(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011915
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 E
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114335
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】大畑 昭
(72)【発明者】
【氏名】石黒 和宏
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB21
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC11
5C062AC22
5C062AC35
5C062AC38
5C062AC41
5C062AC65
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF12
5C062AF14
5C062BC07
(57)【要約】
【課題】画像異常を含む画像データを外部装置へ提供することにより機密情報が漏洩してしまうことを防止する。
【解決手段】画像処理装置1は、原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データ27を生成する画像読取部13と、画像データ27を外部装置へ送信する画像送信部32と、画像データ27に機密情報が含まれるか否かを判断する判断部31と、判断部31によって機密情報が含まれると判断された場合、画像データ27を外部装置へ送信することなく、所定の記憶部21に保存する画像保存部33と、画像保存部33によって画像データ27が記憶部21に保存された場合、記憶部21に保存された画像データ27にアクセスするためのアクセス情報28を外部装置へ送信するアクセス情報送信部34と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データを生成する画像読取部と、
前記画像データを外部装置へ送信する画像送信部と、
前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって機密情報が含まれると判断された場合、前記画像データを前記外部装置へ送信することなく、所定の記憶部に保存する画像保存部と、
前記画像保存部によって前記画像データが前記記憶部に保存された場合、前記記憶部に保存された前記画像データにアクセスするためのアクセス情報を前記外部装置へ送信するアクセス情報送信部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像保存部は、前記画像データの機密情報が含まれる領域を閲覧不可能な状態に加工して前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記憶部に保存された前記画像データに対するアクセス回数をカウントし、前記アクセス回数が所定回数を超えた場合に前記記憶部から前記画像データを削除する画像削除部、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶部における前記画像データの保存期間が所定期間を経過した場合に前記記憶部から前記画像データを削除する画像削除部、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像保存部は、前記画像データの複製を禁止した状態で前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判断部は、ユーザーによる指示操作に基づき、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判断部は、前記画像データを解析することにより、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを自動判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記判断部は、前記画像データが複数ページの画像を含んでいる場合、ページごとに機密情報が含まれるか否かを判断し、
前記画像保存部は、前記画像データから機密情報が含まれるページの画像を抽出し、前記記憶部に保存することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像送信部は、前記画像データから機密情報を含まないページの画像を抽出し、前記外部装置へ送信することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像保存部は、ユーザーによる指示操作に基づき、前記記憶部に前記画像データを保存することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記外部装置以外の装置から前記記憶部に保存された前記画像データに対するアクセスを制限するアクセス管理部、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像処理装置の制御方法であって、
原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データを生成する画像読取ステップと、
前記画像データを外部装置へ送信する画像送信ステップと、
前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって機密情報が含まれると判断された場合、前記画像データを前記外部装置へ送信することなく、所定の記憶部に保存する画像保存ステップと、
前記画像保存ステップによって前記画像データが前記記憶部に保存された場合、前記記憶部に保存された前記画像データにアクセスするためのアクセス情報を前記外部装置へ送信するアクセス情報送信ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項13】
画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、
原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データを生成する画像読取ステップと、
前記画像データを外部装置へ送信する画像送信ステップと、
前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって機密情報が含まれると判断された場合、前記画像データを前記外部装置へ送信することなく、所定の記憶部に保存する画像保存ステップと、
前記画像保存ステップによって前記画像データが前記記憶部に保存された場合、前記記憶部に保存された前記画像データにアクセスするためのアクセス情報を前記外部装置へ送信するアクセス情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、制御方法、及び、プログラムに関し、特に画像処理装置において画像異常が発生した場合に、画像異常が発生した画像データを外部装置へ提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripherals)などの画像処理装置は、スキャンジョブ、プリントジョブ、コピージョブなどの各種のジョブを実行する。画像処理装置においてそれらのジョブを実行すると、画像異常が生じることがある。例えば、スキャンジョブの場合、原稿(シート)の画像を読み取って生成される画像データに、筋状の画像汚れが発生することがある。また、プリントジョブの場合も同様に、印刷用紙などのシートに形成された画像に筋状の画像汚れが発生することがある。画像処理装置において発生する画像異常は、筋状の画像汚れに限られず、その他様々な異常が発生する。
【0003】
一方、近年では、サービス拠点に常駐するサービスマンが、画像処理装置のユーザーと電話回線を介した通話などを行うことでリモートメンテナンス作業が行われる。サービスマンは、ユーザーとの通話によって画像処理装置で発生したトラブルの原因を特定し、ユーザー自身による部品交換や清掃を案内したり、又は、メンテナンス作業のためにサービスマンを派遣したりする。
【0004】
ところが、画像処理装置において画像異常が発生した場合、専門知識のないユーザーが画像異常の症状を適切に説明することは難しい。画像異常に関する表現は抽象的になりやすく、また人によってそれぞれ異なる表現となる。そのため、サービスマンにとっては、ユーザーとの通話だけで画像異常の原因を特定することが難しい。
【0005】
そこで、サービス拠点の外部装置へ画像データを送信することにより、サービス拠点において実際の画像を診断できるようにすることが望まれる。しかし、画像異常が発生した原稿が機密文書であった場合、画像データを外部装置へ送信することはセキュリティ上好ましくない。
【0006】
例えば、特許文献1には、操作パネルに表示されているプレビュー画像をサービス拠点へ送信する際、プレビュー画像に機密情報が含まれていればその機密情報に隠蔽処理を行って送信する画像処理装置が記載されている。しかし、機密情報を隠蔽したとしても、隠蔽されていない部分から機密情報が推定されてしまう可能性がある。そのため、機密情報を隠蔽したとしても、機密情報を含む画像データを外部へ送信することは好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するため、画像異常を含む画像データを外部装置へ提供する際に、機密情報が漏洩してしまうことを確実に防止できるようにした画像処理装置、制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像処理装置であって、原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データを生成する画像読取部と、前記画像データを外部装置へ送信する画像送信部と、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断する判断部と、前記判断部によって機密情報が含まれると判断された場合、前記画像データを前記外部装置へ送信することなく、所定の記憶部に保存する画像保存部と、前記画像保存部によって前記画像データが前記記憶部に保存された場合、前記記憶部に保存された前記画像データにアクセスするためのアクセス情報を前記外部装置へ送信するアクセス情報送信部と、を備えることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記画像保存部は、前記画像データの機密情報が含まれる領域を閲覧不可能な状態に加工して前記記憶部に保存することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記記憶部に保存された前記画像データに対するアクセス回数をカウントし、前記アクセス回数が所定回数を超えた場合に前記記憶部から前記画像データを削除する画像削除部、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記記憶部における前記画像データの保存期間が所定期間を経過した場合に前記記憶部から前記画像データを削除する画像削除部、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記画像保存部は、前記画像データの複製を禁止した状態で前記記憶部に保存することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記判断部は、ユーザーによる指示操作に基づき、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記判断部は、前記画像データを解析することにより、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを自動判断することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかの画像処理装置において、前記判断部は、前記画像データが複数ページの画像を含んでいる場合、ページごとに機密情報が含まれるか否かを判断し、前記画像保存部は、前記画像データから機密情報が含まれるページの画像を抽出し、前記記憶部に保存することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8の画像処理装置において、前記画像送信部は、前記画像データから機密情報を含まないページの画像を抽出し、前記外部装置へ送信することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記画像保存部は、ユーザーによる指示操作に基づき、前記記憶部に前記画像データを保存することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記外部装置以外の装置から前記記憶部に保存された前記画像データに対するアクセスを制限するアクセス管理部、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項12に係る発明は、画像処理装置の制御方法であって、原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データを生成する画像読取ステップと、前記画像データを外部装置へ送信する画像送信ステップと、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって機密情報が含まれると判断された場合、前記画像データを前記外部装置へ送信することなく、所定の記憶部に保存する画像保存ステップと、前記画像保存ステップによって前記画像データが前記記憶部に保存された場合、前記記憶部に保存された前記画像データにアクセスするためのアクセス情報を前記外部装置へ送信するアクセス情報送信ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13に係る発明は、画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、原稿の画像を読み取って画像異常を含む画像データを生成する画像読取ステップと、前記画像データを外部装置へ送信する画像送信ステップと、前記画像データに機密情報が含まれるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによって機密情報が含まれると判断された場合、前記画像データを前記外部装置へ送信することなく、所定の記憶部に保存する画像保存ステップと、前記画像保存ステップによって前記画像データが前記記憶部に保存された場合、前記記憶部に保存された前記画像データにアクセスするためのアクセス情報を前記外部装置へ送信するアクセス情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像異常を含む画像データを外部装置へ提供する際に機密情報が漏洩してしまうことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】画像処理装置を含むネットワークシステムの構成例を示す図である。
【
図2】画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】画像異常処理部による処理の概念を示す図である。
【
図4】画像異常処理部の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【
図5】リモートメンテナンスモードにおける画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】アクセス管理処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】機密情報が含まれる領域の加工例を示す図である。
【
図8】複数ページ分の画像を含む画像データ27を例示する図である。
【
図9】画像データに機密情報を含むページの画像と機密情報を含まないページ画像とが含まれる場合の画像異常処理部による処理の概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態である画像処理装置1を含むネットワークシステムの構成例を示す図である。このネットワークシステムは、ユーザーのローカル環境6に設置される画像処理装置1と、遠隔のサービス拠点7に設置される画像診断装置2とがインターネットなどのネットワーク3を介して通信可能なシステムである。例えば画像診断装置2は、パーソナルコンピュータ(PC)などで構成される。画像診断装置2は、画像処理装置1が設置されているローカル環境6とは異なるサービス拠点7に設置された外部装置である。
【0026】
ローカル環境6には、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワーク4が設置される。そのローカルネットワーク4には、画像処理装置1と、複数の情報処理装置5とが接続される。
【0027】
画像処理装置1は、MFPなどで構成され、スキャンジョブ、プリントジョブ、コピージョブなどの各種のジョブを実行する。例えばスキャンジョブの場合、画像処理装置1は、ユーザーによってセットされた原稿の画像を読み取り、画像データを生成して出力する。また画像処理装置1は、ローカルネットワーク4を介して情報処理装置5からプリントジョブを受信した場合、そのプリントジョブを実行する。画像処理装置1は、プリントジョブにおいて指定された印刷対象画像データに基づき、印刷用紙などのシートに画像形成を行って出力する。更に、コピージョブの場合、画像処理装置1は、ユーザーによってセットされた原稿の画像を読み取って画像データを生成し、その画像データに基づく画像をシートに形成して出力する。
【0028】
このように画像処理装置1は、ジョブを実行することによって画像を出力する。ユーザーは、画像処理装置1から出力される画像を確認することにより、画像処理装置1において正常にジョブが実行されたか否かを判断する。例えば、画像処理装置1から出力された画像に汚れや輝点、筋状の汚れが付着していると、ユーザーは、画像異常が生じていると判断する。ユーザーは、画像異常を確認すると、サービス拠点7のサービスマンに連絡して画像異常を解消するための作業を行う。例えば、ユーザーは、画像処理装置1の動作モードを通常ジョブモードからリモートメンテナンスモードに切り替え、画像異常が発生している画像データをサービス拠点7の画像診断装置2へ送信する。
【0029】
サービス拠点7のサービスマンは、画像診断装置2において表示される画像を確認し、画像処理装置1における画像異常の発生原因を特定する。特定した画像異常の発生原因に基づき、サービスマンは、ユーザー自身による部品交換や清掃を案内したり、又は、メンテナンス作業のために別のサービスマンをローカル環境6に派遣したりする。
【0030】
図2は、画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。画像処理装置1は、制御部10と、操作パネル11と、自動原稿搬送部12と、画像読取部13と、画像メモリ14と、給紙部15と、画像形成部16と、通信インタフェース17とを備え、これらがバス18を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0031】
制御部10は、CPU20と、記憶部21とを備え、画像処理装置1の動作を統括的に制御する。CPU20は、記憶部21に記憶されているプログラム22を読み出して実行するハードウェアプロセッサである。記憶部21は、プログラム22を記憶する不揮発性の記憶デバイスである。記憶部21は、プログラム22の他に、画像異常が発生した画像データ27を記憶することができる。
【0032】
操作パネル11は、ユーザーが画像処理装置1を使用する際のユーザーインタフェースである。操作パネル11は、各種画面を表示する表示部11aと、ユーザーによる操作を受け付ける操作部11bとを備える。表示部11aは、例えばカラー液晶ディスプレイによって構成される。操作部11bは、例えば表示部11aの画面上に配置されるタッチパネルキーによって構成される。
【0033】
自動原稿搬送部12及び画像読取部13は、画像処理装置1においてスキャンジョブ又はコピージョブが実行される際に動作する。自動原稿搬送部12は、ユーザーによってセットされる原稿を自動搬送する。画像読取部13は、ユーザーによってセットされた原稿の画像を読み取って画像データを生成する。画像読取部13は、自動原稿搬送部12による原稿の搬送動作と連動し、自動原稿搬送部12によって搬送される原稿の画像を自動読み取りすることができる。例えば、自動原稿搬送部12によって複数枚の原稿の連続自動搬送が行われるとき、画像読取部13は、それら複数枚の原稿の画像を連続的に自動読み取りすることができる。
【0034】
画像メモリ14は、ジョブの実行によって生成される画像データ、又は、印刷対象となる画像データを記憶するメモリである。画像メモリ14は、データ容量が十分に大きく、複数枚分の画像データを記憶しておくことができる。
【0035】
給紙部15及び画像形成部16は、画像処理装置1においてプリントジョブ又はコピージョブが実行される際に動作する。給紙部15は、印刷用紙などのシートを給紙し、画像形成部16へ搬送する。画像形成部16は、給紙部15によって給紙されるシートに対し、印刷対象画像データに基づく画像を形成し、その画像をシートに定着させて出力する。
【0036】
通信インタフェース17は、画像処理装置1をネットワーク3及びローカルネットワーク4に接続して通信を行う通信部である。画像処理装置1は、この通信インタフェース17を介して情報処理装置5から送信されるプリントジョブを受信する。また、画像処理装置1は、この通信インタフェース17を介してサービス拠点7の画像診断装置2と通信を行う。
【0037】
制御部10のCPU20は、プログラム22を実行することにより、ジョブ制御部23、及び、画像異常処理部24として機能する。ジョブ制御部23は、通常ジョブモードにおいて動作する制御部であり、スキャンジョブ、コピージョブ、及び、プリントジョブのそれぞれの動作を制御する。
【0038】
画像異常処理部24は、通常ジョブモードにおいてジョブを実行した結果、画像異常が発生し、ユーザーによって動作モードがリモートメンテナンスモードに切り替えられた場合に動作する。画像異常処理部24は、画像異常が発生している画像の画像データ27を生成し、生成した画像データ27を外部装置である画像診断装置2へ送信する。ただし、画像異常が発生した画像に機密情報が含まれることがある。画像異常が発生した画像に機密情報が含まれる場合、画像異常処理部24は、画像データ27を外部の画像診断装置2へ送信しない。すなわち、画像異常処理部24は、画像異常が発生した画像に機密情報が含まれる場合、画像データ27を記憶部21に保存する。
【0039】
図3は、画像異常処理部24による処理の概念を示す図である。尚、
図3では、プリントジョブ又はコピージョブで画像異常が発生した場合を例示している。リモートメンテナンスモードの動作を開始すると、画像異常処理部24は、画像読取部13を駆動し、画像異常が発生した原稿9の画像を読み取り、画像異常を含む画像データ27を生成する。画像データ27を生成すると、画像異常処理部24は、その画像データ27に機密情報が含まれているか否かを判断する。画像データ27に機密情報が含まれていない場合、画像異常処理部24は、画像異常を含む画像データ27をそのまま外部の画像診断装置2へ送信する。画像診断装置2は、画像異常処理部24から画像データ27を受信すると、その画像データ27に基づき、画像異常を含む画像を表示する。これにより、サービスマンは、画像異常を含む画像を確認することにより、画像処理装置1における画像異常の発生原因を特定することができる。
【0040】
これに対し、画像データ27に機密情報が含まれている場合、画像異常処理部24は、画像異常を含む画像データ27を記憶部21へ保存する。すなわち、画像データ27に機密情報が含まれている場合、画像異常処理部24は、画像データ27を外部の画像診断装置2へ送信しないことにより、機密情報が外部に漏れてしまうことを防止する。画像異常処理部24は、画像データ27を記憶部21に保存すると、外部の画像診断装置2が記憶部21の画像データ27にアクセスするためのアクセス情報28を生成する。そして画像異常処理部24は、そのアクセス情報28を画像診断装置2へ送信する。したがって、画像データ27に機密情報が含まれている場合、画像診断装置2は、画像処理装置1から画像データ27を受信せず、アクセス情報28のみを受信する。例えば、アクセス情報28は、画像処理装置1の記憶部21に保存されている画像データ27にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)などの情報である。サービスマンは、画像診断装置2に対する操作を行い、アクセス情報28に基づいて記憶部21の画像データ27にアクセスする。画像異常処理部24は、画像診断装置2からのアクセスを検知すると、記憶部21に保存した画像データ27を閲覧可能な画面を生成し、画像診断装置2へ提供する。画像診断装置2は、その閲覧画面を表示する。これにより、サービスマンは、閲覧画面として表示される画像を確認することで、画像異常の発生原因を特定できる。
【0041】
図4は、画像異常処理部24の詳細な機能構成を示すブロック図である。画像異常処理部24は、画像取得部30、判断部31、画像送信部32、画像保存部33、アクセス情報送信部34、アクセス管理部35、及び、画像削除部36を備えている。
【0042】
画像取得部30は、画像異常が発生した画像データ27を取得する。例えば、画像取得部30は、画像読取部13を駆動して画像異常が発生した原稿9の画像を読み取らせることにより、画像異常を含む画像データ27を取得する。
【0043】
判断部31は、画像データ27に機密情報が含まれるか否かを判断する。例えば、判断部31は、画像データ27を解析し、画像データ27に「機密」や「CONFIDENTIAL」などの特定の文字列が含まれるか否かを判断する。画像データ27に特定の文字列が含まれている場合、判断部31は、画像データ27に機密情報が含まれていると判断する。また、画像データ27に特定の文字列が含まれていない場合、判断部31は、画像データ27に機密情報が含まれていないと判断する。
【0044】
また、判断部31は、ユーザーによる指示操作に基づき、画像データ27に機密情報が含まれるか否かを判断しても良い。例えば、判断部31は、操作パネル11の表示部11aに、機密情報を含む画像であるか否かをユーザーに問い合わせる画面を表示する。判断部31は、その画面に対するユーザーの操作に基づき、画像データ27に機密情報が含まれるか否かを判断する。例えば、判断部31は、画像データ27に特定の文字列が含まれておらず、画像データ27に機密情報が含まれていないと判断した場合、操作パネル11の表示部11aに、機密情報を含む画像であるか否かをユーザーに問い合わせる画面を表示することが好ましい。これにより、特定の文字列を検索するだけでは機密情報が含まれているか否かを正確に判断できない場合であっても、判断部31は、ユーザーによる指示操作に基づいて判断することにより、機密情報の漏洩を防ぐことができる。
【0045】
判断部31により画像データ27に機密情報が含まれないと判断された場合、画像異常処理部24は、画像送信部32を機能させる。画像送信部32は、通信インタフェース17を介して、機密情報を含まない画像データ27を画像診断装置2へ送信する。例えば、画像送信部32は、PDF、JPEG、GIFなどのファイル形式で画像データ27を送信する。
【0046】
一方、判断部31により画像データ27に機密情報が含まれると判断された場合、画像異常処理部24は、画像保存部33、アクセス情報送信部34、アクセス管理部35、及び、画像削除部36を機能させる。
【0047】
画像保存部33は、画像取得部30によって取得された画像データ27を記憶部21に保存する。また、画像保存部33は、画像データ27の保存先を、ユーザーの指示操作に基づいて記憶部21とは異なる保存先に変更することができる。例えば、ユーザーは、画像データ27の保存先として、ローカル環境6に設置されているストレージを指定しても良い。ただし、ローカル環境6の内部であっても、画像処理装置1の外部に画像データ27を保存してしまうと、機密情報が漏洩する可能性が高くなる。そのため、画像保存部33は、ユーザーによって画像処理装置1の外部のストレージが保存先として指定されたときには、ユーザーに対して警告を行うことが好ましい。また、画像保存部33は、画像処理装置1の外部のストレージが保存先として指定されることを禁止しても良い。
【0048】
画像保存部33は、記憶部21に画像データ27を保存するとき、画像データ27の複製を禁止した状態で保存する。画像保存部33は、画像データ27の複製を禁止することにより、機密情報を含む画像データ27が不正取得されることを防止する。
【0049】
アクセス情報送信部34は、画像保存部33によって保存された画像データ27に対してアクセスするためのアクセス情報28を生成し、アクセス情報28を予め指定された画像診断装置2へ送信する。これにより、画像診断装置2は、アクセス情報28に基づき、記憶部21に保存された画像データ27にアクセス可能となる。
【0050】
アクセス管理部35は、記憶部21の画像データ27に対する外部からのアクセスを管理する。例えば、アクセス管理部35は、外部から画像データ27に対するアクセスを検知すると、アクセス元の装置が予め指定された画像診断装置2であるか否かを判断する。その結果、画像診断装置2からのアクセスである場合、アクセス管理部35は、そのアクセスを許可する。アクセス管理部35は、アクセスを許可すると、画像データ27を読み出し、画像データ27を閲覧可能な閲覧画面を生成し、その閲覧画面を画像診断装置2へ提供する。この閲覧画面は、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)などのWebページとして生成される。また、アクセス管理部35は、閲覧画面に含まれる画像の閲覧のみを許可し、画像の印刷や画像データ27のダウンロードを禁止する。したがって、サービス拠点7のサービスマンは、画像診断装置2において表示される閲覧画面上でのみ画像の確認作業を行うことができる。サービスマンは、閲覧画面上で画像を確認することにより、画像異常の発生原因を特定することができる。
【0051】
一方、外部からのアクセスが予め指定された画像診断装置2とは異なる別の装置である場合、アクセス管理部35は、画像データ27に対するアクセスを制限する。例えば、アクセス管理部35は、画像データ27に対するアクセスを禁止する。したがって、アクセス情報送信部34から送信されるアクセス情報28が画像診断装置2とは異なる他の装置によって取得されたとしても、他の装置において画像データ27を閲覧することはできない。
【0052】
画像削除部36は、記憶部21に保存されている画像データ27を所定条件下で削除する。例えば、画像削除部36は、画像データ27に対する外部からのアクセス回数をカウントし、アクセス回数が所定回数を超えた場合に記憶部21から画像データ27を削除する。また、画像削除部36は、記憶部21における画像データ27の保存期間が所定期間を経過した場合に記憶部21から画像データ27を削除する。画像削除部36が所定条件下で画像データ27を削除することにより、機密情報が長期に亘って記憶部21に保存された状態が継続することを防ぐことができる。
【0053】
図5は、リモートメンテナンスモードにおける画像処理装置1の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、制御部10のCPU20がプログラム22を実行することにより行われる。画像処理装置1は、この処理を開始すると、リモートメンテナンスモードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS1)。リモートメンテナンスモードに切り替えられていない場合(ステップS1でNO)、
図5に示すフローチャートは終了する。これに対し、リモートメンテナンスモードに切り替えられた場合(ステップS1でYES)、画像処理装置1は、ユーザーによる画像読み取り指示を検知したか否かを判断する(ステップS2)。画像読み取り指示を検知した場合(ステップS2でYES)、画像処理装置1は、画像読取部13を駆動し、画像異常を含む原稿9の読み取り動作を行い、画像データ27を取得する(ステップS4)。
【0054】
次に画像処理装置1は、画像異常を含む画像データ27に機密情報が含まれているか否かを判断する(ステップS5)。例えば、画像処理装置1は、画像データ27に特定の文字列が含まれているか否かを判断する。特定の文字列が含まれている場合、画像処理装置1は、画像データ27に機密情報が含まれていると判断する。また、特定の文字列が含まれていない場合、画像処理装置1は、操作パネル11の表示部11aに、機密情報を含む画像であるか否かをユーザーに問い合わせる画面を表示する。その画面に対し、ユーザーが機密情報を含まない画像であることを指定すると、画像処理装置1は、機密情報を含まない画像データ27であると判断する。これに対し、ユーザーが機密情報を含む画像であることを指定すると、画像処理装置1は、機密情報を含む画像データ27であると判断する。
【0055】
機密情報を含まない画像データ27であると判断した場合(ステップS6でNO)、画像処理装置1は、画像データ27を画像診断装置2へ送信する(ステップS7)。
【0056】
機密情報を含む画像データ27であると判断した場合(ステップS6でYES)、画像処理装置1は、画像データ27を送信せず、画像データ27を記憶部21へ保存する(ステップS8)。画像処理装置1は、記憶部21に保存した画像データ27にアクセスするためのアクセス情報28を生成し(ステップS9)、アクセス情報28のみを画像診断装置2へ送信する(ステップS10)。アクセス情報28を送信すると、画像処理装置1は、アクセス管理処理を実行する(ステップS11)。
【0057】
図6は、アクセス管理処理(ステップS11)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置1は、アクセス管理処理を開始すると、時間計測を開始する(ステップS20)。この時間計測により、画像データ27の保存期間がカウントされる。
【0058】
次に、画像処理装置1は、外部から画像データ27に対するアクセスを検知したか否かを判断する(ステップS21)。外部からのアクセスを検知した場合(ステップS21でYES)、画像処理装置1は、予め指定された外部装置(画像診断装置2)からのアクセスであるか否かを判断する(ステップS22)。アクセス元が画像診断装置2である場合(ステップS22でYES)、画像処理装置1は、画像データ27を閲覧するための閲覧画面を生成し(ステップS23)、その閲覧画面を画像診断装置2へ送信する(ステップS24)。これにより、サービス拠点7のサービスマンは、画像診断装置2において表示される閲覧画面を確認することにより、画像異常の原因を特定することができる。
【0059】
画像処理装置1は、閲覧画面を送信すると、画像データ27に対するアクセス回数のカウント値を更新する(ステップS25)。そして画像処理装置1は、アクセス回数のカウント値が所定回数を超えたか否かを判断する(ステップS26)。アクセス回数のカウント値が所定回数を超えていない場合(ステップS26でNO)、画像処理装置1は、画像データ27の保存期間が所定期間を経過したか否かを判断する(ステップS27)。保存期間が所定期間を経過していない場合(ステップS27でNO)、画像処理装置1による処理は、ステップS21に戻る。したがって、サービス拠点7のサービスマンは、アクセス回数が所定回数を超えるまで、画像処理装置1にアクセスして閲覧画面を確認することができる。
【0060】
一方、アクセス回数が所定回数を超えた場合(ステップS26でYES)、又は、画像データ27の保存期間が所定期間を経過した場合(ステップS27でYES)、画像処理装置1は、記憶部21に保存している画像データ27を削除する(ステップS28)。
【0061】
以上のように、本実施形態の画像処理装置1は、画像異常を含む原稿9の画像を読み取って画像異常を含む画像データ27を生成する画像読取部13と、画像データ27を外部装置へ送信する画像送信部32と、画像データ27に機密情報が含まれるか否かを判断する判断部31と、判断部31によって機密情報が含まれると判断された場合、画像データ27を外部装置へ送信することなく、所定の記憶部21に保存する画像保存部33と、画像保存部33によって画像データ27が記憶部21に保存された場合、記憶部21に保存された画像データ27にアクセスするためのアクセス情報28を外部装置へ送信するアクセス情報送信部34と、を備えている。
【0062】
上記構成を有する画像処理装置1は、画像異常を含む画像データ27に機密情報が含まれる場合、画像データ27を外部装置へ送信することなく、記憶部21に保存する。すなわち、画像処理装置1は、機密情報をローカル環境6の外側にある外部装置へ送信しないため、機密情報が漏れてしまうことを防ぐことができる。また、画像処理装置1は、記憶部21に保存した画像データ27にアクセスするためのアクセス情報28を外部装置へ送信する。そのため、外部装置は、サービス拠点7から画像処理装置1にアクセスすることにより、画像処理装置1から閲覧画面を取得して表示できる。その閲覧画面には、画像データ27に対応する画像が含まれる。そのため、サービス拠点7のサービスマンは、閲覧画面を確認することで、画像異常の原因を特定することができる。
【0063】
ところで、画像処理装置1は、閲覧画面を生成するとき、画像データ27に基づく画像をそのまま閲覧画面に含めると、機密情報が外部装置へ送信されてしまう可能性がある。そのため、画像保存部33は、記憶部21に画像データ27を保存するとき、画像データ27において機密情報が含まれる領域を閲覧不可能な状態に加工して保存することが好ましい。
【0064】
図7は、機密情報が含まれる領域R1の加工例を示す図である。例えば
図7(a)に示すように、画像データ27は、特定の文字列29によって機密情報であると判定された領域R1を有する。すなわち、領域R1は、機密情報を含む領域である。また、画像データ27は、機密情報を含む領域R1以外の部分に、汚れなどの画像異常26を有している。画像保存部33は、
図7(a)に示す画像データ27を記憶部21に保存するとき、機密情報を含む領域R1を加工する。具体的には、画像保存部33は、
図7(a)に示す画像データ27から、
図7(b)に示す画像データ27を生成する。
図7(b)に示す画像データ27は、機密情報を含む領域R1に加工が施され、機密情報を閲覧できない状態となっている。領域R1を加工する処理として、例えば領域R1を所定色で塗りつぶす処理や、機密情報を含まない別のデータで上書きする処理などがある。また、画像保存部33は、領域R1に対してスクランブル処理を行うようにしても良い。画像保存部33が、機密情報を含む領域R1を閲覧不可能な状態に加工しておくことにより、閲覧画面を外部へ提供したときに機密情報が漏れてしまうことを確実に防止できる。
【0065】
尚、画像保存部33は、ユーザーによって指定される領域を、機密情報を含む領域R1として特定しても良い。この場合、画像保存部33は、操作パネル11の表示部11aに画像データ27に基づくプレビュー画像を表示し、そのプレビュー画像に対してユーザーが指定した領域を、機密情報を含む領域R1として特定する。
【0066】
また、画像取得部30によって取得される画像データ27は、複数ページの画像を含んでいることがある。画像データ27が複数ページの画像を含んでいる場合、判断部31は、ページごとに機密情報が含まれるか否かを判断する。
図8は、複数ページ分の画像を含む画像データ27を例示する図である。判断部31は、ページごとに機密情報が含まれるか否かを判断する。すると、画像データ27に含まれる複数の画像は、
図8に示すように、機密情報を含むページの画像と、機密情報を含まないページの画像とに仕分けされる。
図8の例では、1ページ目の画像、3ページ目の画像、…が機密情報を含まない画像として検出され、2ページ目の画像、…、Nページ目の画像が機密情報を含む画像として検出されている。
【0067】
画像データ27に、機密情報を含むページの画像と、機密情報を含まないページ画像とが含まれる場合、例えば、画像異常処理部24は、画像送信部32と画像保存部33との双方を機能させる。
図9は、画像データ27に機密情報を含むページの画像と機密情報を含まないページ画像とが含まれる場合の画像異常処理部24による処理の概念を示す図である。
図9に示すように、画像送信部32は、画像データ27から機密情報を含まないページの画像を抽出し、抽出した画像を画像診断装置2へ送信する。また、画像保存部33は、画像データ27は、画像データ27から機密情報を含むページの画像を抽出し、記憶部21に保存する。このとき、画像保存部33は、機密情報を含む領域R1を閲覧不可能な状態に加工して保存する。アクセス情報送信部34は、記憶部21に保存された画像データ27にアクセスするためのアクセス情報28を生成して画像診断装置2へ送信する。画像診断装置2は、機密情報を含まないページの画像を画像処理装置1から取得して表示する。また画像診断装置2は、アクセス情報28に基づいて画像処理装置1にアクセスすることにより、機密情報を含むページの画像を閲覧画面として取得し、表示する。したがって、サービスマンは、画像診断装置2が画像処理装置1から直接取得する機密情報を含まないページの画像で画像異常の原因を特定することができれば、画像処理装置1にアクセスして閲覧画像を取得する必要がなく、効率的に画像異常の原因を特定することができる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明したものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態では、主としてプリントジョブ又はコピージョブで画像異常が発生する場合を説明した。しかし、画像異常は、スキャンジョブでも発生する可能性がある。例えば、スキャンジョブで原稿の画像を読み取ると、画像データ27は画像メモリ14に格納される。画像処理装置1は、その画像データ27を読み出し、操作パネル11の表示部11aにプレビュー表示を行うことができる。ユーザーは、そのプレビュー表示を確認することにより、画像異常が発生していることを認識し、画像処理装置1をリモートメンテナンスモードに切り替える。このとき、画像異常処理部24は、画像メモリ14に一時保存されている画像データ27を読み出すことで、画像異常を含む画像データ27を取得することができる。
【0070】
また、上記実施形態で説明したプログラム22は、画像処理装置1の記憶部21に予め記憶されているものに限られない。例えば、プログラム22は、それ単体で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム22は、インターネットなどのネットワークを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、またCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0071】
1 画像処理装置
2 画像診断装置(外部装置)
13 画像読取部
16 画像形成部
21 記憶部
22 プログラム
23 ジョブ制御部
24 画像異常処理部
27 画像データ
28 アクセス情報
30 画像読取部
31 判断部
32 画像送信部
33 画像保存部
34 アクセス情報送信部
35 アクセス管理部
36 画像削除部