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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025120597
(43)【公開日】2025-08-18
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250808BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20250808BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20250808BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/09 H
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015491
(22)【出願日】2024-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB26
2F129BB49
2F129CC15
2F129CC20
2F129DD21
2F129DD32
2F129DD63
2F129EE78
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF19
2F129FF24
2F129FF57
2F129FF62
2F129FF71
2F129GG09
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH19
2F129HH20
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】歩行者が横断することを車両に対して自動的に通知する。
【解決手段】プログラムは、ユーザが携行する情報処理装置において動作するプログラムであって、地図データ、ユーザの位置を示す情報、ユーザの移動速度を示す情報、および、ユーザの進行方向を示す情報に基づいて、ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に車道の横断を開始するか否かを判定するステップと、ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に車道の横断を開始すると判定した場合、車道に存在し、ユーザから所定の距離以内にある1以上の車両に、ユーザの移動態様に関する情報である第1情報を送信するステップと、を含む方法を情報処理装置に実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携行する情報処理装置において動作するプログラムであって、
地図データ、前記ユーザの位置を示す情報、前記ユーザの移動速度を示す情報、および、前記ユーザの進行方向を示す情報に基づいて、前記ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に前記車道の横断を開始するか否かを判定するステップと、
前記ユーザが前記車道を横断中であるか、または、所定時間内に前記車道の横断を開始すると判定した場合、前記車道に存在し、前記ユーザから所定の距離以内にある1以上の車両に、前記ユーザの移動態様に関する情報である第1情報を送信するステップと、
を含む方法を
前記情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第1情報は、
前記ユーザの位置を示す情報、前記ユーザの移動速度を示す情報または前記ユーザの進行方向を示す情報を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記地図データは、前記車道の幅を示す情報を含み、
前記第1情報は、前記地図データから抽出された、前記ユーザが横断している、または、所定時間内に前記ユーザが横断を開始する前記車道の幅を示す情報を含む、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ユーザが前記車道を横断中であると判定した場合、
前記第1情報に、前記ユーザが前記車道を横断していることを示すメッセージをさらに含ませる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザが所定時間内に前記車道の横断を開始すると判定した場合、
前記第1情報に、前記ユーザが前記車道の横断を開始すると予測される時刻を示す情報をさらに含ませる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの移動態様を判定し、車両に通知するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者が車道を横断することを通知する技術が知られている。これに関して、例えば、特許文献1には、歩行者が端末等から車道の横断の要望を入力すると、車両に搭載された車両用端末上で、横断者が存在することを示す情報が提示される歩車間通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-145203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、歩行者が横断することを車両に対して自動的に通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、
ユーザが携行する情報処理装置において動作するプログラムであって、地図データ、前記ユーザの位置を示す情報、前記ユーザの移動速度を示す情報、および、前記ユーザの進行方向を示す情報に基づいて、前記ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に前記車道の横断を開始するか否かを判定するステップと、前記ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に前記車道の横断を開始すると判定した場合、前記車道に存在し、前記ユーザから所定の距離以内にある1以上の車両に、前記ユーザの移動態様に関する情報である第1情報を送信するステップと、を含む方法を前記情報処理装置に実行させるためのプログラムである。
【0006】
また、他の態様として、上記の装置が実行する方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、歩行者が横断することを車両に対して自動的に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るプログラムを実行する情報端末が実行する処理の概要を示す図。
図2】実施形態に係るプログラムを実行する情報端末を含むシステムが有する構成要素を説明する図。
図3】実施形態に係るプログラムを実行する情報端末の制御部が実行する処理のフローチャート。
図4】車載端末が実行する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(概要)
歩行者が車道を横断することを車両に通知するシステムがある。
【0010】
しかしながら、従来技術においては、車両に歩行者の横断を通知する際に、横断する歩行者が、携帯端末等に入力操作を行う必要があった。このように、従来技術では、歩行者の横断を車両に通知するためには、歩行者が横断前に携帯端末を操作する必要があり、スムーズに移動を続けることが難しかった。そこで、歩行者が携行する携帯端末等が実行するアプリケーションにおいて、歩行者の携帯端末等への入力操作なしに、自動的に、車両に歩行者の横断を通知できることが望ましい。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、
ユーザが携行する情報処理装置において動作するプログラムであって、地図データ、前記ユーザの位置を示す情報、前記ユーザの移動速度を示す情報、および、前記ユーザの進行方向を示す情報に基づいて、前記ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に前記車道の横断を開始するか否かを判定するステップと、前記ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に前記車道の横断を開始すると判定した場合、前記車道に存在し、前記ユーザから所定の距離以内にある1以上の車両に、前記ユーザの移動態様に関する情報である第1情報を送信するステップと、を含む方法を前記情報処理装置に実行させるためのプログラムである。
【0012】
地図データとは、ユーザが携行する情報処理装置が取得、または、記憶している、道路地図の情報である。
【0013】
ユーザの位置を示す情報とは、ユーザの現在位置を示す緯度経度情報である。ユーザの位置を示す情報は、典型的には、GPS(Global Positioning System)等から取得される。
【0014】
ユーザの移動速度を示す情報とは、ユーザが携行する情報処理装置が備える速度センサ、または加速度センサ等から取得される、ユーザの移動方向における速度を示す情報である。ユーザの移動速度を示す情報は、ユーザの位置を示す情報の過去からの履歴に基づいて、割り出されてもよい。
【0015】
ユーザの進行方向を示す情報とは、ユーザが携行する情報処理装置が備える加速度センサ、ジャイロセンサ等から取得される、ユーザが移動する先の方向を示す情報である。
【0016】
本開示に係るプログラムは、ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に車道の横断を開始するか否かを判定する処理を含む。そして、プログラムは、ユーザが車道を横断中であるか、または、所定時間内に車道の横断を開始すると判定した場合、車道に存在し、ユーザから所定の距離以内にある1以上の車両に、ユーザの移動態様に関する情報である第1情報を送信する処理を、情報処理装置に実行させる。
【0017】
例えば、本開示に係るプログラムは、歩行中のユーザが車道を横断するか否かを判定し、ユーザが車道を横断すると判定した場合、その旨を、車道を走行している車両に通知する。
【0018】
これにより、本開示に係るプログラムは、ユーザが車道を横断することを車両に対して自動的に通知することができる。
【0019】
また、前記第1情報は、前記ユーザの位置を示す情報、前記ユーザの移動速度を示す情報または前記ユーザの進行方向を示す情報を含んでもよい。
【0020】
これにより、本開示に係るプログラムは、ユーザの現在位置、移動速度または進行方向に基づいて、ユーザが車道を横断するか否かを判定することができる。
【0021】
また、前記地図データは、前記車道の幅を示す情報を含み、前記第1情報は、前記地図データから抽出された、前記ユーザが横断している、または、所定時間内に前記ユーザが横断を開始する前記車道の幅を示す情報を含んでもよい。
【0022】
これにより、本開示に係るプログラムは、車両に、ユーザが横断を開始する車道の幅を示す情報を送信することができる。よって、例えば、車両に搭載される車載端末は、ユーザが車道の横断を完了する時刻を算出することができる。
【0023】
また、前記制御部は、前記ユーザが前記車道を横断中であると判定した場合、前記第1情報に、前記ユーザが前記車道を横断していることを示すメッセージをさらに含ませてもよい。
【0024】
これにより、本開示に係るプログラムは、ユーザが車道を横断していることを、当該車道を走行する車両に通知することができる。
【0025】
また、前記制御部は、前記ユーザが所定時間内に前記車道の横断を開始すると判定した場合、前記第1情報に、前記ユーザが前記車道の横断を開始すると予測される時刻を示す情報をさらに含ませてもよい。
【0026】
これにより、本開示に係るプログラムは、歩行者が車道の横断を開始する時刻を車両に通知することができる。よって、例えば、車両は、歩行者が車道の横断を開始するタイミングで当該箇所を走行する場合、予め停止すること等ができる。
【0027】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0028】
(実施形態)
<情報端末の処理の概要>
実施形態に係るプログラムを実行する情報処理装置が行う処理の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係るプログラムを実行する情報端末100が実行する処理の概要を示す図を示す。ここで、実施形態に係るプログラムを実行する情報処理装置は、例えば、ユーザが携行する情報端末100である。情報端末100は、ユーザが車道を横断すると判断した際に、ユーザの移動態様に関する情報を車両10に送信する。情報端末100は、典型的には、スマートフォンまたはタブレット端末である。情報端末100上で、実施形態に係るプログラムが実現するアプリケーションが動作する。
【0029】
まず、情報端末100は、歩行中のユーザの周辺の地図データを取得する。または、情報端末100は、あらかじめ所定の地図データを記憶していてもよい。そして、情報端末100は、歩行中のユーザの現在位置、移動速度、および、進行方向を取得する。
【0030】
そして、情報端末100は、歩行中のユーザが、車道を横断しているか、または、所定時間以内に車道の横断を開始するかを判定する。情報端末100が歩行中のユーザが車道を横断している、または、所定時間以内に車道の横断を開始すると判定した場合、車道を走行している車両10にユーザの移動態様に関する情報を送信する。
【0031】
例えば、情報端末100は、歩行中のユーザが所定時間以内に車道の横断を開始すると
判定した場合、ユーザの現在位置、移動速度および進行方向を示す情報をブロードキャストする。
【0032】
このように、本実施形態では、情報端末100は、歩行者が車道を横断するか否かを判定し、歩行者が車道を横断すると判定した場合、歩行者の移動態様に関する情報を車両10に送信する。
【0033】
<情報端末の構成>
図2は実施形態に係るプログラムを実行する情報端末100を含むシステムが有する構成要素を説明する図である。
【0034】
本実施形態に係る情報端末100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。情報端末100は、ユーザが携行し、ユーザが車道を横断するか否かを判定するアプリケーションがインストールされた端末である。情報端末100は、スマートフォン、または、タブレット端末等で実現されてもよい。
【0035】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、または、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部110は、機能モジュールとして、取得部111、判定部112、および、送信部113を備える。これらの機能モジュールは、プログラムを制御部110によって実行することで実現されてもよい。
【0036】
取得部111は、情報端末100を携行するユーザの現在位置を示す情報、ユーザの移動速度を示す情報、または、ユーザの進行方向を示す情報を取得する。例えば、取得部111は、GPSからユーザの現在位置を取得してもよい。また、例えば、取得部111は、ジャイロセンサ、および、加速度センサ等を用いて計測された移動速度または進行方向を取得してもよい。なお、取得部111は、GPSから取得したユーザの位置情報の履歴から、ユーザの移動方向または進行方向を割り出してもよい。
【0037】
判定部112は、取得部111が取得したユーザの現在位置を示す情報、ユーザの移動速度を示す情報またはユーザの進行方向を示す情報等に基づいて、ユーザが車道を横断中か、または、ユーザが所定時間以内に車道の横断を開始するか否かを判定する。
【0038】
送信部113は、判定部112が、ユーザが車道を横断中か、または、ユーザが所定時間以内に車道の横断を開始すると判定した場合、車両10にユーザの移動態様に関する情報を送信する。ここで、ユーザの移動態様に関する情報は、第1情報の一例である。具体的には、送信部113は、上記の場合、車両10に、ユーザの現在位置を示す情報、ユーザの移動速度を示す情報、または、ユーザの進行方向を示す情報等を送信する。
【0039】
記憶部120は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部110の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0040】
記憶部120は、制御部110が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。また、記憶部120は、地図データ等を記憶してもよい。
【0041】
通信部130は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部130は、例えば、4
G(4th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5G(5th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、LTE(Long Term Evolution)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWA(Low Power Wide
Area)による通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0042】
<車載端末の構成>
次に、車載端末200について説明する。
【0043】
本実施形態に係る車載端末200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、表示部240とを備える。車載端末200は、カーナビゲーションシステム等を実現する情報端末等で実現されてもよい。
【0044】
制御部210は、CPU、または、GPU等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部210は、機能モジュールとして、算出部211、判定部212、および、提示部213を備える。これらの機能モジュールは、プログラムを制御部210によって実行することで実現されてもよい。
【0045】
算出部211は、ユーザの現在位置と車両の走行位置とから、ユーザと車両10との距離を算出する。算出部211は、情報端末100から受信した第1情報に含まれるユーザの現在位置を示す情報と、車両10から取得した車両の走行位置を示す情報に基づいて、ユーザと車両10との距離を算出する。
【0046】
判定部212は、ユーザが車道を横断すると推定される地点と車両10の現在位置との距離が、車両10が、ユーザが車道を横断すると推定される地点までに、車両10の現在速度で運転操作への介入なしに停止できる距離か否かを判定する。一例として、判定部212は、車両10の制動距離と空走距離を加算した距離等に相当する距離が、ユーザが車道を横断すると推定される地点と車両10の現在位置との距離より短いか否かを判定してもよい。
【0047】
提示部213は、車載端末200の表示部240に、ユーザの横断を通知する情報を提示する。例えば、提示部213は、表示部240である車載端末200のディスプレイに、ユーザが横断中であることを示すテキストを表示してもよい。
【0048】
記憶部220は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部210の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0049】
記憶部220は、制御部210が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。また、記憶部220は、情報端末100から受信した第1情報等を記憶してもよい。
【0050】
通信部230は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部230は、例えば、4Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部230は、LTEを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWAによる通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部230は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0051】
表示部240は、液晶パネル、または、有機EL(Electro-Luminescence)パネル等で実現されるディスプレイである。表示部240は、タッチパネルディスプレイでもよい。
【0052】
<情報端末の動作>
次に、情報端末100が行う処理の具体的な内容について説明する。図3は、実施形態に係るプログラムを実行する情報端末100の制御部110が実行する処理のフローチャートである。
【0053】
情報端末100は、ユーザが移動を開始してから所定時間が経ったときに、図3で説明される処理を開始し、それを一定の間隔で、周期的に繰り返す。なお、情報端末100は、ユーザが移動を開始した後、所定時間後に自動的にステップS10を開始する。
【0054】
まず、ステップS10で、取得部111は、ユーザの現在位置を示す情報、ユーザの移動速度を示す情報、または、ユーザの進行方向を示す情報を取得する。具体的には、取得部111は、ユーザが携行する情報端末100のGPSの情報、加速度センサおよびジャイロセンサが検知したデータを取得してもよい。また、取得部111は、外部から地図データを取得してもよい。なお、地図データには、車道の幅を示す情報が含まれていてもよい。
【0055】
続いて、ステップS11で、判定部112は、記憶部120に記録された地図データと、取得部111が取得したユーザの現在位置、移動速度、および、進行方向等に基づいて、ユーザの現在位置からユーザの進行方向に存在する車道までの距離を計算する。
【0056】
次に、ステップS12で、判定部112は、ユーザがt秒以内に車道に進入するか否かを判定する。判定部112は、ステップS11で算出したユーザの現在位置からユーザの進行方向に存在する車道までの距離を、ユーザの移動速度で除して、ユーザが当該車道に到達するまでの時間を算出する。そして、判定部112は、算出した時間がt秒より短いか否かを判定する。判定部112は、算出した時間がt秒より短い場合、ユーザがt秒以
内に車道に進入すると判定する。また、路肩または歩道にいるユーザが、道の反対側の方向を向いて立ち止まっているような場合、道路を横断するタイミングを窺っていることが推定される。このように、ユーザが所定の行動を取っている場合に、当該ユーザが車道に向かってt秒以内に歩き出す可能性があると推定してもよい。ユーザが所定の行動を取っていることは、例えば、機械学習モデルを用いて判定してもよい。本ステップは、判定部112が、ユーザがt秒以内に車道に進入すると判定する場合に、肯定判定となる。
【0057】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS13に遷移する。
【0058】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS14に遷移する。
【0059】
処理がステップS13に遷移した場合、送信部113は、ユーザの移動態様に関する情報である第1情報をブロードキャストする。ブロードキャストされた第1情報は、車道に存在し、ユーザから所定の距離以内にある1以上の車両10によって受信される。つまり
、第1情報は一斉に送信され、ユーザが車道を横断する時にユーザが横断する箇所の車道を走行していると想定される車両10によって受信されうる。
【0060】
第1情報には、ユーザの現在位置、ユーザの移動速度、または、ユーザの進行方向が含まれる。また、第1情報には、地図データから抽出された、ユーザが横断している、または、所定時間内にユーザが横断を開始する車道の幅を示す情報が含まれてもよい。
【0061】
続いて、ステップS14で、判定部112は、ユーザが既に車道内にいるか否かを判定する。判定部112は、ユーザの現在位置が、地図データ上の車道の位置と一致しているかを判定してもよい。判定部112は、ユーザの現在位置が、地図データ上の車道の位置と一致している場合、ユーザが既に車道内にいると判定する。本ステップは、判定部112が、ユーザが既に車道内にいると判定した場合、肯定判定となる。
【0062】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS13に遷移する。
【0063】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS10に遷移する。
【0064】
<車載端末の動作>
続いて、車載端末200の動作について説明する。図4は、車載端末200が実行する処理のフローチャートである。
【0065】
ここで、車載端末200は、例えば、カーナビゲーションシステム等を実現する情報端末であってもよい。制御部210は、車載端末200は、情報端末100から第1情報を受信したあと、ステップS20を開始する。
【0066】
まず、ステップS20で、算出部211は、ユーザの現在位置と自車両の走行位置とから、ユーザが車道を横断すると推定される地点と車両10の現在位置との距離を算出する。
【0067】
次に、ステップS21で、判定部212は、ユーザが車道を横断すると推定される地点と車両10の現在位置との距離が、車両10が、ユーザが車道を横断すると推定される地点までに、車両10の現在速度で運転操作への介入なしに停止できる距離か否かを判定する。一例として、判定部212は、車両10の制動距離と空走距離を加算した距離等に相当する距離が、算出したユーザと車両10との距離より短いか否かを判定してもよい。なお、判定部212が上記判定を行う方法は、これに限られない。本ステップは、ユーザが車道を横断すると推定される地点と車両10の現在位置との距離が、車両10の現在速度で運転操作への介入なしに、ユーザが車道を横断すると推定される地点までに停止できる距離であると判定した場合、肯定判定となる。
【0068】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS22に遷移する。
【0069】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS23に遷移する。
【0070】
処理がステップS22に遷移した場合、提示部213は、車載端末200の表示部240に、ユーザの横断を通知する情報を提示する。例えば、提示部213は、表示部240に、ユーザが横断中である旨を示すテキストメッセージを表示してもよい。また、提示部213は、音声でユーザが横断中である旨を示すメッセージを出力してもよい。
【0071】
ステップS23で、判定部212は、車両10に搭載された、車両10を自動的に停止させる機能を用いて、車両10を安全に停止させる。
【0072】
これにより、本実施形態では、情報端末100は、歩行中のユーザが車道を横断するか否かを判定し、ユーザが車道を横断すると判定した場合、ユーザの現在位置、移動速度、進行方向等のユーザの移動態様を示す情報を、ブロードキャストすることができる。そして、車載端末200は、情報端末100から受信したユーザの移動態様を示す情報に基づいて、車両10のドライバに歩行者の横断があることを通知し、または、車両10を自動
的に停車させることができる。つまり、情報端末100は、歩行者が横断することを車両10に対して自動的に通知することができる。
【0073】
(変形例1)
続いて、第1の実施形態の変形例の1つについて説明する。
【0074】
情報端末100の制御部110は、図3で説明されたS14で、ユーザが既に車道内にいると判定した場合(S14でYESと判定した場合)、ユーザが車道を横断中であることを示すメッセージを、ブロードキャスト送信してもよい。
【0075】
(変形例2)
次に、第1の実施形態の別の変形例について説明する。
【0076】
また、制御部110は、図3で説明されたS12で、ユーザがt秒以内に車道に進入すると判定した場合(S12でYESと判定した場合)、ユーザが車道の横断を開始する時刻を示す情報を送信してもよい。例えば、制御部110は、ユーザの現在位置から、ユーザの進行方向の先にある車道までの距離を、その時点でのユーザの移動速度で除して得られた時間の長さだけ、現在時刻から先の時刻を、車両に送信してもよい。ユーザが車道の横断を開始する時刻は、絶対時刻で示されてもよいし、相対時刻で示されてもよい。また、ユーザが車道の横断を開始する時刻は、現時点から所定時間後であると示されてもよい。
【0077】
(変形例3)
また、算出部211は、ステップS20で、ユーザの現在位置と車両10の走行位置とから、ユーザと車両10との距離を算出する際に、情報端末100から受信した第1情報に含まれる車道の幅を示す情報に基づいて、ユーザが車道の横断を完了する時刻を求めてもよい。例えば、算出部211は、ユーザが車道を所定時間後に横断し終えると算出してもよい。これにより、単にユーザの現在位置からユーザが車道を横断していると判定するのではなく、車両10が、ユーザが横断している箇所に到達する時点で、ユーザが車道の横断を完了している場合、ユーザが、車両10が、ユーザが横断していた位置に到達した時点で、車道内に存在しないと判定することができる。
【0078】
(その他の変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0079】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0080】
100・・・情報端末
110・・・制御部
111・・・取得部
112・・・判定部
113・・・送信部
120・・・記憶部
130・・・通信部
図1
図2
図3
図4