(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012035
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】遊技システム、台間装置、管理装置及び心理状態取得方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A63F7/02 330
A63F7/02 352L
A63F7/02 326C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114562
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩平
(72)【発明者】
【氏名】喜多村 雅志
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA75
2C088BB11
2C088BB21
2C088BB23
2C088BB29
2C088CA02
2C088CA31
2C088EA08
(57)【要約】
【課題】遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することを課題とする。
【解決手段】台間カード処理機10は、自装置のドップラーセンサ19a及び遊技機20に設置された脈波センサ19bから、遊技客のバイタルデータを取得し(S1)、このバイタルデータを管理装置50に送信する(S2)。管理装置50は、店舗内で取得したバイタルデータを分析し(S3)、台間カード処理機10を介して分析結果をタブレット端末40に通知する(S4)。バイタルデータの分析においては、例えば、予め生成した感情判定モデル及び店舗内で取得したバイタルデータを用いて、遊技客の感情度を判定する。タブレット端末40は、管理装置50から受信した分析結果を表示する(S5)。例えば、感情度の店舗平均と遊技客個人の感情度を比較して表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に配設された遊技機で遊技する遊技客の心理状態の分析を行う管理装置を有する遊技システムであって、
前記管理装置は、
前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたバイタル情報に基づいて前記遊技客の心理状態の分析を行う分析手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記分析手段による分析結果を所定の表示部に表示制御する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記取得手段は、
前記遊技機に併設された装置に付設された非接触センサにより、前記遊技客に照射したマイクロ波の反射波から遊技客の脈拍を含むバイタル情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記取得手段は、
前記遊技機又は該遊技機に併設された装置若しくは設備に付設された接触式のセンサにより、前記遊技客のバイタル情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記分析手段は、
複数の教師用バイタル情報及び正解データを用いた機械学習により得られた学習済モデルに対して前記バイタル情報を入力し、前記学習済モデルから出力される心理情報を分析結果とする分析を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の遊技システム。
【請求項6】
前記分析手段は、
前記遊技客の喜怒哀楽、不安度、ストレス度、興味度及び関心度のうちの一又は複数の組合せを分析結果とすることを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項7】
遊技店に配設された遊技機と通信可能に併設された台間装置であって、
前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたバイタル情報を、前記遊技客の心理状態を分析する管理装置に対して通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする台間装置。
【請求項8】
前記台間装置は、
付設された非接触センサにより、前記遊技客に照射したマイクロ波の反射波から遊技客の脈拍を含むバイタル情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の台間装置。
【請求項9】
前記台間装置は、
前記遊技機又は該遊技機に併設された設備に付設された接触式のセンサにより、前記遊技客のバイタル情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の台間装置。
【請求項10】
前記台間装置は、
取得した前記遊技客のバイタル情報に基づいて、前記遊技客の離席又は交代を判定することを特徴とする請求項7に記載の台間装置。
【請求項11】
前記台間装置は、
前記遊技客又は従業員の操作により、前記遊技客の分析された心理状態を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項7に記載の台間装置。
【請求項12】
前記台間装置は、
前記遊技客又は従業員が操作可能な台間タブレットと有線又は無線接続により通信可能なことを特徴とする請求項7に記載の台間装置。
【請求項13】
遊技店に配設された遊技機で遊技する遊技客の心理状態の分析を行う管理装置であって、
前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたバイタル情報に基づいて前記遊技客の心理状態の分析を行う分析手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項14】
遊技店に配設された遊技機で遊技する遊技客の心理状態の分析を行う管理装置を有する遊技システムで実行される心理状態取得方法であって、
前記管理装置が、前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得されたバイタル情報に基づいて前記遊技客の心理状態の分析を行う分析工程と
を含むことを特徴とする心理状態取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することができる遊技システム、台間装置、管理装置及び心理状態取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技客の心理状態を推測することが重要な要因となっている。遊技客が持つ遊技機の機種に対する印象が遊技機選定を行う際の重要な要因となり、また遊技店に来店する顧客満足度を上げるためには、遊技客の心情を推察することが重要な要因であるからである。
【0003】
このため、遊技店で遊技を行う遊技客の感情を判別する従来技術が知られている。例えば特許文献1には、カメラによって撮像した顔の表情、集音マイクによって集音した遊技客の声に基づいて遊技客の感情を判別するとともに、主制御基板からの遊技状態を認識することで、遊技客の現在の心理状態を認識し、遊技客の心理状態に準じた特典を提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、遊技客の表情と声に基づいて感情を分析するため、遊技客の心理状態を正確かつ効率的に判別することは難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することができる遊技システム、台間装置、管理装置及び心理状態取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技店に配設された遊技機で遊技する遊技客の心理状態の分析を行う管理装置を有する遊技システムであって、前記管理装置は、前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたバイタル情報に基づいて前記遊技客の心理状態の分析を行う分析手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記管理装置は、前記分析手段による分析結果を所定の表示部に表示制御する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、前記遊技機に併設された装置に付設された非接触センサにより、前記遊技客に照射したマイクロ波の反射波から遊技客の脈拍を含むバイタル情報を取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、前記遊技機又は該遊技機に併設された装置若しくは設備に付設された接触式のセンサにより、前記遊技客のバイタル情報を取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記分析手段は、複数の教師用バイタル情報及び正解データを用いた機械学習により得られた学習済モデルに対して前記バイタル情報を入力し、前記学習済モデルから出力される心理情報を分析結果とする分析を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記分析手段は、前記遊技客の喜怒哀楽、不安度、ストレス度、興味度及び関心度のうちの一又は複数の組合せを分析結果とすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技店に配設された遊技機と通信可能に併設された台間装置であって、前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたバイタル情報を、前記遊技客の心理状態を分析する管理装置に対して通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記台間装置は、付設された非接触センサにより、前記遊技客に照射したマイクロ波の反射波から遊技客の脈拍を含むバイタル情報を取得することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記台間装置は、記遊技機又は該遊技機に併設された設備に付設された接触式のセンサにより、前記遊技客のバイタル情報を取得することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記台間装置は、取得した前記遊技客のバイタル情報に基づいて、前記遊技客の離席又は交代を判定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記台間装置は、前記遊技客又は従業員の操作により、前記遊技客の分析された心理状態を表示する表示部を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記台間装置は、前記遊技客又は従業員が操作可能な台間タブレットと有線又は無線接続により通信可能なことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、遊技店に配設された遊技機で遊技する遊技客の心理状態の分析を行う管理装置であって、前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたバイタル情報に基づいて前記遊技客の心理状態の分析を行う分析手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、遊技店に配設された遊技機で遊技する遊技客の心理状態の分析を行う管理装置を有する遊技システムで実行される心理状態取得方法であって、前記管理装置が、前記遊技機で遊技する遊技客のバイタル情報を取得する取得工程と、前記取得工程により取得されたバイタル情報に基づいて前記遊技客の心理状態の分析を行う分析工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施形態に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した台間カード処理機及び遊技機の外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した台間カード処理機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した自装置状態データ及びカードデータの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示した遊技機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、
図2に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示した稼働データ、遊技関連カード処理履歴データ及び遊技外カード処理履歴データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図7に示した計数精算処理履歴データ、遊技履歴データ及び遊動データの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図7に示した個別遊動データ、遊技実績データ及びバイタルデータの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図7に示した感情データ、平均感情データ及び機種別感情データの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図13に示した遊技実績データ及び機種別感情データの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係るタブレット端末における表示の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る管理装置における表示の一例を示す図(その1)である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る管理装置における表示の一例を示す図(その2)である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る感情判定モデル生成の処理手順を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態に係る感情データの生成及び分析に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、変形例に係る遊技システムの概要を説明するための説明図(その1)である。
【
図22】
図22は、変形例に係る遊技システムの概要を説明するための説明図(その2)である。
【
図23】
図23は、変形例に係る遊技システムの概要を説明するための説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施形態]
以下に、本実施形態に係る遊技システム、台間装置、管理装置及び心理状態取得方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技機管理玉数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技機管理玉数をいう。
【0025】
<実施形態に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態に係る遊技システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0026】
図1に示すように、台間カード処理機10は、自装置のドップラーセンサ19a及び遊技機20に設置された脈波センサ19bから、遊技客のバイタルデータを取得し(S1)、このバイタルデータを管理装置50に送信する(S2)。また、送信するバイタルデータは自装置のドップラーセンサ19a及び遊技機20に設置された脈波センサ19bの双方から取得されたバイタルデータに限定されるものではなく、どちらか一方のセンサから取得されたバイタルデータのみを送信する構成でもよい。
【0027】
管理装置50は、店舗内で取得したバイタルデータを分析し(S3)、台間カード処理機10を介して分析結果をタブレット端末40に通知する(S4)。バイタルデータの分析においては、例えば、予め生成した感情判定モデル及び店舗内で取得したバイタルデータを用いて、遊技客の感情度を判定する。
【0028】
タブレット端末40は、管理装置50から受信した分析結果を表示する(S5)。例えば、感情度の店舗平均と遊技客個人の感情度を比較して表示する。また、台間カード処理機10が、管理装置50から受信した分析結果を表示してもよく、管理装置50自身が分析した分析結果を遊技店の従業員向けに表示してもよい。
【0029】
このように、本実施形態に係る遊技システムでは、遊技客から取得したバイタルデータを用いて、遊技客の感情度を判定して表示するよう構成したので、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することができる。
【0030】
<システム構成>
次に、本実施形態に係る遊技システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により、タブレット端末40及び脈波センサ19bと通信可能に接続される。
【0031】
台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70が接続される。
【0032】
また、管理装置50は、店外のネットワークであるインターネットと接続される。インターネットには、情報管理装置80が接続される。
【0033】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0034】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技機管理玉数を示す遊技球数メモリを有している。また、遊技機20の制御部は、遊技機管理玉数を定期的に台間カード処理機10に送信する。
【0035】
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置50に送信する。
【0036】
遊技機20は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域を通過して(いわゆる入賞)所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機10に送信する。
【0037】
アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各データは、台間カード処理機10を介して管理装置50に送信され、管理装置50は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
【0038】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置50に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置50が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。
【0039】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置50からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置50に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置50が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
【0040】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、管理装置50に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。
【0041】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置50に送信し、管理装置50に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技機管理玉数を持玉数に加算する。
【0042】
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、管理装置50から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0043】
台間カード処理機10は、ドップラーセンサ又は脈波センサからバイタルデータを受信したならば、このバイタルデータを管理装置50に送信する。台間カード処理機10は、管理装置50から感情度表示データを受信したならば、この受信したデータをタブレット端末40に送信する。
【0044】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を管理装置50に対して中継する装置である。
【0045】
タブレット端末40は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により、台間カード処理機10と通信可能に接続され、台間カード処理機10から受信したデータ等を表示する端末である。タブレット端末40は、台間カード処理機10から感情度表示データを受信したならば、この感情度表示データに含まれる遊技客の感情度及び店舗における感情度の平均値を同一のグラフにして表示する。また、タブレット端末40は、有線接続通信により台間カード処理機10と通信可能に接続されてもよい。なお、タブレット端末40は、画面を用いてデータを表示可能又は遊技客が画面を触って操作することが可能な端末であればサイズに規定はない。
【0046】
脈波センサ19bは、遊技機20のハンドル21に設置され、遊技客の脈拍数を取得する入力デバイスである。脈波センサ19bは、遊技客の脈拍数を取得したならば、この脈拍数をバイタルデータとして、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して台間カード処理機10に送信する。なお、脈波センサ19bの設置位置は遊技機20のハンドル21に限定されるものではなく、遊技機20の近傍でBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して台間カード処理機10と通信可能な範囲であり、例えば遊技客の座る椅子の肘掛け部分や背もたれ部分など遊技客と接触可能な箇所であれば何処に設置されてもよい。
【0047】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードの識別情報(以下、「カードID」と言う)と台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0048】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
【0049】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0050】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
【0051】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0052】
また、管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0053】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0054】
また、管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
【0055】
また、管理装置50は、遊技機20のアウトデータ、セーフデータ及び特賞データを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻及び遊技機IDと関連付けて稼働データとして記憶し、該稼働データを用いて遊技機20の動作の履歴を時系列に生成し、遊技履歴データとして記憶する。
【0056】
また、管理装置50は、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を遊技関連カード処理履歴データに記憶する。
【0057】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データに記憶する。
【0058】
また、管理装置50は、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データに記憶する。
【0059】
また、管理装置50は、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ及び遊技関連カード処理履歴データを用い、遊技履歴データを生成して記憶する。
【0060】
また、管理装置50は、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ、計数精算処理履歴データ及び遊技履歴データを用いて、一つの継続した遊技を示す遊動データを生成して記憶する。
【0061】
また、管理装置50は、1日の所定の時期(例えば、閉店処理開始時)に、遊動データの当日分のデータをカードID及び遊技機ID毎に集計し、個別遊動データに記憶する。そして、機種毎の一日のアウト平均値を算出し、遊技実績データに記憶するとともに、算出した機種毎のアウト平均値を自店舗の店舗IDと対応付けて情報管理装置80に通知する。管理装置50は、情報管理装置80から、全店舗の機種毎のアウト平均値を受信したならば、受信したデータを遊技実績データに記憶する。
【0062】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からバイタルデータを受信したならば、受信したデータを記憶する。管理装置50は、入力部52から訓練開始指示を受け付けたならば、蓄積したバイタルデータを用いて感情判定モデルの訓練を行う。感情判定モデルは、バイタルデータを入力することにより感情度を出力する。出力する感情度は、喜び、楽しみ、関心、怒り、悲しみ、不安及びストレスの各項目における感情度を含む。なお、出力される感情度については記載した各項目に限定されるものではなく、寂しさ、焦り、退屈、混乱、驚き、嫌悪等といった人間の感情が表現されるものであればよく、その全てが出力する感情度の対象とすることができる。
【0063】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からバイタルデータを受信したならば、受信したバイタルデータ及び感情判定モデルを用いて感情度を判定し、判定結果を感情データに記憶する。そして、この感情データ内の直近の日時における感情度を用いて平均値を算出し、平均感情データに記憶する。
【0064】
また、管理装置50は、1日の所定の時期(例えば、閉店処理開始時)に、感情データ内の当日のデータを用いて機種毎の感情度の平均値を算出し、機種別感情データに記憶するとともに、算出した機種毎の感情度の平均値を自店舗の店舗IDと対応付けて情報管理装置80に通知する。
【0065】
また、管理装置50は、情報管理装置80から、全店舗の機種毎の感情度の平均値を受信したならば、受信したデータを機種別感情データに記憶する。
【0066】
また、管理装置50は、感情データ及び平均感情データが更新されたならば、それぞれの更新されたデータを感情度表示データとして台間カード処理機10に送信する。
【0067】
また、管理装置50は、指定期日における機種別分析指示を受け付けたならば、遊技実績データ及び機種別感情データを用いて、受け付けた指定期日における機種毎の感情度及びアウト平均値を表示する。
【0068】
また、管理装置50は、指定期日の指定機種における自店舗/全店舗分析指示を受け付けたならば、遊技実績データ及び機種別感情データを用いて、受け付けた指定期日の指定機種における感情度及びアウト平均値を表示する。この表示においては、自店舗及び全店舗平均のそれぞれを同一のグラフ内で表示する。
【0069】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合には、カードIDを管理装置50に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を賞品交換する場合は、管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
【0070】
精算機70は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置50に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0071】
情報管理装置80は、各店舗の遊技実績データ及び機種別感情データを管理する装置である。情報管理装置80は、管理装置50から店舗IDに対応付けられた機種毎のアウト平均値を受信したならば、この受信したデータを遊技実績データに記憶する。情報管理装置80は、遊技実績データを更新したならば、遊技実績データ内の直近の期日のデータを全て抽出し、機種毎にアウト平均値の平均値を算出して管理装置50に通知する。
【0072】
また、情報管理装置80は、管理装置50から店舗IDに対応付けられた機種毎の感情度の平均値を受信したならば、この受信したデータを機種別感情データに記憶する。情報管理装置80は、機種別感情データを更新したならば、機種別感情データ内の直近の期日のデータを全て抽出し、機種毎に感情度の平均値を算出して管理装置50に通知する。
【0073】
次に、本実施形態に係る遊技システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0074】
管理装置50は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が100円である場合の500円分を示す5度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技機管理玉数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
【0075】
加算信号を受信した遊技機20は、遊技機管理玉数を加算し、加算後の遊技機管理玉数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技機管理玉数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技機管理玉数と比較して、遊技機管理玉数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
【0076】
次に、本実施形態に係る遊技システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0077】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0078】
台間カード処理機10は、管理装置50から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置50に送信する。管理装置50は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。
【0079】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技機管理玉数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技機管理玉数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置50に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
【0080】
管理装置50は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、管理装置50にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0081】
次に、本実施形態に係る遊技システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0082】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0083】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
【0084】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0085】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0086】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0087】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技機管理玉数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
【0088】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置50は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置50は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
【0089】
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
【0090】
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13、マイクロ波を用いて遊技客の脈拍数及び呼吸数を取得するドップラーセンサ19a、カードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14a及び固有IDを関連付けるために遊技客の持つ携帯端末を受け付けるかざし部14bが設けられている。また、かざし部14bは、固有IDを関連付けられた携帯端末を受け付けて、固有IDを読み取る。また、ドップラーセンサ19aの配置は一例であり、台間カード処理機10内に設けられ、且つ、遊技客からバイタルデータを取得可能であればどのような配置も可能である。
【0091】
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。また、ハンドル21には、遊技客の脈拍数を取得する脈波センサ19bが設置されている。なお、脈波センサ19bの設置位置は遊技機20のハンドル21に限定されるものではなく、遊技機20の近傍でBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して台間カード処理機10と通信可能な範囲であり、例えば遊技客の座る椅子の肘掛け部分や背もたれ部分など遊技客と接触可能な箇所であれば何処に設置されてもよい。
【0092】
計数ボタン22は、遊技機20の遊技機管理玉数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
【0093】
<台間カード処理機10の構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。
図4は、
図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、ドップラーセンサ19a、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
【0094】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。ドップラーセンサ19aは、マイクロ波を用いて遊技客の脈拍数及び呼吸数を取得する入力デバイスである。
【0095】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを、かざし部14bにかざされた携帯端末から固有IDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。
【0096】
通信部15は、島コントローラ30を介して管理装置50との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。また、通信部15は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いて、タブレット端末40との間のデータ通信を行うとともに、脈波センサ19bからバイタルデータを受信するためのインタフェース部でもある。
【0097】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
【0098】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0099】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
【0100】
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0101】
認証処理部18aは、管理装置50から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
【0102】
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、管理装置50を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
【0103】
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技機管理玉数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技機管理玉数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技機管理玉数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技機管理玉数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0104】
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技機管理玉数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20から遊技機管理玉数を取得したならば、該遊技機管理玉数を制御部17に受け渡す。
【0105】
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技機管理玉数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
【0106】
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、バイタルデータ送信部17b及び感情度表示データ送信部17cを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、データ管理部17a、バイタルデータ送信部17b及び感情度表示データ送信部17cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0107】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知を管理装置50に送信する。また、データ管理部17aは、管理装置50から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。
【0108】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知を管理装置50に送信する。
【0109】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求を管理装置50に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技機管理玉数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0110】
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技機管理玉数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0111】
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求を管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技機管理玉数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
【0112】
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
【0113】
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求を管理装置50に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出する。
【0114】
バイタルデータ送信部17bは、取得したバイタルデータを送信する処理部である。バイタルデータ送信部17bは、ドップラーセンサ19a又は脈波センサ19bからバイタルデータを受信したならば、このバイタルデータを管理装置50に送信する。
【0115】
感情度表示データ送信部17cは、受信した感情度表示データを送信する処理部である。感情度表示データ送信部17cは、管理装置50から感情度表示データを受信したならば、この受信したデータをタブレット端末40に送信する。また、感情度表示データ送信部17cは、設定に基づいて受信した感情度表示データをタブレット端末40に送信しないものとしてもよい。
【0116】
次に、
図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの一例について説明する。
図5は、
図4に示した自装置状態データ16a及びカードデータ16bの一例を示す図である。
【0117】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
【0118】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2001」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「1234」であり、プリペイド価値が「3000」度数である状態を示している。
【0119】
また、カードデータ16bは、持玉として、玉1の持玉の残高が「1500」玉であり、玉2の持玉の残高が「2500」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、貯玉として、玉1の貯玉の残高が「500」玉であり、玉2の貯玉の残高が「0」玉であり、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
【0120】
<遊技機20の構成>
次に、
図2に示した遊技機20の構成について説明する。
図6は、
図2に示した遊技機20の構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0121】
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
【0122】
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
【0123】
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0~65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
【0124】
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
【0125】
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
【0126】
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
【0127】
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0128】
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
【0129】
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
【0130】
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
【0131】
遊技玉制御部26は、遊技機管理玉数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。遊技球数管理部26aは、遊技球数すなわち遊技機管理玉数を管理する管理部である。
【0132】
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技機管理玉数を遊技球数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技機管理玉数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技機管理玉数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技機管理玉数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技機管理玉数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
【0133】
また、遊技玉制御部26は、遊技球数メモリに記憶された遊技機管理玉数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技球数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技機管理玉数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技機管理玉数の送信を行う。
【0134】
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技機管理玉数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技機管理玉数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技機管理玉数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技機管理玉数から減算(無効化)する。遊技機管理玉数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
【0135】
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
【0136】
<管理装置50の構成>
次に、
図2に示した管理装置50の構成について説明する。
図7は、
図2に示した管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0137】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して情報管理装置80及び図示しない認証鍵管理センタと通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60及び精算機70と通信するためのインタフェース部である。
【0138】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i、個別遊動データ55j、遊技実績データ55k、バイタルデータ55l、感情データ55m、平均感情データ55n及び機種別感情データ55oを記憶する。
【0139】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ55bは、台間カード処理機ID、設置場所、遊技機番号、遊技機ID、遊技機20の機種データ等を含む。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、性別、年齢、住所、貯玉の情報等を関連付けたデータである。
【0140】
稼働データ55dは、遊技機20の動作の履歴を示すデータである。遊技関連カード処理履歴データ55eは、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を示すデータである。遊技外カード処理履歴データ55fは、ワゴン賞品交換などの遊技以外の履歴を示すデータである。
【0141】
計数精算処理履歴データ55gは、計数処理や精算処理などの履歴を示すデータである。遊技履歴データ55hは、遊技の履歴をデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示される。
【0142】
遊動データ55iは、一つの継続した遊技を示すデータであり、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額を対応付けている。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
【0143】
個別遊動データ55jは、遊技客毎に、遊技客が遊技した日の遊技機種毎の遊技実績を示すデータである。遊技実績データ55kは、各営業日の遊技機種毎の遊技実績を示すデータである。バイタルデータ55lは、遊技中の遊技客の脈拍数及び呼吸数を示すデータである。
【0144】
感情データ55mは、バイタルデータ55lを用いて判定された感情度を示すデータである。平均感情データ55nは、同一時刻における各遊技客の感情度の平均値を示すデータである。機種別感情データ55oは、営業日毎の遊技機種別に算出した各遊技客の感情度の平均値を示すデータである。
【0145】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、遊動データ集計部56h、バイタルデータ管理部56i、感情判定モデル訓練部56j、感情データ生成部56k、感情データ集計部56l及び分析部56mを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、遊動データ集計部56h、バイタルデータ管理部56i、感情判定モデル訓練部56j、感情データ生成部56k、感情データ集計部56l及び分析部56mにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0146】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。また、カード管理部56aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
【0147】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ55bを生成及び更新する。
【0148】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。
【0149】
ここで、会員管理部56cによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56cは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0150】
稼働データ蓄積集計部56dは、遊技機20のアウトデータ、セーフデータ及び特賞データを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻、遊技機ID及びデータ種別を対応付けて稼働データ55dに登録する。
【0151】
また、稼働データ蓄積集計部56dは、稼働データ55dに基づいてデータの集計を行うことで、遊技機20の動作の履歴を取得する処理部でもある。遊技機20の動作の履歴には、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生が含まれる。
【0152】
カード処理履歴管理部56eは、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を蓄積する処理部である。
【0153】
具体的には、カード処理履歴管理部56eは、台間カード処理機10からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ55eに追加する。
【0154】
また、カード処理履歴管理部56eは、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ55fに追加する。
【0155】
また、カード処理履歴管理部56eは、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ55gに追加する。
【0156】
遊技履歴データ生成部56fは、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ55d及び遊技関連カード処理履歴データ55eを用い、遊技履歴データ55hを生成し、記憶部55に格納する。
【0157】
遊動データ生成部56gは、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g及び遊技履歴データ55hを用い、一つの継続した遊技を示す遊動データ55iを生成し、記憶部55に格納する。
【0158】
遊動データ集計部56hは、個別遊動データ55j及び遊技実績データ55kを管理する処理部である。遊動データ集計部56hは、1日の所定の時期(例えば、閉店処理開始時)に、遊動データ55iの当日分のデータをカードID及び遊技機ID毎に集計し、個別遊動データ55jに記憶する。そして、機種毎の一日のアウト平均値を算出し、遊技実績データ55kに記憶するとともに、算出した機種毎のアウト平均値を自店舗の店舗IDと対応付けて情報管理装置80に通知する。
【0159】
また、遊動データ集計部56hは、情報管理装置80から、全店舗の機種毎のアウト平均値を受信したならば、受信したデータを遊技実績データ55kに記憶する。
【0160】
バイタルデータ管理部56iは、バイタルデータ55lを管理する処理部である。バイタルデータ管理部56iは、台間カード処理機10からバイタルデータを受信したならば、受信したデータをバイタルデータ55lに記憶する。
【0161】
感情判定モデル訓練部56jは、感情判定モデルの訓練を行う処理部である。感情判定モデル訓練部56jは、入力部52から訓練開始指示を受け付けたならば、バイタルデータ55lを用いて感情判定モデルの訓練を行う。感情判定モデルは、バイタルデータを入力することにより感情度を出力する。出力する感情度は、喜び、楽しみ、関心、怒り、悲しみ、不安及びストレスの各項目における感情度を含む。なお、出力される感情度については記載した各項目に限定されるものではなく、寂しさ、焦り、退屈、混乱、驚き、嫌悪等といった人間の感情が表現されるものであればよく、その全てが出力する感情度の対象とすることができる。
【0162】
感情データ生成部56kは、感情データ55mを管理する処理部である。感情データ生成部56kは、台間カード処理機10からバイタルデータを受信したならば、受信したバイタルデータ及び感情判定モデルを用いて感情度を判定し、判定結果を感情データ55mに記憶する。
【0163】
感情データ集計部56lは、平均感情データ55n及び機種別感情データ55oを管理する処理部である。感情データ集計部56lは、感情データ生成部56kにより感情データ55mが更新されたならば、感情データ55m内の直近の日時における感情度を用いて平均値を算出し、平均感情データ55nに記憶する。
【0164】
また、感情データ集計部56lは、1日の所定の時期(例えば、閉店処理開始時)に、感情データ55m内の当日のデータを用いて機種毎の感情度の平均値を算出し、機種別感情データ55oに記憶するとともに、算出した機種毎の感情度の平均値を自店舗の店舗IDと対応付けて情報管理装置80に通知する。
【0165】
また、感情データ集計部56lは、情報管理装置80から、全店舗の機種毎の感情度の平均値を受信したならば、受信したデータを機種別感情データ55oに記憶する。
【0166】
分析部56mは、感情度に関する分析を行う処理部である。分析部56mは、感情データ55m及び平均感情データ55nが更新されたならば、それぞれの更新されたデータを感情度表示データとして台間カード処理機10に送信する。
【0167】
また、分析部56mは、入力部52から指定期日における機種別分析指示を受け付けたならば、遊技実績データ55k及び機種別感情データ55oを用いて、受け付けた指定期日における機種毎の感情度及びアウト平均値を表示部51に表示する。
【0168】
また、分析部56mは、入力部52から指定期日の指定機種における自店舗/全店舗分析指示を受け付けたならば、遊技実績データ55k及び機種別感情データ55oを用いて、受け付けた指定期日の指定機種における感情度及びアウト平均値を表示部51に表示する。この表示においては、自店舗及び全店舗平均のそれぞれを同一のグラフ内で表示する。
【0169】
次に、
図7に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの一例について説明する。
図8~
図12は、
図7に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i、個別遊動データ55j、遊技実績データ55k、バイタルデータ55l、感情データ55m、平均感情データ55n及び機種別感情データ55oの一例を示す図である。
【0170】
図8(a)に示すカード管理データ55aは、カードID「1001」に対して、プリペイド価値が「0」度数であり、各レートの持玉の残高が「0」玉であり、使用先IDが「A101」である状態を対応付けている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロである。
【0171】
また、カード管理データ55aは、カードID「2001」に対して、プリペイド価値が「3000」度数であり、持玉として、玉1の持玉の残高が「1500」玉であり、玉2の持玉の残高が「2500」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉である状態を対応付けている。ただし、使用先IDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置50により行われている。
【0172】
図8(b)に示す装置管理データ55bは、ID「A101」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島1-1」であり、遊技機番号が「11」であり、接続された遊技機20のIDが「B201」であり、遊技種が「玉1」であり、遊技機20の機種が「EV01」であり、製造番号が「a」である状態を対応付けている。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0173】
また、装置管理データ55bは、ID「A201」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島2-1」であり、遊技機番号が「21」であり、接続された遊技機20のIDが「B506」であり、遊技種が「玉3」であり、遊技機20の機種が「DX03」であり、製造番号が「g」である状態を対応付けている。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0174】
図8(c)に示す会員管理データ55cは、カードID「2005」に対して、氏名が「特許太郎」であり、性別が「男」であり、年齢が「35」歳であり、住所が「東京都新宿区・・・」であり、「玉1」の貯玉の残高が「1500」玉であり、「玉2」の貯玉の残高が「200」玉であり、「玉3」の貯玉の残高が「0」玉である状態を対応付けている。
【0175】
図9(a)に示す稼働データ55dは、時刻「11:10:14」に対して、遊技機IDが「P001」であり、データ種別が「アウト」である状態を対応付け、時刻「11:10:16」に対して、遊技機IDが「P001」であり、データ種別が「アウト」である状態を対応付け、時刻「11:11:30」に対して、遊技機IDが「P001」であり、データ種別が「セーフ」である状態を対応付け、時刻「13:30:00」に対して、遊技機IDが「P015」であり、データ種別が「特賞(大当り)」である状態を対応付けている。
【0176】
図9(b)に示す遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「11:10:00」に遊技機ID「P001」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「カード挿入」の処理が行われた状況を示している。
【0177】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「12:35:30」に遊技機ID「P023」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「2005」のカードを用いて、「カード排出」の処理が行われた状況を示している。
【0178】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「13:20:20」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードを用いて、「入金」の処理が行われた状況を示している。
【0179】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「13:52:40」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1021」のカードを用いて、「各台計数」の処理が行われた状況を示している。
【0180】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「14:04:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードの「一般カード使い切り」の処理が発生した状況を示している。
【0181】
図9(c)に示す遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻「13:40:01」に遊技機ID「P011」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1003」のカードを用いて、「ワゴン賞品交換」の処理が行われた状況を示している。
【0182】
また、遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻「15:00:50」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「持玉分割」の処理が行われた状況を示している。
【0183】
図10(a)に示す計数精算処理履歴データ55gは、時刻、装置ID、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。装置IDは、賞品管理装置60、精算機70などを一意に特定する識別情報である。遊技機IDは、遊技客が最後に使用した遊技機20を示す識別情報であり、賞品交換、精算、計数などを行う場合に遊技客に入力させることで特定する。若しくは、管理装置50が保持するカードの使用履歴を参照して特定してもよい。
【0184】
具体的には、計数精算処理履歴データ55gは、時刻「14:22:33」に対して、賞品管理装置60の装置IDが「6001」であり、遊技機IDが「P001」であり、カードIDが「1002」であり、処理が「賞品交換」である状態を対応付けている。また、時刻「14:22:33」に対して、賞品管理装置60の装置IDが「6001」であり、遊技機IDが「P001」であり、カードIDが「2013」であり、処理が「賞品交換」である状態を対応付けている。すなわち、カードID「1002」の一般カードとカードID「2013」の会員カードは同時に賞品交換に用いられている。
【0185】
また、計数精算処理履歴データ55gは、時刻「16:08:08」に対して、精算機70の装置IDが「7011」であり、遊技機IDが「P019」であり、カードIDが「1033」であり、処理が「精算」である状態を対応付けている。
【0186】
図10(b)に示す遊技履歴データ55hは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示されている。
【0187】
具体的には、遊技履歴データ55hは、時刻「11:10:00」に対して、遊技機IDが「P001」であり、カードIDが「1002」であり、処理が「カード挿入」である状態を対応付け、時刻「11:11:20」に対して、遊技機IDが「P001」であり、カードIDが「1002」であり、処理が「打込玉数 100」である状態を対応付け、時刻「11:12:00」に対して、遊技機IDが「P001」であり、カードIDが「1002」であり、処理が「賞出玉数 30」である状態を対応付けている。
【0188】
また、遊技履歴データ55hは、時刻「12:35:30」に対して、遊技機IDが「P023」であり、カードIDが「2005」であり、処理が「カード排出」である状態を対応付け、時刻「13:20:20」に対して、遊技機IDが「P015」であり、カードIDが「1055」であり、処理が「入金」である状態を対応付け、時刻「13:30:00」に対して、遊技機IDが「P015」であり、カードIDが「1055」であり、処理が「特賞(大当り)」である状態を対応付けている。
【0189】
図10(c)に示す遊動データ55iは、一つの継続した遊技を示し、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額が対応付けられた状況を示している。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
【0190】
具体的には、遊動データ55iは、開始時間「11:10:00」及び終了時間「14:15:33」に対して、遊技機IDが「P001」であり、カードIDが「2005」であり、顧客種別が「会員」であり、入金額が「3000」円であり、打込玉数(アウト)が「0」玉であり、賞出玉数(セーフ)が「6500」玉であり、大当り回数が「10」であり、ワゴン賞品交換回数が「0」であり、持玉分割回数が「1」であり、勝ち負け額が「100000」円である状態を対応付けている。
【0191】
また、遊動データ55iは、開始時間「13:20:20」及び終了時間「18:00:00」に対して、遊技機IDが「P015」であり、カードIDが「1002」であり、顧客種別が「一般」であり、入金額が「12000」円であり、打込玉数(アウト)が「13000」玉であり、賞出玉数(セーフ)が「10150」玉であり、大当り回数が「13」であり、ワゴン賞品交換回数が「2」であり、持玉分割回数が「0」であり、勝ち負け額が「30000」円である状態を対応付けている。
【0192】
また、遊動データ55iは、開始時間「14:30:00」及び終了時間「17:00:00」に対して、遊技機IDが「P020」であり、カードIDが「2005」であり、顧客種別が「会員」であり、入金額が「15000」円であり、打込玉数(アウト)が「10000」玉であり、賞出玉数(セーフ)が「8000」玉であり、大当り回数が「5」であり、ワゴン賞品交換回数が「1」であり、持玉分割回数が「0」であり、勝ち負け額が「-10000」円である状態を対応付けている。
【0193】
図11(a)に示す個別遊動データ55jは、期日が「2023/07/01」であり、カードIDが「2005」であり、遊技機IDが「P001」である状態に対して、機種が「EV02」であり、入金額が「3000」円であり、アウトが「5000」玉であり、セーフが「6500」玉であり、大当り回数が「10」である状態を対応付けている。
【0194】
また、個別遊動データ55jは、期日が「2023/07/01」であり、カードIDが「2005」であり、遊技機IDが「P020」である状態に対して、機種が「DX04」であり、入金額が「15000」円であり、アウトが「10000」玉であり、セーフが「8000」玉であり、大当り回数が「5」である状態を対応付けている。
【0195】
図11(b)に示す遊技実績データ55kは、期日が「2023/07/01」であり、店舗区分が「自店舗」であり、機種が「EV02」である状態に対して、アウト平均値が「7000」玉である状態を対応付け、期日が「2023/07/01」であり、店舗区分が「自店舗」であり、機種が「DX04」である状態に対して、アウト平均値が「9000」玉である状態を対応付け、期日が「2023/07/01」であり、店舗区分が「全店舗平均」であり、機種が「EV02」である状態に対して、アウト平均値が「7800」玉である状態を対応付けている。
【0196】
図11(c)に示すバイタルデータ55lは、日時「2023/07/01 11:10」に対して、カードIDが「2005」であり、遊技機IDが「P001」であり、機種が「EV02」であり、脈拍数が「70」であり、呼吸数が「15」である状態を対応付け、日時「2023/07/01 11:11」に対して、カードIDが「2005」であり、遊技機IDが「P001」であり、機種が「EV02」であり、脈拍数が「80」であり、呼吸数が「20」である状態を対応付けている。
【0197】
図12(a)に示す感情データ55mは、日時「2023/07/01 11:10」に対して、カードIDが「2005」であり、機種が「EV02」であり、喜びの感情度が「90」であり、楽しみの感情度が「100」であり、関心の感情度が「100」であり、怒りの感情度が「80」であり、悲しみの感情度が「80」であり、不安の感情度が「120」であり、ストレスの感情度が「100」である状態を対応付けている。
【0198】
また、感情データ55mは、日時「2023/07/01 11:11」に対して、カードIDが「2005」であり、機種が「EV02」であり、喜びの感情度が「120」であり、楽しみの感情度が「110」であり、関心の感情度が「120」であり、怒りの感情度が「70」であり、悲しみの感情度が「70」であり、不安の感情度が「100」であり、ストレスの感情度が「80」である状態を対応付けている。
【0199】
図12(b)に示す平均感情データ55nは、日時「2023/07/01 11:10」に対して、喜びの感情度が「100」であり、楽しみの感情度が「110」であり、関心の感情度が「105」であり、怒りの感情度が「90」であり、悲しみの感情度が「90」であり、不安の感情度が「110」であり、ストレスの感情度が「90」である状態を対応付けている。
【0200】
また、平均感情データ55nは、日時「2023/07/01 11:11」に対して、喜びの感情度が「100」であり、楽しみの感情度が「100」であり、関心の感情度が「110」であり、怒りの感情度が「90」であり、悲しみの感情度が「100」であり、不安の感情度が「90」であり、ストレスの感情度が「100」である状態を対応付けている。
【0201】
図12(c)に示す機種別感情データ55oは、期日が「2023/07/01」であり、店舗区分が「自店舗」であり、機種が「EV02」である状態に対して、喜びの感情度が「90」であり、楽しみの感情度が「100」であり、関心の感情度が「110」であり、怒りの感情度が「110」であり、悲しみの感情度が「100」であり、不安の感情度が「110」であり、ストレスの感情度が「120」である状態を対応付けている。
【0202】
また、機種別感情データ55oは、期日が「2023/07/01」であり、店舗区分が「自店舗」であり、機種が「DX04」である状態に対して、喜びの感情度が「110」であり、楽しみの感情度が「110」であり、関心の感情度が「120」であり、怒りの感情度が「100」であり、悲しみの感情度が「90」であり、不安の感情度が「90」であり、ストレスの感情度が「100」である状態を対応付けている。
【0203】
また、機種別感情データ55oは、期日が「2023/07/01」であり、店舗区分が「全店舗平均」であり、機種が「EV02」である状態に対して、喜びの感情度が「94」であり、楽しみの感情度が「105」であり、関心の感情度が「105」であり、怒りの感情度が「103」であり、悲しみの感情度が「98」であり、不安の感情度が「105」であり、ストレスの感情度が「108」である状態を対応付けている。
【0204】
<情報管理装置80の構成>
次に、
図2に示した情報管理装置80の構成について説明する。
図13は、
図2に示した情報管理装置80の構成を示す機能ブロック図である。
図13に示すように、情報管理装置80は、表示部81及び入力部82と接続され、通信部84、記憶部85及び制御部86を有する。
【0205】
表示部81は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部82は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部84は、外部ネットワークを介して管理装置50と通信するためのインタフェース部である。
【0206】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技実績データ85a及び機種別感情データ85bを記憶する。遊技実績データ85aは、各遊技店における各営業日の遊技機種毎の遊技実績を示すデータである。機種別感情データ85bは、各遊技店における営業日毎の遊技機種別に算出した各遊技客の感情度の平均値を示すデータである。
【0207】
制御部86は、情報管理装置80の全体制御を行う制御部であり、遊技実績データ管理部86a及び機種別感情データ管理部86bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、遊技実績データ管理部86a及び機種別感情データ管理部86bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0208】
遊技実績データ管理部86aは、遊技実績データ85aを管理する処理部である。遊技実績データ管理部86aは、管理装置50から店舗IDに対応付けられた機種毎のアウト平均値を受信したならば、この受信したデータを遊技実績データ85aに記憶する。
【0209】
また、遊技実績データ管理部86aは、遊技実績データ85aを更新したならば、遊技実績データ85a内の直近の期日のデータを全て抽出し、機種毎にアウト平均値の平均値を算出して遊技実績データ85aに記憶するとともに、管理装置50に通知する。
【0210】
機種別感情データ管理部86bは、機種別感情データ85bを管理する処理部である。機種別感情データ管理部86bは、管理装置50から店舗IDに対応付けられた機種毎の感情度の平均値を受信したならば、この受信したデータを機種別感情データ85bに記憶する。
【0211】
また、機種別感情データ管理部86bは、機種別感情データ85bを更新したならば、機種別感情データ85b内の直近の期日のデータを全て抽出し、機種毎に感情度の平均値を算出して機種別感情データ85bに記憶するとともに、管理装置50に通知する。
【0212】
次に、
図13に示した情報管理装置80の記憶部85が記憶するデータの一例について説明する。
図14は、
図13に示した遊技実績データ85a及び機種別感情データ85bの一例を示す図である。
【0213】
図14(a)に示す遊技実績データ85aは、期日が「2023/07/01」であり、店舗IDが「ABC123」であり、機種が「EV02」である状態に対して、アウト平均値が「7000」玉である状態を対応付け、期日が「2023/07/01」であり、店舗IDが「ABC456」であり、機種が「EV02」である状態に対して、アウト平均値が「8000」玉である状態を対応付け、期日が「2023/07/01」であり、店舗IDが「全店舗平均」であり、機種が「EV02」である状態に対して、アウト平均値が「7800」玉である状態を対応付けている。
【0214】
図14(b)に示す機種別感情データ85bは、期日が「2023/07/01」であり、店舗IDが「ABC123」であり、機種が「EV02」である状態に対して、喜びの感情度が「90」であり、楽しみの感情度が「100」であり、関心の感情度が「110」であり、怒りの感情度が「110」であり、悲しみの感情度が「100」であり、不安の感情度が「110」であり、ストレスの感情度が「120」である状態を対応付けている。
【0215】
また、機種別感情データ85bは、期日が「2023/07/01」であり、店舗IDが「ABC456」であり、機種が「EV02」である状態に対して、喜びの感情度が「95」であり、楽しみの感情度が「110」であり、関心の感情度が「105」であり、怒りの感情度が「100」であり、悲しみの感情度が「95」であり、不安の感情度が「100」であり、ストレスの感情度が「110」である状態を対応付けている。
【0216】
また、機種別感情データ85bは、期日が「2023/07/01」であり、店舗IDが「全店舗平均」であり、機種が「EV02」である状態に対して、喜びの感情度が「94」であり、楽しみの感情度が「105」であり、関心の感情度が「105」であり、怒りの感情度が「103」であり、悲しみの感情度が「98」であり、不安の感情度が「105」であり、ストレスの感情度が「108」である状態を対応付けている。
【0217】
<実施形態に係るタブレット端末40における表示の一例>
次に、本実施形態に係るタブレット端末40における表示の一例について説明する。
図15は、本実施形態に係るタブレット端末40における表示の一例を示す図である。
【0218】
図15に示すように、タブレット端末40は、台間カード処理機10から受信した感情度表示データを表示する。具体的には、「お客様と店舗平均の感情度グラフ」として、日時「2023/07/01 11:11」における感情度を折れ線グラフで表示する。この際、遊技客本人の感情度を「お客様」の折れ線グラフとして、店舗内で遊技を行っている遊技客の感情度の平均値を「店舗平均」として折れ線グラフで表示する。このことにより、遊技客が、自分の感情度を客観的に認識することができる。なお、感情度表示データの表示形式について折れ線グラフに限定されるものではなく、棒グラフ、円グラフ、散布図、バブルチャート、レーダーチャート等の遊技客本人の感情度と店舗内で遊技を行っている遊技客の感情度の平均値を比較可能な形式であればどのような形式でもよい。また、遊技客又は遊技店の設定選択により、遊技客本人の感情度を「お客様」の折れ線グラフのみ表示、店舗内で遊技を行っている遊技客の感情度の平均値を「店舗平均」として折れ線グラフのみ表示、双方のグラフを表示するように設定することも可能である。また、遊技客又は遊技店の設定選択により、グラフの表示先装置をタブレット端末40ではなく台間カード処理機10や台ランプ等に設定することも可能である。
【0219】
<実施形態に係る管理装置50における表示の一例>
次に、本実施形態に係る管理装置50における表示の一例について説明する。
図16及び
図17は、本実施形態に係る管理装置50における表示の一例を示す図である。
【0220】
図16に示すように、管理装置50は、指定期日における機種別分析指示を受け付けたならば、受け付けた指定期日における機種毎の感情度及びアウト平均値を表示する。具体的には、「機種別のアウト平均値と感情度グラフ」として、店舗「パーラーXYZ」の期日「2023/07/01」における感情度及びアウト平均値を折れ線グラフで表示する。例えば、機種「DX04」及び「EV02」の感情度及びアウト平均値を表示する。このことにより、機種毎の感情度とアウト平均値の関係性を分析することができる。
【0221】
また、
図17に示すように、管理装置50は、指定期日の指定機種における自店舗/全店舗分析指示を受け付けたならば、受け付けた指定期日の指定機種における感情度及びアウト平均値を表示する。具体的には、「自店舗と全店舗平均のアウト平均値と感情度グラフ」として、機種「EV02」の期日「2023/07/01」における感情度及びアウト平均値を折れ線グラフで表示する。このことにより、感情度とアウト平均の関係性を分析することができるとともに、自店舗のグラフを全店舗平均のグラフと比較することにより、自店舗の特性を把握することができる。
【0222】
<実施形態に係る感情判定モデル生成の処理手順>
次に、本実施形態に係る感情判定モデル生成の処理手順について説明する。
図18は、本実施形態に係る感情判定モデル生成の処理手順を示すフローチャートである。
【0223】
図18に示すように、管理装置50は、台間カード処理機10からバイタルデータを受信したならば(ステップS101)、訓練データを生成/更新する(ステップS102)。具体的には、受信したバイタルデータをバイタルデータ55lに記憶する。
【0224】
訓練を行わない場合は(ステップS103;No)、ステップS101に移行する。訓練を行う場合は(ステップS103;Yes)、バイタルデータ55lを訓練データとして訓練を実施し、感情判定モデルを生成し(ステップS104)、処理を終了する。
【0225】
<実施形態に係る感情データの生成及び分析に関する処理手順>
次に、本実施形態に係る感情データの生成及び分析に関する処理手順について説明する。
図19は、本実施形態に係る感情データの生成及び分析に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0226】
図19に示すように、管理装置50は、台間カード処理機10からバイタルデータを受信していないならば(ステップS201;No)、ステップS205に移行する。台間カード処理機10からバイタルデータを受信したならば(ステップS201;Yes)、感情判定モデルを用いて感情データを生成し(ステップS202)、平均感情データを算出する(ステップS203)。そして、感情データ及び平均感情データを台間カード処理機10に送信する(ステップS204)。
【0227】
分析指示を受け付けたならば(ステップS205;Yes)、分析指示に基づいた分析を行い、分析結果を表示部51に表示する(ステップS206)。具体的には、指定期日における機種別分析指示を受け付けたならば、受け付けた指定期日における機種毎の感情度及びアウト平均値を表示し、指定期日の指定機種における自店舗/全店舗分析指示を受け付けたならば、受け付けた指定期日の指定機種における感情度及びアウト平均値を表示する。
【0228】
閉店指示を受け付けていないならば(ステップS207;No)、ステップS201に移行する。閉店指示を受け付けたならば(ステップS207;Yes)、感情データ55mから機種別感情データを算出し、算出したデータを情報管理装置80に送信する(ステップS208)。
【0229】
遊動データ55iから個別遊動データを算出し(ステップS209)、個別遊動データ55jに記憶する。そして、個別遊動データ55jを用いて遊技実績データを算出し、算出した遊技実績データを情報管理装置80に送信し(ステップS210)、処理を終了する。
【0230】
上述してきたように、本実施形態に係る遊技システムでは、遊技客から取得したバイタルデータを用いて、遊技客の感情度を判定して表示するよう構成したので、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することができる。
【0231】
なお、上記の実施形態では、台間カード処理機が脈波センサ等と接続することにより、台間カード処理機においてバイタルデータを取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、タブレット端末が脈波センサ等と接続することにより、タブレット端末においてバイタルデータを取得するよう構成することもできる。
【0232】
また、上記の実施形態では、台間カード処理機や遊技機に設置され、固定して使用する脈波センサ等によりバイタルデータを取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機間を移動可能な脈波センサ等を各島に設置し、複数の遊技客のバイタルデータを順次取得するよう構成することもできる。具体的には、遊技機の上方に設けられた遊技機間を横移動可能な装置、遊技客の背後を自動で通過するサービスロボット装置等に脈波センサ等を設置することで、装置の移動に伴って複数の遊技客のバイタルデータを順次取得していくことが可能である。
【0233】
また、上記の実施形態では、脈波センサ等により脈拍数及び呼吸数を取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、体温や心電図に係る生体インピーダンスのデータを取得するよう構成することもできる。
【0234】
また、上記の実施形態では、タブレット端末において遊技する遊技客の感情度を表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客の所持する携帯端末のアプリと管理装置が連携することにより、このアプリにおいて遊技客の感情度を表示するよう構成することもできる。
【0235】
また、上記の実施形態では、脈波センサ等により遊技する遊技客のバイタルデータを取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイタルデータの取得の可否を遊技客が設定できるよう構成することもできる。例えば、遊技する遊技客のバイタルデータを取得する際、遊技客に対してカード処理機や台ランプ等の表示部にバイタルデータを取得する旨の選択表示を行い遊技客が取得に同意した場合、バイタルデータを取得する。なお、遊技客が取得に同意しない場合、バイタルデータの取得を制限する。これにより、バイタルデータの取得をされたくない遊技客に対して配慮した運用を行うことが可能となる。
【0236】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定して表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータを用いて、遊技機からの離席の有無を判定するよう構成することもできる。例えば、脈波センサ等により取得していた脈拍数及び呼吸数が0や測定不能状態となった場合、遊技客が遊技機から離れたと判定する。また、取得したバイタルデータの変化から、遊技する遊技客が交代したか否かを判定するよう構成することもできる。例えば、脈波センサ等により取得していた脈拍数及び呼吸数の傾向が異なる状態となった場合、遊技客が遊技機を離れ他の遊技客に交代したと判定する。
【0237】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルフ運用などの新サービスや新製品に関してバイタルデータを取得することにより、遊技客の不安度や満足度を判定するよう構成することもできる。例えば、遊技客が賞品管理装置を操作して賞品交換を行う、所謂、セルフシステムや、遊技客が遊技情報を確認する台ランプに適用してもよい。具体的には、セルフシステムの場合、セルフ賞品管理装置内に非接触又は接触センサを内蔵し、賞品交換時の遊技客の感情度を測定する。これにより、賞品交換時に遊技客が抱く交換に掛かる待ち時間や画面の操作性に関する感情度を容易に把握することができる。台ランプの場合、台ランプ内に非接触又は接触センサを内蔵し、遊技情報確認時の遊技客の感情度を測定する。これにより、遊技情報確認時に遊技客が抱く遊技情報の確認に対する感情度(遊技情報の見やすさ、画面の操作性等)を容易に把握することができる。また本発明は、精算機、以下、図示しないサイネージ、データ公開機、カード発行機、玉/メダルの島端計数機、玉/メダルの各台計数機、賞品払出機、自動販売機、喫煙ボックス、カードリーダ、来店ポイント付与機、検温機、ワゴンカー等の遊技店内の各装置に適用することができる。
【0238】
また、上記の実施形態では、台間カード処理機や遊技機に設置された脈波センサ等によりバイタルデータを取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客や従業員が装着するウェアラブル端末(ウェアラブルウォッチ、ウェアラブルグラス、体内内臓チップ等)を用いてバイタルデータを取得するよう構成することもできる。
【0239】
また、上記の実施形態では、取得したバイタルデータを用いて、機種毎及び店舗毎の感情度を分析する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、曜日や時間帯毎に感情度を分析するよう構成することもできる。例えば、遊技店が設定したサービス日やイベント日等の特定日情報に基づいて分析することで、遊技客が特定日にどの様な心理状態で来店しているか分析することもできる。更に、時間帯毎に分析することで時間帯毎に異なる遊技客層の心理状態を分析することもできる。
【0240】
また、上記の実施形態では、取得したバイタルデータを用いて、遊技客自身の感情度と店舗平均の感情度を比較表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客が登録した他の遊技客(例えば、友人や家族等)の感情度と自己の感情度を比較表示するよう構成することもできる。これにより、例えば遊技客が事前にグループ設定を行い、自身の感情度とグループメンバーに設定された友人の感情度をカード処理機や台ランプ等の表示部に比較表示し、グループメンバー同士の遊技状態に伴う感情度の変化を楽しむといったことができる。
【0241】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定した感情度が所定の範囲から逸脱した場合には、休憩を促す表示を行うよう構成することもできる。また、休憩を促す表示に従って遊技客が休憩をした場合には、休憩前と休憩後のバイタルデータを比較した結果を表示してもよい。これにより、遊技客に対して休憩の効果について数値として伝えることができる。
【0242】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータを用いて、一般カードで遊技する遊技客の個人識別を行い、会員登録を促す表示を行うよう構成することもできる。
【0243】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定した感情度と大当り情報の相関を分析するよう構成することもできる。例えば、喜びの感情度が高い状態の場合には、大当たりを獲得し易い傾向にあることや、怒りの感情度が高い状態の場合には、大当たり獲得に要する時間が長くなっている傾向にあるといった傾向に基づく相関関係を分析して遊技客や遊技店に提供することができる。
【0244】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定した感情度を用いて、遊技機の機種別評価を行うよう構成することもできる。
【0245】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイタルデータを取得開始した時点を遊技開始時点とし、バイタルデータの取得が停止した時点を遊技終了時点として管理するよう構成することもできる。なお、遊技の有価価値の残高や持玉、遊技機に遊技媒体が残った状態等で所定時間の稼働を検知しない場合や休憩中の場合には、遊技終了とはせずにバイタルデータ取得待機状態とし、バイタルデータの取得を再開したならば、遊技の継続として管理するよう構成することもできる。これにより、より正確な遊技客とバイタルデータの関連付けを可能とする。
【0246】
また、上記の実施形態では、台間カード処理機や遊技機に設置された脈波センサ等によりバイタルデータを取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員カードの挿入/排出のタイミングでバイタルデータの取得を管理するよう構成することもできる。また、遊技機のハンドル操作やアウト/セーフのタイミングにおいて、バイタルデータの取得を管理するよう構成することもできる。
【0247】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイタルデータを継続して取得する時間が所定時間以上となった場合には、遊技客に対して休憩や軽い運動を促す表示を台間カード処理機や台ランプ等に行うよう構成することもできる。なお、この表示内容は、遊技機の機種により個別に設定するよう構成することもできる。具体的には、ハンドル操作により遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置(所謂、パチンコ機)では右の腕でハンドルを固定して遊技するのが一般的な為、主に右の腕や手首をストレッチする等の表示を行い、スタートレバーとストップボタンを用いて遊技を行う装置(所謂、スロットマシン)では左の腕でスタートレバーを叩いて遊技するのが一般的な為、主に左の腕や肩をストレッチする等の表示をおこなう。このことにより、自身が遊技している機種に応じた運動を促す表示をすることができる。
【0248】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータに急な変動があった場合は、その旨を表示するよう構成することもできる。例えば、急な変動として急激な心拍数の変動が挙げられ、急激な変動と判定する判定値は遊技店で設定してもよい。また、バイタルデータに急な変動があった旨を従業員に通知するよう構成することもできる。なお、遊技機の状態(例えば、大当りなど)に応じて、表示内容や通知内容を設定するよう構成することもできる。このことにより、特に高齢者の遊技人口比率が高いとされる遊技店において遊技客の体調変化に対して、従業員が迅速に対応することができる。
【0249】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータを事前に登録した携帯端末(例えば、遊技客の親族が所持する携帯端末)に対して通知するよう構成することもできる。
【0250】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータに急な変化があった場合には、その旨を事前に登録した携帯端末(例えば、遊技客の親族が所持する携帯端末)に対して通知するよう構成することもできる。なお、遊技機の特定の演出に対応したバイタルデータの変化と判断される場合には、通知しないような設定を行うよう構成することもできる。また、病院等の医療機関からの依頼に対して遊技客本人が承諾した場合に限り、遊技店が管理するバイタルデータを医療機関へ通知してもよい。
【0251】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員カードの未挿入の状態においても、バイタルデータの取得が継続することによって、特定の遊技客の遊技継続を判定するよう構成することもできる。例えば、会員カードの未挿入の状態においても、自己申告プログラムに登録した遊技客の遊技時間を把握することができる。また、自己申告プログラムに登録した遊技客の場合には、一般の遊技客とは異なる感情度の変化を検知するための閾値を設定してもよい。自己申告プログラムに登録した遊技客はのめりこみやすい性質を持っている可能性があり、一般の遊技客とは異なる閾値を設定することで早期ののめり込み状態を検知することが可能となる。
【0252】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイタルデータを継続して取得している遊技客に対して、バイタルデータの変化状況を提供するよう構成することもできる。例えば、台間カード処理機や台間タブレットの表示部操作部にバイタルデータの変化状況を示すグラフや数値表を表示することができる。
【0253】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定した感情度に対して、遊技客が感情度の補正を行うよう構成することもできる。例えば、満足度60%と判定された場合に、遊技客の操作によって70%あるいは50%などに、満足度を修正して補正するよう構成することもできる。このことにより、感情度の判定精度を向上することができる。なお、補正する際に補正するに至った理由などのコメントを入力可能とする構成としてもよい。このことにより、遊技客が補正した理由について遊技店が確認可能となり、より感情度の判定精度を向上することができる。
【0254】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータの傾向から、来店が遠のく遊技客を予測するよう構成することもできる。具体的には、来店しなくなった遊技客のバイタルデータの傾向を分析し、この傾向に合致する遊技客のバイタルデータを検知したならば、従業員に通知する。このことにより、遊技客の減少対策を早期に行うことができる。また、頻繁に来店する遊技客バイタルデータの傾向を分析し、この傾向に合致する遊技客のバイタルデータを検知したならば、従業員に該遊技客の会員登録有無を確認するように通知してもよい。このことにより、遊技店の会員ではない一般客に対する効率的な会員登録勧誘を行うことができる。
【0255】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータと遊技実績との関連性を分析し、大当りなどに結び付く遊技方法を遊技機種毎に公開するよう構成することもできる。例えば、1遊技にかける時間が一定時間内(例えば、4秒)である場合に、どきどきせずに遊技することが重要などと、遊技方法を公開する。なお、公開方法として分析結果から大当りなどに結び付く関連性の高い順や、遊技客が公開された内容を閲覧した回数の多い順等のランキング形式で公開してもよい。
【0256】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定した感情度と遊技実績との関連性を分析し、大当りなどの遊技実績が芳しくない遊技機種においても、遊技客が楽しく感じる機種については、大当りなどの遊技実績は芳しくないが遊技客は楽しめる機種として公開するよう構成することもできる。このことにより、遊技店は大当りなどの遊技実績は芳しくないが遊技客は遊技機の演出やゲーム性に満足していることを把握することが可能となり、遊技機の入れ替え判断の指標とすることができる。また、公開内容を遊技機メーカーに提供することで遊技機の開発過程において参考とすることができる。
【0257】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータに応じて、SNS等に投稿する文書に自動的にデコレーションやコメントを作成するよう構成することもできる。具体的には、SNSに文書やスタンプを投稿した際にバイタルデータを取得する。投稿内容をクラスタリング手法によって感情度を判定して、この判定結果と取得したバイタルデータを関連付ける。その後、SNSに投稿する際には、その投稿時に取得したバイタルデータに応じて、投稿内容に自動的にデコレーションやコメントを作成する。このことにより、自分の感情度に応じた投稿を自動的に作成することができる。また、SNSに投稿する際ではなく、既に投稿済の内容に対して投稿時の感情度を遡って関連付け可能としてもよい。
【0258】
また、上記の実施形態では、バイタルデータを取得することにより、遊技する遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得したバイタルデータ及び判定した感情度に応じて、台ランプ等に表示するキャラクターの表情や動作を変化させるよう構成することもできる。例えば、遊技客の感情度が良い場合には、表示するキャラクターが笑顔で明るい表情や動作を行い、遊技客の感情度が悪い場合には、表示するキャラクターが暗い表情や乱暴な動作を行う。このことにより、遊技客に対する従業員の対応を適切にすることができるとともに、遊技客自身が自分の感情をコントロールするよう促すことができる。
【0259】
また、感情度に応じて台ランプ等に表示するキャラクターの表情や動作を変化させるのではなく、台間カード処理機や台ランプ等の一部に設けられた発光部の発光形態(発光色の変化、点滅、点滅⇔点灯、点灯⇔消灯等)を異ならせる構成としてもよい。このことにより、遊技客には自身の感情度を判別しにくくさせつつ、従業員には判別しやすくすることができる。
【0260】
具体的には、遊技機20の上部に設置された台ランプ90に感情度表示部91を設け、この感情度表示部91に遊技客の感情度に応じた表示を行わせることができる。具体的には、管理装置50が分析結果に応じた感情度の表示を行うよう台ランプ90に指示し、台ランプ90が指示内容に応じた表示を感情度表示部91に表示制御することができる。また、台間カード処理機10が、管理装置50から分析結果の通知を受けた場合に、この分析結果に応じた感情度の表示を行うよう台ランプ90に指示するよう構成することもできる。
【0261】
例えば、
図20(a)に示したように、遊技客の怒りの感情度が低い場合には、感情度表示部91に「青色」を点灯させ、
図20(b)に示したように、遊技客の怒りの感情度が高い場合には、感情度表示部91に「赤色」を点灯させることができる。なお、感情表示部91の表示態様はこれに限定されるものではなく、どのような組合せであっても構わない。また、怒りの感情度だけではなく、他の感情の感情度に応じた表示を行うこともできる。なお、台ランプ90ではなく、台間カード処理機10に感情度表示部91を設けることもできる。
【0262】
[変形例]
ところで、上記の実施形態では、遊技中の遊技客から取得したバイタルデータを蓄積し、この蓄積したバイタルデータを用いて遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客が通常の生活において蓄積したバイタルデータを用いて、遊技中の遊技客の感情度を判定するよう構成することもできる。本変形例では、遊技客が通常の生活において蓄積したバイタルデータを用いて、遊技中の遊技客の感情度を判定する遊技システムについて説明する。
【0263】
<変形例に係る遊技システムの概要>
本変形例に係る遊技システムの概要について説明する。
図21~
図23は、本変形例に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0264】
図21に示すように、本変形例に係る遊技システムでは、携帯端末300が、スマートウォッチ400等から遊技客の通常の生活におけるバイタルデータを取得し、蓄積バイタルデータとして蓄積している。遊技客が遊技を行う際、遊技客が所持する携帯端末300は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信により台間カード処理機100と通信可能に接続され、蓄積バイタルデータを台間カード処理機100に送信する(S11)。
【0265】
台間カード処理機100は、受信した蓄積バイタルデータを用いて感情判定モデルを生成する(S12)。
【0266】
図22に示すように、台間カード処理機100は、自装置のドップラーセンサ19a及び遊技機20に設置された脈波センサ19bから、遊技中の遊技客のバイタルデータを取得する(S21)。なお、携帯端末300を介して、遊技客が装着したスマートウォッチ400から遊技客のバイタルデータを取得してもよい。
【0267】
台間カード処理機100は、取得したバイタルデータから感情度を判定し(S22)、この感情度を用いて分析を行い、分析結果をタブレット端末40に通知する(S23)。タブレット端末40は、受信した分析結果を表示する(S24)。
【0268】
分析結果は、遊技客の感情度をグラフで表示することもできるし、大当りや出玉情報と感情度の関連を表示することもできる。また、蓄積バイタルデータと脈波センサ19b等から取得したバイタルデータとを比較して表示することもできる。
【0269】
図23に示すように、台間カード処理機100は、分析結果を出力したならば、この分析結果を管理装置200に通知する(S31)。管理装置200は、受信した分析結果を蓄積し、遊技機の評価分析を行う(S32)。
【0270】
上述してきたように、本変形例に係る遊技システムでは、遊技客が通常の生活において蓄積したバイタルデータを用いて、遊技中の遊技客の感情度を判定するよう構成したので、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別することができる。
【0271】
なお、上記の変形例では、遊技客が通常の生活において蓄積したバイタルデータを用いて、遊技中の遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定した感情度に応じて、台ランプ等に表示する演出や提供するサービスを変化させるよう構成することもできる。例えば、感情度の喜びが店舗平均と比較して高い遊技客に対しては、台ランプ等に表示する内容を次回の新台入れ替え日や自店の推奨遊技機紹介などの表示を優先し、一方、感情度の怒りが店舗平均と比較して高い遊技客に対しては、休憩や気分を落ち着かせる動画や画像を表示してもよい。また、従業員の端末に対して特定の遊技客の感情度を通知し、対応サービスの参考とさせてもよい。
【0272】
また、上記の変形例では、台間カード処理機において遊技中の遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客が所持する携帯端末のアプリにおいて、遊技中の遊技客の感情度を判定するよう構成することもできる。
【0273】
また、上記の変形例では、台間カード処理機において遊技中の遊技客の感情度を判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りなどの遊技情報を遊技客が所持する携帯端末のアプリに通知し、このアプリにおいて遊技情報を分析することにより、遊技中の遊技客の感情度を判定するよう構成することもできる。
【0274】
また、上記の実施形態及び変形例では、遊技媒体として遊技玉を用いるスマートパチンコにおいて、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを用いるスマートパチスロにも適用するよう構成することもできる。
【0275】
また、上記の実施形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0276】
本発明に係る遊技システム、台間装置、管理装置及び心理状態取得方法は、遊技店で遊技する遊技客の心理状態を効率良く判別する場合に適している。
【符号の説明】
【0277】
10 台間カード処理機
11 状態表示部
12 紙幣搬送部
12a 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 リーダライタ
14a カード挿入口
14b かざし部
15 通信部
16 記憶部
16a 自装置状態データ
16b カードデータ
17 制御部
17a データ管理部
17b バイタルデータ送信部
17c 感情度表示データ送信部
18 遊技管理部
18a 認証処理部
18b 認証鍵管理部
18c 遊技機状態管理部
19a ドップラーセンサ
19b 脈波センサ
20 遊技機
21 ハンドル
22 計数ボタン
23 通信制御部
24 演出制御部
24a 演出図柄抽選部
24b 演出抽選部
25 遊技制御部
26 遊技玉制御部
26a 遊技球数管理部
30 島コントローラ
40 タブレット端末
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
55d 稼働データ
55e 遊技関連カード処理履歴データ
55f 遊技外カード処理履歴データ
55g 計数精算処理履歴データ
55h 遊技履歴データ
55i 遊動データ
55j 個別遊動データ
55k 遊技実績データ
55l バイタルデータ
55m 感情データ
55n 平均感情データ
55o 機種別感情データ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d 稼働データ蓄積集計部
56e カード処理履歴管理部
56f 遊技履歴データ生成部
56g 遊動データ生成部
56h 遊動データ集計部
56i バイタルデータ管理部
56j 感情判定モデル訓練部
56k 感情データ生成部
56l 感情データ集計部
56m 分析部
60 賞品管理装置
70 精算機
80 情報管理装置
81 表示部
82 入力部
84 通信部
85 記憶部
85a 遊技実績データ
85b 機種別感情データ
86 制御部
86a 遊技実績データ管理部
86b 機種別感情データ管理部
90 台ランプ
91 感情度表示部
100 台間カード処理機
200 管理装置
300 携帯端末
400 スマートウォッチ