(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025121460
(43)【公開日】2025-08-20
(54)【発明の名称】光学系および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20250813BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20250813BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016858
(22)【出願日】2024-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】井野 友裕
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087MA07
2H087MA09
2H087PA11
2H087PA16
2H087PA20
2H087PB14
2H087PB15
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA44
(57)【要約】
【課題】高速フォーカシングが可能な小型の光学系を提供する。
【解決手段】光学系L0は、物体側から像側へ順に配置された、複数のレンズ群を含む正の屈折力の前群Lfと、開口絞りSPと、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群Lrとにより構成される。フォーカシングに際して前群に含まれる第1フォーカスレンズ群L2と、後群に含まれる第2フォーカスレンズ群L4が移動することで、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。前群は、最も物体側に配置された正の屈折力の第1レンズと、該第1レンズに像側にて隣り合う負の屈折力の第2レンズとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、複数のレンズ群を含む正の屈折力の前群と、開口絞りと、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群とにより構成される光学系であって、
フォーカシングに際して前記前群に含まれる第1フォーカスレンズ群と、前記後群に含まれる第2フォーカスレンズ群が移動することで、隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
前記前群は、
最も物体側に配置された正の屈折力の第1レンズと、
該第1レンズに像側にて隣り合う負の屈折力の第2レンズとを含むことを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記第1レンズは、単レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記第2レンズは、単レンズの物体側の面に樹脂層を有し、
前記樹脂層の物体側の面が非球面であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズの焦点距離をf1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.5≦f1/f≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項5】
前記第1レンズと前記第2レンズの光軸上の空気間隔をLD1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.02≦LD1/f≦0.15
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項6】
前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の空気換算距離をSK、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.1≦SK/f≦0.6
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項7】
前記第1レンズのd線を基準とするアッベ数をνd1とするとき
15≦νd1≦30
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項8】
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第2レンズ群が前記第1フォーカスレンズ群であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項9】
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、前記第1レンズ群と、前記第2レンズ群と、正または負の屈折力の第3レンズ群とにより構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項10】
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第1レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をT1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦T1/f≦1.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項11】
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第2レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をT2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.01≦T2/f≦0.30
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系
【請求項12】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第1後レンズ群が前記第2フォーカスレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項13】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第1後レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第1後レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をTr1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.1≦Tr1/f≦0.9
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項14】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第2後レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第2後レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をTr2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦Tr2/f≦0.9
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項15】
前記前群の焦点距離をfLf、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.5≦fLf/f≦5.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項16】
前記後群の焦点距離をfLr、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦fLr/f≦5.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項17】
前記前群の焦点距離をfLf、前記後群の焦点距離をfLrとするとき、
0.5≦fLf/fLr≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項18】
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第1レンズ群の焦点距離をfL1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦fL1/f≦5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項19】
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第2レンズ群の焦点距離をfL2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.5≦|fL2|/f≦5.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項20】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第1後レンズ群の焦点距離をfLr1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.1≦fLr1/f≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項21】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第2後レンズ群の焦点距離をfLr2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-7.0≦fLr2/f≦-0.2
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系を通して被写体を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像に好適な光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像には、大口径比でありながら小型で高い光学性能を有する光学系が求められている。またこのような光学系において、高速でフォーカシング(オートフォーカス)を行うことも求められている。
【0003】
特許文献1および特許文献2には、フォーカシングにおいて光学系の内部に配置されたフォーカスレンズ群を駆動するインナーフォーカス方式の光学系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-197125号公報
【特許文献2】特開2023-120952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大口径比の光学系では、諸収差の補正が困難である。特に高速でフォーカシングを行うためにフォーカスレンズ群を軽量化すると、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングにおいて収差変動の抑制が困難になる。
【0006】
本発明は、大口径比でありながらも軽量で、かつ高速でフォーカシングが可能な小型の光学系およびこれを備えた撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側へ順に配置された、複数のレンズ群を含む正の屈折力の前群と、開口絞りと、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群とにより構成される。フォーカシングに際して前群に含まれる第1フォーカスレンズ群と、後群に含まれる第2フォーカスレンズ群が移動することで、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。前群は、最も物体側に配置された正の屈折力の第1レンズと、該第1レンズに像側にて隣り合う負の屈折力の第2レンズとを含むことを特徴とする。なお、上記光学系を備えた撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、大口径比でありながらも軽量で、かつ高速でフォーカシングが可能な小型の光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施例1の光学系の(a)無限遠合焦状態と(b)最至近合焦状態での縦収差図。
【
図4】実施例2の光学系の(a)無限遠合焦状態と(b)最至近合焦状態での縦収差図。
【
図6】実施例3の光学系の(a)無限遠合焦状態と(b)最至近合焦状態での縦収差図。
【
図8】実施例4の光学系の(a)無限遠合焦状態と(b)最至近合焦状態での縦収差図。
【
図9】実施例1~4の光学系を備えた撮像装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1、
図3、
図5および
図7はそれぞれ、本発明の実施例1、2、3および4の光学系L0の無限遠物体に合焦した状態(以下、無限遠合焦状態という)での断面を示している。各図において、左側が物体側(前側)であり、右側が像側(後側)である。
【0012】
各実施例の光学系L0は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラおよび監視カメラ等の各種撮像装置の撮像光学系として用いられる。光学系L0は、撮像装置に対して交換可能であってもよいし、撮像装置に一体に設けられてもよい。
【0013】
各実施例の光学系L0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の前群Lf、開口絞りSPおよび正の屈折力の後群Lrにより構成されている。IPは像面である。像面IPには、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)の撮像面(受光面)または銀塩フィルムのフィルム面(感光面)が配置される。
【0014】
実施例1~3における前群Lfは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、正または負の屈折力の第2レンズ群L2および正または負の屈折力の第3レンズ群L3により構成されている。レンズ群は、無限遠と最至近との間でのフォーカシングに際して一体で移動する又は移動しない1または複数のレンズのまとまりである。すなわち、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群間の間隔が変化する。また実施例1~3における後群Lrは、正の屈折力の第4レンズ群L4および正または負の屈折力の第5レンズ群L5により構成されている。
【0015】
実施例1~3では、フォーカシングに際して、第1レンズ群L1、第3レンズ群L3および第5レンズ群L5は像面IPに対して固定され(不動であり)、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4が移動する。各図においてフォーカシングに際して移動するレンズ群の下には、無限遠から至近へのフォーカシングに際しての該レンズ群の移動方向(物体側または像側)を示している。
【0016】
実施例4における前群Lfは、物体側から像側へ順に配置された、第1レンズ群L1および負の屈折力の第2レンズ群L2により構成されている。実施例4における後群Lrは、正の屈折力の第3レンズ群L3および正または負の屈折力の第4レンズ群L4により構成されている。実施例4では、フォーカシングに際して、第1レンズ群L1および第4レンズ群L4は像面IPに対して固定され(不動であり)、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3が移動する。
【0017】
広画角と大口径比を有しつつ小型で高性能な光学系において、フォーカシング(オートフォーカス)を高速化するためには、光学系を構成するレンズ群の配置とフォーカシングに際して移動するフォーカスレンズ群の構成および配置を適切にすることが重要である。各実施例の光学系L0は、これを構成する複数のレンズ群のうち一部のフォーカスレンズ群を移動させることで、収差補正とフォーカスレンズ群の軽量化を実現している。
【0018】
また、2つのフォーカスレンズ群にパワーを分散させることで、フォーカシング時の収差、特に非点収差、コマ収差および倍率色収差の変動を抑制することが容易となる。
【0019】
以下、各実施例の光学系L0の特徴について説明する。
【0020】
実施例1~4において、正の屈折力の前群Lfのうち最も物体側の第1レンズ群L1は、最も物体側に正の屈折力の第1レンズを有する。ここにいう「レンズ」は、単レンズ、互いに異なる材料のレンズが貼り合わされた接合レンズおよびガラス等の無機材料により形成されたレンズの表面に樹脂等の有機材料により形成された層を設けたもの等、様々な形態のレンズを含む。実施例1~4のそれぞれに対応する数値例1~4では、第1レンズは単レンズにより構成されている。第1レンズに正の屈折力を与えることで、入射した光束を収束させ、第1レンズ群L1内の第1光学素子より像側のレンズや第2レンズ群L2内のレンズの径を小さくすることができ、各レンズを軽量化することが可能となる。
【0021】
実施例1~4において、第1レンズ群L1は、第1レンズに像側にて隣り合う負の屈折力の第2レンズを有する。各数値例では、第2レンズは単レンズの物体側の面に樹脂層を設けた構成を有する。さらに実施例1~4において、第2レンズは非球面を有する。各数値例では、樹脂層の物体側の面が非球面である。
【0022】
実施例1および2において、前群Lfにおけるフォーカシングに際して移動する第1フォーカスレンズ群である第2レンズ群L2は、正の屈折力の単レンズまたは正の屈折力の接合レンズにより構成されている。数値例1および2では、第2レンズ群L2は正の屈折力の単レンズにより構成されている。実施例1および2において、第2レンズ群L2は、無限遠から至近へのフォーカシングに際して物体側へ移動する。
【0023】
また実施例3および4において、前群Lfにおけるフォーカシングに際して移動する第1フォーカスレンズ群である第2レンズ群L2は、負の屈折力の単レンズまたは負の屈折力の接合レンズにより構成されている。数値例3および4では、第2レンズ群L2は負の屈折力の単レンズにより構成されている。実施例3および4において第2レンズ群L2は、無限遠から至近へのフォーカシングに際して像側へ移動する。
【0024】
このようにフォーカシングに際して移動する第2レンズ群L2を1つのレンズにより構成することで、フォーカシングの高速化が容易となる。
【0025】
実施例1および2において、前群Lfのうち最も像側の第3レンズ群L3は、負の屈折力の単レンズまたは負の屈折力の接合レンズにより構成されている。数値例1および2では、第3レンズ群L3は負の屈折力の単レンズにより構成されている。実施例3において、前群Lfのうち最も像側の第3レンズ群L3は、正の屈折力の単レンズまたは正の屈折力の接合レンズにより構成されている。数値例3では第3レンズ群L3は、正の屈折力の単レンズにより構成されている。
【0026】
実施例1~3において、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の間には開口絞りSPが配置されている。実施例4において、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間には開口絞りSPが配置されている。
【0027】
実施例1~3における第4レンズ群L4および実施例4における第3レンズ群L3は、無限遠から至近へのフォーカシングに際して物体側へ移動する第2フォーカスレンズ群である。また実施例1~3における第4レンズ群L4および実施例4における第3レンズ群L3は、2つの正レンズと1つの負レンズを少なくとも含む。正レンズと負レンズが貼り合わされた接合レンズについては、1つの正レンズと1つの負レンズと数える。この構成により、フォーカシング時の収差変動、特に軸上色収差と球面収差の変動を抑制することが容易となる。
【0028】
さらに実施例1~3において、フォーカシングに際して固定の第3レンズ群L3を配置することで、フォーカスレンズ群の重量増加を抑えつつ、軸上色収差と球面収差の補正が容易となる。
【0029】
次に各実施例の光学系L0が満足することが好ましい構成について説明する。
【0030】
実施例1~4において、第1レンズ群L1は、非球面を有することが好ましい。軸外の光線が高い位置になる第1レンズ群L1が非球面を有することで、像面湾曲、非点収差および歪曲収差を良好に補正することが可能となる。
【0031】
実施例1~4における後群Lrの最も像側の第2後レンズ群Lr2(実施例1~3の第5レンズ群L5、実施例4の第4レンズ群L4)は、1つの正レンズと2つの負レンズを少なくとも有することが好ましい。各実施例において最も像側のレンズ群が上記構成を有することで、ペッツバール和の補正に効果的であり、像面湾曲の補正が容易となる。
【0032】
実施例1~4における後群Lrの最も物体側の第1後レンズ群Lr1(実施例1~3の第4レンズ群L4、実施例4の第3レンズ群L3)は、物体側から像側へ順に配置された、接合レンズ、両凸形状の正レンズおよび正レンズにより構成されることが好ましい。しかも、第1後レンズ群Lr1を構成するレンズの数を抑えて、フォーカスレンズ群としての軽量化を実現できる。
【0033】
レンズ径を抑え易い後群Lrのうち最も物体側の第1後レンズ群Lr1に接合レンズを配置することで、フォーカスレンズ群としての重量増加を抑えつつ、軸上色収差の補正を容易とすることができる。
【0034】
実施例1~4における第1後レンズ群Lr1は、2つの正の屈折力の単レンズを含み、そのうち物体側の正の屈折力の単レンズを両凸レンズにすることが好ましい。これにより、正のパワーを分散させて収差補正を容易にしつつ、フォーカスレンズ群としての移動量を小さくしてフォーカシングの高速化が容易となる。
【0035】
実施例1~4における前群Lfの最も像側のレンズ群(実施例1~3の第3レンズ群L3、実施例4の第2レンズ群L2)内または該レンズ群に像側にて隣り合う位置(前群Lfと後群Lrの間)に開口絞りSPを配置することが好ましい。光学系L0全体の中心付近に開口絞りSPを配置することで、光学系L0のうち開口絞りSPの前後の対称性が向上し、コマ収差と歪曲収差の補正が容易となる。
【0036】
実施例1~4において、前群Lf内のフォーカシングレンズ群と後群Lr内のフォーカシングレンズ群は、フォーカシングに際して互いに異なる移動量で移動することが好ましい。これにより、最至近物体に合焦した状態(以下、最至近合焦状態という)での収差補正が容易となる。
【0037】
次に、各実施例の光学系L0が満足することが好ましい条件について説明する。各実施例の光学系L0は、以下の式(1)~(15)の条件のうち少なくとも1つを満足することが好ましい。
【0038】
0.5≦f1/f≦4.0 (1)
0.02≦LD1/f≦0.15 (2)
0.1≦SK/f≦0.6 (3)
15≦νd1≦30 (4)
0.2≦T1/f≦1.5 (5)
0.01≦T2/f≦0.30 (6)
0.1≦Tr1/f≦0.9 (7)
0.2≦Tr2/f≦0.9 (8)
0.5≦fLf/f≦5.0 (9)
0.2≦fLr/f≦5.0 (10)
0.5≦fLf/fLr≦4.0 (11)
0.2≦fL1/f≦5.0 (12)
0.5≦|fL2|/f≦5.0 (13)
0.1≦fLr1/f≦4.0 (14)
-7.0≦fLr2/f≦-0.2 (15)
式(1)~(15)において、fは無限遠合焦状態での光学系L0全系の焦点距離である。f1は第1レンズ群L1内の第1レンズの焦点距離、f2は第1レンズ群L1内の第2レンズの焦点距離である。LD1は第1レンズと第2レンズの光軸上の空気間隔である。SKは光学系L0の最も像側のレンズ面から像面(近軸像面)IPまでの光軸上の空気換算距離(バックフォーカス)である。T1は第1レンズ群L1の最も物体側のレンズ面から第1レンズ群L1の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。T2は第2レンズ群L2の最も物体側のレンズ面から第2レンズ群L2の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。Tr1は後群Lrの第1後レンズ群Lr1の最も物体側のレンズ面から該最も物体側のレンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離(厚み)である。Tr2は後群Lrの第2後レンズ群Lr2の最も物体側のレンズ面から該最も像側のレンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離(厚み)である。
【0039】
νd1は第1レンズのd線を基準とするアッベ数である。fLfは前群Lfの焦点距離、fLrは後群Lrの焦点距離である。fL1は第1レンズ群L1の焦点距離、fL2は第2レンズ群L2の焦点距離、fLr1は後群Lrの第1後レンズ群Lr1の焦点距離である。fLr2は第2後レンズ群Lr2の焦点距離である。
【0040】
式(1)の条件は、第1レンズの焦点距離f1と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。f1/fが式(1)の下限を下回ると、第1レンズの焦点距離が短くなりすぎて、すなわち第1レンズの屈折力が強くなりすぎて、非点収差や球面収差の補正が困難となるため、好ましくない。f1/f逆に、式(1)の上限を上回ると、第1レンズの焦点距離が長くなりすぎて、すなわち第1レンズの屈折力が弱くなりすぎて、光学系L0に入射する光束を十分に収斂させることができない。この結果、第1レンズ群L1における第1レンズよりも像側のレンズの径を小さくすることが困難となり、光学系L0全体の重量が重くなるため、好ましくない。
【0041】
式(2)の条件は、第1レンズと第2レンズの空気間隔LD1と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。LD1/fが式(2)の下限を下回るように第1レンズと第2レンズの間隔が狭くなりすぎると、第1レンズ群L1内にて第1レンズに入射した光束が収束する前に第2レンズ以降のレンズを配置する必要が生じる。この結果、第2レンズ以降のレンズの径が大きくなり、光学系L0全体の重量が重くなるため、好ましくない。LD1/fが式(2)の上限を上回るように第1レンズと第2レンズの間隔が広くなりすぎると、光学系L0の全長を長くする必要が生じ、光学系L0が大型化するため、好ましくない。
【0042】
式(3)の条件は、バックフォーカスSKと光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。SK/fが式(3)の上限を上回るようにバックフォーカスが長いと、光学系L0が大型化するため、好ましくない。SK/fが式(3)の下限を下回るようにバックフォーカスが短いと、像面付近での撮像素子やローパスフィルタ等の光学ブロックのレイアウトが困難となるため、好ましくない。
【0043】
式(4)は、正レンズである第1レンズのアッベ数νd1の適切な範囲を示している。νd1が式(4)の下限を下回ると、第1レンズで軸上色収差が過剰に発生するため、好ましくない。νd1が式(4)の上限を上回ると、軸上色収差の補正が不足するため、好ましくない。
【0044】
式(5)の条件は、第1レンズ群L1の厚みT1と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。T1/fが式(5)の上限を上回るように第1レンズ群L1の厚みが大きくなると、光学系L0が大型化するため、好ましくない。T1/fが式(5)の下限を下回るように第1レンズ群L1の厚みが小さくなると、第1レンズ群L1で発生する収差、特に歪曲収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0045】
式(6)の条件は、第2レンズ群L2の厚みT2と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。T2/fが式(6)の上限を上回るように第2レンズ群L2の厚みが大きくなると、光学系L0が大型化するため、好ましくない。T2/fが式(6)の下限を下回るように第2レンズ群L2の厚みが小さくなると、第2レンズ群L2で発生する収差、特に歪曲収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0046】
式(7)の条件は、第1後レンズ群Lr1の厚みTr1と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。Tr1/fが式(7)の上限を上回るように第1後レンズ群Lr1の厚みが大きいと、該第1後レンズ群Lr1の重量が増加してフォーカシングの高速化が困難となるため、好ましくない。Tr1/fが式(7)の下限を下回るように第1後レンズ群Lr1の厚みが小さいと、該第1後レンズ群Lr1で発生する収差、特に球面収差と非点収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0047】
式(8)の条件は、第2後レンズ群Lr2の厚みTr2と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。Tr2/fが式(8)の上限を上回るように第2後レンズ群Lr2の厚みが大きいと、光学系L0が大型化するため、好ましくない。Tr2/fが式(8)の下限を下回るように第2後レンズ群Lr2の厚みが小さいと、像面湾曲および歪曲収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0048】
式(9)の条件は、前群Lfの焦点距離fLfと光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。fLf/fが式(9)の上限を上回るように前群Lfの焦点距離が長くなる、すなわち前群Lfの屈折力が弱くなると、光束を収束する作用が弱くなる。この結果、第2レンズ群L2および開口絞りSPを通過する光束の径が大きくなり、光学系L0の小型化が困難になるため、好ましくない。fLf/fが式(9)の下限を下回るように前群Lfの焦点距離が短くなる、すなわち前群Lfの屈折力が強くなると、前群Lf内で発生する球面収差や非点収差を補正することが困難になるため、好ましくない。
【0049】
式(10)の条件は、後群Lrの焦点距離fLrと光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。fLr/fが式(10)の上限を上回るように後群Lrの焦点距離が長くなる、すなわち後群Lrの屈折力が弱くなると、前群Lfで発生する軸外の収差、特に倍率色収差や歪曲収差を補正することが困難となるため、好ましくない。fLr/fが式(10)の下限を下回るように後群Lrの焦点距離が短くなる、すなわち後群Lrの屈折力が強くなると、後群Lr内で発生する軸外の収差、特に倍率色収差や歪曲収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0050】
式(11)の条件は、前群Lfの焦点距離fLfと後群Lrの焦点距離fLrの適切な関係を示している。fLf/fLrが式(11)の上限を上回るように後群Lrの焦点距離が短くなる、すなわち第2レンズ群L2の屈折力が強くなると、後群Lrで発生する像面湾曲が多くなり、その補正が困難になるため、好ましくない。fLf/fLrが式(11)の下限を下回るように前群Lfの焦点距離が短くなる、すなわち前群Lfの屈折力が強くなると、前群Lf内で発生する球面収差や非点収差を補正することが困難になるため、好ましくない。
【0051】
式(12)の条件は、第1レンズ群L1の焦点距離fL1と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。fL1/fが式(12)の上限を上回るように第1レンズ群L1の焦点距離が短い、すなわち第1レンズ群L1の屈折力が強いと、第1レンズ群L1内で発生する球面収差や非点収差を補正することが困難になるため、好ましくない。またfL1/fが式(12)の下限を下回るように第1レンズ群L1の焦点距離が長い、すなわち第1レンズ群L1の屈折力が弱いと、光学系L0の全長が長くなり、小型化が困難になるため、好ましくない。
【0052】
式(13)の条件は、第2レンズ群L2の焦点距離fL2と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。|fL2|/fが式(13)の上限を上回るように第2レンズ群L2の焦点距離が短いと、第2レンズ群L2の重量が増加してフォーカシングの高速化が困難となるため、好ましくない。|fL2|/fが式(13)の下限を下回るように第2レンズ群L2の焦点距離が長いと、フォーカシング時の収差、特に非点収差の変動の補正が困難となるため、好ましくない。
【0053】
式(14)の条件は、後群Lrの第1後レンズ群Lr1の焦点距離fLr1と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。fLr1/fが式(14)の上限を上回るように第1後レンズ群Lr1の焦点距離が短いと、フォーカシングにて第1後レンズ群Lr1と共に移動する第2レンズ群L2の重量が増加して、フォーカシングの高速化が困難となるため、好ましくない。fLr1/fが式(14)の下限を下回るように第1後レンズ群Lr1の焦点距離が長いと、フォーカシング時の収差、特に球面収差と軸上色収差の変動の補正が困難となるため、好ましくない。
【0054】
式(15)の条件は、第2後レンズ群Lr2の焦点距離fLr2と光学系L0全系の焦点距離fとの適切な関係を示している。fLr2/fが式(15)の上限を上回るように第2後レンズ群Lr2の焦点距離が短いと、ペッツバール和の補正が困難となり、像面湾曲の抑制が困難となるため、好ましくない。fLr2/fが式(15)の下限を下回るように第2後レンズ群Lr2の焦点距離が長いと、バックフォーカスの確保が困難となるため、好ましくない。
【0055】
なお、式(1)~(15)の数値範囲を以下のようにすると、より好ましい。
【0056】
1.0≦f1/f≦3.5 (1a)
0.025≦LD1/f≦0.130 (2a)
0.15≦SK/f≦0.40 (3a)
17≦νd1≦28 (4a)
0.5≦T1/f≦1.2 (5a)
0.015≦T2/f≦0.150 (6a)
0.3≦Tr1/f≦0.7 (7a)
0.25≦Tr2/f≦0.70 (8a)
1.0≦fLf/f≦3.0 (9a)
0.3≦fLr/f≦3.0 (10a)
0.7≦fLf/fLr≦3.0 (11a)
0.3≦fL1/f≦3.0 (12a)
0.7≦|fL2|/f≦3.0 (13a)
0.2≦fLr1/f≦3.0 (14a)
-5.0≦fLr2/f≦-0.5 (15a)
また、式(1)~(15)の数値範囲を以下のようにすると、さらに好ましい。
【0057】
1.5≦f1/f≦3.0 (1b)
0.03≦LD1/f≦0.12 (2b)
0.20≦SK/f≦0.35 (3b)
20≦νd1≦26 (4b)
0.7≦T1/f≦0.9 (5b)
0.02≦T2/f≦0.07 (6b)
0.4≦Tr1/f≦0.5 (7b)
0.3≦Tr2/f≦0.4 (8b)
1.5≦fLf/f≦2.5 (9b)
0.5≦fLr/f≦1.5 (10b)
1.0≦fLf/fLr≦2.0 (11b)
0.5≦fL1/f≦1.5 (12b)
1.0≦|fL2|/f≦2.0 (13b)
0.3≦fLr1/f≦1.5 (14b)
-3.5≦fLr2/f≦-1.0 (15b)
以下、数値例1~4を示す。各数値例において、面番号iは物体側から数えたときの面の順番を示す。rは物体側からi番目の面の曲率半径(mm)、dはi番目と(i+1)番目の面間の光軸上のレンズ厚または空気間隔(mm)、ndは第i面と第(i+1)面間の光学材料のd線における屈折率である。νdは第i面と第(i+1)面間の光学材料のd線を基準とするアッベ数である。
【0058】
d線を基準とするアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、νd=(Nd-1)/(NF-NC)で表される。
【0059】
なお、間隔d、焦点距離、Fナンバーおよび半画角(°)は全て、無限遠合焦状態での値である。
【0060】
SKは前述したバックフォーカス(mm)を表す。レンズ全長は、光学系の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。
【0061】
面番号に付された「*」は、そのレンズ面が非球面形状を有することを意味する。非球面形状は、xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸に直交する方向で光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12を非球面係数とするとき、
x=(h2/R)/[1+√{1-(1+K)(h/R)2}]
+A4×h4+A6×h6+A8×h8+A10×h10+A12×h12
で表される。円錐定数および非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味する。
【0062】
レンズ群の間隔は、無限遠合焦状態と最至近合焦状態(物体距離を括弧書きで示す)での間隔を示している。物体距離は、像面から物体位置までの距離である。
【0063】
また、数値例1~4における前述した式()~(15)の条件に対応する値を表1にまとめて示す。各数値例は、式(1)~(15)の条件を全て満足している。
【0064】
図2、
図4、
図6および
図8はそれぞれ、数値例1~4の光学系L0の(a)無限遠合焦状態と(b)最至近合焦状態での縦収差(球面収差、非点収差、歪曲および色収差)を示している。球面収差図において、FnoはFナンバーを示し、実線はd線(波長587.6nm)に対する球面収差を、二点鎖線はg線(波長435.8nm)に対する球面収差をそれぞれ示している。非点収差図において、実線Sはサジタル像面での非点収差を、破線Mはメリディオナル像面での非点収差を示している。歪曲収差図は、d線における歪曲収差を示している。色収差図は、g線における倍率色収差を示している。ωは半画角(°)である。
【0065】
[数値例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 57.769 3.57 1.92286 20.9
2 99.001 2.01
3* 174.690 0.11 1.53352 52.8
4 207.351 1.35 1.65412 39.7
5 39.088 9.65
6 -41.799 1.35 1.77047 29.7
7 41.799 10.34 1.76385 48.5
8 -56.227 0.15
9 55.362 7.44 1.91082 35.2
10 -126.226 (可変)
11 41.162 3.03 1.90043 37.4
12 62.716 (可変)
13 ∞ 1.20 1.77047 29.7
14 38.312 4.28
15(絞り) ∞ (可変)
16 -22.567 3.89 1.59522 67.7
17 -17.388 1.20 1.73037 32.2
18 -66.069 0.16
19 65.372 8.43 1.49700 81.7
20 -31.807 0.37
21* 195.760 6.10 1.80400 46.5
22* -52.537 (可変)
23 ∞ 5.16 2.00100 29.1
24 -46.593 1.20 1.58144 40.8
25 46.593 9.09
26 -31.535 1.00 1.72825 28.5
27 -45.428 14.66
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.43375e-07 A 6=-2.73639e-09 A 8= 6.57484e-12
A10=-1.50535e-14 A12= 9.83500e-18
第21面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.27084e-06 A 6= 6.22450e-10 A 8= 1.62557e-11
A10=-9.43111e-14 A12= 1.12652e-16
第22面
K = 0.00000e+00 A 4= 6.07848e-06 A 6=-7.76772e-09 A 8= 6.38476e-11
A10=-1.90658e-13 A12= 1.91577e-16
焦点距離 48.50
Fナンバー 1.46
半画角(°) 24.04
像高 21.64
レンズ全長 117.49
SK 14.66
無限遠 最至近(-400mm)
d10 3.76 1.46
d12 3.66 5.96
d15 11.67 7.27
d22 2.68 7.08
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 53.02
2 11 124.70
3 13 -49.73
4 16 38.05
5 23 -96.43
[数値例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 61.356 4.23 2.00069 25.5
2 155.534 4.23
3* 836.451 0.14 1.53352 52.8
4 9065.248 1.30 1.72047 34.7
5 37.963 9.31
6 -41.519 1.30 1.77047 29.7
7 40.508 10.06 1.77250 49.6
8 -55.412 0.15
9 56.306 6.62 1.95375 32.3
10 -136.914 (可変)
11 43.381 2.94 1.91082 35.2
12 66.751 (可変)
13 730.270 1.23 1.73037 32.2
14 38.613 4.26
15(絞り) ∞ (可変)
16 -23.950 3.09 1.59522 67.7
17 -18.367 1.10 1.77047 29.7
18 -89.141 0.15
19 61.370 9.03 1.49700 81.5
20 -32.482 0.69
21* 123.050 6.50 1.80400 46.5
22* -55.009 (可変)
23 397.215 4.95 2.00100 29.1
24 -55.804 1.30 1.58144 40.8
25 42.967 9.38
26 -32.640 1.82 1.62004 36.3
27 -48.951 13.26
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.27090e-07 A 6=-1.54574e-09 A 8= 3.73197e-12
A10=-1.06510e-14 A12= 8.55869e-18
第21面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.25844e-06 A 6= 1.10049e-08 A 8=-3.65477e-11
A10= 1.02156e-13 A12=-9.95585e-17
第22面
K = 0.00000e+00 A 4= 5.69279e-06 A 6= 6.86476e-09 A 8=-1.01569e-11
A10= 5.22676e-14 A12=-5.29539e-17
焦点距離 48.50
Fナンバー 1.46
半画角(°) 24.04
像高 21.64
レンズ全長 118.50
SK 13.26
無限遠 最至近(-400mm)
d10 3.84 1.49
d12 3.38 5.73
d15 11.92 7.15
d22 2.30 7.08
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 55.54
2 11 128.35
3 13 -55.86
4 16 39.26
5 23 -105.72
[数値例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 73.465 4.72 1.96300 24.1
2 422.069 5.34
3* -247.661 0.36 1.53352 52.8
4 -121.885 1.30 1.73037 32.2
5 40.970 7.70
6 -54.419 1.30 1.73037 32.2
7 42.011 9.81 1.81600 46.6
8 -52.701 0.15
9 46.818 6.53 1.91082 35.2
10 -182.855 (可変)
11 130.723 1.00 1.73037 32.2
12 34.408 (可変)
13 34.823 2.61 1.65160 58.5
14 42.973 3.97
15(絞り) ∞ (可変)
16 -25.856 5.09 1.67790 55.3
17 -16.086 1.12 1.77047 29.7
18 -97.823 0.52
19 -252.862 3.88 1.59522 67.7
20 -46.425 0.61
21* 118.091 8.68 1.80400 46.5
22* -36.782 (可変)
23 3113.777 6.13 2.00100 29.1
24 -48.745 1.70 1.59551 39.2
25 56.334 9.36
26 -31.432 1.10 1.63980 34.5
27 -44.734 12.35
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.62263e-06 A 6=-1.08195e-09 A 8= 7.95075e-12
A10=-1.65697e-14 A12= 1.36913e-17
第21面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.04370e-06 A 6= 7.00824e-09 A 8=-1.23743e-11
A10= 1.20496e-14 A12= 3.82758e-17
第22面
K = 0.00000e+00 A 4= 4.39376e-06 A 6=-7.07780e-10 A 8= 2.06014e-11
A10=-7.70118e-14 A12= 1.37782e-16
焦点距離 48.50
Fナンバー 1.46
半画角(°) 24.04
像高 21.64
レンズ全長 116.95
SK 12.35
無限遠 最至近(-400mm)
d10 3.13 5.35
d12 3.53 1.31
d15 12.14 6.60
d22 2.81 8.35
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 42.31
2 11 -64.22
3 13 250.12
4 16 43.54
5 23 -129.66
[数値例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 53.816 5.80 1.96300 24.1
2 206.917 1.91
3* 103.952 0.15 1.53352 52.8
4 127.076 1.35 1.61340 44.3
5 25.575 10.79
6 -42.093 1.35 1.78880 28.4
7 42.093 7.97 1.76385 48.5
8 -65.152 0.15
9 69.917 5.89 1.88300 40.8
10 -101.196 1.45
11 51.742 3.85 1.81600 46.6
12 246.678 (可変)
13 239.114 1.20 1.61340 44.3
14 28.689 8.48
15(絞り) ∞ (可変)
16 -59.348 5.85 1.49700 81.5
17 -20.840 1.31 1.73037 32.2
18 324.994 1.68
19 103.121 7.44 1.61800 63.3
20 -32.793 0.15
21* 152.195 5.53 1.80400 46.5
22* -87.314 (可変)
23 9313.997 5.43 2.00100 29.1
24 -46.460 3.01 1.54072 47.2
25 46.460 9.63
26 -31.065 1.00 1.53172 48.8
27 -44.083 13.03
像面 ∞
非球面データ
第3面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.99729e-06 A 6=-5.01657e-10 A 8= 1.00336e-12
A10= 1.92177e-15 A12=-4.72109e-18
第21面
K = 0.00000e+00 A 4=-1.96390e-06 A 6=-8.86488e-09 A 8= 3.81302e-11
A10=-1.09819e-13 A12= 8.62521e-17
第22面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.83578e-06 A 6=-1.38704e-08 A 8= 5.99084e-11
A10=-1.43518e-13 A12= 1.10064e-16
焦点距離 48.50
Fナンバー 1.46
半画角(°) 24.04
像高 21.64
レンズ全長 117.40
SK 13.03
無限遠 最至近(-400mm)
d12 1.47 5.08
d15 7.97 4.85
d22 3.56 6.69
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 37.97
2 13 -53.26
3 16 44.53
4 23 -159.39
【0066】
【0067】
[撮像装置]
図9は、実施例1~4の光学系L0を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)を示している。
【0068】
10はカメラ本体、11は実施例1~4のいずれかの光学系L0により構成された撮像光学系である。12はカメラ本体10に内蔵され、撮像光学系11によって形成された光学像(つまりは撮像光学系11を通して被写体)を撮像するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
【0069】
カメラ本体10はクイックターンミラーを有する一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さないミラーレスカメラでもよい。
【0070】
実施例1~4の光学系L0をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、広 画角かつ大口径比でありながら小型で高い光学性能を有し、高速なオートフォーカスが可能な撮像装置を得ることができる。
【0071】
以上の実施の形態は、以下の構成を含む。
【0072】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、複数のレンズ群を含む正の屈折力の前群と、開口絞りと、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群とにより構成される光学系であって、
フォーカシングに際して前記前群に含まれる第1フォーカスレンズ群と、前記後群に含まれる第2フォーカスレンズ群が移動することで、隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
前記前群は、
最も物体側に配置された正の屈折力の第1レンズと、
該第1レンズに像側にて隣り合う負の屈折力の第2レンズとを含むことを特徴とする光学系。
(構成2)
前記第1レンズは、単レンズであることを特徴とする構成1に記載の光学系。
(構成3)
前記第2レンズは、単レンズの物体側の面に樹脂層を有し、
前記樹脂層の物体側の面が非球面であることを特徴とする構成1または2に記載の光学系。
(構成4)
前記第1レンズの焦点距離をf1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.5≦f1/f≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から3のいずれか1つに記載の光学系。
(構成5)
前記第1レンズと前記第2レンズの光軸上の空気間隔をLD1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.02≦LD1/f≦0.15
なる条件を満足することを特徴とする構成1から4のいずれか1つに記載の光学系。
(構成6)
前記光学系の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の空気換算距離をSK、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.1≦SK/f≦0.6
なる条件を満足することを特徴とする構成1から5のいずれか1つに記載の光学系。
(構成7)
前記第1レンズのd線を基準とするアッベ数をνd1とするとき
15≦νd1≦30
なる条件を満足することを特徴とする構成1から6のいずれか1つに記載の光学系。
(構成8)
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第2レンズ群が前記第1フォーカスレンズ群であることを特徴とする構成1から7のいずれか1つに記載の光学系。
(構成9)
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、前記第1レンズ群と、前記第2レンズ群と、正または負の屈折力の第3レンズ群とにより構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光学系。
(構成10)
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第1レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をT1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦T1/f≦1.5
なる条件を満足することを特徴とする構成1から9のいずれか1つに記載の光学系。
(構成11)
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第2レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をT2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.01≦T2/f≦0.30
なる条件を満足することを特徴とする構成1から10のいずれか1つに記載の光学系
(構成12)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第1後レンズ群が前記第2フォーカスレンズであることを特徴とする構成1から11のいずれか1つに記載の光学系。
(構成13)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第1後レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第1後レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をTr1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.1≦Tr1/f≦0.9
なる条件を満足することを特徴とする構成1から12のいずれか1つに記載の光学系。
(構成14)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第2後レンズ群の最も物体側のレンズ面から該第2後レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をTr2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦Tr2/f≦0.9
なる条件を満足することを特徴とする構成1から13のいずれか1つに記載の光学系。
(構成15)
前記前群の焦点距離をfLf、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.5≦fLf/f≦5.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から14のいずれか1つに記載の光学系。
(構成16)
前記後群の焦点距離をfLr、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦fLr/f≦5.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から15のいずれか1つに記載の光学系。
(構成17)
前記前群の焦点距離をfLf、前記後群の焦点距離をfLrとするとき、
0.5≦fLf/fLr≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から16のいずれか1つに記載の光学系。
(構成18)
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第1レンズ群の焦点距離をfL1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.2≦fL1/f≦5
なる条件を満足することを特徴とする構成1から17のいずれか1つに記載の光学系。
(構成19)
前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力の第2レンズ群とを含み、
前記第2レンズ群の焦点距離をfL2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.5≦|fL2|/f≦5.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から18のいずれか1つに記載の光学系。
(構成20)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第1後レンズ群の焦点距離をfLr1、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.1≦fLr1/f≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から19のいずれか1つに記載の光学系。
(構成21)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1後レンズ群と、正または負の屈折力の第2後レンズ群とにより構成され、
前記第2後レンズ群の焦点距離をfLr2、無限遠物体に合焦した状態での前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-7.0≦fLr2/f≦-0.2
なる条件を満足することを特徴とする構成1から20のいずれか1つに記載の光学系。
(構成22)
構成1から21のいずれか1つに記載の光学系と、
前記光学系を通して被写体を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【0073】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対 して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
L0 光学系
Lf 前群
Lr 後群群
SP 開口絞り
IP 像面