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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012133
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250117BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20250117BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0241
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114725
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 一貴
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
5L049CC60
5L050CC60
(57)【要約】
【課題】給電機能を有する車両のユーザに、他車両への給電を行うことへのインセンティブを付与する。
【解決手段】情報処理装置100は、外部に電力を供給する機能である給電機能を有する第一車両10が、第二車両20に給電を行った場合に、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得することと、広告を第二車両20に関連付けられた装置に出力するための情報を、第二車両20へ送信することと、を実行する制御部110を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に電力を供給する機能である給電機能を有する第一車両が、第二車両に給電を行った場合に、
前記第一車両に関連付けられた広告に関する情報を取得することと、
前記広告を前記第二車両に関連付けられた装置に出力するための情報を、前記第二車両へ送信することと、
を実行する制御部を備える
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両間の給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
給電機能を有する車両に関する情報を提供する技術が数多く知られている。これに関して、例えば、特許文献1には、複数の車両の現在位置を取得し、複数の車両間でエネルギの譲渡を行うのに推奨される場所を検索し、検索された場所に関する情報を複数の車両に対して提供する車間エネルギ譲渡支援システム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-167759号公報
【特許文献2】特開2013-192285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、給電機能を有する車両のユーザに、他車両への給電を行うことへのインセンティブを付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、
外部に電力を供給する機能である給電機能を有する第一車両が、第二車両に給電を行った場合に、前記第一車両に関連付けられた広告に関する情報を取得することと、前記広告を前記第二車両に関連付けられた装置に出力するための情報を、前記第二車両へ送信することと、を実行する制御部を備える情報処理装置である。
【0006】
また、他の態様として、上記の装置が実行する方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、給電機能を有する車両のユーザに、他車両への給電を行うことへのインセンティブを付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るサーバ装置が実行する処理の概念図。
図2】実施形態に係るサーバ装置を含むシステムが有する構成要素を説明する図。
図3】実施形態に係るサーバ装置の制御部が実行する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
他車両に給電を行う機能を持つ車両による車両間の給電を支援するシステムが知られている。
【0010】
例えば、他車両から自車両のバッテリへの給電を受けたいユーザが存在する場合を考える。まず、当該システムは、当該ユーザの車両の周辺の不特定多数の車両の現在位置を取得する。そして、当該システムは、取得した不特定多数の車両の現在位置に基づいて、エネルギの譲渡場所を検索して、譲渡場所に関する情報を当該ユーザの車両に提供する。
【0011】
しかし、他車両から自車両への給電を受けたい場合、給電機能を有する周辺の車両や、給電を行うのにふさわしい場所等についての情報を得られたとしても、自車両への給電に対して、給電機能を有する他の車両の協力が得られるとは限らない。給電機能を有する車両側において、他車両へ給電を行うことに対するメリットがなければ、給電機能を有する車両のユーザは、他車両への給電を積極的に行うとは言い難い。ひいては、給電に協力的な車両が増えなければ、車両による給電システムの普及促進の実現が難しい。
このような課題に対応するため、システムは、給電機能を有する車両のユーザに、他車両への給電を行うことに対するインセンティブを付与することが好ましい。
【0012】
本開示に係る情報処理装置は、給電を行った車両に関連付けられた広告に関する情報を取得し、当該広告を、給電を受けた車両に関連付けられた装置に出力することで、この問題を解決する。つまり、給電を行った車両のユーザは、給電を行ったことへの報酬として、給電を受けた車両の備える端末または表示装置に、自車両に関連する広告を表示することができる。
【0013】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、
外部に電力を供給する機能である給電機能を有する第一車両が、第二車両に給電を行った場合に、前記第一車両に関連付けられた広告に関する情報を取得することと、前記広告を前記第二車両に関連付けられた装置に出力するための情報を、前記第二車両へ送信することと、を実行する制御部を備える。
【0014】
第一車両とは、バッテリを備える車両であり、専用のプラグ等で自車両に接続された他車両に対して、電力の供給を行うことのできる車両である。第一車両は、EV(Electric Vehicle)またはPHEV(Plug-in Hybrid Car)でもよい。
【0015】
第二車両とは、バッテリを備える車両であり、専用のプラグ等で自車両に接続された他車両から、電力の供給を受けることができる車両である。第二車両は、EVまたはPHEVでもよい。
【0016】
第一車両に関連付けられた広告とは、例えば、第一車両のユーザである企業等の広告であってもよい。また、第一車両に関連付けられた広告とは、広告を掲出することで、第一車両のユーザが報酬を得ることができる広告であってもよい。
【0017】
第二車両に関連付けられた装置とは、例えば、第二車両に搭載されている車載端末、または、第二車両に搭載されている外部ディスプレイ等であってもよい。または、第二車両に関連付けられた端末とは、第二車両の周辺に位置する車両の車載端末等であってもよい。第二車両の周辺の車両は、車車間通信によって、第二車両から、第一車両に関連付けられた広告を出力するための情報を受信してもよい。
【0018】
制御部は、第二車両に対して給電を行った第一車両に関連付けられた広告に関する情報を取得し、当該広告を出力するための情報を第二車両に送信する。
【0019】
これにより、本開示に係る情報処理装置は、第二車両に給電を行った第一車両に関連付けられた広告を、第二車両または第二車両の周辺の車両に搭載されている車載端末、または、第二車両に搭載されている外部ディスプレイ等に出力することができる。よって、本開示に係る情報処理装置は、第一車両のユーザに対して、第二車両に給電を行うことのインセンティブを付与することができる。
【0020】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0021】
(実施形態)
実施形態に係るサーバ装置が行う処理の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係るサーバ装置100が実行する処理の概念図である。ここで、サーバ装置100は、本開示に係る情報処理装置の一例である。サーバ装置100は、外部装置200から広告に関する情報を取得し、第二車両20に、当該広告を出力するための情報を送信する装置である。サーバ装置100は、第二車両20および外部装置200と通信可能に構成される。サーバ装置100は、第一車両10とも通信可能に構成されてもよい。
【0022】
まず、第一車両10は、第二車両20に対して、給電を行う。第一車両10は、自身の余剰な電力を他の車両に対して供給することを予め意思表示している車両である。例えば、第一車両10は、数時間駐車する場合に、第一車両10の駐車場所にて、駐車場所に到着した第二車両20に余剰な電力の一部を供給するものとする。第一車両10と第二車両20とのマッチングは、所定のアプリケーションソフトウェア等を介して行ってもよい。
第一車両10は、第二車両20と専用線で接続して、自身のバッテリから、第二車両20のバッテリへ、電力を供給する。
【0023】
第一車両10から第二車両20への給電が完了すると、サーバ装置100は、第一車両10または第二車両20から、第一車両10から第二車両20への給電を完了したことを示す情報を受信する。当該情報は、第一車両10から送信されてもよいし、第二車両20から送信されてもよい。
【0024】
サーバ装置100が、第一車両10または第二車両20から、第一車両10から第二車両20への給電が完了したことを示す情報を受信すると、外部装置200から、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得する。そして、サーバ装置100は、当該広告を第二車両20の外部ディスプレイ26に出力するための情報を、第二車両20に送信する。
【0025】
このとき、当該広告が出力される対象は、外部ディスプレイ26に限られない。サーバ装置100は、当該広告を第二車両20の周辺の車両の車載端末に出力するための情報を、第二車両20の周辺の車両に一斉送信してもよい。または、サーバ装置100は、当該広告を第二車両20の周辺の車両の車載端末に出力するための情報を、第二車両20に送信してもよい。そして、第二車両20は、第二車両20の周辺の車両と車車間通信を行って、第二車両20の周辺の車両に、当該広告を出力するための情報を一斉送信してもよい。
【0026】
なお、広告の出力期間は、個別に指定されていてもよい。例えば、外部ディスプレイ26等は、第一車両10に関連付けられた広告を第二車両20の外部ディスプレイ26に出力するための情報に含まれる、広告を出力する期間を指定する情報に基づいて、所定期間広告を出力し続けてもよい。例えば、第二車両20の外部ディスプレイ26は、第一車両10に関連付けられた広告を第二車両20の外部ディスプレイ26に出力するための情報を受信してから、一時間の間、当該広告を表示し続けてもよい。これにより、サーバ装置100は、第二車両20に、周辺の不特定多数の車両に対して、走行しながら当該広告を宣伝させることができる。
【0027】
このように、サーバ装置100は、第二車両20に給電を行った第一車両10に関連付
けられた広告を、第二車両20の外部ディスプレイ26等に出力するための情報を、第二車両20に送信する。これにより、第一車両10のユーザは、第二車両20に給電を行うことに対するインセンティブを得ることができる。例えば、第一車両10を事業者が保有している場合、当該事業者は、自社に関連する広告を掲出することができる。また、第一車両10のユーザが、自車両に広告を掲出することで報酬を得るプログラムに参加している場合、自車両の代わりに第二車両20に広告を掲出させることで、報酬を得ることができる。
【0028】
また、当該広告に、第一車両10が第二車両20に給電を行った場所の位置情報を含ませ、広告と同時に、当該場所に関する情報を出力してもよい。これにより、第一車両10から給電が受けられる場所に関する情報を、第二車両20の周辺に位置する車両に報知することができ、不特定多数の車両に対して車両間の給電の利用を促すことができる。
かかる構成によると、他車両への給電を行うことに協力的な車両のユーザを増やすことができ、車両による給電システムの普及促進を図ることができる。
【0029】
次に、システムを構成する各要素について詳しく説明する。図2は、実施形態に係るシステムが有する構成要素を説明する図である。当該システムは、サーバ装置100と、外部装置200と、第一車両10と、第二車両20とを含んで構成される。
【0030】
本実施形態に係るサーバ装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を備える。
【0031】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、または、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部110は、機能モジュールとして、取得部111、判定部112、および、送信部113を備える。これらの機能モジュールは、プログラムを制御部110によって実行することで実現されてもよい。
【0032】
取得部111は、外部装置200から、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得する。ここで、第一車両10に関連付けられた広告とは、例えば、第一車両10のユーザである企業等の広告等である。取得部111は、通信部130を介して、外部装置200の通信部230と通信し、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得する。第一車両10に関連付けられた広告に関する情報は、広告のコンテンツを表すデータでもよい。
【0033】
判定部112は、第一車両10が第二車両20に対して給電を完了したか否かを判定する。具体的には、取得部111は、第一車両10から第二車両20への給電が完了したことを示す情報を第一車両10から取得してもよい。そして、取得部111が当該情報を取得したときに、判定部112は、第一車両10が第二車両20に対して給電を完了したと判定してもよい。
【0034】
送信部113は、判定部112が、第一車両10から第二車両20への給電が完了したと判定した場合、当該広告を第二車両20に関連付けられた装置に出力するための情報を、第二車両20に送信する。送信部113は、取得部111が取得した第一車両10に関連付けられた広告に関する情報に基づいて、当該広告を第二車両20に関連付けられた装置に出力するための情報を生成し、第二車両20に送信してもよい。
なお、広告を出力するための情報は、広告を出力する期間を指定する情報を含んでいてもよい。例えば、「給電が完了してから1時間後までの期間において、広告を連続して出力する」といった指定を行うこともできる。
【0035】
記憶部120は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部110の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0036】
記憶部120は、制御部110が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。
【0037】
通信部130は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部130は、例えば、4G(4th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5G(5th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、LTE(Long Term Evolution)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWA(Low Power Wide
Area)による通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0038】
次に、サーバ装置100以外の装置について説明する。
外部装置200は、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を記憶するサーバ装置である。外部装置200は、制御部210、記憶部220、および、通信部230を備える。外部装置200は、サーバ装置100と通信可能に構成され、サーバ装置100からの要求に応答して、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報をサーバ装置100に送信する。
【0039】
外部装置200は、第一車両10と通信して、第一車両10から、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得してもよい。または、外部装置200は、第一車両10に関連付けられた端末と通信して、当該端末から、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得してもよい。
【0040】
制御部210は、CPU、または、GPU等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部210は、プログラムを実行することで、記憶部220および通信部230を介して実現される機能を実現してもよい。
【0041】
記憶部220は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部210の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。記憶部220は、制御部210が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。
【0042】
通信部230は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部230は、例えば、4Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部230は、LTEを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWAによる通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部230は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0043】
第一車両10は、他車両に給電を行うための機能を備える車両である。例えば、第一車両10は、駐車中に、余剰な電力を他の車両に供給する。第一車両10は、例えば、EV
またはPHEVであってもよい。第一車両10は、制御部11、給電部12、記憶部13、通信部14、および、駆動部15を備える。
【0044】
制御部11は、第一車両10に搭載されたECU(Electronic Control Unit)等を制御する。制御部11は、CPU、または、GPU等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部11は、プログラムを実行することで、給電部12、記憶部13、通信部14、および、駆動部15を制御してもよい。
【0045】
給電部12は、他車両に第一車両10に搭載されたバッテリの電力を供給する機能を実現する。給電部12は、バッテリおよびパワーアウトレットを有して構成される。パワーアウトレットは、外部に電力を供給するためのユニットである。パワーアウトレットにプラグを差し込み、第二車両20のパワーインレット(後述)と接続することで、第二車両20は電力の供給を受けることができる。
給電部12は、制御部11がプログラムを実行することで制御されて、他車両への給電を実現する。
【0046】
記憶部13は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部11の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0047】
記憶部13は、制御部11が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。記憶部13は、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を記憶してもよい。
【0048】
通信部14は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部14は、例えば、4Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部14は、LTEを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWAによる通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部14は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0049】
駆動部15は、第一車両10を走行させる手段である。駆動部15は、例えば、車輪を駆動するためのモータやインバータ、ブレーキ、ステアリング機構を含んで構成することができる。駆動部15は、バッテリから供給される電力によって動作してもよい。
【0050】
第二車両20は、他車両から給電を受けるための機能を備える車両である。例えば、第二車両20は、第一車両10が駐車している場所まで出向き、第一車両10から給電を受ける。第二車両20は、例えば、EVまたはPHEVであってもよい。第二車両20は、制御部21、受電部22、記憶部23、通信部24、駆動部25、および、外部ディスプレイ26を備える。
【0051】
制御部21は、第二車両20に搭載されたECU等を制御する。制御部21は、CPU、または、GPU等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部21は、プログラムを実行することで、受電部22、記憶部23、通信部24、駆動部25および、外部ディスプレイ26を制御してもよい。
【0052】
受電部22は、他車両から第二車両20に搭載されたバッテリに対して電力の供給を受ける機能を実現する。受電部22は、バッテリおよびパワーインレットを有して構成される。パワーインレットは、外部から電力の供給を受けるためのユニットである。パワーイ
ンレットにプラグを差し込み、第一車両10のパワーアウトレットと接続することで、第二車両20は電力の供給を受けることができる。なお、パワーインレットは、電源供給口(パワーアウトレット)を兼ねていてもよい。
受電部22は、制御部21がプログラムを実行することで制御されて、他車両からの受電を実現する。
【0053】
記憶部23は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部21の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0054】
記憶部23は、制御部21が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。記憶部23は、第一車両10に関連付けられた広告を外部ディスプレイ26に出力するための情報を記憶してもよい。
【0055】
通信部24は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部24は、例えば、4Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部24は、LTEを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWAによる通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部24は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0056】
駆動部25は、第二車両20を走行させる手段である。駆動部25は、例えば、車輪を駆動するためのモータやインバータ、ブレーキ、ステアリング機構を含んで構成することができる。駆動部25は、バッテリから供給される電力によって動作してもよい。
【0057】
外部ディスプレイ26は、第二車両20に搭載される、第二車両20の外部に向かって映像を表示するためのディスプレイである。外部ディスプレイ26は、例えば、第二車両20のリアウィンドウに、第二車両20の後方に向かって設置されてもよい。
【0058】
次に、サーバ装置100が行う処理の具体的な内容について説明する。図3は、実施形態に係るサーバ装置100の制御部110が実行する処理のフローチャートである。
【0059】
なお、サーバ装置100は、第一車両10または第二車両20から所定のトリガ信号を受信した場合に、図3に示した処理を開始してもよい。例えば、サーバ装置100は、走行中の第一車両10または第二車両20が周期的に送信するトリガ信号を受信した場合、図3に示した処理を開始してもよい。または、サーバ装置100は、第一車両10から、他車両への給電を開始したことを示す信号を受信した場合に、図3に示した処理を開始してもよい。または、サーバ装置100は、第二車両20から、他車両からの受電を開始したことを示す信号を受信した場合に、図3に示した処理を開始してもよい。
【0060】
まず、ステップS10で、取得部111は、第一車両10から第二車両20に対する給電が完了したか否かを判定する。具体的には、取得部111は、第一車両10から、第一車両10が第二車両20への給電を完了したことを示す情報を取得してもよい。そして、取得部111は、当該情報を取得したか否かを判定することで、第一車両10が第二車両20に給電を行ったか否かを判定してもよい。または、取得部111は、第二車両20から、第二車両20が第一車両10からの受電を完了したことを示す情報を取得してもよい。そして、取得部111は、当該情報を取得したか否かを判定することで、第一車両10から第二車両20に対する給電が完了したか否かを判定してもよい。
【0061】
取得部111が、第一車両10が第二車両20に給電を行ったと判定した場合、本ステップは、肯定判定となる。
【0062】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS11へ遷移する。
【0063】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、終了する。
【0064】
次に、ステップS11で、取得部111は、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得する。取得部111は、外部装置200と通信し、外部装置200から、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を取得する。第一車両10に関連付けられた広告とは、例えば、第一車両10のユーザである企業の広告でもよい。また、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報とは、当該広告のコンテンツを表すデータでもよい。
【0065】
当該広告には、第一車両10が第二車両20に給電を行った場所に関する情報(例えば、第一車両10が第二車両20に給電を行った場所の緯度経度情報等)が含まれていてもよい。サーバ装置100は、当該広告に、第一車両10が第二車両20に給電を行った場所を案内する情報を含ませてもよい。これにより、第一車両10から給電が受けられる場所に関する情報を、第二車両20の周辺の車両に報知することができる。つまり、サーバ装置100は、第二車両20の周辺の車両に対して、どこで第一車両10から給電を受けられるのかを知らせることができる。よって、サーバ装置100は、不特定多数の車両に対して、車両間の給電の利用を促すことができる。
【0066】
次に、ステップS12で、送信部113は、第一車両10に関連付けられた広告を外部ディスプレイ26に出力するための情報を第二車両20へ送信する。送信部113は、第二車両20の通信部24と通信し、当該広告を外部ディスプレイ26に出力するための情報を第二車両20へ送信する。送信部113は、当該広告を外部ディスプレイ26に出力するための情報の代わりに、当該広告を車載端末に出力するための情報を、第二車両20および第二車両20の周辺の車両に送信してもよい。
【0067】
これにより、サーバ装置100は、第二車両20のリアウィンドウ等に設けられた外部ディスプレイ26に、第一車両10に関連付けられた広告を、第二車両20の周辺の車両に向けて表示することができる。そして、サーバ装置100は、第二車両20のリアウィンドウ等に設けられた外部ディスプレイ26に、広告に含まれる第一車両10が第二車両20に給電を行った場所に関する情報を表示することで、第二車両20の周辺の車両に当該場所を周知することができる。
【0068】
または、サーバ装置100は、第二車両20の周辺の車両に、第一車両10に関連付けられた広告に関する情報を送信することができる。そして、サーバ装置100は、第二車両20の周辺の車両の車載端末に、当該広告と、広告に含まれる、第一車両10が第二車両20に給電を行った場所に関する情報を表示させることができる。これにより、上述したように、第二車両20の周辺の車両にも、第一車両10からの給電を受けることができる場所を知らせることができ、車両間の給電の利用を促すことができる。なお、サーバ装置100は、第二車両20に、第一車両10に関連付けられた広告を車載端末に出力するための情報を送信し、第二車両20に、当該情報を、車車間通信で、第二車両20の周辺の車両に送信させてもよい。なお、第二車両20の周辺の車両は、プッシュ通知として送信される当該情報を受け取るか否かの設定に関する情報を、サーバ装置100に対して送信してもよい。すなわち、第二車両20の周辺の車両のユーザは、当該情報を受け取るか否かを自身で設定してもよい。
【0069】
また、サーバ装置100は、第二車両20に、第一車両10に関連付けられた広告を、第一車両10に関連付けられた会社等の施設の周辺でのみ、出力するように指示する情報を送信してもよい。
【0070】
このように、サーバ装置100は、第一車両10から受電した第二車両20の外部ディスプレイ26等に、第一車両10に関連付けられた広告を表示させることができる。よって、サーバ装置100は、給電機能を有する第一車両10のユーザは、第二車両20に給電を行うことへのインセンティブを付与することができる。
【0071】
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0072】
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0073】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0074】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0075】
10・・・第一車両
12・・・給電部
20・・・第二車両
22・・・受電部
26・・・外部ディスプレイ
100・・・情報処理装置
110・・・制御部
111・・・取得部
112・・・判定部
113・・・送信部
120・・・記憶部
130・・・通信部
200・・・外部装置
図1
図2
図3