(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012031
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114555
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】前村 雅人
(72)【発明者】
【氏名】池村 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】津下 聖悟
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF13
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
5H181LL09
5H181MB03
(57)【要約】
【課題】非接触給電を専用で行う非接触給電レーンが普及した状況において、車両の隊列の組み直しを抑制すること。
【解決手段】車両側受電装置搭載の車両に、道路側給電装置から電力を非接触で供給可能に構成された非接触給電システムにおいて車両を制御する車両制御装置であって、対象車両が非接触給電システムに対応しているか非対応であるかを判定し、対象車両の走行において周囲の情報を取得して、周囲の情報に基づいて対象車両の周囲の車両が走行中非接触給電に対応した車両か非対応の車両かを判定し、対象車両が対応した車両である場合、対象車両の周囲の車両のうちの走行中非接触給電に対応した他の車両と隊列走行させるように情報を出力し、対象車両が走行中非接触給電に非対応の車両である場合、対象車両の周囲の車両のうちの走行中非接触給電に非対応の車両と隊列走行させるように情報を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側受電装置を搭載した走行中の車両に、道路側給電装置から電力を非接触で供給可能に構成された走行中非接触給電システムにおいて前記車両を制御する制御部を備える車両制御装置であって、
前記制御部は、
対象となる車両が前記走行中非接触給電システムにおける走行中非接触給電に対応した車両であるか非対応の車両であるかを判定し、
前記対象となる車両の走行において周囲の情報を取得して、前記周囲の情報に基づいて前記対象となる車両の周囲の車両が、走行中非接触給電に対応した車両であるか非対応の車両であるかを判定し、
前記対象となる車両が走行中非接触給電に対応した車両である場合に、前記対象となる車両の周囲の車両のうちの走行中非接触給電に対応した他の車両と隊列走行させるように情報を出力し、
前記対象となる車両が走行中非接触給電に非対応の車両である場合に、前記対象となる車両の周囲の車両のうちの走行中非接触給電に非対応の車両と隊列走行させるように情報を出力する
車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車外情報取得装置に関する情報を隊列走行する各車両から取得する装置情報取得部と、各車外情報取得装置に対して車外の情報の取得特性に優れた順に高いランクを付与するランク付与部と、各車外情報取得装置に付与されたランクに基づき、よりランクの高い車外情報取得装置を有する車両を隊列の先頭車両または最後尾車両の少なくとも一方に相応しい車両として決定する決定部とを備える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触給電を専用で行う非接触給電レーンが普及した状況において、隊列走行が可能な状況を前提として、非接触給電対応車両と非接触給電非対応車両とが混在した隊列を組んでしまうと、非接触給電レーンに遭遇した場合に、すでに組み合わされた隊列を崩して、隊列を改めて組む必要が生じる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、非接触給電を専用で行う非接触給電レーンが普及した状況において、車両の隊列の組み直しを抑制できる車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による車両制御装置は、車両側受電装置を搭載した走行中の車両に、道路側給電装置から電力を非接触で供給可能に構成された走行中非接触給電システムにおいて前記車両を制御する制御部を備える車両制御装置であって、前記制御部は、対象となる車両が前記走行中非接触給電システムにおける走行中非接触給電に対応した車両であるか非対応の車両であるかを判定し、前記対象となる車両の走行において周囲の情報を取得して、前記周囲の情報に基づいて前記対象となる車両の周囲の車両が、走行中非接触給電に対応した車両であるか非対応の車両であるかを判定し、前記対象となる車両が走行中非接触給電に対応した車両である場合に、前記対象となる車両の周囲の車両のうちの走行中非接触給電に対応した他の車両と隊列走行させるように情報を出力し、前記対象となる車両が走行中非接触給電に非対応の車両である場合に、前記対象となる車両の周囲の車両のうちの走行中非接触給電に非対応の車両と隊列走行させるように情報を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、非接触給電を専用で行う非接触給電レーンが普及した状況において、車両の隊列の組み直しを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態によるワイヤレス電力伝送システムを含む車両制御システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による車両制御装置を実現する車両の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による車両制御装置において、隊列走行における候補車両の検出方法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、実施形態による車両制御装置が実行する車両制御方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示による走行中非接触給電システムの実施形態について説明する。なお、本開示は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。まず、本開示の実施形態におけるワイヤレス電力伝送システムについて具体的に説明する。
【0010】
図1は、実施形態におけるワイヤレス電力伝送システムを示す模式図である。
図1に示すように、ワイヤレス電力伝送システム(Wireless Power Transfer System)1は、供給設備2と車両3とを備る。ワイヤレス電力伝送システム1は、走行中の車両3に供給設備2から電力を供給する走行中非接触給電システムである。供給設備2は、走行中の車両3に非接触で電力を供給する設備である。車両3は、外部電源から供給された電力を充電可能な電動車両であり、例えば電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などである。車両3は、手動運転車両でも自動運転車両でもよい。
【0011】
また、本実施形態によるワイヤレス電力伝送システム1は、車両制御装置を含む車両制御システムを含む。車両制御システムは、車両3およびサーバ30を有する。車両3およびサーバ30はそれぞれ、通信機能を備え、ネットワーク40を通じて相互に通信可能に構成されている。ネットワーク40は、インターネットなどの公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)や携帯電話の電話通信網などにより構成される。
【0012】
ワイヤレス電力伝送システム1は、供給設備2から車両3へ磁界共振結合(磁界共鳴)によるワイヤレス電力伝送を行う。ワイヤレス電力伝送システム1は、道路4上を走行中の車両3に対して供給設備2から非接触で電力を伝送する。すなわち、ワイヤレス電力伝送システム1は、磁界共鳴方式により電力を伝送するものであり、磁界共振結合(磁界共鳴)を用いて車両3への走行中給電を実現するものである。ワイヤレス電力伝送システム1は、ダイナミックワイヤレス電力伝送(D-WPT)システムや、磁界ダイナミックワイヤレス電力伝送(MF-D-WPT)システムと表現できる。供給設備2は、供給装置5と、供給装置5に電力を供給する交流電源6とを備える。供給装置5は、交流電源6から供給された電力を車両3に非接触で伝送する。交流電源6は例えば商用電源である。この供給装置5は、一次コイル11を有する送電装置10を備える。
【0013】
道路側給電装置としての供給装置5は、一次コイル11を含むセグメント7と、セグメント7を管理する管理装置8とを備える。セグメント7は、道路4の車線内に埋め込まれている。管理装置8は、道路4の脇に設置されている。セグメント7は、管理装置8と電気的に接続されている。管理装置8は、交流電源6と電気的に接続されており、交流電源6の電力をセグメント7に供給する。セグメント7は、管理装置8を介して交流電源6と電気的に接続される。このセグメント7は、道路4の車線に沿って複数配置することが可能である。例えば、供給装置5は、道路4内で車線に沿って並んで設置された3つのセグメント7と、3つのセグメント7が接続された一つの管理装置8とを備える。セグメント7は、供給装置5から車両3へと非接触で電力を伝送する機能を有する。管理装置8は、セグメント7におけるワイヤレス電力伝送を制御する機能を有する。
【0014】
車両3は、二次コイル21を有する受電装置20を備える。車両側受電装置の一部としての受電装置20は、車両3の車体底部に設けられている。一次コイル11が設置された道路4上を車両3が走行する際、地上側の一次コイル11と車両側の二次コイル21とが上下方向に対向する。ワイヤレス電力伝送システム1は、車両3が道路4上を走行中に、送電装置10の一次コイル11から受電装置20の二次コイル21に非接触で電力を伝送する。
【0015】
本実施形態において走行中とは、車両3が走行のために道路4上に位置する状態を意味する。走行中には、車両3が道路4上で一時的に停止している状態も含まれる。例えば信号待ちなどによって車両3が道路4上で停止している状態も走行中に含まれる。
【0016】
また、一次コイル11(セグメント7)が埋め込まれた車線のことをDWPTレーンと記載し、道路4の一部区間であって供給装置5によるワイヤレス電力伝送が可能な場所のことをDWPT充電サイトと記載する場合がある。DWPTレーンとDWPT充電サイトとにおいては、道路4の所定区間に亘り複数の一次コイル11(複数のセグメント7)が車両3の進行方向に並んで設置されている。
【0017】
ワイヤレス電力伝送システム1においては、車両3がサーバ30と通信可能であるとともに、供給装置5がサーバ30と通信可能である。サーバ30は、ネットワーク40に接続されており、ネットワーク40を介して複数の車両3および複数の供給装置5と通信可能である。
【0018】
車両3は、通信部32を用いた広域無線通信によってネットワーク40に接続する。車両3はサーバ30に情報を送信し、サーバ30からの情報を受信する。供給装置5は、第1通信装置12を用いた広域無線通信によってネットワーク40に接続する。供給装置5はサーバ30に情報を送信し、サーバ30からの情報を受信する。
【0019】
このように構成されたワイヤレス電力伝送システム1が普及した状態においては、走行中給電において、充電可能なバッテリからの電力供給によって駆動する車両の車両情報と、外部から車両の隊列に関する隊列情報とを送電装置に送信して、車両情報と隊列情報とに基づいて車両を走行させることが行われる。この場合、走行中給電に対応した車両(以下、DWPT対応車両)と、走行中給電に非対応の車両(以下、DWPT非対応車両)とが混在する可能性がある。DWPT対応車両とDWPT非対応車両とが混在する隊列が存在すると、隊列を組み直す必要がある。
【0020】
具体的に、車両が現在は一般レーンしかない道路を走行しているが、数km先に走行中給電を行う道路(以下、DWPTレーン)が出現する状況や、DWPTレーンにDWPT非対応車両の進入が禁止されているなどの状況が前提となる。この状況で、DWPT対応車両とDWPT非対応車両とが混在して隊列走行している場合には、隊列に対して非接触給電に対応した処理を行う必要がある。
【0021】
より具体的に、DWPTレーンにDWPT非対応車両の進入が禁止される、いわゆる一般車両の進入禁止ルールが存在する場合には、DWPTレーンにはDWPT対応車両のみが走行可能であることから、DWPT非対応車両については隊列から外す必要、すなわち隊列を組み直す必要が生じる。また、DWPTレーンにおいて進入禁止ルールが存在しない場合であっても、特にDWPTレーンが混雑しており、DWPTレーンにDWPT非対応車両が多く存在する状態になると、給電の機会の損失につながるという問題がある。すなわち、DWPT対応車両とDWPT非対応車両とが混在した隊列がDWPTレーンを通過しそうな場合や通過する場合においては、隊列を組み直す必要性が増加し、DWPT非対応車両を、一般レーンに走行させてDWPTレーンには走行させないように調整する必要がある。そこで、本開示者は、車両の隊列の組み直しを抑制するために、種々検討を行い、実施形態による車両制御装置を案出するに至った。
【0022】
(車両制御装置)
車両制御装置は、車両3(自車両ともいう)に対して隊列走行を制御する。車両制御装置は、例えば車両3の機能によって実現される。また、「隊列走行」とは、例えば燃費や電費を低減させるために、先行する他の車両の後方に追従して走行することを示す。
図2は、本開示の実施形態による車両制御装置を実現する車両の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車両3は、制御部31、通信部32、記憶部33、センサ群34、および表示部35を備える。
【0023】
制御部31は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなるマイクロコンピュータを主要構成部品とした電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)であり、各種プログラムを実行する。制御部31は、各種プログラムを実行することにより、車両3に搭載される各種構成要素の動作を統括的に制御する。また、制御部31は、各種プログラムの実行を通じて、DWPT車両検出部311および隊列走行判定部312として機能する。
【0024】
DWPT車両検出部311は、隊列走行を行う際の追従先の選択するための、非接触充電に対応したDWPT対応車両と対応していないDWPT非対応車両とを区別して検出する。DWPT車両検出部311は、センサ群34から、例えば自車両3の前方の画像の情報や、各センサによる測定結果の情報や、通信部32による他の車両との通信によって情報を取得する。DWPT車両検出部311は、取得した情報に基づいて、画像処理や各種情報の分析を行うことにより、例えば
図3に示すように、自車両3の前方を走行する車両3が、DWPT対応車両3Aであるか、DWPT非対応車両3Bであるかを検出する。
【0025】
隊列走行判定部312は、自車両の周囲の情報を取得し、取得した周囲の情報に基づいて、隊列走行に関する判定を行う。ここで、「自車両の周囲の情報」としては、ネットワーク40を通じてサーバ30から取得する情報の他に、車両3自身が検出するもの、例えばセンサ群34によって検出されたセンサデータや、他の車両3A,3Bから通信によって取得した情報も含まれる。隊列走行判定部312は、その判定結果を表示部35に表示させる。なお、隊列走行判定部312は、予め定めた周期で判定処理を実施する。また、隊列走行判定部312は、判定した結果に基づいて車両3を所定の車両3A,3Bに追随して走行させるように制御することも可能である。隊列走行判定部312は、自車両3がDWPT対応車両であるか否かに応じて、それぞれ異なる判定処理を行う。
【0026】
(1)自車両がDWPT対応車両である場合
この場合、隊列走行判定部312は、対象となる車両である自車両3をこれから隊列走行に移行させる場合にDWPT対応車両3Aに追随させる判定を行う。隊列走行判定部312は、例えばDWPT車両検出部311において、DWPT対応車両3A(
図3参照)が検出された場合に、自車両3をDWPT対応車両3Aに追随させて隊列走行に移行する判定を行う。この場合、隊列走行判定部312は表示部35に、例えば「前方右側の車両に追走して下さい」などのメッセージを表示させる。ここで、ユーザによって車両への追随する移行が承認された場合、隊列走行判定部312は、自車両3をDWPT対応車両3Aに追随させて隊列走行させるモードに移行させる。なお、ユーザによる承認を省略することも可能である。この場合、隊列走行判定部312は、自車両を隊列走行に移行させる旨の判定を行った段階で、表示部35にメッセージなどを表示させることなく、自車両3をDWPT対応車両3Aへの隊列走行に自動的に移行させる。
【0027】
(2)自車両がDWPT非対応車両である場合
この場合、隊列走行判定部312は、自車両3をこれから隊列走行に移行させる場合にDWPT非対応車両3Bに追随させる判定を行う。隊列走行判定部312は、例えばDWPT車両検出部311において、DWPT非対応車両3B(
図3参照)が検出された場合に、自車両3をDWPT非対応車両3Bに追随させて隊列走行に移行する判定を行う。この場合、隊列走行判定部312は表示部35に、例えば「前方左側の車両に追走して下さい」などのメッセージを表示させる。ここで、ユーザによって車両への追随する移行が承認された場合、隊列走行判定部312は、自車両3をDWPT非対応車両3Bに追随させて隊列走行させるモードに移行させる。なお、ユーザによる承認を省略することも可能である。この場合、隊列走行判定部312は、自車両を隊列走行に移行させる旨の判定を行った場合において、表示部35にメッセージ等を表示させることなく、自車両3をDWPT非対応車両3Bへの隊列走行に自動的に移行させてもよい。
【0028】
通信部32は、例えばDCM(Data Communication Module)等から構成される。通信部32は、有線または無線のネットワーク40に接続し、サーバ30と通信を行うことにより、自車両の周囲の情報を取得する。記憶部33は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)およびリムーバブルメディア等の記録媒体から構成される。リムーバブルメディアとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体が挙げられる。記憶部33には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベース等が格納可能である。記憶部33には必要に応じて、例えばサーバ30から取得した自車両の周囲の情報、センサ群34によって検出したセンサデータ、および他の車両3A,3Bなどから取得した情報が格納される。
【0029】
センサ群34は、隊列走行のDWPT対応車両3AやDWPT非対応車両3Bを検出可能に構成される。センサ群34としては、例えばカメラ、ミリ波センサ、赤外線センサ、レーザセンサ、3D-LiDARなどが挙げられる。また、センサ群34には、自車両の位置を検出するGPSセンサ、加速度を検出する加速度センサ、車速を検出する車速センサ等が含まれてもよい。
【0030】
表示部35は、車両3のユーザ(例えばドライバ等)に所定の情報を出力するためのものである。この表示部35は、車室内において、ユーザが視認可能な位置に設けられている。また、表示部35は、カーナビゲーション装置、マルチインフォメーションディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等により実現される。また、表示部35は、例えばユーザが所持する携帯情報端末(例えばスマートフォン、タブレット端末等)により実現されてもよい。表示部35は、情報の出力機能に加えて、ユーザからの指示を入力可能なマイク、タッチパネル等の入力機能を備えていてもよい。
【0031】
さらに、表示部35は、例えばDWPT車両検出部311によって検出されたDWPT対応車両3AおよびDWPT非対応車両3Bに関する情報(例えばDWPT対応車両3AやDWPT非対応車両3Bの画像や位置や車両に関する情報)、隊列走行判定部312によって判定された、自車両3をいずれの車両に追随させて隊列走行に移行させるかの判定結果などを表示する。
【0032】
(車両制御方法)
次に、本開示の実施形態による車両制御装置が実行する車両制御方法の一例について説明する。
図4は、本開示の実施形態による車両制御装置が実行する車両制御方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下で説明する処理は、予め定めた制御周期で実行される。
【0033】
まず、
図4に示すように、隊列走行判定部312は、サーバ30から、自車両の周囲の情報を取得する(ステップST1)。この段階で、DWPT車両検出部311は、周囲を走行しているそれぞれの車両3がDWPT対応車両とDWPT非対応車両とのいずれであるかを検出する。検出結果による車両情報は、記憶部33に格納される。
【0034】
続いて、DWPT車両検出部311は、記憶部33から自車両3の車両情報を読み出し、自車両3がDWPT対応車両であるか否かを判定する(ステップST2)。なお、ステップST2については省略することも可能であり、この場合は、自車両3ごとに次に示すステップST3,ST5のいずれの処理に進むかについてあらかじめ決定される。
【0035】
自車両3がDWPT対応車両であると判定した場合(ステップS2:Yes)、隊列走行判定部312は、追随すべき車両(以下、被隊列車両)としてDWPT対応車両3Aを選択する(ステップST3)。続いて、隊列走行判定部312は、ステップST3における判定結果を表示部35に表示させ、DWPT対応車両3Aに追随するようにユーザに報知する。なお、自車両3をDWPT対応車両3Aに追随させるように自動で走行を制御しても良い(ステップST4)。以上により、本実施形態による車両制御処理が終了する。
【0036】
他方、ステップST2において、DWPT車両検出部311が自車両3はDWPT非対応車両であると判定した場合(ステップS2:No)、隊列走行判定部312は、被隊列車両としてDWPT非対応車両3Bを選択する(ステップST5)。続いて、隊列走行判定部312は、ステップST5における判定結果を表示部35に表示させ、DWPT非対応車両3Bに追随するようにユーザに報知する。なお、自車両3をDWPT非対応車両3Bに追随させるように走行を制御しても良い(ステップST6)。以上により、本実施形態による車両制御処理が終了する。
【0037】
以上説明した実施形態による車両制御装置においては、自車両3、および自車両3の周囲を走行する車両が、DWPT対応車両であるかDWPT非対応車両であるかの情報に基づいて、周囲を走行する車両のいずれの車両と隊列走行を行うかを判定できる。すなわち、車両制御装置を搭載した車両3において、自車両3、および自車両3の周囲を走行する車両が、DWPT対応車両とDWPT非対応車両とのいずれであるかを判断して、追随して隊列走行する車両をユーザに提案できる。その上でユーザは、提案に基づいていずれの車両に追随して隊列走行すべきかを認識することが可能となる。
【0038】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明においては、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0039】
更なる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表わし、かつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。例えば、車両3が備える車両制御装置を、サーバ30などのネットワーク40を通じて車両3と通信可能な他のハードウェアに搭載することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ワイヤレス電力伝送システム
2 供給設備
3 車両(自車両)
3A 車両(DWPT対応車両)
3B 車両(DWPT非対応車両)
4 道路
5 供給装置
6 交流電源
7 セグメント
8 管理装置
10 送電装置
11 一次コイル
12 第1通信装置
20 受電装置
21 二次コイル
30 サーバ
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 センサ群
35 表示部
40 ネットワーク
311 DWPT車両検出部
312 隊列走行判定部