(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011887
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】棒体、棒体の連結装置および環境保全資材連結体
(51)【国際特許分類】
E02D 17/20 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
E02D17/20 103F
E02D17/20 103G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114297
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】507395441
【氏名又は名称】株式会社パルパルス
(74)【代理人】
【識別番号】100194249
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】石森 良房
(72)【発明者】
【氏名】岡部 宏秋
(72)【発明者】
【氏名】石森 絵里香
【テーマコード(参考)】
2D044
【Fターム(参考)】
2D044DB02
2D044DB32
2D044DB33
2D044DB41
2D044DB43
(57)【要約】
【課題】互いの連結を容易とすると共に高い引張強度を確保できる連結継手構造を備えた棒体の提供。
【解決手段】棒体1は、鋼線、鉄筋等の剛性を有する細長い略直線の棒状に形成された棒体本体部10と、棒体本体部10の両端部に設けられ、棒体本体部10の軸方向一端部から反対端部側に向けて折り曲げて所定半径の湾曲した湾曲部12aが形成され、湾曲部12aから棒体本体部10の軸方向反対端部側に向けて延出部12bが延び、さらに延出部12bの先端部から棒体本体部10の軸方向一端部に向けて折り曲げられ全体としてS字を描くヘアピンカーブ状に形成された輪部11と、棒体本体部10と各延出部12bとの間にそれぞれ跨って設けられ、棒体本体部10と各延出部12bを取り囲み、棒体本体部10に対して各延出部12bの拡開方向への移動を阻止する拡開阻止部材14と、を有する構成とした。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼線、鉄筋等の剛性を有する細長い略直線の棒状に形成された棒体本体部と、
前記棒体本体部の両端部に設けられ、前記棒体本体部の軸方向一端部から反対端部側に向けて折り曲げて所定半径の湾曲した湾曲部が形成され、前記湾曲部から前記棒体本体部の軸方向反対端部側に向けて延出部が延び、さらに前記延出部の先端部から前記棒体本体部の軸方向一端部に向けて折り曲げられ全体としてS字を描くヘアピンカーブ状に形成された輪部と、
前記棒体本体部と前記各延出部との間にそれぞれ跨って設けられ、前記棒体本体部と前記各延出部を取り囲み、前記棒体本体部に対して前記各延出部の拡開方向への移動を阻止する拡開阻止部材と、
を有する棒体。
【請求項2】
請求項1に記載の棒体において、
前記棒体本体部の両端部に設けられる前記輪部は、前記各輪部の湾曲部の平面が平行に揃えられていることを特徴とする棒体。
【請求項3】
請求項1に記載の棒体において、
前記棒体本体部に、外力により変形する緩衝部を設けたことを特徴とする棒体。
【請求項4】
請求項1に記載の棒体において、
前記棒体本体部の両端部に設けられる前記輪部の各延出部は、ヘアピン形状に形成され、先端部が前記棒体本体部に対して外側に折り曲げられていることを特徴とする棒体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の棒体において、前記拡開阻止部材は、線材を螺旋状に間隔を有して複数巻きに巻回した螺旋構造としたことを特徴とする棒体。
【請求項6】
請求項2に記載の棒体を複数本連結する棒体の連結装置であって、
第1棒鋼本体の表面に螺旋状の節が所定ピッチで突出形成されたネジフシを備えた連結ピンと、
前記連結ピンに軸方向に沿って間隔を有して螺着される線材を螺旋状に巻回し、隣接する前記線材間に前記連結ピンの前記ネジフシと螺合する螺旋状の螺旋隙間を形成し、内径が前記第1棒鋼本体の直径よりも大径で前記ネジフシ直径よりも小径とすると共に前記ネジフシに対して軸方向に遊びを有し、外径を前記棒体の湾曲部の内径よりも大きくした第1螺着体本体部を有する一対の第1螺着体と、
を有し、
複数本の前記棒体の前記各輪部を重ね合わせた状態で前記重ね合わされた前記各輪部の各湾曲部に前記連結ピンが挿通されると共に前記重ね合わされた前記各輪部を前記一対の第1螺着体間に配置したことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項7】
請求項6に記載の棒体の連結装置において、
前記一対の第1螺着体の少なくとも一方の第1螺着体は、前記第1螺着体本体部の線材巻き一端側から外方に向けて第1アーム部を延出したことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の棒体の連結装置において、
前記複数の棒体は前記連結ピンに3本連結され、2本の前記棒体は前記連結ピンを介して略直列に連結され、他の一本の前記棒体は、前記連結ピンを中心として2本の前記棒体の間の任意の角度位置に配置したことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項9】
請求項6または7に記載の棒体の連結装置において、
前記棒体の湾曲部の内径は、前記連結ピンの外径よりも大径に形成し、前記棒体と前記連結ピンは前記連結ピンの軸回りに対して相対的に回転可能としたことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項10】
請求項6に記載の棒体の連結装置において、
第2棒鋼本体の表面に螺旋状の節が所定ピッチで突出形成されたネジフシを備えたアンカーと、
前記アンカーに軸方向に沿って間隔を有して螺着される線材を螺旋状に巻回し、隣接する前記線材間に前記アンカーの前記ネジフシと螺合する螺旋状の螺旋隙間を形成し、内径が前記アンカーの第2棒鋼本体の直径よりも大径で前記ネジフシ直径よりも小径とすると共に前記ネジフシに対して軸方向に遊びを有し、外径を前記棒体の湾曲部の内径よりも大きくした第2螺着体本体部を有する一対の第2螺着体と、
を有し、
前記複数の棒体のうちで一方の前記輪部のみに前記連結ピンが挿通される棒体における他方の前記輪部に前記アンカーが挿通されると共に、他方の前記輪部を前記一対の第2螺着体間に配置したことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項11】
請求項10に記載の棒体の連結装置において、
前記一対の第2螺着体の少なくとも一方の第2螺着体は、前記第2螺着体本体部の線材巻き一端側から外方に向けて第2アーム部を延出したことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の棒体の連結装置において、
前記アンカーに挿通される前記棒体の他方の前記輪部の湾曲部の内径は、前記アンカーの外径よりも大径に形成し、前記棒体と前記アンカーは前記アンカーの軸回りに対して相対的に回転可能としたことを特徴とする棒体の連結装置。
【請求項13】
請求項10または11に記載の棒体の連結装置を構成する直列に連結された前記複数の棒体に環境保全資材が取り付けられていることを特徴とする環境保全資材連結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼線あるいは鉄筋等の細長い剛性を有する直線状の棒状部材を連結する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
雨水等により傾斜地等で生じる土壌侵食を阻止する技術として山腹保全資材等の環境保全資材が提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示の環境保全資材は、円筒形状のスケルトン構造に形成され、山腹の傾斜地に横置きにして設置される。環境保全資材は、長手方向を土砂礫等の流走方向に対して直交する方向に沿って設置される。傾斜地等に設置される1基の環境保全資材には、径方向の中心部に長手方向に沿って索体であるワイヤーケーブルが挿通される。複数基の環境保全資材を連設する場合、隣接する環境保全資材に挿通されるワイヤーケーブルの両挿通端部をコイル巻き連結部により連結し、両端の環境保全資材から長手方向外方に延出する挿通端部がアンカー杭にアンカー部を介して連結され、環境保全資材を保持する。
【0003】
前記コイル巻き連結部は、隣接するワイヤーケーブルの両挿通端部をそれぞれボルトの軸部に巻き付け、さらにボルトの軸部から折り返したワイヤーケーブルの先端部がそのケーブルワイヤーに固定具により把持固定される。前記アンカー部は、ワイヤーケーブルの端部に形成した輪部を抜け止めキャップを介してアンカー杭に通し、ワイヤーケーブルの端部がアンカー杭から抜けないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-80686号公報(段落0088-0103、
図10、
図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたワイヤーケーブルのコイル巻き連結部の連結作業は、環境保全資材を山腹の荒廃した傾斜地等に設置した後に行われるが、ワイヤーケーブルは高強度で高反発性を備えているため、環境保全資材の設置現場でボルトにワイヤーケーブルの端部を巻回する作業は困難で、固定具でワイヤーケーブルの先端部を固定する作業にはペンチ等の締付器具を用いて締め付ける必要がある。また、アンカー部は、アンカー杭の上部に抜け止め輪用の通し孔を設けるといった加工が必要となり、また通し孔から錆が発生し易く、アンカー杭の寿命が短くなる。
【0006】
本願発明者は、ワイヤーケーブルを用いずに環境保全資材の保持を可能とする資材として鋼線あるいは鉄筋等の細長い剛性を有する直線状の棒状部材に着目し、本発明を為すに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明の目的は、互いの連結を容易とすると共に高い引張強度を確保できる連結継手構造を備えた棒体の提供と、棒体の連結作業を容易とする棒体の連結装置の提供および複数の環境保全資材を迅速に所定の場所に設置できる環境保全資材連結体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を実現する棒体の第1発明は、鋼線、鉄筋等の剛性を有する細長い略直線の棒状に形成された棒体本体部と、前記棒体本体部の両端部に設けられ、前記棒体本体部の軸方向一端部から反対端部側に向けて折り曲げて所定半径の湾曲した湾曲部が形成され、前記湾曲部から前記棒体本体部の軸方向反対端部側に向けて延出部が延び、さらに前記延出部の先端部から前記棒体本体部の軸方向一端部に向けて折り曲げられ全体としてS字を描くヘアピンカーブ状に形成された輪部と、前記棒体本体部と前記各延出部との間にそれぞれ跨って設けられ、前記棒体本体部と前記各延出部を取り囲み、前記棒体本体部に対して前記各延出部の拡開方向への移動を阻止する拡開阻止部材と、を有する構成とすることができる。
【0009】
本発明の目的を実現する棒体の第2発明は、第1発明の棒体において、前記棒体本体部の両端部に設けられる前記輪部は、前記各輪部の湾曲部の平面が平行に揃えられた構成とすることができる。
【0010】
本発明の目的を実現する棒体の第3発明は、第1発明の棒体において、前記棒体本体部に、外力により変形する緩衝部を設けた構成とすることができる。
【0011】
本発明の目的を実現する棒体の第4発明は、第1発明の棒体において、前記棒体本体部の両端部に設けられる前記輪部の各延出部は、ヘアピン形状に形成され、先端部が前記棒体本体部に対して外側に折り曲げられた構成とすることができる。
【0012】
本発明の目的を実現する棒体の第5発明は、第1から第4発明の棒体のいずれかにおいて、前記拡開阻止部材は、線材を螺旋状に間隔を有して複数巻きに巻回した螺旋構造とすることができる。
【0013】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第6発明は、第2発明の棒体を複数本連結する棒体の連結装置であって、第1棒鋼本体の表面に螺旋状の節が所定ピッチで突出形成されたネジフシを備えた連結ピンと、前記連結ピンに軸方向に沿って間隔を有して螺着される線材を螺旋状に巻回し、隣接する前記線材間に前記連結ピンの前記ネジフシと螺合する螺旋状の螺旋隙間を形成し、内径が前記第1棒鋼本体の直径よりも大径で前記ネジフシ直径よりも小径とすると共に前記ネジフシに対して軸方向に遊びを有し、外径を前記棒体の湾曲部の内径よりも大きくした第1螺着体本体部を有する一対の第1螺着体と、を有し、複数本の前記棒体の前記各輪部を重ね合わせた状態で前記重ね合わされた前記各輪部の各湾曲部に前記連結ピンが挿通されると共に前記重ね合わされた前記各輪部を前記一対の第1螺着体間に配置した構成とすることができる。
【0014】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第7発明は、第6発明の棒体の連結装置において、前記一対の第1螺着体の少なくとも一方の第1螺着体は、前記第1螺着体本体部の線材巻き一端側から外方に向けて第1アーム部を延出した構成とすることができる。
【0015】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第8発明は、第6または第7発明の棒体の連結装置において、前記複数の棒体は前記連結ピンに3本連結され、2本の前記棒体は前記連結ピンを介して略直列に連結され、他の一本の前記棒体は、前記連結ピンを中心として2本の前記棒体の間の任意の角度位置に配置した構成とすることができる。
【0016】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第9発明は、第6または第7発明の棒体の連結装置において、前記棒体の湾曲部の内径は、前記連結ピンの外径よりも大径に形成し、前記棒体と前記連結ピンは前記連結ピンの軸回りに対して相対的に回転可能とする構成とすることができる。
【0017】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第10発明は、第6発明の棒体の連結装置において、第2棒鋼本体の表面に螺旋状の節が所定ピッチで突出形成されたネジフシを備えたアンカーと、前記アンカーに軸方向に沿って間隔を有して螺着される線材を螺旋状に巻回し、隣接する前記線材間に前記アンカーの前記ネジフシと螺合する螺旋状の螺旋隙間を形成し、内径が前記アンカーの第2棒鋼本体の直径よりも大径で前記ネジフシ直径よりも小径とすると共に前記ネジフシに対して軸方向に遊びを有し、外径を前記棒体の湾曲部の内径よりも大きくした第2螺着体本体部を有する一対の第2螺着体と、を有し、前記複数の棒体のうちで一方の前記輪部のみに前記連結ピンが挿通される棒体における他方の前記輪部に前記アンカーが挿通されると共に、他方の前記輪部を前記一対の第2螺着体間に配置した構成とすることができる。
【0018】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第11発明は、第10発明の棒体の連結装置において、前記一対の第2螺着体の少なくとも一方の第2螺着体は、前記第2螺着体本体部の線材巻き一端側から外方に向けて第2アーム部を延出した構成とすることができる。
【0019】
本発明の目的を実現する棒体の連結装置の第12発明は、第10または第11発明の棒体の連結装置において、前記アンカーに挿通される前記棒体の他方の前記輪部の湾曲部の内径は、前記アンカーの外径よりも大径に形成し、前記棒体と前記アンカーは前記アンカーの軸回りに対して相対的に回転可能とする構成とすることができる。
【0020】
本発明の目的を実現する環境保全資材連結体の第13発明は、第10または第11発明の棒体の連結装置を構成する直列に連結された前記複数の棒体に環境保全資材が取り付けられた構成とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
第1発明の棒体によれば、輪部で構成される連結継手構造により互いの連結を容易とすることができ、高い引張強度を確保することができる。
【0022】
第2発明の棒体によれば、複数の棒体の全ての輪部が同じ平面に向くので、輪部を使用して同じ仕様で複数の棒体の連結作業が行える。
【0023】
第3発明の棒体によれば、棒体に加わる引っ張り力や曲げ力を緩衝部で吸収することができる。
【0024】
第4発明の棒体によれば、輪部の折り曲げ形状を全体的に曲面形状としているため、輪部に棒体本体部の長さ方向に沿った引っ張り力が加わっても輪部には引っ張り応力が集中する箇所がなく、輪部の変形等を防止することができる。
【0025】
第5発明の棒体によれば、拡開阻止部材を螺旋構造とすることにより、輪部の外部から拡開阻止部材を曲げ加工等を要することなく装着することができる。
【0026】
第6発明の棒体の連結装置によれば、連結ピンに連結する棒体の輪部を挿通して重ね合わせ、その両側に配置する一対の第1螺着体を手で直接回して螺進させることができるので、ペンチなどの特別な締付工具を要せずに連結作業を行える。
【0027】
第7発明の棒体の連結装置によれば、第1アーム部を握ることで第1螺着体の手回し作業が容易となる。
【0028】
第8発明の棒体の連結装置によれば、他の一本の棒体は、略直列に連結される棒体に対して当該略直列に連結される棒体の軸方向に直交する方向に加わる力を支持することができる。
【0029】
第9発明の棒体の連結装置によれば、棒体の向きを任意に調整することができ、略直列に連結される複数の棒体を全体的に湾曲した一本の棒とすることができる。
【0030】
第10発明の棒体の連結装置によれば、連結ピンの挿通されない輪部をアンカーに挿通し、一対の第2螺着体を手で直接回してアンカー上を螺進させて螺着してこの輪部の抜け止めを行い、棒体をアンカーで支持することができる。
【0031】
第11発明の棒体の連結装置によれば、第2アーム部を握ることで第2螺着体の手回し作業が容易となる。
【0032】
第12発明の棒体の連結装置によれば、アンカーを本来差し込む地面の下に石等が存在した場合、差し込み位置を変更して連結する棒体を全体的に湾曲させることができる。
【0033】
第13発明の環境保全資材連結体によれば、環境保全資材に予め装着し、環境保全資材の設置現場で棒体同士を連結し、さらにアンカーに取り付けることができるため、複数の環境保全資材の設置を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】本発明による棒体の第1実施形態を示し、(a)は棒体の上面図、(b)は(a)に示す棒体の正面図、(c)は拡開阻止部材の拡大正面図、(d)は(c)の拡開阻止部材の側面図である。
【
図1B】
図1Aに示す拡開阻止部材を輪部に装着する方法を示す図である。
【
図2】
図1に示す棒体に環境保全資材を予め取り付けた棒体付き環境保全資材の実施形態を示し、(a)は棒体付き環境保全資材の上面図、(b)は(a)に示す棒体付き環境保全資材の正面図である。
【
図3】
図2に示す棒体付き環境保全資材を直列に連結した環境保全資材連結体の実施形態を示し、(a)は環境保全資材連結体の上面図、(b)は(a)に示す環境保全資材連結体の正面図である。
【
図4】
図3に示す環境保全資材連結体に用いられる棒体の連結装置の実施形態を示し、(a)は分解正面図、(b)は(a)A-A矢視図である。
【
図6】
図5に示す棒体の連結装置のB-B矢視図である。
【
図7】
図3に示す環境保全資材連結体に用いられるアンカー装置の実施形態を示す正面図である。
【
図8】
図2,
図3に示す環境保全資材の一実施形態を示し、(a)は遠近法で描いた環境保全資材の側面図、(b)は(a)に示す環境保全資材の外観斜視図である。
【
図9】本発明による棒体の第2実施形態を示す上面図である。
【
図10】本発明による棒体の第3実施形態を示す上面図である。
【
図11】本発明による棒体の連結装置の他の実施形態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は(a)のC-C矢視拡大図である。
【
図12】本発明による棒体の他の連結態様の第1実施形態を示す上面図である。
【
図13】本発明による棒体の他の連結態様の第2実施形態を示す上面図である。
【
図14】本発明による棒体の他の連結態様の第3実施形態を示す上面図である。
【
図15】本発明による棒体の他の連結態様の第4実施形態を示す上面図である。
【
図17】本発明による棒体の他の連結態様の第5実施形態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
第1実施形態
図1Aから
図3は本発明による棒体の第1実施形態を示す。
図1A(a)(b)において、棒体1は、鋼線、鉄筋等の剛性を有する素材により構成された細長い略直線状に形成された棒体本体部10と、棒体本体部10の長さ方向両端部に形成した輪部11(11A,11B)とを有する。また、棒体本体部10の長さ方向の中央部には緩衝部13が形成され、棒体本体部10に対して長さ方向(軸方向)への引張力、曲げ力等の外力が加わると緩衝部13が軸方向に伸縮変形し、あるいは曲げ変形して外力を吸収する。このため、棒体1の輪部11、棒体1が連結される後記する連結装置やアンカーの変形を防ぎ、急激な外力による輪部11、前記連結装置やアンカーの損傷を防止することができる。さらに、輪部11には、輪部11の拡開を阻止する拡開阻止部材14(14A,14B)が装着されている。なお、緩衝部13は、棒体1の使用環境において、棒体1に加わる外力の影響が小さい場合には必ずしも設けなくても良い。
【0036】
本実施形態において、棒体本体部10は、軟鋼線(AZA-30H:日亜鋼業製、直径10mm)を使用している。棒体本体部10の長さ方向両端部には、長手方向の中央を中心として輪部11A、11Bが対称に形成されている。なお、符号11Aは長手方向の一方の輪部を表し、符号11Bは長手方向の他方の輪部を表し、符号14Aは一方の輪部11Aに装着される一方の拡開阻止部材を表し、符号14Bは他方の輪部11Bに装着される他方の拡開阻止部材を表す。なお、
図1A(a)(b)において、一方の拡開阻止部材14Aは一方の輪部11Aに対して未装着の状態を示し、他方の拡開阻止部材14Bは他方の輪部11Bに対して装着した状態を示す。
【0037】
輪部11は、棒体本体部10を形成する線材10aを全体としてS字を描くヘアピンカーブ状に折り曲げ形成している。ヘアピンカーブ状の輪部11の具体的な構成を一方の輪部11Aを例にして以下に説明する。一方の輪部11Aは、棒体本体部10の一方の外端部で線材10aを半径r1で湾曲形状に折り曲げ形成された湾曲部12aと、湾曲部12aから棒体本体部10の軸方向反対端部側である他方の外端部に向けて延びる延出部12bと、延出部12bの先端部から外側(棒体本体部10とは反対側)に折り曲げ部12cを介して折り曲げられて棒体本体部10の一方の外端部に向けて延びる外側部12dと、延出部12bと外側部12dとの間に設けられた細長い細長空間部12eとにより構成される。細長空間部12eは、折り曲げ部12cにより他方の外端部側(棒体本体部10の軸方向中央側)が閉じた構成としている。延出部12bは、棒体本体部10に対して傾斜しており、湾曲部12a側から折り曲げ部12c側に向けて棒体本体部10との距離が狭くなっている。本実施形態において、延出部12bの折り曲げ部12c側は棒体本体部10と略接した構成としている。また、延出部12bと棒体本体部10との間で湾曲部12aを含む空間を湾曲部空間12fと称す。
【0038】
輪部11の湾曲部12aに軸方向外側に向けて外力F1を加えると、延出部12bに対して折り曲げられている延出部12bを起こす力が加わる。そうすると、湾曲部12aの湾曲が直線状に変化し、輪部11が消失するおそれがある。拡開阻止部材14は、棒体本体部10と延出部12bとの間に跨って設けられ、棒体本体部10に対して延出部12bが引き起こされ、棒体本体部10に対する延出部12bの拡開を阻止する。
【0039】
本実施形態において、拡開阻止部材14は、
図1A(c)(d)に示すように、線材をピッチP1で螺旋状に内径D1で時計回り方向に複数回巻回したコイルバネ形状の螺旋構造体に形成されている。拡開阻止部材14のピッチP1は、棒体本体部10の線材10aの外径よりも大径に形成されている。また、棒体本体部10と湾曲部12a側における延出部10bとの距離をH1、湾曲部12aの外径をH2、距離H1と距離H2との間における棒体本体部10と延出部10bとの距離をH3とすると、拡開阻止部材14の内径部14aの内径D1を距離H3とする。但し、内径D1は延出部12bに拡開阻止部材14の全長が収まる値とする。
【0040】
螺旋構造体に形成された拡開阻止部材14を輪部11に装着する方法を
図1Bに基づいて説明する。なお、他方の輪部11Bに他方の拡開阻止部材14Bを装着する場合を説明するが、一方の輪部11Aに一方の拡開阻止部材14Aを装着する場合も同様なのでその説明を省略する。
【0041】
図1Bにおいて、他方の拡開阻止部材14Bを他方の輪部11Bに装着する方法は、
図1Bの(イ)から(ホ)の順序で行われ、最終的に
図1Bの(ヘ)に示すように装着される。先ず(イ)に示すように、作業者は他方の拡開阻止部材14Bを他方の輪部11Bの湾曲部12bの外側に位置させ、拡開阻止部材14Bの先端を湾曲部12bに差し込む。次に、(ロ)に示すように、他方の拡開阻止部材14Bを時計回り方向に回転し、棒体本体部10を内径部14a内に収めながら一方の輪部11A側に向けて螺進させる。さらに、他方の拡開阻止部材14Bを螺進させると、(ハ)に示すように、他方の拡開阻止部材14Bが全長にわたって延出部12bと棒体本体部10との間で湾曲部12aを含む湾曲部空間12f内に収まる。
【0042】
続いて、他方の拡開阻止部材14Bを真っ直ぐ一方の輪部11A側に向けて押し、(ニ)に示すように、他方の拡開阻止部材14Bを湾曲部空間12fから一方の輪部11A側に押し出す。ところで、折り曲げ部12c側の延出部12bの端部と、棒体本体部10との間に隙間が無い、あるいは隙間が存在しても他方の拡開阻止部材14Bの線材の線径よりも狭く隙間が略ゼロと言える隙間ゼロ部としている。このため、(ハ)から(ニ)に移行する際、この隙間ゼロ部を他方の拡開阻止部材14Bが通過できないように思える。しかし、他方の輪部11Bはヘアピン形状に形成されているため、延出部12bがバネとして作用し、前記隙間ゼロ部に他方の拡開阻止部材14Bの先端が押し付けられると、楔作用で前記隙間ゼロ部が押し拡げられ、前記隙間ゼロ部を他方の拡開阻止部14Bが通過可能となる。
【0043】
この後、(ホ)に示すように、他方の拡開阻止部材14Bの他端を折り曲げ部12cに差し込み、他方の拡開阻止部材14Bを時計回り方向に回転させ、他方の拡開阻止部材14Bの他端部側を細長空間部12eに差し込む。この状態で、他方の拡開阻止部材14Bの内径部14a内に、棒体本体部10と延出部12bが収めら、さらに他方の拡開阻止部材14Bを時計回り方向に回転させて他方の拡開阻止部材14Bを螺進させ、(ヘ)に示すように、他方の拡開阻止部材14Bの全長を細長空間部12e内に完全に収める。
【0044】
他方の拡開阻止部材14Bの全長が細長空間12e内に収められ、他方の拡開阻止部材14Bの内径部14a内に棒体本体部10と延出部12bが収められた状態において、他方の拡開阻止部材14Bは棒体本体部10と延出部12bを取り囲む。その結果、(ヘ)に示すように、棒体本体部10に軸方向外方に向けて他方の輪部11Bに外力(引っ張り力)F1が作用し、棒体本体部10に対して延出部12bへの引き起こし方向の力が作用しても、他方の拡開阻止部材14Bの引き起こし方向への回動が阻止され、湾曲部12aの湾曲構造が保持される。
【0045】
また、細長空間部12eの内側は折り曲げ部12cにより塞がれているので、他方の拡開阻止部材12Bが細長空間部12cから抜け出ることがない。
【0046】
本実施形態において、細長空間部12e内に他方の拡開阻止部材14Bの全長が収められた状態において、他方の拡開阻止部材14Bの他端が湾曲部12aの半径r1の領域(直径2r1)内に入り込まないように他方の拡開阻止部材14Bの長さ、あるいは細長空間部12eの長さを設定している。
【0047】
棒体1は、例えば
図2(a)(b)に示すように、環境保全資材20内に予め挿通される。環境保全資材20は、例えば径方向中央部に棒体1が挿通される中空部21を有し、中空部21の軸回りおよび放射方向に中空部21の長手方向に沿って鋼線を三次元に張り巡らし、あるいは金網をさらに巻回したスケルトン構造に形成されている。棒体1は、一方の輪部11Aと他方の輪部11Bの各湾曲部12aが環境保全資材20の長手方向両端から外方に露出する状態を通常取り付け状態とする。
【0048】
環境保全資材20は、前述したように、雨水等により傾斜地等で生じる土壌侵食を阻止するために、例えば山腹の傾斜地に横置きにして設置され、長手方向を土砂礫等の流走方向に対して直交する方向に沿って設置される。
【0049】
環境保全資材20の設置現場は山頂、山腹の土砂崩れが発生し、または発生するおそれがある荒廃地であるため、トラックが通行できる林道等から山道を人力で設置現場に運搬し、あるいはモノレール等を利用して設置現場まで運搬する。その際、運搬可能なサイズは作業の安全性の観点より、例えば1m(メートル)程度が適切である。このため、設置現場の幅が数メートルであると、複数基の環境保全資材20を直列に連結して使用することになる。複数の環境保全資材20の直列連結は、隣接する棒体1の輪部11同士を利用して行うが、環境保全資材20の設置現場は、傾斜面で足場が悪い箇所が殆どである。このため、棒体1の連結装置はレンチ等の工具を用いることなく連結作業が行えるようにしている。また、棒体1を地面等に固定したアンカーへの連結も同様にレンチ等の工具を用いることなく連結作業を行えるようにしている。
【0050】
図3は、第1~第3棒体1(1A、1B、1C)を予め装着した3基の第1~第3環境保全資材20(20A、20B、20C)を連結装置30(30A、30B)で直列に連結した実施形態を示す。第1環境保全資材20Aと第2環境保全資材20Bは第1連結装置30Aで連結し、第2環境保全資材20Bと第3環境保全資材20Cとは第2連結装置30Bで連結している。
【0051】
また、第1環境保全資材20Aに装着される第1棒体1Aは一方の輪部11Aに第1アンカー40Aが第1アンカー連結装置30Cで連結され、第3環境保全資材20Cに装着される第3棒体1Cは他方の輪部11Bに第2アンカー40Bが第2アンカー連結装置30Dで連結される。なお、棒体1において、一方の輪部の符号を11A、他方の輪部の符号を11Bとしているが、これは説明を容易とするために便宜的に付してるもので、いずれの輪部11が一方の輪部であっても他方の輪部であっても良い。また、第1アンカー連結装置30Cと第2アンカー連結装置30Dは同一構造で、第1連結装置30Aと同一構造である。
【0052】
棒体の連結装置30の構成を
図4、
図5および
図6に基づいて説明する。
図4において、棒体の連結装置30は、ネジフシ棒鋼製の連結ピン31と、連結ピン31の後記するネジフシに螺合する螺旋構造体の上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bとにより構成される。上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bは同一構造としている。ネジフシ棒鋼は、JIS G3112・2020に規定されており、
図4(a)(b)に示すように、直径D2のピン本体31aの外周面にフシ(節)31bをピッチP2で螺旋状に例えば右ネジ回りに形成している。ピン本体31aは、横断面で見て、側面が平坦面に形成された対向する第1対辺31cおよび第2対辺31dと、第1対辺31cおよび第2対辺31dに連設する同一半径の円弧状の弧面に形成された対向する第3対辺31eおよび第4対辺31fとにより形成されている。連結ピン31は、第3対辺31eと第4対辺31fの表面に螺旋状のフシ31bをピッチP2で突出形成したネジフシ31gを形成している。ネジフシ31gの外径をD3とする。
【0053】
棒体1の輪部11に形成される半径r1の湾曲部12aの直径(2r1)は、ネジフシ31gの外径D3よりも大径に形成され、輪部11が連結ピン31に差し込みおよび回転可能としている。
【0054】
上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bは、円形断面の線材を右回り方向に複数回の巻き数で螺旋状にピッチP3を有して巻回し、円形の内周部33を形成した円筒状の螺着体本体部34と、螺着体本体部34の一端側端末の第1端末線材34aから延出する第1アーム部35とにより構成される。螺着体本体部34の線材としては、鉄線、鋼線(ステンレス鋼線、亜鉛メッキ鋼線、亜鉛アルミメッキ鋼線等)が使用される。
【0055】
螺着体本体部34のピッチP3は、ネジフシ31gのピッチP2と同じ値あるいは若干大きい値としている。螺着体本体部34の両端の端末線材は開放した形態(以下、開放端と称す)としている。
【0056】
上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bは第1アーム部35を手に握って連結ピン31に螺入螺入される。螺着体本体部34の内径をD4、外径をD5、線材の線径をdwとする。内径D4は、連結ピン31のピン本体31aの直径D2よりも大きく、フシ外径D3よりも小さい値としている(D2<D4<D3)。上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bの線材の線径dwは、ネジフシ31g間のピッチP2よりも小さい値とし、各巻き目は隣接する線材同士が接触する密巻きとならないように隙間Tを設定している。
【0057】
棒体1の輪部11に形成される半径r1の湾曲部12aの直径(2r1)は、螺着体本体部34の外径D5よりも小径とし、螺着体本体部34から抜け出ないようにしている。
【0058】
連結ピン31の節31bは、横断面が台形形状に形成されているため、螺着体本体部34の内径部33の内径を大きくすると螺着体本体部34の内周面側の線材と節31bの間に隙間が生じる。また線材の線径dwを小さくすれば線材と節31bとの間の隙間はより拡がる。本実施形態において、螺着体本体部34は、連結ピン31に対して径方向および軸方向に遊びを有するように線径dwを設定している。このため、手で第1アーム部35を軽く握って回すだけで、上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bを連結ピン31に螺進させることができる。
【0059】
上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bは、締め込み方向に螺進する場合、連結ピン31に対して右ネジ回りに回転する。その際、連結ピン31に対して螺進する螺着体本体部34の内径部33の線材がネジフシ31gの節31bに必ず摩擦接触する。そうすると、第1アーム部35Aを握って上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bを右ネジ回りに回転した場合、螺着体本体部34の右ネジ回りに巻回している線材は径方向外方に向けて拡がる方向に湾曲するため、螺着体本体部34の内径部33の内径D4が大きくなる状態(ぶか巻き状態と称す)となることから、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bは、連結ピン31のネジフシ31gに対してスムーズに螺進する。
【0060】
そして、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bの右ネジ回り方向の回転を中止すると、ぶか巻き状態の螺着体本体部34の内径部33は元の内径D4に戻り、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bはその位置に停止する。この停止状態から第1アーム部35Aを手で握って上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bを反時計回り方向に回転しようとすると、螺着体本体部34の右ネジ回りに巻回している線材は径方向内側に向けて縮まる方向に湾曲し、螺着体本体部34の内径部33の内径D4が小さくなる方向に力が作用することとなり、螺着体本体部34の内径部33が連結ピン31を締付、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bが動かなくなる。これで、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bが連結ピン31に対して抜けなくなる。
【0061】
図5は棒体の連結装置30により、隣接する棒体1を連結した状態を示す正面図で、第1棒体1Aと第2棒体1Bを第1連結装置30Aにより連結する場合を例にして説明する。
図5において、連結ピン31を
図3(a)(b)に示すように、上下方向に立てて使用する場合、下第1螺着体32Bを予め連結ピン31に螺着させておく。その際、下第1螺着体32Bの第1アーム部35Aを上方に位置させて連結ピン31に螺着させる。下第1螺着体32Bを予め螺着している連結ピン31の上端側から第2棒体1Bの第1輪部11Aを差し込む。その際、第1輪部11Aの湾曲部12aを連結ピン31に差し込む。次いで、第1棒体1Aの第2輪部11Bを連結ピン31に差し込む。そして、上第1螺着体32Aを連結ピン31の上端側に第1アーム部35Aを上側にして嵌め込み、第1アーム部35を手で握りながら右ネジ回りに回し、上第1螺着体32Aを第1棒体1Aの第2輪部11Bに向けて螺進させる。
【0062】
上第1螺着体32Aは、下第1螺着体32Bとの間に第1棒体1Aの第2輪部11Bと第2棒体1Bの第1輪部11Aが略ガタなく挟まった状態で上第1螺着体32Aの螺進を停止する。この状態で上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bとの間に第1棒体1Aの第2輪部11Bと第2棒体1Bの第1輪部11Aが連結ピン31から抜けることなく配置される。上第1螺着体32Aを連結ピン31に螺進させる際、連結ピン31の例えば下端部側を一方の手で握り、反対の手で上第1螺着体32Aを回すと、上第1螺着体32Aを連結ピン31に対して確実に螺進させることができる。また、第2棒体1Bと第3棒体1Cについても第2連結装置30Bにより連結する。
【0063】
これにより、第1棒体1Aと第2棒体1Bと第3棒体1Cが略直列に連結されることになる。また、連結ピン31に装着される第1輪部11Aと第2輪部11Bは、連結ピン31に対して個々に回転自在であるため、第1環境保全資材20A、第2環境保全資材20Bおよび第3環境保全資材20Cを地面に設置する際、設置面の状況等により、第1環境保全資材20Aと第2環境保全資材20Bと第3環境保全資材20Cが同一軸線上に真っ直ぐ設置することができず、個々に向きを少し変えて設置する場合がある。
【0064】
また、設置初期は真っ直ぐに設置できても流走する土砂礫等の力が3基の環境保全資材20に装着される3本の棒体1に対して一様に加わるようにするために、両端の第1、第2アンカー40A、40Bを支点として連結される3本の棒体1(1A、1B、1C)が全体的に湾曲した湾曲面となるように設置することを可能とする。
【0065】
さらに、連結装置30(30A、30B)は、連結ピン31を支点として第1輪部11Aと第2輪部11Bが上下方向に傾動可能なので、第1環境保全資材1Aと第2環境保全資材1Bと第3環境保全資材1Cは個々に設置面に対して上下方向への傾斜配置を許容することができる。
【0066】
続いて、第1アンカー40Aに対して第1棒体1Aの第1輪部11Aを連結する第1アンカー連結装置30Cと、第2アンカー40Bに対して第3棒体1Cの第2輪部11Bを連結する第2アンカー連結装置30Dは同一構造で、
図7は第2アンカー連結装置30Dを示す。
【0067】
図7において、第2アンカー40Bは連結装置30の連結ピン31と同構造で、下端部が尖っている点で連結ピン30と異なる。第2アンカー連結装置30Dは、基本的に第1連結装置30Aと同構成で、第2アンカー40Bに第3棒体1Cの第2輪部11Bが挿通される。
【0068】
ここで、第1棒体1Aと第2棒体1Bと第3棒体1Cのうちで、第1棒体1Aと第3棒体1Cが一方(他方)の輪部11A(11B)のみに連結ピン31が挿通されており、他方(一方)の輪部11B(11A)に第1アンカー40Aと第2アンカー40Bが挿通される。第2アンカー40Bは予め地面に打ち込まれる。
【0069】
第2アンカー連結装置30Dは、上第2螺着体32Cと下第2螺着体32Dとを有する。第2アーム部35Bを備えた上第2螺着体32Cと下第2螺着体32Dは、第1アーム部35Aを備えた上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bと同一構成としているので、その説明は省略する。
【0070】
第2アンカー連結装置30Dは、上第2螺着体32Cと下第2螺着体32Dとの間に第3棒状体1Cの第2輪部11Bが挿通される。下第2螺着体32Dは、地面に第2アンカー40Bが打ち込まれる前に予め第2アンカー40Bに螺着され、または第2アンカー40Bを地面に打ち込んだ後に第2アンカー40Bに螺着される。そして、第3棒体1Cの第2輪部11Bを第2アンカー40Bの上端から挿入し、最後に上第2螺着体32Cを第2アンカー40Bに上端側から嵌め込み、第2輪部11Bを下第2螺着体32Dとの間に挟み込むまで螺進して停止する。第1アンカー連結装置30Cについても同様に行う。
【0071】
本実施形態において、第1棒体1Aと第2棒体1Bと第3棒体1Cの第1輪部11Aと第2輪部11Bの開口面を同一面内に配置しているため、上下方向に向いている連結装置30の連結ピン31および第1アンカー40A、第2アンカー40Bに対して第1輪部11Aおよび第2輪部11Bを上下方向で挿通することができ、連結作業が容易に行える。
【0072】
本実施形態において、連結作業に伴う連結ピン31に対する上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bの螺着作業は、ペンチやレンチ等の工具を用いることなく手で握って行うことができる。このため、環境保全資材20の設置現場のように傾斜面で、足場が崩れやすい砂地のように立っていることが大変な状況において、上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bを容易に螺着して、第1棒体1Aと第2棒体1B、および第2棒体1Bと第3棒体1Cとを迅速に連結することができる。
【0073】
また、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bは連結ピン31に対して遊びを有して螺合するため、上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bの先端を連結ピン31の先端に合わせるだけで失敗なく螺合でき、特に手袋をした上からの作業では上第1螺着体32Aや下第1螺着体32Bを落とすことなく安心して上第1螺着体32Aおよび下第1螺着体32Bの螺着作業を行える。
【0074】
第1アンカー40Aおよび第2アンカー40Bに対する上第2螺着体32Cと下第2螺着体32Dの螺着作業も同様である。
【0075】
【0076】
環境保全資材20は、第1線材21を所定のピッチで複数巻きに円筒状に巻回した構造の第1螺旋構造体(親螺旋構造体)22と、第2線材23を所定のピッチで複数巻きに円筒状に巻回した第2螺旋構造体(子螺旋構造体)24とにより構成している。親螺旋構造体22は内径部22aが形成される。子螺旋構造体24は円筒形状の内径部24aが形成される。
【0077】
本実施形態の環境保全資材20は、親螺旋構造体22の第1線材21に子螺旋構造体24の内径部24aを入れ込み、親螺旋構造体22の第1線材21の両端間に子螺旋構造体24が納められている。そして、親螺旋構造体22から径方向外方に向けて第2線材23により複数のループ状の捕捉部25が形成されている。捕捉部25は、第2線材23により第1線材21に対して1周期分の絡み合い部間でループ状のループ空間25aが形成される。ループ空間25aは、
図8(a)に示すように親螺旋構造体22の開口端側から見た正面視において略長楕円状をなし、
図8(b)に示すように親螺旋構造体22の斜め側面から見た側面視において略楕円形状をなす。
【0078】
環境保全資材20は、親螺旋構造体22の第1線材21が子螺旋構造体24の内径部24aに挿入され、第1線材21の両端間に子螺旋構造体24が配置される。その際、第2線材23の弾性復元力で、第1線材21と第2線材23が互いに絡み合い、ループ状のループ空間25aを形成する捕捉部25が所定のピッチで第2線材23により複数形成される。また、親螺旋構造体22内に棒体1が挿通される。
【0079】
環境保全資材20は、流走する落葉落枝等を含む土砂礫が捕捉部25に捕捉され、ループ空間25a内および親螺旋構造体22内に収容されるが水が通過する。そして、環境保全資材20の流走する土砂礫が当たる前面側に土砂が堆積する。これにより、環境保全資材の設置場所における土壌侵食を阻止、荒廃地の回復を促進することができる。
【0080】
図8に示す環境保全資材の変形例として、
図8に示す環境保全資材20の外周に例えば菱形金網等の網部材等で構成される外周ネットを巻き付けて覆った構成とすることができる。前記外周ネットは、環境保全資材20の捕捉部25の先端部に内面が当接し、径方向外方に向けて付勢される。このため、前記外周ネットは、緊張状態で環境保全資材20の外周を覆う。ネット付きの環境保全資材は、長手方向を土砂礫の流走方向と直交方向に向けて地面に設置する。雨水と共に流走する土砂礫に落葉落枝が含まれていると、ネット付き環境保全資材が土砂礫を捕捉すると共に外周ネットに落葉落枝が引っ掛かり、ネット付き螺旋構造体の前面側(上流側)に土砂の堆砂が始まる。外周ネットに引っ掛かった落葉落枝が水は通すが土砂は通さないフィルターとして機能するため、ネット付き環境保全資材の前面側への堆砂期間が早まる。
【0081】
また、ネット付き環境保全資材は、外周ネットが円筒状であるため、特定の外面を設置面とする必要が無く、任意の外面を設置面とすることができる。外周ネットは、網部材として菱形金網だけでなく、亀甲金網でも良く、また格子状であっても良い。
【0082】
【0083】
図9に示す第2実施形態の棒体100は、棒体本体部10の両端部に形成される第1輪部11Aと第2輪部11Bを棒体本体部10の長さ方向中央を回転支点として回転対称に設けている。
【0084】
【0085】
図1に示す第1実施形態の棒体1の緩衝部13は波形に形成しているが
図10に示す第3実施形態の棒体110は、棒体本体部10の中央部に形成される緩衝部13Aを湾曲状に形成している。第1実施形態の緩衝部13に比較して、緩衝部13Aを湾曲状とする作業は容易に行うことができる。
【0086】
図11は本発明による棒体の連結装置の他の実施形態を示す。
【0087】
図3から
図7に示す棒体の連結装置30は、連結ピン31に、直列に連結する第1棒体1Aの第2輪部11Bと第2棒体1Bの第1輪部11Aを挿通し、さらに他の連結ピン31に第2棒体1Bの第2輪部11Bと第3棒体1Cの第1輪部11Aに挿通し、それぞれ上第1螺着体32Aと下第1螺着体32Bで挟持している。
【0088】
これに対し、
図11に示す棒体の連結装置50(50A、50B)は、基本的に上記した連結装置30と同構造で、異なるのは、一方の連結装置50(50A)と他方の連結装置50(50B)の連結ピン31にさらに棒体110と同構造の支持用第1棒体110Dと、支持用第2棒体110Eを連結した点である。なお、
図11に示す連結装置50において、棒体は
図11に示す棒体110を使用しているが、
図1に示す棒体1を使用してもよい。
【0089】
一方の連結装置50Aの連結ピン31には、支持用第1棒体110Dの第2輪部11Bが挿通される。支持用第1棒体110Dは、連結ピン31を中心に連結ピン31を介して略直列に連結される第1棒体110Aと第2棒体110Bとの間の任意の角度位置に配置される。
【0090】
本実施形態において、支持用第1棒体110Dは、略直列に連結する第1棒体110Aと第2棒体110Bに対して直角に配置されている。そして、支持用第1棒体110Dの配置向きは、一方の輪部11Aを環境保全資材20の配置位置に対して土砂礫の流走方向上流側に配置している。また、他方の連結装置50Bの連結ピン31には、支持用第2棒体110Eが支持用第1棒体110Dと同様に配置される。
【0091】
支持用第1棒体11Dと支持用第2棒体110Eの各第1輪部11Aは、第3アンカー40Cと第4アンカー40Dにそれぞれ挿通され、
図7に示す第2アンカー連結装置30Dのように、上第2螺着体32Cと下第2螺着体32Dにより挟持される。第3アンカー40Cと第4アンカー40Dは支持用第1棒体11Dおよび支持用第2棒体11Eを介して直列に連結される第1棒体110Aと第2棒体110Bと第3棒体110Cに加わる流走する土砂礫等の圧力を受け、第1環境保全資材20Aと第2環境保全資材20Bと第3環境保全資材20Cが流されないように支持する。
【0092】
図3に示す実施形態では、環境保全資材20(20A、20B、20C)が土砂礫等の圧力によって流されるのを第1アンカー40Aおよび第2アンカー40Bで防いでいるが、これだけでは十分ではない場合に、支持用第1棒体11Dと支持用第2棒体110Eの各第1輪部11Aを第3アンカー40Cと第4アンカー40Dに連結させることで、環境保全資材20(20A、20B、20C)を所定の位置に長期にわたって設置させることができる。但し、支持用第1棒体110Dと支持用第2棒体110Eは、同じ角度位置とする必要はなく、それぞれ異なった角度位置としても良い。
【0093】
本発明による棒体の他の連結態様の実施形態
上記した各実施形態における棒体の連結態様は、2本の棒体1を連結装置30の連結ピン31により直線状に連結した直線連結態様と、3本の棒体110を連結装置31の連結ピン31によりT字形状に連結したT字連結態様を示しているが、棒体1(100,110)の連結態様は、これらに限定されるものではなく、以下に棒体の他の連結態様の実施形態を説明する。なお、
図12、
図13、
図14、
図15および
図16に示す他の連結態様の実施形態で使用する棒体120は、棒体本体部10に緩衝部13を設けていない構成としている。
【0094】
図12は棒体の他の連結態様の第1実施形態を示し、四角形を形成する四角形枠120Aの各角部に連結装置30の連結ピン31を配置し、各連結ピン31に4本の棒体120の輪部11を挿入した構成で、各連結ピン31に連結される棒体120は連結ピン31を中心に90度の角度間隔で配置される。すなわち、本実施形態の碁盤の目の連結態様は、3本の棒体120を連結装置30により縦に3本連結した構成を2列配置し、3本の棒体120を連結装置30により横に3本連結した構成を2行配置した構成としている。
【0095】
図2に示す構成の環境保全資材20は、全ての棒体120に装着しても良く、また、中央の四角形枠120Aを構成する各棒状体120に装着しても良く、逆に中央の四角形を構成する棒状体を除く他の棒体120に装着しても良く、環境保全資材20の設置エリアの状況に応じて適宜の棒体120に装着しても良い。
図12に示す碁盤の目の連結態様を基本型として、縦横方向に複数行(3行以上)および複数列(3列以上)配置しても良い。
【0096】
図13は本発明による棒体の他の連結態様の第2実施形態を示し、6か所に配置した連結装置30と、6本の枠用の棒体120(120a)により形成した矩形枠121と、矩形枠121を長軸方向で2等分する位置に配置した中央用の棒体120(120b)により、2つの正方形の正方形領域122に分割した構成としている。この構成を矩形枠連結体123とする。
【0097】
矩形枠121の4か所の角部に配置した角部用の連結装置30(30E)は、2本の枠用の棒体120a同士を90度の角度で連結ピン31により連結する。また、矩形枠121の列方向に並設される長軸をなす2本の矩形枠用の棒体120aと中央用の棒体120(120b)を中央用の連結装置30(30F)の連結ピン31で連結する。すなわち、中央用の連結装置30Fは、2本の枠用の棒体10aと中央用の棒体120bをT型の連結態様で連結する。
【0098】
また、
図13に示す矩形枠連結態様では、全ての棒体120の両端部に設けられる輪部11は、連結装置30の連結ピン31に挿通される。このため、いくつかの連結ピン31、例えば4角に配置される連結ピン31を長くして地面に突き刺すようにしても良い。環境保全資材20は、例えば全ての棒体120(120a、120b)に装着しても良い。
【0099】
ここで、
図13の紙面上方を土砂礫の流走方向上流側とした場合、矩形枠連結体123の列方向に延び、行方向に上流側、中流側、下流側に配置される棒体120aに装着する環境保全資材20(図示しない)の特性、例えば捕捉する土砂礫のサイズを異ならせ、上流側から下流側に順に大サイズ、中サイズ、小サイズとする。このため、上流に位置する棒体120aの上流側に大サイズの土砂礫が堆積し、中流に位置する中央用の棒体120bの上流の正方形領域122には中サイズの土砂礫が堆積し、下流に位置する棒体120aの上流の正方形領域122に小サイズの土砂礫が堆積する。
【0100】
矩形枠連結体123の列方向両側に配置され行方向に沿って延びる2本の棒体120aは、中流および下流に設けた環境保全資材20に加わる土砂礫による圧力を支持する。
【0101】
さらに、
図12および
図13に示す棒体を連結した構成の連結体は、地面に対して垂直に立てて枠体として使用することもできる。
【0102】
図14は本発明による棒体の他の連結態様の第3実施形態を示し、
図13に示す矩形枠連結体123に、さらに支持用の棒体120(120c)を連結した構成としている。矩形枠連結体123の各連結装置30の連結ピン31に支持用の棒体120cの一方の輪部11Aが挿通される。行方向および列方向に3×2個の態様で配置した各連結装置30に連結される支持用の棒体120cは、矩形枠連結体123に対して外側に向けて列方向に斜めに延びている。支持用の棒体120cの他方の輪部11Bには不図示のアンカーに挿入され、不図示のアンカー連結装置により抜け止めされる。
【0103】
矩形枠連結体123の角部に配置される連結装置30Eには3本の棒体120が連結され、中央用の連結装置30Fには4本の棒体120が連結される。支持用の棒体120cは、連結ピン31に挿通されていない他方の輪部11は、例えば不図示のアンカーに挿通され、各行に配置される3本の棒体120が全体的に湾曲した状態に連結される。
【0104】
図15は本発明による棒体の他の連結態様の第4実施形態を示し、4か所に配置した連結装置30により4本の棒体120を平行四辺形に連結した平行四辺形連結体124の実施形態である。4本の棒体120の長さを等長とし、棒体120には環境保全資材20が装着される。このため、例えば環境保全資材20(図示しない)を設置する場所の一側辺が斜めであると正方形の連結体では斜めの一側辺との間に隙間ができる。このため、平行四辺形連結体124では、斜めの一側辺の傾斜に合わせて平行四辺形連結体124を設置することができ、斜めの一側辺との間に隙間を生じさせることなく環境保全資材120を設置することができる。また、平行四辺形連結体124は、連結装置30の連結ピン31を長くして地面に突き刺してアンカーとして利用することもできる。
【0105】
図16は
図14に示す実施形態の変形例を示す。
図14に示す実施形態において、矩形枠連結体123は、中央用の棒体120bにより2つの正方形領域122に分割されている。そして、中央用の棒体120bを連結する連結装置30Fに支持用の棒体120cが連結される。
【0106】
これに対し、
図16に示す棒体120の連結態様は、
図14に示す矩形枠連結体123の中央用の棒体120bを取り除き、さらに連結装置30Fに連結される棒体120cを取り除いた構成としている。すなわち、
図16に示す連結態様によれば、矩形枠連結体123の上流に位置する列方向に沿って延びる棒体120aに大サイズの土砂礫を捕捉する環境保全資材20(図示しない)を配置し、棒体120aの2本分の長さを行方向に隔てて位置する棒体120aに小サイズの土砂礫を捕捉する環境保全資材20(図示しない)を配置することができる。この場合、行方向に沿って配置される2本の棒体120aは、それぞれ連結装置30Eと連結装置30Fの連結ピン31を支点として回動可能なので、小サイズの土砂礫を捕捉する環境保全資材20(図示しない)の列方向に沿った設置位置を調整することができる。
【0107】
図17は本発明による棒体の他の連結態様の第5実施形態を示す。上記した各実施形態において、連結装置30を介して連結される棒体1(100、110、120)には、例えば環境保全資材20を挿通しているが、
図17に示すように、棒体1(100、110、120)には、棒体1(100、110、120)と同じ構成のフリー連結用の棒体130の輪部11Bを挿通し、フリー連結用の棒体130を棒体1(100、110、120)の棒体本体部10の長さ方向に沿って移動自在としている。棒体1に対してフリー連結用の棒体130は、1本または3本以上設けても良い。
【符号の説明】
【0108】
1、100、110、110A、110B、110C、110、120、130:棒体
110D:支持用第1棒体 110E:支持用第2棒体
1A、1B、1C:第1~第3棒体
120a、120b:棒体
10:棒体本体部 10a:線材
11:輪部 11A:第1輪部 11B:第2輪部
12a:湾曲部 12b:延出部 12c:折り曲げ部
12d:外側部 12e:細長空間部 12f:湾曲部空間
13、13A:緩衝部
14:拡開阻止部材 14A:第1拡開阻止部材 14B:第2拡開阻止部材
20:環境保全資材 21:第1線材
20A、20B、20C:第1~第3環境保全資材 21:中空部
22:第1螺旋構造体(親螺旋構造体) 22a:内径部 23:第2線材
24:第2螺旋構造体(子螺旋構造体) 24a:内径部
25:捕捉部 25a:ループ空間
30、30E、30F:連結装置 30A、30B:第1、第2連結装置
30C:第1アンカー連結装置 30D:第2アンカー連結装置
31:連結ピン 31a:ピン本体 31b:フシ(節) 31c:第1対辺
31d:第2対辺 31e:第3対辺 31f:第4対辺 31g:ネジフシ
32A:上第1螺着体 32B:下第1螺着体 32C:上第2螺着体
32D:下第2螺着体 33:内周部 34:螺着体本体部
34a:第1端末線材 35:第1アーム部 35B:第2アーム部
40A:第1アンカー 40B:第2アンカー
40C:第3アンカー 40D:第4アンカー
50:連結装置 50A:一方の連結装置 50B:他方の連結装置
121:矩形枠 122:正方形領域 123:矩形枠連結体
124:平行四辺形連結体