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特開2025-1210映像配信システム、及び、映像配信方法
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  • 特開-映像配信システム、及び、映像配信方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001210
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】映像配信システム、及び、映像配信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/218 20110101AFI20241225BHJP
   H04N 21/2743 20110101ALI20241225BHJP
   H04N 21/61 20110101ALI20241225BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241225BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20241225BHJP
   B64U 101/30 20230101ALN20241225BHJP
【FI】
H04N21/218
H04N21/2743
H04N21/61
B64U10/13
B64U20/87
B64U101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100683
(22)【出願日】2023-06-20
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520028782
【氏名又は名称】株式会社Jシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】後山 潤一
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SA21P
5C164SD12P
5C164TA22P
(57)【要約】
【課題】 ドローンにより撮影された映像を活用する。
【解決手段】 映像配信システムは、ドローンにより撮影された映像を転送する転送装置と、前記転送装置により転送された映像のデータを中継する中継装置と、前記中継装置により中継された映像データを蓄積し、ウェブブラウザからの要求に応じて、蓄積された映像データを配信する映像配信装置とを含む。前記映像配信装置は、前記ドローンそれぞれにより撮影された映像データを、撮影したドローンの属性情報に関連付けて格納する映像格納部と、映像の閲覧者により指定された属性情報に基づいて、前記映像格納部に格納されている映像データの中から、出力すべき映像データを選択する選択部と、前記選択部により選択された映像データを閲覧者の端末に表示させる表示制御部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンにより撮影された映像を転送する転送装置と、
前記転送装置により転送された映像のデータを中継する中継装置と、
前記中継装置により中継された映像データを蓄積し、ウェブブラウザからの要求に応じて、蓄積された映像データを配信する映像配信装置と
を含む映像配信システム。
【請求項2】
前記転送装置は、前記ドローンに接続されたモバイル端末であり、このモバイル端末の画面をミラーリング出力することにより、前記ドローンにより撮影された映像を前記中継装置にリアルタイムで転送する
請求項1に記載の映像配信システム。
【請求項3】
複数のドローンそれぞれに接続された複数の前記転送装置及び複数の前記中継装置が含まれており、
前記映像配信装置は、
前記中継装置により中継される複数の映像データを、それぞれの映像データを撮影したドローンの属性情報に関連付けて格納する映像格納部と、
前記映像格納部により格納された映像データを、関連付けられた属性情報に応じて表示させる表示制御部と
を有する
請求項2に記載の映像配信システム。
【請求項4】
複数のドローンと、これらの前記ドローンにより撮影された映像データを配信する映像配信装置とを含む映像配信システムであって、
前記映像配信装置は、
前記ドローンそれぞれにより撮影された映像データを、撮影したドローンの属性情報に関連付けて格納する映像格納部と、
映像の閲覧者により指定された属性情報に基づいて、前記映像格納部に格納されている映像データの中から、出力すべき映像データを選択する選択部と、
前記選択部により選択された映像データを閲覧者の端末に表示させる表示制御部と
を有する
映像配信システム。
【請求項5】
前記属性情報は、前記ドローンそれぞれの存在位置を示す位置情報であり、
前記選択部は、閲覧者により指定された位置情報に基づいて、出力すべき映像データを選択する
請求項4に記載の映像配信システム。
【請求項6】
前記属性情報は、前記ドローンそれぞれにより映像が撮影された日時を示す日時情報であり、
前記選択部は、閲覧者により指定された日時に基づいて、出力すべき映像データを選択し、
前記表示制御部は、前記選択部により選択された映像データを閲覧者の端末に一覧表示させる
請求項4又は5に記載の映像配信システム。
【請求項7】
コンピュータが、ドローンにより撮影された映像を転送する転送ステップと、
コンピュータが、前記転送ステップにより転送された映像のデータを中継する中継ステップと、
コンピュータが、前記中継ステップにより中継された映像データを蓄積し、ウェブブラウザからの要求に応じて、蓄積された映像データを配信する映像配信ステップと
を有する映像配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システム、及び、映像配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、仮想カメラを構成する、コンピュータによって実行される方法であって、第1の表示領域に表示されるシーンの描写における位置を特定するポインティング操作を、電子デバイスのインタフェースにおいて受信することと、前記ポインティング操作の前記位置から遠ざかる連続した動きを含む、前記第1の表示領域における更なる操作を、前記インタフェースにおいて受信することと、前記ポインティング操作の前記位置及び少なくとも前記更なる操作の方向に基づいて前記仮想カメラを構成することと、を含み、前記構成された仮想カメラに対応する画像は、前記第1の表示領域と異なる第2の表示領域に表示される、方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-523668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ドローンにより撮影された映像を活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る映像配信システムは、ドローンにより撮影された映像を転送する転送装置と、前記転送装置により転送された映像のデータを中継する中継装置と、前記中継装置により中継された映像データを蓄積し、ウェブブラウザからの要求に応じて、蓄積された映像データを配信する映像配信装置とを含む。
【0006】
好適には、前記転送装置は、前記ドローンに接続されたモバイル端末であり、このモバイル端末の画面をミラーリング出力することにより、前記ドローンにより撮影された映像を前記中継装置にリアルタイムで転送する。
【0007】
好適には、複数のドローンそれぞれに接続された複数の前記転送装置及び複数の前記中継装置が含まれており、前記映像配信装置は、前記中継装置により中継される複数の映像データを、それぞれの映像データを撮影したドローンの属性情報に関連付けて格納する映像格納部と、前記映像格納部により格納された映像データを、関連付けられた属性情報に応じて表示させる表示制御部とを有する。
【0008】
また、本発明に係る映像配信システムは、複数のドローンと、これらの前記ドローンにより撮影された映像データを配信する映像配信装置とを含む映像配信システムであって、前記映像配信装置は、前記ドローンそれぞれにより撮影された映像データを、撮影したドローンの属性情報に関連付けて格納する映像格納部と、映像の閲覧者により指定された属性情報に基づいて、前記映像格納部に格納されている映像データの中から、出力すべき映像データを選択する選択部と、前記選択部により選択された映像データを閲覧者の端末に表示させる表示制御部とを有する。
【0009】
好適には、前記属性情報は、前記ドローンそれぞれの存在位置を示す位置情報であり、前記選択部は、閲覧者により指定された位置情報に基づいて、出力すべき映像データを選択する。
【0010】
好適には、前記属性情報は、前記ドローンそれぞれにより映像が撮影された日時を示す日時情報であり、前記選択部は、閲覧者により指定された日時に基づいて、出力すべき映像データを選択し、前記表示制御部は、前記選択部により選択された映像データを閲覧者の端末に一覧表示させる。
【0011】
また、本発明に係る映像配信方法は、コンピュータが、ドローンにより撮影された映像を転送する転送ステップと、コンピュータが、前記転送ステップにより転送された映像のデータを中継する中継ステップと、コンピュータが、前記中継ステップにより中継された映像データを蓄積し、ウェブブラウザからの要求に応じて、蓄積された映像データを配信する映像配信ステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドローンにより撮影された映像を活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】映像配信システム1の全体構成を例示する図である。
図2】映像配信装置2のハードウェア構成を例示する図である。
図3】映像配信装置2の機能構成を例示する図である。
図4】映像情報DB370に格納される情報を例示する図である。
図5】映像配信システム1における閲覧処理(S10)を説明するフローチャートである。
図6】映像配信システム1における警戒時処理(S20)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、映像配信システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、映像配信システム1は、映像配信装置2と、中継装置6と、複数のドローン8と、各ドローン8を操縦するためのコントローラ70と、各コントローラ70に接続される転送装置72とを有する。映像配信装置2は、LTE通信回線やインターネット網などを介して中継装置6と接続されている。また、中継装置6は、WiFiなどの無線通信により転送装置72と接続している。コントローラ70は、無線通信によりドローン8と接続している。
映像配信装置2は、コンピュータ端末であり、ドローン8により撮影された映像のデータを、転送装置72及び中継装置6を経由して受信し、受信した映像データを閲覧端末9に配信する。
【0015】
中継装置6は、通信機能を有するコンピュータ端末であり、転送装置72により転送された映像データを映像配信装置2に送信する。本例の中継装置6は、防水ケースに封入された映像配信装置(例えば、Live Shell X)であり、バッテリ駆動によりWiFi通信、LTE通信及び映像データの中継処理を行う。
【0016】
コントローラ70は、ドローン8を操縦するためのコントローラである。
転送装置72は、コントローラ70に接続されるモバイル端末であり、コントローラ70で受信した映像データをミラーリング出力することで中継装置6に転送する。本例の転送装置72は、ドローン8のアプリ及びWiFi接続アプリがインストールされたスマートフォンであり、コントローラ70に物理的に接続され、ドローン8のコントローラの一部として機能する。
ドローン8は、コントローラ70に操縦されるドローンであり、空中をホバリングしながら映像を撮影し、撮影された映像データをコントローラ70及び転送装置72に送信する。
【0017】
上記構成において、転送装置72が、ドローン8により撮影された映像を、このドローン8の属性情報(ドローンの位置情報及び撮影日時情報)に関連付けて中継装置6に転送し、中継装置6が、転送装置72から受信した映像データ及び属性情報を映像配信装置2に転送し、映像配信装置2が、中継装置6から受信した映像データ及び属性情報を蓄積し、閲覧端末9のウェブブラウザからの要求に応じて、蓄積された映像データを閲覧端末9に配信する。映像データの配信には、ドローン9による撮影タイミングとほぼ同時刻に行うリアルタイム配信と、ドローン9による撮影から一定期間経過後のアーカイブ配信とが含まれる。リアルタイム配信では、転送装置72による転送処理、及び、中継装置6による中継処理は即時に実行される。
【0018】
図2は、映像配信装置2のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、映像配信装置2は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラムやその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
なお、転送装置72も映像配信装置2と同様のハードウェア構成を採る。
【0019】
図3は、映像配信装置2の機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、本例の映像配信装置2には、サーバプログラム3がインストールされ、映像情報データベース370(映像情報DB370)が構成されている。
サーバプログラム3は、画像データ取得部300、属性情報取得部310、検索条件取得部320、カメラ選択部330、及び表示制御部340を有する。
なお、サーバプログラム3の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、サーバプログラム3は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して映像配信装置2にインストールされる。
【0020】
サーバプログラム3において、画像データ取得部300は、ドローン8により撮影された映像データを取得する。本例の画像データ取得部300は、ドローン8により撮影された動画像の映像データを、転送装置72及び中継装置6を介して取得し、映像情報DB370に登録する。
属性情報取得部310は、映像データを撮影したドローン8の属性情報を取得する。本例の属性情報取得部310は、ドローン8の識別情報(ドローンID)、ドローン8の位置情報、及び、ドローン8により映像が撮影された日時情報を、転送装置72及び中継装置6を介して取得し、映像情報DB370に登録する。これにより、ドローン8により撮影された映像データ及び属性情報は、図4に例示するように、互いに関連付けられた状態で映像情報DB370に登録される。
【0021】
検索条件取得部320は、ドローン8又は映像を検索するための検索条件を取得する。本例の検索条件取得部320は、インターネットを介して、閲覧端末9から、ドローン8又は映像を検索するための検索条件を取得する。
【0022】
カメラ選択部330は、映像の閲覧者により指定された属性情報に基づいて、映像情報DB370に格納されている映像データの中から、出力すべき映像データを選択する。より具体的には、カメラ選択部330は、検索条件取得部320により取得された検索条件と、映像情報DB370に登録されている属性情報とに基づいて、ドローン8、又は、これにより撮影された映像データを選択する。本例のカメラ選択部330は、管理下にあるドローン8のドローンIDを閲覧端末9で入力することにより、これらのドローン8により撮影された映像データを選択する。
また、カメラ選択部330は、閲覧端末9から送信された位置情報又は撮影日時情報に基づいて、ドローン8を選択し、選択されたドローン8により撮影された映像を配信させる。なお、カメラ選択部330は、本発明に係る選択部の一例である。
【0023】
表示制御部340は、画像データ取得部300により取得された映像データの中から、カメラ選択部330により選択された映像データを閲覧端末9に表示させる。本例の表示制御部340は、カメラ選択部330により選択された映像データをウェブページに配列し、閲覧端末9のウェブブラウザに一覧表示させる。
【0024】
図4は、映像情報DB370に格納される情報を例示する図である。
図4に例示するように、映像情報DB370は、ドローン8を識別するドローンIDに関連付けて、ドローン8の現在の位置を示す現在位置情報と、ドローン8により撮影された映像の映像ファイルと、この映像ファイルが撮影された場所を示す撮影位置情報と、この映像ファイルが撮影された日時を示す撮影日時情報とを格納する。
【0025】
図5は、映像配信システム1における閲覧処理(S10)を説明するフローチャートである。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、映像配信装置2のカメラ選択部330(図3)は、閲覧端末9から送信されたユーザID及びパスワードに基づいて、閲覧を要求するユーザの認証を行い、認証に成功した場合に、このユーザに閲覧権限が付与されているドローンのIDを特定してS105の処理に移行し、既定回数だけ認証に失敗した場合に、閲覧処理(S10)を終了する。
【0026】
ステップ105(S105)において、検索条件取得部320は、閲覧端末9のウェブブラウザを介して入力された領域条件(撮影位置に関する検索条件)を取得する。
ステップ110(S110)において、検索条件取得部320は、閲覧端末9のウェブブラウザを介して入力された日時条件(撮影日時に関する検索条件)を取得する。
【0027】
ステップ115(S115)において、カメラ選択部330は、映像情報DB370を参照して、検索条件取得部320により取得された領域条件及び日時条件に合致する撮影データを選択する。
ステップ120(S120)において、表示制御部340は、カメラ選択部330により選択された映像のデータファイルをウェブページ上に配列して閲覧端末9のウェブブラウザに表示させる。
【0028】
ステップ125(S125)において、サーバプログラム3は、閲覧端末9において検索条件の変更操作が行われた場合に、S105の処理に戻り、変更された領域又は日時の映像データを取得して表示させ、閲覧端末9において閲覧終了操作が行われた場合に、閲覧処理(S10)を終了する。
【0029】
図6は、映像配信システム1における警戒時処理(S20)を説明するフローチャートである。
図6に示すように、ステップ200(S200)において、検索条件取得部320は、インターネット等を介して、ウェブサイトで発表される犯罪や災害等の警戒情報を定期的に取得する。
ステップ205(S205)において、サーバプログラム3は、犯罪や災害の警戒情報が取得された場合に、S210の処理に移行し、警戒情報が取得されなかった場合に、S200の処理に戻って待機する。
【0030】
ステップ210(S210)において、カメラ選択部330は、検索条件取得部320により取得された警戒情報に基づいて、警戒対象となる地域の位置情報を領域条件とし、映像情報DB370に格納されているドローン8の現在位置及び撮影位置とに基づいて、警報が発せられた地域に存在するドローン8、又は、警報が発せられた地域で撮影された映像データを選択する。
ステップ215(S215)において、表示制御部340は、カメラ選択部330により選択されたドローン8により撮影されている映像データ、又は、カメラ選択部330により選択された映像データ(過去に撮影されたもの)を配列して閲覧端末9に一連表示させる。
これにより、例えば、犯罪や自然災害が発生した地域の映像を効率的に収集して表示し、現場の状況を確認できる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態における映像配信システム1によれば、ドローン8により撮影された映像をウェブベースで簡易に閲覧することができる。
また、映像配信システム1によれば、多数存在するドローン8又は映像を検索条件で絞り込み、一覧表示することができる。
【符号の説明】
【0032】
1…映像配信システム
2…映像配信装置
3…サーバプログラム
6…中継装置
70…コントローラ
72…転送装置
8…ドローン
図1
図2
図3
図4
図5
図6