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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012057
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】基板支持構造体
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H05K7/14 D
H05K7/14 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114593
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大室 幸絵
(72)【発明者】
【氏名】田島 晴輝
(72)【発明者】
【氏名】百武 哲也
(72)【発明者】
【氏名】吉野 悦郎
【テーマコード(参考)】
5E348
【Fターム(参考)】
5E348AA11
5E348AA16
5E348AA32
(57)【要約】
【課題】基板を支持し基板の振動を抑制することが可能な基板支持構造体を提供する。
【解決手段】基板支持構造体10において弾性体24は基板12と筐体部材22との間に設けられている。そして、弾性体24は、筐体部材22の第1位置固定部221と第2位置固定部222との間にて筐体部材22に対し接合され、基板12の第1被支持部121と第2被支持部122との間にて基板12に対し接合されている。基板12と筐体部材22は基板複合体30を構成し、その基板複合体30は筐体部材22を含むことに起因した共振と、基板12を含むことに起因した共振とをそれぞれ生じるものである。更に、基板複合体30が筐体部材22を含むことに起因して共振するときの第1共振周波数は、基板複合体30が基板12を含むことに起因して共振するときの第2共振周波数よりも低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持構造体であって、
第1被支持部(121)と前記第1被支持部から離れて配置された第2被支持部(122)とを有し、前記第1被支持部と前記第2被支持部とのそれぞれにて支持された基板(12、13)と、
前記基板に対し前記基板の厚み方向(Dt)の一方側に配置され、前記第1被支持部および前記第2被支持部に対し位置固定され互いに離れて配置された第1位置固定部(221)と第2位置固定部(222)とを有し、前記第1位置固定部と前記第2位置固定部とのそれぞれにて支持された基板併設部(12、13、22、33)と、
前記基板と前記基板併設部との間に設けられ、前記厚み方向に弾性変形可能であり、前記第1位置固定部と前記第2位置固定部との間にて前記基板併設部に対し接合され、前記第1被支持部と前記第2被支持部との間にて前記基板に対し接合された弾性体(24)とを備え、
前記基板と前記基板併設部は基板複合体(30)を構成し、
前記弾性体は、前記基板複合体が振動していない静止状態において前記厚み方向に弾性圧縮された圧縮状態とされ、
前記基板複合体は、前記基板併設部を含むことに起因した共振と前記基板を含むことに起因した共振とをそれぞれ生じるものであり、
前記基板複合体が前記基板併設部を含むことに起因して共振する一方の共振周波数(FQ1)は、前記基板複合体が前記基板を含むことに起因して共振する他方の共振周波数(FQ2)よりも低い、基板支持構造体。
【請求項2】
前記弾性体は、前記基板併設部と前記基板とのそれぞれに対し接着固定されている、請求項1に記載の基板支持構造体。
【請求項3】
前記弾性体は、前記第1被支持部と前記第2被支持部とのそれぞれから離れて配置されている、請求項1または2に記載の基板支持構造体。
【請求項4】
前記弾性体は、前記弾性体が設けられず前記基板と前記基板併設部とが別々に振動可能な仮想の独立振動状態において前記基板の共振時の変位振幅が最大になる最大振幅位置(Px)にて、前記基板に対し接合されている、請求項1または2に記載の基板支持構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板を支持する基板支持構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体部材に基板を締結して固定する基板固定構造が記載されている。この特許文献1の基板固定構造は筐体部材と基板とを含んでいる。筐体部材の基板側に形成され基板が取り付けられる取付面には、その取付面から突出し取付面の四隅に配置された複数のボス部と、その四隅のボス部よりも取付面から低く突出し取付面の中央に配置されたボス部とがそれぞれ設けられている。そして、基板は中央のボス部の端面に締結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-23087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された基板固定構造は、基板の振動を抑制する1つの技術として有効であると考えられる。
【0005】
しかしなから、基板を支持する構造に対する制約は種々想定されるので、特許文献1の基板固定構造を採用できない場合もあり得る。従って、特許文献1の基板固定構造とは異なる方法で基板を支持し基板の振動を抑制する技術が必要であると考えられた。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
【0006】
本開示は上記点に鑑みて、特許文献1とは異なる構造で基板を支持し基板の振動を抑制することが可能な基板支持構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の1つの観点による基板支持構造体は、
第1被支持部(121)と第1被支持部から離れて配置された第2被支持部(122)とを有し、第1被支持部と第2被支持部とのそれぞれにて支持された基板(12、13)と、
基板に対し基板の厚み方向(Dt)の一方側に配置され、第1被支持部および第2被支持部に対し位置固定され互いに離れて配置された第1位置固定部(221)と第2位置固定部(222)とを有し、第1位置固定部と第2位置固定部とのそれぞれにて支持された基板併設部(12、13、22、33)と、
基板と基板併設部との間に設けられ、厚み方向に弾性変形可能であり、第1位置固定部と第2位置固定部との間にて基板併設部に対し接合され、第1被支持部と第2被支持部との間にて基板に対し接合された弾性体(24)とを備え、
基板と基板併設部は基板複合体(30)を構成し、
弾性体は、基板複合体が振動していない静止状態において厚み方向に弾性圧縮された圧縮状態とされ、
基板複合体は、基板併設部を含むことに起因した共振と基板を含むことに起因した共振とをそれぞれ生じるものであり、
基板複合体が基板併設部を含むことに起因して共振する一方の共振周波数(FQ1)は、基板複合体が基板を含むことに起因して共振する他方の共振周波数(FQ2)よりも低い。
【0008】
このようにすれば、基板併設部の振動の位相が上記一方の共振周波数の前後で反転する仕組みを利用し、上記他方の共振周波数での共振時における基板の振動を基板併設部によって抑制することができる。従って、特許文献1とは異なる構造で基板を支持し基板の振動を抑制することが可能である。
【0009】
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合がある。この場合、参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の単なる一例を示すものであるにすぎない。よって、本開示は、参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態において基板支持構造体の概略構成を模式的に示した正面図である。
図2】第1実施形態の基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とスペーサとを抜粋して示した図である。
図3】比較例の基板支持構造体の概略構成を模式的に示した正面図、言い換えると、第1実施形態の基板支持構造体を仮想の独立振動状態としたものを模式的に示した正面図であって、図1に相当する図である。
図4】第1共振モードにおける筐体部材と基板とのそれぞれの撓みの状態を模式的に誇張して表した正面図である。
図5】第2共振モードにおける筐体部材と基板とのそれぞれの撓みの状態を模式的に誇張して表した正面図である。
図6】第1実施形態において、第1共振モードと第2共振モードとのそれぞれで基板所定位置に生じる加速度振幅と、弾性体のヤング率との関係を示した図である。
図7】第1実施形態において、基板所定位置の加速度振幅の周波数応答を示した図である。
図8】第2実施形態において、基板所定位置の変位振幅の周波数応答を示した図であって、図7に相当する図である。
図9】第3実施形態の基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示した図である。
図10】第4実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図11】第5実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図12】第6実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図13】第7実施形態において、基板支持構造体のうち第1基板と第2基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図14】第8実施形態において、基板支持構造体のうち第1基板と第2基板と筐体部材と2つの弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図15】第9実施形態において基板支持構造体の概略構成を模式的に示した正面図であって、図1に相当する図である。
図16】第9実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と2つの弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図17】第10実施形態において基板支持構造体の概略構成を模式的に示した正面図であって、図1に相当する図である。
図18】第10実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図19】第11実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図20】第12実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図21】第13実施形態において、基板支持構造体のうち基板と筐体部材と弾性体とを抜粋して示すと共に基板支持構造体を分解して示した分解斜視図であって、図9に相当する図である。
図22】第14実施形態において基板支持構造体の概略構成を模式的に示した断面図である。
図23】第15実施形態において基板支持構造体の概略構成を模式的に示した断面図であって、図22に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0012】
(第1実施形態)
図1図2に示すように、本実施形態の基板支持構造体10は基板12を含み、その基板12を支持すると共に基板12の振動を抑制するように構成されている。基板支持構造体10は、基板12のほかに、基板設置部材20、筐体部材22、複数の弾性体24、複数の設置台座26、および複数のスペーサ28などを備えている。
【0013】
基板12は、基板厚み方向Dtに厚みを有する平板形状を成している。そして、その基板厚み方向Dtに沿う方向視では、基板12は長方形形状を成している。基板12は、銅箔等により電気回路パターンが形成されたプリント基板である。
【0014】
例えば、本実施形態の基板支持構造体10は車両に搭載される機器(例えば、PCUやECUなど)の一部を構成し、基板12の表面には、複数の電子部品が実装固定されている。PCUは「Power Control Unit」の略であり、ECUは「Electronic Control Unit」の略である。
【0015】
なお、本実施形態の説明では、基板厚み方向Dtに垂直で基板12の長手方向に一致する方向は第1方向D1と称され、その第1方向D1と基板厚み方向Dtとに垂直な方向は第2方向D2と称される。また、図1における紙面上側が基板厚み方向Dtの一方側と称され、図1における紙面下側が基板厚み方向Dtの他方側と称される。その基板厚み方向Dtの他方側とは、基板厚み方向Dtの一方側に対する反対側という意である。
【0016】
また、基板12は、第1方向D1の一方側に配置された一対の第1被支持部121と、第1方向D1の一方側とは反対側の他方側に配置された一対の第2被支持部122とを有している。すなわち、一対の第2被支持部122は一対の第1被支持部121から第1方向D1に離れて配置されている。そして、一対の第1被支持部121は第2方向D2に互いに離れて配置され、一対の第2被支持部122も第2方向D2に互いに離れて配置されている。
【0017】
基板12は、その第1、第2被支持部121、122のそれぞれにて基板設置部材20に対し固定され支持されている。要するに、基板12は、その基板12の四隅にて基板設置部材20に対し固定され支持されている。
【0018】
基板設置部材20と筐体部材22は例えば基板12を収容する不図示の筐体の一部をそれぞれ構成している。例えば基板設置部材20の厚みは基板12の厚みに対し格段に大きく、基板設置部材20は基板12よりも格段に高い曲げ剛性を備えるように構成されている。すなわち、基板設置部材20は、基板12が設置される基礎になる部材である。
【0019】
基板設置部材20は基板12に対し間隔をあけて基板厚み方向Dtの他方側に配置されている。そして、基板12は、第1、第2被支持部121、122のそれぞれで、基板設置部材20との間に設置台座26を挟んで基板設置部材20に対して固定されている。従って、基板12が基板厚み方向Dtに振動して撓んでも基板設置部材20に接触することはない。
【0020】
基板12と基板設置部材20との間の設置台座26は、第1、第2被支持部121、122の総数と同じ数だけ設けられているので、本実施形態では4つ設けられている。設置台座26は例えばワッシャーである。
【0021】
筐体部材22は、基板厚み方向Dtに厚みを有する平板形状を成し、基板12に対し間隔をあけて基板厚み方向Dtの一方側に重なるように配置されている。そして、その基板厚み方向Dtに沿う方向視では、筐体部材22は長方形形状を成している。すなわち、筐体部材22は、基板12に対し平行な姿勢で基板12に対し並んで配置された基板併設部である。
【0022】
また、筐体部材22は、第1方向D1の一方側に配置された一対の第1位置固定部221と、第1方向D1の他方側に配置された一対の第2位置固定部222とを有している。すなわち、一対の第2位置固定部222は一対の第1位置固定部221から第1方向D1に離れて配置されている。そして、一対の第1位置固定部221は第2方向D2に互いに離れて配置され、一対の第2位置固定部222も第2方向D2に互いに離れて配置されている。
【0023】
筐体部材22の一対の第1位置固定部221は、基板12の一対の第1被支持部121に対し基板厚み方向Dtの一方側に重なるようにそれぞれ設けられている。そして、一対の第1位置固定部221は、一対の第1被支持部121との間にスペーサ28を挟んで一対の第1被支持部121に対してそれぞれ固定されている。
【0024】
これと同様に、筐体部材22の一対の第2位置固定部222は、基板12の一対の第2被支持部122に対し基板厚み方向Dtの一方側に重なるようにそれぞれ設けられている。そして、一対の第2位置固定部222は、一対の第2被支持部122との間にスペーサ28を挟んで一対の第2被支持部122に対してそれぞれ固定されている。従って、筐体部材22の第1、第2位置固定部221、222は基板12の第1、第2被支持部121、122に対し位置固定されている。
【0025】
スペーサ28は本実施形態では4つ設けられ、例えば円筒形状を成している。そのスペーサ28の内側には基板厚み方向Dtに貫通した貫通孔が形成されているが、図2では、そのスペーサ28内側の貫通孔は不図示になっている。
【0026】
例えば、基板厚み方向Dtに並んだ筐体部材22の第1位置固定部221とスペーサ28と基板12の第1被支持部121と設置台座26は、それらを貫通し基板設置部材20へ螺合された不図示のネジによって基板設置部材20に対しネジ止め固定されている。また、基板厚み方向Dtに並んだ筐体部材22の第2位置固定部222とスペーサ28と基板12の第2被支持部122と設置台座26も、それらを貫通し基板設置部材20へ螺合された不図示のネジによって基板設置部材20に対しネジ止め固定されている。
【0027】
このように、筐体部材22は、第1、第2位置固定部221、222のそれぞれにて基板設置部材20に対し固定され支持されている。
【0028】
複数の弾性体24は、例えば弾力性を備えたゴムで構成されており、そのため、基板厚み方向Dtに弾性変形可能となっている。複数の弾性体24は基板12と筐体部材22との間に設けられ、その基板12と筐体部材22とに接合されている。また、複数の弾性体24は第2方向D2に並んで配置されている。
【0029】
複数の弾性体24は、第1方向D1では、基板12の第1被支持部121と第2被支持部122との間の中央位置に配置されている。すなわち、複数の弾性体24は、第1被支持部121と第2被支持部122とのそれぞれから離れて配置されている。詳細に言うと、第1方向D1における基板12の中央位置は、後述する仮想の独立振動状態で基板12の共振時の変位振幅が最大になる最大振幅位置Pxである。従って、複数の弾性体24は、その最大振幅位置Pxにて基板12に対し接合されている。
【0030】
また、複数の弾性体24はそれぞれ、基板厚み方向Dtの一方側に設けられた一端部241と、基板厚み方向Dtの他方側に設けられた他端部242とを有している。弾性体24の一端部241は、第1方向D1における第1位置固定部221と第2位置固定部222との間の中央位置にて筐体部材22に対し接合されている。
【0031】
その一方で、弾性体24の他端部242は、第1方向D1における第1被支持部121と第2被支持部122との間の中央位置にて基板12に対し接合されている。その弾性体24と筐体部材22との接合、および、弾性体24と基板12との接合は何れも、接着剤による接着固定となっている。このように弾性体24を介して互いに連結された基板12と筐体部材22は基板複合体30を構成する。
【0032】
また、複数の弾性体24はそれぞれ、基板支持構造体10が振動していない静止状態において基板厚み方向Dtに弾性圧縮された圧縮状態とされている。
【0033】
ここで、図3に示す比較例の基板支持構造体80について説明する。その比較例の基板支持構造体80は、本実施形態の基板支持構造体10から全ての弾性体24を取り除いたものである。すなわち、比較例の基板支持構造体80は、本実施形態の基板支持構造体10と比較して弾性体24が無いことを除き同一の構成になっている。従って、図3の比較例の基板支持構造体80は、本実施形態の基板支持構造体10において弾性体24が設けられず基板12と筐体部材22とが別々に振動可能な仮想の独立振動状態を表しているとも言える。
【0034】
この比較例の基板支持構造体80では、基板厚み方向Dtへ往復する振動が印加される周波数応答において、筐体部材22と基板12は異なる共振周波数で共振する。このときの筐体部材22の共振周波数を第1独立共振周波数FA1と呼び、このときの基板12の共振周波数を第2独立共振周波数FA2と呼ぶものとする。そして、筐体部材22と基板12は、第1、第2独立共振周波数FA1、FA2が「FA1<FA2」の関係になるようにそれぞれ構成されている。言い換えると、本実施形態の基板支持構造体10における仮想の独立振動状態では、第1、第2独立共振周波数FA1、FA2が「FA1<FA2」の関係になる。比較例に関する説明はここまでである。
【0035】
従って、本実施形態の基板支持構造体10では、基板厚み方向Dtへ往復する振動が印加される周波数応答において、基板複合体30は、筐体部材22を含むことに起因した共振と、基板12を含むことに起因した共振とをそれぞれ生じる。この基板複合体30が筐体部材22を含むことに起因して共振するときの共振周波数は第1共振周波数FQ1と称され、基板複合体30が基板12を含むことに起因して共振するときの共振周波数は第2共振周波数FQ2と称される。なお、その第1共振周波数FQ1は本開示の一方の共振周波数に対応し、第2共振周波数FQ2は本開示の他方の共振周波数に対応する。
【0036】
その第1共振周波数FQ1は、仮想の独立振動状態における第1独立共振周波数FA1に対応するものであるが、筐体部材22に弾性体24が接合されていることが原因でその第1独立共振周波数FA1から僅かにずれた周波数になっている。また、第2共振周波数FQ2は、仮想の独立振動状態における第2独立共振周波数FA2に対応するものであるが、基板12に弾性体24が接合されていることが原因でその第2独立共振周波数FA2から僅かにずれた周波数になっている。
【0037】
従って、第1共振周波数FQ1と第2共振周波数FQ2は互いに異なる周波数である。詳細に言うと、第1、第2独立共振周波数FA1、FA2の大小関係と同様に、第1、第2共振周波数FQ1、FQ2は「FQ1<FQ2」の関係になる。
【0038】
例えば本実施形態の基板複合体30が第1共振周波数FQ1で共振している共振状態である第1共振モードでの筐体部材22と基板12とのそれぞれの撓みの状態が図4に模式的に表示されている。この図4に示すように、第1共振モードでは、筐体部材22の振動が弾性体24を介して基板12へ伝わり、基板12が筐体部材22の共振に引きずられるようにして振動させられる。
【0039】
一方、本実施形態の基板複合体30が第2共振周波数FQ2で共振している共振状態である第2共振モードでの筐体部材22と基板12とのそれぞれの撓みの状態が図5に模式的に表示されている。この図5に示すように、第2共振モードでは、筐体部材22が第1共振周波数FQ1を超えた周波数で振動するので、筐体部材22の振動は基板12の振動に対し逆相になる。そのため、筐体部材22の振動は基板12の共振を抑えるように作用する。
【0040】
なお、図4図5では、判りやすい表示とするために、筐体部材22と基板12とのそれぞれの撓みが誇張されて表示されている。また、図4図5に示すように、本実施形態および比較例で説明される基板12と筐体部材22との各振動は何れも、特に断りのない限り、曲げ1次モードでの振動である。
【0041】
次に、第1共振モードと第2共振モードとのそれぞれで基板12に生じる加速度振幅Aaと、弾性体24のヤング率Egとの関係について、図6を用いて説明する。図6の縦軸は、基板12のうちの所定位置すなわち基板所定位置に生じる加速度振幅Aaを示し、横軸は、弾性体24のヤング率Egを示している。その図6のグラフの横軸に示されるヤング率Egは、全ての弾性体24のヤング率を合算したものである。なお、上記基板所定位置は具体的には基板12の中心であるが、基板12のうち振動する定まった位置であれば何処でもよい。また、図6、および後述の図7はそれぞれ、コンピュータによるシミュレーション結果を示すものである。
【0042】
図6において関係線L1は、第1共振モードにおける基板所定位置の加速度振幅Aaと弾性体24のヤング率Egとの関係、言い換えると、第1共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaと弾性体24のヤング率Egとの関係を示している。
【0043】
この図6の関係線L1に示されるように、弾性体24のヤング率Egが大きくなるほど、第1共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaは大きくなる。言い換えると、弾性体24が基板厚み方向Dtへ伸縮するときの剛性である伸縮剛性が高くなるほど、第1共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaは大きくなる。これは、弾性体24の伸縮剛性が高くなるほど、筐体部材22の振動が弾性体24を介して、その筐体部材22と同じ位相で振動する基板12へ伝達されやすくなるからである。
【0044】
図6において関係線L2は、第2共振モードにおける基板所定位置の加速度振幅Aaと弾性体24のヤング率Egとの関係、言い換えると、第2共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaと弾性体24のヤング率Egとの関係を示している。
【0045】
この図6の関係線L2に示されるように、弾性体24のヤング率Egが大きくなるほど、第2共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaは小さくなる。言い換えると、弾性体24の伸縮剛性が高くなるほど、第2共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaは小さくなる。これは、基板12に対し反転した位相で振動する筐体部材22が基板12の振動を抑えようとする力が、弾性体24の伸縮剛性が高くなるほど、弾性体24を介して基板12へ伝達されやすくなるからである。
【0046】
なお、図6には、参考として、仮想の独立振動状態の基板支持構造体10が第1独立共振周波数FA1で振動するときの基板所定位置の加速度振幅Aaと弾性体24のヤング率Egとの関係が、関係線L3で示されている。そして、仮想の独立振動状態の基板支持構造体10が第2独立共振周波数FA2で振動するときの基板所定位置の加速度振幅Aaと弾性体24のヤング率Egとの関係が、関係線L4で示されている。
【0047】
上記した関係線L1、L2から、弾性体24のヤング率Egを、その関係線L1、L2の交点Paが示すヤング率Egとすれば、基板所定位置の加速度振幅Aaを低減する効果が第1共振モード時と第2共振モード時との両方でバランス良く発揮されると考えられる。従って、本実施形態の基板支持構造体10が備える弾性体24のヤング率Egは、図6の交点Paが示すヤング率Egとされている。
【0048】
図7には、基板所定位置の加速度振幅Aaの周波数応答が示されている。この図7の周波数応答では、0.1Gの振幅の振動が基板支持構造体10に印加されている。その「0.1G」とは、重力加速度の0.1倍という意味である。
【0049】
図7の関係線LAは、図1に示すように弾性体24を備えた本実施形態の基板支持構造体10において得られる基板所定位置の加速度振幅Aaの周波数応答を示している。確認的に述べるが、このときの弾性体24のヤング率Egは、図6の交点Paが示すヤング率Egである。一方、図7の関係線LBは、図3に示すように弾性体24が設けられていない仮想の独立振動状態の基板支持構造体10において得られる基板所定位置の加速度振幅Aaの周波数応答を示している。
【0050】
関係線LA上の第1の極大点である第1関係点P1は、弾性体24を備えた本実施形態の基板支持構造体10において、基板複合体30が第1共振周波数FQ1で共振する場合に基板所定位置に生じる加速度振幅Aaである第1の加速度振幅A1aを示している。この第1の加速度振幅A1aは、言い換えると、上記した第1共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaである。
【0051】
関係線LA上の第2の極大点である第2関係点P2は、弾性体24を備えた本実施形態の基板支持構造体10において、基板複合体30が第2共振周波数FQ2で共振する場合に基板所定位置に生じる加速度振幅Aaである第2の加速度振幅A2aを示している。この第2の加速度振幅A2aは、言い換えると、上記した第2共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaである。
【0052】
また、関係線LB上の極大点である第3関係点P3は、仮想の独立振動状態の基板支持構造体10において、基板12が第2独立共振周波数FA2で共振する場合に基板所定位置に生じる加速度振幅Aaである単独共振時加速度振幅A3aを示している。
【0053】
図7に示すように、第2独立共振周波数FA2は、第1共振周波数FQ1よりも高く、且つ第2共振周波数FQ2よりも低い。
【0054】
そして、図7から判るように、本実施形態の基板支持構造体10において生じる第1、第2の加速度振幅A1a、A2aは何れも、単独共振時加速度振幅A3aに対し小さくなっている。弾性体24を介して基板12と筐体部材22とを連結したことによる本実施形態の振動低減効果は、その第1、第2の加速度振幅A1a、A2aと単独共振時加速度振幅A3aとの差として表れている。
【0055】
本実施形態では、弾性体24の伸縮剛性の調整、具体的には弾性体24のヤング率Egの調整によって、図7に示される第1、第2の加速度振幅A1a、A2aと単独共振時加速度振幅A3aとの大小関係が実現されている。すなわち、本実施形態の弾性体24の伸縮剛性は、第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aとがそれぞれ単独共振時加速度振幅A3aよりも小さくなるように定められている。
【0056】
具体的に本実施形態では、図7の関係線LAが示す第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aは互いに揃った大きさになっている。すなわち、詳細に言うと、本実施形態の弾性体24の伸縮剛性は、第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aとが互いに揃った大きさになるように定められている。
【0057】
本実施形態の基板支持構造体10では、以下に述べる作用効果を奏する。
【0058】
(1)上述したように、本実施形態によれば、図1に示すように、弾性体24は基板12と筐体部材22との間に設けられている。そして、弾性体24は、筐体部材22の第1位置固定部221と第2位置固定部222との間にて筐体部材22に対し接合され、基板12の第1被支持部121と第2被支持部122との間にて基板12に対し接合されている。基板12と筐体部材22は基板複合体30を構成し、その基板複合体30は筐体部材22を含むことに起因した共振と、基板12を含むことに起因した共振とをそれぞれ生じるものである。
【0059】
更に、図7に示すように、基板複合体30が筐体部材22を含むことに起因して共振するときの第1共振周波数FQ1は、基板複合体30が基板12を含むことに起因して共振するときの第2共振周波数FQ2に対して異なる。
【0060】
従って、第2共振周波数FQ2で基板複合体30が共振しているときには、筐体部材22が基板12の共振に引きずられるようにして振動させられるので、その筐体部材22は基板12の共振を抑えるように作用する。そのため、基板12に起因した共振を筐体部材22によって抑制することができる。
【0061】
詳細に言うと、本実施形態によれば、図7に示すように、第1共振周波数FQ1は第2共振周波数FQ2よりも低い。そのため、筐体部材22の振動の位相が第1共振周波数FQ1の前後で反転する仕組みを利用し、第2共振周波数FQ2での共振時における基板12の振動を筐体部材22によって抑制することができる。
【0062】
(2)また、本実施形態によれば、図1に示すように、弾性体24は筐体部材22と基板12とのそれぞれに対し接着固定されている。従って、接着剤の塗布によって弾性体24を筐体部材22と基板12とのそれぞれに容易に固定することが可能である。例えば狭小スペースにおいても、弾性体24を筐体部材22と基板12とのそれぞれに容易に固定することが可能である。
【0063】
(3)また、本実施形態によれば、弾性体24は、その弾性体24が設けられず基板12と筐体部材22とが別々に振動可能な仮想の独立振動状態において基板12の共振時の変位振幅が最大になる最大振幅位置Pxにて、基板12に対し接合されている。これにより、筐体部材22の振動の位相が第1共振周波数FQ1の前後で反転する仕組みを利用して基板12の振動を抑制する振動抑制効果を最大限発揮させることが可能である。
【0064】
(4)また、本実施形態によれば、全ての弾性体24は、基板12の第1被支持部121と第2被支持部122とのそれぞれから離れて配置されている。従って、上記振動抑制効果を得るために全ての弾性体24を役立てることができる。
【0065】
(5)また、本実施形態によれば、図7に示すように、弾性体24を備えた基板支持構造体10において生じる第1、第2の加速度振幅A1a、A2aは何れも、単独共振時加速度振幅A3aに対し小さい。すなわち、弾性体24を介した筐体部材22と基板12との連結によって第1共振周波数FQ1での共振が基板12に新たに発生しているが、その第1共振周波数FQ1での共振時における第1の加速度振幅A1aは単独共振時加速度振幅A3aに対し小さい。従って、基板12に対する振動抑制効果が、弾性体24を介して基板12に筐体部材22を連結することによって損なわれることを抑制することが可能である。
【0066】
(6)また、本実施形態によれば、弾性体24の伸縮剛性は、第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aとがそれぞれ単独共振時加速度振幅A3aよりも小さくなるように定められている。従って、弾性体24の材料選定などにより、第1、第2の加速度振幅A1a、A2aの各大きさを、基板12に対する振動抑制効果が生じるように容易に設定することが可能である。
【0067】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
【0068】
前述の第1実施形態では、基板所定位置の加速度振幅Aa(図7参照)を指標として弾性体24の伸縮剛性が設定されている。これに対し、本実施形態では、図8に示すように、基板所定位置の加速度振幅Aaに替えて基板所定位置の変位振幅Apを指標として弾性体24の伸縮剛性が設定されている。その基板所定位置の変位振幅Apとは、基板12の振動時における基板所定位置の変位量の振幅である。
【0069】
ここで、前述の図6には、弾性体24のヤング率Egが大きくなるほど、第1共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaは大きくなるが、第2共振モード時の基板所定位置の加速度振幅Aaは小さくなるということが示されている。このことは、加速度振幅Aaを変位振幅Apに置き換えても同様の傾向になる。すなわち、弾性体24のヤング率Egが大きくなるほど、第1共振モード時の基板所定位置の変位振幅Apは大きくなる。そして、弾性体24のヤング率Egが大きくなるほど、第2共振モード時の基板所定位置の変位振幅Apは小さくなる。
【0070】
従って、本実施形態では、基板12の振動を抑制するための指標として変位振幅Apが採用されているが、第1実施形態と同様の考え方で弾性体24の伸縮剛性が設定されている。
【0071】
図8には、基板所定位置の変位振幅Apの周波数応答が示されている。この図8の周波数応答では、図7の周波数応答と同様に、0.1Gの振幅の振動が基板支持構造体10に印加されている。
【0072】
図8の関係線LEは、図1に示すように弾性体24を備えた本実施形態の基板支持構造体10において得られる基板所定位置の変位振幅Apの周波数応答を示している。一方、図8の関係線LFは、図3に示すように弾性体24が設けられていない仮想の独立振動状態の基板支持構造体10において得られる基板所定位置の変位振幅Apの周波数応答を示している。この図8の関係線LEは図7の関係線LAに対応したものであり、図8の関係線LFは図7の関係線LBに対応したものである。
【0073】
関係線LE上の第1の極大点である第1関係点P1pは、弾性体24を備えた本実施形態の基板支持構造体10において、基板複合体30が第1共振周波数FQ1で共振する場合に基板所定位置に生じる変位振幅Apである第1の変位振幅A1pを示している。この第1の変位振幅A1pは、言い換えると、上記した第1共振モード時の基板所定位置の変位振幅Apである。
【0074】
関係線LE上の第2の極大点である第2関係点P2pは、弾性体24を備えた本実施形態の基板支持構造体10において、基板複合体30が第2共振周波数FQ2で共振する場合に基板所定位置に生じる変位振幅Apである第2の変位振幅A2pを示している。この第2の変位振幅A2pは、言い換えると、上記した第2共振モード時の基板所定位置の変位振幅Apである。
【0075】
また、関係線LF上の極大点である第3関係点P3pは、図3に示す仮想の独立振動状態の基板支持構造体10において、基板12が第2独立共振周波数FA2で共振する場合に基板所定位置に生じる変位振幅Apである単独共振時変位振幅A3pを示している。
【0076】
そして、図8から判るように、本実施形態の基板支持構造体10において生じる第1、第2の変位振幅A1p、A2pは何れも、単独共振時変位振幅A3pに対し小さくなっている。弾性体24を介して基板12と筐体部材22とを連結したことによる本実施形態の振動低減効果は、その第1、第2の変位振幅A1p、A2pと単独共振時変位振幅A3pとの差として表れている。
【0077】
本実施形態では、弾性体24の伸縮剛性の調整、具体的には弾性体24のヤング率Egの調整によって、図8に示される第1、第2の変位振幅A1p、A2pと単独共振時変位振幅A3pとの大小関係が実現されている。すなわち、本実施形態の弾性体24の伸縮剛性は、第1の変位振幅A1pと第2の変位振幅A2pとがそれぞれ単独共振時変位振幅A3pよりも小さくなるように定められている。
【0078】
なお、確認的に述べるが、本実施形態と第1実施形態との何れでも、第1、第2の変位振幅A1p、A2pがそれぞれ単独共振時変位振幅A3pよりも小さくなり、且つ、第1、第2の加速度振幅A1a、A2aがそれぞれ単独共振時加速度振幅A3aよりも小さくなっている。
【0079】
具体的に本実施形態では、図8の関係線LEが示す第1の変位振幅A1pと第2の変位振幅A2pは互いに揃った大きさになっている。すなわち、詳細に言うと、本実施形態の弾性体24の伸縮剛性は、第1の変位振幅A1pと第2の変位振幅A2pとが互いに揃った大きさになるように定められている。
【0080】
(1)上述したように、本実施形態によれば、図8に示すように、弾性体24を備えた基板支持構造体10において生じる第1、第2の変位振幅A1p、A2pは何れも、単独共振時変位振幅A3pに対し小さい。すなわち、弾性体24を介した筐体部材22と基板12との連結によって第1共振周波数FQ1での共振が基板12に新たに発生しているが、その第1共振周波数FQ1での共振時における第1の変位振幅A1pは単独共振時変位振幅A3pに対し小さい。従って、第1実施形態と同様に、基板12に対する振動抑制効果が、弾性体24を介して基板12に筐体部材22を連結することによって損なわれることを抑制することが可能である。
【0081】
(2)また、本実施形態によれば、弾性体24の伸縮剛性は、第1の変位振幅A1pと第2の変位振幅A2pとがそれぞれ単独共振時変位振幅A3pよりも小さくなるように定められている。従って、弾性体24の材料選定などにより、第1、第2の変位振幅A1p、A2pの各大きさを、基板12に対する振動抑制効果が生じるように容易に設定することが可能である。
【0082】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0083】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0084】
図9に示すように、本実施形態では、弾性体24が圧縮コイルバネで構成されている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0085】
なお、図9では、基板支持構造体10のうち基板12と筐体部材22と弾性体24とが抜粋されて示され、それら以外の図示は省略されている。このことは、図9に相当する後述の図でも同様である。
【0086】
コイルバネである本実施形態の弾性体24は、基板厚み方向Dtに伸縮可能な姿勢で設けられている。すなわち、弾性体24は、基板厚み方向Dtに弾性変形可能である。弾性体24のバネ定数は弾性体24の伸縮剛性に対応する。
【0087】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様の支持態様で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。従って、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様の両端支持である。
【0088】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0089】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0090】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第3実施形態と異なる点を主として説明する。
【0091】
図10に示すように、本実施形態の弾性体24はバネではあるが、コイルバネではない。具体的に、本実施形態の弾性体24としてのバネは、U字状に曲げられた線材で構成され、基板12に固定される一方で筐体部材22に対して押し当てられている。
【0092】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第3実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。
【0093】
以上説明したことを除き、本実施形態は第3実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第3実施形態と共通の構成から奏される効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
【0094】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0095】
図11に示すように、本実施形態では、弾性体24が、弾力性を備えた樹脂材で構成されている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0096】
本実施形態の弾性体24を構成する樹脂材は、例えば、基板12に実装された電子部品等を覆って保護するモールド材や、シールド機能を備えたシールド材である。また、本実施形態の弾性体24は1つである。
【0097】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。
【0098】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0099】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0100】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0101】
図12に示すように、本実施形態では、筐体部材22のサイズが基板12とは異なっている。例えば、筐体部材22は、基板12よりも第1方向D1および第2方向D2へ大きくなっている。また、本実施形態の弾性体24は1つである。これらの点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0102】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。
【0103】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0104】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0105】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0106】
図13に示すように、本実施形態の基板支持構造体10は、第1実施形態の基板12と同じものである第1基板12に加えて、第2基板13を備えている。第2基板13は、第1基板12と同様のプリント基板であり、例えば第2基板13の表面には複数の電子部品が実装固定されている。
【0107】
その第2基板13は、第1基板12と筐体部材22との間に配置されている。すなわち、第2基板13は、第1基板12に対し基板厚み方向Dtの一方側に重なるように配置されている。
【0108】
本実施形態では弾性体24は1つである。そして、その弾性体24は第1基板12と第2基板13との間に設けられ、第1基板12と第2基板13とに対して接合されている。一方、その弾性体24は筐体部材22と第2基板13との間には設けられず、筐体部材22から離れて配置されている。
【0109】
従って、本実施形態では、弾性体24を介して連結された第1基板12と第2基板13との一方が本開示の基板に対応し、他方が本開示の基板併設部に対応する。そして、本実施形態の基板複合体30は第1基板12と第2基板13とから構成され、筐体部材22を含まない。
【0110】
なお、本実施形態の第1基板12と第2基板13と筐体部材22はそれぞれ、第1実施形態の基板12または筐体部材22と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。
【0111】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0112】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0113】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第7実施形態と異なる点を主として説明する。
【0114】
図14に示すように、本実施形の基板支持構造体10は弾性体24を2つ備えている。その2つのうちの一方の弾性体24は、第7実施形態と同様に第1基板12と第2基板13との間に設けられ、第1基板12と第2基板13とに対して接合されている。
【0115】
更に本実施形態では、2つのうちの他方の弾性体24が、筐体部材22と第2基板13との間に設けられ、筐体部材22と第2基板13とに対して接合されている。
【0116】
従って、本実施形態では、筐体部材22が本開示の基板併設部に対応し、第1基板12と第2基板13とがそれぞれ本開示の基板に対応する。そして、本実施形態の基板複合体30は第1基板12と第2基板13と筐体部材22とから構成される。
【0117】
また、基板複合体30の全ての共振時の振動が仮想の独立振動状態での各基板12、13の共振時の振動に対して小さくなるように、2つの弾性体24のヤング率Egは予め実験的に設定されている。その基板複合体30の全ての共振時は、詳しく言うと、基板複合体30が筐体部材22を含むことに起因した共振時と、基板複合体30が第1基板12を含むことに起因した共振時と、基板複合体30が第2基板13を含むことに起因した共振時とを含む。そして、本実施形態でいう仮想の独立振動状態とは、基板支持構造体10において全ての弾性体24が設けられず第1基板12と第2基板13と筐体部材22とが別々に振動可能な仮想の状態である。
【0118】
以上説明したことを除き、本実施形態は第7実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第7実施形態と共通の構成から奏される効果を第7実施形態と同様に得ることができる。
【0119】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0120】
図15図16に示すように、本実施形態では、弾性体24の配置が第1実施形態と異なっている。
【0121】
本実施形態でも弾性体24は2つ設けられている。その2つの弾性体24は第1方向D1に間隔をあけて並んで配置されている。例えば、2つの弾性体24はそれぞれ、基板12の振動時に振幅が所定の閾値よりも大きくなる箇所に設けられている。
【0122】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20に支持されている。
【0123】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0124】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0125】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0126】
図17図18に示すように、本実施形態では、仮想の独立振動状態で基板12の共振時の変位振幅が最大になる最大振幅位置Pxが、第1被支持部121と第2被支持部122との間において第1方向D1の一方側に偏っている。そのため、弾性体24が、第1被支持部121と第2被支持部122との間において第1方向D1の一方側に偏って配置されている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0127】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20に支持されている。また、本実施形態の弾性体24は1つである。
【0128】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0129】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0130】
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0131】
図19に示すように、本実施形態の基板12は、矩形形状ではない多角形形状を成している。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0132】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。また、本実施形態の弾性体24は1つである。
【0133】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0134】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0135】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0136】
図20に示すように、本実施形態の基板12は、矩形形状ではない四角形形状を成している。例えば、本実施形態の基板12は台形形状を成している。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0137】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。また、本実施形態の弾性体24は1つである。
【0138】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0139】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0140】
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0141】
図21に示すように、本実施形態の基板12は、多角形以外の形状、具体的には楕円形状を成している。その楕円形状の長径方向は第1方向D1に一致する。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0142】
なお、本実施形態でも基板12と筐体部材22は、第1実施形態と同様に、両端支持で基板設置部材20(図1参照)に支持されている。また、本実施形態の弾性体24は1つである。
【0143】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0144】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
【0145】
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0146】
図22に示すように、本実施形態では基板支持構造体10は、第1実施形態の筐体部材22(図1参照)に替えてカバー部材32を備えている。そして、基板支持構造体10は、図1のスペーサ28を備えていない。
【0147】
本実施形態のカバー部材32は、基板併設部33と一対の延伸部34、35とを有している。この基板併設部33と一対の延伸部34、35は一体構成になっており、例えば単一の樹脂部品を構成している。
【0148】
基板併設部33は、本実施形態において第1実施形態の筐体部材22に相当する構成要素である。すなわち、本実施形態の説明で触れない点については、基板併設部33は、第1実施形態の筐体部材22と同じ構成を備えている。
【0149】
従って、本実施形態の基板併設部33は第1実施形態の筐体部材22と同様に、例えば、基板12に対し平行な姿勢で基板12に対して並んでおり、基板12に対し間隔をあけて基板厚み方向Dtの一方側に重なるように配置されている。また、基板併設部33は、第1方向D1の一方側に配置された第1位置固定部221と、第1方向D1の他方側に配置された第2位置固定部222とを有している。また、基板12と基板併設部33は基板複合体30を構成する。なお、この第1、第2位置固定部221、222はそれぞれ1つずつ設けられ、第2方向D2(図2参照)へ延伸するように形成されている。
【0150】
一対の延伸部34、35のうちの一方である一方側延伸部34は、基板12に対し間隔をあけて第1方向D1の一方側に配置され、第1位置固定部221から基板厚み方向Dtの他方側へ延伸している。そして、一方側延伸部34は、その一方側延伸部34が基板厚み方向Dtの他方側に有する端部にて基板設置部材20に固定されている。従って、本実施形態の第1位置固定部221は、一方側延伸部34と基板設置部材20と設置台座26とを介して基板12の第1、第2被支持部121、122に対し固定されている。
【0151】
また、一対の延伸部34、35のうちの他方である他方側延伸部35は、基板12に対し間隔をあけて第1方向D1の他方側に配置され、第2位置固定部222から基板厚み方向Dtの他方側へ延伸している。そして、他方側延伸部35は、その他方側延伸部35が基板厚み方向Dtの他方側に有する端部にて基板設置部材20に固定されている。従って、本実施形態の第2位置固定部222は、他方側延伸部35と基板設置部材20と設置台座26とを介して基板12の第1、第2被支持部121、122に対し固定されている。
【0152】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0153】
(第15実施形態)
次に、第15実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0154】
図23に示すように、本実施形態の基板設置部材40は、第1実施形態の基板設置部材20と比較して異なる形状を有している。そして、基板支持構造体10は、図1のスペーサ28を備えていない。
【0155】
具体的に、本実施形態の基板設置部材40は、ベース部41と一対の延伸部42、43とを有している。このベース部41と一対の延伸部42、43は一体構成になっており、例えば単一の部品を構成している。
【0156】
ベース部41は、本実施形態において第1実施形態の基板設置部材20に相当する構成要素である。すなわち、本実施形態の説明で触れない点については、ベース部41は、第1実施形態の基板設置部材20と同じ構成を備えている。
【0157】
従って、本実施形態のベース部41は第1実施形態の基板設置部材20と同様に、例えば、ベース部41は基板12に対し間隔をあけて基板厚み方向Dtの他方側に配置されている。そして、基板12は、第1、第2被支持部121、122のそれぞれで、ベース部41との間に設置台座26を挟んでベース部41に対して固定されている。
【0158】
本実施形態では、筐体部材22の第1、第2位置固定部221、222はそれぞれ1つずつ設けられ、第2方向D2(図2参照)へ延伸するように形成されている。
【0159】
基板設置部材40の一対の延伸部42、43のうちの一方である一方側延伸部42は、基板12に対し間隔をあけて第1方向D1の一方側に配置され、ベース部41から基板厚み方向Dtの一方側へ延伸している。そして、一方側延伸部42は、その一方側延伸部42が基板厚み方向Dtの一方側に有する端部にて筐体部材22の第1位置固定部221に固定されている。従って、本実施形態の第1位置固定部221は、基板設置部材40と設置台座26とを介して基板12の第1、第2被支持部121、122に対し固定されている。
【0160】
また、一対の延伸部42、43のうちの他方である他方側延伸部43は、基板12に対し間隔をあけて第1方向D1の他方側に配置され、ベース部41から基板厚み方向Dtの一方側へ延伸している。そして、他方側延伸部43は、その他方側延伸部43が基板厚み方向Dtの一方側に有する端部にて筐体部材22の第2位置固定部222に固定されている。従って、本実施形態の第2位置固定部222は、基板設置部材40と設置台座26とを介して基板12の第1、第2被支持部121、122に対し固定されている。
【0161】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0162】
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態では、弾性体24のヤング率Egの調整によって弾性体24の伸縮剛性の最適化が図られているが、これは一例である。その弾性体24の伸縮剛性は弾性体24の形状によっても変化するので、弾性体24の形状の調整によって弾性体24の伸縮剛性の最適化が図られても差し支えない。
【0163】
(2)上述の第1実施形態では、図7に示す第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aとが互いに揃った大きさになるように、弾性体24のヤング率Egが定められているが、これは一例である。その第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aとの相対的な大小関係は、筐体部材22や基板12の曲げ剛性などによっても変動する。そのため、例えば、第1の加速度振幅A1aと第2の加速度振幅A2aとが互いに揃った大きさになるように、筐体部材22または基板12の形状(例えば板厚など)が調整されていても差し支えない。
【0164】
(3)上述の第3実施形態では、図9に示すように、弾性体24はコイルバネで構成されているが、コイルバネではなく板バネで構成されていても差し支えない。
【0165】
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
【0166】
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0167】
10 基板支持構造体
12 基板
22 筐体部材
24 弾性体
30 基板複合体
121 第1被支持部
122 第2被支持部
221 第1位置固定部
222 第2位置固定部
Dt 基板厚み方向(基板の厚み方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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