(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012002
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置
(51)【国際特許分類】
C10B 53/02 20060101AFI20250117BHJP
C10L 5/44 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
C10B53/02
C10L5/44
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114508
(22)【出願日】2023-07-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】522439113
【氏名又は名称】山東華伊生態農業発展有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】方 基塁
(72)【発明者】
【氏名】許 永偉
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲イ▼
(72)【発明者】
【氏名】董 ▲セイ▼▲セイ▼
(72)【発明者】
【氏名】張 樹臣
(72)【発明者】
【氏名】劉 安邦
(72)【発明者】
【氏名】張 亜平
(72)【発明者】
【氏名】張 会岩
【テーマコード(参考)】
4H012
4H015
【Fターム(参考)】
4H012JA03
4H012JA08
4H012JA11
4H015AA12
4H015AB01
4H015BA01
4H015BA08
4H015BB03
4H015CB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置を提供する。
【解決手段】バイオマスの供給システム1と、バイオマスを炭化する炭化システム2と、バイオマス炭を冷却する多段冷却システム3とを備える。供給システムは、供給スクリューコンベア11とホッパー12とを含み、炭化システムは、供給スクリューコンベアと接続されバイオマスを気化させて炭を製造する炭化スクリューコンベア21と、炭化スクリューコンベアの外周壁の外周側に設けられ可燃性ガスを燃焼させる燃焼室22と、炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され炭化スクリューコンベアと燃焼室とを連通する可燃性ガス孔23とを含み、炭化スクリューコンベアでバイオマスを気化させて炭を製造した際に発生する可燃性ガスは、可燃性ガス孔を介して燃焼室に進入して燃焼され、炭化スクリューコンベアの出力ポートは、多段冷却システムに接続されるバイオマス気化炭製造装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置であって、
バイオマスを輸送する供給システムと、
バイオマスを炭化する炭化システムと、
バイオマス炭を冷却する多段冷却システムとを備え、
前記供給システムは、炭化システムの入力ポートに設置されたものであって、供給スクリューコンベアと、供給スクリューコンベアに接続されたホッパーとを含み、
炭化システムは、
供給スクリューコンベアと接続されバイオマスを気化させて炭を製造する炭化スクリューコンベアと、
炭化スクリューコンベアの外周壁の外周側に設けられ可燃性ガスを燃焼させる燃焼室と、
炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され炭化スクリューコンベアと燃焼室とを連通する可燃性ガス孔とを含み、
炭化スクリューコンベアでバイオマスを気化させて炭を製造した際に発生する可燃性ガスは、可燃性ガス孔を介して燃焼室に進入して燃焼され、
炭化スクリューコンベアの出力ポートは、バイオマス炭出口を介して多段冷却システムに接続される、
ことを特徴とするバイオマス気化炭製造装置。
【請求項2】
前記燃焼室には、それぞれ燃焼室給気口及び燃焼室排気口が形成され、
燃焼室には、燃焼室の内部温度を制御する燃焼室空気導入キャビティが燃焼室給気口を介して接続され、
燃焼室空気導入室の外壁には、燃焼室の内部温度を制御するように燃焼室空気導入キャビティの内部に進入する空気量を調節する制御弁が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項3】
燃焼室は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する筒体であり、
燃焼室の内部には、燃焼室の軸線を中心とする螺旋状の燃焼室ガイドプレートが設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項4】
複数の可燃性ガス孔は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って配列されるように炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され、
燃焼室給気口は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する燃焼室の一端側に形成され、
燃焼室排気口は、燃焼室の他端側に形成され、
燃焼室には、燃焼室の他端寄りの可燃性ガス孔からの可燃性ガスを燃焼室の一端側に流動させる可燃性ガス通路が形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項5】
燃焼室には、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する燃焼室上下仕切板と、燃焼室上下仕切板と直交する燃焼室垂直仕切板とが設置され、
燃焼室は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する筒体であり、燃焼室上下仕切板及び燃焼室垂直仕切板からなるL字型仕切板部により第1燃焼室キャビティと第2燃焼室キャビティとに分割され、
燃焼室給気口は、燃焼室の一端に形成され、
燃焼室排気口は、燃焼室の一端側に位置するとともに第2燃焼室キャビティと連通するように燃焼室の外周壁に形成され、
燃焼室上下仕切板の上方に位置する第1燃焼室キャビティと第2燃焼室キャビティとは、燃焼室の他端側において上下連通し、
第1燃焼室キャビティと燃焼室給気口とは、第1燃焼室キャビティと燃焼室空気導入キャビティとの間に位置する第2燃焼室キャビティの一部を貫通する燃焼室給気ダクトを介して連通する、
ことを特徴とする請求項2に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項6】
燃焼室空気導入キャビティは、燃焼室が供給スクリューコンベアと燃焼室空気導入キャビティとの間に位置するように炭化スクリューコンベアの下流側の外周壁の外周側に設けられる筒部材であり、
空気は、燃焼室に進入する前に燃焼室空気導入キャビティで予熱される、
ことを特徴とする請求項2に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項7】
前記炭化スクリューコンベアと前記供給スクリューコンベアとは、互いに接続されるように同一直線上に配列されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項8】
前記供給スクリューコンベアと前記炭化スクリューコンベアとは、互いに平行しており、隣り合う両者の端部が供給スロープを介して連通し、
炭化スクリューコンベアと隣り合う供給スクリューコンベアの端部には、回転してバイオマスを供給スロープに供給する回転羽根が設置され、
供給スクリューコンベアの端部と炭化スクリューコンベアの端部とが連通する連通箇所には、供給スロープと対向する可燃性ガス遮断壁が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項9】
前記供給スクリューコンベアと前記炭化スクリューコンベアとは、交差するように連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項10】
供給スクリューコンベアのスクリューのピッチは、炭化スクリューコンベア側に近づくにつれて漸次小さくなる、
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業の技術分野に関するものであり、特に木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国は、伝統的な農業大国であり、バイオマス資源が豊富であるが、バイオマス処理技術の後進性による環境汚染やバイオマス資源の浪費が深刻などの問題があり(例えば、茎葉などの農業廃棄物の田畑での野焼きなど)、茎葉を田畑に返すことが土壌の有機質を増やすことができるが、同時に茎葉に付随する虫卵を取り除くことができないなどの問題を招くおそれがある。一方、茎葉を炭化した後に田畑に戻すことで、このような問題を解決できる。茎葉を炭化して形成されたバイオマス炭などの物質及び各種の元素は、土壌改善剤などとして使用でき、特にバイオマス炭と農業肥料などを混合して発酵した後、高級な炭の肥料として使用することができる。
【0003】
通常の茎葉炭化設備は、構造が複雑で、間欠炭製造設備と連続炭製造設備とに大きく分けられる。間欠炭製造設備は、効率が低い。そして、連続炭製造設備は、切片或いは粒に圧縮した茎葉を処理するには、乾燥構造、炭化構造、可燃性ガス収集輸送構造、木タール収集及び分離処理構造、個別燃焼室構造、余熱利用構造、関連バイオマス輸送構造、炭化物冷却構造などが必要となり、大量の管路、輸送、密封構造に関わり、全体の過程構造が複雑で、投資が比較的に大きく、経済資源のロスが多いという問題を招く。
【0004】
特許文献1には、茎葉の乾燥及び熱分解装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案第209039395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の茎葉の乾燥及び熱分解装置では、構造が複雑であり、木タール等を別途処理する必要がある。
【0007】
本発明は、主に上記の従来技術における技術的課題を解決し、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置であって、
バイオマスを輸送する供給システムと、
バイオマスを炭化する炭化システムと、
バイオマス炭を冷却する多段冷却システムとを備え、
前記供給システムは、炭化システムの入力ポートに設置されたものであって、供給スクリューコンベアと、供給スクリューコンベアに接続されたホッパーとを含み、
炭化システムは、
供給スクリューコンベアと接続されバイオマスを気化させて炭を製造する炭化スクリューコンベアと、
炭化スクリューコンベアの外周壁の外周側に設けられ可燃性ガスを燃焼させる燃焼室と、
炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され炭化スクリューコンベアと燃焼室とを連通する可燃性ガス孔とを含み、
炭化スクリューコンベアでバイオマスを気化させて炭を製造した際に発生する可燃性ガスは、可燃性ガス孔を介して燃焼室に進入して燃焼され、
炭化スクリューコンベアの出力ポートは、バイオマス炭出口を介して多段冷却システムに接続される、
バイオマス気化炭製造装置が提供される。
【0009】
本発明の木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、特許文献1に記載の可燃性ガス収集、木タール収集、木タールと水との分離、可燃性ガスが燃焼室に輸送されて燃焼されるという複雑な過程及び構造を回避し、可燃性ガスを直接に燃焼し、木タールを伴わないという優れた効果が得られる。
【0010】
好ましくは、前記燃焼室には、それぞれ燃焼室給気口及び燃焼室排気口が形成され、燃焼室には、燃焼室の内部温度を制御する燃焼室空気導入キャビティが燃焼室給気口を介して接続され、燃焼室空気導入室の外壁には、燃焼室の内部温度を制御するように燃焼室空気導入キャビティの内部に進入する空気量を調節する制御弁が設置される。
【0011】
好ましくは、燃焼室は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する筒体であり、燃焼室の内部には、燃焼室の軸線を中心とする螺旋状の燃焼室ガイドプレートが設置されている。これにより、炭化スクリューコンベアを均一に加熱するという目的を達成することができる。
【0012】
好ましくは、複数の可燃性ガス孔は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って配列されるように炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され、燃焼室給気口は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する燃焼室の一端側に形成され、燃焼室排気口は、燃焼室の他端側に形成され、燃焼室には、燃焼室の他端寄りの可燃性ガス孔からの可燃性ガスを燃焼室の一端側に流動させる可燃性ガス通路が形成される。これにより、燃焼室の温度及び有効加熱長を向上させることができる。
【0013】
好ましくは、燃焼室には、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する燃焼室上下仕切板と、燃焼室上下仕切板と直交する燃焼室垂直仕切板とが設置され、燃焼室は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する筒体であり、燃焼室上下仕切板及び燃焼室垂直仕切板からなるL字型仕切板部により第1燃焼室キャビティと第2燃焼室キャビティとに分割され、燃焼室給気口は、燃焼室の一端に形成され、燃焼室排気口は、燃焼室の一端側に位置するとともに第2燃焼室キャビティと連通するように燃焼室の外周壁に形成され、燃焼室上下仕切板の上方に位置する第1燃焼室キャビティと第2燃焼室キャビティとは、燃焼室の他端側において上下連通し、第1燃焼室キャビティと燃焼室給気口とは、第1燃焼室キャビティと燃焼室空気導入キャビティとの間に位置する第2燃焼室キャビティの一部を貫通する燃焼室給気ダクトを介して連通する。これにより、燃焼室を第1燃焼室及び第2燃焼室に分割されるため、燃焼室の長手方向の長さを大きくすることなく、有効加熱長さとしての燃焼通路の長さを大きくすることができる。この結果、燃焼室の小型化を図りながら燃焼室の燃焼効率を向上させることができる。
【0014】
好ましくは、燃焼室空気導入キャビティは、燃焼室が供給スクリューコンベアと燃焼室空気導入キャビティとの間に位置するように炭化スクリューコンベアの下流側の外周壁の外周側に設けられる筒部材であり、空気は、燃焼室に進入する前に燃焼室空気導入キャビティで予熱される。
【0015】
好ましくは、前記炭化スクリューコンベアと前記供給スクリューコンベアとは、互いに接続されるように同一直線上に配列されている。
【0016】
好ましくは、前記供給スクリューコンベアと前記炭化スクリューコンベアとは、互いに平行しており、隣り合う両者の端部が供給スロープを介して連通し、炭化スクリューコンベアと隣り合う供給スクリューコンベアの端部には、回転してバイオマスを供給スロープに供給する回転羽根が設置され、供給スクリューコンベアの端部と炭化スクリューコンベアの端部とが連通する連通箇所には、供給スロープと対向する可燃性ガス遮断壁が設置される。
【0017】
好ましくは、前記供給スクリューコンベアと前記炭化スクリューコンベアとは、交差するように連通する。
【0018】
好ましくは、供給スクリューコンベアのスクリューのピッチは、炭化スクリューコンベア側に近づくにつれて漸次小さくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】燃焼室ガイドプレートを追加した構成を示す概略図である。
【
図3】可燃性ガス孔を改善した構造を示す概略図である。
【
図8】本発明に係る実施例3を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例における図面を参考しながら、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得た他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0022】
図1及び
図5を参照しながら実施例1に係るバイオマス気化炭製造装置について説明する。実施例1において、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置は、
図1に示すように、バイオマスを輸送する供給システム1を含む。供給システム1は、供給スクリューコンベア11及びホッパー12を含む。供給スクリューコンベア11は、可変ピッチ構造設計を採用しており、供給スクリューコンベア11のスクリューのピッチが上流側から下流側(すなわち、
図1の左から右)に向かって漸次小さくなっている。そして、バイオマスは、積み重なって供給スクリューコンベア11のキャビティを充填することにより、供給スクリューコンベア11から後述する炭化システム2に空気が進入することを阻止することができる。供給スクリューコンベア11の外壁には、ホッパー12が設置されている。ホッパー12は、円錐台形状の管状構造または方形状の管状構造である。供給システム1の隣接側(下流側)には、バイオマスを炭化する炭化システム2が設けられている。炭化システム2は、炭化スクリューコンベア21、燃焼室22、可燃性ガス孔23及び燃焼室空気導入キャビティ26を備える。そして、炭化スクリューコンベア21と供給スクリューコンベア11との間は、ダクトを介して互いに接続されている。炭化スクリューコンベア21と供給スクリューコンベア11とは互いに接続されるように同一直線上に配列されている(
図5参照)。供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21とを連通するダクトは、炭化スクリューコンベア21の下半部に位置することで、炭化過程で発生した可燃性ガスが供給スクリューコンベア11の内部に逆流することを防止することができる。炭化スクリューコンベア21(具体的には、炭化スクリューコンベア21の上流側)の外壁(外周壁)には、燃焼室22が設けられている。燃焼室22は、炭化スクリューコンベア21の外周を包囲する筒体であり、その温度が550℃から650℃までに制御される。炭化スクリューコンベア21の外壁(外周壁)には、可燃性ガス孔23が形成されている。可燃性ガス孔23は、貫通孔からなり、その数が炭化スクリューコンベア21の外壁の長手方向の長さに応じて設置されている。燃焼室22の他方側(すなわち、供給スクリューコンベア11に近接する側)には、燃焼室22の内部と連通する燃焼室排気口25が形成されている。そして、燃焼室22の一方側(すなわち、供給スクリューコンベア11から離間する側)には、燃焼室22の内部と連通する燃焼室給気口24が形成されている。炭化スクリューコンベア21の下流側の外壁には、燃焼室空気導入キャビティ26が取り付けられている。すなわち、燃焼室22及び燃焼室空気導入キャビティ26は、上流側から下流側に順に炭化スクリューコンベア21の外周側に配列されている。燃焼室空気導入キャビティ26は、炭化スクリューコンベア21の下流側の外側に形成された管状キャビティ室(筒部材)である。燃焼室空気導入キャビティ26の外壁には、空気導入量を調節する例えばエアポンプ、ブロワー、バルブなどの機構が設けられている。燃焼室22の温度が低い場合、燃焼室空気導入キャビティ26の供給量を増加することで、可燃性ガスの燃焼する割合がより多くなり、燃焼室22の温度を向上させることができる。温度が高い場合、燃焼室空気導入キャビティ26の供給量を低下することで、可燃性ガスの燃焼する割合が少なくなり、燃焼室22の温度を低下させることができる。燃焼室の良好な保温を前提に、バイオマス炭化反応による可燃性ガスは、炭化システム2の加熱を維持するのに十分である。空気は、燃焼室22に進入する前に炭化スクリューコンベア21の下流側の余熱によって熱交換領域27で予熱される。炭化スクリューコンベア21の外壁には、バイオマス炭出口28が形成されている。炭化システム2(具体的には、炭化スクリューコンベア21の下流側)の出力ポートには、バイオマス炭出口28を介してバイオマス炭を冷却するための多段冷却システム3が接続されている。
【0023】
図1、
図2及び
図6を参照しながら実施例2に係るバイオマス気化炭製造装置について説明する。実施例2において、実施例1をベースとして、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置は、
図1及び
図2に示すように、供給システム1を含む。供給システム1は、供給スクリューコンベア11及びホッパー12を含む。供給スクリューコンベア11は、可変ピッチ構造設計を採用しており、供給スクリューコンベア11のスクリューのピッチが上流側から下流側(すなわち、
図1の左から右)に向かって漸次小さくなっている。そして、バイオマスは、積み重なって供給スクリューコンベア11のキャビティを充填することにより、供給スクリューコンベア11から炭化システム2に空気が進入することを阻止することができる。供給スクリューコンベア11の外壁には、ホッパー12が設置されている。ホッパー12は、円錐台形状の管状構造または方形状の管状構造である。供給システム1の隣接側(下流側)には、炭化システム2が設けられている。炭化システム2は、炭化スクリューコンベア21、燃焼室22、可燃性ガス孔23及び燃焼室空気導入キャビティ26を備えている。そして、供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21とは互いに平行にしており、隣り合う両者の端部が供給スロープ14を介して連通している(
図6参照)。供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21とを連通するダクトは、炭化スクリューコンベア21の下半部に位置している。炭化スクリューコンベア21(具体的には、炭化スクリューコンベア21の上流側)の外壁には、燃焼室22が設けられている。燃焼室22は、炭化スクリューコンベア21を包囲する筒体であり、その温度が550℃から650℃までに制御される。炭化スクリューコンベア21の外壁には、可燃性ガス孔23が形成され、可燃性ガス孔23は、貫通孔からなり、その数が炭化スクリューコンベア21の長手方向の外壁の長さに応じて形成されている。燃焼室22の他方側(すなわち、供給スクリューコンベア11に近接する側)には、燃焼室22の内部と連通する燃焼室排気口25が形成されている。そして、燃焼室22の一方側(すなわち、供給スクリューコンベア11から離間する側)には、燃焼室22の内部と連通する燃焼室給気口24が形成されている。燃焼室22には、燃焼室22の軸線を中心とする螺旋状の燃焼室ガイドプレート22-1が設置されている(
図2参照)。螺旋状の燃焼室ガイドプレート22-1は、基端が燃焼室22の内壁(内周壁)と接続されるとともに、先端が炭化スクリューコンベア21の外壁(外周壁)と接続されている。これにより、炭化スクリューコンベア21と燃焼室22との間に螺旋状のガス通路を形成することができるため、燃焼室22の燃焼室給気口24から燃焼室排気口25までの間の高温空気の流れを螺旋状にすることができる。炭化スクリューコンベア21の周りを旋回する気流を形成し、炭化スクリューコンベア21をより均一に加熱することができる。炭化スクリューコンベア21の下流側の外壁には、燃焼室空気導入キャビティ26が取り付けられている。すなわち、燃焼室22及び燃焼室空気導入キャビティ26は、上流側から下流側に順に炭化スクリューコンベア21の外周側に配列されている。燃焼室空気導入キャビティ26は、炭化スクリューコンベア21の下流側の外側に形成された管状キャビティ室(筒部材)である。燃焼室空気導入キャビティ26の外壁には、空気導入量を調節する例えばエアポンプ、ブロワー、バルブなどの機構が設けられている。燃焼室22の温度が低い場合、燃焼室空気導入キャビティ26の供給量を増加することで、可燃性ガスの燃焼する割合がより多くなり、燃焼室22の温度を向上させることができる。温度が高い場合、燃焼室空気導入キャビティ26の供給量を低下することで、可燃性ガスの燃焼する割合が少なくなり、燃焼室22の温度を低下させることができる。燃焼室の良好な保温を前提に、バイオマス炭化反応による可燃性ガスは、炭化システム2の加熱を維持するのに十分である。供給スクリューコンベア11の端部(すなわち、下流端)には、回転羽根13が設けられている。回転羽根13は、回転して端部に搬送されたバイオマスを適時に供給スクリューコンベア11の横断面範囲の外に掻き出す。さらに、供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21との間には、傾斜する供給スロープ14が設置されている。バイオマスは、供給スロープ14を通過して短時間で炭化スクリューコンベア21に進入する。そして、供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21の間には、供給スロープ14と対向する可燃性ガス遮断壁15が設けられている(
図6参照)。可燃性ガス遮断壁15は、炭化スクリューコンベア21内の可燃性ガスが供給スクリューコンベア11に進入することを阻止することができる。空気は、燃焼室22に進入する前に炭化スクリューコンベア21の下流側の余熱によって熱交換領域27で予熱される。炭化スクリューコンベア21の外壁には、バイオマス炭出口28が形成されている。炭化システム2(具体的には、炭化スクリューコンベア21の下流側)の出力ポートには、バイオマス炭出口28を介してバイオマス炭を冷却するための多段冷却システム3が接続されている。
【0024】
図1、
図3、
図4、
図7及び
図8を参照しながら実施例3に係るバイオマス気化炭製造装置について説明する。実施例3において、実施例1をベースとして、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置は、
図1、
図3及び
図4に示すように、供給システム1を含む。前記供給システム1は、供給スクリューコンベア11及びホッパー12を含む。供給スクリューコンベア11は、可変ピッチ構造設計を採用しており、そのスクリューのピッチが上流側から下流側(すなわち、
図1の左から右)に向かって漸次小さくなっている。バイオマスは積み重なって供給スクリューコンベア11のキャビティを充填することにより、供給スクリューコンベア11から炭化システム2に空気が進入することを阻止することができる。供給スクリューコンベア11の外壁には、ホッパー12が設置されている。ホッパー12は、円錐台形状の管状構造である。供給システム1の隣接側(下流側)には、バイオマスを炭化する炭化システム2が設けられている。炭化システム2は、炭化スクリューコンベア21、燃焼室22、可燃性ガス孔23及び燃焼室空気導入キャビティ26を備える。炭化スクリューコンベア21と供給スクリューコンベア11との間は、ダクトを介して互いに接続されている。そして、炭化スクリューコンベア21と供給スクリューコンベア11とは、交差して設置されている(
図7及び
図8参照)。供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21とを連通する貫通口は、炭化スクリューコンベア21の下半部に位置している。炭化スクリューコンベア21の外壁(外周壁)には、筒体としての燃焼室22が設けられている。燃焼室22は、炭化スクリューコンベア21の上流側を包囲し、燃焼室22の温度が550℃から650℃までに制御される。炭化スクリューコンベア21の外壁(外周壁)には、可燃性ガス孔23が形成されている。そして、可燃性ガス孔23は、貫通孔からなり、その数が炭化スクリューコンベア21の長手方向の外周壁の長さに応じて設置されている。燃焼室22の内部には、炭化スクリューコンベア21の延在方向に沿って延在する燃焼室上下仕切板22-2と、燃焼室上下仕切板22-2と直交する燃焼室垂直仕切板22-3とが設けられている。
図4に示すように、燃焼室22は、燃焼室上下仕切板22-2及び燃焼室垂直仕切板22-3からなるL字型仕切板部により第1燃焼室キャビティ22-4と第2燃焼室キャビティ22-5とに分割されている。
図4に示すように、燃焼室給気口24は、燃焼室22の一端(燃焼室空気導入キャビティ26に近接する端部)に形成されている。燃焼室排気口25は、燃焼室22の一端側に位置するとともに第2燃焼室キャビティ22-5と連通するように燃焼室22の外周壁に形成されている。燃焼室上下仕切板22-2の上方に位置する第1燃焼室キャビティ22-4と第2燃焼室キャビティ22-5とは、燃焼室22の他端側において上下連通し、第1燃焼室キャビティ22-4と燃焼室給気口24とは、第1燃焼室キャビティ22-4と燃焼室空気導入キャビティ26との間に位置する第2燃焼室キャビティ22-5の一部を貫通する燃焼室給気ダクト24-1を介して連通する。気流の方向が
図4の矢印で示されるように、この時、第2燃焼室キャビティ22-5全体の温度は、高温となり、全体の高温燃焼室を実現し、有効加熱長さがより長くなり、気化炭製造効率をより向上させることができる。この時、燃焼室22の長さを4メートル、機器全体の長さを6メートルに短縮することができ、装置全体を車に載置することを容易に実現することができる。炭化スクリューコンベア21の下流側の外壁には、燃焼室空気導入キャビティ26が取り付けられている。すなわち、燃焼室22及び燃焼室空気導入キャビティ26は、上流側から下流側に順に炭化スクリューコンベア21の外周側に配列されている。燃焼室空気導入キャビティ26は、炭化スクリューコンベア21の下流側の外側に形成された管状キャビティ室(筒部材)である。燃焼室空気導入キャビティ26の外壁には、空気導入量を調節する例えばエアポンプ、ブロワー、バルブなどの機構が設けられている。燃焼室22の温度が低い場合、燃焼室空気導入キャビティ26の供給量を増加することで、可燃性ガスの燃焼する割合がより多くなり、燃焼室22の温度を向上させることができる。温度が高い場合、燃焼室空気導入キャビティ26の供給量を低下することで、可燃性ガスの燃焼する割合が少なくなり、燃焼室22の温度を低下させることができる。燃焼室の良好な保温を前提に、バイオマス炭化反応による可燃性ガスは、炭化システム2の加熱を維持するのに十分である。空気は、燃焼室22に進入する前に炭化スクリューコンベア21の下流側の余熱によって熱交換領域27で予熱される。炭化スクリューコンベア21の外壁には、バイオマス炭出口28が形成されている。炭化システム2の出力ポートには、バイオマス炭出口28を介してバイオマス炭を冷却するための多段冷却システム3が接続されている。
【0025】
以下、本発明に係るバイオマス気化炭製造装置の動作原理について説明する。ホッパー12から供給スクリューコンベア11の内部にバイオマスを進入させた後、伝送して炭化スクリューコンベア21の内部に進入させることにより、バイオマスが炭化スクリューコンベア21の内部に進入する。そして、炭化スクリューコンベア21の内部でバイオマスを高温気化して炭を製造して可燃性ガスを放出し、炭化スクリューコンベア21における可燃性ガス孔23を介して燃焼室22の内部に可燃性ガスを拡散することができる。そして、可燃性ガスは、燃焼室22の内部で燃焼することにより、炭化スクリューコンベア21の内部に熱を供給するとともに、炭化スクリューコンベア21の内部でバイオマスが発生するバイオマス炭は、バイオマス炭出口28を介して排出され、多段冷却システム3の内部に進入して冷却される。これにより、炭化スクリューコンベア21の内部でバイオマスが高温気化して発生した可燃性ガスが燃焼室22の内部で燃焼することを利用して、後続の炭化スクリューコンベア21の内部のバイオマスの炭化反応に熱を供給し、全体の過程で自身の炭化反応を維持するだけでなく、燃焼室22に進入した空気が炭化スクリューコンベア21の排出側の余熱によって熱交換領域27で予熱することができ、全体として資源経済を節約することができる。
【0026】
供給スクリューコンベア11を炭化スクリューコンベア21よりも小径であり、かつ低い位置に設計することにより、供給スクリューコンベア11の内部においてスクリューのピッチが漸次小さくなり、バイオマスを漸次圧縮して供給スクリューコンベア11の内部のバイオマスの充填率を高め、炭化スクリューコンベア21への空気の進入を部分的に隔離する効果に達成し、通常の排出機(例えば、スター排出機等)の密閉の役割をある程度に代替し、炭製造装置の構造をさらに簡素化することができる。
【0027】
燃焼室22の外壁に燃焼室空気導入キャビティ26を設けることにより、可燃性ガスが燃焼室の内部で燃焼して加熱している間に、温度が高い場合、可燃性ガスが相対的に十分に燃焼しており、この時、燃焼室空気導入キャビティ26に進入する空気量を減らし可燃性ガスの燃焼量を下げることができ、温度が低い場合、可燃性ガスが相対的に不十分に燃焼しており、この時、燃焼室空気導入キャビティ26に進入する空気量を増やし可燃性ガスの燃焼量を高めることができ、同時に燃焼室22に進入した空気は、炭化スクリューコンベア21の排出側の余熱を利用して熱交換領域27で予熱することができ、燃焼室22の温度が上昇した後、優先的に供給スクリューコンベア11及び炭化スクリューコンベア21の回転数を増加し、設備の処理量を増加し、温度が低下した後も空気量を増加させ燃焼程度を増加させ燃焼室22の温度を上昇させ、最終的に設備処理能力の最大化に達成し、設備のバイオマス炭化効率が高くなる。
【0028】
燃焼室22の内部に燃焼室ガイドプレート22-1を追加することで、燃焼したガスが炭化スクリューコンベア21をより均一に加熱できる。燃焼室22の内部に可燃性ガス通路23-1または可燃性ガス孔延長管23-2を追加し、
図3に示すように、燃焼室22における燃焼室給気口24近傍に可燃性ガスを輸送して燃焼させ、燃焼室22全体の温度を向上させ、炭化スクリューコンベア21をよりよく加熱する。燃焼室22の内部に燃焼室上下仕切板22-2と燃焼室垂直仕切板22-3を追加することにより、
図4のように、燃焼室上下仕切板22-2及び燃焼室垂直仕切板22-3からなるL字型仕切板部により第1燃焼室キャビティ22-4と第2燃焼室キャビティ22-5とに分割されている。
図4に示すように、燃焼室給気口24は、燃焼室22の一端(燃焼室空気導入キャビティ26に近接する端部)に形成されている。燃焼室排気口25は、燃焼室22の一端側に位置するとともに第2燃焼室キャビティ22-5と連通するように燃焼室22の外周壁に形成されている。燃焼室上下仕切板22-2の上方に位置する第1燃焼室キャビティ22-4と第2燃焼室キャビティ22-5とは、燃焼室22の他端側において上下連通し、第1燃焼室キャビティ22-4と燃焼室給気口24とは、第1燃焼室キャビティ22-4と燃焼室空気導入キャビティ26との間に位置する第2燃焼室キャビティ22-5の一部を貫通する燃焼室給気ダクト24-1を介して連通する。気流方向が
図4矢印に示されている。この時、第2燃焼室キャビティ22-5の温度は、第1燃焼室キャビティ22-4の温度よりも高くなり、全体の高温燃焼室を実現し、有効加熱長さがより長くなり、気化炭製造効率をさらに向上させ、この時、燃焼室22の長さを4メートル、機器全体の長さを6メートルに短縮することができるため、装置全体を車に載置することを実現することができる。
【0029】
燃焼室22における追加構造、可燃性ガスが可燃性ガス孔23または可燃性ガス孔23の延長構造(可燃性ガス通路23-1、可燃性ガス孔延長管23-2)を通過して燃焼室22内において直接に燃焼するという本質を変更しない設計変更という変形及び改善は、本発明の保護範囲内にある。
【0030】
バイオマスは、炭化システム2を介して高温気化した後にバイオマス炭を生成して多段冷却システム3の内部に進入して冷却され、高温加工の間で、茎葉に付随する虫卵が全部高温を経てすべて除去される。そして、バイオマス炭は、基本的に有機物を含まず、腐敗及び細菌の繁殖を効果的に防止することができ、農民は適切な時間を選択して堆肥化してから畑に返すことができ、土壌の肥力を増加させ、グリーンで持続可能な発展を実現することができる。
【0031】
供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21との両方は、互いに平行しており、隣り合う両者の端部が供給スロープ14を介して連通している時、炭化スクリューコンベア21と隣り合う供給スクリューコンベア11の内部における端部には、回転羽根13が設けられている。回転羽根13は、回転して搬送されたバイオマスを適時に供給スクリューコンベア11の横断面範囲の外に掻き出す。これにより、バイオマスを供給スロープ14に供給する。供給スクリューコンベア11と炭化スクリューコンベア21との間に可燃性ガス遮断壁15が設けられている。そして、可燃性ガス遮断壁15は、炭化スクリューコンベア21内の可燃性ガスが供給スクリューコンベア11に進入することを阻止することができる。
【0032】
炭化スクリューコンベア21における炭化ゾーンと燃焼室22とを可燃性ガス孔23を介して直接に連通することにより、バイオマス炭化の過程における可燃性ガスが直接に燃焼室22に到達して燃焼することを実現することができる。そして、炭化スクリューコンベア21を直接に加熱し、通常の炭化設備のバイオマス輸送構造と炭化構造との分離設計による構造複雑化の問題を回避し、可燃性ガスが直接に燃焼し、木タールを伴わない有益な効果を達成し、炭化室へ投入した後の回転密封、可燃性ガス収集、木タール収集、木タールと水との分離、可燃性ガスの輸送などの構造複雑な設備を省くことができる。装置全体を車載で運通することができ、農村に散在したバイオマス資源に適し、田畑で炭を製造することができる。
【0033】
次に、本実施形態による効果について説明する。
【0034】
本実施形態に係る木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、ホッパー12から供給スクリューコンベア11の内部にバイオマスを進入させた後、伝送して炭化スクリューコンベア21の内部に進入させることにより、バイオマスが炭化スクリューコンベア21の内部に進入し、バイオマスが炭化スクリューコンベア21の内部で高温気化して可燃性ガスを放出し、可燃性ガスが炭化スクリューコンベア21における可燃性ガス孔23を介して燃焼室22の内部に拡散し、可燃性ガスは、燃焼室22の内部で燃焼して加熱することができ、炭化スクリューコンベア21の内部に熱を供給するとともに、炭化スクリューコンベア21の内部でバイオマスが発生するバイオマス炭は、バイオマス炭出口28を介して排出され、多段冷却システム3の内部で冷却される。これにより、炭化スクリューコンベア21の内部でバイオマスが高温気化して発生した可燃性ガスが燃焼室22の内部で再燃焼することを利用することができ、後続の炭化スクリューコンベア21の内部のバイオマスの炭化反応に熱を供給し、全体の過程で自身の炭化反応を維持でき、エネルギーを節約することができ、燃焼後の高温ガスはまた他の設備に熱を供給することができ、経済効果が良好になる。
【0035】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、炭化スクリューコンベア21における炭化ゾーンと外面に設置された燃焼室22とを可燃性ガス孔23を介して直接に連通することにより、バイオマス炭化の過程における可燃性ガスが直接に燃焼室に到達して直接に燃焼することを実現することができる。そして、炭化スクリューコンベア21を直接に加熱し、通常の炭化設備のバイオマス輸送構造と炭化構造との分離設計による構造複雑化の問題を回避し、可燃性ガスが直接に燃焼し、木タールを伴わない有益な効果を達成することができる。炭化室へ投入した後の回転密封、可燃性ガス収集、木タール収集、木タールと水との分離、可燃性ガスの輸送などの構造複雑な設備を省くことができ、装置全体を車載により運通することができ、農村に散在したバイオマス資源に適し、田畑で炭を製造できる。
【0036】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、燃焼室22の内部に燃焼室ガイドプレート22-1を追加することで、
図2のように、燃焼室内の気流方向を変化させ、炭化スクリューコンベア21を周回する旋回気流を増加させ、炭化スクリューコンベア21を均一に加熱するという目的を達成することができる。燃焼室22の温度及び有効加熱長さを向上させることができるため、炭化スクリューコンベア21及び燃焼室22の長さを短縮することができ、コストを低減し、車両への搬送を容易にすることができる。
【0037】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、可燃性ガス孔23の燃焼室22側に可燃性ガス通路23-1または可燃性ガス孔延長管23-2を接続することで、
図3に示すように、燃焼室給気口近傍に可燃性ガスを輸送して燃焼室22に進入させて燃焼させ、燃焼室の温度及び有効加熱長さを向上させ、炭化スクリューコンベア21及び燃焼室22の長さを短縮することを実現し、コストを低減し、車両への搬送を容易にできる。
【0038】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、燃焼室22には、炭化スクリューコンベア21の延在方向に沿って延在する燃焼室上下仕切板22-2と、燃焼室上下仕切板22-2と直交する燃焼室垂直仕切板22-3とが設置され、燃焼室22は、炭化スクリューコンベア21の延在方向に沿って延在する筒体であり、燃焼室上下仕切板22-2及び燃焼室垂直仕切板22-3からなるL字型仕切板部により第1燃焼室キャビティ22-4と第2燃焼室キャビティ22-5とに分割され、燃焼室給気口24は、燃焼室22の一端に形成され、燃焼室排気口25は、燃焼室22の一端側に位置するとともに第2燃焼室キャビティ22-5と連通するように燃焼室22の外周壁に形成され、燃焼室上下仕切板22-2の上方に位置する第1燃焼室キャビティ22-4と第2燃焼室キャビティ22-5とは、燃焼室22の他端側において上下連通し、第1燃焼室キャビティ22-4と燃焼室給気口24とは、第1燃焼室キャビティ22-4と燃焼室空気導入キャビティ26との間に位置する第2燃焼室キャビティ22-5の一部を貫通する燃焼室給気ダクト24-1を介して連通し、第1燃焼室キャビティ22-4において燃焼して第2燃焼室キャビティ22-5において加熱することを実現し、気流方向が
図4矢印に示され、この時、第2燃焼室キャビティ22-5の温度は、第1燃焼室キャビティ22-4よりも高温となり、全体の高温燃焼室22を実現し、全体の燃焼室22の有効加熱長さが長くなり、気化炭製造効率を向上させることができ、炭化スクリューコンベア21及び燃焼室22の長さを最大限に短縮することができ、コストを低減し、車両への搬送を容易にする。
【0039】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、燃焼室22の外壁に燃焼室空気導入キャビティ26を設けることにより、可燃性ガスが燃焼室22の内部で燃焼して加熱している場合、温度が高い場合には可燃性ガスが相対的に十分に燃焼しており、この時、燃焼室空気導入キャビティ26に進入する空気量を減らし可燃性ガスの燃焼量を下げることができ、温度が低い場合、可燃性ガスが相対的に不十分に燃焼しており、この時、燃焼室空気導入キャビティ26に進入する空気量を増やし可燃性ガスの燃焼量を高めることができるため、柔軟な温度制御を実現することができ、同時に燃焼室22に進入する前の空気は、炭化スクリューコンベア21の排出側の余熱を利用して熱交換領域27で予熱することができ、燃焼室22の温度が上昇した後、優先的に供給スクリューコンベア11及び炭化スクリューコンベア21の回転数を増加し、設備の処理量を増加し、温度が低下した後、空気量を増やし続けて燃焼程度を向上させ燃焼室22の温度を上昇させ、最終的に燃焼室22の温度を制御できる場合の設備処理能力の最大化に達成し、設備のバイオマス炭化効率が高い。
【0040】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、バイオマスは炭化システム2を介して高温気化した後にバイオマス炭を生成して多段冷却システム3の内部に進入して冷却し、高温加工の間で、茎葉に付随する虫卵が全部高温を経て除去され、バイオマス炭は基本的に有機物を含まず、腐敗及び細菌の繁殖を効果的に防止することができ、農民は適切な時間を選択して堆肥化してから畑に返すことができ、土壌の肥力を増加させ、グリーンで持続可能な発展を実現することができる。
【0041】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、炭化スクリューコンベア21の外側と燃焼室22とに可動部材がないため、全体として保温と密閉を行いやすく、加熱温度が高く、バイオマス気化して炭を製造し、2~4分間で炭化を完了し、多段冷却システムに進入し、炭化効率が高くなる。
【0042】
また、木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置によれば、供給スクリューコンベア11を炭化スクリューコンベア21よりも小径であり、かつ低い位置に設計することにより、供給スクリューコンベア11のスクリューのピッチは、炭化スクリューコンベア21側に近づくにつれて漸次小さくなり、バイオマスを漸次圧縮して供給スクリューコンベア11の内部のバイオマスの充填率を高め、炭化スクリューコンベア21への空気の進入を部分的に隔離する効果に達成し、通常の排出機(例えば、スター排出機等)の密閉の役割をある程度に代替し、炭製造装置の構造をさらに簡素化することができる。
【0043】
以上、本発明の基本原理と主な特徴、及び本発明の利点を示して説明した。本発明は上記実施例によって限定されるものではなく、上記実施例及び明細書に記載された説明は単に本発明の原理を説明するものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変形及び改善が可能である。これらの変形及び改善は保護請求されている発明の範囲に属することを当業者は理解されたい。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【符号の説明】
【0044】
1、供給システム、2、炭化システム、3、多段冷却システム、11、供給スクリューコンベア、12、ホッパー、13、回転羽根、14、供給スロープ、15、可燃性ガス遮断壁、21、炭化スクリューコンベア、22、燃焼室、22-1、燃焼室ガイドプレート、22-2、燃焼室上下仕切板、22-3、燃焼室垂直仕切板、22-4、第1燃焼室キャビティ、22-5、第2燃焼室キャビティ、23、可燃性ガス孔、23-1、可燃性ガス通路、23-2、可燃性ガス延長管、24、燃焼室給気口、24-1、燃焼室給気ダクト、25、燃焼室排気口、26、燃焼室空気導入キャビティ、27、熱交換領域、28、バイオマス炭出口
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木タールを伴わないバイオマス気化炭製造装置であって、
バイオマスを輸送する供給システムと、
バイオマスを炭化する炭化システムと、
バイオマス炭を冷却する多段冷却システムとを備え、
前記供給システムは、炭化システムの入力ポートに設置されたものであって、供給スクリューコンベアと、供給スクリューコンベアに接続されたホッパーとを含み、
炭化システムは、
供給スクリューコンベアと接続されバイオマスを気化させて炭を製造する炭化スクリューコンベアと、
炭化スクリューコンベアの外周壁の外周側に設けられ可燃性ガスを燃焼させる燃焼室と、
炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され炭化スクリューコンベアと燃焼室とを連通する可燃性ガス孔とを含み、
炭化スクリューコンベアでバイオマスを気化させて炭を製造した際に発生する可燃性ガスは、可燃性ガス孔を介して燃焼室に進入して燃焼され、
炭化スクリューコンベアの出力ポートは、バイオマス炭出口を介して多段冷却システムに接続され、
前記燃焼室には、それぞれ燃焼室給気口及び燃焼室排気口が形成され、
燃焼室には、燃焼室の内部温度を制御する燃焼室空気導入キャビティが燃焼室給気口を介して接続され、
燃焼室空気導入室の外壁には、燃焼室の内部温度を制御するように燃焼室空気導入キャビティの内部に進入する空気量を調節する制御弁が設置され、
複数の可燃性ガス孔は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って配列されるように炭化スクリューコンベアの外周壁に形成され、
燃焼室給気口は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する燃焼室の一端側に形成され、
燃焼室排気口は、燃焼室の他端側に形成され、
燃焼室には、燃焼室の他端寄りの可燃性ガス孔からの可燃性ガスを燃焼室の一端側に流動させる可燃性ガス通路が形成される、
ことを特徴とするバイオマス気化炭製造装置。
【請求項2】
燃焼室は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する筒体であり、
燃焼室の内部には、燃焼室の軸線を中心とする螺旋状の燃焼室ガイドプレートが設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項3】
燃焼室には、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する燃焼室上下仕切板と、燃焼室上下仕切板と直交する燃焼室垂直仕切板とが設置され、
燃焼室は、炭化スクリューコンベアの延在方向に沿って延在する筒体であり、燃焼室上下仕切板及び燃焼室垂直仕切板からなるL字型仕切板部により第1燃焼室キャビティと第2燃焼室キャビティとに分割され、
燃焼室給気口は、燃焼室の一端に形成され、
燃焼室排気口は、燃焼室の一端側に位置するとともに第2燃焼室キャビティと連通するように燃焼室の外周壁に形成され、
燃焼室上下仕切板の上方に位置する第1燃焼室キャビティと第2燃焼室キャビティとは、燃焼室の他端側において上下連通し、
第1燃焼室キャビティと燃焼室給気口とは、第1燃焼室キャビティと燃焼室空気導入キャビティとの間に位置する第2燃焼室キャビティの一部を貫通する燃焼室給気ダクトを介して連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項4】
燃焼室空気導入キャビティは、燃焼室が供給スクリューコンベアと燃焼室空気導入キャビティとの間に位置するように炭化スクリューコンベアの下流側の外周壁の外周側に設けられる筒部材であり、
空気は、燃焼室に進入する前に燃焼室空気導入キャビティで予熱される、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項5】
前記炭化スクリューコンベアと前記供給スクリューコンベアとは、互いに接続されるように同一直線上に配列されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項6】
前記供給スクリューコンベアと前記炭化スクリューコンベアとは、互いに平行しており、隣り合う両者の端部が供給スロープを介して連通し、
炭化スクリューコンベアと隣り合う供給スクリューコンベアの端部には、回転してバイオマスを供給スロープに供給する回転羽根が設置され、
供給スクリューコンベアの端部と炭化スクリューコンベアの端部とが連通する連通箇所には、供給スロープと対向する可燃性ガス遮断壁が設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項7】
前記供給スクリューコンベアと前記炭化スクリューコンベアとは、交差するように連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載のバイオマス気化炭製造装置。
【請求項8】
供給スクリューコンベアのスクリューのピッチは、炭化スクリューコンベア側に近づくにつれて漸次小さくなる、
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のバイオマス気化炭製造装置。