(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025121658
(43)【公開日】2025-08-20
(54)【発明の名称】充電管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250813BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250813BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20250813BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20250813BHJP
B60L 53/60 20190101ALI20250813BHJP
【FI】
G06Q50/10
H02J7/00 P
H02J7/10 A
B60L53/14
B60L53/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017240
(22)【出願日】2024-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 航
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE02
5H125CD10
5H125DD02
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】電動車両の充電に対するユーザの満足度を向上させる充電管理システムを提供する。
【解決手段】電動車両の普通充電および急速充電を管理する充電管理システムは、急速充電の使用状態を判定する判定部と、急速充電が使用中である場合、普通充電を使用可能にし、普通充電に対する課金を制限する充電管理部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の普通充電および急速充電を管理する充電管理システムであって、
前記急速充電の使用状態を判定する判定部と、
前記急速充電が使用中である場合、前記普通充電を使用可能にし、前記普通充電に対する課金を制限する充電管理部と、
を備える、充電管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の充電には、大きく分けて普通充電と急速充電とがあり、それぞれ、普通充電器と急速充電器とで行うことができる。
【0003】
特許文献1には、1つの充電スタンドに普通充電器と急速充電器とを備え、普通充電および急速充電の両方の充電が可能な充電システムが開示されている。当該充電システムでは、一台の電動車両に対して急速充電が可能で、急速充電を待つ他の電動車両は普通充電によって充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の充電システムでは、本来急速充電を行いたいユーザに対しても普通充電にかかる料金が徴収されるため、当該ユーザにとっては、不本意な充電サービスに対して料金を徴収されることになる。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、電動車両の充電に対するユーザの満足度を向上させる充電管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る、電動車両の普通充電および急速充電を管理する充電管理システムは、急速充電の使用状態を判定する判定部と、急速充電が使用中である場合、普通充電を使用可能にし、普通充電に対する課金を制限する充電管理部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電動車両の充電に対するユーザの満足度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る充電管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る充電管理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る充電管理装置が実行する充電管理処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る充電管理システムおよび動作主体となる充電管理装置について、図面を参照しながら説明する。なお、下記の実施形態における構成要素は、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
(充電管理システムの構成)
図1は、実施形態に係る充電管理システムの構成の一例を示す図である。
図1に示す充電管理システム1は、例えば、電動車両の普通充電および急速充電を管理する情報処理システムであり、いわゆる、電動車両の充電スタンド50を含んでよい。電動車両は、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)およびBEV(Battery Electric Vehicle)のいずれかを用いて実現される。
【0012】
充電スタンド50は、例えば、急速充電を行うための急速(DC)充電出力コネクタと、普通充電を行うための普通(AC)充電出力コネクタとを備える。なお、AC充電出力コネクタは、一口あってもよいし、複数口あってもよい。また、例えば、DC充電出力コネクタを備える急速充電用の充電スタンドと、AC充電出力コネクタを備える普通充電用の充電スタンドとが別々のスタンドとして分かれていてもよい。
【0013】
また、充電管理システム1は、例えば、電動車両の普通充電および急速充電を管理する情報処理装置である充電管理装置10を含んでよい。充電管理装置10は、例えば、充電スタンド50に内蔵されてもよいし、充電スタンド50とは別に設置されてもよいが、充電管理装置10と充電スタンド50とは通信可能に接続される。そして、充電管理装置10は、例えば、急速充電の使用状態を判定し、急速充電が使用中である場合、普通充電を使用可能にし、普通充電に対する課金を制限する。
【0014】
(充電管理装置10の構成)
図2は、実施形態に係る充電管理装置の構成の一例を示す図である。
図2に示す充電管理装置10は、1台のコンピュータとして示しているが、例えば、複数台のコンピュータで構成されてもよい。充電管理装置10は、例えば、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0015】
通信部20は、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、ネットワークインタフェースカードなどの通信インタフェースである。なお、充電管理装置10と他の装置との間の通信は、有線や無線を問わず、例えば、インターネットやイントラネットなどの各種通信網を介して行われてよい。
【0016】
記憶部30は、例えば、各種データや、制御部40が実行するプログラムを記憶する、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶装置である。
【0017】
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサである。制御部40は、例えば、判定部41、および充電管理部42を有する。
【0018】
判定部41は、例えば、急速充電の使用状態を判定する。より具体的には、判定部41は、例えば、充電スタンド50の急速充電ポートの空きの有無を判定し、空きがない場合は、電動車両が急速充電を使用中であると判定する。
【0019】
充電管理部42は、例えば、急速充電が使用中である場合、普通充電を使用可能にし、普通充電に対する課金を制限する。換言すると、例えば、急速充電が未使用の場合、充電管理部42は、普通充電を使用できないようにし、急速充電のみ行えるように制御できる。また、普通充電に対する課金を制限するとは、例えば、普通充電の料金を無料にすることであってよい。また、例えば、充電管理部42は、普通充電は常時開放しておき、急速充電が使用中である場合に、普通充電の料金を無料にするように制御してもよい。
【0020】
(充電管理処理)
次に、充電管理装置10が実行する充電管理処理について説明する。
図3は、実施形態に係る充電管理装置が実行する充電管理処理の流れを示すフローチャートである。
【0021】
図3に示すように、充電管理装置10は、充電を希望する車両(充電希望車)が急速充電スタンドへ到着したことを検出する(ステップS101)。このような車両の検出について、例えば、急速充電スタンドに到着した車両は、充電管理装置10と通信可能に接続されたカメラ装置によって撮影された映像から既存の物体検出技術などを用いて検出されてもよいし、各種センサ類を用いて検出されてもよい。
【0022】
続いて、充電管理装置10は、ステップS101で検出した車両以外の他の車両による急速充電の使用状態を判定する(ステップS102)。他の車両が急速充電中でない場合(ステップS102:No)、充電管理装置10は、ステップS101で検出した車両に対して急速充電を開始する(ステップS103)。ステップS103の実行後、
図3に示す充電管理処理は終了する。
【0023】
一方、他の車両が急速充電中で急速充電ポートに空きがない場合(ステップS102:Yes)、充電管理装置10は、ステップS101で検出した車両に対して、併設する普通充電スタンドを無料で開放する(ステップS104)。
【0024】
続いて、ステップS101で検出した車両が急速充電を待たない場合(ステップS105:No)、充電管理装置10は、当該車両に対して表示または通信などによって他の充電スタンドなど他への移動を促し(ステップS106)、
図3に示す充電管理処理は終了する。
【0025】
一方、ステップS101で検出した車両が急速充電を待つ場合(ステップS105:Yes)、充電管理装置10は、当該車両に対して無料で普通充電を開始する(ステップS107)。ステップS107の実行後、充電管理装置10は、定期的に急速充電が空いたか否かを判定し(ステップS102)、急速充電が空いた場合には、当該車両に対して急速充電を開始する(ステップS103)。
【0026】
なお、ステップS105の急速充電を待つか否かの判定について、例えば、充電管理装置10は、充電スタンドなどが備えるディスプレイに急速充電を待つか否かの確認メッセージを表示し、ユーザにボタン押下などで急速充電を待つか否かを選択させることにより、その選択結果を用いて当該判定を行ってよい。
【0027】
以上説明した実施形態によれば、電動車両の普通充電および急速充電を管理する充電管理システムは、急速充電の使用状態を判定し、急速充電が使用中である場合、普通充電を使用可能にし、普通充電に対する課金を制限することにより、電動車両の充電に対するユーザの満足度を向上させることができる。すなわち、当該充電管理システムによると、本来急速充電を行いたいユーザに対して無料で普通充電を提供できるため、急速充電待機中の車両のバッテリ上がりを防止でき、ユーザの満足度および利便性を向上させることができる。
【0028】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができ、より広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。また、本願の実施形態は例示であり、本発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 充電管理システム
10 充電管理装置
20 通信部
30 記憶部
40 制御部
41 判定部
42 充電管理部
50 充電スタンド