IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特開2025-121867交差点方向転換を計画する、装置、システム、及び方法
<>
  • 特開-交差点方向転換を計画する、装置、システム、及び方法 図1
  • 特開-交差点方向転換を計画する、装置、システム、及び方法 図2
  • 特開-交差点方向転換を計画する、装置、システム、及び方法 図3
  • 特開-交差点方向転換を計画する、装置、システム、及び方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025121867
(43)【公開日】2025-08-20
(54)【発明の名称】交差点方向転換を計画する、装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20250813BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250813BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20250813BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20250813BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G01C21/26 A
B60W30/10
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025012226
(22)【出願日】2025-01-28
(31)【優先権主張番号】18/427,130
(32)【優先日】2024-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー エー.シェルハート
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ファルコウスキー
(57)【要約】
【課題】軌道計画についての装置、システム、及び方法を提供すること。
【解決手段】開示される装置、システム、及び方法は、軌道計画を対象とする。例示的な装置は、1つ以上のプロセッサを備え、当該1つ以上のプロセッサは、交差点内で方向転換するための命令を受信し、交差点に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路を備えるマップデータに基づいて、自律車両が交差点内で方向転換する軌道を計画し、軌道に従って交差点を通過するように自律車両に命令するように動作可能である。1つ以上の最適方向転換経路は、1台以上の人間運転車両の方向転換経路に基づいて生成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサを備える軌道計画についての装置であって、前記1つ以上のプロセッサは、
交差点内で方向転換するための命令を受信し、
前記交差点に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路を備えるマップデータに基づいて、自律車両が前記交差点内で方向転換する軌道を計画し、前記1つ以上の最適方向転換経路は、1台以上の人間運転車両の方向転換経路に基づいて生成され、
前記軌道に従って前記交差点を通過するように前記自律車両に命令する、
ように動作可能である、装置。
【請求項2】
前記1つ以上の最適方向転換経路は更に、経時的に前記人間運転車両の過去のセンサデータに基づいて生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記軌道は、前記1つ以上の最適方向転換経路、及び前記1つ以上の最適方向転換経路に関連付けられる前記人間運転車両のパラメータに対する前記自律車両のパラメータに基づいて、訓練される第1の機械学習アルゴリズムを使用して生成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記自律車両の前記パラメータ及び前記人間運転車両の前記パラメータは、車両長さ、最小方向転換半径、ステアリングシステム、加速及び減速性能、又はこれらの組み合わせを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記センサデータは、速度データ、加速度データ、ステアリングデータ、ヨーデータ、車輪スリップデータ、車線逸脱データ、時刻、気象状態、車両タイプ、車両サイズ、最小及び最大車両回転半径、又はこれらの組み合わせを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の最適方向転換経路は、前記最適方向転換経路の経路長さを低減するように構成された第2の訓練される機械学習アルゴリズムによって生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記軌道は、今後の方向転換経路と、前記今後の方向転換経路に関連付けられる前記自律車両の速度、時間、及びキネマティクスと、を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記今後の方向転換経路は、前記1つ以上の最適方向転換経路のうちの1つである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは更に、前記自律車両のステアリング、スロットル、ブレーキ入力、又はこれらの組み合わせを制御又は調整することによって前記軌道に従うように前記自律車両を動作させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記交差点を通過している間、前記自律車両の軌跡を監視し、
前記軌跡が前記軌道から逸れるかどうかを決定し、
前記軌跡が前記軌道から逸れるという決定に応じて、前記人間運転車両の過去の方向転換経路に基づいて、前記自律車両が前記交差点を通過する更新軌道を生成するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記マップデータは、歩行者横断歩道、交通信号灯、交通標識、障壁、道路車線、道路縁、路肩、仕切り、ペイントマーク、ポール、又はこれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記マップデータは、高精度マップデータ又は標準精度マップデータである、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
軌道計画についての方法であって、
交差点内で方向転換するための命令を受信することと、
前記交差点に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路を備えるマップデータに基づいて、自律車両が前記交差点内で方向転換する軌道を計画することであって、前記1つ以上の最適方向転換経路は、1台以上の人間運転車両の方向転換経路に基づいて生成される、ということと、
前記軌道に従って前記交差点を通過するように前記自律車両に命令することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記1つ以上の最適方向転換経路は更に、経時的に前記人間運転車両の過去のセンサデータに基づいて生成され、
前記センサデータは、速度データ、加速度データ、ステアリングデータ、ヨーデータ、車輪スリップデータ、車線逸脱データ、時刻、気象状態、車両タイプ、車両サイズ、最小及び最大車両回転半径、又はこれらの組み合わせを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記軌道は、前記1つ以上の最適方向転換経路、及び前記1つ以上の最適方向転換経路に関連付けられる前記人間運転車両のパラメータに対する前記自律車両のパラメータに基づいて、訓練される第1の機械学習アルゴリズムを使用して生成され、
前記自律車両の前記パラメータ及び前記人間運転車両の前記パラメータは、車両長さ、最小方向転換半径、ステアリングシステム、加速及び減速性能、又はこれらの組み合わせを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の最適方向転換経路は、前記最適方向転換経路の経路長さを低減するように構成された第2の訓練される機械学習アルゴリズムによって生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記軌道は、今後の方向転換経路と、前記今後の方向転換経路に関連付けられる前記自律車両の速度、時間、及びキネマティクスと、を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記自律車両のステアリング、スロットル、ブレーキ入力、又はこれらの組み合わせを制御又は調整することによって前記軌道に従うように前記自律車両を動作させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
前記交差点を通過している間、前記自律車両の軌跡を監視することと、
前記軌跡が前記軌道から逸れるかどうかを決定することと、
前記軌跡が前記軌道から逸れるという決定に応じて、前記人間運転車両の過去の方向転換経路に基づいて、前記自律車両が前記交差点を通過する更新軌道を生成することと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記マップデータは、高精度マップデータ又は標準精度マップデータである、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両制御についての装置、システム、及び方法に関し、より具体的には、交差点方向転換を計画することによる車両制御についての装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、同じエリア内の空間に関して競合するため、交差点は、車両に関する課題を呈する。交差点は、複数の車線と、対向する交通と、通行権の決定を命ずる交通標識と、を含む。交差点でリアルタイムの意思決定に依拠することは、不確実性をもたらし得る。したがって、潜在的な交通リスクを低減し交差点をナビゲートする効率を向上させることを目的として、車両について計画された交差点方向転換を確立する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態における、1つ以上のプロセッサを備える軌道計画についての装置であって、当該1つ以上のプロセッサは、交差点内で方向転換するための命令を受信することと、交差点に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路を備えるマップデータに基づいて、自律車両が交差点内で方向転換する軌道を計画することであって、1つ以上の最適方向転換経路は、1台以上の人間運転車両の方向転換経路に基づいて生成される、ということと、軌道に従って交差点を通過するように自律車両に命令することと、を行うように動作可能である、装置。
【0004】
別の実施形態では、軌道計画についての方法は、交差点内で方向転換するための命令を受信することと、交差点に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路を備えるマップデータに基づいて、自律車両が交差点内で方向転換する軌道を計画することであって、1つ以上の最適方向転換経路は、1台以上の人間運転車両の方向転換経路に基づいて生成される、ということと、軌道に従って交差点を通過するように自律車両に命令することと、を含む。
【0005】
本開示の実施形態によって提供されるこれらの特徴及び更なる特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すると、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面に記載される実施形態は、本質的に実例的で例示的なものであって、本開示を限定することを意図したものではない。以下の図面と併せて読むと、実例的な実施形態の以下の詳細な説明を理解することができ、当該図面では、同様の構造は、同様の参照番号を用いて示される。
【0007】
図1】本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態による、本開示の交差点方向転換に関する軌道計画についての例示的なシステムを概略的に描写する図である。
図2】本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に係る、本開示の交差点方向転換に関する軌道計画についての装置及びシステムの例示的な構成要素を概略的に描写する図である。
図3】本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に係る、本開示の交差点における計画軌道を生成する実例的なブロック図を描写する図である。
図4】本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に係る、本開示の交差点における計画された交差点方向転換を生成する実例的なステップのフローチャートを描写する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、1つ以上の最適方向転換経路を含むマップデータに基づいた交差点における軌道計画についての装置、システム、及び方法を含む。最適方向転換経路は、1台以上の人間運転車両の方向転換経路に基づいて生成され得る。本開示の実施形態は、自律車両が交差点を通過するための軌道を計画するのに有用である、装置、システム、及び方法を含む。交差点でリアルタイムの意思決定に依拠する自律車両は、自律車両を交差点内へ出て行かせる望ましくないワイドな方向転換をもたらし、交差点を通じてナビゲートすることが困難であり得る。このようなワイドな方向転換は、交通流れの混乱をもたらし、交差点内で他の車両、歩行者、又は自転車に乗っている人との衝突のリスクを増加させ得る。
【0009】
人間運転車両の最適方向転換経路をマップデータ内の交差点にエンコードすることによって、自律車両は、交差点内でより自然に且つ望ましく方向転換を行い得る。本開示の実施形態は、生成された計画軌道に基づいて、人工知能機能に最適方向転換経路を連続的に改善させる、装置、システム、及び方法を更に含む。したがって、本開示の装置、システム、及び方法は、交差点を通過する車両をナビゲートすることに関連する問題、例えば、交差点内へ延び得るワイドな方向転換を軽減するのに有用であって、それによって、全体的な交通流れ及び車両の相互作用を改善させる。更に、人工知能機能は、軌道計画システムが進展することを保証するように、生成された計画軌道に基づいて最適方向転換経路を連続的に改良し、交通ダイナミクスの変化に対応して自律車両による交差点の効率的且つ望ましい安全なナビゲーションに寄与し、軌道計画が堅牢なままであって道路状態、交通パターン、及び他の動的因子の進展に応答することを保証することによって、システム能力を向上させる。軌道計画システムは、安全性及び自然な操縦を優先させるだけでなく、マップデータの当該軌道計画システムの使用効率も実証する。マップデータへの最適方向転換経路の統合は、空間情報を活用して交差点を効果的にナビゲートして、自律車両に関する正確な意思決定を容易にする。
【0010】
軌道計画についての方法及びシステムの様々な実施形態は、本明細書でより詳細に記載される。同じ部分又は同様の部分を指すために、可能な限り、図面全体を通じて同じ参照番号が使用される。本明細書で使用されるとき、単数形態「或る(a)」、「或る(an)」、及び「当該(the)」は、文脈において特に明確に定められていない限り、複数の指示物を含む。したがって、例えば、「或る(a)」構成要素に対する言及は、文脈において特に明確に示されていない限り、2つ又はそれよりも多くの当該構成要素を有する態様を含む。
【0011】
図を参照して、図1及び図2は、例示的な軌道計画システム100を概略的に描写する。軌道計画システム100は、1つ以上のコントローラ201を含み得、1つ以上のコントローラ201は、軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232などの1つ以上のモジュールを更に含み得る。
【0012】
軌道生成モジュール222は、第1のニューラルネットワーク322などの1つ以上の第1の機械学習アルゴリズムを含み得る。軌道生成モジュール222は、計画軌道105を生成し得る。計画軌道105は、今後の方向転換経路と、今後の方向転換経路に関連付けられる車両101の速度、時間、及びキネマティクスと、を含み得る。
【0013】
最適方向転換経路モジュール232は、第2のニューラルネットワーク432などの1つ以上の第2の機械学習アルゴリズムを含み得る。第2の機械学習アルゴリズムは、交差点135に関連付けられる(図3に示されるような)1つ以上の最適方向転換経路315を生成し得る。最適方向転換経路315及び交差点135に関する情報は、マップデータ217に記憶され得る。マップデータ217は、歩行者横断歩道、交通信号灯、交通標識、障壁、道路車線、道路縁、路肩、仕切り、ペイントマーク、ポール、又はこれらの組み合わせを含み得る。実施形態では、マップデータ217は、高精度(HD)マップデータ又は標準精度(SD)マップデータであり得る。SDマップデータを含むSDマップは、道路のカーブ、高度、及び座標に基づく。SDマップは、メートルの解像度であり得る。HDマップデータを含むHDマップは、SDマップデータを含むSDマップよりも詳細なことを含み得る。HDマップは、サブメートルからセンチメートルの解像度であり得る。HDマップデータは、SDマップデータに含まれる全ての情報、及びそれよりも多くのこと、例えば、道路形状、道路マーク、交通標識、ポール、ガードレール、壁、及び障壁を含み得る。
【0014】
軌道計画システム100は、自律車両であり得る1台以上の車両101を含み得る。一部の実施形態では、1つ以上のコントローラ201は、車両101に含まれる。一部の実施形態では、車両101の一部は、コントローラ201と無線で通信するように動作可能である、車両ネットワークインターフェースハードウェアなどの通信デバイスを含み得る。一部の実施形態では、コントローラ201は、車両101と通信するように動作可能である、ネットワークインターフェースハードウェア206などのサーバ通信デバイスを含む1つ以上のサーバに含まれ得る。
【0015】
車両101の各々は、自動車又は任意の他の乗用車両若しくは非乗用車両、例えば、陸上車両、水中車両、及び/又は空中車両であり得る。車両101の各々は、限定的な人間の入力を伴って又は人間の入力を伴わずに車両101の環境をナビゲートする自律車両であり得る。車両101の各々は、道路上で運転されて、例えば、1つ以上のセンサを使用して視覚ベースの車線中央維持を行い得る。車両101の各々は、モータ、エンジン、又は任意の他のパワートレインなどの、車両を駆動するアクチュエータを含み得る。車両101は、様々な面、例えば、制限的ではなく、道路、ハイウェイ、街路、高速道路、橋、トンネル、駐車場、ガレージ、オフロードの道、線路、又は車両が動作し得る任意の面において移動し得る。
【0016】
実施形態では、車両101は、1つ以上の交差点135を含む道路137において移動し得る。交差点135は、1つ以上の車線を含み得る。交差点135は、交通流れを制御するための交通標識、信号、ラウンドアバウト、及び他の構造を含み得る。交差点135は、4方向、交差道路、(T字路及びY字路などの)3方向、又は5方向以上であり得る。例えば、図1に示されるように、道路137は、縦の道路と横の道路とを含み得る。縦の道路は、2方向の車線、すなわち、南方向の車線121及び北方向の車線122を含み得る。横の道路は、2方向の車線、すなわち、西方向の車線131及び東方向の車線132を含み得る。縦の道路及び横の道路は、交差点135で交差し得る。交差点135は、縦の道路及び横の道路の接続箇所において1つ以上の縁石125を含み得る。
【0017】
図2を参照すると、コントローラ201の例示的な構成要素が概略的に描写されている。図2は、1つのコントローラ201を示すが、一部の実施形態では、軌道計画システム100は、2つ以上のコントローラ201を含み得る。コントローラ201又は車両101は、1つ以上のビジョンセンサ208及び車両センサ212を含み得る。ビジョンセンサ208は、車両101の周囲における環境の画像又は映像を取り込むために使用され得る。一部の実施形態では、1つ以上のビジョンセンサ208は、可視スペクトル及び/又は赤外スペクトルで動作して可視光及び/又は赤外光を検知するように構成された1つ以上の撮像センサを含む。更に、本明細書に記載される特定の実施形態は、可視スペクトル及び/又は赤外スペクトルの光を検知するハードウェアに関して記載されるが、他のタイプのセンサが想定されることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されるシステムは、本明細書に記載されるデータ収集に組み込まれ得るか又は当該データ収集を補足し得るデータを収集する、1つ以上のLiDARセンサ、レーダセンサ、ソナーセンサ、又は他のタイプのセンサを含み得る。レーダのような測距センサは、車両101の視野に関する大まかな深度及び速度情報を取得するために使用され得る。1つ以上のビジョンセンサ208は、車両101に設置された前向きカメラを含み得る。1つ以上のビジョンセンサ208は、紫外波長帯域、可視光波長帯域、又は赤外波長帯域における放射を検出することが可能な検知デバイスのアレイを有する任意のデバイスであり得る。1つ以上のビジョンセンサ208は、任意の解像度を有し得る。一部の実施形態では、ミラー、魚眼レンズ、又は任意の他のタイプのレンズなどの1つ以上の光学的構成要素は、1つ以上のビジョンセンサ208に対して光学的に接続され得る。本明細書に記載される実施形態では、1つ以上のビジョンセンサ208は、通信経路203に対して通信可能に接続された1つ以上のプロセッサ204又は別の構成要素に画像データを提供し得る。一部の実施形態では、1つ以上のビジョンセンサ208はまた、ナビゲーションサポートを提供し得る。すなわち、1つ以上のビジョンセンサ208によって取り込まれるデータは、車両を自律的に又は半自律的にナビゲートするために使用され得る。
【0018】
コントローラ201又は車両101は、1つ以上の車両センサ212を含み得る。1つ以上の車両センサ212の各々は、通信経路203に接続されており、1つ以上のプロセッサ204に対して通信可能に接続されている。1つ以上の車両センサ212は、車両、例えば、車両101のモーション及びモーションの変化を検出及び測定する1つ以上の速度センサ又はモーションセンサを含み得る。モーションセンサは、慣性計測ユニットを含み得る。1つ以上のモーションセンサの各々は、1つ以上の加速度計と1つ以上のジャイロスコープとを含み得る。1つ以上のモーションセンサの各々は、検知された物理的な車両の移動を、車両の向き、回転、速度、又は加速度を示す信号に変換する。車両センサ212からの取得データは、車両101の車両キネマティクスを決定するために使用され得る。
【0019】
ビジョンセンサ208及び車両センサ212は、車両制御データ、道路状態データ、及び車両運動学データを収集するために使用され得る。車両制御データ、道路状態データ、及び車両運動学データは、交差点135を通過する際における車両101の実際の軌道を監視するために使用され得る。車両制御データは、車両101のスロットル位置、ブレーキ状況、ステアリング角、及びギア選択を含み得る。道路状態データは、道路タイプと、摩擦係数と、面凹凸(例えば、バンプ)と、を含み得る。車両運動学データは、車両101の速度、加速度、位置、及び向きを含み得る。
【0020】
コントローラ201は、1つ以上のプロセッサ204を含み得る。1つ以上のプロセッサ204の各々は、機械可読実行可能命令を実行することが可能な任意のデバイスであり得る。命令は、データストレージ構成要素207及び/又はメモリ構成要素202に記憶された機械可読命令セットの形態であり得る。したがって、1つ以上のプロセッサ204の各々は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、又は任意の他の計算デバイスであり得る。1つ以上のプロセッサ204は、システムの様々なモジュール間における信号の相互接続を提供する通信経路203に接続されている。したがって、通信経路203は、任意の数のプロセッサ204を互いに通信可能に接続して、分散された計算環境で、通信経路203に接続されたモジュールが動作することを可能にし得る。具体的には、モジュールの各々は、データを送信及び/又は受信し得るノードとして動作し得る。本明細書で使用されるとき、「通信可能に接続」という用語は、接続された構成要素が互いに、データ信号、例えば、導電性媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号、及び同種のものを交換することが可能であることを意味する。
【0021】
したがって、通信経路203は、信号を送信することが可能な任意の媒体、例えば、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路、又は同種のもので形成され得る。一部の実施形態では、通信経路203は、WiFi、Bluetooth(登録商標)、近距離通信(NFC)、及び同種のものなどの無線信号の送信を容易にし得る。更に、通信経路203は、信号を送信することが可能な媒体の組み合わせで形成され得る。一実施形態では、通信経路203は、導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ、及びバスの組み合わせを備え、これらは、プロセッサ、メモリ、センサ、入力デバイス、出力デバイス、及び通信デバイスなどの構成要素への電気データ信号の送信を可能にするように協働する。したがって、通信経路203は、車両バス、例えば、LINバス、CANバス、VANバス、及び同種のものを備え得る。更に、「信号」という用語は、媒体を通って進むことが可能な、DC、AC、正弦波、三角波、矩形波、振動、及び同種のものなどの波形(例えば、電気波形、光波形、磁気波形、機械的波形、又は電磁波形)を意味することに留意されたい。
【0022】
コントローラ201は、通信経路203に接続された1つ以上のメモリ構成要素202を含み得る。1つ以上のメモリ構成要素202は、機械可読実行可能命令が1つ以上のプロセッサ204によってアクセスされ得るように機械可読実行可能命令を記憶することが可能な、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、又は任意のデバイスを備え得る。機械可読実行可能命令は、任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL、又は5GL)の任意のプログラミング言語、例えば、プロセッサによって直接的に実行され得る機械言語、又は機械可読実行可能命令にコンパイル若しくはアセンブルされて1つ以上のメモリ構成要素202に記憶され得る、アセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなどで書かれたロジック又はアルゴリズムを備え得る。代替的に、機械可読実行可能命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成若しくは特定用途向け集積回路(ASIC)又はそれらと同等のものを介して実装されるロジックなどのハードウェア記述言語(HDL)で書かれ得る。したがって、本明細書に記載される方法は、予めプログラムされたハードウェア要素として、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせとして、任意の慣習的なコンピュータプログラミング言語で実装され得る。
【0023】
1つ以上のメモリ構成要素202は、軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232を含む1つ以上のモジュールを含み得る。1つ以上のモジュールの各々は、以下に記載されるように特定のタスクを行うか又は特定のデータタイプを実行する、ルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、及び同種のものを含み得るが、これらに限定されない。データストレージ構成要素207は、交差点135、道路137、最適方向転換経路315を含むマップデータを記憶し得る。データストレージ構成要素207は、軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232を訓練する訓練データ227を更に記憶し得る。訓練データ227は、人間運転車両及び自律車両に関する1つ以上の交差点における軌道計画に関連するグラウンドトゥルースデータを含み得る。データストレージ構成要素207は、過去のデータ237、例えば、車両101の過去の車両運動学データ、過去の車両制御データ、過去の道路状態データ、過去の軌道データ、及び車両101の動作に関連する他の過去のデータ、並びに(例えば、図3に示されるような)人間運転車両301の過去のセンサデータを記憶し得る。軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232はまた、動作中又は動作後にデータストレージ構成要素207に記憶され得る。
【0024】
軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232を含む1つ以上のモジュールは、ニューラルネットワークなどの1つ以上の機械学習アルゴリズムを含み得る。モジュールは、本明細書に記載されるようにニューラルネットワークを介して機械学習能力で訓練及び提供され得る。制限としてではなく、例示として、ニューラルネットワークは、1つ以上の人工ニューラルネットワーク(ANN)を利用し得る。ANNでは、ノード間の接続は、有向非巡回グラフ(DAG)を形成し得る。ANNは、ノード入力と、1つ以上の隠れ活性化層と、ノード出力と、を含み得、1つ以上の隠れ活性化層において活性化関数、例えば、線形関数、ステップ関数、ロジスティック(シグモイド)関数、tanh関数、正規化線形ユニット(ReLu)関数、又はこれらの組み合わせを用いて利用され得る。ANNは、当該活性化関数を訓練データセットに適用し、隠れ活性化層内のノードに適用される調整可能な重み及びバイアスから、最適化された解を決定して、最小化された誤差を有する最適化された解として1つ以上の出力を生成することによって訓練される。機械学習アプリケーションでは、(生成された1つ以上の出力などの)新しい入力は、精度を改善してANNモデルの誤差を最小化し続けるように訓練データとしてANNモデルに提供され得る。1つ以上のANNモデルは、1対1、1対多、多対1、及び/又は多対多(シーケンス対シーケンス)のシーケンスモデリングを利用し得る。1つ以上のANNモデルは、深層学習、ランダムフォレスト分類器、音声や画像からの特徴抽出、クラスタリングアルゴリズム、又はこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない人工知能技術の組み合わせを採用し得る。一部の実施形態では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が利用され得る。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、機械学習の分野において、例えば、録音の音声分析に適用される深層フィードフォワードANNのクラスであるANNとして使用され得る。CNNは、シフト又は空間不変量であって、共有重みアーキテクチャ及び変換を利用し得る。更に、様々なモジュールの各々は、1つ以上の生成人工知能アルゴリズムを含み得る。生成人工知能アルゴリズムは、2つのネットワーク、すなわち、生成器モデル及び識別器モデルを有する一般的な敵対的ネットワーク(GAN)を含み得る。生成人工知能アルゴリズムはまた、変分オートエンコーダ(VAE)又はトランスフォーマベースのモデルに基づき得る。
【0025】
コントローラ201は、通信経路203に接続された入力/出力ハードウェア205を含み得る。入力/出力ハードウェア205は、データを受信、送信、及び/又は提示する、モニタ、キーボード、マウス、プリンタ、カメラ、マイク、スピーカ、及び/又は他のデバイスを含み得る。コントローラ201は、コントローラ201を外部リソース(例えば、車両101若しくはスマートデバイス)、モノのインターネット(IoT)、及び/又はサーバに対して通信可能に接続するネットワークインターフェースハードウェア206を含み得る。ネットワークインターフェースハードウェア206は、通信経路203に対して通信可能に接続され得、ネットワークを介してデータを送信及び/又は受信することが可能な任意のデバイスであり得る。したがって、ネットワークインターフェースハードウェア206は、任意の有線又は無線通信を送信及び/又は受信する通信送受信機を含み得る。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア206は、他のネットワーク及び/又はデバイスと通信する、アンテナ、モデム、LANポート、WiFiカード、WiMAXカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、及び/又は任意の有線若しくは無線ハードウェアを含み得る。一実施形態では、ネットワークインターフェースハードウェア206は、Bluetooth(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するように構成されたハードウェアを含む。例えば、軌道計画システム100のネットワークインターフェースハードウェア206は、サーバ又は車両101に対して、マップデータ217、計画軌道105、車両101のセンサデータ(例えば、速度データ、加速度データ、ステアリングデータ、ヨーデータ、車輪スリップデータ、車線逸脱データ、時刻、気象状態、車両タイプ、車両サイズ、最小及び最大車両回転半径)を受信及び/又は送信し得る。
【0026】
図1及び図3を参照すると、軌道生成モジュール222を使用して、マップデータ217に含まれる1つ以上の最適方向転換経路315に基づいて、交差点135を通過するために今後の交差点135に接近している(自律車両などの)車両101に関する計画軌道105を生成する軌道計画システム100の例が描写されている。図1及び図3は更に、最適方向転換経路モジュール232を使用して、マップデータ217における交差点135に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路315を生成する軌道計画システム100の例を描写する。
【0027】
実施形態では、車両101は、道路137における今後の交差点135を検出して、交差点135内における方向転換を支援するための命令をコントローラ201に送信し得る。方向転換するための命令を受信した後、コントローラ201は、自律車両などの車両101についてマップデータ217に記憶された1つ以上の最適方向転換経路315に基づいて計画軌道105を生成して、軌道に従って交差点135を通過するように車両101に命令し得る。計画軌道105は、今後の方向転換経路と、今後の方向転換経路に関連付けられる車両101の速度、時間、及びキネマティクスと、を含み得る。各々の今後の方向転換経路は、交差点135の境界における入口ポイント151、交差点135の境界における出口ポイント153、並びに入口ポイント151及び出口ポイント153間の幾何学的経路152であり得る。一部の実施形態では、今後の方向転換経路は、1つ以上の最適方向転換経路315のうちの1つであり得る。
【0028】
一部の実施形態では、車両101は、ビジョンセンサ208及び車両センサ212を使用して、車両運動学データ、車両制御データ、及び道路状態データなどのセンサデータを生成してコントローラ201に送信し得る。実施形態では、車両運動学データは、車両101の車両位置、車両速度、及び車両加速度であり得る。車両制御データは、車両101の車両ステアリング、車両スロットル、及びブレーキ入力であり得る。道路状態データは、道路137の道路面状態、道路形状、及び交通状態を含み得る。局所的な気象状態などのセンサデータ及び他の入力データを受信すると、コントローラ201は、軌道生成モジュール222を使用して、車両101の計画軌道105を生成し得る
【0029】
一部の実施形態では、計画軌道105は更に、1つ以上の最適方向転換経路315に関連付けられる人間運転車両301のパラメータに対する車両101のパラメータに基づいて生成され得る。車両101のパラメータ及び人間運転車両301のパラメータは、車両長さ、最小方向転換半径、ステアリングシステム、加速及び減速性能、又は交差点135における方向転換性能に関連する他のパラメータを含み得る。軌道計画システム100は、車両101及び人間運転車両301間のパラメータの類似度を比較して、更に、類似度に反比例して計画軌道105を調整し得る。一部の実施形態では、軌道計画システム100は、類似度が閾値類似度以上であるかどうかを決定し得る。軌道計画システム100は、計画軌道105を生成する際、閾値類似度以上の類似度に関連付けられる最適方向転換経路315を選択して、閾値類似度未満の類似度に関連付けられる最適方向転換経路315を無視し得る。
【0030】
一部の実施形態では、軌道計画システム100は、ビジョンセンサ208及び車両センサ212からセンサデータを収集して、更に、車両101のステアリング、スロットル、ブレーキ入力を制御又は調整することによって計画軌道105に従うように車両101を動作させ得る。軌道計画システム100は、車両101が交差点を通過している間、車両101の軌跡154を監視して、軌跡154が計画軌道105から逸れるかどうかを決定し得る。軌跡154が計画軌道105から逸れる(例えば、図1に示されるように、軌跡154が幾何学的経路152と異なる)という決定に応じて、軌道計画システム100は、人間運転車両301の過去の方向転換経路303及び305に基づいて、車両101が交差点135を通過する更新軌道を生成し得る。
【0031】
図3に示されるように、軌道計画システム100は、最適方向転換経路モジュール232を使用して、1台以上の人間運転車両301の方向転換経路303及び305に基づいて、交差点135に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路315を生成し得る。一部の実施形態では、最適方向転換経路315は、人間運転車両301の入力方向転換経路303及び305の平均方向転換経路であり得る。一部の実施形態では、最適方向転換経路315は、人間運転車両301の入力方向転換経路303及び305の最短方向転換経路であり得る。一部の実施形態では、最適方向転換経路315は、人間運転車両301の入力方向転換経路303及び305の最もエネルギー効率が高い方向転換経路であり得る。1つ以上の最適方向転換経路315は更に、経時的に人間運転車両301の過去のセンサデータに基づいて生成され得る。センサデータは、速度データ、加速度データ、ステアリングデータ、ヨーデータ、車輪スリップデータ、車線逸脱データ、時刻、気象状態、車両タイプ、車両サイズ、最小及び最大車両回転半径、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0032】
図2及び図3を参照して、実施形態では、軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232は、1つ以上のニューラルネットワーク322及び432を含み得る。ニューラルネットワーク322及び432の各々は、エンコーダと、隠れ層の1つ以上の層と、デコーダと、を含み得る。ニューラルネットワーク322及び432は、事前訓練プロセス中に訓練データ227をエンコーダ内に供給して、ターゲット入力-出力ペアに関するより低次元の表現を生成し得る。例えば、より低次元の表現は、車両101の計画軌道及び検出軌道とペアリングして、ビジョンセンサ208及び車両センサ212を使用して収集されるセンサデータの入力を含み得る。第1のニューラルネットワーク322は、計画軌道105を出力し得る。第2のニューラルネットワーク432は、マップデータ217に組み込まれる最適方向転換経路315を出力し得る。
【0033】
一部の実施形態では、軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232は、訓練データ227及び過去のデータ237で訓練された1つ以上のニューラルネットワーク322及び432を含み得る。ニューラルネットワーク322及び432は、層正規化演算又は/及び活性化関数演算に関係するエンコーダ又は/及びデコーダを含み得る。エンコードされた入力データは、隠れ層に供給される前に活性化関数を通じて正規化及び重み付けされ得る。隠れ層は、ボトルネック層における入力データの表現を生成し得る。ニューラルネットワーク処理のデータをニューラルネットワークの最終層に届けた後、グローバル層正規化は、計画軌道及び最適方向転換経路を正規化するために行われ得る。以下で更に詳細に記載されるように、出力は、訓練及び検証の目的で活性化関数を使用して正規化及び変換され得る。活性化関数は、線形又は非線形であり得る。活性化関数は、制限的ではなく、シグモイド関数、ソフトマックス関数、双曲線正接関数(Tanh)、又は正規化線形ユニット(ReLU)であり得る。ニューラルネットワーク322及び432は、継続訓練のために過去のデータ237、例えば、人間運転車両の過去の車両運動学データ、過去の車両制御データ、過去の道路状態データ、過去の計画軌道、過去の検出軌道、過去の方向転換経路、及び他の過去の車両動作データをエンコーダに供給し得る。
【0034】
実施形態では、1つ以上の車両モジュールは、複数のエンティティ(例えば、車両101及び人間運転車両301)が複数の車線121、122、131、及び132、交差点135、並びに縁石125を含む道路137において運転されているグラウンドトゥルース例及びシナリオを含む訓練データ227を使用して事前に訓練され得る。事前訓練は、当該例及びシナリオにおいて、エンティティ及び交差点135に基づいて、エンティティ並びに望ましい計画軌道及び最適方向転換経路にラベル付けすることと、1つ以上のニューラルネットワーク322及び432を使用して、訓練データ227に基づいて、望ましい軌道及び望ましくない軌道並びに最適方向転換経路を予測できるようになることと、を含み得る。事前訓練は、微調整、評価、及びテストステップを更に含み得る。モジュールは、状態及び因子の変化に適応して経時的に性能を改善するように、過去のデータ237として現実世界の収集データを使用して連続的に訓練され得る。ニューラルネットワークは、更に上述した活性化関数に基づいて訓練され得る。エンコーダは、1つ以上の入力チャネルの入力データから変換されるエンコード入力データh=(Wx+b)を生成し得る。入力チャネルのうちの1つのエンコード入力データは、生の入力データxijからhij=g(Wxij+b)として表され得、これは次いで、
【数1】
の出力を再構成するために使用される。ニューラルネットワークは、計画軌道105及び最適方向転換経路315などの出力をx’=(Wh+b’)に再構成し得、ここで、Wは重みであって、bはバイアスであって、W及びb’はW及びbの横の値であって逆伝播を通じて学習される。この演算において、ニューラルネットワークは、各入力データについて、入力データxと再構成された入力データx’との間の距離を計算して、距離ベクトル|x-x’|を出し得る。ニューラルネットワーク322及び432は、全ての距離ベクトルの和としての効用関数である損失関数を最小化し得る。訓練プロセスは、ニューラルネットワーク322及び432が入力データの線形又は非線形表現を学習することを可能にし得る。予測される出力の精度は、活性化関数(例えば、ソフトマックス関数又はシグモイド関数)からの出力スコアを使用して計算される事前設定精度及び曲線下面積(AUC)値などの事前設定値を満たすことによって評価され得る。例えば、軌道計画システム100は、AUCの事前設定値に、許容可能なシミュレーションとして0.7~0.8の値を割り当てるか、優れたシミュレーションとして0.8~0.9を割り当てるか、又は傑出したシミュレーションとして0.9よりも大きく割り当て得る。訓練が事前設定値を満たした後、更新されたニューラルネットワーク322及び432はそれぞれ、軌道生成モジュール222及び最適方向転換経路モジュール232に記憶され得、これらは、将来の計画軌道及び最適方向転換経路を生成するために使用される。
【0035】
図4を参照すると、軌道計画についての方法400のフローチャートが描写されている。ブロック401で、本方法400は、交差点135内で方向転換するための命令を受信することを含む。ブロック403で、本方法400は、マップデータ217における交差点135に関連付けられる1つ以上の最適方向転換経路315に基づいて、車両101が交差点135内で方向転換する軌道105を計画することを含む。1つ以上の最適方向転換経路315は、1台以上の人間運転車両301の方向転換経路303及び305に基づいて生成される。
【0036】
一部の実施形態では、マップデータ217は、歩行者横断歩道、交通信号灯、交通標識、障壁、道路車線、道路縁、路肩、仕切り、ペイントマーク、ポール、又はこれらの組み合わせを含み得る。マップデータ217は、HDマップデータ又はSDマップデータであり得る。
【0037】
一部の実施形態では、1つ以上の最適方向転換経路315は更に、経時的に人間運転車両301の過去のセンサデータに基づいて生成され得る。センサデータは、速度データ、加速度データ、ステアリングデータ、ヨーデータ、車輪スリップデータ、車線逸脱データ、時刻、気象状態、車両タイプ、車両サイズ、最小及び最大車両回転半径、又はこれらの組み合わせを含み得る。計画軌道105は、今後の方向転換経路と、今後の方向転換経路に関連付けられる車両101の速度、時間、及びキネマティクスと、を含み得る。
【0038】
一部の実施形態では、計画軌道105は、1つ以上の最適方向転換経路315、及び1つ以上の最適方向転換経路315に関連付けられる人間運転車両301のパラメータに対する車両101のパラメータに基づいて、(図2及び図3における第1のニューラルネットワーク322などの)訓練される第1の機械学習アルゴリズムを使用して生成され得る。車両101のパラメータ及び人間運転車両301のパラメータは、車両長さ、最小方向転換半径、ステアリングシステム、加速及び減速性能、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0039】
一部の実施形態では、1つ以上の最適方向転換経路315は、最適方向転換経路の経路長さを低減するように構成された(図2及び図3における第2のニューラルネットワーク432などの)第2の訓練される機械学習アルゴリズムによって生成され得る。
【0040】
ブロック405で、本方法400は、計画軌道105に従って交差点135を通過するように車両101に命令することを含む。本方法400は、車両101のステアリング、スロットル、ブレーキ入力、又はこれらの組み合わせを制御又は調整することによって計画軌道105に従うように車両101を動作させることを更に含み得る。本方法400は、交差点135を通過している間、車両101の軌跡154を監視することと、軌跡154が計画軌道105から逸れるかどうかを決定することと、軌跡154が計画軌道105から逸れるという決定に応じて、人間運転車両301の過去の方向転換経路303及び305に基づいて、車両101が交差点135を通過する更新軌道を生成することと、を更に含み得る。
【0041】
「実質的」及び「約」という用語は、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る、内在する不確実性の程度を表すために本明細書で利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、定量的な表現が、問題となる主題の基本的な機能の変化をもたらすことなく、述べられた基準から変わり得る程度を表すために本明細書で利用される。
【0042】
特定の実施形態が本明細書に示され記載されているが、様々な他の変更及び修正が、請求された主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるべきである。更に、請求された主題の様々な態様が本明細書に記載されているが、当該態様は、組み合わされて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、請求された主題の範囲内にある全ての当該変更及び修正を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】