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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012130
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】力情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/22 20060101AFI20250117BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B25J9/22 A
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114721
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田名網 克周
(72)【発明者】
【氏名】林 美由希
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707JU03
3C707JU07
3C707KS17
3C707KS20
3C707KS24
3C707KS33
3C707KT15
3C707KX06
3C707LS02
(57)【要約】
【課題】作業者が、ワークに作用している絶対座標系の力やモーメントを容易に把握できる力情報表示装置を提供する。
【解決手段】制御部(11)は、ジャイロセンサ(53)から入力された角速度からロボットハンド(40)の変位した角度を算出する第1算出処理と、ロボットハンド(40)の変位した角度に基づいて、力覚センサ(51)から入力された力覚センサに固定された力覚センサ座標系の力とモーメントの少なくとも一方を、大地に固定された絶対座標系の力またはモーメントに変換してディスプレイ(14)に表示する第1表示処理、または、ロボットハンド(40)の変位した角度に基づいて、絶対座標系と力覚センサ座標系との関係をディスプレイ(14)に表示する第2表示処理と、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームとロボットハンドとの間に配置された力覚センサとジャイロセンサとからそれぞれの検出信号が入力される信号入力部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記信号入力部を介して前記ジャイロセンサから入力された角速度から前記ロボットハンドの変位した角度を算出する第1算出処理と、
前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記信号入力部を介して前記力覚センサから入力された前記力覚センサに固定された力覚センサ座標系の力とモーメントの少なくとも一方を、大地に固定された絶対座標系の力またはモーメントに変換してディスプレイに表示する第1表示処理、または、
前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記絶対座標系と前記力覚センサ座標系との関係を前記ディスプレイに表示する第2表示処理と、
を実行する力情報表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2表示処理にて、さらに、
前記絶対座標系に対する前記力覚センサ座標系の傾斜角度を前記ディスプレイに表示する、
請求項1に記載の力情報表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2表示処理にて、さらに、
前記信号入力部を介して前記力覚センサから入力された前記力覚センサ座標系の前記力と前記モーメントの少なくとも一方を前記ディスプレイに表示する、
請求項1または2に記載の力情報表示装置。
【請求項4】
加速度センサと、
前記ロボットハンドの質量を予め記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記第2表示処理にて、さらに、
前記信号入力部を介して前記加速度センサから入力された加速度と前記ロボットハンドの質量とから前記力覚センサ座標系における前記ロボットハンドの慣性力を算出し、
前記力覚センサ座標系の前記力から前記慣性力を減算した修正力を前記ディスプレイに表示する、
請求項3に記載の力情報表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記修正力と前記加速度センサによって検出された前記修正力が作用する方向の加速度と重力加速度とに基づいて、前記ロボットハンドに把持されたワークの質量を算出する第2算出処理と、
前記ワークの質量に重力加速度を乗算して前記ワークの重量を算出する第3算出処理と、
を実行する、
請求項4に記載の力情報表示装置。
【請求項6】
加速度センサと、
前記ロボットハンドの質量を予め記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記第1表示処理にて、さらに、
前記信号入力部を介して前記加速度センサから入力された加速度と前記ロボットハンドの質量とから前記力覚センサ座標系における前記ロボットハンドの慣性力を算出する第4算出処理と、
前記力覚センサ座標系の前記力から前記慣性力を減算した修正力を算出する第5算出処理と、
前記力覚センサ座標系の前記修正力と前記モーメントの少なくとも一方と、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度とに基づいて、前記絶対座標系の力またはモーメントに変換する第1変換処理と、
を実行し、
前記第1変換処理で変換した前記絶対座標系の力またはモーメントをディスプレイに表示する、
請求項1に記載の力情報表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記修正力と前記加速度センサによって検出された前記修正力が作用する方向の加速度と重力加速度とに基づいて、前記ロボットハンドに把持されたワークの質量を算出する第6算出処理と、
前記ワークの質量に重力加速度を乗算して前記ワークの重量を算出する第7算出処理と、
を実行する、
請求項6に記載の力情報表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力覚センサで検出した力情報を表示する力情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ダイレクトティーチングが可能な研磨ロボットが記載されている。研磨ロボットは、ロボットアームの先端部にジョイント部を介して、研磨されるワークが取り付けられる。また、ロボットアームとジョイント部との間に力覚センサが取り付けられている旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-44449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなロボットアームに取り付けられた力覚センサに作用する力とモーメントの少なくとも一方をモニタリングした場合、力覚センサに固定された力覚センサ座標系の座標軸が、大地に固定された絶対座標系の座標軸に対して傾斜する。そのため、力覚センサに作用する力覚センサ座標系の力およびモーメントが、絶対座標系の力およびモーメントと異なり、作業者がワークに作用している絶対座標系の力やモーメントを把握しづらいという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、作業者が、ワークに作用している絶対座標系の力やモーメントを容易に把握できる力情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る力情報表示装置では、ロボットアームとロボットハンドとの間に配置された力覚センサとジャイロセンサとからそれぞれの検出信号が入力される信号入力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記信号入力部を介して前記ジャイロセンサから入力された角速度から前記ロボットハンドの変位した角度を算出する第1算出処理と、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記信号入力部を介して前記力覚センサから入力された前記力覚センサに固定された力覚センサ座標系の力とモーメントの少なくとも一方を、大地に固定された絶対座標系の力またはモーメントに変換してディスプレイに表示する第1表示処理、または、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記絶対座標系と前記力覚センサ座標系との関係を前記ディスプレイに表示する第2表示処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、絶対座標系の力とモーメントの少なくとも一方が、または、絶対座標系と力覚センサ座標系との関係がディスプレイに表示されるため、作業者が、ワークに作用している絶対座標系の力やモーメントを容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る力情報表示システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】実施形態1に係る力情報表示装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る制御部が実行する第1力情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
図4】実施形態1に係る力情報表示装置のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
図5】実施形態2に係る制御部が実行する第2力情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
図6】実施形態2に係る力情報表示装置のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した実施形態1および実施形態2について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0010】
[実施形態1]
[力情報表示システム100の概略構成]
先ず、本開示の実施形態1に係る力情報表示システム100の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る力情報表示システム100の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、力情報表示システム100は、力情報表示装置10と、ロボットアーム30と、ロボットハンド40と、力覚センサ51と、3軸加速度センサ52と、3軸ジャイロセンサ53とを備える。なお、ロボットアーム30は、ダイレクトティーチングやオンラインティーチングなどによるティーチングが可能に構成されている。
【0011】
[ロボットアーム30の概略構成]
ロボットアーム30は、複数のアーム31を含む多関節アームである。ロボットアーム30は、4本のアーム31が3つの関節32で連結されている。但し、ロボットアーム30に含まれるアーム31の数は4本だけに限定されず、アーム31を連結する関節32の数も3つだけに限定されない。
【0012】
ロボットハンド40は、不図示のアクチュエータにより開閉動作される2本の爪41により、ワークWを把持可能に構成されている。ロボットハンド40は、力覚センサ51と、3軸加速度センサ52と、3軸ジャイロセンサ53とを介してロボットアーム30に装着されている。ロボットアーム30は、6自由度を有し、ロボットハンド40の位置および姿勢を変更可能に支持している。
【0013】
力覚センサ51は、自身に作用する力およびモーメントの方向および大きさを検出する。力覚センサ51は、軸方向をZ軸方向とする力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、X軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとを検出する6軸力覚センサである。力覚センサ51は、ロボットハンド40と同軸に配置されている。ここで、力覚センサ51に固定された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸の一例を、図1に実線で示す。また、鉛直方向をZ軸方向とする大地に固定された絶対座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸の一例を、図1に破線で示す。
【0014】
従って、力覚センサ51は、ロボットハンド40に作用するX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、X軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとを検出する。以降、FX、FY、FZ、MX、MY、MZを、力の成分、または、単に検出値とも記載する。力覚センサ51は、検出値に関する信号を力情報表示装置10へ出力する。
【0015】
3軸加速度センサ52は、自身に作用する加速度を検出する。3軸加速度センサ52は、Z軸方向を力覚センサ51のZ軸と同軸に配置され、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の加速度成分AX、AY、AZを検出する。以降、AX、AY、AZを加速度の成分、または、単に検出値とも記載する。3軸加速度センサ52は、検出値に関する信号を力情報表示装置10へ出力する。
【0016】
3軸ジャイロセンサ53は、自身に作用する角速度を検出する。3軸ジャイロセンサ53は、Z軸方向を力覚センサ51のZ軸と同軸に配置され、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とする角速度成分WX、WY、WZを検出する。以降、WX、WY、WZを角速度の成分、または、単に検出値とも記載する。3軸ジャイロセンサ53は、検出値に関する信号を力情報表示装置10へ出力する。
【0017】
[力情報表示装置10の概略構成]
力情報表示装置10の概略構成について図1および図2に基づいて説明する。図2は、実施形態1に係る力情報表示装置10の電気的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、力情報表示装置10は、制御部11と、操作部12と、通信部13と、ディスプレイ14と、記憶部15と、信号入力部16とを有する。
【0018】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。制御部11は、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせで構成してもよい。
【0019】
記憶部15は、半導体RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ODD(Optical Disk Drive)、又は、これらの組み合わせで構成される。制御部11は、記憶部15に記憶された各種のプログラムや各種パラメータに基づいて、種々の演算処理を実行する。
【0020】
操作部12は、複数のボタンスイッチで構成され、ボタンスイッチを押下することによって、電源のオン、オフ、各種指示の入力などを行うことができる。通信部13は、PC(Personal Computer)等と通信するための通信インタフェースの一例として機能する。ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成されている。ディスプレイ14は、例えば、図4に示すように、ワークWに作用する力覚センサ座標系の力の成分や3軸の座標軸などを表示する。
【0021】
信号入力部16は、力覚センサ51と、3軸加速度センサ52と、3軸ジャイロセンサ53とが電気的に接続されている。信号入力部16は、力覚センサ51と、3軸加速度センサ52と、3軸ジャイロセンサ53とから入力されたそれぞれの検出信号から検出した検出値を、制御部11に出力する。制御部11は、信号入力部16から入力された力覚センサ51と3軸加速度センサ52と3軸ジャイロセンサ53との各検出値を記憶部15に記憶する。
【0022】
[第1力情報表示処理]
次に、ロボットハンド40にワークWを把持した状態で、ロボットアーム30のティーチングを実施している際に、力情報表示装置10の制御部11が実行する第1力情報表示処理の一例について図3および図4に基づいて説明する。図3は、力情報表示装置10の制御部11が実行する第1力情報表示処理の一例を示すフローチャートである。図4は、力情報表示装置10のディスプレイ14に表示された表示画面の一例を示す図である。なお、図3に示す第1力情報表示処理のプログラムは、記憶部15に予め記憶されている。
【0023】
図3に示すように、ステップS11において、制御部11は、信号入力部16から入力された力覚センサ51と、3軸加速度センサ52と、3軸ジャイロセンサ53とのそれぞれの検出値を取得した後、ステップS12の処理に進む。
【0024】
具体的には、制御部11は、力覚センサ51から入力された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとを記憶部15に記憶する。制御部11は、3軸加速度センサ52から入力された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の加速度成分AX、AY、AZを記憶部15に記憶する。制御部11は、3軸ジャイロセンサ53から入力された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とする角速度成分WX、WY、WZを記憶部15に記憶する。
【0025】
ステップS12において、制御部11は、3軸ジャイロセンサ53の力覚センサ座標系の3軸を回転軸とする角速度成分WX、WY、WZを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、読み出した角速度成分WX、WY、WZからロボットハンド40の変位した角度、つまり、ワークWの変位した後の向きを算出して、記憶部15に記憶する。
【0026】
また、制御部11は、3軸加速度センサ52の力覚センサ座標系の3軸方向の加速度成分AX、AY、AZを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、読み出した加速度成分AX、AY、AZからロボットハンド40の3軸方向の移動した距離、つまり、ワークWの3軸方向の移動した距離を算出して、記憶部15に記憶した後、ステップS13の処理に進む。
【0027】
ステップS13において、制御部11は、ロボットハンド40の質量MHを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、3軸加速度センサ52の力覚センサ座標系の3軸方向の加速度成分AX、AY、AZを記憶部15から順番に読み出して、ロボットハンド40の質量MHを乗算して、ロボットハンド40の3軸方向の慣性力成分FAX、FAY、FAZを算出する。制御部11は、ロボットハンド40の3軸方向の慣性力成分FAX、FAY、FAZを記憶部15に記憶した後、ステップS14の処理に進む。なお、ロボットハンド40の質量MHは、予め記憶部15に記憶されている。
【0028】
ステップS14において、制御部11は、力覚センサ51から入力された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、ロボットハンド40の3軸方向の慣性力成分FAX、FAY、FAZとを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、3軸方向の力成分FX、FY、FZから3軸方向の慣性力成分FAX、FAY、FAZをそれぞれ減算して、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZ(修正力)として記憶部15に記憶する。その後、制御部11は、ステップS15の処理に進む。
【0029】
ステップS15において、制御部11は、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZ(修正力)を記憶部15から読み出す。また、制御部11は、上記ステップS11で記憶部15に記憶した力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZを読み出す。そして、制御部11は、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZ(修正力)と、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとをディスプレイ14に表示する。その後、制御部11は、ステップS16の処理に進む。
【0030】
なお、制御部11は、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZ(修正力)と、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとのうちの少なくとも一成分をディスプレイ14に表示するようにしてもよい。
【0031】
ステップS16において、制御部11は、鉛直方向をZ軸方向とする絶対座標系のX軸、Y軸、Z軸の座標軸をディスプレイ14に表示する。また、制御部11は、上記ステップS12で記憶したワークWの変位した後の向きと、ワークWの3軸方向の移動した距離とを読み出す。そして、制御部11は、力覚センサ座標系のZ軸方向をワークWの変位した後の向きに合わせて、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の座標軸をディスプレイ14に表示する。また、制御部11は、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の座標軸の原点を、絶対座標系のX軸、Y軸、Z軸の座標軸の原点に重ねてディスプレイ14に表示する。その後、制御部11は、ステップS17の処理に進む。
【0032】
ステップS17において、制御部11は、絶対座標系のZ軸に対する力覚センサ座標系のZ軸の傾斜角度θを算出して、ディスプレイ14に表示した後、ステップS18の処理に進む。
【0033】
ここで、ワークWの力覚センサ座標系の力の成分と、絶対座標系の座標軸と、力覚センサ座標系の座標軸とをディスプレイ14に表示した一例について図4に基づいて説明する。図4に示すように、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZ(修正力)の変化を表すグラフが、画面の左方に縦一列に配置されて表示されている。また、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZの変化を表すグラフが、3軸方向の力成分を表すグラフの右側に、つまり、画面の左右方向略中央部に縦一列に配置されて表示されている。
【0034】
そして、鉛直方向をZ軸方向とする絶対座標系の座標軸が破線にて、画面の右方に配置されて表示されている。また、力覚センサ座標系のZ軸方向をワークWの変位した後の向きに合わせて、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の座標軸が実線にて、絶対座標系の座標軸に重なって表示されている。力覚センサ座標系の座標軸の原点は、絶対座標系の座標軸の原点に重なって表示されている。また、絶対座標系のZ軸に対する力覚センサ座標系のZ軸の傾斜角度θが表示されている。
【0035】
これにより、作業者は、ワークWの力覚センサ座標系の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとの変化を容易に確認することができる。また、ワークWのZ軸方向の鉛直方向に対する傾斜角度を容易に確認することができる。なお、ワークWの力覚センサ座標系の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとは、グラフでなく、それぞれ数値で表示してもよい。
【0036】
次に、図3に示すように、ステップS18において、制御部11は、上記ステップS11で記憶した力覚センサ51から入力された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZからロボットハンド40とワークWに作用する合力F1を算出して記憶部15に記憶する。
【0037】
続いて、制御部11は、上記ステップS11で記憶した3軸加速度センサ52から入力された力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の加速度成分AX、AY、AZを記憶部15から読み出す。そして、制御部11は、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の加速度成分AX、AY、AZからロボットハンド40とワークWの移動方向、つまり、ロボットハンド40とワークWに力が作用する方向の加速度A1を算出して記憶部15に記憶する。
【0038】
そして、制御部11は、ロボットハンド40の質量MHを記憶部15から読み出し、このロボットハンド40の質量MHに移動方向の加速度A1を乗算して、ロボットハンド40の慣性力FHを算出する。また、制御部11は、ロボットハンド40の質量MHに重力加速度Gを乗算してロボットハンド40の重力方向の力である重量MHGを算出する。
【0039】
そして、制御部11は、合力F1から、ロボットハンド40の慣性力FHと重量MHGとの合力を減算した値を、移動方向の加速度A1に重力加速度Gを加算した値で除算して、ワークWの質量MWを算出して記憶部15に記憶する。続いて、制御部11は、ワークWの質量MWに重力加速度Gを乗算して、ワークWの重量MWGを算出して記憶部15に記憶した後、ステップS19の処理に進む。これにより、制御BU11は、ワークWの搬送中におけるワークWの重量測定が可能となる。
【0040】
ステップS19において、制御部11は、ワークWの重量MWGを記憶部15から読み出して、ディスプレイ14に表示した後、ステップS20の処理に進む。例えば、図4に示すように、制御部11は、絶対座標系のZ軸の下方に、ワークWの重量MWGを表示する。
【0041】
ステップS20において、制御部11は、ロボットアーム30のティーチングが終了したか否かを判定する。例えば、制御部11は、操作部12の終了ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、制御部11は、ロボットアーム30のティーチングが終了していないと判定した場合は(S20:NO)、再度ステップS11以降の処理を実行する。一方、制御部11は、ロボットアーム30のティーチングが終了したと判定した場合は(S20:YES)、第1力情報表示処理を終了する。
【0042】
以上詳細に説明した通り、実施形態1に係る力情報表示装置10では、絶対座標系の3軸の座標軸と力覚センサ座標系の3軸の座標軸がディスプレイ14に表示される。これにより、ディスプレイに表示された絶対座標系のZ軸に対する力覚センサ座標系のZ軸の向き、および、傾斜角度θから、作業者は、ロボットアームの先端を鉛直方向に対してどれぐらいの角度、傾けて作業しているか容易に把握できる。また、ディスプレイ14に表示された力覚センサ座標系のワークWの3軸方向の力成分(修正力)と3軸回りのモーメント成分とから、作業者は、ロボットアーム30の先端をどれぐらいの力で押し付けて作業しているか容易に把握することができる。
【0043】
また、制御部11は、ワークWの搬送時に、ワークWの重量計測を行うことができる。その結果、制御部11は、ワークWの搬送中に、ワークWの重量MWGをディスプレイ14に表示することができる。従って、ワークWの搬送中においても、作業者はリアルタイムにワークWの重量MWGを把握することができる。
【0044】
[実施形態2]
次に、本開示の実施形態2について図5および図6に基づいて説明する。図5は、実施形態2に係る制御部11が実行する第2力情報表示処理の一例を示すフローチャートである。図6は、実施形態2に係る力情報表示装置10のディスプレイ14に表示された表示画面の一例を示す図である。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
[第2力情報表示処理]
実施形態2に係る力情報表示装置10の制御部11は、図3に示す第1力情報表示処理に替えて、図5に示す第2力情報表示処理を実行する。なお、図5に示す第2力情報表示処理のプログラムは、記憶部15に予め記憶されている。
【0046】
図5に示すように、制御部11は、上記ステップS11~ステップS14の処理を実行した後、ステップS31の処理に進む。ステップS31において、制御部11は、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZを記憶部15から読み出す。また、制御部11は、上記ステップS11で記憶部15に記憶した力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZを読み出す。
【0047】
また、制御部11は、上記ステップS12で算出したワークWの変位した後の向きと、ワークWの3軸方向の移動した距離とを記憶部15から読み出し、ワークWの変位情報として記憶部15に記憶する。そして、制御部11は、ワークWの力覚センサ座標系の3軸方向の力成分と、3軸を回転軸とするモーメント成分とを、ワークWの変位情報に基づいて、ワークWの絶対座標系の3軸方向の力成分と、絶対座標系の3軸を回転軸とするモーメント成分に変換する。そして、制御部11は、変換したワークWの絶対座標系の3軸方向の力成分と、絶対座標系の3軸を回転軸とするモーメント成分とを記憶部15に記憶する。その後、制御部11は、ステップS32の処理に進む。
【0048】
ステップS32において、制御部11は、ワークWの絶対座標系の3軸方向の力成分と、絶対座標系の3軸を回転軸とするモーメント成分とを記憶部15から読み出し、ディスプレイ14に表示した後、ステップS33の処理に進む。
【0049】
ステップS33において、制御部11は、上記ステップS18及びステップS19の処理を実行して、ワークWの重量MWGを算出して記憶部15に記憶した後、ワークWの重量MWGをディスプレイ14に表示する。その後、制御部11は、ステップS34の処理に進む。
【0050】
ここで、ワークWの絶対座標系の力の成分と、ワークWの重量MWGとをディスプレイ14に表示した一例について図6に基づいて説明する。図6に示すように、ワークWの絶対座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZの変化を表すグラフが、画面の左方に縦一列に配置されて表示されている。
【0051】
また、ワークWの絶対座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZの変化を表すグラフが、3軸方向の力成分を表すグラフの右側に、つまり、画面の左右方向略中央部に縦一列に配置されて表示されている。そして、ワークWの重量MWGが画面の右方に配置されて表示されている。
【0052】
これにより、作業者は、ワークWの絶対座標系の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとの変化を容易に確認することができる。また、作業者は、ワークWの重量MWGを容易に確認することができる。
【0053】
なお、制御部11は、ワークWの絶対座標系の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとは、グラフでなく、それぞれ数値で表示してもよい。また、制御部11は、ワークWの力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力成分FX、FY、FZと、力覚センサ座標系のX軸、Y軸、Z軸の3軸を回転軸とするモーメント成分MX、MY、MZとをディスプレイ14に同時に表示するようにしてもよい。
【0054】
次に、図5に示すように、ステップS34において、制御部11は、ロボットアーム30のティーチングが終了したか否かを判定する。例えば、制御部11は、操作部12の終了ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、制御部11は、ロボットアーム30のティーチングが終了していないと判定した場合は(S34:NO)、再度ステップS11以降の処理を実行する。一方、制御部11は、ロボットアーム30のティーチングが終了したと判定した場合は(S34:YES)、第2力情報表示処理を終了する。
【0055】
以上詳細に説明した通り、実施形態2に係る力情報表示装置10では、絶対座標系における3軸方向の力成分と3軸回りのモーメント成分がディスプレイ14に表示される。これにより、作業者が、ワークWに作用している絶対座標系の3軸方向の力成分と3軸回りのモーメント成分とを容易に把握できる。
【0056】
また、ワーク搬送時に、ワークWの重量計測を行うことができる。その結果、制御部11は、ワークWの搬送中に、ワークWの重量MWGをディスプレイ14に表示することができる。従って、ワークWの搬送中においても、作業者はリアルタイムにワークWの重量MWGを把握することができる。
【0057】
[変形例1]
上記実施形態1および実施形態2において、3軸加速度センサ52と3軸ジャイロセンサ53とを一体化したセンサで構成してもよい。更には、力覚センサ51と3軸加速度センサ52と3軸ジャイロセンサ53とを一体化したセンサで構成してもよい。また、力覚センサ51と3軸加速度センサ52と3軸ジャイロセンサ53とは、一体であっても、一部が別個に配置されていてもよい。これにより、部品点数を削減することが可能となる。
【0058】
〔付記事項〕
本開示は上述した実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態及び各変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0059】
[付記]
第1の態様の力情報表示装置は、ロボットアームとロボットハンドとの間に配置された力覚センサとジャイロセンサとからそれぞれの検出信号が入力される信号入力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記信号入力部を介して前記ジャイロセンサから入力された角速度から前記ロボットハンドの変位した角度を算出する第1算出処理と、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記信号入力部を介して前記力覚センサから入力された前記力覚センサに固定された力覚センサ座標系の力とモーメントの少なくとも一方を、大地に固定された絶対座標系の力またはモーメントに変換してディスプレイに表示する第1表示処理、または、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記絶対座標系と前記力覚センサ座標系との関係を前記ディスプレイに表示する第2表示処理と、を実行する。
【0060】
第1の態様の力情報表示装置によれば、絶対座標系の力とモーメントの少なくとも一方が、または、絶対座標系と力覚センサ座標系との関係がディスプレイに表示される。これにより、作業者が、ワークに作用している絶対座標系の力やモーメントを容易に把握できる。
【0061】
第2の態様は、第1の態様の力情報表示装置であって、前記制御部は、前記第2表示処理にて、さらに、前記絶対座標系に対する前記力覚センサ座標系の傾斜角度を前記ディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0062】
第2の態様の力情報表示装置によれば、絶対座標系に対する力覚センサ座標系の傾斜角度がディスプレイに表示されるため、作業者は、ロボットアームの先端を鉛直方向に対してどれぐらいの角度、傾けて作業しているか容易に把握できる。
【0063】
第3の態様は、第1の態様または第2の態様の力情報表示装置であって、前記制御部は、前記第2表示処理にて、さらに、前記信号入力部を介して前記力覚センサから入力された前記力覚センサ座標系の前記力と前記モーメントの少なくとも一方を前記ディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0064】
第3の態様の力情報表示装置によれば、作業者は、ディスプレイに表示されたワークに作用する力覚センサ座標系の力またはモーメントから、ロボットアームの先端をどれぐらいの力で押し付けて作業しているか容易に把握することができる。
【0065】
第4の態様は、第3の態様の力情報表示装置であって、加速度センサと、前記ロボットハンドの質量を予め記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記第2表示処理にて、さらに、前記信号入力部を介して前記加速度センサから入力された加速度と前記ロボットハンドの質量とから前記力覚センサ座標系における前記ロボットハンドの慣性力を算出し、前記力覚センサ座標系の前記力から前記慣性力を減算した修正力を前記ディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0066】
第4の態様の力情報表示装置によれば、ワークに作用する力覚センサ座標系の修正力がディスプレイに表示されるため、作業者は、ワークに作用する力覚センサ座標系の修正力を容易に把握することができる。
【0067】
第5の態様は、第4の態様の力情報表示装置であって、前記制御部は、前記修正力と前記加速度センサによって検出された前記修正力が作用する方向の加速度と重力加速度とに基づいて、前記ロボットハンドに把持されたワークの質量を算出する第2算出処理と、前記ワークの質量に重力加速度を乗算して前記ワークの重量を算出する第3算出処理と、を実行するようにしてもよい。
【0068】
第5の態様の力情報表示装置によれば、ワークの搬送中に、ワークの重量計測を行うことができる。その結果、ワークの搬送中においても、作業者はリアルタイムにワークの重量を把握することができる。
【0069】
第6の態様は、第1の態様の力情報表示装置であって、加速度センサと、前記ロボットハンドの質量を予め記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記第1表示処理にて、さらに、前記信号入力部を介して前記加速度センサから入力された加速度と前記ロボットハンドの質量とから前記力覚センサ座標系における前記ロボットハンドの慣性力を算出する第4算出処理と、前記力覚センサ座標系の前記力から前記慣性力を減算した修正力を算出する第5算出処理と、前記力覚センサ座標系の前記修正力と前記モーメントの少なくとも一方と、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度とに基づいて、前記絶対座標系の力またはモーメントに変換する第1変換処理と、を実行し、前記第1変換処理で変換した前記絶対座標系の力またはモーメントをディスプレイに表示するようにしてもよい。
【0070】
第6の態様の力情報表示装置によれば、ワークに作用する絶対座標系の力またはモーメントがディスプレイに表示されるため、作業者は、ワークに作用する絶対座標系の力またはモーメントを容易に把握することができる。
【0071】
第7の態様は、第6の態様の力情報表示装置であって、前記制御部は、前記修正力と前記加速度センサによって検出された前記修正力が作用する方向の加速度と重力加速度とに基づいて、前記ロボットハンドに把持されたワークの質量を算出する第6算出処理と、前記ワークの質量に重力加速度を乗算して前記ワークの重量を算出する第7算出処理と、
を実行するようにしてもよい。
【0072】
第7の態様の力情報表示装置によれば、ワークの搬送中に、ワークの重量計測を行うことができる。その結果、ワークの搬送中においても、作業者はリアルタイムにワークの重量を把握することができる。
【0073】
第8の態様の力情報表示装置は、ロボットアームとロボットハンドとの間に配置された力覚センサとジャイロセンサと加速度センサとからそれぞれの検出信号が入力される信号入力部と、前記ロボットハンドの質量を予め記憶する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記信号入力部を介して前記ジャイロセンサから入力された角速度から前記ロボットハンドの変位した角度を算出する第1算出処理と、前記信号入力部を介して前記加速度センサから入力された加速度と前記ロボットハンドの質量とから前記力覚センサに固定された力覚センサ座標系における前記ロボットハンドの慣性力を算出する第2算出処理と、前記信号入力部を介して前記力覚センサから入力された前記力覚センサ座標系の力から前記慣性力を減算した修正力を算出する第3算出処理と、前記第1算出処理で算出した前記ロボットハンドの変位した角度に基づいて、前記第3算出処理で算出した前記力覚センサ座標系の前記修正力を、大地に固定された絶対座標系の力に変換する変換処理と、を実行する。
【0074】
第8の態様の力情報表示装置によれば、力情報表示装置は、ワークに作用する絶対座標系の力を算出することができる。その結果、力情報表示装置は、ワークに作用する絶対座標系の力をディスプレイに表示することが可能となり、作業者が、ワークに作用している絶対座標系の力を容易に把握できる。
【符号の説明】
【0075】
10:力情報表示装置、11:制御部、14:ディスプレイ、15:記憶部、16:信号入力部、30:ロボットアーム、40:ロボットハンド、51:力覚センサ、52:3軸加速度センサ、53:3軸ジャイロセンサ、W:ワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6