(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012231
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】車載用のLED点灯回路および車載用の照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/345 20200101AFI20250117BHJP
【FI】
H05B45/345
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114934
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田部 哲夫
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA02
3K273BA03
3K273BA22
3K273BA27
3K273BA28
3K273BA31
3K273CA02
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA14
3K273FA27
3K273FA28
3K273GA06
3K273GA22
3K273GA28
3K273GA29
(57)【要約】
【課題】車載用のLED点灯回路において、LEDの輝度の変動を抑制できる技術を提供する。
【解決手段】車載用のLED点灯回路は、1以上のLEDに流れるLED電流の定電流回路を備える。定電流回路は、ツェナーダイオードと、ツェナーダイオードに流れるツェナー電流を制御する第1トランジスタと、第1トランジスタの駆動を、順方向の電圧により制御するダイオードと、ツェナーダイオードの逆方向の電圧により、LED電流を制御する第2トランジスタを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用のLED点灯回路であって、
1以上のLEDに流れるLED電流の定電流回路を備え、
前記定電流回路は、
ツェナーダイオードと、
前記ツェナーダイオードに流れるツェナー電流を制御する第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの駆動を、順方向の電圧により制御するダイオードと、
前記ツェナーダイオードの逆方向の電圧により、前記LED電流を制御する第2トランジスタを備える、LED点灯回路。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用のLED点灯回路であって、
前記ダイオードは、前記1以上のLEDに含まれるLEDである、LED点灯回路。
【請求項3】
請求項2に記載の車載用のLED点灯回路であって、
前記定電流回路は、さらに、
前記ツェナー電流を規定する第1抵抗と、
前記LED電流を規定する第2抵抗と、を備え、
前記ツェナーダイオードは、前記LED点灯回路の供給電圧に対して逆方向に接続され、かつ、前記第1トランジスタのエミッタとコレクタに対して直列に接続され、
前記ダイオードは、前記供給電圧に対して順方向に接続され、かつ、前記第2トランジスタのエミッタとコレクタに対して直列に接続され、
前記第1トランジスタのベースは、前記ダイオードと前記第2トランジスタの間に接続され、
前記第2トランジスタのベースは、前記ツェナーダイオードと前記第1トランジスタの間に接続される、LED点灯回路。
【請求項4】
請求項3に記載の車載用のLED点灯回路であって、
前記ダイオードのカソードは、前記LED点灯回路のグラウンドに接続されている、LED点灯回路。
【請求項5】
請求項3に記載の車載用のLED点灯回路であって、
前記ツェナーダイオードのアノードは、前記LED点灯回路のグラウンドに接続されている、LED点灯回路。
【請求項6】
車載用の照明装置であって、
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の車載用のLED点灯回路であって、前記1以上のLEDが赤色光を発するLEDである第1LED点灯回路と、
前記車載用のLED点灯回路であって、前記1以上のLEDが青色光を発するLEDである第2LED点灯回路と、
前記車載用のLED点灯回路であって、前記1以上のLEDが緑色光を発するLEDである第3LED点灯回路と、を備える、照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載用の照明装置であって、
前記第1LED点灯回路と、前記第2LED点灯回路と、前記第3LED点灯回路とにおいて、それぞれの前記第2抵抗は、可変抵抗である、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載用のLED点灯回路および車載用の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のLED(light Emitting Diode)点灯回路には、従来、特許文献1に記載されているように、LEDに流れる電流を一定に保つ定電流回路が設けられている。以下の説明において、LEDに流れる電流は、LED電流とよぶ。車載用のLED点灯回路は、バッテリを電源としていることにより、バッテリの電圧変動の影響を受ける。この場合、LED電流は、その電圧変動に応じて変動する。LED電流の変動は、ちらつきの要因である、輝度の変動を生じさせる。車載用のLED点灯回路における定電流回路は、LED電流の変動を抑制することにより、LEDの輝度の変動を抑制する。
【0003】
特許文献1に記載されている定電流回路は、ツェナーダイオードを用いることにより、ツェナーダイオードの逆方向の電圧における定電圧の特性を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、定電流回路を用いた場合も、LED電流が変動する場合がある。例えば、LED電流は、定電流回路に用いられる素子の特性によって変動する。ツェナーダイオードにおいて、逆方向の電圧における定電圧の特性は、現実には電流に応じて変動するために、厳密には一定ではない。よって、ツェナーダイオードを用いた定電流回路においても、LEDの輝度の変動が生じる。したがって、車載用のLED点灯回路において、よりLEDの輝度の変動を抑制できる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本開示の第1の形態によれば、車載用のLED点灯回路が提供される。このLED点灯回路は、1以上のLEDに流れるLED電流の定電流回路を備える。前記定電流回路は、ツェナーダイオードと、前記ツェナーダイオードに流れるツェナー電流を制御する第1トランジスタと、前記第1トランジスタの駆動を、順方向の電圧により制御するダイオードと、前記ツェナーダイオードの逆方向の電圧により、前記LED電流を制御する第2トランジスタを備える。
このような形態とすることで、定電流回路は、ツェナーダイオードの逆方向の電圧により、第2トランジスタによるLED電流を制御する。ツェナーダイオードに流れるツェナー電流は、第1トランジスタにより制御される。さらに、第1トランジスタの駆動は、ダイオードの順方向の電圧により制御される。すなわち、ツェナー電流は、定電圧の特性を有するダイオードの順方向の電圧に基づいて制御される。よって、ツェナーダイオードの逆方向の電圧は、ツェナー電流が制御されることにより安定する。すなわち、定電流回路は、第2トランジスタによるLED電流の制御を安定して行うことができる。したがって、LED点灯回路11は、よりLEDの輝度の変動を抑制できる。
(2)上記形態において、前記ダイオードは、前記1以上のLEDに含まれるLEDでもよい。
このような形態とすることで、LED点灯回路は、第1LEDを定電流回路のダイオードとして構成できることにより、別途、ダイオードを備える場合に比べて、部品点数を削減できる。
(3)上記形態において、前記定電流回路は、さらに、前記ツェナー電流を規定する第1抵抗と、前記LED電流を規定する第2抵抗と、を備え、前記ツェナーダイオードは、前記LED点灯回路の供給電圧に対して逆方向に接続され、かつ、前記第1トランジスタのエミッタとコレクタに対して直列に接続され、前記ダイオードは、前記供給電圧に対して順方向に接続され、かつ、前記第2トランジスタのエミッタとコレクタに対して直列に接続され、前記第1トランジスタのベースは、前記ダイオードと前記第2トランジスタの間に接続され、前記第2トランジスタのベースは、前記ツェナーダイオードと前記第1トランジスタの間に接続されていてもよい。
このような形態とすることで、第1トランジスタは、ベースが定電流回路におけるダイオードとしての第1LEDに接続されることにより、順方向の電圧により制御されている。第2トランジスタは、ベースがツェナーダイオードに接続されることにより、逆方向の電圧により制御されている。すなわち、LED点灯回路は、ダイオードの特性を利用することにより、第1トランジスタと第2トランジスタを容易に制御できる。
(4)上記形態において、前記ダイオードのカソードは、前記LED点灯回路のグラウンドに接続されていてもよい。
このような形態とすることで、LED点灯回路は、ツェナーダイオードの逆方向の電圧の基準をグラウンドにしていない場合に比べて、第2トランジスタをより安定的に制御できる。
(5)上記形態において、前記ツェナーダイオードのアノードは、前記LED点灯回路のグラウンドに接続されていてもよい。
このような形態とすることで、LED点灯回路は、例えば、第1LEDがカソードコモンにより、カソードをグラウンドに接続する必要がある場合でも、適用できる。
(6)本開示の第2の形態によれば、車載用の照明装置が提供される。この照明装置は、上記形態の車載用のLED点灯回路であって、前記1以上のLEDが赤色光を発するLEDである第1LED点灯回路と、前記車載用のLED点灯回路であって、前記1以上のLEDが青色光を発するLEDである第2LED点灯回路と、前記車載用のLED点灯回路であって、前記1以上のLEDが緑色光を発するLEDである第3LED点灯回路と、を備える。
このような形態とすることで、照明装置は、LED点灯回路によりLEDの輝度の変動が抑制されるために、3色による照明の色合いをより高い精度で表現できる。
(7)上記形態において、前記第1LED点灯回路と、前記第2LED点灯回路と、前記第3LED点灯回路とにおいて、それぞれの前記第2抵抗は、可変抵抗でもよい。
このような形態とすることで、各LED点灯回路は、可変抵抗である第2抵抗によってLEDの輝度を変更できる。よって、本開示の照明装置は、第1LED点灯回路の第2抵抗と、第2LED点灯回路の第2抵抗と、第3LED点灯回路の第2抵抗を調整することにより、さまざまな色の光を射出できる。そして、本開示の照明装置は、供給電圧の変動があった場合も、射出する光の色の変動を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】車載用のLED点灯回路の構成を示す回路図である。
【
図2】LED電流と供給電圧との関係を示すグラフである。
【
図3】第2実施形態のLED点灯回路を示す回路図である。
【
図4】第3実施形態のLED点灯回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A-1.回路の構成:
図1は、車載用のLED点灯回路11の構成を示す回路図である。車載用のLED点灯回路11は、LED(light Emitting Diode)を点灯する。より具体的には、LED点灯回路11は、車両Vの室内で使用されるLEDを点灯させるために、車両Vに設けられる。例えば、LED点灯回路11は、室内照明、スピードメータや表示灯などに用いられるLEDの点灯に使用される。
【0010】
LED点灯回路11は、バッテリ110と、第1LED120と、第2LED130と、第2抵抗140と、定電流回路150と、を備える。
図1では、破線の範囲が定電流回路150の部分である。さらに、定電流回路150は、第2トランジスタ153と、ツェナーダイオード154と、第1トランジスタ152と、第1抵抗151と、ダイオード120と、を備える。なお、第1実施形態では、ダイオード120は、LED点灯回路11の負荷としてのLEDに含まれる第1LED120により構成されている。まず、各素子の接続について説明する。
【0011】
第1LED120は、供給電圧V4を出力するバッテリ110に対して順方向に接続されている。さらに、第1LED120は、第2トランジスタ153のエミッタとコレクタに対して直列に接続されている。より具体的には、第1LED120のアノードは、電源のプラス側に接続されている。第1LED120のカソードは、第1トランジスタ152のベースと、第2LED130のアノードと、に接続されている。
【0012】
第2LED130は、供給電圧V4を出力するバッテリ110に対して順方向に接続されている。さらに、第2LED130は、第2トランジスタ153のエミッタとコレクタに対して直列に接続されている。より具体的には、第2LED130のカソードは、第2トランジスタ153のコレクタに接続されている。第2LED130のアノードは、第1トランジスタ152のベースと、第1LED120のカソードと、に接続されている。
【0013】
第2抵抗140は、LEDに対して直列の関係に接続されている。より具体的には、第2抵抗140の一方の端子は、第2トランジスタ153のエミッタに接続されている。第2抵抗140の他方の端子は、バッテリ110の負極に接続されている。すなわち、第2抵抗140の他方の端子は、LED点灯回路11のグラウンドに接続されている。
【0014】
第2トランジスタ153は、コレクタとエミッタ間がLEDと第2抵抗140に対して直列の関係に接続されている。第2トランジスタ153のベースは、ツェナーダイオード154と第1トランジスタ152の間に接続される。第2トランジスタ153のコレクタとエミッタの接続については、他の素子の接続において説明されているため、省略する。
【0015】
ツェナーダイオード154は、LED点灯回路11の供給電圧V4に対して逆方向に接続されている。さらに、ツェナーダイオード154は、第1トランジスタ152のエミッタとコレクタに対して直列に接続されている。より具体的には、ツェナーダイオード154のアノードは、LED点灯回路11のグラウンドに接続されている。すなわち、ツェナーダイオード154のアノードは、電源のマイナス側に接続されている。ツェナーダイオード154のカソードは、第2トランジスタ153のベースと、第1トランジスタ152のコレクタと、に接続されている。
【0016】
第1抵抗151は、ツェナーダイオード154に対して直列の関係に接続されている。より具体的には、第1抵抗151の一方の端子は、第1トランジスタ152のエミッタに接続されている。第1抵抗151の他方の端子は、バッテリ110の正極に接続されている。
【0017】
第1トランジスタ152は、コレクタとエミッタ間がツェナーダイオード154と第1抵抗151に対して直列の関係に接続されている。第1トランジスタ152のベースは、第1LED120と第2LED130の間に接続されている。第1トランジスタ152のコレクタとエミッタの接続については、他の素子の接続において説明されているため、省略する。
【0018】
A-2.素子の機能:
次に、各素子の機能について説明する。
【0019】
バッテリ110は、LED点灯回路11に電力を供給する。より具体的には、バッテリ110は、LED点灯回路11に供給電圧V4を印加する電圧源である。例えば、バッテリ110は、車両Vのランプやオーディオ機器などの電装品に電力を供給する補器バッテリである。
【0020】
バッテリ110による印加電圧は、例えば、公称電圧を14Vに設計されている。バッテリ110による印加電圧は、出力電流の変動や充電の状態によって、約9V~16Vの範囲で変動する場合がある。
【0021】
第1LED120は、バッテリ110から供給される電力により発光する。第1LED120は、1色の色を発する発光ダイオードである。すなわち、第1LED120は、ダイオードの特性を有する素子である。第1LED120の順方向電圧Vfは、例えば、3.5Vである。なお、「順方向電圧Vf」の符号Vfは、素子の特性としての電圧であること表すために付されており、図示に使用されていない。
【0022】
さらに、第1LED120は、後に説明する定電流回路150にも含まれる。定電流回路150における第1LED120は、第1トランジスタ152の駆動を、順方向の電圧V1により制御するダイオードである。本実施形態において、第1トランジスタ152の駆動は、ベース電流I6によりエミッタとコレクタ間を導通させることを意味する。第1抵抗151の電圧V7と、第1トランジスタ152のベースとエミッタ間の電圧V8と、の合計の電圧は、第1LED120の順方向電圧Vfにより規定される。よって、第1LED120は、第1トランジスタ152のベース電流I6を制御することにより、第1トランジスタ152の駆動を制御する。
【0023】
このような態様とすることで、LED点灯回路11は、LEDを定電流回路150の構成として使用できることにより、別途、ダイオードを備える場合に比べて、部品点数を削減できる。
【0024】
第2LED130は、バッテリ110から供給される電力により発光する。第2LED130は、第1LED120と同じ色を発する発光ダイオードである。すなわち、第2LED130は、第1LED120の順方向電圧Vfと同じ順方向電圧Vfを有する。
【0025】
なお、第1LED120および第2LED130のLEDは、理想的なダイオードの特性を有するLEDではなく、現実のダイオードの特性を有するLEDとして説明する。LEDは、理想的には、順方向の電圧が順方向電圧Vfを超えた範囲において、順方向の電圧が完全に一定になる。しかし、本実施形態では、LEDは、順方向の電圧が順方向電圧Vfを超えた範囲においても、順方向の電流の増加に応じて、順方向の電圧もわずかに上昇する特性を有するものとして説明する。例えば、第1LED120の順方向の電流I3は、特性としての順方向電圧Vfを超えた電圧の範囲においても、現実の素子のように、順方向の電圧V1の変動に応じて変動する。LEDの輝度は、電流の大きさに依存する。したがって、第1LED120の輝度は、順方向の電圧V1の変動に応じて、変動する。
【0026】
第2抵抗140は、LED電流I1を規定する。より具体的には、第2抵抗140は、第2トランジスタ153の駆動により、第2トランジスタ153のエミッタとコレクタ間にLED電流I1が通電されている状態において、エミッタに流れるLED電流I1を規定する。LED電流I1については、後に詳細に説明する。
【0027】
定電流回路150は、LEDに流れるLED電流I1を制御する。定電流回路150は、第2トランジスタ153と、ツェナーダイオード154と、第1トランジスタ152と、第1抵抗151と、ダイオード120と、を備える。第1実施形態では、ダイオード120は、LED点灯回路11の負荷としてのLEDに含まれる第1LED120により構成されている。よって、ダイオード120の説明を省略する。
【0028】
なお、LEDの順方向の電流が通電されている状態において、第1LED120の順方向の電流I3と、第2LED130の順方向の電流I4と、第2トランジスタ153のエミッタ電流I5と、を総称してLED電流I1とよぶ。LEDの順方向の電流が通電されている状態は、後に説明するLED点灯回路11のモードM3における状態である。厳密には、第1ラインL1における各電流は、異なる。例えば、第1LED120の順方向の電流I3と、第2LED130の順方向の電流I4と、は第1トランジスタ152のベース電流I6の影響により、異なる電流である。しかし、ベース電流I6は、第1LED120の順方向の電流I3とや第2LED130の順方向の電流I4に対して非常に小さい。よって、第1LED120の順方向の電流I3を、第2LED130の順方向の電流I4としてみなすことができる。同様に、第2トランジスタ153のエミッタ電流I5も、第2LED130の順方向の電流I4としてみなすことができる。
【0029】
第2トランジスタ153は、LED電流I1を制御する。第2トランジスタ153は、NPN型のバイポーラトランジスタである。第2トランジスタ153は、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3により制御されたベース電流I7よって駆動する。よって、第2トランジスタ153は、エミッタとコレクタ間に流れるLED電流I1を制御する。
【0030】
ツェナーダイオード154は、第2トランジスタ153の駆動を制御する。ツェナーダイオード154は、第2トランジスタ153の駆動を、逆方向の電圧V3により制御する。バッテリ110の電圧が印加された状態において、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、特性としてのツェナー電圧Vzに達する。よって、ツェナーダイオード154は、第2トランジスタ153のベースとエミッタ間の電圧V5と、第2抵抗140の電圧V6と、をツェナー電圧Vzに規定する。したがって、ツェナーダイオード154は、第2トランジスタ153のベース電流I7を制御することにより、第2トランジスタ153の駆動を制御する。なお、「ツェナー電圧Vz」の符号Vzは、素子の特性としての電圧であること表すために付されており、図示に使用されていない。
【0031】
なお、ツェナーダイオード154は、理想的なツェナーダイオードではなく、現実のツェナーダイオードの特性を有するものとして説明する。例えば、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、理想的には、ツェナー電圧Vzを超えた範囲において、完全に一定になる。しかし、本実施形態では、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、ツェナー電圧Vzを超えた範囲においても、逆方向の電流I10の増加に応じて、わずかに上昇する特性を有するものとして説明する。
【0032】
第1トランジスタ152は、ツェナーダイオード154に流れるツェナー電流I2を制御する。より具体的には、第1トランジスタ152は、第1LED120の順方向の電圧V1により制御されたベース電流I6よって駆動することにより、エミッタとコレクタ間に流れるツェナー電流I2を制御する。第1トランジスタ152は、PNP型のバイポーラトランジスタである。
【0033】
なお、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10が通電されている状態において、第2ラインL2における電流を総称してツェナー電流I2とよぶ。ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10が通電されている状態は、後に説明するLED点灯回路11のモードM3における状態である。すなわち、第1トランジスタ152のエミッタ電流I8と、第1トランジスタ152のコレクタ電流I9と、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10と、を総称してツェナー電流I2とよぶ。厳密には、第2ラインL2における各電流は、異なる。しかし、第1トランジスタ152や第2トランジスタ153のベース電流I7が第2ラインL2における電流に与える影響は、非常に小さい。よって、第1トランジスタ152のエミッタ電流I8と、第1トランジスタ152のコレクタ電流I9と、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10と、は同等の電流としてみなすことができる。
【0034】
第1抵抗151は、ツェナーダイオード154に流れるツェナー電流I2を規定する。より具体的には、第1抵抗151は、第1トランジスタ152の駆動により、第1トランジスタ152のエミッタとコレクタ間にツェナー電流I2が通電されている状態において、エミッタに流れるツェナー電流I2を規定する。
【0035】
A-3.LED点灯回路の動作:
図2は、LED電流I1と供給電圧V4との関係を示すグラフである。
図2では、供給電圧V4に対するLED電流I1の特性に基づいて、モードM1~モードM3の範囲が図示されている。
【0036】
LED点灯回路11は、LEDの点灯時において、モードM3の範囲で動作する。すなわち、バッテリ110による印加電圧は、モードM3の範囲に含まれる。例えば、約9V~16Vで変動するバッテリ110の印加電圧は、モードM3の範囲に発生する。すなわち、LED点灯回路11は、モードM3の範囲において、定電流回路150によりLED電流I1を制御する。
【0037】
以下の説明では、技術の理解を容易にするために、モードM3以外のモードM1とモードM2におけるLED点灯回路11の動作も説明する。ただし、前述のように、モードM1とモードM2における供給電圧V4は、バッテリ110による印加電圧よりも低い電圧である。
【0038】
モードM1~モードM3のそれぞれのモードごとに、
図1のLED点灯回路11の動作を第1ラインL1と第2ラインL2とに分けて説明する。
【0039】
図2のモードM1は、LEDの順方向電圧Vfに基づく範囲までの、LED電流I1の状態を表す。電圧Vaは、LEDの順方向電圧Vfに基づく電圧である。
【0040】
図2のモードM1において、
図1の第1ラインL1では、供給電圧V4の上昇に応じて、第1LED120の順方向の電圧V1と第2LED130の順方向の電圧V2が上昇する。しかし、モードM1では、電圧V1と電圧V2が各LEDの順方向電圧Vfに達していないため、LED電流I1は、通電されていない。すなわち、第1LED120と第2LED130は、点灯していない。
【0041】
なお、
図2のモードM1の範囲は、LED電流I1が通電される範囲M1aを含むように図示されている。しかし、範囲M1aは、順方向電圧Vfの定義において必要な順方向の電流を表している。
【0042】
図2のモードM1において、さらに、
図1の第1ラインL1では、第2トランジスタ153の駆動が開始する。これは、供給電圧V4の上昇に応じて、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3も上昇するためである。より具体的には、逆方向の電圧V3の上昇により、第2抵抗140の電圧V6と、第1トランジスタ152のベースとエミッタ間の電圧V5と、が上昇する。第2トランジスタ153のベースとエミッタ間の電圧V5が、ベースとエミッタ間の順方向電圧Vfを超えることにより、第2トランジスタ153のベース電流I7が通電される。よって、逆方向の電圧V3の上昇に応じて、第2トランジスタ153の駆動が開始する。ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3の上昇については、後に説明する。
【0043】
図2のモードM1において、
図1の第2ラインL2では、第1LED120の順方向の電圧V1により、第1トランジスタ152の駆動が制御される。より具体的には、順方向の電圧V1の上昇に応じて、第1抵抗151の電圧V7と、第1トランジスタ152のベースとエミッタ間の電圧V8と、が上昇する。第1トランジスタ152のベースとエミッタ間の電圧V8が、ベースとエミッタ間の順方向電圧Vfを超えることにより、ベース電流I6が通電される。よって、第1トランジスタ152が駆動することにより、第1トランジスタ152のエミッタ電流I8が通電される。
【0044】
エミッタ電流I8は、(1)式により算出される。なお、(1)式におけるRは、第1抵抗151の抵抗値である。すなわち、V7=R×I8の関係である。(1)式が示すように、エミッタ電流I8は、第1LED120の順方向の電圧V1の上昇に応じて、増加する。
I8=(V1-V8)/R …(1)
【0045】
なお、エミッタ電流I8は、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10が通電されている状態において、ツェナー電流I2とみなすことができる。ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10が通電されている状態は、後に説明する
図2のモードM3における状態である。その場合、ツェナー電流I2も、(1)式により算出できる。しかし、
図2のモードM1では、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、ツェナー電圧Vz未満である。すなわち、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10は、通電されていない。したがって、モードM1では、エミッタ電流I8は、ツェナー電流I2とみなされない。
【0046】
図2のモードM2は、LEDの順方向電圧Vfとツェナーダイオード154のツェナー電圧Vzとに基づく範囲において、LED電流I1が供給電圧V4に応じて増加している状態を表す。電圧Vbは、ツェナー電圧Vzに基づく電圧である。
【0047】
図2のモードM2において、
図1の第1ラインL1では、第1LED120の順方向の電圧V1と、第2LED130の順方向の電圧V2と、が順方向電圧Vfを超えることにより、LED電流I1が通電されている。さらに、供給電圧V4の上昇に応じて、LED電流I1は、増加する。
【0048】
なお、
図2のモードM2おけるLED電流I1は、第2抵抗140により規定されている。より具体的には、第2トランジスタ153の駆動により、第2トランジスタ153のエミッタとコレクタ間にLED電流I1が通電されるため、LED電流I1は、第2抵抗140により規定される。
【0049】
図2のモードM2において、
図1の第2ラインL2では、供給電圧V4の上昇に応じて、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3が上昇する。しかし、モードM2では、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、ツェナー電圧Vzよりも低い。よって、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10は、通電されていない。すなわち、モードM2では、エミッタ電流I8は、ツェナー電流I2とみなされない。
【0050】
図2のモードM3は、ツェナーダイオード154のツェナー電圧Vzを超えた範囲において、定電流回路150の機能として、LED電流I1が制御されている状態である。先に
図1の第2ラインL2について、説明する。
【0051】
図2のモードM3において、
図1の第2ラインL2では、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3がツェナー電圧Vzを超えることにより、ツェナーダイオード154の逆方向の電流I10が通電している。すなわち、ツェナー電流I2が通電している。このとき、エミッタ電流I8は、ツェナー電流I2とみなすことができる。したがって、ツェナー電流I2は、(1)式により算出される。
【0052】
図2のモードM3では、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、ツェナー電圧Vzにより規定される。前述のように、ツェナーダイオード154は、理想的なツェナーダイオードではない。このため、例えば、第1トランジスタ152が存在しない回路では、供給電圧V4の上昇によりツェナー電流I2が増加する場合、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3もわずかに上昇する。しかし、(1)式が示すように、ツェナー電流I2としてのエミッタ電流I8は、第1LED120の順方向の電圧V1に基づいて、第1トランジスタ152により制御される。第1LED120の順方向の電圧V1は、順方向電圧Vfを超えているために、一定の電圧である。よって、供給電圧V4が上昇した場合も、ツェナー電流I2は、増加しない。したがって、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3も上昇しない。
【0053】
図2のモードM3において、
図1の第1ラインL1では、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3が上昇しないことにより、第2トランジスタ153のベース電流I7が一定になる。すなわち、LED電流I1は、供給電圧V4の上昇に応じて、第2トランジスタ153により一定になる。したがって、第1LED120と第2LED130は、一定の輝度で点灯する。
【0054】
なお、
図2のモードM3では、供給電圧V4の上昇に応じて、わずかにLED電流I1が増加する。これは、ツェナーダイオード154や第1LED120が理想的な素子ではないために、現実の素子の特性に起因している。すなわち、第1トランジスタ152の駆動が第1LED120の順方向の電圧V1により制御されているために、順方向の電圧V1のわずかな上昇に応じて、ツェナー電流I2が増加する。さらに、第2トランジスタ153の駆動がツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3により制御されているために、逆方向の電圧V3のわずかな上昇に応じて、LED電流I1が増加する。
【0055】
しかし、LED点灯回路11は、ツェナー電流I2とLED電流I1のそれぞれの電流が制御されることにより、ツェナーダイオード154と第1LED120の現実の素子の特性による電圧の変動が抑制される。よって、
図2のモードM3では、ツェナーダイオード154や第1LED120の現実の素子の特性によるLED電流I1の増加は、ツェナー電流I2が制御されない場合に比べて、抑制される。
【0056】
なお、
図2のモードM3では、LED点灯回路11は、LED電流I1の増加を抑制されることにより、素子の発熱も抑制される。すなわち、LED点灯回路11は、ツェナー電流I2が制御されない場合に比べて、回路の発熱を低減できるために、放熱のための機構を削減できる。
【0057】
このような形態とすることで、定電流回路150は、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3により、第2トランジスタ153によってLED電流I1を制御する。ツェナーダイオード154に流れるツェナー電流I2は、第1トランジスタ152により制御される。さらに、第1トランジスタ152の駆動は、第1LED120でもあるダイオード120の順方向の電圧V1により制御される。すなわち、ツェナー電流I2は、定電圧の特性を有するダイオード120の順方向の電圧V1に基づいて制御される。このため、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3は、ツェナー電流I2が制御されることにより、安定する。よって、定電流回路150は、第2トランジスタ153によるLED電流I1の制御を安定して行うことができる。したがって、LED点灯回路11は、よりLEDの輝度の変動を抑制できる。
【0058】
さらに、LED点灯回路11は、第1LED120を定電流回路150のダイオードとして構成できることにより、別途、ダイオードを備える場合に比べて、部品点数を削減できる。
【0059】
このうえ、第1トランジスタ152は、ベースが定電流回路150におけるダイオード120としての第1LED120に接続されることにより、順方向の電圧V1により制御されている。第2トランジスタ153は、ベースがツェナーダイオード154に接続されることにより、逆方向の電圧V3により制御されている。すなわち、LED点灯回路11は、ダイオードの特性を利用することにより、第1トランジスタ152と第2トランジスタ153を容易に制御できる。
【0060】
さらに、LED点灯回路11は、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3を、グラウンドを基準として発生させる。よって、LED点灯回路11は、ツェナーダイオード154の逆方向の電圧V3の基準をグラウンドにしていない場合に比べて、第2トランジスタ153をより安定的に制御できる。
【0061】
B.第2実施形態:
図3は、第2実施形態のLED点灯回路21を示す回路図である。
図3における破線の範囲が第2実施形態における定電流回路250の部分である。第2実施形態では、素子とその接続との一部が、第1実施形態と異なる。なお、
図3に示すLED点灯回路21において、第1実施形態のLED点灯回路11の構成に対応する構成については、LED点灯回路11の構成に付した3桁の符号のうち1桁目の数を1から2に置き換えた符号を付して示している。たとえば、第1トランジスタ252は、第1トランジスタ152に対応し、第1トランジスタ152と同様の機能を奏する。
【0062】
第2実施形態における第1トランジスタ252は、NPN型のバイポーラトランジスタである。第2実施形態における第2トランジスタ253は、PNP型のバイポーラトランジスタである。他の素子は、第1実施形態の同じ素子である。
【0063】
さらに、第2実施形態では、素子の接続が第1実施形態と異なる。以下において、各素子の接続について、詳細に説明する。
【0064】
第1LED220は、供給電圧V4aを出力するバッテリ210に対して順方向に接続されている。さらに、第1LED220は、第2トランジスタ253のエミッタとコレクタに対して直列に接続される。より具体的には、第1LED220のカソードは、LED点灯回路21のグラウンドに接続されている。第1LED220のアノードは、第1トランジスタ252のベースと、第2LED230のカソードと、に接続されている。
【0065】
第2LED230は、供給電圧V4aを出力するバッテリ210に対して順方向に接続されている。さらに、第2LED230は、第2トランジスタ253のエミッタとコレクタに対して直列に接続される。より具体的には、第2LED230のアノードは、第2トランジスタ253のコレクタに接続されている。第2LED230のカソードは、第1トランジスタ252のベースと、第1LED220のアノードと、に接続されている。
【0066】
第2抵抗240は、LEDに対して直列の関係に接続されている。より具体的には、第2抵抗240の一方の端子は、第2トランジスタ253のエミッタに接続されている。第2抵抗240の他方の端子は、バッテリ210の正極に接続されている。
【0067】
第2トランジスタ253は、コレクタとエミッタ間がLEDと第2抵抗240に対して直列の関係に接続されている。第2トランジスタ253のベースは、ツェナーダイオード254と第1トランジスタ252の間に接続される。第2トランジスタ253のコレクタとエミッタの接続については、他の素子の接続において説明されているため、省略する。
【0068】
ツェナーダイオード254は、LED点灯回路21の供給電圧V4aに対して逆方向に接続されてる。さらに、ツェナーダイオード254は、第1トランジスタ252のエミッタとコレクタに対して直列に接続されている。より具体的には、ツェナーダイオード254のカソードは、電源のプラス側に接続されている。ツェナーダイオード254のアノードは、第2トランジスタ253のベースと、第1トランジスタ252のコレクタとに、接続されている。
【0069】
第1抵抗251は、ツェナーダイオード254に対して直列の関係に接続されている。より具体的には、第1抵抗251の一方の端子は、第1トランジスタ252のエミッタに接続されている。第1抵抗251の他方の端子は、LED点灯回路21のグラウンドに接続されている。
【0070】
第1トランジスタ252は、コレクタとエミッタ間がツェナーダイオード254と第1抵抗251に対して直列の関係に接続されている。第1トランジスタ252のベースは、第1LED220と第2LED230の間に接続されている。第1トランジスタ252のコレクタとエミッタの接続については、他の素子の接続において説明されているため、省略する。
【0071】
第2実施形態において、供給電圧V4aに対するLED電流I1aの特性は、第1実施形態と同じである。
【0072】
このような形態とすることで、LED点灯回路21は、例えば、第1LED220がカソードコモンにより、カソードをグラウンドに接続する必要がある場合でも、適用できる。
【0073】
C.第3実施形態:
図4は、第3実施形態のLED点灯回路31を示す回路図である。第3実施形態のLED点灯回路31は、第1実施形態のLED点灯回路11から第2LED130を除いた形態である。定電流回路350は、第1実施形態の定電流回路150に対応する。他の構成については、第1実施形態と同じである。第2LED130は、定電流回路350に寄与する素子ではない。したがって、LEDが一つの場合でも、第3実施形態のLED点灯回路31は、LEDの輝度の変動を抑制できる。
【0074】
D.他の実施形態:
第1実施形態と第2実施形態では、定電流回路におけるダイオードは、LED点灯回路における負荷としてのLEDに含まれる第1LEDにより構成されている。しかし、ダイオードは、LEDにより構成されていなくてもよい。ダイオードは、ダイオード特性を有する他の素子でもよい。例えば、第1LEDは、整流ダイオードやツェナーダイオードであってもよい。
【0075】
E.他の実施形態:
上記実施形態のLED点灯回路により、車載用の照明装置を構成してもよい。例えば、車載用の照明装置は、第1実施形態または第2実施形態のLED点灯回路を3つ備える。第1LED点灯回路は、第1LED120と第2LED130が赤色光を発するLEDにより構成されている。第2LED点灯回路は、第1LED120と第2LED130が青色光を発するLEDにより構成されている。第3LED点灯回路は、第1LED120と第2LED130が緑色光を発するLEDにより構成されている。すなわち、車載用の照明装置は、3色を構成する3つのLED点灯回路により構成されている。なお、3つのLED点灯回路において、バッテリについては、同じバッテリから供給電圧を印加される。
【0076】
このような形態とすることで、車載用の照明装置は、LED点灯回路によりLEDの輝度の変動が抑制されるために、3色による照明の色合いをより高い精度で表現できる。
【0077】
F.他の実施形態:
上記車載用の照明装置における、第1LED点灯回路と、第2LED点灯回路と、第3LED点灯回路とにおいて、それぞれの第2抵抗は、可変抵抗により構成されていてもよい。より具体的には、各LED点灯回路は、それぞれのLED電流を可変抵抗により制御されてもよい。
【0078】
このような形態とすることで、各LED点灯回路は、可変抵抗である第2抵抗によってLEDの輝度を変更できる。よって、本開示の照明装置は、第1LED点灯回路の第2抵抗と、第2LED点灯回路の第2抵抗と、第3LED点灯回路の第2抵抗を調整することにより、さまざまな色の光を射出できる。そして、本開示の照明装置は、供給電圧の変動があった場合も、射出する光の色の変動を小さくすることができる。
【0079】
G.他の実施形態:
上記実施形態において、第1トランジスタと第2トランジスタは、バイポーラトランジスタである。しかし、第1トランジスタと第2トランジスタは、バイポーラトランジスタに限られない。第1トランジスタと第2トランジスタは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)でもよいし、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)でもよい。
【0080】
本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、開示の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上記の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部また全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
11,21,31…LED点灯回路、110,210…バッテリ、120,220…ダイオード,第1LED、130,230…第2LED、140,240…第2抵抗、150,250,350…定電流回路、151,251…第1抵抗、152,252…第1トランジスタ、153,253…第2トランジスタ、154,254…ツェナーダイオード、I1,I1a…LED電流、I2…ツェナー電流、I3,I4,I10…電流、I5,I8…エミッタ電流、I6,I7…ベース電流、I9…コレクタ電流、L1…第1ライン、L2…第2ライン、M1~M3…モード、M1a…範囲、V…車両、V1~V3…電圧、V4,V4a…供給電圧、V5~V8…電圧、Va,Vb…電圧、Vf…順方電圧、Vz…ツェナー電圧