(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025121605
(43)【公開日】2025-08-20
(54)【発明の名称】エンジン冷却装置
(51)【国際特許分類】
F01P 7/16 20060101AFI20250813BHJP
F02M 26/28 20160101ALI20250813BHJP
F02M 26/30 20160101ALI20250813BHJP
F01P 3/02 20060101ALI20250813BHJP
F01P 3/18 20060101ALI20250813BHJP
F01P 5/10 20060101ALI20250813BHJP
【FI】
F01P7/16 505B
F02M26/28
F02M26/30
F01P3/02 T
F01P3/18 G
F01P5/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017145
(22)【出願日】2024-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】秋山 翔一
(72)【発明者】
【氏名】竿田 武則
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅澄
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩和
【テーマコード(参考)】
3G062
【Fターム(参考)】
3G062ED08
3G062GA08
3G062GA18
(57)【要約】
【課題】燃費の低下が抑制されたエンジン冷却装置を提供することを課題とする。
【解決手段】エンジンのシリンダブロックの下部であるブロック下部と、前記シリンダブロックの上部であるブロック上部と、前記エンジンのシリンダヘッドと、前記エンジンの排気ガスを冷却する排気冷却部と、冷却水を放熱するラジエータと、前記ラジエータをバイパスして前記ブロック下部と前記ブロック上部と前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる第1経路と、前記ブロック下部をバイパスして前記ラジエータと前記ブロック上部と前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる第2経路と、前記第1経路を流れる冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合、前記冷却水の温度が前記暖機完了温度未満の場合よりも、前記第1経路を流れる冷却水の流量に対する前記第2経路を流れる冷却水の流量を増大させる流量制御機構と、を備えたエンジン冷却装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンのシリンダブロックの下部であるブロック下部と、
前記シリンダブロックの上部であるブロック上部と、
前記エンジンのシリンダヘッドと、
前記エンジンの排気ガスを冷却する排気冷却部と、
冷却水を放熱するラジエータと、
前記ラジエータをバイパスして前記ブロック下部と前記ブロック上部と前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる第1経路と、
前記ブロック下部をバイパスして前記ラジエータと前記ブロック上部と前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる第2経路と、
前記第1経路を流れる冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合、前記冷却水の温度が前記暖機完了温度未満の場合よりも、前記第1経路を流れる冷却水の流量に対する前記第2経路を流れる冷却水の流量を増大させる流量制御機構と、を備えたエンジン冷却装置。
【請求項2】
前記エンジンのEGRガスを冷却するEGRクーラを備え、
前記第1及び第2経路のそれぞれは、更に前記EGRクーラに冷却水を循環させる、請求項1のエンジン冷却装置。
【請求項3】
前記第1経路は、前記排気冷却部と前記シリンダヘッドとを通過した冷却水を前記EGRクーラに流入させる、請求項2のエンジン冷却装置。
【請求項4】
前記第2経路は、前記ラジエータから前記ブロック上部と前記EGRクーラとに冷却水を循環させる経路と、前記ラジエータから前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる経路とを含む、請求項3のエンジン冷却装置。
【請求項5】
前記流量制御機構は、前記第1経路上に配置された第1ウォータポンプ、及び前記第2経路上に配置された第2ウォータポンプ、を含む、請求項4のエンジン冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却水によりエンジンを冷却するエンジン冷却装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
暖機完了前でのエンジンのシリンダブロックやシリンダヘッドの昇温が遅いと、未燃燃料が増大して燃費が低下するおそれがある。また、暖機完了後にエンジンのシリンダブロックの上部及びシリンダヘッド、並びに排気冷却部が過昇温すると、ノッキングが発生しやすくなり、燃費が低下するおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、燃費の低下が抑制されたエンジン冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、エンジンのシリンダブロックの下部であるブロック下部と、前記シリンダブロックの上部であるブロック上部と、前記エンジンのシリンダヘッドと、前記エンジンの排気ガスを冷却する排気冷却部と、冷却水を放熱するラジエータと、前記ラジエータをバイパスして前記ブロック下部と前記ブロック上部と前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる第1経路と、前記ブロック下部をバイパスして前記ラジエータと前記ブロック上部と前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる第2経路と、前記第1経路を流れる冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合、前記冷却水の温度が前記暖機完了温度未満の場合よりも、前記第1経路を流れる冷却水の流量に対する前記第2経路を流れる冷却水の流量を増大させる流量制御機構と、を備えたエンジン冷却装置によって達成できる。
【0007】
前記エンジンのEGRガスを冷却するEGRクーラを備え、前記第1及び第2経路のそれぞれは、更に前記EGRクーラに冷却水を循環させてもよい。
【0008】
前記第1経路は、前記排気冷却部と前記シリンダヘッドとを通過した冷却水を前記EGRクーラに流入させてもよい。
【0009】
前記第2経路は、前記ラジエータから前記ブロック上部と前記EGRクーラとに冷却水を循環させる経路と、前記ラジエータから前記シリンダヘッドと前記排気冷却部とに冷却水を循環させる経路とを含んでもよい。
【0010】
前記流量制御機構は、前記第1経路上に配置された第1ウォータポンプ、及び前記第2経路上に配置された第2ウォータポンプ、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
燃費の低下が抑制されたエンジン冷却装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図2】第1実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図3】第1実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図4】第2実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図5】第2実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図6】第3実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図7】第3実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図8】第4実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【
図9】第4実施例のエンジン冷却装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施例]
図1~
図3は、第1実施例のエンジン冷却装置1の説明図である。エンジン冷却装置1は、例えば車両に搭載される。エンジン冷却装置1は、ブロック下部11、ブロック上部12、シリンダヘッド13、排気冷却部14、EGRクーラ21、EGRバルブ22、スロットルボディ23、ラジエータ30、ヒータコア31、開閉弁32、オイルクーラ33、ウォータポンプP1及びP2、温度センサS1及びS2、及びECU(Electronic Control Unit)100を含む。ブロック下部11は、エンジンのシリンダブロックの下部である。ブロック上部12は、エンジンのシリンダブロックの上部である。ブロック下部11内で冷却水が流れるジャケットとブロック上部12内で冷却水が流れるジャケットとは、互いに区画されている。シリンダヘッド13は、ブロック上部12の上部に固定される。排気冷却部14は、シリンダヘッド13に接続された排気マニホールドの外周部に設けられている。排気冷却部14内に冷却水が流通することにより、冷却水と排気ガスとの熱交換が行われて排気ガスが冷却される。EGRクーラ21は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)管の外周部に設けられている。EGRクーラ21内に冷却水が流通することにより、冷却水とEGRガスとの熱交換が行われてEGRガスが冷却される。EGRクーラ21はブロック上部12に接続されている。EGRバルブ22は、EGRガスの流量を調整する。スロットルボディ23は、吸入空気量を調整する吸気バルブの本体部である。ラジエータ30は、外気と冷却水との熱交換を促進して冷却水を冷却する。ヒータコア31は、車両の室内の空気と冷却水との熱交換を促進して車室内を暖房する。開閉弁32は、ヒータコア31への冷却水の流入を許可又は遮断する。オイルクーラ33は、冷却水とエンジンオイルとの熱交換によりエンジンオイルを冷却する。
【0014】
ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100は、温度センサS1及び温度センサS2に基づいて冷却水の温度を取得する。ECU100は、ウォータポンプP1及びP2、及び開閉弁32を制御する。尚、ウォータポンプP1及びP2は電動式である。ウォータポンプP1及びP2は、流量制御機構の一例である。ウォータポンプP1は第1ウォータポンプの一例である。ウォータポンプP2は第2ウォータポンプの一例である。
【0015】
経路61は、ブロック下部11に接続されている。ウォータポンプP1は経路61上に設けられている。ウォータポンプP1は、経路61を介してブロック下部11へ冷却水を圧送する。経路62は、ブロック下部11と排気冷却部14とを連通している。経路63は、オイルクーラ33を介してブロック下部11と排気冷却部14とを連通している。経路64は、排気冷却部14とシリンダヘッド13とを連通している。経路65は、シリンダヘッド13とブロック上部12とを連通している。経路66は、EGRバルブ22及びスロットルボディ23を介してEGRクーラ21と経路61とを連通している。経路67は、経路66のEGRクーラ21とEGRバルブ22との間から分岐して、経路61に接続されている。経路71は、排気冷却部14とラジエータ30とを連通する。経路68は経路71から分岐してEGRクーラ21に接続されている。経路72は、ラジエータ30とブロック上部12とを連通している。ウォータポンプP2は経路72上に設けられている。ウォータポンプP2は、経路72を介してブロック上部12に冷却水を圧送する。温度センサS2は、経路72に設けられている。
【0016】
経路81は排気冷却部14と経路61とを連通している。経路81には開閉弁32とヒータコア31とが設けられている。温度センサS1は、経路81の排気冷却部14と開閉弁32との間に設けられている。尚、温度センサS1は、詳細には開閉弁32及びヒータコア31をバイパスして経路81と経路61とを連通する不図示の経路上に設けられている。このため温度センサS1は、開閉弁32が閉じていても、排気冷却部14からの冷却水の温度を検出する。従って、温度センサS1は詳しくは後述する第1経路を循環する冷却水の温度を検出する。
【0017】
図1では、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度未満の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了前ではECU100はウォータポンプP1を駆動し、ウォータポンプP2は停止している。
図1では、実線で示した経路での冷却水の流量が大きく、点線で示した経路での冷却水の流量は小さい。この状態で冷却水は、経路61を介してブロック下部11に流入する。ブロック下部11に流入した冷却水の一部は、経路62を介して排気冷却部14に流入する。ブロック下部11に流入した冷却水の一部は、経路63を介してオイルクーラ33及び排気冷却部14に流入する。排気冷却部14に流入した冷却水の一部は、経路64及び65を介してシリンダヘッド13、ブロック上部12、及びEGRクーラ21に流入する。排気冷却部14に流入した冷却水の一部は、経路71の一部及び経路68を介してEGRクーラ21に流入する。EGRクーラ21に流入した冷却水の一部は、経路66を介してEGRバルブ22及びスロットルボディ23を流れ経路61へ流入する。EGRクーラ21に流入した冷却水の一部は、経路67を介して経路61へ流入する。経路61、62、63、64、65、66、67、68、及び71の一部は、第1経路の一例である。
【0018】
排気冷却部14内では冷却水は排気ガスにより高温化する。このように高温の冷却水は、シリンダヘッド13、ブロック上部12、及びブロック下部11に流入して、これらの昇温が促進される。これにより燃焼室内での未燃燃料の増大が抑制され、燃費の低下が抑制される。また、排気冷却部14、シリンダヘッド13、及びブロック上部12を通過して高温となった冷却水がEGRクーラ21に流入する。これによりEGRクーラ21の昇温が促進され、EGRクーラ21内に低温の冷却水が流入することによるEGR管内での凝縮水の発生を抑制できる。
【0019】
また、ウォータポンプP2が停止しているため、ラジエータ30に流入する冷却水の流量が低減され、冷却水の昇温が促進される。また、EGRバルブ22に冷却水が流入するため、EGRバルブ22の過昇温が抑制される。スロットルボディ23に冷却水が流入するため、スロットルボディ23の凍結が抑制される。
【0020】
図2では、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了後では、ECU100はウォータポンプP1及びP2を駆動する。換言すれば、
図2は、
図1よりも、ウォータポンプP1による冷却水の流量に対するウォータポンプP2による冷却水の流量が増大している。ウォータポンプP2が駆動しているため、排気冷却部14に流入した冷却水の一部は経路71を介してラジエータ30に流入する。ラジエータ30内で冷却水が冷却される。ラジエータ30に流入した冷却水は、経路72を介してブロック上部12に流入する。これにより、ブロック上部12の過昇温が抑制される。尚、ラジエータ30に流入した冷却水は、経路72、66、67、61、62、63、及び71を介して再びラジエータ30に流入する。従って、経路72、66、67、61、62、63、及び71は、第2経路の一例である。このように、第1経路の一部と第2経路の一部とは重複する。
【0021】
また、ラジエータ30に流入した冷却水は、ブロック下部11には流入しない。このため、ブロック下部11の降温が抑制され、これにより燃焼室内での未燃燃料の増大が抑制され、燃費の低下が抑制される。また、ラジエータ30で冷却された冷却水の一部がブロック上部12を介してEGRクーラ21、EGRバルブ22、スロットルボディ23に流入する。EGRクーラ21及びEGRバルブ22に冷却水が流通することにより、EGRガスの冷却が促進され燃費の低下が抑制される。
【0022】
暖房要求がある場合には、
図2に示すようにECU100は開閉弁32を開く。これにより、排気冷却部14に流入した冷却水の一部は経路81を介してヒータコア31へ流入する。ヒータコア31で冷却水と車室内の空気とが熱交換され、車室内が暖房される。経路81は、第3経路の一例である。尚、
図1の暖機完了前に暖房要求がある場合においても、開閉弁32を開くことにより車室内が暖房される。
【0023】
図3では、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合での冷却水の循環状態を示している。ここで、
図3では、温度センサS1が検出した冷却水の温度が
図2よりも高い場合を示している。
図3は、
図2と同様にウォータポンプP1及びP2が駆動しているが、
図3では、
図2よりもウォータポンプP1による冷却水の流量に対するウォータポンプP2による冷却水の流量が増大している。このため
図3では、ラジエータ30を通過してブロック上部12に流入した冷却水は、経路65を介してシリンダヘッド13に流入する。シリンダヘッド13に流入した冷却水は、経路64を介して排気冷却部14内に流入する。これにより、ブロック上部12、シリンダヘッド13、及び排気冷却部14の過昇温を抑制できる。例えばノッキングの発生を抑制でき、燃費の低下が抑制される。この場合、経路64及び65も第2経路に含まれる。
【0024】
また、ラジエータ30で冷却された冷却水の一部は、ブロック上部12を介してEGRクーラ21、EGRバルブ22、及びスロットルボディ23に流入する。これにより、EGRガスの冷却等が促進される。また、ブロック下部11や、シリンダヘッド13、及びオイルクーラ33から排気冷却部14に流入した冷却水の一部は、経路71を介してラジエータ30に流入する。これにより、冷却水の冷却が促進される。
【0025】
[第2実施例]
図4及び
図5は、第2実施例のエンジン冷却装置1aの説明図である。
図4及び
図5では、理解を容易にするためにブロック下部11及びブロック上部12を分離して示している。経路69はEGRクーラ21とブロック上部12とを連通している。経路66は、経路68に連通している。温度センサS1は、詳細には開閉弁32及びヒータコア31をバイパスして経路81と経路66とを連通する不図示の経路上に設けられている。このため温度センサS1は、開閉弁32が閉じていても、排気冷却部14からの冷却水の温度を検出できる。
【0026】
図4は、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度未満の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了前ではECU100はウォータポンプP1を駆動し、ウォータポンプP2は停止している。このため、経路61を介してブロック下部11に冷却水が流入する。ブロック下部11に流入した冷却水の一部は、経路62を介して排気冷却部14に流入する。ブロック下部11に流入した冷却水の一部は、経路63を介してオイルクーラ33に冷却水が流入する。オイルクーラ33に流入した冷却水は、排気冷却部14に流入する。排気冷却部14に流入した冷却水の一部は、経路71の一部及び経路68を介してEGRクーラ21に流入する。EGRクーラ21に流入した冷却水は、経路69を介してブロック上部12に流入する。ブロック上部12に流入した冷却水は、経路65を介してシリンダヘッド13に流入する。シリンダヘッド13に流入した冷却水は経路64を介して排気冷却部14に流入する。また、排気冷却部14に流入した冷却水の一部は、経路71の一部、経路68の一部、及び経路66を介してEGRバルブ22及びスロットルボディ23に流入する。EGRバルブ22及びスロットルボディ23に流入した冷却水は、経路66及び経路61を介してブロック下部11に流入する。経路61、62、63、64、65、66、67、68、69、及び71の一部は、第1経路の一例である。
【0027】
排気冷却部14で高温化した冷却水は、ブロック上部12、シリンダヘッド13、及びブロック下部11に流入する。これにより、ブロック上部12、シリンダヘッド13、及びブロック下部11の昇温が促進される。また、シリンダヘッド13及び排気冷却部14を流通して高温となった冷却水が、EGRクーラ21に流入する。これにより、EGRクーラ21の昇温が促進される。
【0028】
尚、シリンダヘッド13での冷却水の圧損R1、排気冷却部14での冷却水の圧損R2、ブロック上部12での冷却水の圧損R3、EGRクーラ21での冷却水の圧損R4を仮定し、ホイートストンブリッジ回路に見立てると、(R2・R3-R1・R4)が0に近いほど、ウォータポンプP2停止時でのラジエータ30を流れる冷却水の流量を低減できる。従って、上記の各圧損を調整することにより、ウォータポンプP2停止時でのラジエータ30を流れる冷却水の流量を低下させることにより、冷却水の昇温が促進され、ブロック下部11、ブロック上部12、シリンダヘッド13、及びEGRクーラ21の昇温が促進される。
【0029】
図5は、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了後ではECU100はウォータポンプP1及びP2を駆動する。排気冷却部14から排出された冷却水の一部は、経路71を介してラジエータ30に流入する。ラジエータ30に流入した冷却水は、ブロック上部12に流入する。ブロック上部12に流入した冷却水の一部は、経路65及び64を介してシリンダヘッド13及び排気冷却部14に流入する。このように、ラジエータ30を通過した冷却水の一部がブロック上部12、シリンダヘッド13、及び排気冷却部14に流入し、これらの過昇温が抑制される。また、ブロック上部12に流入した冷却水の一部は、経路69を介してEGRクーラ21に流入する。EGRクーラ21に流入した冷却水の一部は、経路66を介してEGRバルブ22及びスロットルボディ23に流入する。これによっても燃費の低下等が抑制される。経路64、65、68、69、71、72は第2経路の一例である。尚、暖房要求がある場合には、
図5に示すようにECU100は開閉弁32を開く。これにより車室内が暖房される。
【0030】
[第3実施例]
図6及び
図7は、第3実施例のエンジン冷却装置1bの説明図である。経路61aは、経路72と連通している。詳細には経路61aのウォータポンプP1よりも下流側の部位と、経路72のウォータポンプP2よりも下流側の部位とが連通している。ウォータポンプP1は経路61a上に設けられている。経路61bは、ブロック下部11と経路61aとを連通している。詳細には、経路61bと、経路61aのウォータポンプP1よりも上流側の部位と経路61aのウォータポンプP1よりも上流側の部位とが連通している。経路61bには冷却水の流量を低下させるためのオリフィス61cが設けられている。
【0031】
図6は、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度未満の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了前ではECU100はウォータポンプP1を駆動し、ウォータポンプP2は停止している。冷却水は、経路61aと経路72の一部とを介してブロック上部12に流入する。ブロック上部12に流入した冷却水の一部は、EGRクーラ21に流入する。EGRクーラ21に流入した冷却水の一部は、経路66を介してEGRバルブ22及びスロットルボディ23に流入し、経路61aに流れる。EGRクーラ21に流入した冷却水の一部は、経路67を介して経路61aに流入する。ブロック上部12に流入した冷却水の一部は、経路65及び64を介してシリンダヘッド13及び排気冷却部14に流入する。経路61a、61b、62、63、64、65、66、67、及び72の一部は、第1経路の一例である。
【0032】
排気冷却部14に流入した冷却水は、経路62及び63を介してブロック下部11に流入する。ブロック下部11に流入した冷却水は、経路61bを介して経路61aに流入する。このように排気冷却部14で高温化した冷却水は、ブロック下部11、ブロック上部12、及びシリンダヘッド13に流入する。このため、ブロック下部11、ブロック上部12、及びシリンダヘッド13の昇温が促進される。また、経路61bにはオリフィス61cが設けられている。これにより、ブロック下部11を通過する冷却水の流量が抑制され、ブロック下部11の昇温が促進される。
【0033】
図7は、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了後ではECU100はウォータポンプP1及びP2を駆動する。排気冷却部14に流入した冷却水の一部は、経路71を介してラジエータ30に流入する。ラジエータ30に流入した冷却水は、経路72を介してブロック上部12に流入する。ラジエータ30を通過してブロック上部12に流入した冷却水は、シリンダヘッド13及び排気冷却部14を流れる。これにより、ブロック上部12、シリンダヘッド13、及び排気冷却部14の過昇温が抑制される。また、ラジエータ30に流入した冷却水は、ブロック下部11には流入しない。このため、ブロック下部11の降温が抑制され、燃費の低下が抑制される。経路64、65、71、及び72は第2経路の一例である。
【0034】
ウォータポンプP1及びP2の駆動力を調整することにより、経路61aを流れる冷却水の流量に対する経路72を流れる冷却水の流量を増減させてもよい。例えば、温度センサS1が検出した温度が暖機完了温度以上であって更にノッキング発生温度以上の高温であった場合、暖機完了温度以上であってノッキング発生温度未満の場合よりも、経路61aを流れる冷却水の流量に対する経路72を流れる冷却水の流量を増大させてもよい。これにより、ラジエータ30を通過して低温となった冷却水のブロック上部12、シリンダヘッド13、及び排気冷却部14への流量が確保され、ノッキングの発生が抑制される。
【0035】
[第4実施例]
図8及び
図9は、第4実施例のエンジン冷却装置1cの説明図である。経路72にはサーモスタット34が設けられている。サーモスタット34には、経路61dが連通している。サーモスタット34内での冷却水の温度が暖機完了温度未満の場合、経路61dを介してサーモスタット34へ冷却水が流入する。サーモスタット34内での冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合、経路61dを介してサーモスタット34への冷却水が流入するとともに、経路72を介してサーモスタット34への冷却水が流入する。サーモスタット34に流入した冷却水は、経路72を介してブロック上部12に流入する。また、経路72のサーモスタット34よりも下流側にはウォータポンプP3が設けられている。サーモスタット34及びウォータポンプP3は、流量制御機構の一例である。第4実施例では、単一のウォータポンプP3が設けられているため、上述した第1~第3実施例のように2つのウォータポンプP1及びP2が設けられている場合と比較し、消費電力が低減されている。
【0036】
図8は、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度未満の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了前では、ECU100はウォータポンプP3を駆動し、サーモスタット34は経路72を閉じている。経路61dを流れる冷却水はサーモスタット34に流入して、経路72の一部を介してブロック上部12に流入する。ブロック上部12に流入した冷却水の一部は、シリンダヘッド13、排気冷却部14、及びブロック下部11に流れる。即ち、排気冷却部14で高温となった冷却水は、ブロック下部11、ブロック上部12、及びシリンダヘッド13に流入する。このようにしてブロック下部11、ブロック上部12、及びシリンダヘッド13の昇温が促進される。経路61d、61b、62、63、64、65、66、67、及び72の一部は、第1経路の一例である。
【0037】
図9は、温度センサS1が検出した冷却水の温度が暖機完了温度以上の場合での冷却水の循環状態を示している。暖機完了後では、ECU100はウォータポンプP3を駆動し、サーモスタット34は経路72を開いている。これにより、ラジエータ30を通過した冷却水がブロック上部12、シリンダヘッド13、及び排気冷却部14に流入する。これにより、ブロック上部12、シリンダヘッド13、及び排気冷却部14の過昇温が抑制される。経路64、65、71、及び72は第2経路の一例である。
【0038】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1a、1b、1c エンジン冷却装置
11 ブロック下部
12 ブロック上部
13 シリンダヘッド
14 排気冷却部
21 EGRクーラ
30 ラジエータ
31 ヒータコア
32 開閉弁
P1 ウォータポンプ(流量制御機構、第1ウォータポンプ)
P2 ウォータポンプ(流量制御機構、第2ウォータポンプ)