(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025011918
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】室内掃除用シートを簡単着脱できる日用掃除スリッパ
(51)【国際特許分類】
A43B 3/10 20060101AFI20250117BHJP
A47L 13/282 20060101ALI20250117BHJP
A47L 13/24 20060101ALI20250117BHJP
A47L 13/16 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A43B3/10 Z
A43B3/10 G
A43B3/10 M
A47L13/282
A47L13/24 A
A47L13/16 Z
A47L13/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114340
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】723008541
【氏名又は名称】渡邊 貴徳
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 貴徳
【テーマコード(参考)】
3B074
4F050
【Fターム(参考)】
3B074AB01
4F050AA22
4F050BA04
4F050GA30
4F050HA99
4F050LA09
(57)【要約】
【課題】市販の掃除用シートをストレスなく簡便に着脱できるが、そのシートが外れ難く、掃除機能に不足はないものの、外観は一般的な厚底スリッパにみえる日用使いと掃除機能を両立するスリッパを提供する。
【解決手段】スリッパ本体の下底に、それと同形のボード体下底を追加して重ね、その間に複数枚のシート状固定具を交差させて上下の下底に交互に固定することで連結した2重下底構造のスリッパとし、追加のボード体下底を掃除用シートで形状に沿って覆い、その全ての末端部を2重下底の間に押し入れて下底同士で挟持することにより床掃除機能付きスリッパとして使用するが、その2重下底の構造が掃除用シートの着脱と末端部の奥までの挿入を容易にし、その末端部を下底内で交差させて挟持力を高め、さらに磁力による補強を下底内側に設けることで、緩みなく掃除用シートを挟持できるので美しい装着状態のまま日用使いできることを特徴とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリッパ本体の下底に、その下底と同形で、そこに掃除用シートをその形状に沿って覆うことで使用するボード体下底を追加して重ね合わせた2重下底スリッパであり、それら下底の間に薄型で柔軟性のある複数枚のシート状固定具を横向きにして平行に並べ、それらが各々交差するように上下の下底に交互に固定して下底同士を連結し、さらに、掃除用シートを下底同士の密着で挟持できる磁力を有する強磁性体を各下底内側にシート状固定具の補強として設けた日用掃除スリッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、市販の室内掃除用シートの簡易な着脱機能を備え、シートを装着しても日常使いのスリッパとしての外観を損なうことなく使用できるスリッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内掃除用シート交換機能を付加し、日常使いしながら掃除が出来るとするスリッパの発明がある。
【0003】
例えば、スリッパ下底面に粘着テープやマジックテープ(登録商標)雄側を取り付けて掃除用シートをそのまま圧着するもの(特許文献1・2参照)、スリッパ下底面に接着部材で着脱する下底材に掃除用シートを取り付けるもの(特許文献3参照)、また、スリッパ下底部に粘着物質を使い掃除用シートを直接装着するもの(特許文献4参照)、スリッパ下底部を一部拡張した構造とし、そこに掃除用シートの係止部材を設けたもの(特許文献5・6参照)などである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-213839号公報
【特許文献2】実用新案3113478号公報
【特許文献3】特開2006-191995号公報
【特許文献4】特開2009-22703号公報
【特許文献5】実用新案3113168号公報
【特許文献6】特開2005-144111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の発明品については、見た目も機能も日常使いに適しており、特別なメンテナンスを必要とせず、市販の安価な掃除用シートを簡易に交換して使うことが可能であるかという観点で考慮すると、どれも何れかの要素が満たされていないのが現状である。
【0006】
具体的にまとめると、従来の掃除機能付きスリッパには次のような問題点があった。
(イ)掃除用シートがスリッパ本体からはみ出る構造であるなど、掃除専用としてなら問題ないが、日常使いに抵抗を感じざるを得ない外観。(特許文献5・6)
(ロ)構造上スリッパ本体と同じ形状の掃除用シートを用意する必要があり、安価な市販の室内掃除用シートを無加工でそのまま使用できない。(特許文献1・2・4)
(ハ)掃除用シートの固定具であるマジックテープ(登録商標)の雄側部に、ゴミや毛などが絡みついてしまうことや、固い素材の雄側部がむき出しで床と接するため、床を傷つける恐れがある。(特許文献1・2)
(ニ)掃除用シート取り外しの際に、マジックテープ(登録商標)の雄側部のひっかかりが強すぎて、簡単に掃除用シートが外れないため、使用者のある程度の力を必要としストレスもかかる。(特許文献1・2)
(ホ)着脱できるボード体下底材もしくは、粘着物質で掃除用シートを着脱する構造であるのだが、使用者の全体重がかかるスリッパにおいては、その示された構造と素材のもつ係止強度では、それらが外れやすいことが想定され、日常使いと掃除機能を満たすことが難しい。(特許文献3・4)
【0007】
以上のことから本発明においては、見た目は普通のスリッパとほぼ変わり無いため無理なく日常使いが可能であり、スリッパ本体に付着するゴミ取りなどの余計なメンテナンスを必要とせずに、安価な市販の掃除用シートをそのまま加工せずに使用し、床掃除機能を充分に発揮しても、掃除用シートが外れ難い状態を維持し、それでいて、掃除用シートの着脱をストレス無く簡便に行うことが出来る構造と機能を一つに凝縮したスリッパを考え出したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
スリッパ本体の下底にそれと同形状のボード体下底を重ねた二重下底の外観を持つスリッパで、追加のボード体下底の形状に沿って掃除用シートを緩みなく包み、その下底形状からはみ出た先端部を二重下底の間に押し入れて挟持することにより、スッキリとした外観を保つことで、違和感のない日常使いスリッパとする。
【0009】
この二重の下底を連結し、独特な作用によって掃除用シートの簡便な着脱と安定した保持力を実現させるのが、薄く柔軟性のあるシート状固定具であり、これはスリッパ一足につきスリッパの横幅いっぱいの長さに合わせた4~6枚程度が、二重下底の間に横向きに縦並びで配置され、シート状固定具が交差するように上下の下底に互い違いに固定された構造となる。
【0010】
この交差したシート状固定具の構造により、二重下底自体はしっかりと連結されるのだが、その片側だけ大きく開放することが可能となり、掃除用シートの先端部を指で押し入れやすくなるだけでなく、反対側から掃除用シートの先端部に触れることができるので、緩み調整でつまんで引っ張ることを可能とし、掃除用シートの保持力が高まり外れ難くなるだけでなく、ボード体下底の形状に沿って掃除用シートを美しくフィットさせて覆うことができる。
【0011】
さらに、この構造は掃除用シートを挟持するだけで、何らひっかけて固定するものではないため、二重下底の一部を開き、掃除用シートの一端をつまんで軽く引っ張るだけで、ストレスのない掃除用シートの取り外しが可能である。
【0012】
上記の通り、シート状固定具を装備した二重下底は、側方から押し入れた掃除用シートの着脱と安定保持には優れた効果を発揮するが、構造の特性上スリッパの両先端部においては挟持力が弱く、二重下底の隙間ができやすいため、両先端部位に強磁性体を装備することで磁力によって下底同士の密着力を高める補強とするが、掃除用シートをひっかけるのではなく、あくまでも挟持する構造の維持により、簡易でストレスのない着脱とより安定した保持力を両立することができる。
【0013】
以上のように、掃除用と日常使いの両立を可能とするカギはこの二重下底であり、下底のある形状のスリッパであれば、この二重下底構造を組込むことが可能であるため、一般的なスリッパ同様に、多様なデザインやサイズ、コストパフォーマンスなどの要求に応えることが可能であり、広く普及する可能性を有している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、普及している市販の室内掃除用シートをスリッパ本体にストレスなく簡易に着脱することが出来る。
【0015】
取付け時は、ボード体下底がスリッパ本体の下底に固定されているにも関わらず片側横方向には大きく開く特徴的な構造により、掃除用シートの端を持った指を差し入れるスペースが充分に確保できるため押し込み易く、また、シート状固定具の隙間や部材をくり抜いた空間から反対側のシートをつまむことで、緩みを調整することができるため、掃除用シートがボード体下底にピタリとフィットした状態にすることが可能となる。
【0016】
本発明品は、掃除用シート使用時でも外観はスッキリとしたスリッパそのものなので、違和感なく普通のスリッパとして日常使いができ、使用者が歩いた場所はもとより、気になる場所があった場合にそのまま足をスライドさせる使い方により、埃や塵、毛髪やペットの毛を絡めとることができる。
【0017】
さらに、柄のついた掃除用シート交換式掃除具を使うことなく、本発明品を履きながら掃除機を使用するなど、効率的に床掃除を行うことも可能となる。
【0018】
そのうえ、二重下底を軽く開き、シートの端の一部をつまんでひっぱるだけで簡単に掃除用シートの取り外しを可能としている。
【0019】
これは、何のひっかかりもなく押圧によって挟持されているだけなので、力を加えずにストレスなく掃除用シートを取り外すことができるだけでなく、手を汚すことなく掃除用シートを廃棄することができるので、掃除用シート交換頻度の高い使用者、特に室内ペット飼育者等に充分支持され得るものと思われる。
【0020】
また、掃除用シートにより裏底が覆われるので、スリッパ自体の汚れ防止ともなり、スリッパを長持ちさせることにもつながる。
【0021】
外観上は、下底が厚みのある二重下底のスリッパであり、スリッパ本体の形状や素材には特別な制約は無いため、様々なデザインやサイズを可能としており、単なる掃除用スリッパとしてだけでなく、ファッション性豊かな掃除機能付きスリッパとしての普及が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明品(右足用)をつま先側から見た正面図である。
【
図2】本発明品の本体上部を持ち上げ、スリッパ本体と付加ボード体下底がシート状固定具で繋がっている様子をつま先側から見た正面図である。
【
図3】本発明品の右足用を内側から見た側面図である。
【
図4】本発明品(右足用)のスリッパ本体と付加したボード体下底を内側から開いた様子を見た側面図である。
【
図5】本発明品(右足用)のスリッパ本体下底面であり、そこに配置された磁石とシート状固定具を示した図である。
【
図6】本発明品(右足用)の付加したボード体下底の上面であり、そこに配置された強磁性体とシート状固定具の固着部分を示した図である。
【
図7】掃除用シート装着準備として、本発明品(右足用)を広げた状態の市販の使い捨て掃除用シート上に置いた上面図である。
【
図8】本発明品(右足用)の二重下底右側を開き、掃除用シートを差し込んでいる様子を示した側面図である。
【
図9】本発明品(右足用)の右側から掃除用シートを差し込み、その先端部がボード体下底とシート状固定具の間に、また、交互にシート状固定具の上部に配置されている様子をスリッパ本体と本体下底を取り去った状態で示した上面図である。
【
図10】本発明品(右足用)の左側を開き、右側に次いでつま先側に掃除用シートを差し込んでいる様子を示した側面図である。
【
図11】本発明品(右足用)の右側に次いで左側に掃除用シートを差し込み、その先端部の一部がボード体下底とシート状固定具の間に、また、別の一部が交互にシート状固定具の上部に配置され、かつ、左右の掃除用シート先端部を部分的により深く押し込むことで、シート状固定具によって自動的に互い違いに挟持されることが可能になる様子をスリッパ本体と本体下底を取り去った状態で示した上面図である。
【
図12】本発明品(右足用)の右側に次いで左側に掃除用シートを差し込み、その先端部がボード体下底とシート状固定具の間に、また、交互にシート状固定具の上部に挟持されている様子と、右側から差し込んだ掃除用シートの一部がシート状固定具の空洞部から覗いている様子を、二重下底の左側を開いて示した側面図である。
【
図13】本発明品(右足用)に掃除用シートを、ボード体下底にフィットさせて装着し終えた様子を示す側面図であり、前後の強磁性体により二重下底がしっかりと密着している状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、図に関係なく符号は同一の事柄を示すものとする。
【0024】
本発明のスリッパは、
図1・
図3が示すとおり、下底が二重になった外観をしているものである。
【0025】
スリッパ本体1の下底2の下に同サイズ、もしくは、ボード体下底3を覆う掃除用シートのふくらみを考慮して、僅かに小さい同形で同素材のボード体下底3を付加し、
図2・
図4・
図5・
図6で示すとおり交差させたシート状固定具によって連結する。
【0026】
本体下底2ならびにボード体下底3の素材については、適度な硬度を有しシート状固定具4と磁石5や強磁性体6を装着可能であり、コスト優位性の高いものであれば、一般的な本体下底素材で良く、特に限定するものではない。
【0027】
本体下底2とボード体下底3を固定する交差式シート状固定具4は、
図5・
図6で示すとおりシート状のものを、本体下底2の横幅いっぱいに夫々合わせた長さとし、本体下底2の縦の長さとシート状固定具4の幅に合わせて複数枚配置する。
【0028】
このシート状固定具自体の幅は、掃除用シートを指でつまんで押し込むことや、ゆるみ調整のために、反対側の掃除用シートをつまむ指が余裕で入るスペースが確保出来る程の30~40mm程度の幅が良い。
【0029】
また、使用する素材については、ポリプロピレンやポリカーボネイトのような薄くて曲げ易く、伸縮しない丈夫なものが適している。
【0030】
図5・
図6で示すように、これらのシート状固定具4を一枚につき、本体下底面7とボード体下底3上面の左右対象の横端それぞれ一カ所ずつに固定し、その隣のシート状固定具は、数ミリ程度の間隔を空けたうえで、逆対象の部位に固定し、以後同様にシート状固定具4を交差させて固定する。
【0031】
なお、このシート状固定具4の隣同士の間隔を設けることは、掃除用シートの片側を装着した際に掃除用シートのあそびを作り、片側をセットした後にもう一方の片側が開きにくくなるのを防ぐとともに、掃除用シートの緩み調整を行いやすくするため不可欠の要素である。
【0032】
本体下底2が、交差したシート状固定具4によって下底3を吊下げるような構造となるが、通常時はその間にシート状固定具4が収まっている状態であるのだが、薄い素材のため外観上は
図1や
図3のように密着して隙間の無い状態に見える。
【0033】
仮に本体下底2とボード体下底3の中心部をシート状固定具4なしに直接固着すると、当然二重底は密着するのだが、その隙間は僅かしか開くことができず、掃除用シートを奥まで押し入れることが難しく、まして掃除用シート自体を交差させることも不可能であるのだが、シート状固定具4使用のスリッパでは、
図4のようにボード体下底3を意図的に左右どちらかを開こうとすると、片側だけ大きく開くことができ、さらに
図9・11で示すように掃除用シートを容易に差し込むだけでなく、より奥まで押し込むことが可能となるなど、掃除用シート脱着の簡易性は劇的に向上するものである。
【0034】
また、
図5で示すとおり、シート状固定具4の中心部分10を部分的にくり抜いて空間をつくることで、
図9・11・12で示すように、そこにある掃除用シートを指でつまんでひっぱることができ、簡単に反対側から挟み込んだ掃除用シートの緩みを締めることが可能となるだけでなく、左右から押し込んだ掃除用シート同士が直接触れ合う構造となり、使用中は押圧に摩擦力が加わり、より掃除用シートが外れ難くなる。
【0035】
図10の12で、僅かに覗くシート状固定具4同士の隙間にある掃除用シートも、同様にひっぱることで掃除シートがボード体下底3を緩みなく覆うことを可能にする。
【0036】
しかし、スリッパ歩行の際、スリッパが浮いているときは、構造上
図2のように少しだけ本体下底2とボード体下底3が離れてしまい、掃除用シートが緩み易くなるだけでなく、ボード体下底3先端で段差などに躓きやすくなる恐れがあるため、
図4で示すとおり
図5の本体下底面7と
図6のボード体下底3上面の先端・後端各二カ所を磁石と強磁性体設置部位5・6とし、本体下底面7とボード体下底3が磁力で密着し、掃除用シートをしっかりと挟持するように磁石を装着する。
【0037】
二重下底の両先端部をしっかりと密着できるのであれば、対となる部位6には磁石であれ鉄製素材などの強磁性体であれ、どちらを使用しても良い。
【0038】
スリッパ外観を美しくするため、さらには本体下底2からボード体下底3が離れて躓きやすくなるのを防ぐために、磁石固定部位は磁石が埋まるように装備し、下底とボード体下底が密着した際にピッタリと隙間が出来ないようにする。
【0039】
シート状固定具4が交差しており、スリッパの左右から掃除用シートを奥まで挟み込むと、
図11で示すとおり掃除シート自体がシート状固定具を間に挟んだ状態で自動的に上下で交差することとなり、その結果、側面に挟み込んだ掃除用シートが使用中に外れ難くなるという効果があるのだが、磁石による密着強化により、構造上挟持力の弱い両先端部の挟持力が補強され、全体的に一段と安定した掃除用シートの挟持が可能となる。
【0040】
このように緩みなく掃除用シートを装着することで、
図12・13の状態から、ほぼ
図1や
図3のように外観を整えることができ、日常使いでは何ら問題のないスッキリとした一体感のある掃除用シート付スリッパという外観に簡便に仕上げることが可能となる。
【0041】
その一方で、掃除用シート自体は押圧で装着されるだけであるため、何のひっかかりも無く、掃除用シートの取り外しはスリッパのどちらかの片側を少し開き、掃除用シートの一点をつまんでひっぱるだけという、ストレスのない簡易なものとなる。
【0042】
その際、指でつまむ掃除用シートの端は、本体下底2とボード体下底3に挟持された部分であるため、汚れは付着せず、指を汚さずに使用済み掃除用シートを取り外しすることができる。
【0043】
試作を重ねたところ、スリッパの側面にも磁石を配置する方法でもしっかりと掃除シートを保持出来て良いのだが、側方部の磁石が多いと掃除用シートを脱する際のひっかかり感が新たに増えるため、この先端部前後2か所への強い磁力を持つ磁石の装備と、交差式シート状固定具4の装備があれば、掃除用シートを着実に装着しつつも、軽い力で外すことができるため、この構造の着脱の快適性が特に秀でていることが判明した。
【0044】
本発明品は、製造にあたり特殊な素材を必要としないことや、必要要件を備えてさえいればデザインの自由度が非常に高いという特徴を備えていることから、単なる掃除用スリッパから、ファッション性豊かな掃除機能付きスリッパとして、多様なターゲットに広く利用いただけるものである。
【0045】
「本発明品の使い方」
(イ)
図7のように、掃除用シート11の上にスリッパ本体1を置く。
(ロ)
図8のように、スリッパ本体1の二重底部である本体下底2とボード体下底3の右側を開き、
図9のようにスリッパ先端部から掃除用シートの端を開いた空間に押し込み挟みこむ。
(ハ) 続いて、スリッパ本体1の左側の二重底部である本体下底2とボード体下底3の左側を開き、
図10のようにはみ出ている掃除用シートの端をスリッパ先端部から順に開いた空間に押し込み挟みこむ。
(ニ) その際、掃除用シートに緩みが出ないようにしっかりと引き延ばしながら、掃除用シートの端を押し込んで
図11のようにボード体下底3を覆い、
図12で見える開いた二重底部の間にあるシート状固定具4のくり抜かれたスペース10や、並んで配置されたシート状固定具4の隙間に既に挟持された状態になっている右側から差し入れた掃除用シートを指でつまみ、引っ張るなどして掃除用シートの緩みを無くし、掃除用シートがボード体下底3にピッタリとフィットさせて
図13のように装着完了となる。
(ホ) 後は、スリッパを履いて通常通り歩くことで、床面のゴミ・塵・埃・毛髪・ペットの抜け毛などを掃除用シートで絡めとることができる。
(へ) 床の汚れが気になる場合には、そのエリアで意識的に足をワイパー状に滑らせ、または、スケートのように足を滑らせて進むことで掃除効果を高めることができる。
(ト) 使用中に掃除用シートが緩んできたら、ボード体下底3を
図12のように片側を開き、掃除用シートの端を押し入れ、もしくは反対側の掃除用シートの端を引っ張るなどで調整し、簡単に掃除用シートを再びフィットさせ、美しい外観に戻すことが可能である。
(チ) 掃除用シートの汚れが目立ったら、交換のためボード体下底3の任意の片側を開き、掃除用シートの挟持されていた一部を摘み引っ張るだけで取り外しが完了する。
【符号の説明】
【0046】
1 スリッパ本体
2 本体下底
3 ボード体下底
4 シート状固定具
5 磁石
6 強磁性体
7 本体下底面
8 本体下底面とシート状固定具の合体部
9 ボード体下底上面とシート状固定具の合体部
10 シート状固定具の一部をくり抜く箇所
11 市販の使い捨て室内掃除用シート
12 反対側から押し込んだ掃除用シートが露出している部分