、当該素材を当該プレイヤキャラクタに使用することを制限する。これにより、高レベルのプレイヤキャラクタに対して付与経験値量の多い素材を優先的に使用しやすくなるため、高レベルのプレイヤキャラクタのレベルアップ効率が低下することを抑制することができる。本実施形態では、素材の使用の制限は、素材の使用の禁止として実装されるが、素材の使用量の減少等の種々の態様によって実装可能である。同様に、各素材に対して、レベルアップ貢献度の上限が設定されていてもよい。これにより、レアリティの高い素材を低レベルのプレイヤキャラクタに使用することにより、高レベルのプレイヤキャラクタのレベルアップ効率が低下する可能性を低減することができる。
【0101】
また、プレイヤキャラクタのそれぞれに対してレベルアップ貢献度の下限が設定されていてもよい。図13は、プレイヤキャラクタごとの育成に関する情報と、プレイヤキャラクタごとのレベルアップ貢献度との下限との関係を示す図である。特定部232は、素材のプレイヤキャラクタに対するレベルアップ貢献度がレベルアップ貢献度の下限以上の場合には当該素材を当該プレイヤキャラクタに使用することを許容し、素材のプレイヤキャラクタに対するレベルアップ貢献度がレベルアップ貢献度の下限未満場合に、素材領域95等にてユーザが当該素材を使用することを許容しているか否かに関わらず、当該素材を当該プレイヤキャラクタに使用することを制限する。当該レベルアップ貢献度の下限は、プレイヤキャラクタをレベルアップさせるために必要な経験値(次レベルまでの必要経験値)が大きくなるほど小さくなるように構成されている。これにより、高レベルのプレイヤキャラクタのレベルアップに際し、レアリティの低い素材を使えなくなることを抑制することができる。また、当該下限は、育成条件に応じて異なっていてもよい。例えば、当該下限は、育成条件が「突出」に設定されている場合には、育成条件が「最低限」に設定されている場合に比べて低くなるように設定されていてもよい。これにより、レベルアップ貢献度の低い素材を用いて、特定のプレイヤキャラクタを他のプレイヤキャラクタより優先的に育成することができる。これらの上限および下限は、それぞれ許容指標の閾値として機能する。
【0102】
ユーザは、育成画面IM5に対して特定の操作を行うことにより、育成画面IM5に表示されている育成結果を実現するように、制御部23に対して育成処理の実行を指示することができる。制御部23は、当該指示に基づき、育成処理を実行する。
【0103】
<復元処理について>
次に、アクティビティA12にて行われる復元処理の具体例について説明する。ここでは、図11にて示される特定結果に基づき育成処理を実行した後の、復元処理について説明する。図14は、図11にて示される特定結果に基づき育成処理を実行した後の育成対象となるパーティ編成を含む、メニュー画面IM1の一例を示す図である。当該育成処理の結果、各素材の残存量が0となり、ユーザは、例えば、図14に示されるパーティ(例えば、水属性によって統一されているパーティ)に含まれるプレイヤキャラクタの育成ができない状況である。制御部23は、新たに編成されたプレイヤキャラクタのレベル上げができないことにより、復元条件が満たされていると判断する。
【0104】
このような場合に遷移ボタン62が操作された場合、育成画面IM5が表示される。図15は、復元条件が満たされている場合における育成画面IM5の一例を示す図である。なお、図15に示される育成画面IM5の各要素のうち、図9に示す育成画面IM5と共通する要素の説明は、共通の部材番号を用いることにより説明を省略することがある。図15に示すように、復元条件が満たされている場合における育成画面IM5は、さらに育成取消ボタン111を含む。育成取消ボタン111は、復元操作を行うためのUIである。育成取消ボタン111を操作することにより前回の育成処理、特にパーティに含まれる複数のプレイヤキャラクタに対する育成処理を取り消し、当該育成処理において使用された素材の数を復元する。これにより、ユーザは、新たに編成されたパーティのプレイヤキャラクタに対して、復元された素材を再度使用し、当該プレイヤキャラクタの育成を行うことができる。このとき、特定部232は、復元処理後にユーザが保有している素材の数を特定し、出力部234はその特定結果を素材領域95に表示させてもよい。また、育成取消ボタン111が表示されている場合、出力部234は、予め復元処理の実行結果を素材領域95に表示させた上で、育成条件に基づく育成によるプレイヤキャラクタのレベルの変化や、素材の使用量を表示させてもよい。このとき、制御部23は、育成取消ボタン111の操作によって復元処理に加え、さらに育成処理を実行してもよい。これにより、ユーザにとっての利便性を向上することができる。また、別の観点では、復元処理の実行後に、復元条件を満たすパーティ編成とは異なるパーティ編成に対して、復元された素材を使用されることを抑制し、復元処理の利用によってゲームバランスが損なわれる可能性を低減することができる。
【0105】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0106】
復元処理は、撤回される育成処理にて使用された消費ゲーム媒体のすべてを復元させるものに限られず、当該消費ゲーム媒体の一部を復元させるものであってもよい。
【0107】
許容指標は、レベルアップ貢献度に限られず、任意の態様で実装可能である。例えば、許容指標は、素材の使用のレベルアップに対する貢献度としてではなく、素材の使用の、ゲームの達成状況に対する貢献度として規定してもよい。例えば、許容指標は、ゲームにおいて予め設定されている達成条件(例えば、クエストの開放条件や報酬の獲得条件等)を満たす、または満たしやすくなることに応じて高くなるように設定されていてもよい。これにより、ゲームの進行がより有利となるようなプレイヤキャラクタの育成を促進することができる。
【0108】
育成条件の設定は、ユーザの指定に基づき行われるものに限られず、制御部23が自動的に行ってもよい。例えば、制御部23は、編成に含まれているプレイヤキャラクタの内容等の情報に基づき育成条件を設定してもよい。また、制御部23は、このような育成条件を初期設定としてユーザに提示し、ユーザが当該初期設定を許容する操作を行うことで、最終的な育成条件として設定してもよい。
【0109】
育成の対象となるゲーム媒体は、プレイヤキャラクタそのものに限られず、プレイヤキャラクタの装備やスキル等、プレイヤキャラクタに付随するものであってもよい。
【0110】
消費ゲーム媒体は、消費アイテム等の消費することを目的とするゲーム媒体に限られず、消費すること以外にも用途のあるゲーム媒体であればよい。このようなゲーム媒体としては、例えば、重複したプレイヤキャラクタ、装備、スキルのような、パーティに編成可能なゲーム媒体などが挙げられる。また、消費ゲーム媒体の使用とは、消費することによって当該ゲーム媒体を完全に消失させることに限られず、消費することによりゲーム媒体の状態を変化させること、例えば、あるクエストの使用を禁止する等の制限を付与すること、などであってもよい。
【0111】
プレイヤキャラクタのレベルを下げることが可能な場合、制御部23は、第2育成条件に基づき、突出プレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのレベルを下げることで突出プレイヤキャラクタと他のプレイヤキャラクタとの間のレベル差を大きくするように育成処理を行ってもよい。このとき、復元部233は、下げたレベルに応じた素材の復元を行ってもよい。
【0112】
情報またはデータ(以下「情報等」と言う)の出力先は、他の装置、ディスプレイ、記憶部(内蔵の記憶部および外部の記憶部を含む)等であってもよい。情報等の取得には、他の装置から送信されてきた情報等を取得する態様に加え、自装置で生成された情報等を取得する態様を含む。パラメータを対応付けたテーブルは、図示したテーブルに限らず、パラメータの数を少なくしたり多くしたりしてもよい。また、テーブルを用いずに、数式または条件式等によりパラメータに応じた情報等を求めてもよい。
【0113】
情報処理システム1に含まれる装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されていてもよい。
【0114】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0115】
上記実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0116】
上述した実施形態の態様は、情報処理装置であってもよい。その情報処理システム1は、情報処理方法の各部がなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。また、上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、同様の情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理方法の各ステップを実行させる。
【0117】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0118】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、次の各ステップを含み、受付ステップでは、第1ゲーム媒体と第2ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定とを受け付け、ここで、前記ゲーム媒体のパラメータのそれぞれは、当該パラメータに対応する蓄積値が所定の変更条件を満たすことにより変更されるように構成され、前記蓄積値は、所定の消費ゲーム媒体を使用することによって生成可能に構成され、第1特定ステップでは、指定された前記第1ゲーム媒体の前記パラメータである第1パラメータと、指定された前記第2ゲーム媒体の前記パラメータである第2パラメータとが予め設定された蓄積条件を満たすように、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる前記蓄積値を特定し、ここで、前記蓄積条件は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの間の相対的な関係を規定し、第2特定ステップでは、特定された前記蓄積値に基づき、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つに対応する前記蓄積値が前記変更条件を満たすように、前記第1ゲーム媒体に対して使用する前記消費ゲーム媒体の使用量と、前記第2ゲーム媒体に対して使用する前記消費ゲーム媒体の使用量とを特定し、出力ステップでは、特定された前記使用量に基づき、前記消費ゲーム媒体を使用した場合における変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータを出力する、情報処理方法。
【0119】
このような構成によれば、複数のゲーム媒体のパラメータの変更を行う際に、蓄積条件に合わせて相対的に変更させるように、消費ゲーム媒体を使用することができるため、複数のゲーム媒体のそれぞれに対し個別にパラメータを変更するために、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体のそれぞれに対して使用する消費ゲーム媒体の配分を行う手間を小さくすることができる。
【0120】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記蓄積条件は、前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差が減少するように設定される第1蓄積条件、または前記第1パラメータと前記第2パラメータとの差が増加するように設定される第2蓄積条件を含み、前記受付ステップでは、ユーザからの前記第1蓄積条件または前記第2蓄積条件の指定を受け付け、前記第1特定ステップでは、指定された前記蓄積条件に基づき、当該第1パラメータおよび当該第2パラメータのそれぞれに対応して蓄積させる前記蓄積値を特定する、情報処理方法。
【0121】
このような構成によれば、ユーザは、所望の蓄積条件を指定することにより、自身の方針に沿って複数のゲーム媒体のパラメータの変更を行うように、消費ゲーム媒体の使用をすることができる。したがって、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0122】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理方法において、前記受付ステップでは、前記第1パラメータまたは前記第2パラメータの変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータをさらに変更するように構成される第1変更指令をユーザから受け付け、前記第1特定ステップでは、前記第1変更指令を受け付けた場合に、前記第1変更指令と前記蓄積条件と前記変更条件とに基づき、出力される前記変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちさらに変更を行うパラメータと、当該変更に必要な前記蓄積値とを特定し、前記第2特定ステップでは、当該変更に必要な前記蓄積値に基づき、前記消費ゲーム媒体の使用量を特定する、情報処理方法。
【0123】
このような構成によれば、出力ステップにて出力された第1パラメータおよび第2パラメータに対して更に変更を加えるために必要な蓄積値と消費ゲーム媒体を特定することができるため、パラメータの変更に際しユーザの意図をより反映させやすくなる。
【0124】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記受付ステップでは、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更を行う場合に使用される前記消費ゲーム媒体の量を変更する第2変更指令を受け付け、ここで、前記第2変更指令は、量を変更する前記消費ゲーム媒体の指定を含み、前記第1特定ステップでは、前記第2変更指令を受け付けた場合に、前記第2変更指令と前記蓄積条件と前記変更条件とに基づき、出力される前記変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちさらに変更を行うパラメータと、当該変更に必要な前記蓄積値とを特定し、前記第2特定ステップでは、当該変更に必要な前記蓄積値に基づき、指定された前記消費ゲーム媒体の使用量を特定する、情報処理方法。
【0125】
このような構成によれば、指定された消費ゲーム媒体を優先的に使用するなど、蓄積条件に沿って消費ゲーム媒体の使用態様を特定することができるため、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0126】
(5)上記(3)または(4)に記載の情報処理方法において、前記第2特定ステップでは、前記第1パラメータまたは前記第2パラメータの変更後の前記第1パラメータおよび前記第2パラメータをさらに変更するように構成される第1変更指令、または前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更を行う場合に使用される前記消費ゲーム媒体の量を変更する第2変更指令を受け付けた場合に、さらに、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのそれぞれの変更条件を満たすために必要な前記蓄積値である要求値に対する、前記消費ゲーム媒体によって生成される前記蓄積値の差異に基づき、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうち、変更するパラメータを特定する、情報処理方法。
【0127】
このような構成によれば、消費ゲーム媒体をより適切に配分することができる。
【0128】
(6)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記受付ステップでは、ユーザからの第3ゲーム媒体と第4ゲーム媒体とを含む複数のゲーム媒体の指定を受け付け、前記第3ゲーム媒体のパラメータである第3パラメータおよび前記第4ゲーム媒体のパラメータである第4パラメータのうちの少なくとも1つの変更条件を満たすための第3変更指令を受け付け、さらに、復元ステップでは、前記出力ステップの出力結果に基づき前記消費ゲーム媒体を使用することにより前記第1パラメータおよび前記第2パラメータのうちの少なくとも1つの変更が行われた後に、前記第3変更指令を受け付けた場合に、変更された前記第1パラメータおよび前記第2パラメータを、当該変更の前の状態に変更し、当該変更によって使用された前記消費ゲーム媒体の少なくとも一部を、当該変更の前の状態に変更する、情報処理方法。
【0129】
このような構成によれば、一旦変更を行い消費ゲーム媒体が使用された後であっても、変更されたパラメータを変更前の状態に変更することで、当該消費ゲーム媒体の少なくとも一部を第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体と異なる第3ゲーム媒体および第4ゲーム媒体に再使用することができる。したがって、消費ゲーム媒体の積極的な使用を促し、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0130】
(7)上記(6)に記載の情報処理方法において、さらに提示ステップでは、前記第1パラメータまたは前記第2パラメータの変更後に残存する前記消費ゲーム媒体を使用することにより、指定された前記第3パラメータおよび前記第4パラメータのうちの少なくとも1つの変更が所定の復元条件を満たす場合に、前記復元ステップの処理が実行可能であることを提示させ、ここで、前記復元条件は、前記第3パラメータの変更量または前記第4パラメータの変更量が所定値未満であることを含む、情報処理方法。
【0131】
このような構成によれば、第3パラメータおよび第4パラメータのうちの少なくとも1つが残存する消費ゲーム媒体を使用しても復元条件を満たす程度しか変更されない場合に、復元ステップでの処理が実行可能であることが提示される。これにより、第1パラメータおよび第2パラメータの更新によって使用された消費ゲーム媒体を復元し、第3パラメータおよび第4パラメータの変更を促すことができる。
【0132】
(8)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0133】
このような構成によれば、複数のゲーム媒体のパラメータの変更を行う際に、蓄積条件に合わせて相対的に変更させるように、消費ゲーム媒体を使用することができるため、複数のゲーム媒体のそれぞれに対し個別にパラメータを変更するために、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体のそれぞれに対して使用する消費ゲーム媒体の配分を行う手間を小さくすることができる。
【0134】
(9)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【0135】
このような構成によれば、複数のゲーム媒体のパラメータの変更を行う際に、蓄積条件に合わせて相対的に変更させるように、消費ゲーム媒体を使用することができるため、複数のゲーム媒体のそれぞれに対し個別にパラメータを変更するために、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体のそれぞれに対して使用する消費ゲーム媒体の配分を行う手間を小さくすることができる。
もちろん、この限りではない。
【0136】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0137】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
3 :ゲーム装置
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
11 :通信ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :特定部
233 :復元部
234 :出力部
235 :提示部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
51 :ガチャボタン
52 :編成ボタン
53 :クエストボタン
54 :アイテムボタン
61 :編成領域
62 :遷移ボタン
63 :決定ボタン
71 :編成領域
72 :育成ボタン
73 :変更ボタン
74 :プレイヤキャラクタリスト
75 :自動編成ボタン
76 :全自動編成ボタン
77 :条件設定ボタン
81 :優先項目
82 :変更操作部
83 :順位設定領域
91 :設定領域
92 :育成対象領域
93 :レベル変更ボタン
94 :最大設定ボタン
95 :素材領域
96 :素材変更ボタン
101 :個別設定領域
111 :育成取消ボタン
IM1 :メニュー画面
IM2 :パーティ画面
IM3 :パーティ編成画面
IM4 :編成条件画面
IM5 :育成画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15