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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011891
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】篩装置及び篩システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/407 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
E02F3/407
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114301
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】393014523
【氏名又は名称】株式会社ソイルリサイクル工業
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青野 幸三
(57)【要約】
【課題】本発明は、土砂を好適に篩うことのできる篩装置及び篩システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る篩装置40は、自走式の台車41に振動可能に支持される篩枠44と、前記篩枠に装着される篩46,48と、を有する篩手段と、前記篩手段を振動させる振動手段と、を有する篩装置であって、前記振動手段は、前記篩手段の一方の第1端部側を上下に振動させる第1振動手段50と、前記篩手段の他方の第2端部側を上下に振動させる第2振動手段60と、を含み、前記第1振動手段は、前記第2振動手段よりも前記篩手段を大きく上下に振動させる(V1,V2)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式の台車に振動可能に支持される篩枠と、前記篩枠に装着される篩と、を有する篩手段と、
前記篩手段を振動させる振動手段と、
を有する篩装置であって、
前記振動手段は、前記篩手段の一方の第1端部側を上下に振動させる第1振動手段と、前記篩手段の他方の第2端部側を上下に振動させる第2振動手段と、を含み、
前記第1振動手段は、前記第2振動手段よりも前記篩手段を大きく上下に振動させる、
篩装置。
【請求項2】
前記第1振動手段は、第1回転手段と、前記第1回転手段により回転する第1回転軸と、前記第1回転軸に装着された第1偏心カムを含み、
前記偏心カムは、前記篩枠に当接する、
請求項1に記載の篩装置。
【請求項3】
前記篩手段は、前記篩枠に装着される第1篩と、前記第1篩の下側に配置され、前記第1篩よりも篩の目の粗さが細かい第2篩と、を含む、
請求項2に記載の篩装置。
【請求項4】
前記第1篩及び第2篩は、メッシュ状である、
請求項3に記載の篩装置。
【請求項5】
前記篩手段の下方には、前記篩手段により篩われた篩土を搬出する搬出コンベアが配置される、
請求項4に記載の篩装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の篩装置と、
バケットの底面に形成された排出口の上に軸方向に複数のブレードを配列してなる回転刃を平行に並べ、前記回転刃を互いに逆向きに回転させて、掬い取られた土砂を篩って前記排出口から落下させるスクリーンバケットを、アームに接続してなる油圧ショベルと、
を含む篩システムであって、
前記スクリーンバケットの下方に前記篩装置の前記篩手段を配置し、前記スクリーンバケットにより篩われた土砂を、前記篩装置により再度篩う、
篩システム。
【請求項7】
前記スクリーンバケットの前記排出口は、前記篩装置の前記第2端部側に前記土砂を落下させる、
請求項6に記載の篩システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラウンドやテニスコート、公園などの土壌の土砂を篩う篩装置及び篩システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
野球グラウンド、サッカーグラウンド、テニスコート、ソフトボールグラウンド、公園など(以下、総称して「グラウンド」という)は、長期間使用していると、土壌が踏圧や、風、雨水、乾燥により固くなる。
【0003】
このため、グラウンドを定期的にメンテナンスする必要がある。一般的には、メンテナンスはグラウンドの表面層を掘り起こして地盤を平らに整正する。掘り起こした土砂は篩によって篩い、大きな石や塊を取り除いた篩土を得て、篩土を再び地盤に敷いて、ローラーなどで押し均す。
【0004】
自走式の篩装置として、特許文献1では、台車に複数のコイルバネを介して指示された側壁に篩となるメッシュを配置し、エンジンの駆動力により回転する振動モーターによって側壁を上下に振動させることで、メッシュを振動させる篩装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-146651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、篩となるメッシュの振動が不十分のため、篩が目詰りしやすく、また、篩を通過しない残土が多くなり、篩効率が低下する。
【0007】
本発明は、土砂を好適に篩うことのできる篩装置及び篩システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る篩装置は、
自走式の台車に振動可能に支持される篩枠と、前記篩枠に装着される篩と、を有する篩手段と、
前記篩手段を振動させる振動手段と、
を有する篩装置であって、
前記振動手段は、前記篩手段の一方の第1端部側を上下に振動させる第1振動手段と、前記篩手段の他方の第2端部側を上下に振動させる第2振動手段と、を含み、
前記第1振動手段は、前記第2振動手段よりも前記篩手段を大きく上下に振動させる。
【0009】
前記第1振動手段は、第1回転手段と、前記第1回転手段により回転する第1回転軸と、前記第1回転軸に装着された第1偏心カムを含み、
前記偏心カムは、前記篩枠に当接する構成とすることができる。
【0010】
前記篩手段は、前記篩枠に装着される第1篩と、前記第1篩の下側に配置され、前記第1篩よりも篩の目の粗さが細かい第2篩と、を含む構成とすることができる。
【0011】
前記第1篩及び第2篩は、メッシュ状とすることができる。
【0012】
前記篩手段の下方には、前記篩手段により篩われた篩土を搬出する搬出コンベアを配置することができる。
【0013】
また、本発明の篩システムは、
上記に記載の篩装置と、
バケットの底面に形成された排出口の上に軸方向に複数のブレードを配列してなる回転刃を平行に並べ、前記回転刃を互いに逆向きに回転させて、掬い取られた土砂を篩って前記排出口から落下させるスクリーンバケットを、アームに接続してなる油圧ショベルと、
を含む篩システムであって、
前記スクリーンバケットの下方に前記篩装置の前記篩手段を配置し、前記スクリーンバケットにより篩われた土砂を、前記篩装置により再度篩う。
【0014】
前記スクリーンバケットの前記排出口は、前記篩装置の前記第2端部側に前記土砂を落下させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る篩装置によれば、篩は、第1端部を第2端部よりも大きく上下に振動させることで、刳るように篩を動かすことができ、篩の目詰りを防止し、篩を通過しない残土を減らして篩効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の篩システムの概略構成を示す説明図である。
図2図2は、スクリーンバケットの平面図である。
図3図3は、スクリーンバケットの縦断面図である。
図4図4は、篩装置の概略構成を示す説明図である。
図5図5は、第1篩の平面図である。
図6図6は、第2篩の平面図である。
図7図7は、篩手段の振動状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る篩システム10について、図面を参照しながら説明を行なう。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る篩システム10の概略構成を示す説明図である。図1に示すように、篩システム10は、スクリーンバケット20を装着した油圧ショベル30と、2種の篩46,48を具備する篩装置40と、を含む構成とすることができる。なお、以下では、図1において右側を前方(第2端部側)、左側を後方(第1端部側)と称するが、各機構の向きは本実施形態に限定されるものではない。
【0019】
<スクリーンバケット20を装着した油圧ショベル30>
油圧ショベル30は、クローラー31又はホイール式の下部走行体に上部旋回体33を配置してなり、上部旋回体33にはブーム34とアーム35を上下に回動自在に接続して構成される。アーム35の先端には、スクリーンバケット20が同じく上下に回動自在に連結されている。油圧ショベル30の構成については公知のものを採用できるため、詳細な構成や動作の説明は省略する。
【0020】
スクリーンバケット20は、図2及び図3に示すように、アーム35(図1参照)に装着されるバケット21と、バケット21内に収容された回転刃24,24を含む構成とすることができる。バケット21は、先端に土砂S1(図1)を掘り起こすツース22を有し、底面には排出口23が開設されている。排出口23には、バケット21の側面間に懸架された回転軸25、25にブレード26を軸方向に配列してなる回転刃24,24を具える。回転刃24,24は、油圧ショベル30の油圧により互いに逆向きに回転可能となっている。篩いを行なう際には、回転刃24,24は、図3中矢印Rで示すように回転して土砂を押し出す。回転刃24,24間に大きな石などが詰まった場合には、回転刃24,24を矢印Rとは逆向きに転させて、詰まりを取り除く。
【0021】
ブレード26は、金属又は樹脂から作製することができる。たとえば、ブレード26は、刃数を8枚~12枚とすることができ、直径は、150mm~300mm、厚さは20mm~50mmとすることができる。回転刃24,24どうしは、間隔が0mm~50mmとなるように配置され、本実施形態の回転刃24,24を回転させることで、篩われる土砂S4の最大径を5mm~50mmに設定できる。なお、以下の説明を含め、数値は発明を理解するための一例であり、これらに本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。
【0022】
<篩装置40>
篩装置40は、スクリーンバケット20で篩われた土砂S2をさらに細かい土砂に篩い直し、コンベア70,71から搬出する装置である。篩装置40は、図1に示すように、エンジンなどの動力源を有するクローラー42で自走する台車41を含む構成とすることができる。なお、篩装置40は、トラクターによる牽引式とし、トラクターのドライブシャフトから動力を受けて篩46,48を振動等させ、コンベア70,71を駆動する構成であっても構わない。
【0023】
本実施形態の篩装置40は、図1に示す台車41上に篩の目の粗さの異なる2種類の篩手段(第1篩46と第2篩48:図4乃至図6参照)を上下に配置し、また、第2篩48の下に搬出コンベア70を配置した構成としている。篩は、図示のような2段重ねた構成に限らず、1段のみ、或いは、3段以上であっても構わない。第1篩46は、土砂S2を篩う篩であって、第2篩48は、第1篩46により篩われた土砂S3を篩う篩である。これら篩46,48は、図4に示すように、篩枠44内に上下に取り付けられている。篩枠44は、上面及び後方側(図1では左側)が全部又は篩46,48の後端側が少なくとも開口した矩形の枠体であり、台車41に後述する振動手段50,60を介して、上下及び/又は前後に揺動可能に取り付けられている。望ましくは、篩枠44の浮き上がりを防止するために、篩枠44は台車41にスプリング等により付勢しておく。篩枠44の上面の開口には、スクリーンバケット20から放出された土砂S2が投入される。
【0024】
上側の第1篩46は、スクリーンバケット20から放出される土砂S2を篩う。第1篩46は、第2篩48よりも篩の目の粗さが粗い篩とする。たとえば、第1篩46は、図5に示すように、篩枠44に取り付けられた格子状のメッシュとすることができる。メッシュの目開きは25mm×25mm~100mm×100mmが好適である。第1篩46は、篩枠44が台車41に上下及び/又は前後に揺動可能に支持されることで、篩枠44と共に上下及び/又は前後に揺動可能となっている。
【0025】
第1篩46は、図1に示すように、篩われた土砂S3をメッシュの間から下方に落下させ、第1篩46を通過しなかった大きい残土D1を後方から台車41の外へ落下させる構成とすることができる。望ましくは、第1篩46は、後端側(第1端部側)が低くなるように傾けておく。
【0026】
下側の第2篩48は、図1に示すように、第1篩46の下方に配置され、第1篩46で篩われた土砂S3を篩う。第2篩48は、第1篩46よりも篩の目の粗さが細かい篩である。たとえば、第2篩48は、図6に示すように、篩枠44に取り付けられた格子状のメッシュとすることができる。メッシュの目開きは5mm×5mm~50mm×50mmが好適である。第2篩48も、篩枠44が台車41に上下及び/又は前後に揺動可能に支持されることで、篩枠44と共に上下及び/又は前後に揺動可能となっている。
【0027】
第2篩48は、図1に示すように、篩われた土砂S4を下方に落下させる。そして、第2篩48を通過しなかった大きい残土D2は、第1篩46と同様、後方から台車41の外へ落下させる構成とすることができる。望ましくは、第2篩48は、後端側(第1端部側)が低くなるように傾けておく。
【0028】
第2篩48の下方には、図1に示すように、第2篩48を通過した土砂(篩土)S4が落下し、当該篩土S4を搬出する搬出コンベア70を有する。搬出コンベア70は、土砂S4を篩装置40の前方(第2端部側)に向けて搬出する。搬出コンベア70は、周回可能なベルトをローラー間に張設して構成することができ、一方の駆動ローラーは台車41の油圧等で回転駆動する構成とすることができる。なお、図7に示すように、搬出コンベア70は、篩装置40の振動の影響を受けない構成とすることが望ましい。
【0029】
篩枠44は、振動手段50,60に連繋され、振動手段により上下及び/又は前後に振動する。振動手段は、第1回転手段52を駆動源とする第1振動手段50と、第2回転手段62を駆動源とする第2振動手段60を含む構成とすることができる。第1振動手段50は、図1図4に示すように、残土D1,D2が放出される篩枠44の後方側(第1端部側)に配置し(図では左側)、第2振動手段60は、第1端部側とは逆側の前方側(第2端部側:図では右側)に配置する。
【0030】
第1振動手段50は、篩枠44の後端側(第2端部側)を上下及び/又は前後に振動させる。第1振動手段50は、たとえば、図4に示すように、台車41の油圧等で回転駆動する第1回転手段52により回転する第1回転軸53に第1偏心カム54を装着した構成とすることができるが、これに限定されるものではない。第1回転軸53は、篩装置40の左右方向に延び、第1偏心カム54は、篩枠44のたとえばフレーム45に当接して、その回転により図7(a)、(b)に示すように、篩枠44を上下及び/又は前後に振動させる。第1振動手段50は、次に説明する第2振動手段60よりも篩枠44を上下及び/又は前後に大きく振動させる構成とする。たとえば、第1振動手段50による篩枠44の振幅は、第2振動手段60による振幅よりも大きく、50mm~250mm程度とすることができる。第1振動手段50による篩枠44の振幅は、本実施形態の場合、第1偏心カム54の偏心量を大きく採ればよい。なお、図示の第1偏心カム54は、楕円形状のカムであるが、円形状、その他形状のカムであってもよい。
【0031】
第2振動手段60は、篩枠44の前端側(第2端部側)を上下及び/又は前後に振動させる。第2振動手段60は、たとえば、図4に示すように、台車41の油圧等で回転駆動する第2回転手段62により回転する第2回転軸63に第2偏心カム64を装着した構成とすることができるが、これに限定されるものではなく、上記した特許文献1と同様の構成なども採用できる。第2回転軸63は、篩装置40の左右方向に延び、第2偏心カム64は、篩枠44のたとえばフレーム45に当接して、その回転により図7(a)、(b)に示すように、篩枠44を上下及び/又は前後に振動させる。第2振動手段60は、上記した第1振動手段50よりも篩枠44の振幅は小さい構成とする。たとえば、第2振動手段60による篩枠44の振幅は15mm~100mm程度とすることができる。第2振動手段60による篩枠44の振幅は、本実施形態の場合、第2偏心カム64の偏心量を第1偏心カム54よりも小さくすることで調整できる。なお、図示の第2偏心カム64は、楕円形状のカムであるが、円形状、その他形状のカムであってもよい。
【0032】
図7に矢印V1、V2で示すように、第1振動手段50による篩枠44の振幅を、第2振動手段60による篩枠44の振幅よりも大きくすることで、篩枠44は後方側となる第1端部側が大きく刳られる。これにより、第1篩46と第2篩48は、後方側での刳り効率を高めることができ、後方側から排出される残土D1,D2を少なくすることができる。
【0033】
篩装置40の前方(第2端部側)には、図1に示すように、搬出コンベア70が搬出した篩土S4を所望の位置に移送して、積み上げる送出コンベア71を有する。送出コンベア71と搬出コンベア70は、搬出コンベア70が上側となるように一部が上下に重なっており、搬出コンベア70から矢印T1に示すように搬出された篩土S4が落下して送出コンベア71で受け止められ、移送される(矢印T2)。送出コンベア71は、周回可能なベルトをローラー間に張設してなり、一方の駆動ローラーは台車41の油圧等で回転駆動する構成とすることができる。送出コンベア71は、搬出コンベア70と別のコンベアとし、左右に首振り可能、また、上下に揺動可能に形成することで、所望の方向に篩土S4を搬出できる。なお、搬出コンベア70と送出コンベア71は1つのコンベアから形成することもできる。
【0034】
また、篩装置40は、後方(第2端部側)に篩い残った残土D1,D2を搬出する残土用コンベア72を有する。残土用コンベア72は、第1篩46、第2篩48の後部側(第1端部側)から落下する残土D1,D2を回収して、所望の位置、或いは、所望の方向に搬出して積み上げる(図1中矢印Uは紙面奥側に向けて搬出される残土の移動方向を示す)。周回可能なベルトをローラー間に張設してなり、一方の駆動ローラーは台車41の油圧等で回転駆動する構成とすることができる。残土用コンベア72は、左右に首振り可能、また、上下に揺動可能に形成することで、所望の方向に残土D1,D2を搬出できる。
【0035】
<篩方法>
以下、本発明の篩システム10を用いたグラウンドの土砂の篩方法について、図1を参照して説明する。まず、ブルドーザー等でグラウンドの表層土をかき集めて山状に盛る(図1のS1)。また、山状に盛られた土砂S1の横に油圧ショベル30と篩装置40を移動させる。
【0036】
篩装置40は、送出コンベア71と残土用コンベア72を所望の角度、向きに調整しておく。そして、第1振動手段50と第2振動手段60を駆動して篩枠44と共に第1篩46と第2篩48を振動させつつ、コンベア70,71,72を周回駆動させる。
【0037】
そして、油圧ショベル30を用いてスクリーンバケット20で土砂S1を掬う。この状態で、スクリーンバケット20を第1篩46の上に移動、望ましくは、第1篩46の中央よりも前方側(第2端部側)の上方に移動させ、回転刃24,24を回転させる(図3の矢印R)。これにより、バケット21内の土砂S1は回転刃24,24間で細かく粉砕されて排出口23から勢いよく第1篩46に落下する(符号S2)。なお、スクリーンバケット20中に篩われることなく残った残土は、回転刃24,24を矢印Rとは逆向きに転させつつ、適所に放り出せばよい。
【0038】
第1篩46と第2篩48は、図7に示すように、第1振動手段50と第2振動手段60により上下及び/又は前後に振動する。第1振動手段50は、第2振動手段60よりも篩46,48を大きく振動させるから、第1篩46と第2篩48は、後方側(第1端部側:図中左側)の振動(矢印V1)が、前方側(第2端部側)の振動(矢印V2)よりも大きくなっている。
【0039】
スクリーンバケット20から勢いよく放出された土砂S2は、第1篩46の前方側に勢いよく当たって、大部分が細かく粉砕される。また、第1篩46の振動により篩われる。スクリーンバケット20で篩われた土砂S2には、図1に丸囲み部Aで示すように、細長い形状の土砂の塊(符号S2’で示す)が含まれることがあるが、勢いよく第1篩46に当たり、また、振動する第1篩46により、一部又は全部を粉砕することができる。
【0040】
第1篩46が振動することで、土砂S2が篩われる。そして、前方側で篩われなかった土砂S2は、第1篩46の振動により、後方側(第1端部側)に移動する。第1篩46は、後方側(第1端部側)を、前方側(第2端部側)よりも大きく振動させているから、土砂S2は後方側(第1端部側)で大きく刳られ、粉砕が一気に進行する。これにより、塊状の土砂(例えば、S2’)も一部又は全部が粉砕され、小径になる。そして、その結果第1篩46を通過した土砂S3は第2篩48に落下する。一方、第1篩46を通過しなかった大きい塊状の土砂D1は第1篩46上をさらに後方に向けて移動し、図1に示すように後部から排出され、残土用コンベア72に落下して搬出され(矢印U)、残土として積み上げられる。
【0041】
第1篩46を通過した土砂S3は、第2篩48上に落下し、第2篩48によりさらに篩われる。土砂S3は、第2篩48の振動により塊状の土砂も一部がさらに粉砕されて、小径となって第2篩48を通過する。第2篩48も後方側(第1端部側)が大きく振動しているから、土砂S3は大きく刳られ、粉砕が進行する。第2篩48を通過した土砂S4が篩土である。篩土S4は、搬出コンベア70に落下する。なお、第2篩48を通過しなかった土砂D2は第2篩48の後部から排出され残土用コンベア72に落下して搬出され(矢印U)、残土として積み上げられる。
【0042】
搬出コンベア70に落下した篩土S4は、搬出コンベア70によって前方に送られ、送出コンベア71に到達して、送出コンベア71により所望の位置に山状に盛ることができる(符号S5)。
【0043】
然して、得られた篩土S5は、ブルドーザーなどを用いてグラウンドに平らに敷き、ローラー等で押し均すことでメンテナンスが完了する。なお、残土D1,D2は撤去すればよい。
【0044】
本発明の篩システム10及びこれを用いた篩方法によれば、グラウンドの土壌を現場で掬って3段階の篩いを行なうことで、篩土S4を好適に作製することができる。とくに、スクリーンバケット20により篩われた土砂S2には、細長い土砂S2’の塊があるが、この塊を第1篩46に落下させることで一部を細かく粉砕することができるから、残土を減らして回収量を減らすことができる。また、第1篩46と第2篩48は、一方の端部を他方に比べて大きく刳るようにしているから、効率的に篩いを行なうことができ、また、大きな振動により篩46,48の目詰りも低減できる。
【0045】
従前の篩装置であれば、1時間に篩うことができる土砂は約10~15mであり、篩が詰まって所定時間毎にメンテナンスが必要であるところ、本発明の篩装置40と篩システム10であれば、1時間に篩うことができる土砂は約50~70mであり、一日約480mの土砂を篩うことができる。従って、一般的なグラウンドであれば2日程度で篩作業を完了できる。
【0046】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各構成要素は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
10 篩システム
20 スクリーンバケット
21 バケット
23 排出口
24 回転刃
40 篩装置
46 第1篩
48 第2篩
50 第1振動手段(振動手段)
54 第1偏心カム
60 第2振動手段(振動手段)
64 第2偏心カム
70 搬出コンベア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7