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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011861
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】学習支援装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20250117BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250117BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114236
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國枝 滉
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 隼
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】学習が比較的苦手な生徒の学習意欲を維持、又は向上させることができる学習支援装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る学習支援装置は、学習支援者Cから学習者へ送るメッセージを生成するメッセージ生成手段と、メッセージ生成手段によって生成されたメッセージを学習者へ送信する制御を実行するメッセージ送信制御手段と、メッセージの内容を学習者ごとに調整するメッセージ調整情報G14を記憶する記憶手段と、メッセージ調整情報G14を学習者の学習の向上度に基づいて更新する調整情報更新手段と、を備え、メッセージ生成手段は、調整情報更新手段によって更新されたメッセージ調整情報G14に基づいてメッセージを生成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習支援者から学習者へ送るメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージを前記学習者へ送信する制御を実行するメッセージ送信制御手段と、
前記メッセージの内容を前記学習者ごとに調整するメッセージ調整情報を記憶する記憶手段と、
前記メッセージ調整情報を前記学習者の学習の向上度に基づいて更新する調整情報更新手段と、
を備え、
前記メッセージ生成手段は、
前記調整情報更新手段によって更新された前記メッセージ調整情報に基づいて前記メッセージを生成する
学習支援装置。
【請求項2】
前記学習者が興味又は関心を示す事項を収集する収集手段を備え、
前記メッセージは、
学習に関連する学習関連事項に対応する学習関連要素と、
前記学習支援者から前記学習者へ提供する雑談に対応する雑談要素と、
を含み、
前記メッセージ調整情報は、
前記学習者が興味又は関心を示す事項ごとに、前記メッセージに用いることを推奨する推奨度を示す雑談要素調整情報を含み、
前記メッセージ生成手段は、
前記学習関連要素と、前記推奨度に基づいて決定された、前記学習者が興味又は関心を示す事項と、に基づいて、前記メッセージを生成する
請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記メッセージ生成手段は、
前記学習者が興味又は関心を示す事項を1つ以上、前記推奨度に基づく確率の抽選によって決定する
請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記収集手段は
前記学習者から前記学習支援者へ送られたメッセージ、及び、前記学習者がソーシャルネットワークサービスに投稿したコンテンツの少なくともいずれか1つに基づいて、前記学習者が興味又は関心を示す事項を収集する
請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記収集手段は、
収集した事項のうち、流行に関する事項、又は、時事的な事項を、当該事項が収集されたときからの経過時間に基づいて削除する
請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記メッセージは、
前記メッセージに用いられる文章を調整する調整事項を含む学習者適応要素を更に含み、
前記メッセージ調整情報は、
前記学習者適応要素の調整事項について、前記学習者のパーソナリティに応じた調整値を示す学習者適応要素調整情報を含み、
前記メッセージ生成手段は、
前記学習関連要素と、前記推奨度に基づいて決定された、前記学習者が興味又は関心を示す事項と、前記学習者適応要素調整情報が示す調整値と、に基づいて、前記メッセージを生成する
請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記メッセージ生成手段は、
自然言語エンジンを有する文章生成AI部を備え、
前記文章生成AI部は、
前記学習関連要素、前記雑談要素、及び前記学習者適応要素調整情報に基づいて設定されたプロンプトに対応する文章を出力する
請求項6に記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージの文章を修正するメッセージ修正手段を備える
請求項7に記載の学習支援装置。
【請求項9】
前記メッセージ生成手段は、
前記学習支援者から前記学習者へ雑談を提供する雑談提供メッセージを生成し、
前記記憶手段は、
前記雑談提供メッセージの送信頻度が前記学習者ごとに調整された雑談頻度調整情報を記憶し、
前記メッセージ送信制御手段は、前記雑談頻度調整情報によって示される前記送信頻度で前記雑談提供メッセージを前記学習者へ送信する制御を実行する
請求項1に記載の学習支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、学習支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
学習塾に通っている生徒は、学習が苦手なほど、学習意欲が低く、学習塾から与えられた宿題を先延ばしし、締め切りの直前に取りかかる傾向がある。したがって、生徒が宿題に着手したときには授業の内容を忘れている場合が多く、宿題の正答率が低く、次回の授業において復習を行うことが必要になることがある。
また、学習が比較的苦手な生徒の中には、学習意欲を維持することが難しく、宿題を放棄してしまう者もいる。
【0003】
一方、生徒の学習を支援する学習支援の分野において、生徒の学習意欲を維持、又は向上させるための各種の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、学習行動計画の達成度に応じて、登録された学習行動計画の実行を促す催促メッセージを生成して学習者の端末装置に送信することで、学習者の意識を学習から離れ難くし、学習意欲を維持、向上させ易くする技術が示されている。
この特許文献1には、さらに、学習者に対して学習支援者から応援メッセージを送信することで、学習支援者の監視の目あるいは見守られているという感覚を学習者に意識させ、学習意欲を維持、又は向上させ易くする技術が示されている。
【0004】
また例えば、特許文献2には、提示された問題に対して利用者が入力した解答に応じて、適切な音声メッセージを出力することで利用者の学習を支援する学習支援装置において、利用者に出力する音声メッセージとして、メーカー側で作成した画一的な音声メッセージに代えて、利用者の身近な人物による音声メッセージを出力することで、利用者の学習意欲を高める技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-017903号公報
【特許文献2】特開平9-016065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術は、一般的な生徒を対象とするものであり、学習が比較的苦手な生徒については考慮されておらず、学習が比較的苦手な生徒の学習意欲を維持、又は向上させるには十分ではなかった。
【0007】
本開示は、学習が比較的苦手な生徒の学習意欲を維持、又は向上させることができる学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様に係る学習支援装置は、学習支援者から学習者へ送るメッセージを生成するメッセージ生成手段と、前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージを前記学習者へ送信する制御を実行するメッセージ送信制御手段と、前記メッセージの内容を前記学習者ごとに調整するメッセージ調整情報を記憶する記憶手段と、前記メッセージ調整情報を前記学習者の学習の向上度に基づいて更新する調整情報更新手段と、を備え、前記メッセージ生成手段は、前記調整情報更新手段によって更新された前記メッセージ調整情報に基づいて前記メッセージを生成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の1つの態様によれば、学習が比較的苦手な生徒の学習意欲を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る家庭学習支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】家庭学習支援サービスの一例を示す図である。
図3】宿題関連メッセージ要素の一例を示す図である。
図4】学習塾装置の電気的構成の一例を示す図である。
図5】ユーザ装置の電気的構成の一例を示す図である。
図6】家庭学習支援装置の電気的構成の一例を示す図である。
図7】メッセージ調整情報の一例を示す図である。
図8】宿題関連通知サービス処理の一例を示すフローチャートである。
図9】プロンプトの一例を示す図である。
図10】修正前の文章、修正後の文章、及び修正理由の一例を示す図である。
図11】修正前の文章、修正後の文章、及び修正理由の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態
[家庭学習支援システムの概要]
図1は、本開示の実施形態に係る家庭学習支援システム1の構成の一例を示す図である。
本実施形態の家庭学習支援システム1は、本開示における「学習支援システム」の一例であり、学習塾Aに通っている生徒Uに対し、その生徒Uの家庭学習を支援する家庭学習支援サービスを提供するシステムである。生徒U、及び家庭学習は、それぞれ、本開示における「学習者」、及び「学習」の一例である。
学習塾Aは、生徒Uが日常的に通う学校とは別の私設の学舎である。学習塾Aにおいて、生徒Uは講師Bの授業を受けて学習する。なお、本開示において、学習塾Aにおいて生徒Uが学習する内容は適宜である。例えば、学習の内容は、進学、及び受験準備のための内容でもよいし、生徒Uが日常的に通う学校の授業の補習を目的とした内容でもよい。
【0012】
[家庭学習支援サービス]
図2は、家庭学習支援サービスの一例を示す図である。
本実施形態の家庭学習支援サービスは、図2に示すように、宿題提供サービスと、サポートサービスと、SNS(Social Networking Service)提供サービスと、を含む。
宿題提供サービスは、学習塾Aにおける授業の後に、生徒Uがその授業で学習した範囲に属する設問を含む宿題を生徒Uに与えることによって、授業で学習した範囲の習熟を促すサービスである。学習意欲の減退を抑え、また、効率的な学力向上を図るために、宿題には生徒Uの学力に応じた難易度の設問が用いられる。
【0013】
サポートサービスは、学習支援者Cが生徒Uとの間でインタラクティブなメッセージのやり取りを行うことにより、学習支援者Cが生徒Uの家庭学習をサポートするサービスである。学習支援者Cは、家庭学習支援装置30を操作する実在の人物であってもよいし、家庭学習支援装置30が実行する後述のプログラムPRによって実現された仮想的な人物であってもよい。本実施形態では、学習支援者Cは仮想的な人物であるとする。
生徒Uは、学習支援者Cとインタラクティブにメッセージをやり取りすることにより、学習支援者Cによって監視されている、又は見守られているという感覚が受けるため、学習意欲を維持、又は向上させることができる。以下の説明では、「学習支援者Cなどの第三者に監視されている、又は見守られているという感覚」を「被監視感」と称する。
【0014】
SNS提供サービスは、複数の生徒Uが交流するSNSを提供するサービスである。複数の生徒Uは、SNSでの交流によって、学習に関する情報を相互に交換したり、雑談を楽しんだりできる。
【0015】
本実施形態のサポートサービスは、図2に示すように、宿題関連通知サービス、質問回答サービス、及び雑談サービスを含む。
【0016】
宿題関連通知サービスは、学習支援者Cが宿題関連メッセージを生徒Uに送信するサービスである。宿題関連メッセージは、宿題に関連する宿題関連事項を通知するメッセージである。宿題関連事項には、例えば、宿題が新たに提供されたこと、提出期限が近付いたこと、宿題が未提出であること、宿題の採点が行われたこと、採点の結果、及び、誤答箇所を解き直して宿題を再提出すること、宿題範囲の情報を受け取ったことに対しての返信、並びに、週の最後に実施する今週の宿題に関しての総括などが挙げられる。
生徒Uは、宿題関連メッセージを受け取ることにより、家庭学習について次にやるべき事を把握し、学習作業を円滑に進めることができる。また、提出期限が近付いたことを通知する宿題関連メッセージは、提出期限までに十分に余裕のあるタイミングで生徒Uに送信されており、宿題の先延ばし、及び放置を抑制し、また宿題の品質低下を抑制できる。
【0017】
質問回答サービスは、学習に関する質問を告げる質問メッセージを生徒Uから受け付け、その質問メッセージの質問に対する回答を含む回答メッセージを学習支援者Cが速やかに返信するサービスである。この質問回答サービスにより、生徒Uは、学習に関する疑問を速やかに解消し、学習を円滑に進めることができる。
【0018】
雑談サービスは、学習支援者Cが生徒Uとの間で雑談に係るメッセージを送受するサービスである。本開示において、「雑談をすること」は、学習以外の内容のメッセージである雑談メッセージを送受すること、を意味する。
本実施形態の雑談サービスは、雑談メッセージを生徒Uから受け付け、その雑談メッセージに対して適切な内容の雑談応答メッセージを学習支援者Cが速やかに返信すること、及び、学習支援者Cが生徒Uに雑談を提供する雑談提供メッセージを所定の送信頻度で送ること、を含む。
雑談サービスにより、学習支援者Cに対する親近感を生徒Uに覚えさせ、質問を投げかける際の敷居を低くできる。
また、生徒Uが学習支援者Cに親近感を強く感じるほど被監視感も強くなる。この結果、生徒Uは、学習支援者Cから受け取る宿題関連メッセージに対して抵抗感を抱き難くなり、宿題関連メッセージの通知にしたがって学習作業を遂行し易くなる。
特に、雑談を通じて信頼関係を構築してからでないと、言うことを聞かないという性質を有する生徒Uであっても、雑談サービスによって学習支援者Cとの間で信頼関係を構築することがきる。
【0019】
さらにまた、本実施形態の宿題関連メッセージには、生徒Uを褒めるフレーズが含まれることがある。生徒Uは、被監視感を強く感じている状態において、褒めるフレーズを含む宿題関連メッセージを受け取ることにより、喜びが一層強くなり、学習意欲を維持、又は向上することがきる。
【0020】
ここで、本実施形態では、一般的な生徒Uは勿論のこと、学習が比較的苦手な生徒Uであっても学習意欲が維持、又は向上するように、宿題関連メッセージの内容、並びに、雑談提供メッセージの送信頻度が生徒Uごとに調整されている。
「学習が比較的苦手な生徒U」の一例は、「学力が相対的に低い、又は、標準より低い生徒U」であり、例えば、偏差値が「50」を下回る生徒である。偏差値の算定に用いられる母集団は適宜であり、例えば、生徒Uが日常的に通う学校、学習塾A、生徒Uが居住する地域、及び、当該地域が国などの範囲から適宜に選択される。
【0021】
一般に、学習が比較的苦手な生徒Uには、次の第1傾向から第5傾向の少なくとも1つの傾向を有する生徒Uが多い。
第1傾向は、自主学習、及び宿題を自発的に取りかからない、という傾向である。
第2傾向は、宿題を先延ばし、提出期限の直前に宿題に取りかかるため、宿題提出物の品質が悪い、という傾向である。
第3傾向は、被監視感覚が強いほど宿題に取りかかり易い、という傾向である。
第4傾向は、画一的な内容のメッセージに対して被監視感を感じ難い、という傾向である。
第5傾向は、メッセージの内容が画一的でない場合でも、例えば、生徒U自身の状況と整合しない内容の宿題関連メッセージを一度でも受け取ると、それまで宿題関連メッセージに被監視感を感じていても、それ以降に受け取る宿題関連メッセージに被監視感を感じなくなる、という傾向である。
【0022】
つまり、学習が比較的苦手な生徒Uについては、宿題関連メッセージの内容が画一的であると、宿題関連メッセージの通知を受け入れ難くなる、という問題がある。この問題に対し、生徒Uの個性ごとに複数の定型フレーズを予め設定し、生徒Uの個性に対応する1以上の定型フレーズを宿題関連メッセージに含めることで、宿題関連メッセージの内容にバリエーションを持たせる、という手法が考えられる。しかしながら、この手法では、同じ定型フレーズが何度も宿題関連メッセージに使われる場合があり、被監視感を損なわせる可能性が高い。
【0023】
そこで本実施形態では、かかる問題に対応するために、学習支援者Cから生徒Uに送る宿題関連メッセージの内容は、その生徒Uに対応する調整が施された宿題関連メッセージ要素に基づいて決定される。
【0024】
図3は、宿題関連メッセージ要素の一例を示す図である。
宿題関連メッセージ要素は、宿題関連メッセージの内容に影響を与える要素である。本開示において、「メッセージの内容」は、メッセージに含まれる文章、並びに、文章に記された事柄、及び趣意といった意味を含む。
図3に示すように、本実施形態の宿題関連メッセージ要素には、宿題関連要素、雑談要素、及び生徒適応要素の3つが設定されている。
宿題関連要素は、上述の宿題関連事項に対応する要素である。
雑談要素は、雑談に対応する要素であり、本実施形態では、生徒Uが興味又は関心を示す興味・関心事項に対応する。
生徒適応要素は、本開示における「学習者適応要素」の一例であり、宿題関連メッセージに用いられる文章を調整する調整事項を含む。例えば、調整事項は、褒めることを調整する項目、文章の口調を調整する項目、及び、宿題関連メッセージにおける宿題関連要素と雑談要素の優先順位、又は登場順位などを調整する項目、などを含む。
【0025】
宿題関連メッセージの内容が、生徒Uの興味・関心事項に対応する雑談要素を含むため、生徒Uが学習支援者Cに親近感を感じ易くなり、また、生徒Uと学習支援者Cとの信頼関係を構築され易くなる。
また、宿題関連メッセージの内容が生徒Uごとに調整されることにより、画一的な内容になることがなく、また、被監視感、及び信頼関係の低下を防止できる。この結果、学習が比較的苦手な生徒Uについても学習意欲を維持、又は向上させることができ、宿題の先延ばし、及び放置、並びに、宿題提出物の品質低下が抑えられる。
【0026】
また、上述の通り、本実施形態のサポートサービスでは、学習支援者Cから生徒Uに送られる雑談提供メッセージの送信頻度が生徒Uごとに調整されている。雑談提供メッセージの送信頻度が調整されることにより、学習支援者Cが適切な距離感で生徒Uと接することができ、信頼関係、及び被監視感を良好に維持できる。
【0027】
以下、かかる家庭学習支援サービスを提供する家庭学習支援システム1について、詳細に説明する。
【0028】
[家庭学習支援システムの構成]
本実施形態の家庭学習支援システム1は、前掲図1に示す通り、学習塾装置10と、複数のユーザ装置20と、家庭学習支援装置30と、を備える。学習塾装置10、複数のユーザ装置20、及び、家庭学習支援装置30は、それぞれ、ネットワークNWにアクセスし、ネットワークNWを介して互いに通信する。ネットワークNWは、例えばインターネット等の公衆通信回線を含む。
学習塾装置10は、学習塾Aのスタッフが使用する装置である。スタッフは、例えば、学習塾Aの講師B、塾長、及び事務員などである。複数のユーザ装置20は、それぞれ、学習塾Aに通う生徒Uが、上述の家庭学習支援サービスの提供を受けるために使用する装置である。家庭学習支援装置30は、本開示における「学習支援装置」の一例であり、ユーザ装置20を利用する生徒Uに対して上述の家庭学習支援サービスを提供する装置である。
【0029】
[学習塾装置]
図4は、学習塾装置10の電気的構成の一例を示す図である。
学習塾装置10は、図4に示すように、第1制御装置100と、第1記憶装置120と、第1通信装置130と、第1入力装置140と、第1表示装置150とを備え、それぞれが相互にデータ送受可能にバスに接続される。
【0030】
第1制御装置100は、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含む。CPUは、プロセッサーの一例であり、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む。CPUを含む装置はコンピュータの一例である。第1制御装置100は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路がCPUに代えて、又はCPUと併せて用いられてもよい。
【0031】
第1記憶装置120は、第1制御装置100が読み取り可能な記録媒体である。第1記憶装置120は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0032】
第1通信装置130は、ネットワークNWにアクセスし、このネットワークNWを介して他の装置と通信する、送受信デバイスとしてのハードウェアである。第1通信装置130は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び、通信モジュールとも呼ばれる。第1通信装置130は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインターフェース回路を備えてもよい。また、第1通信装置130は、無線通信インターフェースを備えてもよい。
【0033】
第1入力装置140は、スタッフの操作による入力を受け付け、この入力に応じた信号を第1制御装置100に出力する装置である。第1入力装置140の具体例は、ポインティングデバイス、タッチパネル、及びキーボードなどである。
第1表示装置150は、各種の情報を表示する装置である。第1表示装置150は、例えば、生徒Uの宿題実施に係る状況、及び、学習支援者Cと生徒Uとのやり取り等の各種の情報を表示し、例えば、塾長などのスタッフが当該情報を確認可能にする。
【0034】
本実施形態の学習塾装置10には、生徒基本情報E1、及び、学習範囲情報E2が学習塾Aのスタッフによって入力される。
生徒基本情報E1は、生徒Uの属性に関する属性情報、生徒Uの学力に関する学力情報、生徒Uが受ける授業に関する授業情報を含む。属性情報は、例えば、氏名、学年、性別などを含む。学力情報は、例えば、偏差値などを含む。授業情報は、生徒Uが受ける授業の予定日時などを含む。
生徒基本情報E1は、生徒Uが入塾した当初にスタッフによって学習塾装置10に入力され、その後の適宜のタイミングでスタッフによって更新される。また、学習塾装置10に入力又は更新された生徒基本情報E1は、ネットワークNWを通じて学習塾装置10から家庭学習支援装置30へ送信される。
学習範囲情報E2は、学習塾Aにおいて生徒Uが授業で学習した範囲の情報であり、その授業の後に、スタッフによって学習塾装置10に入力され、ネットワークNWを通じて当該学習塾装置10から家庭学習支援装置30へ送信される。なお、生徒Uが授業で学習した範囲と宿題の範囲とが異なる場合、学習範囲情報E2は、当該宿題の範囲の情報であってもよい。
【0035】
[ユーザ装置]
図5は、ユーザ装置20の電気的構成の一例を示す図である。
ユーザ装置20は、図5に示すように、第2制御装置200と、第2記憶装置220と、第2通信装置230と、第2入力装置240と、第2表示装置250と、を備え、それぞれが相互にデータ送受可能にバスに接続される。
【0036】
第2制御装置200は、1つ以上のCPUを含む。CPUは、プロセッサーの一例であり、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む。CPUを含む装置はコンピュータの一例である。第2制御装置200は、DSP、ASIC、PLD、及びFPGA等の回路がCPUに代えて、又はCPUと併せて用いられてもよい。
【0037】
第2記憶装置220は、第2制御装置200が読み取り可能な記録媒体である。第2記憶装置220は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0038】
第2通信装置230は、ネットワークNWにアクセスし、このネットワークNWを介して他の装置と通信する、送受信デバイスとしてのハードウェアである。第2通信装置230は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び、通信モジュールとも呼ばれる。第2通信装置230は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインターフェース回路を備えてもよい。また、第2通信装置230は、無線通信インターフェースを備えてもよい。
【0039】
第2入力装置240は、生徒Uの操作による入力を受け付け、この入力に応じた信号を第2制御装置200に出力する装置である。第2入力装置240の具体例は、ポインティングデバイス、タッチパネル、キーボード、カメラ、及び音声入力装置などである。
第2表示装置250は、各種の情報を表示する装置である。第2表示装置250は、ユーザ装置20に一体に設けられてもよいし、別体に設けられてもよい。
【0040】
ユーザ装置20の具体的な態様は、携帯型、据置型、又はウエアラブル型の情報処理装置である。携帯型の情報処理装置の例には、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、及びスマートフォンなどが挙げられる。据置型の情報処理装置の例には、デスクトップ型パーソナルコンピュータなどが挙げられる。ウエアラブル型の情報処理装置の例には、ヘッドマウントディスプレイなどが挙げられる。
【0041】
本実施形態のユーザ装置20は、家庭学習支援装置30から提供された宿題の受け取り、宿題提出物の作成、宿題提出物の提出、サポートサービスにおける各種のメッセージの送受信、宿題のヒントの受け取り、及び、解答解説の受け取りなどに用いられる。
【0042】
[家庭学習支援装置]
図6は、家庭学習支援装置30の電気的構成の一例を示す図である。
家庭学習支援装置30は、図6に示すように、第3制御装置300と、第3記憶装置320と、第3通信装置330と、を備え、それぞれが相互にデータ送受可能にバスに接続される。
【0043】
第3制御装置300は、1つ以上のCPUを含む。CPUは、プロセッサーの一例であり、周辺装置とのインターフェース、演算装置及びレジスタ等を含む。CPUを含む装置はコンピュータの一例である。第3制御装置300は、DSP、ASIC、PLD、及びFPGA等の回路がCPUに代えて、又はCPUと併せて用いられてもよい。
【0044】
第3記憶装置320は、第3制御装置300が読み取り可能な記録媒体である。第3記憶装置320は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0045】
第3通信装置330は、ネットワークNWにアクセスし、このネットワークNWを介して他の装置と通信する、送受信デバイスとしてのハードウェアである。第3通信装置330は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び、通信モジュールとも呼ばれる。第3通信装置330は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインターフェース回路を備えてもよい。また、第3通信装置330は、無線通信インターフェースを備えてもよい。
【0046】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、第3記憶装置320には、上述のプログラムPRと、生徒データベースG1と、設問データベースG2と、宿題管理データベースG3と、が記憶されている。
プログラムPRは、家庭学習支援装置30を制御するためのコンピュータプログラムである。
生徒データベースG1は、生徒Uに関する情報を記憶する記憶手段の一例である。本実施形態の生徒データベースG1は、生徒情報G11と、習熟度情報G12と、興味・関心情報G13と、メッセージ調整情報G14と、雑談頻度調整情報G15と、を対応付けて記憶する。
生徒情報G11は、学習塾装置10から受信した上述の生徒基本情報E1を含む。
習熟度情報G12は、学習範囲ごとの習熟度に関する情報を含む。
興味・関心情報G13は、生徒Uが興味を示す事項、及び、関心を示す事項に関する情報である。
メッセージ調整情報G14は、宿題関連メッセージの内容を生徒Uに応じて変化させるための情報を含み、具体的には、宿題関連メッセージ要素を生徒Uに応じて調整するための情報を含む。
雑談頻度調整情報G15は、雑談提供メッセージの送信頻度の調整に関する情報を含む。
【0047】
図7は、上述したメッセージ調整情報G14の一例を示す図である。
本実施形態のメッセージ調整情報G14は、図7に示すように、雑談要素調整情報G14Aと、生徒適応要素調整情報G14Bと、を含む。
雑談要素調整情報G14Aは、興味・関心情報G13に記録されている興味・関心事項ごとに、その興味・関心事項に関する話題を宿題関連メッセージに含めることを推奨する推奨度を示す情報である。興味・関心事項を宿題関連メッセージに含める場合、興味・関心事項の中から1つ以上が、推奨度に基づく確率の抽選によって決定される。
生徒適応要素調整情報G14Bは、本開示における「学習者適応要素調整情報」の一例であり、宿題関連メッセージの内容を、生徒Uのパーソナリティに応じて調整する調整事項ごとに、その調整後の値を示す情報である。図示例では、調整事項は、「褒める優先度」、「褒める頻度」、及び「メッセージ口調」を含む。「褒める優先度」は、宿題に関する複数の称賛事項の中の優先度を示す。称賛事項には、例えば、点数、提出率、提出期限厳守率、早期提出、質問の回数、及び、学習塾Aでの授業出席率などが含まれる。「褒める頻度」は、称賛事項の称賛を表すフレーズを宿題関連メッセージに含める頻度を示す。「メッセージ口調」は宿題関連メッセージに用いる文章の口調を示す。「絵文字使用頻度」は、文章における絵文字の使用頻度を示す。
【0048】
本実施形態において、メッセージ調整情報G14、及び雑談頻度調整情報G15のそれぞれの初期値は、例えば、生徒情報G11などの適宜の情報に基づいて設定される。
【0049】
図6に戻り、設問データベースG2は、宿題に用いられる設問に関する情報を記憶する記憶手段の一例である。本実施形態の設問データベースG2は、設問情報G21、及び採点用情報G22を、対応学習範囲情報G23、及び難易度情報G24と対応付けて記憶する。
設問情報G21は、設問のデータを含む情報である。
採点用情報G22は、生徒Uが提出した宿題提出物の採点に用いられる各種の情報を含む。採点用情報G22は、例えば、設問に対する正答例、解説、誤答例、及び誤答例の解答をした生徒Uを正解に導くためのコメントなどを含む。
対応学習範囲情報G23は、設問が属する学習範囲を示す情報を含む。
難易度情報G24は、設問の難易度を示す情報を含む。
【0050】
宿題管理データベースG3は、生徒Uへの宿題提供に関する情報を記憶する記憶手段の一例である。本実施形態の宿題管理データベースG3は、宿題提供基本情報G31、通知タイミング情報G32、宿題回収情報G33、及び採点結果情報G34を対応付けて記憶する。
宿題提供基本情報G31は、生徒Uに提供された宿題に関する情報を含む。宿題提供基本情報G31は、例えば、宿題の識別情報である宿題識別情報、生徒Uの識別情報である生徒識別情報、宿題の提供日、及び、宿題の提出期限などの情報などを含む。
通知タイミング情報G32は、上述した宿題関連事項ごとの通知タイミングを示す情報を含む。
宿題回収情報G33は、生徒Uから提出された宿題提出物に関する情報を含む。宿題回収情報G33は、例えば、宿題提出物の提出日、及び、提供日から提出日までの経過日数、現在までの宿題の提出率などの情報を含む。経過日数は、生徒Uの学習意欲を評価する指標の1つとして用いることができ、経過日数が長いほど学習意欲が低い傾向にあると評価できる。
採点結果情報G34は、宿題提出物の採点結果に関する情報を含む。採点結果情報G34は、例えば、正答率、回答率、得点、及び、不正解であった設問などを含む。正答率、及び回答率は、宿題提出物の品質を評価する指標の1つとして用いることができ、正答率、及び回答率が低いほど品質が悪いと評価できる。
【0051】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、第3制御装置300は、プログラムPRを実行することにより、宿題サービス提供部3100、SNS提供部3200、及びサポートサービス提供部3300として機能する。
宿題サービス提供部3100は、上述した宿題サービスの提供に係る機能部である。SNS提供部3200は、上述したSNSの提供に係る機能部である。サポートサービス提供部3300は、上述したサポートサービスの提供に係る機能部である。
【0052】
[宿題サービス提供部]
本実施形態の宿題サービス提供部3100は、難易度設定部3101と、設問決定部3102と、宿題提供部3103と、宿題回収部3104と、宿題採点部3105と、習熟度評価部3106と、を備える。
難易度設定部3101は、生徒Uの学力に応じた設問の難易度を設定する機能部である。具体的には、難易度設定部3101は、生徒Uの学力情報を生徒データベースG1の生徒情報G11から取得し、生徒Uの宿題に使用する設問の難易度を、当該学力情報に基づいて設定する。なお、難易度設定部3101は、学力情報の他に、習熟度情報G12などの他の情報を参照して難易度を設定してもよい。
【0053】
設問決定部3102は、難易度設定部3101によって設定された難易度、及び、学習塾Aで生徒Uが学習した学習範囲情報E2に対応する設問を、設問データベースG2に基づいて決定する。
【0054】
宿題提供部3103は、設問決定部3102によって決定された設問を含む宿題を生成し、第3通信装置330を制御することにより、当該宿題を生徒Uのユーザ装置20にネットワークNWを通じて提供する機能部である。宿題の提供形態は、プッシュ型配信、又はプル型配信のいずれでもよい。また、宿題提供部3103は、生徒Uに提供した宿題の提出期限などを含む上述の宿題提供基本情報G31を設定し、当該宿題提供基本情報G31を宿題管理データベースG3に記録する。また、宿題提供部3103は、宿題関連事項ごとの通知タイミングを示す通知タイミング情報G32を、宿題の提供日、及び提出期限などに基づいて設定し、当該通知タイミング情報G32を宿題管理データベースG3に記録する。
【0055】
宿題回収部3104は、第3通信装置330を制御することにより、生徒Uが提出する宿題提出物をユーザ装置20からネットワークNWを通じて取得する機能部である。また、宿題回収部3104は、宿題提出物を取得した場合、上述の宿題回収情報G33を宿題管理データベースG3に記録する。
【0056】
宿題採点部3105は、宿題回収部3104によって取得された宿題提出物を、設問データベースG2の採点用情報G22に基づいて採点する機能部である。また、宿題採点部3105は、宿題提出物の採点結果に基づいて上述の採点結果情報G34を生成し、当該採点結果情報G34を宿題管理データベースG3に記録する。
【0057】
習熟度評価部3106は、宿題採点部3105による採点結果に基づいて、学習範囲に対する生徒Uの学習習熟度を評価する機能部である。また、習熟度評価部3106は、学習習熟度の評価結果に基づいて、上述の習熟度情報G12を生徒データベースG1に記録する。なお、学習習熟度の評価手法は適宜であり、例えば、生徒Uの正答率、設問に対する回答の内容、及び回答時間などの情報に基づいて学習習熟度を評価してもよい。また、正答率、設問に対する回答の内容、及び回答時間などの情報は宿題採点部3105によって収集されてもよい。
【0058】
[SNS提供部]
本実施形態のSNS提供部3200は、SNSサイト提供部3201を備える。
SNSサイト提供部3201は、複数の生徒Uがメッセージ、画像、及び動画などのコンテンツを相互に送受することにより交流を図るSNSサイトを提供する機能部である。
なお、SNSサイト提供部3201が提供するSNSサイトに代えて、第三者によって提供されるSNSサイト、又はSNSサービスが用いられてもよい。
【0059】
[サポートサービス提供部]
本実施形態のサポートサービス提供部3300は、イベント発生検出部3301と、メッセージ生成部3302と、メッセージ修正部3303と、メッセージ送信制御部3304と、メッセージ受信制御部3305と、収集部3306と、調整情報更新部3307と、を備える。
【0060】
イベント発生検出部3301は、家庭学習支援装置30からユーザ装置20へ、サービスサポートに係る各種のメッセージの送信を要するイベントの発生を検出する機能部である。本実施形態において、イベントは、宿題関連通知イベント、質問回答イベント、及び雑談イベントの3つを含む。
宿題関連通知イベントは、宿題関連通知サービスにおいて宿題関連メッセージを家庭学習支援装置30からユーザ装置20へ送信するイベント、換言すれば、宿題関連事項の発生に係るイベントである。イベント発生検出部3301は、宿題管理データベースG3に記録された通知タイミング情報G32に基づいて、宿題関連通知イベントの発生を検出する。
質問回答イベントは、質問回答サービスにおける回答メッセージを家庭学習支援装置30からユーザ装置20へ送信するイベントである。イベント発生検出部3301は、質問メッセージが生徒Uから送られてきた場合に、当該質問回答イベントの発生を検出する。
雑談イベントは、雑談応答メッセージ、及び雑談提供メッセージを、家庭学習支援装置30からユーザ装置20へ送信するイベントである。イベント発生検出部3301は、雑談メッセージが生徒Uから送られてきた場合に雑談応答メッセージを送信するイベントの発生を検出し、また、生徒データベースG1に記録された雑談頻度調整情報G15に基づいて、雑談提供メッセージを送信するイベントの発生を検出する。
なお、本実施形態のイベント発生検出部3301は、生徒Uから送られてきたメッセージを自然言語処理することにより、そのメッセージが質問メッセージ、及び雑談メッセージのどちらに属するかを判定する。
【0061】
メッセージ生成部3302は、イベント発生検出部3301によってイベントの発生が検出された場合、そのイベントの種類に対応したメッセージを学習支援者Cに成り代わって生成する機能部である。本実施形態のメッセージ生成部3302は、人間がドラフトしたような自然な文章を生成するために、文章生成AI(Artificial Intelligence)部3302Aを備える。文章生成AI部3302Aは、大規模言語モデルを用いて構築され、プロンプトと称される入力と、その入力に対して適切な文章とを機械学習した学習済モデルである。当該学習済モデルは、プロンプトの入力に対して文章を出力する自然言語エンジンの一例である。
そして、メッセージ生成部3302は、イベント発生検出部3301によって検出されたイベントの種類に基づいてプロンプトを生成し、そのプロンプトに応じた文章を文章生成AI部3302Aによって出力する。
メッセージ生成部3302が文章生成AI部3302Aを用いて文章を生成するため、例えば、所定のフレーズを組み合わせて文章を生成したり、テンプレイートを用いて文章を生成したりする構成に比べ、宿題関連メッセージ要素によってプロンプトをパターン化しても、宿題関連メッセージ要素に応じた様々な文章を生成できる。
【0062】
イベントの種類ごとのメッセージ生成について詳述すると、イベントの種類が質問回答イベントである場合、メッセージ生成部3302は、質問メッセージに基づくプロンプトを生成し、その質問メッセージに回答する回答文を文章生成AI部3302Aによって出力する。
また、イベントの種類が雑談イベントであって、雑談応答メッセージを送信するイベントである場合、メッセージ生成部3302は、生徒Uの雑談メッセージに基づくプロンプトを生成し、その雑談メッセージに応答する応答文を文章生成AI部3302Aによって出力する。
また、イベントの種類が雑談イベントであって、雑談提供メッセージを送信するイベントである場合、メッセージ生成部3302は、生徒データベースG1に記録された興味・関心情報G13に基づいてプロンプトを生成し、興味・関心情報G13が示す興味・関心事項を話題とした雑談文を文章生成AI部3302Aによって出力する。
また、イベントの種類が学習関連通知イベントである場合、メッセージ生成部3302は、宿題関連メッセージ要素、及びメッセージ調整情報G14に基づいてプロンプトを生成し、宿題関連メッセージに用いる文章を文章生成AI部3302Aによって出力する。メッセージ調整情報G14に基づいてプロンプトが生成されることにより、生徒Uに応じて調整された文章が生成される。
【0063】
なお、イベントの種類が質問回答イベント、及び雑談イベントの場合においても、メッセージ生成部3302は、メッセージ調整情報G14の情報をプロンプトの生成に用いてもよい。
【0064】
メッセージ修正部3303は、メッセージ生成部3302によって出力されたメッセージの文章を修正する機能部であり、具体的には、修正項目を機械学習した学習済モデルを含む文章修正AI部3303Aを備える。修正項目は、例えば、サポートサービスに用いる各種のメッセージに関する文章に用いる語彙、その文章での使用を禁止するNGワード、メッセージ口調、及び、文章の誤記などである。メッセージ生成部3302によって出力された文章がメッセージ修正部3303によって修正されることで、AIの性能等に起因した文章の不自然が解消され、人間がドラフトした文章と判別し難くできる。
【0065】
本実施形態において、文章生成AI部3302Aの学習済モデルは、メッセージ修正部3303の修正結果、又は、生徒Uに送信されたメッセージに基づいて適宜のタイミングで再学習が行われ、プロンプトに対するメッセージの正確性が順次に高められる。
【0066】
メッセージ送信制御部3304は、メッセージ修正部3303によって修正されたメッセージを、第3通信装置330を制御することにより、ネットワークNWを介してユーザ装置20へ送信する機能部である。
メッセージ受信制御部3305は、第3通信装置330を制御することにより、ネットワークNWを介してユーザ装置20から送信されたメッセージを受信する機能部である。
メッセージ受信制御部3305がユーザ装置20からメッセージを受信した場合、イベント発生検出部3301によって質問回答イベント、又は雑談イベントの発生が検出され、回答メッセージ、又は雑談応答メッセージの送信が行われる。この一連の動作により、生徒Uと学習支援者Cとの間でのインタラクティブなメッセージの送受が実現される。
【0067】
収集部3306は、本開示における「収集手段」の一例である。収集部3306は、生徒Uの興味・関心事項を収集し、収集された興味・関心事項を生徒データベースG1の関心情報G13に記録する機能部である。
具体的には、収集部3306は、生徒UがSNSサイトに投稿したコンテンツ、及び、生徒Uがサポートサービスにおいて学習支援者Cへ送信した各種のメッセージに基づいて、生徒Uの興味・関心事項を特定することにより、当該興味・関心事項を収集する。趣味、及び興味などの関心事を生徒Uに尋ねる内容を雑談提供メッセージに含めることにより、その返信メッセージから、その生徒Uの関心事を収集してもよい。
収集部3306の収集動作により、生徒Uが興味又は関心を有する確度が高い興味・関心事項を効率良く収集できる。
【0068】
また、本実施形態の収集部3306は、関心情報G13に含まれる興味・関心事項を削除する機能を備える。具体的には、収集部3306は、流行の事項を示す興味・事項を、その流行が生じたときからの経過時間に基づいて削除する。また、収集部3306は、時事的な事項を示す興味・関心事を、その事項が世の中で生じた日時からの経過時間に基づいて削除する。この削除動作により、既に流行が過ぎ去った事項、及び、鮮度が落ちて話題性が乏しくなった事項に係る興味・関心事項が雑談要素として決定され、生徒Uに違和感を与えることが防止される。
【0069】
調整情報更新部3307は、生徒Uの家庭学習の向上度を示す指標値に基づいて、その生徒Uのメッセージ調整情報G14を更新する機能部である。「家庭学習の向上度」は、例えば、学力の向上度、及び、家庭学習に取り込む態度の向上度などの意味を含む。家庭学習の向上度を示す指標値には、例えば、宿題の提出率、学習習熟度の変化、学習支援者Cへのメッセージの送信頻度、学習意欲、及び宿題提出物の品質などが挙げられる。メッセージ調整情報G14が、生徒Uの家庭学習の向上度を示す指標値に基づいて更新されることにより、メッセージ生成部3302によって生成される学習関連メッセージの内容が、生徒Uの家庭学習の向上度を高めるように生徒Uごとに最適化される。したがって、一般的な生徒Uは勿論のこと、学習が比較的苦手な生徒Uに対しても、生徒Uの家庭学習の向上度が高められるように最適化された内容の習関連メッセージが送られるため、当該生徒Uの学習意欲の維持、又は向上を図ることができる。
【0070】
また、本実施形態の調整情報更新部3307は、雑談頻度調整情報G15を、雑談提供メッセージに対して生徒Uが返信した割合である返信率に基づいて変更する機能部でもある。雑談頻度調整情報G15が返信率に基づいて変更されることにより、雑談に対する生徒Uの苦手度や積極度などが反映された送信頻度に生徒Uごとに最適化される。この結果、学習支援者Cが適切な距離感で生徒Uと接することができ、信頼関係、及び被監視感を良好に維持できる。
【0071】
[家庭学習支援装置の動作]
次いで、家庭学習支援装置30の動作として、サポートサービスの宿題関連通知サービスに係る動作を示す説明する。
図8は、宿題関連通知サービス処理の一例を示すフローチャートである。
家庭学習支援装置30において、イベント発生検出部3301が、宿題関連通知イベントの発生を検出した場合(ステップSa1:Yes)、メッセージ生成部3302が、宿題関連メッセージ要素と、メッセージ調整情報G14とに基づいてプロンプトを決定し、そのプロンプトに応じた文章を文章生成AI部3302Aによって生成する(ステップSa2)。
【0072】
詳述すると、メッセージ生成部3302は、宿題関連メッセージ要素のうちの宿題関連要素を、宿題関連通知イベントの発生要因となった宿題関連事項に基づいて設定する。
また、メッセージ生成部3302は、宿題関連メッセージ要素のうちの雑談要素を、雑談要素調整情報G14Aに基づいて決定する。上述の通り、雑談要素調整情報G14Aには、生徒Uの興味・関心事項と、推奨度とが対応付けられており、メッセージ生成部3302は、推奨度に基づく確率の抽選によって1つ以上の興味・関心事項を決定する。この結果、興味・関心事項が確率的に決定されるため、雑談要素に用いられる興味・関心事項にランダム性を生じさせ、連続で同じ興味・関心事項が選択され難くできる。また、推奨度が低い興味・関心事項も雑談要素に用いられることがあるため、生徒Uにとって意外なタイミングでその興味・関心事項に関する雑談を提供し、その雑談に対する生徒Uの反応を収集できる。なお、メッセージ生成部3302が興味・関心事項を決定した場合、その興味・関心事項の推奨度を調整情報更新部3307が下げることにより、その興味・関心事項が次の機会に、さらに選ばれ難くしてもよい。
【0073】
そして、メッセージ生成部3302は、宿題関連要素、雑談要素、及び、生徒適応要素調整情報G14Bによって調整された生徒適応要素に基づいてプロンプトを決定し、当該プロンプトに応じた文章を文章生成AI部3302Aによって生成する。この結果、生徒Uの興味・関心事項を含むだけではなく、生徒適応要素調整情報G14Bによって生徒Uのパーソナリティに合わせて調整され、学習支援者Cが生徒Uのことを深く理解しているという印象を与える宿題関連メッセージが得られる。
【0074】
図9は、プロンプトの一例を示す図である。
図示例では、メッセージ生成部3302は、宿題関連要素、雑談要素、及び、生徒適応要素に加え、生徒Uの情報を示す「生徒情報」、及び、注意事項、制限事項、及び、他の要求事項を示す「付加情報」を含めてプロンプトを生成する。このように「生徒情報」、及び、「付加情報」をプロンプトに含めることで、より生徒Uの状況に適した文章を文章生成AI部3302Aによって生成できる。
【0075】
なお、図9のプロンプトはあくまでも一例であり、適宜に変更可能である。
例えば、同じ生徒Uに対し、同じ宿題関連事項の通知のために送られた過去の宿題関連メッセージの文章をプロンプトに含めてもよい。この結果、過去の文章に倣った文章が得られるため、同じ生徒Uに送られる文章の雰囲気に統一性を持たせることができる。
【0076】
図8に戻り、メッセージ修正部3303は、メッセージ生成部3302によって出力された文章を修正する(ステップSa3)。この場合において、メッセージ修正部3303による修正に加え、又は、メッセージ修正部3303による修正に代えて、例えば、学習支援者Cを請け負った人間が手動で文章を修正してもよい。
【0077】
図10、及び図11は、それぞれ、修正前の文章、修正後の文章、及び修正理由の一例を示す図である。
図示例に示すように、メッセージ生成部3302の文章が、メッセージ修正部3303によって、人間がドラフトした文章に近付くように修正される。
【0078】
前掲図8に戻り、その後、メッセージ送信制御部3304がメッセージ修正部3303によって修正されたメッセージを、第3通信装置330を制御することにより、ネットワークNWを介してユーザ装置20へ送信する(ステップSa4)。
この結果、生徒Uの学習意欲の維持、及び向上が得られる観点、及び、生徒Uのパーソナリティに応じて観点で最適化された内容の学習関連メッセージが、生徒Uに届けられる。
【0079】
また、上記ステップSa1において、宿題関連通知イベントの発生が検出されなかった場合(ステップSa1:No)、調整情報更新部3307が、生徒Uの家庭学習の向上度を示す上述の指標値に基づいて、その生徒Uのメッセージ調整情報G14を更新することにより、メッセージ調整情報G14の最適化が行われる(ステップSa5)。この結果、ステップSa2において、メッセージ生成部3302によって生成される宿題関連メッセージの内容が、生徒Uの家庭学習の向上度を高めるように生徒Uごとに最適化されることとなる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の家庭学習支援装置30は、学習支援者Cから生徒Uへ送る宿題関連メッセージを生成するメッセージ生成部3302と、このメッセージ生成部3302によって生成された宿題関連メッセージを生徒Uへ送信する制御を実行するメッセージ送信制御部3304と、宿題関連メッセージの内容を生徒Uごとに調整するメッセージ調整情報G14を記憶する生徒データベースG1と、メッセージ調整情報G14を生徒Uの学習の向上度に基づいて更新する調整情報更新部3307と、を備える。そして、メッセージ生成部3302は、調整情報更新部3307によって更新されたメッセージ調整情報G14に基づいて宿題関連メッセージを生成する。
この構成によれば、メッセージ調整情報G14が、生徒Uの家庭学習の向上度に基づいて更新されることにより、学習関連メッセージの内容が、生徒Uの家庭学習の向上度を高めるように生徒Uごとに最適化される。したがって、一般的な生徒Uは勿論のこと、学習が比較的苦手な生徒Uに対しても、生徒Uの家庭学習の向上度が高められるように最適化された内容の習関連メッセージが送られるため、当該生徒Uの学習意欲の維持、又は向上を図ることができる。
【0081】
本実施形態の家庭学習支援装置30は、生徒Uが興味又は関心を示す興味・関心事項を収集する収集部3306を備える。また、宿題関連メッセージは、学習に関連する学習関連事項に対応する学習関連要素と、学習支援者Cから生徒Uへ提供する雑談に対応する雑談要素と、を含む。また、メッセージ調整情報G14は、生徒Uの興味・関心事項ごとに、宿題関連メッセージに用いることを推奨する推奨度を示す雑談要素調整情報G14Aを含む。そして、メッセージ生成部3302は、学習関連要素と、推奨度に基づいて決定された興味・関心事項と、に基づいて、学習関連メッセージを生成する。
この構成によれば、学習関連要素を含む学習関連メッセージの内容に、雑談要素が盛り込まれ、生徒Uが学習支援者Cに親近感を感じ易くなり、また、生徒Uと学習支援者Cとの信頼関係が構築され易くなる。
【0082】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、メッセージ生成部3302は、生徒Uの興味・関心事項を1つ以上、推奨度に基づく確率の抽選によって決定する。
この構成によれば、興味・関心事項が確率的に決定されるため、雑談要素に用いられる興味・関心事項にランダム性を生じさせ、連続で同じ興味・関心事項が選択され難くできる。また、推奨度が低い興味・関心事項も雑談要素に用いられることがあるため、生徒Uにとって意外なタイミングでその興味・関心事項に関する雑談を提供し、その雑談に対する生徒Uの反応を収集できる。
【0083】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、収集部3306は、生徒Uから学習支援者Cへ送られた雑談メッセージ、及び、生徒UがSNS(ソーシャルネットワークサービス)に投稿したコンテンツの少なくともいずれか1つに基づいて、生徒Uの興味・関心事項を収集する。
この構成によれば、生徒Uが興味又は関心を有する確度が高い興味・関心事項を効率良く収集し、学習関連メッセージの雑談要素に用いることができる。
【0084】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、収集部3306は、収集した事項のうち、流行に関する事項、又は、時事的な事項を、当該事項が収集されたときからの経過時間に基づいて削除する。
この構成によれば、既に流行が過ぎ去った事項、及び、鮮度が落ちて話題性が乏しくなった事項に係る興味・関心事項が雑談要素として決定され、生徒Uに違和感を与えてしまうことが防止される。
【0085】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、宿題関連メッセージは、その宿題関連メッセージに用いられる文章を調整する調整事項を含む生徒適応要素を更に含み、また、メッセージ調整情報G14は、生徒適応要素の調整事項について、その生徒のパーソナリティに応じた調整値を示す生徒適応要素調整情報G14Bを含む。そして、メッセージ生成部3302は、学習関連要素と、推奨度に基づいて決定された興味・関心事項と、生徒適応要素調整情報G14Bの調整値と、に基づいて、宿題関連メッセージを生成する。
この構成によれば、生徒Uの興味・関心事項を含むだけではなく、生徒適応要素調整情報G14Bによって生徒Uのパーソナリティに合わせて調整され、学習支援者Cが生徒Uのことを深く理解しているという印象を与える宿題関連メッセージが得られる。
【0086】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、メッセージ生成部3302は、自然言語エンジンを有する文章生成AI部3302Aを備える。この文章生成AI部3302Aは、学習関連要素、雑談要素、及び生徒適応要素調整情報G14Bに基づいて設定されたプロンプトに対応する文章を出力する。
この構成によれば、所定のフレーズを組み合わせて文章を生成したり、テンプレイートを用いて文章を生成したりする構成に比べ、プロンプトがパターン化されていても、学習関連要素、雑談要素、及び生徒適応要素調整情報G14Bに応じた様々な文章を生成できる。
【0087】
本実施形態の家庭学習支援装置30は、メッセージ生成部3302によって生成された宿題関連メッセージの文章を修正するメッセージ修正部3303を備える。
この構成によれば、メッセージ生成部3302によって出力された文章がメッセージ修正部3303によって修正されることで、AIの性能等に起因した文章の不自然が解消され、人間がドラフトした文章と判別し難くできる。
【0088】
本実施形態の家庭学習支援装置30において、メッセージ生成部3302は、学習支援者Cから生徒Uへ雑談を提供する雑談提供メッセージを生成する。また、生徒データベースG1は、雑談提供メッセージの送信頻度が生徒Uごとに調整された雑談頻度調整情報G15を記憶する。そして、メッセージ送信制御部3304は、雑談頻度調整情報G15によって示される送信頻度で雑談提供メッセージを生徒Uへ送信する制御を実行する。
この構成によれば、雑談提供メッセージの送信頻度が生徒Uごとに調整されることにより、学習支援者Cが適切な距離感で生徒Uと接することができ、信頼関係、及び被監視感を良好に維持できる。
【0089】
2.変形例
以上に例示した実施形態に付加される変形の形態を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の形態を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0090】
(1)
学習者は学習塾Aに通う生徒Uに限定されない。例えば、学習者は、学生でもよく、社会人でもよい。学習は家庭学習に限定されない。例えば、学習は、学校、会社、及びセミナーなどでの学習でもよい。学習対象は、学習塾Aの授業などの学業に限定されない。例えば、学習対象は、学業、又は、そろばん、習字、及び絵画などの習い事でもよい。
【0091】
(2)
文章生成AI部3302A、及び文章修正AI部3303Aは、家庭学習支援装置30と別体の装置、又はシステムに設けられてもよい。
【0092】
3.その他
(1)上述した実施形態では、第1記憶装置120、第2記憶装置220、及び第3記憶装置320としてROM及びRAM等が例示されたが、第1記憶装置120、第2記憶装置220、及び第3記憶装置320は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体であってもよい。
【0093】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号等は、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0094】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0095】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0096】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素が提示されており、提示された特定の順序に限定されない。
【0097】
(6)実施形態で参照した1又は複数の図に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線等を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0098】
(7)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0099】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び無線技術(赤外線、マイクロ波等)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0100】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0101】
(9)本開示において説明した情報、パラメータ等は、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0102】
(10)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は、「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等を用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0103】
(11)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0104】
(12)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」等で読み替えられてもよい。
【0105】
(13)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0106】
(14)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0107】
(15)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBが夫々Cと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0108】
(16)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…家庭学習支援システム、10…学習塾装置、20…ユーザ装置、30…家庭学習支援装置、300…第3制御装置、320…第3記憶装置、330…第3通信装置、3300…サポートサービス提供部、3301…イベント発生検出部、3302…メッセージ生成部、3302A…文章生成AI部、3303…メッセージ修正部、3303A…文章修正AI部、3304…メッセージ送信制御部、3305…メッセージ受信制御部、3306…収集部、3307…調整情報更新部、C…学習支援者、G1…生徒データベース、G11…生徒情報、G12…習熟度情報、G13…関心情報、G14…メッセージ調整情報、G14A…雑談要素調整情報、G14B…生徒適応要素調整情報、G15…雑談頻度調整情報、PR…プログラム、U…生徒。
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