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特開2025-1189空家情報を提供するための方法、当該方法を実現するプログラム、および、空家情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001189
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】空家情報を提供するための方法、当該方法を実現するプログラム、および、空家情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20241225BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100644
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520307713
【氏名又は名称】関西電力送配電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】古市 敬寛
(72)【発明者】
【氏名】山田 都
(72)【発明者】
【氏名】安井 威人
(72)【発明者】
【氏名】福島 章史
(72)【発明者】
【氏名】林 孝尚
(72)【発明者】
【氏名】田畠 大嗣
(72)【発明者】
【氏名】大川 正人
(72)【発明者】
【氏名】角谷 太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】任意のエリア単位(たとえば自治体の管轄エリア単位)で空家を網羅的に抽出する技術を提供する。
【解決手段】サーバが実行する空家判定処理(S980)は、自治体に含まれる建物のデータベースのレコードのカウンタを初期化するステップ(S1000)と、建物からメータが撤去されている場合に(ステップS1010にてYES)当該建物を推定空家として出力するステップ(S1020)と、建物に電力契約がない場合に(ステップS1030にてNO)、当該建物を推定空家として出力するステップ(S1040)と、電力が一定期間消費されていない場合に(ステップS1050にてNO)、当該建物を推定空家として出力するステップ(S1060)と、当該自治体に含まれる全ての建物について判定処理が完了するまで(ステップS1080にてYES)、ステップS1010~S1070を繰り返すステップとを含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空家情報を提供するためにコンピュータで実行される方法であって、
自治体に属する各家屋のライフラインの状況を表わすデータベースにアクセスするステップと、
前記自治体に属する各家屋のライフラインの状況を表わすデータベースに基づいて、前記自治体に属する各家屋が空家であるか否かを判定するステップと、
前記自治体に属する各家屋が空家であるか否かの判定結果を一覧として出力するステップとを含む、空家情報を提供するための方法。
【請求項2】
前記ライフラインは、電力を含み、
前記自治体に属する各家屋は、同一の住所内に電力契約が存在する複数の家屋を含み、
前記判定するステップは、
空家であると判定された当該空家の契約者と同一の契約者が前記同一の住所内の他の家屋に存在する場合において、当該他の家屋において電力が使用されている時に、当該空家を、管理されている空家として分類するステップと、
空家であると判定された当該空家の契約者と同一の契約者が前記同一の住所内の他の家屋に存在する場合において、当該他の家屋において電力が使用されていない時に、当該空家を、空家であることが推定される空家として分離するステップとを含む、請求項1に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項3】
前記電力の使用または未使用は、一日のうちの予め定められた時間における使用量に基づいて判定される、請求項2に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項4】
前記自治体に属する各家屋は、集合住宅を含み、
前記判定するステップは、前記集合住宅に含まれる全ての家屋が空家であると判定される場合に、前記集合住宅は空家であると判定するステップを含む、請求項1に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項5】
前記判定するステップは、ライフラインの契約が予め定められた一定期間存在していない場合に、当該契約が存在していない家屋を空家であると判定するステップを含む、請求項1に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項6】
前記判定するステップは、ライフラインが予め定められた一定期間使用されていない場合に、当該ライフラインが使用されていない家屋を空家であると判定するステップを含む、請求項1に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項7】
前記判定するステップは、ライフラインの使用量を測定するメータが家屋から撤去されている場合に、当該家屋を空家であると判定するステップを含む、請求項1に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項8】
前記判定するステップは、
ライフラインの使用量を測定するメータが家屋から撤去されておらず、前記ライフラインの契約が存在し、前記ライフラインが一定期間消費されている場合に、当該家屋は空家でないと判定するステップと、
前記メータが撤去されている場合、前記ライフラインの契約が存在しない場合、または、前記ライフラインが一定期間消費されていない場合に、当該家屋を空家であると推定するステップとを含む、請求項1に記載の空家情報を提供するための方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の方法を実現するためのプログラムを格納したメモリと、
前記プログラムを実行するためのプロセッサとを備える、空家情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は家屋が空家であるか否かを判定する技術に関し、より特定的には、指定された範囲に属する各家屋が空家であるか否かを表わす一覧情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空家数および空家率の増加に伴い、空家対策が急務となっている。空家対策特別措置法により、市町村に対して、空家の実態調査、空家の所有者へ適切な管理の指導、空家の跡地についての活用促進等が求められている。
【0003】
空家情報の把握に関し、たとえば、特開2019-207675号公報(特許文献1)は、「入力された住所が空き家か否かを精度よくリアルタイム性を持たせて判定できる空き家判定システム、空き家判定方法、および空き家判定プログラム」を開示している。また、特開2021-157634号公報(特許文献2)は、「提供情報から個人情報を特定できない空室・空家情報を効果的に提供する」技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-207675号公報
【特許文献2】特開2021-157634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自治体が空家情報を把握するためには、個別の住所毎に空家が存在するか否かではなく、網羅的な空家情報が必要とされる。
【0006】
本開示は上述のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面に従う目的は、ある範囲に存在する空家を網羅的に表わす情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ある実施の形態に従うと、空家情報を提供するためにコンピュータで実行される方法が提供される。この方法は、指定された自治体に属する各家屋のライフラインの状況を表わすデータベースにアクセスするステップと、自治体に属する各家屋のライフラインの状況を表わすデータベースに基づいて、自治体に属する各家屋が空家であるか否かを判定するステップと、自治体に属する各家屋が空家であるか否かの判定結果を一覧として出力するステップとを含む。
【0008】
(2)ある局面において、ライフラインは、電力を含む。自治体に属する各家屋は、同一の住所内に電力契約が存在する複数の家屋を含む。判定するステップは、空家であると判定された当該空家の契約者と同一の契約者が同一の住所内の他の家屋に存在する場合において、当該他の家屋において電力が使用されている時に、当該空家を、管理されている空家として分類するステップと、空家であると判定された当該空家の契約者と同一の契約者が同一の住所内の他の家屋に存在する場合において、当該他の家屋において電力が使用されていない時に、当該空家を、空家であることが推定される空家として分離するステップとを含む。
【0009】
(3)ある局面において、電力の使用または未使用は、一日のうちの予め定められた時間における使用量に基づいて判定される。
【0010】
(4)ある局面において、自治体に属する各家屋は、集合住宅を含む。判定するステップは、集合住宅に含まれる全ての家屋が空家であると判定される場合に、集合住宅は空家であると判定するステップを含む。
【0011】
(5)ある局面において、判定するステップは、ライフラインの契約が予め定められた一定期間存在していない場合に、当該契約が存在していない家屋を空家であると判定するステップを含む。
【0012】
(6)ある局面において、判定するステップは、ライフラインが予め定められた一定期間使用されていない場合に、当該ライフラインが使用されていない家屋を空家であると判定するステップを含む。
【0013】
(7)ある局面において、判定するステップは、ライフラインの使用量を測定するメータが家屋から撤去されている場合に、当該家屋を空家であると判定するステップを含む。
【0014】
(8)ある局面において、判定するステップは、ライフラインの使用量を測定するメータが家屋から撤去されておらず、ライフラインの契約が存在し、ライフラインが一定期間消費されている場合に、当該家屋は空家でないと判定するステップと、メータが撤去されている場合、ライフラインの契約が存在しない場合、または、ライフラインが一定期間消費されていない場合に、当該家屋を空家であると推定するステップとを含む。
【0015】
(9)他の実施の形態に従うと、上記のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0016】
(10)さらに他の実施の形態に従うと、空家情報提供システムが提供される。このシステムは、上記のいずれかに記載の方法を実現するためのプログラムを格納したメモリと、当該プログラムを実行するためのプロセッサとを備える。
【0017】
ある局面に従うと、コンピュータは、ある範囲(たとえば、自治体)に存在する空家を網羅的に表わす情報を提供できるので、空家の有無を網羅的に確認することが可能になる。
【0018】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ある局面にしたがって空家の状況を推定するシステム100の一例を表わす図である。
図2】端末110またはサーバ130を実現するコンピュータシステム200のハードウェア構成を表わすブロック図である。
図3】ある実施の形態に従うサーバ130が空家を推定するために行なう処理の概要を表わす図である。
図4】サーバ130のハードディスク5に格納される空家一覧の例を概念的に表わす図である。
図5】管理空家または推定空家と分類する態様を例示する図である。
図6】サーバ130が備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を表わす図である。
図7】サーバ130が備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を表わす図である。
図8】サーバ130が備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を表わす図である。
図9】指定された範囲(たとえば自治体単位)に存在する各家屋が空家であるか否かを推定するためにサーバ130が実行する処理の概要を表わすフローチャートである。
図10】サーバ130が実行する空家判定処理(ステップS980)の詳細を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
<システムの概要>
図1を参照して、本実施の形態に係るシステム100の一態様について説明する。図1は、ある局面にしたがって空家の状況を推定するシステム100の一例を表わす図である。システム100は、複数の端末110-1,110-2,110-nと、サーバ130とを備える。複数の端末110-1,110-2,110-nを総称するときは、端末110と表わす。端末110およびサーバ130は、ネットワーク190によって互いに通信可能に接続されている。ネットワーク190の一例は、インターネットである。端末110およびサーバ130の構成は、後述する。
【0022】
ある局面において、サーバ130は、各家屋におけるライフラインの情報を保持している。ライフラインは、例えば、電気、ガス、水道、電話回線その他の通信回線など、サービスの利用者がサービスの提供事業者との間で契約を締結することにより、生活の維持に必要なインフラストラクチャである。家屋は、一戸建てや集合住宅のように個人が生活を営む場所に加えて、工場、店舗、事務所、事業所のように事業活動が営まれる場所も含み得る。
【0023】
サーバ130は、各家屋毎に、各ライフラインの契約情報と、当該ライフラインのサービスの使用量とを保持している。例えば、ライフラインが電気の場合、サーバ130は、各家屋毎の電気供給契約の有無を含む契約情報、契約が締結されている場合の電気の使用状況等を記憶している。
【0024】
ある局面において、サーバ130は、ライフラインの契約の有無、使用量の計測器の状況、当該ライフラインで提供される一定期間のサービスの消費量に基づいて、各家屋が空家であるか否かを判断する。判断処理の詳細は、後述する。
【0025】
端末110は、自治体(都道府県、あるいは、区市町村)の職員によって使用される。他の局面において、端末110は、ライフラインサービスの提供事業者(電力会社、ガス会社、水道局、通信会社等)あるいは不動産関係の事業者によっても使用され得る。
【0026】
<ハードウェア構成>
図2を参照して、システム100を構成する情報処理装置の構成について説明する。図2は、端末110またはサーバ130を実現するコンピュータシステム200のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0027】
コンピュータシステム200は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1と、コンピュータシステム200の使用者による指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、通信インターフェイス(I/F)7と、モニタ8とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)9その他の光ディスクが装着され得る。
【0028】
コンピュータシステム200における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されて、コンピュータプログラムとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なアプリケーションプログラムとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
【0029】
図2に示されるコンピュータシステム200を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本開示に係る技術思想の本質的な部分の一つは、RAM4、ハードディスク5、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。データの記録媒体は、一時的でない、コンピュータ読取可能なデータ記録媒体を含み得る。なお、コンピュータシステム200の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
なお、記録媒体としては、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリー等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
【0031】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0032】
コンピュータシステム200は、ノートブック型、デスクトップ型その他のコンピュータ装置、または、スマートフォンもしくはタブレット端末のような携帯可能な情報通信端末として実現され得る。
【0033】
<空家推定の概要>
図3を参照して、空家を推定する処理の一例の概要について説明する。図3は、ある実施の形態に従うサーバ130が空家を推定するために行なう処理の概要を表わす図である。
【0034】
ステップS310にて、サーバ130は、ハードディスク5にアクセスし、ハードディスク5に格納されている契約情報および地点情報を参照して、契約を抽出する。抽出される契約は、例えば、空家の推定を行うために指定された自治体内に存在する各家屋毎の契約である。
【0035】
ステップS320にて、サーバ130は、各家屋が空家であるか否かを判定する。たとえば、サーバ130は、抽出した契約情報と、ライフライン(たとえば、電気)の供給の有無と、供給量(電力使用量)とに基づいて、当該家屋が空家であるか否かを判定する。ここで、電力使用量は、設定された時間間隔(たとえば、30分単位、1時間単位等)で詳細に把握される量である。
【0036】
ステップS330にて、サーバ130は、空家であると判定された家屋について、ハードディスク5に格納されている契約者情報および集合住宅台帳に基づいて、当該空家の形態を分類する。
【0037】
ステップS340にて、サーバ130は、空家一覧を生成し、モニタ8に表示し、あるいは、各端末110に空家一覧を送信する。
【0038】
<サーバ130の構成例>
(1)ある局面において、空家情報を提供可能なサーバ130のCPU1は、自治体を指定する入力を受け付け、指定された自治体に属する各家屋のライフラインの状況を表わすデータベースにアクセスする。たとえば、サーバ130のユーザがモニタ8に表示される自治体の一覧から特定の自治体を選択すると、その自治体に属する家屋の空家情報が提供される。CPU1は、指定された自治体に属する各家屋のライフラインの状況を表わすデータベースに基づいて、その自治体に属する各家屋が空家であるか否かを判定し、その自治体に属する各家屋が空家であるか否かの判定結果を一覧として出力する。
【0039】
(2)ある局面において、ライフラインは、電力である。自治体に属する各家屋は、同一の住所内に電力契約が存在する複数の家屋を含む。CPU1は、空家であると判定された当該空家の契約者と同一の契約者が同一の住所内の他の家屋に存在する場合において、当該他の家屋において電力が使用されている時に、当該空家を、管理されている空家として分類する。また、CPU1は、空家であると判定された当該空家の契約者と同一の契約者が同一の住所内の他の家屋に存在する場合において、当該他の家屋において電力が使用されていない時に、当該空家を、空家であることが推定される空家として分離する。
【0040】
(3)ある局面において、CPU1は、電力の使用または未使用を、一日のうちの予め定められた時間における使用量に基づいて判定する。予め定められた時間は、たとえば、30分、一時間等であり、この時間は、電力の使用量を計測するスマートメータの設定に応じて任意に設定され得る。
【0041】
(4)ある局面において、自治体に属する各家屋は、集合住宅を含む。CPU1は、集合住宅に含まれる全ての家屋が空家であると判定される場合に、集合住宅は空家であると判定する。CPU1は、ライフラインの契約が予め定められた一定期間存在していない場合に、当該契約が存在していない家屋を空家であると判定する。ここで、予め定められた一定期間とは、たとえば、当該方法が実行された日から過去に遡った6ヶ月や一年等であるが、この一定期間は、サーバ130のユーザによって任意に設定され得る。
【0042】
(5)ある局面において、CPU1は、ライフラインの契約が予め定められた一定期間存在していない場合に、当該契約が存在していない家屋を空家であると判定する。
【0043】
(6)ある局面において、CPU1は、ライフラインが当該予め定められた一定期間使用されていない場合に、当該ライフラインが使用されていない家屋を空家であると判定する。
【0044】
(7)ある局面において、CPU1は、ライフラインの使用量を測定するメータが家屋から撤去されている場合に、当該家屋を空家であると判定する。
【0045】
(8)ある局面において、CPU1は、ライフラインの使用量を測定するメータが家屋から撤去されておらず、ライフラインの契約が存在し、ライフラインが一定期間消費されている場合に、当該家屋は空家でないと判定し、かつ、メータが撤去されている場合、ライフラインの契約が存在しない場合、または、ライフラインが一定期間消費されていない場合に、当該家屋を空家であると推定する。
【0046】
<空家一覧の例>
図4を参照して、サーバ130によって生成される空家一覧の例について説明する。図4は、サーバ130のハードディスク5に格納される空家一覧の例を概念的に表わす図である。
【0047】
サーバ130が空家一覧のデータを生成すると、ハードディスク5は、空家一覧をテーブル400として記憶する。テーブル400は、番号と、建物種別と、所有者分類と、契約状態と、備考とを含む。番号は、各家屋を識別する。建物種別は、当該家屋が戸建および集合住宅のいずれである否かを表わす。
【0048】
所有者分類は、当該家屋の所有の形態を表わす。所有の形態は、個人空家、法人空家、管理空家、法人/個人混在、および、不明のいずれかである。個人空家は、個人が所有する家屋が空家であることを示す。法人空家は、法人が所有する家屋が空家であることを示す。管理空家は、同一住所内に複数の電力契約がある場合において、空家と判断される家屋の所有者と同一の契約者(名義または電話番号が一致)が存在し、かつ電気を使用している(居住している)ときの当該空家をいう。法人/個人混在は、ある家屋が所有者が法人および個人に共有されている場合に該当する。不明は、計測器(メータ)が撤去されているため、当該家屋の所有者が直ぐには分からない状態をいう。
【0049】
契約状態は、当該ライフラインの契約(たとえば電力供給契約、ガス供給契約、電話回線契約など)の状態を表わす。集合住宅の場合は、各家屋によって契約状態が異なるため、集合住宅の全体としては、供給中・廃止中混在、という状態があり得る。
【0050】
備考は、サーバ130の運営者によって各建物の状況として入力された情報その他の参考情報を示す。
【0051】
図5を参照して、管理空家について説明する。図5は、管理空家または推定空家と分類する態様を例示する図である。
【0052】
ケース(A) 同一住所内に複数の電力契約がある場合において、空家と推定される家屋の契約者と同一の契約者(名義または電話番号が一致)が存在し、かつ電気を使用している(居住している)ときは、当該家屋は、管理されている空家(「管理空家」ともいう。)に分類される。
【0053】
ケース(B) 同一住所内に複数の電力契約がある場合において、いずれの家屋も空家と推定される場合は、管理されていないため、当該いずれの家屋も、「推定空家」に分類される。推定空家とは、空家と推定される家屋をいう。
【0054】
<データ構造>
図6図9を参照して、サーバ130のデータ構造について説明する。図6図9はそれぞれ、サーバ130が備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を表わす図である。
【0055】
図6に示されるように、ハードディスク5は、テーブル610,620,630および640を保持している。テーブル610は、電力に関するデータ(電力データ)を保持している。当該データは、スマートメータによって取得され、たとえば家庭等で消費される低圧部門のデータである。当該データは、供給地点特定番号と、計器ID(Identification)と、潮流区分と、計測年月日と、30分ごとの電力消費量とを含む。供給地点特定番号は、当該スマートメータが設けられている場所(電力供給を受ける住所)を特定する。計器IDは、当該スマートメータを識別する。潮流区分は、電力の移動方向を特定する。計測年月日は、電力消費量が計測された日または期間を表わす。当該期間は、例えば、30分単位で設定されるが、この期間は30分に限られない。たとえば、15分単位、あるいは、1時間単位で設定されてもよい。
【0056】
テーブル610は、領域611,612,613,614を含む。領域611は、テーブル610に含まれる項目を識別する。領域612は、当該項目の名称を含む。領域613は、当該項目に対応する値を保持している。領域614は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0057】
テーブル620は、供給地点特定番号に関するデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、発需区分コードと、新設同時廃止フラグと、廃止年月日と、撤去年月日と、住所コードと、住所と、建物名と、棟番号と、部屋番号と、建物種別とを含む。これらの項目は当業者が容易に理解できるものである。したがって、各項目の詳細な説明は繰り返さない。
【0058】
テーブル620は、領域621,622,623,624を含む。領域621は、テーブル620に含まれる項目を識別する。領域622は、当該項目の名称を含む。領域623は、当該項目に対応する値を保持している。領域624は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0059】
テーブル630は、需要契約者に関するデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、契約者名義(漢字、カナ)と、契約者電話番号と、契約種別コードと、街路灯フラグと、未計器コードとを含む。これらの項目は当業者が容易に理解できるものである。したがって、各項目の詳細な説明は繰り返さない。
【0060】
テーブル630は、領域631,632,633,634を含む。領域631は、テーブル630に含まれる項目を識別する。領域632は、当該項目の名称を含む。領域633は、当該項目に対応する値を保持している。領域634は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0061】
テーブル640は、計器に関するデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、計器IDと、計器識別番号とを含む。これらの項目は当業者が容易に理解できるものである。したがって、各項目の詳細な説明は繰り返さない。
【0062】
テーブル640は、領域641,642,643,644を含む。領域641は、テーブル640に含まれる項目を識別する。領域642は、当該項目の名称を含む。領域643は、当該項目に対応する値を保持している。領域644は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0063】
図7を参照して、ハードディスク5は、テーブル710,720をさらに保持している。テーブル710は、供給地点の特定に関するデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、関連供給地点特定番号とを含む。これらの項目は当業者が容易に理解できるものである。したがって、各項目の詳細な説明は繰り返さない。
【0064】
テーブル710は、領域711,712,713,714を含む。領域711は、テーブル710に含まれる項目を特定する。領域712は、当該項目の名称を含む。領域713は、当該項目の具体的な値を保持している。領域714は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0065】
テーブル720は、供給地点の位置を特定するためのデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、緯度と、経度とを含む。テーブル720は、領域721,722,723,724を含む。領域721は、テーブル720に含まれる項目を特定する。領域722は、当該項目の名称を含む。領域723は、当該項目の具体的な値を保持している。領域724は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。供給地点特定番号は、テーブル710に規定されている番号と同じである。緯度は、供給地点の緯度を表わす。経度は、当該供給地点の経度を表わす。
【0066】
図8を参照して、ハードディスク5は、テーブル810,820,830をさらに格納している。テーブル810,820,830は、図6および図7に示されるデータを用いて行われた家屋の空家判定の結果のデータを保持している。
【0067】
テーブル810は、家屋の判定結果に関するデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、計器IDと、判定年月日と、属性とを含む。
【0068】
テーブル810は、領域811,812,813,814を含む。領域811は、テーブル810に含まれる項目を特定する。領域812は、当該項目の名称を含む。領域813は、当該項目の具体的な値を保持している。領域814は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0069】
領域812において、供給地点特定番号は、供給地点を特定する。計器IDは、計器(たとえば、スマートメータ)を識別する。年月日は、当該家屋が空家であるか否かの判定が行われた年月日を表わす。属性は、当該家屋が空家であるか否かを表わす。
【0070】
テーブル820は、供給地点特定番号をキーとしたデータを保持している。当該データは、供給地点特定番号と、契約状態と、住所コードと、住所と、建物名と、棟番号と、部屋番号と、建物種別と、契約者名義(漢字)と、契約者名義(カナ)と、契約者電話番号と、名義分類と、緯度と、経度とを含む。これらの項目は当業者が容易に理解できるものである。したがって、各項目の詳細な説明は繰り返さない。
【0071】
テーブル820は、領域821,822,823,824を含む。領域821は、テーブル820に含まれる項目を特定する。領域822は、当該項目の名称を含む。領域823は、当該項目の具体的な値を保持している。領域824は、当該項目が主キーとなるか否かを表わすフラグを保持している。
【0072】
テーブル830は、指定された自治体に存在する各家屋について、空家と判定された家屋に関するデータを保持している。当該データは、住所コードと、住所と、建物名と、棟番号と、部屋番号と、建物種別と、契約者名義(漢字)と、所有者分類と、電力契約なし日数と、電力使用なし日数と、一時使用日数と、緯度と、経度とを含む。所有者分類は、当該家屋の所有者が個人であるか法人であるかを表わす。電力契約なし日数は、指定された期間(たとえば、空家推定の判断処理が行われる日から遡って過去1年、等)において、当該家屋の供給地点について電力供給の契約が存在していない日数を表わす。電力使用なし日数は、当該指定された期間において、電力の使用が認められない日数を表わす。その他の項目は、図6または図7に例示されている項目と同じであるので、当該他の項目の説明は、繰り返さない。
【0073】
<空家推定>
図9を参照して、家屋が空家であるか否かを判定するための処理(空家推定)について説明する。図9は、指定された範囲(たとえば自治体単位)に存在する各家屋が空家であるか否かを推定するためにサーバ130が実行する処理の概要を表わすフローチャートである。
【0074】
ステップS910にて、サーバ130は、テーブル610に格納されている電力データに対して、データクレンジング処理を実行する。データクレンジング処理は、電力消費量に欠損値があるレコードを除去すること、計器IDおよび年月日が同じである重複レコードを除去することを含む。サーバ130は、データクレンジング処理を実行した後のレコードを、当該処理を実行するために確保したデータベース領域に出力する。
【0075】
ステップS920にて、サーバ130は、計器の属性を判定する。具体的には、サーバ130は、各計器の一定期間の電力消費量を元に、当該家屋が、住人が居住中であるか、あるいは、空家であるか(住人が居住していない)のいずれかに分類する。ある局面において、家屋の短期間の使用は居住中とみなさないために、サーバ130は、当該家屋が空家であると判定した場合において2週間以内の電力使用が認められた時は、当該家屋は一時使用であるとして、当該家屋の分類を「空家」に補正し得る。サーバ130は、判定の結果を、テーブル810に格納する。
【0076】
ステップS930にて、サーバ130は、テーブル620に格納されている電力データに対して、データクレンジング処理を実行する。データクレンジング処理が実行されると、サーバ130は、次の三条件、すなわち、(1)発需区分コードが需要、(2)新設同時廃止フラグが新設同時廃止でない、および(3)対象エリアの住所コード、を全て満たした供給地点特定番号マスタデータを抽出する。
【0077】
ステップS940にて、サーバ130は、テーブル630に格納されている電力データに対して、データクレンジング処理を実行する。データクレンジング処理が実行されると、サーバ130は、次の三条件、すなわち、(1)契約種別コードが電灯、(2)街路灯フラグが街路灯でない、および(3)未計器コードが未計器でない、を全て満たした供給地点特定番号を対象契約者データとして抽出する。
【0078】
ステップS950にて、サーバ130は、名義分類を行う。より具体的には、サーバ130は、各契約について、契約者名義(漢字)および契約者名義(カナ)に対し、法人、その他判定データに含まれる文字がマッチするか否かを判定し、当該契約を「法人契約」、「その他契約(共用や駐車場等)」または「個人契約(マッチなし)」のいずれかに分類し、対象契約者データから「その他契約(共用や駐車場等)」に分類されたレコードを除外する。
【0079】
ステップS960にて、サーバ130は、テーブル640に格納されている電力データに対して、データクレンジング処理を実行する。データクレンジング処理が実行されると、サーバ130は、次の条件、すなわち、計器識別番号が主計器であること、を満たす供給地点特定番号を対象計器データとして抽出する。
【0080】
ステップS970にて、サーバ130は、対象地点を抽出する。より具体的には、サーバ130は、供給地点特定番号マスタデータに対し、関連供給地点特定番号データの関連供給地点特定番号に含まれる供給地点特定番号のレコードを除外する。サーバ130は、除外後に残った供給地点特定番号のレコードと、対象契約者データ(テーブル630)、対象計器データ(テーブル640)および座標データ(テーブル720)とを内部結合することにより、データクレンジング済の地点を、対象供給地点特定番号判定結果(テーブル820)として抽出する。
【0081】
ステップS980にて、サーバ130は、後述する空家判定処理を実行する。この処理が実行されると、指定された範囲(たとえば、区市町村単位)に存在する各家屋が空家であるか否かが推定される。なお、当該範囲は、ある局面において、ユーザが、区市町村の名称をサーバ130に直接入力することにより、指定される。他の局面において、範囲の指定は、ユーザが、任意に住所を入力し、その住所で特定される区市町村のいずれかをユーザが選択することにより、指定されてもよい。
【0082】
図10は、サーバ130が実行する空家判定処理(ステップS980)の詳細を表わすフローチャートである。
【0083】
ステップS1000にて、サーバ130は、指定された自治体に含まれる建物のデータベースのレコードのカウンタNを初期化する(N=1)。
【0084】
ステップS1010にて、サーバ130は、建物からメータが撤去されているか否かを判断する。この判断は、メータの設置状況を表わすデータベースに基づいて行なわれる。サーバ130は、メータが撤去されていると判断すると(ステップS1010にてYES)、制御をステップS1020に切り換える。そうでない場合には(ステップS1010にてNO)、サーバ130は、制御をステップS1030に切り替える。
【0085】
ステップS1020にて、サーバ130は、当該建物が空家であると判定し(推定空家)、当該建物の情報を推定空家のリスト(テーブル830)に出力する。この場合、メータが判定の対象期間(推定空家のリストの抽出対象期間)内に撤去された場合には、撤去日にかかわらず、当該建物は「推定空家」として分類されることになる。
【0086】
ステップS1030にて、サーバ130は、建物には電力契約があるか否かを判断する。サーバ130は電力契約があると判断すると(ステップS1030にてYES)、制御をステップS1050に切り換える。そうでない場合には(ステップS1030にてNO)、サーバ130は、制御をステップS1040に切り替える。
【0087】
ステップS1040にて、サーバ130は、当該建物が空家であると判定し(推定空家)、当該建物の情報を推定空家のリスト(テーブル830)に出力する。たとえば、電力契約が過去半年(180日)以上連続して存在しない場合には、当該建物は「推定空家」として分類されることになる。
【0088】
ステップS1050にて、サーバ130は、電力が一定期間消費されていないか否かを判断する。サーバ130は、電力が一定期間消費されていないと判断すると(ステップS1050にてYES)、制御をステップS1060に切り換える。そうでない場合には(ステップS1050にてNO)、サーバ130は、制御をステップS1070に切り替える。
【0089】
ステップS1060にて、サーバ130は、当該建物が空家であると判定し(推定空家)、当該建物の情報を推定空家のリスト(テーブル830)に出力する。たとえば、当該建物において電力が過去半年以上連続して消費されていない場合、当該建物は「推定空家」として分類されることになる。
【0090】
ステップS1070にて、サーバ130は、当該建物が推定空家でないと判定する。
【0091】
ステップS1080にて、サーバ130は、当該自治体に存在する全ての建物について判定処理が完了したか否かを判断する。サーバ130は、全ての建物について判定処理が完了したと判断すると(ステップS1080にてYES)、処理を終了する。そうでない場合には(ステップS1080にてNO)、サーバ130は、制御をステップS1090に切り替える。
【0092】
ステップS1090にて、サーバ130は、カウンタNを1カウントアップする。その後、サーバ130は、制御をステップS1010に戻す。
【0093】
以上のような処理により、サーバ130は、空家リストをテーブル830として生成する。
【0094】
<実施の形態の効果>
ある実施の形態に従うサーバ130は、指定された範囲(たとえば、区市町村単位)で各家屋が空家であるか否かを網羅的に表わす情報を出力できるので、区市町村の職員は、空家状況を包括的に把握できる。
【0095】
ある実施の形態に従うサーバ130は、空家であるか否かの判定の対象となる住所に複数の家屋が存在する場合と、1つの建物に複数の契約がある場合も、区別して当該家屋が空家であるか否かを判定できるので、空家推定の精度が向上し得る。
【0096】
ある実施の形態に従うサーバ130は、人が居住していない家屋が管理されている場合も当該家屋を管理空家と判定できるので、空家推定の精度が向上し得る。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0098】
開示された技術的特徴は、自治体毎に空家の存在を確認する場面その他不動産の管理の局面において利用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 CPU、2 マウス、3 キーボード、4 RAM、5 ハードディスク、6 光ディスク駆動装置、7 通信インターフェイス、8 モニター、9 CD-ROM、100 システム、110 端末、130 サーバ、190 ネットワーク、200 コンピュータシステム、400,610,620,630,640,710,720,810,820,830 テーブル、611,612,613,614,621,622,623,624,631,632,633,634,641,642,643,644,711,712,713,714,721,722,723,724,811,812,813,814,821,822,823,824 領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10