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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012143
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置及びカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20250117BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20250117BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20250117BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/04 Z
G03B30/00
G03B5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114742
(22)【出願日】2023-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】長田 寛志
(72)【発明者】
【氏名】横田 純一郎
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
【Fターム(参考)】
2H044BE07
2H044BE09
2H044BE10
2H044BF10
2K005AA20
2K005CA02
2K005CA45
2K005CA57
(57)【要約】
【課題】より組み立てやすいレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】レンズ駆動装置101は、一端部と他端部の高さが異なる四本の形状記憶合金ワイヤSAを備える。ベース部材18は、高さの異なる固定側上部載置面FSUと固定側下部載置面FSDとを有し、レンズ保持部材2は、高さの異なる可動側上部載置面MSUと可動側下部載置面MSDとを有する。四つの固定側金属部材5Fのそれぞれは、四本の形状記憶合金ワイヤSAのうちの対応する一本の一端部が固定され、対応する固定側上部載置面FSU又は固定側下部載置面FSDの上に取り付けられる。四つの可動側金属部材5Mのそれぞれは、四本の形状記憶合金ワイヤSAのうちの対応する一本の他端部が固定され、対応する可動側上部載置面MSU又は可動側下部載置面MSDの上に取り付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
レンズ体を保持可能な筒状部を有し、前記ベース部材に対して移動可能なレンズ保持部材と、
前記ベース部材に固定される複数の固定側金属部材と、
前記レンズ保持部材に固定される複数の可動側金属部材と、
一端部が対応する前記固定側金属部材に固定されるとともに他端部が対応する前記可動側金属部材に固定され、前記一端部の光軸方向における位置と前記他端部の光軸方向における位置とが異なるように配置される複数の形状記憶合金ワイヤと、を備えたレンズ駆動装置であって、
複数の前記形状記憶合金ワイヤは、前記レンズ保持部材の前記筒状部を囲む四面にそれぞれ一本ずつ配置された四本の前記形状記憶合金ワイヤを含み、
前記ベース部材は、光軸方向に沿った平面視において、前記筒状部を挟んで一方の対角方向において対向するように設けられた一対の固定側載置面を有し、
一対の前記固定側載置面のそれぞれは、光軸方向における高さ位置の異なる固定側上部載置面と固定側下部載置面とを有し、
前記レンズ保持部材は、前記筒状部を挟んで他方の対角方向において対向するように設けられた一対の可動側載置面を有し、
一対の前記可動側載置面のそれぞれは、光軸方向における高さ位置の異なる可動側上部載置面と可動側下部載置面とを有し、
複数の前記固定側金属部材のそれぞれは、対応する前記固定側上部載置面又は前記固定側下部載置面の上に取り付けられ、
複数の前記可動側金属部材のそれぞれは、対応する前記可動側上部載置面又は前記可動側下部載置面の上に取り付けられ、
複数の前記固定側金属部材のそれぞれには、複数の前記形状記憶合金ワイヤのうちの対応する一本の前記一端部が固定され、
複数の前記可動側金属部材のそれぞれには、複数の前記形状記憶合金ワイヤのうちの対応する一本の前記他端部が固定されている、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記レンズ保持部材には、前記可動側金属部材に接続される金属製の可動側導電部材が埋設されている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
平面視で隣り合うように配置された前記可動側上部載置面及び前記可動側下部載置面のそれぞれには、前記可動側導電部材の第1部分及び第2部分が露出しており、
前記第1部分及び第2部分のそれぞれには、複数の前記可動側金属部材のうちの対応する一つが接続されている、
請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記レンズ保持部材と前記ベース部材とを連結するように設けられる可撓性金属部材を有し、
前記可撓性金属部材は、前記ベース部材に固定されるベース固定部と、前記レンズ保持部材の下面に固定される可動固定部と、前記ベース固定部と前記可動固定部との間に配置される可撓性腕部とを有し、
前記可動側導電部材は、前記レンズ保持部材の下面に露出する第3部分を有し、
前記第3部分は、前記レンズ保持部材の下面側において前記可動固定部に接続されている、
請求項3に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記ベース部材には、金属製の固定側導電部材が埋設されており、
前記固定側導電部材は、前記ベース部材の外部に露出する端子部を有し、
前記固定側導電部材の一部は、対応する前記固定側金属部材に接続されており、
前記固定側導電部材の他の一部は、前記ベース部材の上面に露出するとともに、前記可撓性金属部材の前記ベース固定部に接続されている、
請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記レンズ保持部材の前記筒状部を囲む四面にそれぞれ一本ずつ配置された四本の前記形状記憶合金ワイヤのそれぞれは、前記四面のそれぞれを正面から見たときに、同じ向きに傾くように配置されている、
請求項1乃至5の何れかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記固定側上部載置面に固定される前記固定側金属部材と前記可動側上部載置面に固定される前記可動側金属部材とは同一形状となるように形成され、
前記固定側下部載置面に固定される前記固定側金属部材と前記可動側下部載置面に固定される前記可動側金属部材とは同一形状となるように形成されている、
請求項1乃至5の何れかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のレンズ駆動装置と、
前記レンズ保持部材によって保持される前記レンズ体と、
前記レンズ体に対向するように配置される撮像素子と、を有する、
カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンズ駆動装置及びカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、八本の形状記憶合金ワイヤを用いたレンズ駆動装置が知られている(特許文献1参照)。この装置では、八本の形状記憶合金ワイヤは、ベース部材の四つの側面及びレンズ保持部材の四つの側面のそれぞれに固定された金属部材(ターミナルプレート)に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-073558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置は、ベース部材及びレンズ保持部材のそれぞれの四つの側面に四つの方向からターミナルプレートを取り付ける必要があるために組み立てにくい。
【0005】
そこで、より組み立てやすいレンズ駆動装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るレンズ駆動装置は、ベース部材と、レンズ体を保持可能な筒状部を有し、前記ベース部材に対して移動可能なレンズ保持部材と、前記ベース部材に固定される複数の固定側金属部材と、前記レンズ保持部材に固定される複数の可動側金属部材と、一端部が対応する前記固定側金属部材に固定されるとともに他端部が対応する前記可動側金属部材に固定され、前記一端部の光軸方向における位置と前記他端部の光軸方向における位置とが異なるように配置される複数の形状記憶合金ワイヤと、を備えたレンズ駆動装置であって、複数の前記形状記憶合金ワイヤは、前記レンズ保持部材の前記筒状部を囲む四面にそれぞれ一本ずつ配置された四本の前記形状記憶合金ワイヤを含み、前記ベース部材は、光軸方向に沿った平面視において、前記筒状部を挟んで一方の対角方向において対向するように設けられた一対の固定側載置面を有し、一対の前記固定側載置面のそれぞれは、光軸方向における高さ位置の異なる固定側上部載置面と固定側下部載置面とを有し、前記レンズ保持部材は、前記筒状部を挟んで他方の対角方向において対向するように設けられた一対の可動側載置面を有し、一対の前記可動側載置面のそれぞれは、光軸方向における高さ位置の異なる可動側上部載置面と可動側下部載置面とを有し、複数の前記固定側金属部材のそれぞれは、対応する前記固定側上部載置面又は前記固定側下部載置面の上に取り付けられ、複数の前記可動側金属部材のそれぞれは、対応する前記可動側上部載置面又は前記可動側下部載置面の上に取り付けられ、複数の前記固定側金属部材のそれぞれには、複数の前記形状記憶合金ワイヤのうちの対応する一本の前記一端部が固定され、複数の前記可動側金属部材のそれぞれには、複数の前記形状記憶合金ワイヤのうちの対応する一本の前記他端部が固定されている。
【発明の効果】
【0007】
上述のレンズ駆動装置は、従来の装置に比べて組み立てやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】カメラモジュールの斜視図である。
図2】レンズ駆動装置の分解斜視図である。
図3】レンズ保持部材及び可動側導電部材の斜視図である。
図4】レンズ保持部材の上面図である。
図5】レンズ保持部材の下面図である。
図6】ベース部材及び固定側導電部材の斜視図である。
図7】ベース部材の上面図である。
図8】レンズ保持部材、金属部材、可撓性金属部材、及びベース部材の斜視図である。
図9】可動側金属部材、固定側金属部材、及び形状記憶合金ワイヤの上面図である。
図10】金属部材、可撓性金属部材、可動側導電部材、固定側導電部材、及び形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
図11】第1ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
図12】第2ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
図13】第3ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
図14】第4ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
図15】カバー部材が取り外された状態のレンズ駆動装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101及びカメラモジュールCMについて図面を参照して説明する。図1は、カメラモジュールCMの斜視図である。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
【0010】
図1及び図2において、X1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。また、Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2はY軸の他方向を表す。同様に、Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。図1及び図2では、レンズ駆動装置101のX1側はレンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側はレンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側はレンズ駆動装置101の左側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側はレンズ駆動装置101の右側に相当する。また、レンズ駆動装置101のZ1側はレンズ駆動装置101の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側はレンズ駆動装置101の下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
【0011】
カメラモジュールCMは、図1に示すように、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されるレンズ体LSと、不図示の外部基板に対してレンズ体LSに対向するように実装される撮像素子ISとを含む。レンズ体LSは、少なくとも1枚のレンズを含む筒状のレンズバレルであり、光軸OAを有する。図示例では、略直方体形状の外形を有するレンズ駆動装置101は、撮像素子ISが実装される外部基板の上に取り付けられている。
【0012】
具体的には、レンズ駆動装置101は、図1及び図2に示すように、固定側部材FBとしてのカバー部材4及びベース部材18と、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2とを含む。
【0013】
図示例では、カバー部材4は、非磁性金属で形成されている。但し、カバー部材4は、磁性金属又は合成樹脂で形成されていてもよい。また、カバー部材4は、図1に示すように、収納部4Sを定める無底箱状の外形を有する。
【0014】
より具体的には、カバー部材4は、矩形筒状の外周壁部4Aと、外周壁部4Aの上端と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の外形を有する天板部4Bとを有する。天板部4Bの中央には円形の開口4Kが形成されている。外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。また、カバー部材4は、図1に示すように、接着剤等によってベース部材18に接合されている。
【0015】
ベース部材18は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。本実施形態では、ベース部材18は、図2に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口18Kを有する。具体的には、ベース部材18は、円形の開口18Kを囲むように配置される矩形環状の基部18Bと、基部18Bから光軸OAに沿って上方に延びるように形成された固定側台座部18Dとを含む。固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2は、光軸OAを挟んで互いに反対側に位置するように配置されている。
【0016】
カバー部材4及びベース部材18は、筐体HSとして機能するように構成されている。そして、筐体HS内には、図2に示すように、レンズ保持部材2、金属部材5、可撓性金属部材6、及び形状記憶合金ワイヤSA等が収容されている。
【0017】
レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成され、レンズ体LSを保持可能な上下方向に貫通する開口2Kを有するように構成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図2に示すように、光軸OAに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sとを含む。図示例では、レンズ体LSは、筒状部12の内周面に接着剤で固定されるように構成されている。筒状部12の内周面には、筒状部12の内周面とレンズ体LSとの間で接着剤が広がるように螺旋溝が形成されていてもよい。
【0018】
可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸OAを挟んで互いに反対側に位置するように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸OAを挟んで互いに反対側に位置するように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2の四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、金属部材5が載置される。
【0019】
形状記憶合金ワイヤSAは、形状記憶アクチュエータの一例であり、可動側部材MBを駆動する駆動部DMを構成する。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動部DMは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してレンズ保持部材2を動かすことができる。
【0020】
可撓性金属部材6は、レンズ保持部材2とベース部材18とを繋ぐ導電性の連結部材を構成している。本実施形態では、可撓性金属部材6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。
【0021】
具体的には、可撓性金属部材6は、ベース部材18に固定されるベース固定部6Eと、レンズ保持部材2に固定される可動固定部6Nと、ベース固定部6Eと可動固定部6Nとを繋ぐ可撓性腕部6Gとを有する。そして、ベース固定部6Eは、第1ベース固定部6E1及び第2ベース固定部6E2を含む。また、可撓性腕部6Gは、第1ベース固定部6E1と可動固定部6Nとを繋ぐ第1可撓性腕部6G1と、第2ベース固定部6E2と可動固定部6Nとを繋ぐ第2可撓性腕部6G2とを含む。
【0022】
より具体的には、可撓性金属部材6は、同一形状の前側可撓性金属部材6F及び後側可撓性金属部材6Bを含む。前側可撓性金属部材6Fは、第1前側ベース固定部6E1F、第2前側ベース固定部6E2F、前側可動固定部6NF、第1前側可撓性腕部6G1F、及び、第2前側可撓性腕部6G2Fを含む。後側可撓性金属部材6Bは、第1後側ベース固定部6E1B、第2後側ベース固定部6E2B、後側可動固定部6NB、第1後側可撓性腕部6G1B、及び、第2後側可撓性腕部6G2Bを含む。
【0023】
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。本実施形態では、金属部材5は、非磁性金属で形成され、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18の固定側台座部18Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dに固定されるように構成されている。
【0024】
より具体的には、固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
【0025】
第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれは、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着されている。そして、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれは、電流が流れたときに、カバー部材4の外周壁部4Aの内面に沿うように延び、固定側部材FBに対して可動側部材MBを移動可能に支持できるように構成されている。
【0026】
次に、図3図5を参照し、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2の詳細について説明する。図3は、レンズ保持部材2、及び、レンズ保持部材2内に埋設される可動側導電部材MCの斜視図である。図4は、可動側導電部材MCが埋設されたレンズ保持部材2の上面図である。具体的には、図4の上図は、可動側金属部材5Mが取り付けられていない状態のレンズ保持部材2の上面図であり、図4の下図は、可動側金属部材5Mが取り付けられた状態のレンズ保持部材2の上面図である。図5は、可動側導電部材MCが埋設されたレンズ保持部材2の下面図である。具体的には、図5の上図は、可撓性金属部材6が取り付けられていない状態のレンズ保持部材2の下面図であり、図5の下図は、可撓性金属部材6が取り付けられた状態のレンズ保持部材2の下面図である。なお、図3図5では、明瞭化のため、可動側導電部材MCに細かいドットパターンが付されている。また、図4の下図では、明瞭化のため、可動側金属部材5Mに粗いドットパターンが付され、図5の下図では、明瞭化のため、可撓性金属部材6に粗いドットパターンが付されている。
【0027】
図3に示すように、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dには、可動側金属部材5Mが取り付けられる可動側載置面MSが形成されている。また、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dには、可動側導電部材MCがインサート成形によって埋め込まれている。本実施形態では、可動側導電部材MCは、鉄等の磁性金属で形成され、第1可動側台座部2D1に埋め込まれる第1可動側導電部材MC1と、第2可動側台座部2D2に埋め込まれる第2可動側導電部材MC2とを含む。また、可動側導電部材MCは、可動側載置面MSに露出する第1部分ES1及び第2部分ES2と、レンズ保持部材2の下面(Z2側の面)に露出する第3部分ES3とを有するように構成されている。具体的には、第1可動側導電部材MC1は、第1前側部分ES1F、第2前側部分ES2F、及び第3前側部分ES3Fを有し、第2可動側導電部材MC2は、第1後側部分ES1B、第2後側部分ES2B、及び第3後側部分ES3Bを有する。
【0028】
図示例では、可動側金属部材5Mは、図4の下図に示すように、可動側台座部2Dの可動側載置面MSに固定されている。具体的には、可動側載置面MSは、上方(Z1方向)を向くように形成された平面であり、第1可動側台座部2D1に形成された第1可動側載置面MS1、及び、第2可動側台座部2D2に形成された第2可動側載置面MS2を含む。そして、第1可動側載置面MS1は、第1可動側上部載置面MS1U及び第1可動側下部載置面MS1Dを含み、第2可動側載置面MS2は、第2可動側上部載置面MS2U及び第2可動側下部載置面MS2Dを含む。第1可動側上部載置面MS1Uは、Z軸方向において、第1可動側下部載置面MS1Dよりも高い位置に配置されている。同様に、第2可動側上部載置面MS2Uは、Z軸方向において、第2可動側下部載置面MS2Dよりも高い位置に配置されている。図示例では、第1可動側上部載置面MS1Uと第2可動側上部載置面MS2UとはZ軸方向において同じ位置(高さ)に配置され、第1可動側下部載置面MS1Dと第2可動側下部載置面MS2DとはZ軸方向において同じ位置(高さ)に配置されている。また、第1可動側上部載置面MS1U、第2可動側上部載置面MS2U、第1可動側下部載置面MS1D、及び第2可動側下部載置面MS2Dは、光軸OAに対して垂直となるように配置されている。但し、第1可動側上部載置面MS1Uと第2可動側上部載置面MS2UとはZ軸方向において互いに異なる位置(高さ)に配置されていてもよく、第1可動側下部載置面MS1Dと第2可動側下部載置面MS2DとはZ軸方向において互いに異なる位置(高さ)に配置されていてもよい。
【0029】
具体的には、可動側金属部材5Mのそれぞれには、図4の下図に示すように、可動側載置面MSから上方に突出するように形成された円柱状の二つの凸部2P(図3参照)が挿通される二つの第1貫通孔5H1が形成されている。図示例では、レンズ保持部材2と可動側金属部材5Mのそれぞれとの接合は、二つの第1貫通孔5H1に挿通された二つの凸部2Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、レンズ保持部材2と可動側金属部材5Mとの接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0030】
また、可動側金属部材5Mのそれぞれには、図4の下図に示すように、中央部に第2貫通孔5H2が形成されている。第2貫通孔5H2は、可動側金属部材5Mのそれぞれと可動側導電部材MCとを接合する際に利用される。図示例では、可動側金属部材5Mのそれぞれと可動側導電部材MCとの接合は、レーザ溶接によって実現される。但し、可動側金属部材5Mのそれぞれと可動側導電部材MCとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0031】
より具体的には、第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側台座部2D1に形成された第1可動側載置面MS1の一部である第1可動側上部載置面MS1Uの上に載置されて接合され、且つ、第1可動側上部載置面MS1Uに露出している第1可動側導電部材MC1の第1前側部分ES1Fに接合される。また、第2可動側ターミナルプレート5M2は、第2可動側台座部2D2に形成された第2可動側載置面MS2の一部である第2可動側下部載置面MS2Dの上に載置されて接合され、且つ、第2可動側下部載置面MS2Dに露出している第2可動側導電部材MC2の第2後側部分ES2Bに接合される。また、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側台座部2D2に形成された第2可動側載置面MS2の一部である第2可動側上部載置面MS2Uの上に載置されて接合され、且つ、第2可動側上部載置面MS2Uに露出している第2可動側導電部材MC2の第1後側部分ES1Bに接合される。また、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第1可動側台座部2D1に形成された第1可動側載置面MS1の一部である第1可動側下部載置面MS1Dの上に載置されて接合され、且つ、第1可動側下部載置面MS1Dに露出している第1可動側導電部材MC1の第2前側部分ES2Fに接合される。
【0032】
可撓性金属部材6の第1ベース固定部6E1、第2ベース固定部6E2、及び、可動固定部6Nのそれぞれには、図5の下図に示すように、第1貫通孔6H1と第2貫通孔6H2とが形成されている。第1貫通孔6H1は、可撓性金属部材6とレンズ保持部材2に埋設されている可動側導電部材MC又はベース部材18に埋設されている固定側導電部材FC(図6参照)とを接合する際に利用される。図示例では、可撓性金属部材6と可動側導電部材MC又は固定側導電部材FCとの接合は、レーザ溶接によって実現される。可撓性金属部材6と可動側導電部材MC及び固定側導電部材FCのそれぞれとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。第2貫通孔6H2は、可撓性金属部材6とレンズ保持部材2又はベース部材18とを接合する際に利用される。図示例では、可撓性金属部材6とレンズ保持部材2又はベース部材18との接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部2Q又は凸部18Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。図示例では、凸部2Qは、図5の上図に示すように、レンズ保持部材2の下面から下方に突出するように形成された円柱状の部分である。また、凸部18Qは、図2に示すように、ベース部材18の上面から上方に突出するように形成された円柱状の部分である。但し、可撓性金属部材6とレンズ保持部材2又はベース部材18との接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0033】
具体的には、図5の下図に示すように、前側可撓性金属部材6Fの前側可動固定部6NFと第1可動側導電部材MC1の第3前側部分ES3Fとの接合(溶接)は、第1貫通孔6H1にレーザを照射することによって実現される。また、レンズ保持部材2と前側可撓性金属部材6Fの前側可動固定部6NFとの接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部2Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。同様に、後側可撓性金属部材6Bの後側可動固定部6NBと第2可動側導電部材MC2の第3後側部分ES3Bとの接合(溶接)は、第1貫通孔6H1にレーザを照射することによって実現される。また、レンズ保持部材2と後側可撓性金属部材6Bの後側可動固定部6NBとの接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部2Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。
【0034】
次に、図6及び図7を参照し、固定側部材FBとしてのベース部材18の詳細について説明する。図6は、ベース部材18、及び、ベース部材18内に埋設される固定側導電部材FCの斜視図である。図7は、固定側導電部材FCが埋設されたベース部材18の上面図である。具体的には、図7の上図は、固定側金属部材5F及び可撓性金属部材6が取り付けられていない状態のベース部材18の上面図であり、図7の下図は、固定側金属部材5F及び可撓性金属部材6が取り付けられた状態のベース部材18の上面図である。なお、図6及び図7では、明瞭化のため、固定側導電部材FCに細かいドットパターンが付されている。また、図7の下図では、明瞭化のため、固定側金属部材5F及び可撓性金属部材6に粗いドットパターンが付されている。
【0035】
図6に示すように、ベース部材18の固定側台座部18Dには、固定側金属部材5Fが取り付けられる固定側載置面FSが形成されている。また、ベース部材18の固定側台座部18Dには、固定側導電部材FCの一部がインサート成形によって埋め込まれている。本実施形態では、固定側導電部材FCは、鉄等の磁性金属で形成されている。
【0036】
また、固定側導電部材FCは、ベース部材18の上面(Z1側の面)に露出する接合面部CSと、ベース部材18の下面(Z2側の面)から突出して下方(Z2方向)に延びる端子部TMとを有するように構成されている。具体的には、固定側導電部材FCは、第1固定側導電部材FC1~第6固定側導電部材FC6を含む。そして、第1固定側導電部材FC1は、第1端子部TM1及び第1接合面部CS1を含み、第2固定側導電部材FC2は、第2端子部TM2及び第2接合面部CS2を含み、第3固定側導電部材FC3は、第3端子部TM3及び第3接合面部CS3を含み、第4固定側導電部材FC4は、第4端子部TM4及び第4接合面部CS4を含み、第5固定側導電部材FC5は、第5端子部TM5及び第5接合面部CS5を含み、第6固定側導電部材FC6は、第6端子部TM6及び第6接合面部CS6を含む。
【0037】
図示例では、固定側金属部材5Fは、図7の下図に示すように、固定側台座部18Dの固定側載置面FSに固定されている。具体的には、固定側載置面FSは、上方(Z1方向)を向くように形成された平面であり、第1固定側台座部18D1に形成された第1固定側載置面FS1、及び、第2固定側台座部18D2に形成された第2固定側載置面FS2を含む。そして、第1固定側載置面FS1は、第1固定側上部載置面FS1U及び第1固定側下部載置面FS1Dを含み、第2固定側載置面FS2は、第2固定側上部載置面FS2U及び第2固定側下部載置面FS2Dを含む。第1固定側上部載置面FS1Uは、Z軸方向において、第1固定側下部載置面FS1Dよりも高い位置に配置されている。同様に、第2固定側上部載置面FS2Uは、Z軸方向において、第2固定側下部載置面FS2Dよりも高い位置に配置されている。図示例では、第1固定側上部載置面FS1Uと第2固定側上部載置面FS2UとはZ軸方向において同じ位置(高さ)に配置され、第1固定側下部載置面FS1Dと第2固定側下部載置面FS2DとはZ軸方向において同じ位置(高さ)に配置されている。また、第1固定側上部載置面FS1U、第2固定側上部載置面FS2U、第1固定側下部載置面FS1D、及び第2固定側下部載置面FS2Dは、光軸OAに対して垂直となるように配置されている。但し、第1固定側上部載置面FS1Uと第2固定側上部載置面FS2UとはZ軸方向において互いに異なる位置(高さ)に配置されていてもよく、第1固定側下部載置面FS1Dと第2固定側下部載置面FS2DとはZ軸方向において互いに異なる位置(高さ)に配置されていてもよい。
【0038】
また、第1固定側上部載置面FS1U、第2固定側上部載置面FS2U、第1固定側下部載置面FS1D、第2固定側下部載置面FS2D、第1可動側上部載置面MS1U、第2可動側上部載置面MS2U、第1可動側下部載置面MS1D、及び第2可動側下部載置面MS2Dは、対応する形状記憶合金ワイヤSAと平行になるように配置されていてもよい。具体的には、第1固定側下部載置面FS1Dと第1可動側上部載置面MS1Uとは、第1固定側ターミナルプレート5F1と第1可動側ターミナルプレート5M1との間に配置される第1ワイヤSA1と平行になるように配置されていてもよい。また、第1固定側上部載置面FS1Uと第2可動側下部載置面MS2Dとは、第2固定側ターミナルプレート5F2と第2可動側ターミナルプレート5M2との間に配置される第2ワイヤSA2と平行になるように配置されていてもよい。また、第2固定側下部載置面FS2Dと第2可動側上部載置面MS2Uとは、第3固定側ターミナルプレート5F3と第3可動側ターミナルプレート5M3との間に配置される第3ワイヤSA3と平行になるように配置されていてもよい。また、第2固定側上部載置面FS2Uと第1可動側下部載置面MS1Dとは、第4固定側ターミナルプレート5F4と第4可動側ターミナルプレート5M4との間に配置される第4ワイヤSA4と平行になるように配置されていてもよい。
【0039】
具体的には、固定側金属部材5Fのそれぞれには、図7の下図に示すように、固定側載置面FSから上方に突出するように形成された円柱状の二つの凸部18P(図6参照)が挿通される二つの第1貫通孔5H1が形成されている。図示例では、ベース部材18と固定側金属部材5Fのそれぞれとの接合は、二つの第1貫通孔5H1に挿通された二つの凸部18Pに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、ベース部材18と固定側金属部材5Fとの接合は、接着剤によって実現されてもよい。
【0040】
また、固定側金属部材5Fのそれぞれには、図7の下図に示すように、中央部に第2貫通孔5H2が形成されている。第2貫通孔5H2は、固定側金属部材5Fのそれぞれと固定側導電部材FCとを接合する際に利用される。図示例では、固定側金属部材5Fのそれぞれと固定側導電部材FCとの接合は、レーザ溶接によって実現される。但し、固定側金属部材5Fのそれぞれと固定側導電部材FCとの接合は、半田又は導電性接着剤によって実現されてもよい。
【0041】
より具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1は、第1固定側台座部18D1に形成された第1固定側載置面FS1の一部である第1固定側下部載置面FS1Dの上に載置されて接合され、且つ、第1固定側下部載置面FS1Dに露出している第1固定側導電部材FC1の第1接合面部CS1に接合される。また、第2固定側ターミナルプレート5F2は、第1固定側台座部18D1に形成された第1固定側載置面FS1の一部である第1固定側上部載置面FS1Uの上に載置されて接合され、且つ、第1固定側上部載置面FS1Uに露出している第2固定側導電部材FC2の第2接合面部CS2に接合される。また、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第2固定側台座部18D2に形成された第2固定側載置面FS2の一部である第2固定側下部載置面FS2Dの上に載置されて接合され、且つ、第2固定側下部載置面FS2Dに露出している第3固定側導電部材FC3の第3接合面部CS3に接合される。また、第4固定側ターミナルプレート5F4は、第2固定側台座部18D2に形成された第2固定側載置面FS2の一部である第2固定側上部載置面FS2Uの上に載置されて接合され、且つ、第2固定側上部載置面FS2Uに露出している第4固定側導電部材FC4の第4接合面部CS4に接合される。
【0042】
また、図7の下図に示すように、ベース部材18と前側可撓性金属部材6Fの第1前側ベース固定部6E1Fとの接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部18Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。また、前側可撓性金属部材6Fの第2前側ベース固定部6E2Fと第5固定側導電部材FC5の第5接合面部CS5との接合(溶接)は、第1貫通孔6H1にレーザを照射することによって実現される。また、ベース部材18と前側可撓性金属部材6Fの第2前側ベース固定部6E2Fとの接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部18Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。同様に、後側可撓性金属部材6Bの第1後側ベース固定部6E1Bと第6固定側導電部材FC6の第6接合面部CS6との接合(溶接)は、第1貫通孔6H1にレーザを照射することによって実現される。また、ベース部材18と後側可撓性金属部材6Bの第1後側ベース固定部6E1Bとの接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部18Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。また、ベース部材18と後側可撓性金属部材6Bの第2後側ベース固定部6E2Bとの接合は、第2貫通孔6H2に挿通された凸部18Qに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。
【0043】
次に、図8を参照し、レンズ保持部材2及びベース部材18のそれぞれと金属部材5及び可撓性金属部材6のそれぞれとの間の位置関係について説明する。図8の上図は、可動側金属部材5M及び可撓性金属部材6が取り付けられたレンズ保持部材2の斜視図である。図8の下図は、固定側金属部材5F及び可撓性金属部材6が取り付けられたベース部材18の斜視図である。なお、可撓性金属部材6は、図8の上図及び下図のそれぞれに図示されている。また、図8では、明瞭化のため、金属部材5及び可撓性金属部材6に粗いドットパターンが付されている。
【0044】
図8に示すように、比較的高い位置である固定側上部載置面FSU(図6参照)に取り付けられた固定側金属部材5Fは、レンズ駆動装置101の一側面において、一本の形状記憶合金ワイヤSA(図2参照)を介し、比較的低い位置である可動側下部載置面MSD(図3参照)に取り付けられた可動側金属部材5Mに接続されるように構成されている。反対に、比較的低い位置である固定側下部載置面FSD(図6参照)に取り付けられた固定側金属部材5Fは、レンズ駆動装置101の別の一側面において、別の一本の形状記憶合金ワイヤSA(図2参照)を介し、比較的高い位置である可動側上部載置面MSU(図3参照)に取り付けられた可動側金属部材5Mに接続されるように構成されている。
【0045】
具体的には、比較的低い位置である第1固定側下部載置面FS1D(図6参照)に取り付けられた第1固定側ターミナルプレート5F1は、レンズ駆動装置101の前面において、第1ワイヤSA1(図2参照)を介し、比較的高い位置である第1可動側上部載置面MS1U(図3参照)に取り付けられた第1可動側ターミナルプレート5M1に接続される。同様に、比較的高い位置である第1固定側上部載置面FS1Uに取り付けられた第2固定側ターミナルプレート5F2は、レンズ駆動装置101の左側面において、第2ワイヤSA2を介し、比較的低い位置である第2可動側下部載置面MS2Dに取り付けられた第2可動側ターミナルプレート5M2に接続される。また、比較的低い位置である第2固定側下部載置面FS2Dに取り付けられた第3固定側ターミナルプレート5F3は、レンズ駆動装置101の後面において、第3ワイヤSA3を介し、比較的高い位置である第2可動側上部載置面MS2Uに取り付けられた第3可動側ターミナルプレート5M3に接続される。また、比較的高い位置である第2固定側上部載置面FS2Uに取り付けられた第4固定側ターミナルプレート5F4は、レンズ駆動装置101の右側面において、第4ワイヤSA4を介し、比較的低い位置である第1可動側下部載置面MS1Dに取り付けられた第4可動側ターミナルプレート5M4に接続される。
【0046】
次に、図9を参照し、金属部材5に取り付けられる形状記憶合金ワイヤSAについて説明する。図9は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1をZ1側から見たときの図である。なお、図9に示す各部材の位置関係は、レンズ駆動装置101が組み立てられ且つ形状記憶合金ワイヤSAに電流が供給された状態にあるときの位置関係に対応している。そして、図9では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、図9を参照する以下の説明は、第1ワイヤSA1に関するが、第2ワイヤSA2~第4ワイヤSA4についても同様に適用され得る。
【0047】
具体的には、第1ワイヤSA1の一端は、第1固定側ターミナルプレート5F1の保持部J1のところで第1固定側ターミナルプレート5F1に固定され、第1ワイヤSA1の他端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の保持部J2のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定されている。
【0048】
保持部J1は、第1固定側ターミナルプレート5F1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1の一部は、第1ワイヤSA1の端部(一端)を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第1ワイヤSA1の端部(一端)は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2についても同様である。
【0049】
このように、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4には、それぞれ、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4の一端が固定され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4には、それぞれ、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4の他端が固定されている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4が取り付けられるベース部材18は、ワイヤ支持部材として機能するように構成され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4が取り付けられるレンズ保持部材2は、可動側部材MBとして機能するように構成されている。この構成により、レンズ保持部材2は、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4及びベース部材18により、少なくとも光軸OAに平行な方向であるZ軸方向に移動可能な状態で支持される。
【0050】
次に、図10図14を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図10は、金属部材5(第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4及び第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4)、可撓性金属部材6(後側可撓性金属部材6B及び前側可撓性金属部材6F)、可動側導電部材MC(第1可動側導電部材MC1及び第2可動側導電部材MC2)、固定側導電部材FC(第1固定側導電部材FC1~第6固定側導電部材FC6)、並びに、形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4)の斜視図であり、金属部材5、可撓性金属部材6、可動側導電部材MC、固定側導電部材FC、及び、形状記憶合金ワイヤSAの位置関係を示している。図11図14のそれぞれは、図10に示す構成の一部の斜視図である。具体的には、図11は、第1ワイヤSA1に関する部分の斜視図であり、図12は、第2ワイヤSA2に関する部分の斜視図であり、図13は、第3ワイヤSA3に関する部分の斜視図であり、図14は、第4ワイヤSA4に関する部分の斜視図である。
【0051】
具体的には、図11は、第1固定側導電部材FC1が高電位に接続され、第5固定側導電部材FC5が低電位に接続されたときに第1ワイヤSA1を流れる電流の経路の一例を示す。第1固定側導電部材FC1が高電位に接続され、第5固定側導電部材FC5が低電位に接続されると、電流は、図11の矢印で示すように、第1固定側導電部材FC1、第1固定側ターミナルプレート5F1、第1ワイヤSA1、第1可動側ターミナルプレート5M1、第1可動側導電部材MC1、並びに、前側可撓性金属部材6F(前側可動固定部6NF及び第2前側ベース固定部6E2F)を通って第5固定側導電部材FC5に流れる。
【0052】
また、図12は、第2固定側導電部材FC2が高電位に接続され、第6固定側導電部材FC6が低電位に接続されたときに第2ワイヤSA2を流れる電流の経路の一例を示す。第2固定側導電部材FC2が高電位に接続され、第6固定側導電部材FC6が低電位に接続されると、電流は、図12の矢印で示すように、第2固定側導電部材FC2、第2固定側ターミナルプレート5F2、第2ワイヤSA2、第2可動側ターミナルプレート5M2、第2可動側導電部材MC2、並びに、後側可撓性金属部材6B(後側可動固定部6NB及び第1後側ベース固定部6E1B)を通って第6固定側導電部材FC6に流れる。
【0053】
また、図13は、第3固定側導電部材FC3が高電位に接続され、第6固定側導電部材FC6が低電位に接続されたときに第3ワイヤSA3を流れる電流の経路の一例を示す。第3固定側導電部材FC3が高電位に接続され、第6固定側導電部材FC6が低電位に接続されると、電流は、図13の矢印で示すように、第3固定側導電部材FC3、第3固定側ターミナルプレート5F3、第3ワイヤSA3、第3可動側ターミナルプレート5M3、第2可動側導電部材MC2、並びに、後側可撓性金属部材6B(後側可動固定部6NB及び第1後側ベース固定部6E1B)を通って第6固定側導電部材FC6に流れる。
【0054】
また、図14は、第4固定側導電部材FC4が高電位に接続され、第5固定側導電部材FC5が低電位に接続されたときに第4ワイヤSA4を流れる電流の経路の一例を示す。第4固定側導電部材FC4が高電位に接続され、第5固定側導電部材FC5が低電位に接続されると、電流は、図14の矢印で示すように、第4固定側導電部材FC4、第4固定側ターミナルプレート5F4、第4ワイヤSA4、第4可動側ターミナルプレート5M4、第1可動側導電部材MC1、並びに、前側可撓性金属部材6F(前側可動固定部6NF及び第2前側ベース固定部6E2F)を通って第5固定側導電部材FC5に流れる。
【0055】
なお、図示例では、低電位に接続される部材が二つ(第5固定側導電部材FC5及び第6固定側導電部材FC6)設けられているが、これらの二つの部材は一体化されていてもよい。すなわち、低電位は、共通の一つの部材に接続されてもよい。
【0056】
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある不図示の制御装置は、例えば、第1固定側導電部材FC1~第6固定側導電部材FC6のそれぞれに印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれの収縮を個別に制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
【0057】
制御装置は、例えば、駆動部DMとしての形状記憶合金ワイヤSAの収縮による光軸OAに平行な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子ISのZ1側(被写体側)において、光軸OAに平行な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである自動焦点調整機能を実現してもよい。具体的には、制御装置は、撮像素子ISから離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子ISに近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしてもよい。或いは、制御装置は、駆動部DMとしての形状記憶合金ワイヤSAの収縮による光軸OAに垂直な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子ISのZ1側(被写体側)において、光軸OAに垂直な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである手振れ補正機能を実現してもよい。
【0058】
上述のように、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、図2に示すように、ベース部材18と、レンズ体LSを保持可能な筒状部12を有し、ベース部材18に対して移動可能なレンズ保持部材2と、ベース部材18に固定される複数の固定側金属部材5Fと、レンズ保持部材2に固定される複数の可動側金属部材5Mと、一端部が対応する固定側金属部材5Fに固定されるとともに他端部が対応する可動側金属部材5Mに固定され、一端部の光軸方向(Z軸方向)における位置と他端部の光軸方向における位置とが異なるように配置される複数の形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。そして、複数の形状記憶合金ワイヤSAは、レンズ保持部材2の筒状部12を囲む四面(前面、左側面、後面、及び右側面)にそれぞれ一本ずつ配置された四本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4)を含む。なお、光軸方向は、レンズ体LSの光軸OAの方向、及び、光軸OAに平行な方向を含む。
【0059】
ベース部材18は、光軸方向に沿った平面視において、筒状部12を挟んで一方の対角方向において対向するように設けられた一対の固定側載置面FS(第1固定側載置面FS1及び第2固定側載置面FS2)を有する。一対の固定側載置面FS(第1固定側載置面FS1及び第2固定側載置面FS2)のそれぞれは、図7の上図に示すように、光軸方向における高さ位置の異なる固定側上部載置面FSU(第1固定側上部載置面FS1U及び第2固定側上部載置面FS2U)と固定側下部載置面FSD(第1固定側下部載置面FS1D及び第2固定側下部載置面FS2D)とを有する。
【0060】
レンズ保持部材2は、筒状部12を挟んで他方の対角方向において対向するように設けられた一対の可動側載置面MS(第1可動側載置面MS1及び第2可動側載置面MS2)を有する。一対の可動側載置面MS(第1可動側載置面MS1及び第2可動側載置面MS2)のそれぞれは、図4の上図に示すように、光軸方向における高さ位置の異なる可動側上部載置面MSU(第1可動側上部載置面MS1U及び第2可動側上部載置面MS2U)と可動側下部載置面MSD(第1可動側下部載置面MS1D及び第2可動側下部載置面MS2D)とを有する。
【0061】
そして、複数の固定側金属部材5Fのそれぞれは、対応する固定側上部載置面FSU又は固定側下部載置面FSDの上に取り付けられ、複数の可動側金属部材5Mのそれぞれは、対応する可動側上部載置面MSU又は可動側下部載置面MSDの上に取り付けられる。また、複数の固定側金属部材5Fのそれぞれには、複数の形状記憶合金ワイヤSAのうちの対応する一本の一端部が固定され、複数の可動側金属部材5Mのそれぞれには、複数の形状記憶合金ワイヤSAのうちの対応する一本の他端部が固定される。
【0062】
図示例では、固定側金属部材5Fは、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4を含む。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1は、第1固定側下部載置面FS1Dの上に取り付けられ、第2固定側ターミナルプレート5F2は、第1固定側上部載置面FS1Uの上に取り付けられ、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第2固定側下部載置面FS2Dの上に取り付けられ、第4固定側ターミナルプレート5F4は、第2固定側上部載置面FS2Uの上に取り付けられている。また、可動側金属部材5Mは、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。そして、第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側上部載置面MS1Uの上に取り付けられ、第2可動側ターミナルプレート5M2は、第2可動側下部載置面MS2Dの上に取り付けられ、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側上部載置面MS2Uの上に取り付けられ、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第1可動側下部載置面MS1Dの上に取り付けられている。
【0063】
また、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4を含む。そして、第1ワイヤSA1は、一端部が第1固定側ターミナルプレート5F1に固定され、他端部が第1可動側ターミナルプレート5M1に固定されている。第2ワイヤSA2は、一端部が第2固定側ターミナルプレート5F2に固定され、他端部が第2可動側ターミナルプレート5M2に固定されている。第3ワイヤSA3は、一端部が第3固定側ターミナルプレート5F3に固定され、他端部が第3可動側ターミナルプレート5M3に固定されている。第4ワイヤSA4は、一端部が第4固定側ターミナルプレート5F4に固定され、他端部が第4可動側ターミナルプレート5M4に固定されている。
【0064】
上述の構成では、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mのそれぞれは上方側(Z1側)のみから取り付けが行われる。そのため、上述の構成は、四方のそれぞれの側(前方側(X1側)、左方側(Y1側)、後方側(X2側)、及び右方側(Y2側))から取り付けが行われる構成に比べ、レンズ駆動装置101の生産性(組み立て性)が向上するという効果をもたらす。すなわち、上述のレンズ駆動装置101は、従来の構成に比べて組み立てやすい。また、上述の構成は、レンズ駆動装置101の組み立て精度を高めることができるという効果をもたらす。
【0065】
また、レンズ保持部材2には、図3に示すように、可動側金属部材5Mに接続される金属製の可動側導電部材MCが埋設されていてもよい。なお、図示例では、可動側導電部材MCは、第1可動側導電部材MC1及び第2可動側導電部材MC2を含むが、第1可動側導電部材MC1及び第2可動側導電部材MC2は一体化されていてもよい。
【0066】
この構成は、可動側導電部材MCがレンズ保持部材2に埋設されない構成に比べ、可動側金属部材5Mの構造を簡単にできるという効果をもたらす。この構成では、可動側導電部材MCがレンズ保持部材2に埋設されない構成に比べ、溶接等によって可動側金属部材5Mが比較的容易に可動側導電部材MCに固定され且つ電気的に接続されるためである。
【0067】
また、図3に示すように、平面視で隣り合うように配置された可動側上部載置面MSU及び可動側下部載置面MSDのそれぞれには、可動側導電部材MCの第1部分ES1及び第2部分ES2が露出していてもよい。そして、第1部分ES1及び第2部分ES2のそれぞれには、複数の可動側金属部材5Mのうちの対応する一つが接続されていてもよい。
【0068】
この構成は、可動側上部載置面MSUと可動側下部載置面MSDとが互いから離間して配置される場合に比べ、部品点数を削減できるという効果をもたらす。可動側導電部材MCを二つ以下の部品で構成できるためであり、一つの可動側導電部材MCを複数の可動側金属部材5Mに対応付けることができるためである。なお、図示例では、図4に示すように、第1可動側導電部材MC1は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第4可動側ターミナルプレート5M4に対応付けられ、第2可動側導電部材MC2は、第2可動側ターミナルプレート5M2及び第3可動側ターミナルプレート5M3に対応付けられている。
【0069】
また、レンズ駆動装置101は、図2に示すように、レンズ保持部材2とベース部材18とを連結するように設けられる可撓性金属部材6を有していてもよい。そして、可撓性金属部材6は、ベース部材18に固定されるベース固定部6Eと、レンズ保持部材2の下面に固定される可動固定部6Nと、ベース固定部6Eと可動固定部6Nとの間に配置される可撓性腕部6Gとを有していてもよい。また、可動側導電部材MCは、図5の上図に示すように、レンズ保持部材2の下面に露出する第3部分ES3を有していてもよい。そして、第3部分ES3は、レンズ保持部材2の下面側において可動固定部6Nに接続されていてもよい。
【0070】
この構成では、可撓性金属部材6は、レンズ保持部材2の下面側に設けられている。そのため、この構成は、可撓性金属部材6の存在が、レンズ保持部材2の上面に対する可動側金属部材5Mの取り付けに影響を及ぼしてしまうのを抑制できる。また、この構成は、可撓性金属部材6が存在しない場合に比べ、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が容易になるという効果をもたらす。
【0071】
また、ベース部材18には、図6に示すように、金属製の固定側導電部材FCが埋設されていてもよい。そして、固定側導電部材FCは、ベース部材18の外部に露出する端子部TMを有していてもよい。また、固定側導電部材FCの一部(第1固定側導電部材FC1~第4固定側導電部材FC4)は、対応する固定側金属部材5Fに接続され、固定側導電部材FCの他の一部(第5固定側導電部材FC5及び第6固定側導電部材FC6)は、ベース部材18の上面に露出するとともに、可撓性金属部材6のベース固定部6Eに接続されていてもよい。
【0072】
この構成は、固定側導電部材FCがベース部材18に埋設されない構成に比べ、固定側金属部材5Fの構造を簡単にできるという効果をもたらす。また、この構成は、固定側導電部材FCがベース部材18に埋設されない構成に比べ、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が容易になるという効果をもたらす。この構成では、固定側導電部材FCがベース部材18に埋設されない構成に比べ、溶接等によって固定側金属部材5Fが比較的容易に固定側導電部材FCに固定され且つ電気的に接続されるためである。
【0073】
また、レンズ保持部材2の筒状部12を囲む四面(前面、左側面、後面、及び右側面)にそれぞれ一本ずつ配置された四本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4)のそれぞれは、四面のそれぞれを正面から見たときに、同じ向きに傾くように配置されていてもよい。図15は、カバー部材4が取り外された状態のレンズ駆動装置101の正面図であり、レンズ保持部材2の前面(X1側の面)を正面(X1側)から見たときの図に相当する。図15では、第1ワイヤSA1は、第1固定側ターミナルプレート5F1に固定される左端部が、第1可動側ターミナルプレート5M1に固定される右端部よりも低くなって傾くように配置されている。第2ワイヤSA2~第4ワイヤSA4についても同様である。図示は省略するが、レンズ保持部材2の左側面(Y1側の面)を正面(Y1側)から見たとき、第2ワイヤSA2は、第2可動側ターミナルプレート5M2に固定される左端部が、第2固定側ターミナルプレート5F2に固定される右端部よりも低くなって傾くように配置されている。同様に、レンズ保持部材2の後面(X2側の面)を正面(X2側)から見たとき、第3ワイヤSA3は、第3固定側ターミナルプレート5F3に固定される左端部が、第3可動側ターミナルプレート5M3に固定される右端部よりも低くなって傾くように配置されている。また、レンズ保持部材2の右側面(Y2側の面)を正面(Y2側)から見たとき、第4ワイヤSA4は、第4可動側ターミナルプレート5M4に固定される左端部が、第4固定側ターミナルプレート5F4に固定される右端部よりも低くなって傾くように配置されている。
【0074】
また、図示例は、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれの左端部(低端部)がZ軸方向において互いに同じ位置(高さ)となり、且つ、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれの右端部(高端部)がZ軸方向において互いに同じ位置(高さ)となるように構成されている。しかしながら、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれの左端部(低端部)と右端部(高端部)との間の高低差が同じであれば、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれの左端部(低端部)は、Z軸方向において互いに異なる位置(高さ)にあってもよく、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4のそれぞれの右端部(高端部)は、Z軸方向において互いに異なる位置(高さ)にあってもよい。
【0075】
また、レンズ駆動装置101では、固定側上部載置面FSUに固定される固定側金属部材5F(図7の下図における第2固定側ターミナルプレート5F2及び第4固定側ターミナルプレート5F4を参照)と可動側上部載置面MSUに固定される可動側金属部材5M(図4の下図における第1可動側ターミナルプレート5M1及び第3可動側ターミナルプレート5M3を参照)とは同一形状となるように形成されていてもよい。また、固定側下部載置面FSDに固定される固定側金属部材5F(図7の下図における第1固定側ターミナルプレート5F1及び第3固定側ターミナルプレート5F3を参照)と可動側下部載置面MSDに固定される可動側金属部材5M(図4の下図における第2可動側ターミナルプレート5M2及び第4可動側ターミナルプレート5M4を参照)とは同一形状となるように形成されていてもよい。
【0076】
この構成は、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4及び第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4のそれぞれが別々の部品である場合に比べ、部品の種類を減らすことができるという効果をもたらす。具体的には、この構成は、形状記憶合金ワイヤSAの一端部に固定側金属部材5Fが取り付けられ且つ他端部に可動側金属部材5Mが取り付けられた半製品を一種類のみに限定できる。そのため、この構成は、レンズ駆動装置101の生産性(組み立て性)を向上させることができ、ひいては量産性を向上させることができる。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0078】
2・・・レンズ保持部材 2D・・・可動側台座部 2D1・・・第1可動側台座部 2D2・・・第2可動側台座部 2K・・・開口 2P・・・凸部 2Q・・・凸部 2S・・・突設部 2S1・・・第1突設部 2S2・・・第2突設部 4・・・カバー部材 4A・・・外周壁部 4A1・・・第1側板部 4A2・・・第2側板部 4A3・・・第3側板部 4A4・・・第4側板部 4B・・・天板部 4K・・・開口 4S・・・収納部 5・・・金属部材 5F・・・固定側金属部材 5F1・・・第1固定側ターミナルプレート 5F2・・・第2固定側ターミナルプレート 5F3・・・第3固定側ターミナルプレート 5F4・・・第4固定側ターミナルプレート 5H1・・・第1貫通孔 5H2・・・第2貫通孔 5M・・・可動側金属部材 5M1・・・第1可動側ターミナルプレート 5M2・・・第2可動側ターミナルプレート 5M3・・・第3可動側ターミナルプレート 5M4・・・第4可動側ターミナルプレート 6・・・可撓性金属部材 6B・・・後側可撓性金属部材 6E・・・ベース固定部 6E1・・・第1ベース固定部 6E1B・・・第1後側ベース固定部 6E1F・・・第1前側ベース固定部 6E2・・・第2ベース固定部 6E2B・・・第2後側ベース固定部 6E2F・・・第2前側ベース固定部 6F・・・前側可撓性金属部材 6G・・・可撓性腕部 6G1・・・第1可撓性腕部 6G1B・・・第1後側可撓性腕部 6G1F・・・第1前側可撓性腕部 6G2・・・第2可撓性腕部 6G2B・・・第2後側可撓性腕部 6G2F・・・第2前側可撓性腕部 6H1・・・第1貫通孔 6H2・・・第2貫通孔 6N・・・可動固定部 6NB・・・後側可動固定部 6NF・・・前側可動固定部 12・・・筒状部 18・・・ベース部材 18B・・・基部 18D・・・固定側台座部 18D1・・・第1固定側台座部 18D2・・・第2固定側台座部 18K・・・開口 18P・・・凸部 18Q・・・凸部 101・・・レンズ駆動装置 CM・・・カメラモジュール CS・・・接合面部 CS1・・・第1接合面部 CS2・・・第2接合面部 CS3・・・第3接合面部 CS4・・・第4接合面部 CS5・・・第5接合面部 CS6・・・第6接合面部 DM・・・駆動部 ES1・・・第1部分 ES1B・・・第1後側部分 ES1F・・・第1前側部分 ES2・・・第2部分 ES2B・・・第2後側部分 ES2F・・・第2前側部分 ES3・・・第3部分 ES3B・・・第3後側部分 ES3F・・・第3前側部分 FB・・・固定側部材 FC・・・固定側導電部材 FC1・・・第1固定側導電部材 FC2・・・第2固定側導電部材 FC3・・・第3固定側導電部材 FC4・・・第4固定側導電部材 FC5・・・第5固定側導電部材 FC6・・・第6固定側導電部材 FS・・・固定側載置面 FS1・・・第1固定側載置面 FS2・・・第2固定側載置面 FSD・・・固定側下部載置面 FS1D・・・第1固定側下部載置面 FS2D・・・第2固定側下部載置面 FSU・・・固定側上部載置面 FS1U・・・第1固定側上部載置面 FS2U・・・第2固定側上部載置面 HS・・・筐体 IS・・・撮像素子 LS・・・レンズ体 MC・・・可動側導電部材 MC1・・・第1可動側導電部材 MC2・・・第2可動側導電部材 MB・・・可動側部材 MS・・・可動側載置面 MS1・・・第1可動側載置面 MS2・・・第2可動側載置面 MSD・・・可動側下部載置面 MS1D・・・第1可動側下部載置面 MS2D・・・第2可動側下部載置面 MSU・・・可動側上部載置面 MS1U・・・第1可動側上部載置面 MS2U・・・第2可動側上部載置面 OA・・・光軸 SA・・・形状記憶合金ワイヤ SA1・・・第1ワイヤ SA2・・・第2ワイヤ SA3・・・第3ワイヤ SA4・・・第4ワイヤ TM・・・端子部 TM1・・・第1端子部 TM2・・・第2端子部 TM3・・・第3端子部 TM4・・・第4端子部 TM5・・・第5端子部 TM6・・・第6端子部
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