(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011848
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】業務管理システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20250117BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20250117BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H04B1/04 P
G08B5/00 H
H04Q9/00 331B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114214
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】301072063
【氏名又は名称】株式会社エコー総合企画
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】川崎 悠己
【テーマコード(参考)】
5C083
5K048
5K060
【Fターム(参考)】
5C083AA01
5C083BB06
5C083DD16
5C083DD19
5C083EE11
5C083FF08
5C083HH35
5C083JJ39
5K048BA01
5K048DA01
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB02
5K048FC03
5K048HA04
5K048HA06
5K048HA31
5K060AA14
5K060CC04
5K060MM08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】市販や既存の椅子をそのまま使用して、簡単且つ容易に着席と離席に伴う発電により検出信号を無線送信して所望の業務管理を行う業務管理システムを提供する。
【解決手段】業務管理システムにおいて、無線スイッチ装置14は、椅子10の座面1010の前側に配置され、着席した場合に発電して着席検出信号を送信し、離席した場合に発電して離席検出信号を送信する。処理装置18は、受信機16により着席検出信号を受信した場合、所定の空き時間が経過した時に、使用中の情報機器の画面をロック画面に切替えてセキュリティーを確保する。処理装置18はまた、ロック状態で受信機16により無線スイッチ装置14から着席検出信号を受信した場合、所定の空き時間が経過した時に、画面ロックを解除する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の座面に配置され、前記椅子に人が着席した場合に発電して固有の着席検出信号を送信し、前記椅子から人が離席した場合に発電して固有の離席検出信号を送信する無線スイッチ装置と、
予め対応付けされた前記無線スイッチ装置から送信された前記着席検出信号と前記離席検出信号を識別して受信する受信機と、
前記受信機で受信した前記着席検出信号と前記離席検出信号に基づいて所定の業務処理を行う処理装置と、
を備えたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の業務管理システムにおいて、
前記無線スイッチ装置は、
磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、
前記発電部による前記発電を整流して電源を供給する電源部と、
着席による押圧と離席による押圧解除の各々で前記発電部を作動して発電させる発電機構と、
前記発電機構の押圧による前記発電部の発電正極性と前記電源部からの電源供給に対応して前記着席検出信号を送信し、前記発電機構の押圧解除による前記発電部の発電逆極性と前記電源部からの電源供給に対応して前記離席検出信号を送信する信号処理部と、
を備えたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の業務管理システムにおいて、
前記発電機構は、
前記発電部が中央部に載置された横長矩形状のベースプレートと、
前記ベースプレートの上側に固定され、上向きの湾曲形状を有し、着席による押圧を受けて上向きの湾曲状態から扁平状態への変位により前記発電部で発電させ、離席による押圧解除を受けて扁平状態から上向きの湾曲状態への変位により前記発電部で発電させる湾曲スイッチプレートと、
着席による前記湾曲スイッチプレートの変位を前記発電部に伝達して作動させ、前記湾曲スイッチプレートの内面から下向きに突出された発電作動部と、
着席による前記湾曲スイッチプレートの扁平状態への変位を所定位置に規制し、前記湾曲スイッチプレートと前記ベースプレートの内面の両方又は何れか一方から突出されたストッパ部と、
を備えたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の業務管理システムにおいて、
前記発電機構は、前記ペースプレートと前記湾曲スイッチプレートの間に、両者間を開く方向に付勢するばね部材が配置されたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の業務管理システムにおいて、
前記無線スイッチ装置は、前記椅子の座面に配置した場合の前後幅に対し横幅の長い矩形形状であり、前記椅子に座る人の両足大腿部に対応した座面の前側に配置して使用されることを特徴とする業務管理システム。
【請求項6】
請求項5記載の業務管理システムにおいて、
前記無線スイッチ装置は、前記椅子の座面に敷いて使用される座面クッションの内部の、前記椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項7】
請求項5記載の業務管理システムにおいて、
前記無線スイッチ装置は、前記椅子の座面カバー内の、前記椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項8】
請求項1記載の業務管理システムにおいて、
前記処理装置は、前記受信機により前記離席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、前記着席検出信号を受信することなく前記空き時間が経過した場合に画面表示をロック画面とするロック状態に切り替えることを特徴とする業務管理システム。
【請求項9】
請求項8記載の業務管理システムにおいて、
前記処理装置は、前記ロック状態で前記受信機により前記着席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、前記離席検出信号を受信することなく前記第2空き時間が経過した場合に前記ロック状態を解除することを特徴とする業務管理システム。
【請求項10】
請求項1記載の業務管理システムにおいて、
椅子と机が複数組配置された作業環境の前記椅子の各々に固有の前記着席検出信号と前記離席検出信号を送信する前記無線スイッチ装置が配置されており、
前記処理装置は、
前記作業環境の席使用の有無を画面表示して管理しており、
前記受信機で前記着席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、同じ送信元から前記離席検出信号を受信することなく前記空き時間が経過した場合に、前記着席検出信号に対応する前記無線スイッチ装置を配置した椅子が使用中にある旨を表示し、
前記受信機で前記離席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、同じ送信元から前記着席検出信号を受信することなく前記第2空き時間が経過した場合に、前記離席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用可能である旨を表示することを特徴とする業務管理システム。
【請求項11】
請求項8又は10記載の業務管理システムにおいて、
前記処理装置は、前記空き時間及び前記第2空き時間の設定を変更可能としたことを特徴とする業務管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に対する人の着席と離席に伴う自己発電により無線スイッチ装置から検出信号を無線送信して情報機器のセキュリティーの確保や席の利用状況等を管理する業務管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス等の業務環境での在職者の着席と離席を検知して情報機器の画面を制御し、また、コールセンターなどでオペレータの離席を管理するようにした業務管理システムが知られている(特許文献1,2)。
【0003】
このような業務管理システムにあっては、人の着席と離席を検出して無線送信する無線スイッチ装置を椅子に設ける必要があるが、このような無線スイッチ装置は電池電源を必要とし、電池の寿命切れに対し電池交換が必要となり、維持管理に手間がかかり、恒久的な運用が困難である。
【0004】
この問題を解決するため、直流発電機と無線送信機を内蔵した在席センサを、椅子の脚部と座席部の結合部に設け、着席動作と離席動作により座席部が上下することで発電機が発電して着席と離席の検出信号を無線送信するようにした装置が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-035696号公報
【特許文献2】特開平11-296478号公報
【特許文献3】特開2006-237911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3の発電により電池電源を不要として着席と離席を検出する装置にあっては、椅子の脚部と座席部の結合部に発電機を設け、着席動作と離席動作により座席部が上下することで発電する構造としており、オフィス等の業務で使用している既存の椅子や市販の椅子に適用することが困難であり、電池電源を不要とした無線スイッチ装置により着席と離席を検出して所望の業務管理を行う業務管理システムの構築を困難としている。
【0007】
本発明は、市販や既存の椅子をそのまま使用して、簡単且つ容易に着席と離席に伴う発電により検出信号を無線送信して所望の業務管理の構築を可能とする業務管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(業務管理システム)
本発明は、業務管理システムであって、
椅子の座面に配置され、椅子に人が着席した場合に発電して固有の着席検出信号を送信し、椅子から人が離席した場合に発電して固有の離席検出信号を送信する無線スイッチ装置と、
予め対応付けされた無線スイッチ装置から送信された着席検出信号と離席検出信号を識別して受信する受信機と、
受信機で受信した着席検出信号と離席検出信号に基づいて所定の業務処理を行う処理装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
(無線スイッチ装置の構成)
無線スイッチ装置は、
磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、
発電部による発電を整流して電源を供給する電源部と、
着席による押圧と離席による押圧解除の各々で発電部を作動して発電させる発電機構と、
発電機構の押圧による発電部の発電正極性と電源部からの電源供給に対応して着席検出信号を送信し、発電機構の押圧解除による発電部の発電逆極性と電源部からの電源供給に対応して離席検出信号を送信する信号処理部と、
を備える。
【0010】
(発電機構の構造)
発電機構は、
発電部が中央部に載置された横長矩形状のベースプレートと、
ベースプレートの上側に固定され、上向きの湾曲形状を有し、着席による押圧を受けて上向きの湾曲状態から扁平状態への変位により発電部で発電させ、離席による押圧解除を受けて扁平状態から上向きの湾曲状態への変位により発電部で発電させる湾曲スイッチプレートと、
着席による湾曲スイッチプレートの変位を発電部に伝達して作動させ、湾曲スイッチプレートの内面から下向きに突出された発電作動部と、
着席による湾曲スイッチプレートの扁平状態への変位を所定位置に規制し、湾曲スイッチプレートとベースプレートの内面の両方又は何れか一方から突出されたストッパ部と、
を備える。
【0011】
(ばね部材)
発電機構は、ペースプレートと湾曲スイッチプレートの間に、両者間を開く方向に付勢するばね部材が配置される。
【0012】
(無線スイッチ装置の形状と配置位置)
無線スイッチ装置は、椅子の座面に配置した場合の前後幅に対し横幅の長い矩形形状であり、椅子に座る人の両足大腿部に対応した座面の前側に配置して使用される。
【0013】
(座面クッション内蔵の無線スイッチ装置)
無線スイッチ装置は、椅子の座面に敷いて使用される座面クッションの内部の、椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられる。
【0014】
(椅子座面に内蔵の無線スイッチ装置)
無線スイッチ装置は、椅子の座面カバー内の、椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられる。
【0015】
(離席検出による画面ロック制御)
処理装置は、受信機により離席検出信号を受信した場合に所定の空き時間(インターバルタイム)を設定し、着席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に画面表示をロック画面とするロック状態に切り替える。
【0016】
(着席検出による画面ロック解除)
処理装置は、ロック状態で受信機により着席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、離席検出信号の受信することなく第2空き時間が経過した場合にロック状態を解除する。
【0017】
(席使用状況表示制御)
椅子と机が複数組配置された作業環境の椅子の各々に固有の着席検出信号と離席検出信号を送信する無線スイッチ装置が配置されており、
処理装置は、
作業環境の席使用の有無を画面表示して管理しており、
受信機で着席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、同じ送信元から離席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に、着席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用中にある旨を表示し、
受信機で離席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、同じ送信元から着席検出信号を受信することなく第2空き時間が経過した場合に、離席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用可能である旨を表示する。
【0018】
(空き時間の変更)
処理装置は、空き時間及び第2空き時間の設定を変更可能とする。
【発明の効果】
【0019】
(業務管理システムの効果)
本発明は、業務管理システムであって、椅子の座面に配置され、椅子に人が着席した場合に発電して固有の着席検出信号を送信し、椅子から人が離席した場合に発電して固有の離席検出信号を送信する無線スイッチ装置と、予め対応付けされた無線スイッチ装置から送信された着席検出信号と離席検出信号を識別して受信する受信機と、受信機で受信した着席検出信号と離席検出信号に基づいて所定の業務処理を行う処理装置と、を備えたため、無線スイッチ装置を市販の椅子または既存の椅子の座面に配置するだけで、人が着席した場合の無線スイッチ装置に大腿部が乗ることによる押圧で発電して着席検出信号が送信され、また、人が離席した場合の無線スイッチ装置の押圧解除で発電して離席検出信号が送信され、簡単且つ容易に、電池レスの無線スイッチ装置を利用した着席と離席の検出に基づく所望の業務管理を可能とする。
【0020】
(無線スイッチ装置の構成の効果)
また、無線スイッチ装置は、磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、発電部による発電を整流して電源を供給する電源部と、着席による押圧と離席による押圧解除の各々で発電部を作動して発電させる発電機構と、発電機構の押圧による発電部の発電正極性と電源部からの電源供給に対応して着席検出信号を送信し、発電機構の押圧解除による発電部の発電逆極性と電源部からの電源供給に対応して離席検出信号を送信する信号処理部と、を備えるようにしたため、発電部は着席時の押圧による発電で正極性の電圧を出力し、一方、離席時の押圧解除により逆極性の電圧を出力することから、発電の正極性から着席を判別して着席検出信号を送信し、発電の逆極性から離席を判別して離席検出信号を送信することを可能とする。
【0021】
(発電機構の構造の効果)
また、無線スイッチ装置の発電機構は、発電部が中央部に載置された横長矩形状のベースプレートと、ベースプレートの上側に固定され、上向きの湾曲形状を有し、着席による押圧を受けて上向きの湾曲状態から扁平状態への変位により発電部で発電させ、離席による押圧解除を受けて扁平状態から上向きの湾曲状態への変位により発電部で発電させる湾曲スイッチプレートと、着席による湾曲スイッチプレートの変位を発電部に伝達して作動させ、湾曲スイッチプレートの内面から下向きに突出された発電作動部と、着席による湾曲スイッチプレートの扁平状態への変位を所定位置に規制し、湾曲スイッチプレートとベースプレートの内面の両方又は何れか一方から突出されたストッパ部と、を備えるようにしたため、無線スイッチ装置は、ベースプレートと湾曲スイッチプレートとを重ねたサンドイッチ構造をもった横長矩形状の装置となり、既存の椅子や市販の椅子の座面の前側に配置して簡単且つ容易に使用することを可能としている。
【0022】
また、無線スイッチ装置は、着席した場合に人の大腿部が湾曲スイッチプレートの上に乗ることで、湾曲状態にある湾曲スイッチプレートを体重により押圧して扁平状態に変位させ、湾曲スイッチプレートの内面下向きに突出された発電作動部で発電部を押込み、電磁誘導による発電を行って着席検出信号を確実に送信することを可能とする。
【0023】
また、離席した場合に湾曲スイッチプレートの押圧が解除されることで、扁平状態にあった湾曲スイッチプレートがその剛性により湾曲状態に戻り、発電作動部による発電部の押圧を解除することで電磁誘導による発電を再度行って離席検出信号を確実に送信することを可能とする。
【0024】
また、ベースプレートと湾曲スイッチプレートの間にはストッパ部が配置されていることで、湾曲スイッチプレートの湾曲状態から扁平状態への押圧間隔を、発電部に必要な発電変位を超えないように規制し、発電部を損傷することなく、確実な発電動作を可能とする。
【0025】
(ばね部材の効果)
また、発電機構は、ペースプレートと湾曲スイッチプレートの間に、両者間を開く方向に付勢するばね部材が配置されることで、離席した場合の湾曲スイッチプレートの扁平状態から湾曲状態への戻りを確実にし、湾曲スイッチプレートが湾曲状態に戻るための剛性が低下しても、湾曲スイッチプレートの湾曲状態への戻りを確実なものとする。
【0026】
(無線スイッチ装置の形状と配置位置の効果)
また、無線スイッチ装置は、椅子の座面に配置した場合の前後幅に対し横幅の長い矩形形状であり、椅子に座る人の両足大腿部に対応した座面の前側に配置して使用されるようにしたため、例えば、椅子の座面の横幅と奥行幅は通常40~45cm程度であることから、無線スイッチ装置の横幅及び奥行幅は任意であるが、例えば横幅は座面横幅の半分程度の20~25cmであり、奥行幅は数cm程度となり、椅子座面の前側に配置することで、着席時に人の大腿部が無線スイッチ装置に乗ることで、確実に押圧して発電により着席検出信号を送信可能とする。また、椅子に着席した状態で大腿部の下側に無線スイッチ装置が位置しており、無線スイッチ装置の高さは5cm未満、例えば2~3cm程度となり、無線スイッチ装置の上に大腿部が乗っている状態は殆ど意識することがなく、無線スイッチ装置を椅子座面の前側に配置しても、違和感なく椅子を使用可能とするものである。
【0027】
(座面クッション内蔵の無線スイッチ装置)
無線スイッチ装置は、椅子の座面に敷いて使用される座面クッションの内部の、椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられることで、無線スイッチ装置を内蔵した座面クッションを椅子座面に置くだけで、市販の椅子や既存の椅子は勿論のこと、座面さえ確保されていれば、椅子の形状や種類を問わず、無線スイッチ装置による着席と離席の検出を簡単且つ容易に実現可能とする。
【0028】
(椅子座面に内蔵の無線スイッチ装置の効果)
また、無線スイッチ装置は、椅子の座面カバー内の、椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられることで、椅子の座面カバーを外して座面全部に無線スイッチ装置を固定し、座面カバーを元に戻して覆い隠すといった比較的簡単な椅子の改修により無線スイッチ装置を椅子に内蔵させて利用可能とするものである。
【0029】
(離席検出による画面ロック制御の効果)
また、処理装置は、受信機により離席検出信号を受信した場合に所定の空き時間(インターバルタイム)を設定し、着席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に画面表示をロック画面とするロック状態に切り替え、ロック状態で受信機により着席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、離席検出信号の受信することなく第2空き時間が経過した場合にロック状態を解除するようにしたため、離席した机を離れると、所定の空き時間後に、情報機器、例えば、業務用のパーソナルコンピュータの画面が利用者の操作を必要とすることなく自動的にロック画面に切り替わり、業務画面をロック画面に切り替えることで、離席中に当事者以外の人が業務画面を見ることを確実に防止し、業務処理のセキュリティーを高めることを可能とする。
【0030】
(席使用状況表示制御の効果)
また、椅子と机が複数組配置された作業環境の椅子の各々に固有の着席検出信号と離席検出信号を送信する無線スイッチ装置が配置されており、処理装置は、作業環境の席使用の有無を画面表示して管理しており、受信機で着席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、同じ送信元から離席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に、着席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用中にある旨を表示し、受信機で離席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、同じ送信元から着席検出信号を受信することなく第2空き時間が経過した場合に、離席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用可能である旨を表示するようにしたため、専用の机と椅子を持たない業務形態をとっている場合に、使用中か空きかの椅子の使用状況を遠隔的に把握して管理することができ、利用者が使用状況の表示画面を見ることで利用状況をリアルタイムで把握して効率的な椅子と机の利用を可能とする。
【0031】
(空き時間の変更の効果)
また、処理装置は、空き時間及び第2空き時間の設定を変更可能としたため、例えば、離席を検出して画面ロックとする場合、業務中に一時的に席を離れることは頻繁にあり、画面ロックを必要としないにも画面ロックがかかってしまうことを防止するため、離席を検出してから画面ロックとなるまでの空き時間を利用者から見て最適な時間に設定変更することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】画面ロック制御を行う業務管理システムの設置環境を示した説明図である。
【
図2】
図1の業務管理システムの機能構成を示した説明図である。
【
図3】無線スイッチ装置の実施形態を示した説明図である。
【
図4】
図3の無線スイッチ装置の湾曲スイッチプレートを取出して示した説明図である。
【
図5】
図3の無線スイッチ装置のベースプレートを取出して示した説明図である。
【
図6】
図3の無線スイッチ装置の発電部を取出して示した説明図である。
【
図7】無線スイッチ装置の回路構成を示した説明図である。
【
図8】無線スイッチ装置を座面に設置した椅子を示した説明図である。
【
図9】無線スイッチ装置を座面に埋込み設置した椅子を示した説明図である。
【
図10】無線スイッチ装置を内蔵した座面クッションを示した説明図である。
【
図11】
図2の業務管理システムによる画面ロック制御を示したフローチャートである。
【
図12】席使用状況表示制御を行う業務管理システムの設置環境を示した説明図である。
【
図13】
図12の業務管理システムの機能構成を示した説明図である。
【
図14】
図13の業務管理システムによる席使用状況表示制御を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明に係る業務管理システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、この発明が限定されるものではない。
【0034】
[実施形態の基本的な概念]
実施形態は、概略的に、無線スイッチ装置により業務中の着席と離席を検出して処理する業務管理システムに関するものである。
【0035】
実施形態は、無線スイッチ装置、受信機及び処理装置で構成されるものである。ここで、「無線スイッチ装置」とは、椅子の座面に配置され、椅子に人が着席した場合に発電して固有の着席検出信号を送信し、椅子から人が離席した場合に発電して固有の離席検出信号を送信するものである。なお、「固有の着席検出信号」及び「固有の離席検出信号」とは、少なくとも送信側となる無線スイッチ装置と着席又は離席を識別可能な符号、例えば、着席ID又は離席IDを含む所定形式の信号である。
【0036】
また、「受信機」とは、予め対応付けされた無線スイッチ装置から送信された着席検出信号と離席検出信号を識別して受信するものである。なお、無線スイッチ装置と受信機との通信方式は任意であるが、例えば、928.85MHz帯の特定小電力無線とするものである。
【0037】
また、「処理装置」とは、受信機で受信した着席検出信号と離席検出信号に基づいて所定の業務処理を行うものである。なお、「所定の処理業務」とは、着席と離席を検出して処理する全ての業務を含むものであり、一例として、コンピュータ装置の画面ロック制御や席の使用中と空きを示す席使用状況表示制御などが含まれる。
【0038】
このような業務管理システムによれば、無線スイッチ装置を市販の椅子または既存の椅子の座面に配置するだけで、人が着席した場合の無線スイッチ装置の押圧で発電して着席検出信号が送信され、また、人が離席した場合の無線スイッチ装置の押圧解除で発電して離席検出信号が送信され、簡単且つ容易に、電池レスの無線スイッチ装置を利用した着席と離席の検出に基づく所望の管理業務を可能とするものである。
【0039】
実施形態の「無線スイッチ装置」は、発電部、電源部、発電機構及び信号処理部で構成されるものである。
【0040】
ここで、「発電部」とは、磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により、電磁誘導コイルを通過する磁束を変化させることで発電するものである。なお、「磁気発生部材」とは、永久磁石及び磁性材料で作られたヨーク等の磁気を発生して磁束を電磁誘導コイルに通過させるものである。
【0041】
また、「電源部」とは、発電部による発電を整流して電源を供給するものであり、例えば、発電電力をダイオードブリッジ等により全波整流し、定電圧回路等により所定の定電圧に変換するものである。
【0042】
また、「信号処理部」とは、発電機構の押圧による発電部の発電正極性と電源部からの電源供給に対応して着席検出信号を送信し、発電機構の押圧解除による発電部の発電逆極性と電源部からの電源供給に対応して離席検出信号を送信するものである。ここで、「発電正極性」とは、発電部が着席時の押圧による発電で正極性の電圧を出力することを意味し、また、「発電逆極性」とは、発電部が離席時の押圧解除により逆極性の電圧を出力することを意味する。このため、「信号処理部」は、発電の正極性から着席を判別して着席検出信号を送信し、発電の逆極性から離席を判別して離席検出信号を送信することを可能とするものである。
【0043】
また、「無線スイッチ装置の発電機構」は、ベースプレート、湾曲スイッチプレート、発電作動部及びストッパ部で構成されるものである。ここで、「ベースプレート」とは、発電部が略中央部に載置された横長矩形状の板状部材である。
【0044】
また、「湾曲スイッチプレート」とは、ベースプレートの上側に固定され、上向きの湾曲形状を有し、着席による押圧を受けて上向きの湾曲状態から扁平状態への変位により発電部で発電させ、離席による押圧解除を受けて扁平状態から上向きの湾曲状態への変位により発電部で発電させるものである。
【0045】
また、「発電作動部」とは、着席による湾曲スイッチプレートの扁平状態への変位を発電部に伝達して作動させ、湾曲スイッチプレートの内面から下向きに突出された、例えば軸状の部材である。また、「ストッパ部」とは、着席による湾曲スイッチプレートの扁平状態への変位を所定位置に規制し、湾曲スイッチプレートとベースプレートの内面の両方又は何れか一方から突出された突起部である。
【0046】
さらに、「発電機構」は、ペースプレートと湾曲スイッチプレートの間に、両者間を開く方向に付勢するばね部材を配置するようにしてもよい。
【0047】
このように「無線スイッチ装置」は、ベースプレートと湾曲スイッチプレートとを重ねたサンドイッチ構造の薄型で横長矩形状の装置となり、既存の椅子や市販の椅子の座面の前側に配置して簡単且つ容易に使用することを可能としている。
【0048】
また、「無線スイッチ装置」は、椅子の座面に配置した場合の前後幅に対し横幅の長い矩形形状であり、椅子に座る人の両足大腿部に対応した座面の前側に配置して使用されるものである。一般に、椅子の座面の横幅と奥行幅は通常40~45cm程度であることから、無線スイッチ装置の横幅及び奥行幅は任意であるが、例えば、横幅は座面横幅の半分程度の20~25cmであり、奥行幅は数cm程度となり、椅子座面の前側に配置することで、着席時に人の大腿部が無線スイッチ装置に乗って押下げることとなり、確実に発電して着席検出信号を送信可能とする。また、椅子に着席した状態で大腿部の下側に無線スッチ装置が位置しており、無線スイッチ装置の高さは例えば2~3cm程度となり、無線スイッチ装置の上に大腿部が乗った状態は殆ど意識することがなく、無線スイッチ装置を椅子座面の前側に配置しても、違和感なく椅子を使用可能とするものである。
【0049】
また、「無線スイッチ装置の別の配置形態」として、椅子の座面に敷いて使用される座面クッションの内部の、椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に設けられるものである。この場合には、無線スイッチ装置を内蔵した座面クッションを椅子座面に置くだけで、市販の椅子や既存の椅子は勿論のこと、座面さえ確保されていれば、椅子の形状や種類を問わず、無線スイッチ装置による着席と離席の検出を簡単且つ容易に実現可能とするものである。
【0050】
また、「無線スイッチ装置の別の配置形態」として、椅子の座面カバー内の、椅子に座る人の両足大腿部に対応した前側の所定位置に埋込み配置されるものである。この場合には、椅子の座面カバーを外して座面全部に無線スイッチ装置を固定し、座面カバーを元に戻して覆い隠すといった比較的簡単な椅子の改修により無線スイッチ装置を椅子に内蔵させて利用可能とするものである。
【0051】
また、「処理装置」は、業務処理の一例として、「画面ロック制御」を行うものである。ここで、「画面ロック制御」とは、受信機により離席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、着席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に画面表示をロック画面とするロック状態に切り替え、ロック状態で受信機により着席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、離席検出信号の受信することなく第2空き時間が経過した場合にロック状態を解除するものである。なお、「空き時間」は、インターバルタイムや待ち時間の概念を含むものである。
【0052】
このため、椅子から離席して机を離れると、所定の空き時間後に、情報機器、例えば、業務用のパーソナルコンピュータの画面が利用者の操作を必要とすることなく自動的にロック画面に切り替わり、離席中に当事者以外の人が業務画面を見ることを確実に防止し、業務処理のセキュリティーを高めることを可能とする。
【0053】
また、「処理装置」は、業務処理の他の例として、「席使用状況表示制御」を行うものである。ここで、「席使用状況表示制御」とは、椅子と机が複数組配置された作業環境の椅子の各々に固有の着席検出信号と離席検出信号を送信する無線スイッチ装置が配置されており、作業環境の席使用の有無を画面表示して管理するものである。
【0054】
この場合、「処理装置」は、受信機で着席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、同じ送信元から離席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に、着席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用中にある旨を表示する。
【0055】
また、「処理装置」は、受信機で離席検出信号を受信した場合に所定の第2空き時間を設定し、同じ送信元から着席検出信号を受信することなく第2空き時間が経過した場合に、離席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が使用可能である旨を表示するものである。
【0056】
このため、専用の机と椅子を持たない業務形態をとっているような場合に、使用中か空きかの椅子の使用状況を遠隔的に把握して管理することができ、利用者が使用状況の表示画面を見ることで利用状況をリアルタイムで把握して効率的な椅子と机の利用を可能とするものである。
【0057】
また、「処理装置」は、空き時間及び第2空き時間の設定を変更可能としている。例えば、離席を検出して画面ロックとする場合、業務中に一時的に席を離れることは頻繁にあり、画面ロックを必要としないにも画面ロックがかかってしまうことを防止するため、適切な空き時間の設定に変更することで、一時的な離席で画面ロックとなってしまうことを確実に防止可能とする。
【0058】
また、専用の机と椅子を持たない業務形態で使用中か空きか使用状況を表示している場合には、適切な空き時間の設定に変更することで、一時的な離席で空きを表示しまうことを確実に防止可能とし、使用状況を表示した場合の信頼性を向上可能とするものである。
【0059】
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、「無線スイッチ装置」が「椅子の座面に露出して配置された場合」、「座面クッションに内蔵された場合」及び「椅子の座面に埋込み設置された場合」とし、「処理装置の業務処理」として「画面ロック制御」及び「席使用状況表示制御」を行う場合について説明する。
【0060】
[実施形態の具体的内容]
業務管理システムの実施形態について、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.画面ロック制御の業務管理システム
b.無線スイッチ装置
b1.無線スイッチ装置の構造
b2.無線スイッチ装置の回路構成
c.無線スイッチ装置の配置
c1.椅子座面の配置
c2.椅子座面の埋込配置
c3.座面クッションの内蔵
d.画面ロック制御
e.席使用状況表示制御の業務管理システム
e1.業務管理システムの設置環境
e2.システム機能構成
e3.席使用状況表示制御
f.本発明の変形例
【0061】
[a.画面ロック制御の業務管理システム]
画面ロック制御を行う業務管理システムの実施形態について説明する。当該説明にあっては、画面ロック制御を行う業務管理システムの設置環境を示した
図1、及び
図1の業務管理システムの機能構成を示した
図2を参照する。
【0062】
図1及び
図2に示すように、画面ロック制御を行う業務管理システムは、オフィス等の職場環境に設置された一組の椅子10と机12を対象とし、無線スイッチ装置14、受信機16及び処理装置18で構成される。
【0063】
無線スイッチ装置14は椅子10の座面1010の前側に配置され、社員等の利用者が着席すると、着席を検出して固有の着席検出信号を無線送信し、また、利用者が離席すると、離席を検出して固有の離席検出信号を無線送信する。
【0064】
受信機16は無線スイッチ装置14から送信される固有の着席検出信号又は固有の離席検出信号に対応付けられており、固有の着席検出信号又は固有の離席検出信号をアンテナ1610で受信して受信結果を出力する。受信機16の構成や種類は任意であるが、実施形態では、処理装置18のUSBポートに接続して使用するUSBドングルとして知られた受信機16を使用している。
【0065】
ここで、無線スイッチ装置14と受信機16の通信方式は任意であるが、例えば、928.85MHz帯の特定小電力無線としている。また、無線スイッチ装置14から送信する固有の着席検出信号及び離席検出信号は、それぞれ識別情報として固有のIDを含む所定形式の信号であり、着席IDとして例えば16進で「xxxx xxxx xxxx A100」を使用し、また、離席IDとして「xxxx xxxx xxxx A101」を使用し、これに信号強度、チェックサム(CK)及び区切符号を加えてで構成される6~12バイト長(48~96ビット長)の信号としている。
【0066】
処理装置18は利用者が担当業務の処理に使用しているパーソナルコンピュータであり、
図2に示すように、画面ロック制御部20の機能をアプリケーションプログラムとして実装している。また、画面ロック制御部20の機能に合わせて空き時間設定部22の機能が設けられている。
【0067】
処理装置18の画面ロック制御部20は、無線スイッチ装置14からの離席検出信号を受信機16で受信した場合の受信出力を受けて動作し、無線スイッチ装置14から着席検出信号を受信することなく空き時間設定部22で設定した空き時間T1が経過した場合に、業務内容を表示している処理装置16の画面を所定のロック画面に切替えて隠蔽するロック状態に切り替える制御を行う。
【0068】
ここで、パーソナルコンピュータを用いた処理装置18のオペレーションシステム、例えば、ウィンドウズ(登録商標)にあっては、所定の操作を行った場合にロック画面に切替える公知の機能を備えており、実施形態にあっては、処理装置18に備えられた画面ロック制御を、無線スイッチ装置10からの離席検出信号を受信した受信機16の受信出力で行うことを特徴とするものである。
【0069】
また、処理装置18が離席検出信号の受信出力を受けた場合に設定する空き時間T1は、利用者の一時的な離席でロック画面に切り替わってしまうことを防止するための時間であり、一時離席の時間は利用者により様々であるが、例えば、デフォルトとして数分の空き時間T1が設定されており、利用者は必要に応じて空き時間T1を変更して自分にあった最適な空き時間T1を設定することになる。
【0070】
また、処理装置18の画面ロック制御部20は、ロック画面に切替えた状態で、無線スイッチ装置14からの着席検出信号を受信機16で受信した場合の受信出力を受けて動作し、無線スイッチ装置14から離席検出信号を受信することなく空き時間設定部22で設定した空き時間T2が経過した場合に、画面ロックを解除して通常画面に戻すことで業務処理の再開を可能とする。
【0071】
この場合に、処理装置18が離席検出信号の受信出力を受けたときに設定する空き時間T2は、利用者の一時的な着席でロック画面が解除されてしまうことを防止するための時間であるが、一方、利用者が着席した場合には直ちにロック画面が解除されることが望ましく、両者を勘案することで、例えば、デフォルトとして十数秒程度の空き時間T2が設定され、利用者は必要に応じて空き時間T2を変更し、空き時間なしを含む自分に合った最適な空き時間T2を設定することを可能としている。
【0072】
一方、処理装置18のオペレーションシステムによるロック画面の解除は、固有のパスワードを入力した所定の解除操作を必要としており、処理装置18にあっては、ロック状態で着席検出信号の受信出力を受けてもロック画面を解除せず、オペレーションシステムによる解除操作のみでロック画面を解除するようにしてもよい。
【0073】
[b.無線スイッチ装置]
続いて、椅子に配置される無線スイッチ装置について説明する。当該説明にあっては、無線スイッチ装置の実施形態を示した
図3、
図3の無線スイッチ装置の湾曲スイッチプレートを取出して示した
図4、
図3の無線スイッチ装置のベースプレートを取出して示した
図5、
図3の無線スイッチ装置の発電部を取出して示した
図6、及び無線スイッチ装置の回路構成を示した
図7を参照する。なお、
図3(A)、
図4(A)、
図5(A)、
図6(A)は正面(前面)を示し、
図3(B)、
図4(B)、
図5(B)、
図6(B)は平面(上面)を示し、
図3(C)、
図4(C)、
図5(C)、
図6(C)は右側面を示す。
【0074】
(b1.無線スイッチ装置の構造)
まず無線スイッチ装置14の構造について説明する。椅子の座面の前側に配置される無線スイッチ装置14は、
図3に示すように、椅子の座面に配置した場合の奥行幅(前後幅)に対し横幅(左右幅)の長い矩形形状であり、椅子に座る人の両足大腿部に対応した座面の前側に配置して使用される。
【0075】
ここで、椅子の座面の横幅(左右幅)と奥行幅(前後幅)は通常40~45cm程度であることから、無線スイッチ装置14の横幅L及び奥行幅Wは任意であるが、例えば、横幅Lは座面横幅の半分程度の20~25cmの範囲の所定値、例えば20cmとし、奥行幅Wは数cm程度、例えば5cmとしている。
【0076】
また、無線スイッチ装置14は椅子座面の前側に配置することで、着席時に人の大腿部が無線スイッチ装置14に乗ることで押圧して発電により着席検出信号を送信するものであり、利用者が椅子に着席した状態で大腿部の下側に無線スッチ装置14が位置するように配置しており、違和感なく椅子に座ることを可能とするため、無線スイッチ装置14の中央部の最大高さHは2~3cm程度であり、例えば2.1cmとしている。
【0077】
図3(A)に示すように、無線スイッチ装置14はベースプレート24と湾曲スイッチプレート26を重ね合わせたサンドイッチ構造を有する。ベースプレート24の内側の略中央部には電磁誘導式の発電部44が配置されている。
【0078】
湾曲スイッチプレート26は、
図4に取り出して示すように、上向きの湾曲形状を有し、ベースプレート24に配置した発電部44に対応した中央内面から下向きに矩形状の発電作動部34が形成されている。
【0079】
また、湾曲スイッチプレート26の両側の内面には係止爪2610が形成され、
図5に示すベースプレート24の両側の上面に形成された係合受け部2410に係合し、
図3(A)に示すように、ベースプレート24の両端に湾曲スイッチプレート26の両端を係止し、湾曲スイッチプレート26の中央部をベースプレート24に対し押込み自在に支持している。
【0080】
ベースプレート24は、
図5に取り出して示すように、上面中央部に発電部44を取付け固定するための発電固定部2412が形成され、発電固定部2412に
図6に取り出して示す発電部44を
図3(A)に示すように取付け固定している。
【0081】
また、
図5(B)に示すように、平面を矩形とした発電固定部2412の左右及び前後の4箇所にはストッパ部36が上向きに起立されている。ストッパ部36は、
図3(A)に示すように、湾曲スイッチプレート26の下面(内面)との間に所定の間隔を空けて配置されており、湾曲スイッチプレート26が押し込まれた場合にストッパ部36に当接し、湾曲スイッチプレート26の中央内面に下向きに突出された発電作動部34の押込み量(押込みストローク)を所定値に規制し、発電部44に設けられた発電レバーに適切な上下方向の変位を加えるようにしている。
【0082】
発電部44は、
図6に示すように、発電本体4412と発電レバー収納部4414を備えた箱形状のユニットとし、発電本体4412の内部に、公知のように相対移動により発電するための磁気発生部材と電磁誘導コイルが配置され、発電レバー収納部4414に例えば固定された電磁誘導コイルに対し磁気発生部材を移動させるための発電レバーが収納されている。
【0083】
発電レバー収納部4414の上部には矩形の発電押込穴4410が開口され、発電開口穴4410の上部に、
図3(A)に示すように、湾曲スイッチプレート26の中央内面に下向きに形成された発電作動部34が位置し、湾曲スイッチプレート26が扁平状態に押し込まれると発電作動部34が発電部44の発電押込穴4410の中に押し込まれ、発電が行われる。また、湾曲スイッチプレート26の押込みが解除されると、湾曲スイッチプレート26が剛性により湾曲状態に戻り、発電部44の発電押込穴4410に押し込まれていた発電作動部34が初期位置に戻ることにより発電が行われる。さらに、
図5(B)に示すように、ベースプレート24の上面の左側後方にはアンテナ固定部2414として隔壁で挟まれた溝が形成され、この中に長さ数cm程度の直線状アンテナ(ラインアンテナ)を収納可能としている。
【0084】
このようなベースプレート24、湾曲スイッチプレート26、発電作動部34及びストッパ部36によって実施形態の発電機構が構成され、着席による押圧と離席による押圧解除の各々で発電部44を作動して発電させることとなる。
【0085】
より詳細には、湾曲スイッチプレート26が利用者の着席による押圧を受けて上向きの湾曲状態から扁平状態へ変位し、この押圧変位に伴い発電作動部34により発電部44の発電レバーを瞬時的に押下げて発電させ、正極性の発電電圧となる発電出力を生じさせる。また、利用者が離席すると、湾曲スイッチプレート26の押圧が解除され、湾曲スイッチプレート26は剛性により扁平状態から上向きの湾曲状態に戻る変位を起こし、これに伴い発電作動部34により発電部44の発電レバーの押下げを解除して元の位置に戻すことで発電させ、逆極性の発電電圧となる発電出力を生じさせる。
【0086】
なお、湾曲スイッチプレート26の押圧を解除した場合に扁平状態から湾曲状態への戻りは、湾曲スイッチプレート26の剛性による戻りとしているが、これに加え、ベースプレート24と湾曲スイッチプレート26との間にコイルばね等の付勢部材を配置して押し戻すようにしてもよい。
【0087】
(b2.無線スイッチ装置の回路構成)
続いて、無線スイッチ装置の回路構成について説明する。
図7に示すように、無線スイッチ装置14は、発電機構42、発電部44、ダイオードブリッジ46、定電圧回路部48、極性判別部50、信号処理部52及びアンテナ56を接続した送信部54で構成される。
【0088】
発電機構42は、
図3に示した湾曲スイッチプレート26の押圧と押圧解除により発電部44を動作して電磁誘導方式による自己発電を行わせるものである。より詳細には、発電部44には磁気発生部である永久磁石及び又は電磁誘導コイルが相対移動自在に設けられており、相対移動させるための構造や機構は任意であるが、例えば、着席に伴い湾曲スイッチプレート26が押圧されると、発電レバーの押下げにより、固定配置された電磁誘導コイルに対し永久磁石が所定の一方向に相対移動し、電磁誘導コイルを通る磁束を変化することで発電を行って正極性の電圧となる発電電力を出力するものである。
【0089】
続いて、離席に伴い湾曲スイッチプレート26の押圧が解除されると、発電レバーは初期位置に押し戻され、固定配置された電磁誘導コイルに対し永久磁石を所定の一方向に対して逆方向に相対移動し、電磁誘導コイルを通る磁束が逆向きに変化することで発電を行って逆極性の電圧となる発電電力を出力するものである。
【0090】
ここで、ダイオードブリッジ46及び定電圧回路部48は、電源部を構成するものであり、全波整流回路を構成したダイオードブリッジ46で発電部44の押圧又は押圧解除で発電出力された発電電圧を整流し、定電圧回路部48で所定の定電圧である電源に変換し、極性判別部50、信号処理部52及び送信部54に供給して動作させるものであり、極性判別部50、信号処理部52及び送信部54は、発電部44の押圧と押圧解除に伴い2回動作することになる。
【0091】
極性判別部50は、その構成や機能は任意であるが、発電部44の押圧により出力される発電の正極性の電圧極性を判別して判定結果を信号処理部52へ出力し、また、発電部44の押圧解除により出力される発電の逆極性の電圧極性を判別して判定結果を信号処理部52へ出力するものである。
【0092】
信号処理部52は、発電部44の押圧に伴う発電による電源供給を受けて動作し、このとき極性判別部50から正極性の電圧極性の判別出力が得られることから固有の着席検出信号を出力するものである。また、信号処理部52は、発電部44の押圧解除に伴う発電による電源供給を受けて動作し、このとき極性判別部50から逆極性の電圧極性の判別出力が得られることから固有の離席検出信号を出力するものである。ここで、着席検出信号は、前述したように、着席IDとして「xxxx xxxx xxxx A100」を含む所定形式の信号であり、また、離席検出信号は、離席IDとして「xxxx xxxx xxxx A101」を含む所定形式の信号である。
【0093】
送信部54は、発電部44の押圧又は押圧解除に伴う電源供給を受けて動作したときに、信号処理部52から出力される着席検出信号又は離席検出信号を変調して無線送信するものであり、特定小電力通信となる928.85MHz帯の所定のチャンネル周波数を使用し、例えばFSK変調して送信するものである。
【0094】
[c.無線スイッチ装置の配置]
続いて、椅子に対する無線スイッチ装置の配置について説明する。当該説明にあっては、無線スイッチ装置を座面に設置した椅子を示した
図8、無線スイッチ装置を座面に埋込み設置した椅子を示した
図9、及び無線スイッチ装置を内蔵した座面クッションを示した説
図10を参照する。なお、
図8(A)及び
図9(A)は椅子の右側面を示し、
図8(B)及び
図9(B)は椅子の正面(前面)を示し、
図8(C)及び
図9(C)は椅子の平面(上面)を示す。また、
図10(A)は座面クッションの平面(上面)を示し、
図10(B)は
図10(A)の切断線b-bの断面を示す。
【0095】
(c1.椅子座面の配置)
図8に示すように、本実施形態にあっては、無線スイッチ装置14を椅子10の座面1010の前部中央に、長手方向を左右方向として配置している。無線スイッチ装置14の座面1010に対する固定構造は任意であるが、例えば、両面粘着テープ、面ファスナー等を使用して固定する。また、無線スイッチ装置14は座面1010に露出して配置されていることから、通常は、薄めの座面クッション40を使用して覆い隠すようにする。また、無線スイッチ装置14に柔軟性のある布等により作成したカバーを装着し、座面1010に無線スイッチ装置10を剥き出しで配置しないようにすることが望ましい。
【0096】
このように座面1010に無線スイッチ装置14が配置された椅子に利用者が着席すると、利用者の大腿部の下側に無線スイッチ装置14が位置し、無線スイッチ装置14の最も高い中央部は大腿部の間に位置することとなり、無線スイッチ装置14を座面に配置していても違和感なく椅子10に座ることを可能としている。
【0097】
(c2.椅子座面の埋込配置)
図9に示すように、本実施形態にあっては、椅子10の座面1010に無線スイッチ装置14を埋込み設置している。無線スイッチ装置14の座面配置位置は
図8の場合と同様に、座面1010の前部中央となるが、本実施形態では
図9(A)のa部の拡大断面に示すように、木枠等の座面構造体1012の前部中央に所定深さの埋込部1014を形成して無線スイッチ装置14を配置し、配置後に座面カバー1016で覆った構造としている。
【0098】
無線スイッチ装置14の埋込深さは、
図3に示した湾曲スイッチプレート26を押圧して扁平状態とする必要があることから、例えば、湾曲中央の最大高さの概ね半分程度とする。
【0099】
本実施形態にあっては、無線スイッチ装置14は座面カバー1016で覆われた座面1010に内蔵されており、外観的にも無線スイッチ装置14の存在は認識されず、
図9(B)に示すように、座面1010の前部に盛り上がりのある椅子10と認識されるに留まり、座面1010に無線スイッチ装置14が内蔵されたことで、椅子10の取り扱いが容易で、無線スイッチ装置14も内蔵により保護され、耐久性を向上可能とする。
【0100】
(c3.座面クッションの内蔵)
図10(A)に示すように、本実施形態にあっては、座面クッション40に無線スイッチ装置14を内蔵している。無線スイッチ装置14の座面配置位置は、座面クッション40の前部中央となるが、
図10(A)の断面に示すように、スポンジ等の弾性部材4020の前部中央に無線スイッチ装置14を配置し、配置後にクッションカバー4010で覆った構造としている。
【0101】
本実施形態にあっては、無線スイッチ装置14は座面クッション40に内蔵されており、無線スイッチ装置14を内蔵した座面クッション40を椅子座面に置くだけで、市販の椅子や既存の椅子は勿論のこと、座面さえ確保されていれば、椅子の形状や種類を問わず、無線スイッチ装置14による着席と離席の検出を簡単且つ容易に実現可能とするものである。
【0102】
[d.画面ロック制御]
続いて、
図2の処理装置18による画面ロック制御について説明する。当該説明にあっては、
図2の業務管理システムによる画面ロック制御を示したフローチャートである
図11を参照する。
【0103】
図11に示すように、
図2の処理装置18に設けられた画面ロック制御部20は、利用者が椅子10から立ち上がった場合に無線スイッチ装置14から送信された離席検出信号の受信を受信機16からの受信出力で判別すると(ステップS1)、所定の空き時間T1を設定して経過を判別し(ステップS2)、空き時間T1を経過するまでは、利用者が椅子10に着席した場合に無線スイッチ装置14から送信された着席検出信号の受信機16からの受信出力の有無を判別している(ステップS3)。
【0104】
ここで、利用者が一時的に離席した場合は、空き時間T1を経過する前に着席検出信号の受信が判別され(ステップS3のYes)、空き時間T1をリセットして新たな離席検出信号の受信判別に戻る(ステップS1)。
【0105】
無線スイッチ装置14からの着席検出信号を受信することなく(ステップS3のNo)、空き時間T1の経過を判別すると(ステップS2のYes)、画面ロックに切替える(ステップS4)。
【0106】
続いて、利用者が戻って椅子10に座り、無線スイッチ装置14からの着席検出信号の受信が判別されると(ステップS5のYes)、離席検出信号の受信を判別することなく(ステップS7のNo)、所定の空き時間T2の経過を判別した場合に(ステップS6)、画面ロックを解除し(ステップS8)、次の新たな離席検出信号の受信判別に戻る(ステップS1)。
【0107】
[e.席使用状況表示制御の業務管理システム]
続いて、席使用状況表示制御の業務管理システムについて説明する。当該説明にあっては、席使用状況表示制御を行う業務管理システムの設置環境を示した
図12、
図12の業務管理システムの機能構成を示した
図13、及び
図13の業務管理システムによる席使用状況表示制御を示したフローチャートである
図14を参照する。
【0108】
(e1.業務管理システムの設置環境)
まず、席使用状況表示制御を行う業務管理システムの設置環境について説明する。
図12は本実施形態による業務管理システムの設置環境の一例であり、オフィス等の施設内には、椅子10(10-1)~10(10-4)と机12(12-1)~12(12-4)が例えば4組配置され、椅子10(10-1)~10(10-4)の使用状況として、「使用中」又は「使用可(空き)」の表示制御を行うものである。
【0109】
このため椅子10(10-1)~10(10-4)の各々には無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)が配置され、利用者が着席すると固有の着席検出信号が送信され、また、利用者が離席すると固有の離席検出信号が送信される。
【0110】
ここで、無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)は、固有の着席検出信号及び固有の離席検出信号として、相互に異なる着席ID及び離席IDを含む画面ロック制御の場合と同じ信号形式の信号を送信する。
【0111】
例えば、無線スイッチ装置14(14-1)の着席IDは16進で「xxxx xxxx xxxx B101」、離席IDは「xxxx xxxx xxxx B102」となり、無線スイッチ装置14(14-2)の着席IDは「xxxx xxxx xxxx B103」、離席IDは「xxxx xxxx xxxx B104」となり、無線スイッチ装置14(14-3)の着席IDは「xxxx xxxx xxxx B105」、離席IDは「xxxx xxxx xxxx B106」となり、無線スイッチ装置14(14-4)の着席IDは「xxxx xxxx xxxx B107」、離席IDは「xxxx xxxx xxxx B108」となる。
【0112】
処理装置18にはUSBドンクルとして受信機16が接続されており、受信機16は無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)からの固有の着席検出信号又は固有の離席検出信号を受信して受信結果を処理装置18に出力する。無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)と受信機16の通信方式は、前述した画面ロック制御の場合と同様に、928.85MHz帯の特定小電力無線としている。
【0113】
また、処理装置18は無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)からの着席検出信号と離席検出信号に基づき、席使用状況監視画面1810として取り出して示すように、無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)に対応したA席、B席、C席、D席の使用状態として、「使用中」又は「使用可(空き)」を表示している。
【0114】
(e2.システム機能構成)
続いて、席使用状況表示制御を行う業務管理システムの機能構成について説明する。
図13に示すように、椅子10(10-1)~10(10-4)の各々には無線スイッチ装置14(14-1)~14(14-4)が配置され、その構造は、
図3乃至
図5に示したと同様であり、また、椅子10(10-1)~10(10-4)に対する配置は前述した
図7乃至
図9と同様となる。
【0115】
処理装置18には受信機16が接続され、また、プログラムの実行により実現される機能として、席使用状況表示制御部58が設けられている。席使用状況表示制御部58は、
図12に示したような作業環境での席使用の有無を画面表示して管理している。
【0116】
詳細に説明すると、席使用状況表示制御部58は、受信機16で着席検出信号を受信した場合に所定の空き時間T11を設定し、同じ送信元から離席検出信号を受信することなく空き時間T11が経過した場合に、着席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が「使用中」にある旨を画面上に表示する。
【0117】
また、席使用状況表示制御部58は、受信機16で離席検出信号を受信した場合に所定の空き時間T21を設定し、同じ送信元から着席検出信号を受信することなく空き時間T21が経過した場合に、離席検出信号に対応する無線スイッチ装置を配置した椅子が「使用可(空き)」である旨を表示する。
【0118】
また、処理装置18には空き時間設定部60が設けられ、着席検出信号を受信してから確定するまでの空き時間T11と、離席検出信号を受信してから確定させるまでの空き時間T21をシステム管理者が変更可能としている。
【0119】
着席検出信号を受信した場合の空き時間T11は、着席により使用中と判断できるに必要な時間であり、例えば、デフォルトとして数分といった時間が設定され、必要に応じて変更することが可能となる。
【0120】
また、離席検出信号を受信した場合の空き時間T21は、利用者の一時的な離席で「使用可(空き)」と判断してしまうことを防止するための時間であり、一時離席の時間は任意であるが、例えば、デフォルトとして数分の空き時間T21が設定されており、システム管理者は必要に応じて空き時間T21を変更することが可能となる。
【0121】
(e3.席使用状況表示制御)
続いて、
図13の処理装置18による席使用状況表示制御について説明する。当該説明にあっては、
図13の業務管理システムによる席使用状況表示制御を示したフローチャートである
図14を参照する。
【0122】
図14に示すように、
図13の処理装置18に設けられた席使用状況表示制御部58は、初期状態で、例えば椅子10(10-1)の空きに対応して「使用可」を画面表示しており、この状態で新たな利用者が例えば椅子10(10-1)に着席した場合に無線スイッチ装置14(14-1)から送信された着席検出信号の受信を受信機16からの受信出力で判別すると(ステップS11)、所定の空き時間T11を設定して経過を判別し(ステップS12)、空き時間T11を経過するまでは、利用者が椅子10(10-1)から離席した場合に無線スイッチ装置14(14-1)から送信された離席検出信号の受信機16からの受信出力の有無を判別している(ステップS13)。
【0123】
ここで、利用者が離席したとすると、空き時間T11を経過する前に離席検出信号を受信が判別され(ステップS13のYes)、空き時間T11をリセットして新たな着席検出信号の受信判別に戻る(ステップS1)。
【0124】
無線スイッチ装置14(14-1)からの離席検出信号を受信することなく(ステップS13のNo)、空き時間T11の経過を判別すると(ステップS12のYes)、椅子10(10-1)に対応した画面表示を「使用可」から「使用中」に切替える(ステップS14)。
【0125】
続いて、椅子10(10-1)の利用者が業務等を終了して離席すると、無線スイッチ装置14(14-1)からの離席検出信号の受信が判別され(ステップS15のYes)、着席検出信号の受信を判別することなく(ステップS17のNo)、所定の空き時間T21の経過を判別した場合に(ステップS16)、椅子10(10-1)に対応した画面表示を「使用中」から「使用可」に切替え(ステップS18)、次の新たな着席検出信号の受信判別に戻る(ステップS11)。このような席使用状況表示制御は、他の椅子10(10-2)~10(10-4)の場合も同様となる。
【0126】
[f.本発明の変形例]
本発明による業務管理システムの変形例について説明する。本発明の業務管理システムは、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
【0127】
上記の実施形態は、一人用の椅子に対する無線スイッチ装置の配置を例にとっているが、これに限定されず、複数人が利用する長椅子に配置する場合を含む。長椅子の場合には、人が着座する位置ごとに無線スイッチ装置を配置し、例えば、
図12に示したと同様にして席の使用中と使用可(空き)を画面表示して席利用状況を管理可能とする。
【0128】
(無線スイッチ装置と制御システムの適用対象)
上記の実施形態は、無線スイッチ装置を用いた業務管理システムとして、画面ロック制御と席使用状況表示制御を例にとるものであってが、これに限定されず、椅子の着席と離席に基づく適宜の制御や管理を含むものである。
【0129】
(スクリーンセーバー制御)
上記の実施形態は、処理装置のセキュリティーを確保するために画面ロック制御を行っているが、スクリーンセーバー制御としてもよい。この場合、処理装置は、受信機により離席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し、着席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に画面表示をスクリーンセーバー画面に切り替える。また、スクリーンセーバー画面に切替えた状態で受信機により着席検出信号を受信した場合に所定の空き時間を設定し離席検出信号を受信することなく空き時間が経過した場合に、スクリーンセーバー画面を解除して通常画面に戻すようにする。
【0130】
(その他)
また,本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0131】
10,10(10-1)~10(10-4):椅子
1010:座面
1012:座面構造体
1014:埋込部
1016:座面カバー
12,12(12-1)~12(12-4):机
14,14(14-1)~14(14-4):無線スイッチ装置
16:受信機
1610,56:アンテナ
18:処理装置
1810:席使用状況表示画面
20:画面ロック制御部
22,60:空き時間設定部
24:ベースプレート
2410:係止受け部
2412:発電固定部
2414:アンテナ固定部
26:湾曲スイッチプレート
2610:係止爪
34:発電作動部
36:ストッパ部
40:座面クッション
4010:クッションカバー
4020:弾性部材
42:発電機構
44:発電部
4410:発電押込穴
4412:発電本体
4414:発電レバー収納部
46:ダイオードブリッジ
48:定電圧回路部
50:極性判別部
52:信号処理部
54:送信部
58:席使用状況表示制御部