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  • 特開-取り外し可能な冷却装置一体型冷却服 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012255
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】取り外し可能な冷却装置一体型冷却服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A41D13/005 103
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023114974
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】523267184
【氏名又は名称】上海高橙貿易有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100180482
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 将隆
(72)【発明者】
【氏名】章振
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AB01
3B211AC01
(57)【要約】
【課題】本願は、取り外し可能な冷却装置一体型冷却服であって、冷却服の技術分野に属する。
【解決手段】衣服本体は背中、左前襟と右前襟に分けられ、左前襟と右前襟の間にファスナーが設けられ、衣服本体の内側の上部に水冷シートが設けられ、水冷シートの内側に小型水路が設けられ、衣服本体の背中の水冷シートの内側に断熱層が設けられ、衣服本体の背中の内側の断熱層の下側に第1内側ポケットが縫い付けられ、衣服本体の右前襟の内側の下側に第2内側ポケットが縫い付けられ、衣服本体の背中の外側に水バックが設けられ、水バックはバックルで閉じられ、水バックは小型水路とを連通し、前記水バックにはキャップと移動式ホルダーが設けられ、前記水循環システムは衣服本体にある第1内側ポケットと第2内側ポケットの中に設けられ、且つ小型水路とを連通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な冷却装置一体型冷却服であって、

衣服本体(11)と、
水冷シート(12)と、
小型水路(13)と、
水循環システムと、
断熱層(21)と、
第1内側ポケット(22)と、
第2内側ポケット(23)と、
ファスナー(31)と、
水バック(41)と、
バックル(42)と、
キャップ(51)と、
移動式ホルダー(52)と、
を含み、

衣服本体(11)は背中、左前襟と右前襟に分けられ、
左前襟と右前襟との間にファスナー(31)が設けられ、
衣服本体(11)の内側上部に水冷シート(12)が設けられ、
水冷シート(12)の中に小型水路(13)が設けられ、
断熱層(21)が衣服本体(11)の背中の水冷シート(12)の内側に設けられ、
第1内側ポケット(22)が衣服本体(11)の背中の内側断熱層(21)の下側に縫い付けられ、
第2内側ポケット(23)が衣服本体(11)の右前襟の内側下部に縫い付けられ、
水バック(41)は衣服本体(11)の背中の外側に設けられ、且つ水バック(41)はバックル(42)で閉じられ、水バック(41)は小型水路(13)と連通し、水バック(41)の上にキャップ(51)と移動式ホルダー(52)が設けられ、
前記水循環システムは衣服本体(11)の第1内側ポケット(22)と第2内側ポケット(23)の中に設けられ、小型水路(13)とを連通する
ことを特徴とする、取り外し可能な冷却装置一体型冷却服。
【請求項2】
前記水循環システムは、
給水ポンプ本体(14)、2つの押圧式アダプター脱着式エルボ(15)、水の入口・出口(16)、パイプ(17)、制御スイッチ(18)、USB-Aインターフェース(19)から構成され、

給水ポンプ本体(14)の制御端が制御スイッチ(18)に接続され、
制御スイッチ(18)はUSB-Aインターフェース(19)に接続され、
給水ポンプ本体(14)の水の入口と出口はそれぞれ一つのパイプ(17)に接続され、
2つのパイプ(17)はそれぞれ2つの押圧式アダプター脱着式エルボ(15)と連通し、
2つの押圧式アダプター脱着式エルボ(15)はそれぞれ水の入口・出口(16)と連通し、
水の入口・出口(16)はそれぞれ小型水路(13)の入口端と出口端とを連通する
ことを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な冷却装置一体型冷却服。
【請求項3】
前側ポケット(32)をさらに含み、
前記前側ポケット(32)は2つであり、それぞれ衣服本体(11)の左前襟と右前襟に縫い付けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な冷却装置一体型冷却服。
【請求項4】
給水ポンプ本体(14)の外部にゴム材料で被覆される
ことを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な冷却装置一体型冷却服。
【請求項5】
水冷シート(12)はTPU複合材料で作られる
ことを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な冷却装置一体型冷却服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能な冷却装置を有する冷却服に関し、冷却服の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、扇風機やエアコンなどの暑い夏を涼しく過ごす手段が増えたが、いずれも室内での使用に限られ、成熟した伝統的な冷却手段として市場で活躍している。
近年、屋外で使用できる冷却方法に対する人々の声が高まっている。
屋外での作業やアウトドア、旅行などでも涼しく過ごしたいというニーズが高まり、このような需要に後押しされて、冷却服と呼ばれる冷却機能を有する機能性衣料が登場した。
現在のトレンドは、ファンによる汗の蒸発から、氷や水との接触による直接冷却に切り替わりつつあり、より大きな効果をもたらし、人々の日常により快適な体験をもたらすことができ、これは現在の冷却服の開発の方向性である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の目的は上記技術的課題を解決するためであり、さらに取り外し可能な冷却装置を有する冷却服を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の目的は、以下の技術的手段によって実現する。
取り外し可能な冷却装置一体型冷却服であって、
衣服本体と、水冷シートと、小型水路と、水循環システムと、断熱層と、第1内側ポケットと、第2内側ポケットと、ファスナーと、水バックと、バックルと、キャップと、移動式ホルダーとを含み、
衣服本体は背中、左前襟と右前襟に分けられ、左前襟と右前襟との間にファスナーが設けられ、衣服本体の内側に水冷シートが設けられ、水冷シートの中に小型水路が設けられ、衣服本体の背中の水冷シートの内側(前記内側とは人と接触する側)に断熱層が設けられ、衣服本体の背中の内側の断熱層の下側に第1内側ポケットが縫い付けられ、衣服本体の右前襟の内側の下側に第2内側ポケットが縫い付けられ、衣服本体の背中の外側に水バックが設けられ、水バックはバックルで閉じられ、水バックは小型水路とを連通し、水バックにはキャップと移動式ホルダーが設けられ、前記水循環システムは衣服本体にある第1内側ポケットと第2内側ポケットの中に設けられ、且つ小型水路とを連通する。
【0005】
前記水循環システムは、
給水ポンプ本体と、2つの押圧式アダプター脱着式エルボと、水の入口・出口と、パイプと、制御スイッチと、USB-Aインターフェースと、から構成される。
給水ポンプ本体の制御端は制御スイッチに接続され、
制御スイッチはUSB-Aインターフェースに接続され、
給水ポンプ本体の吸水口と排水口はそれぞれ1つのパイプが接続され、
2つのパイプはそれぞれ2つの押圧式アダプター脱着式エルボと連通し、
2つの押圧式アダプター脱着式エルボはそれぞれ水の入口・出口と連通し、
水の入口・出口はそれぞれ小型水路の入口端と出口端とを連通する。
【0006】
前側ポケットをさらに含み、前記前側ポケットは2つあり、衣服本体の左前襟と右前襟にそれぞれ縫い付けられている。
【0007】
給水ポンプ本体の外部は、ゴム材料で被覆されている。
【0008】
水冷シートは、TPU複合材料で作られている。
【0009】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
(1)水冷シートはTPUの複合材料で作られ、高強度、弾力性、強靭性、耐摩耗性や耐洗濯性などの特徴がある。
(2)水冷シートの設計は一体型であり、小型水路が敷き詰められ、衣服との相性がよく、ミシン縫い、バックル、マジックテープ(登録商標)等の方法により衣服に固定又は半固定され、且つ水洗いも可能である。
(3)水冷シートの中間部分の底部には、水循環の機能を実現するために給水ポンプ本体と連通するための水の入口・出口が取り付けられている。
(4)水の入口・出口と給水ポンプの間に押圧式アダプター脱着式エルボを用いることにより、普通の配管エルボに比べ、脱着式エルボはより強固で、且つパイプを解体する時に上部のばねシートを押すだけで簡単にパイプを抜くことができる。給水ポンプは取り外し可能で、衣服の洗浄に便利である。
(5)給水ポンプ本体の外部はゴム材料で保護される。
(6)給水ポンプを駆動するコントローラはインテリジェントチップを含み、タイミング、電力調節、セキュリティ保護、シフトインジケーターなどの機能を実現できる。
(7)コントローラはスイッチを制御することで給水ポンプと一体になることができ、外部に接続されるモバイル電源に取り付けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の取り外し可能な冷却装置一体型冷却服の全体構成を示す模式図である。
図2】給水ポンプ本体、水の入口・出口、パイプ及び制御スイッチの接続構造を示す模式図である。
図3】小型水路内における水の流れを示す模式図である。
図4】衣服本体における断熱層及び内側ポケットの位置を示す模式図である。
図5】衣服本体におけるファスナーと前側ポケットの位置を示す模式図である。
図6】衣服本体における水バックやバックルの位置を示す模式図である。
図7】衣服本体におけるキャップ及び移動可能ホルダーの位置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面と併せて本願を更に詳細に説明する。
本実施形態は、本願の技術的態様を前提として実施されるものであり、詳細な実施形態を示すものであるが、本願の保護範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施形態は取り外し可能な冷却装置一体型冷却服であって、具体的な構成は以下の通りである。
【0013】
図1図3に示すように、「水冷シート12」は、本実施形態のコア部材の1つであり、TPU複合材料を用い、ミシン縫い・バックル・マジックテープ(登録商標)等の方法により衣服本体11の内側に固定又は半固定することができる。
水冷シート12の各所には「小型水路13」が設けられていることにより、貯水の役割を果すとともに水を水冷シート12の中に循環させることができる。
水冷シート12は、主に3つの部分で構成され、衣服の3つのエリアに固定される。
1つ目は最も大きな面積を有する「背中エリア」であり、2つ目は「左前襟」であり、3つ目は「右前襟」で、衣服内の空間を最大限に利用して冷却保冷効果を得る。
水冷シート12の「背中エリア」の下側には、「水の入口・出口」があり(図1の16を参照)、左側の短いポートが出口、右側の長いポートが入口となっている。
「入口・出口16」は、パイプ17により「押圧式アダプター脱着式エルボ15」と連通し、且つ「パイプ17」は給水ポンプ本体14と連通する。
給水ポンプ本体14の他端には「制御スイッチ18」があり、制御スイッチ18は衣服の正面の穴に掛けて固定することができる。
制御スイッチ18はコントローラを有し、他端には「USB-Aインターフェース19」があり、モバイル電源のUSB-Aポートを連通することにより電力供給の役割を果たすことができる。
【0014】
駆動系全体の拡大図は、図2に示すように、押圧式アダプター脱着式エルボ15とパイプ17とを連通し、且つパイプ17と給水ポンプ本体14とを連通している。
給水ポンプ本体14の他端には制御スイッチ18があり、制御スイッチ18は衣服の正面の穴に掛けて固定することができる。
制御スイッチ18はコントローラを有し、インテリジェントチップが組み込まれ、タイミング、電力調整、セキュリティ保護、シフトインジケーターなどの機能を実現できる。
制御スイッチ18の他端は「USB-Aインターフェース19」であり、電力供給のためにモバイル電源のUSB-Aポートと連通することができる。
該駆動システムのコントローラは、外部のモバイル電源に取り付けることもできる。
【0015】
完成品の内部は、図4に示すように、小型水路13が取り付けられた水冷シート12は、衣服本体11の内側に固定されている。
衣服本体11の内側には「断熱層21」が縫い付けられ、水冷シート12の一部を覆って、運転時の冷却シート12の温度が低いため、断熱層21は腰を保護することができる。
断熱層21の下方には、給水ポンプ本体14と制御スイッチ18を配置するための「第1内側ポケット22」が縫い付けられ、左側はモバイル電源を配置する「第2内側ポケット23」である。
【0016】
製品の正面には、図5に示すように、衣服本体11に「ファスナー31」が設けられ、衣服本体11にはさらに2つの「前側ポケット32」が設けられ、制御スイッチ18の正面は衣服の穴によって固定されている。
【0017】
製品の背面には、図6に示すように、「水バック41」が衣服本体11の背中に縫い付けられ、バックル42で閉じられている。
【0018】
図7に示すように、バックル42を開けると、水バック41の内部には「キャップ51」で閉じられた注水口があり、水の注入と氷・アイスストリップ・アイスボトルの供給に用いられる。
移動式ホルダー52の使用方法としては、顧客が片手でグリップを持ち、もう片方の手で注水口を開くことで、独自に簡単に水や氷を加える作業をすることができる。
且つ、キャップ51を紛失しないために、移動式ホルダー52とキャップ51とが連結されている。
【0019】
[動作原理]
キャップ51を開けて注水口に水と氷・アイスストリップ・アイスボトルを添加した後、バックル42を閉じる。
制御スイッチ18の他端にあるUSB-Aインターフェース19を任意のモバイル電源のUSB-Aポートと接続し、制御スイッチ18を押して駆動システムを起動させる。
起動後、給水ポンプ本体14の往復運動により、先に加えられた水は、「入口・出口16」を介して水冷シート12の各小型水路13に充填され、循環することにより、小型水路13が常に水で満たされた状態に保たれる。
氷・アイスストリップ・アイスボトルが入っていることで水の温度が低く、且つ水冷シート12が衣服本体11の内側に固定されているため、ファスナー31を引いた後、衣服本体11が人の体表に密着し、冷たい循環水を満たした水冷シート12も体表に密着して、急速な冷却効果を得ることができる。
【0020】
本実施形態の冷却服の外観はノースリーブチョッキのスタイルであり、衣服の内側エリアに水冷シート(すなわち冷却保冷ユニット)が固定されているため、着用が簡単で異物感がない。
一方、現在市販されているファン駆動式の冷却服では、衣服の穴にファンを埋め込む必要があり、着用後に明らかな異物感がある。
【0021】
また、本実施形態の冷却服は、その冷却コアが冷却用の氷と循環する水であるため資源の取得が簡単であり、水冷シートが薄いため、着用後の衣服の内側が体表に密着し、冷却効果が顕著である。
現在市販されているファン式冷却服は、主にファンで汗を蒸発させる冷却原理であり、騒音が大きく、始動後はファンで空気を流れるため、衣服の内部に空気が充満し、通常の服に比べて膨張し、移動や作業に不便などの欠点をもたらすことがある。
【0022】
本実施形態の冷却服の設計案は、従来のファン式冷却服の欠点を解決することができ、顧客により便利な冷却体験をもたらすことができる。
【0023】
本実施形態の冷却服は、従来の冷却服に比べて、構造がシンプルで、コンパクトであり、快適に着用できるという利点がある。
【0024】
以上述べたのは、本発明の好ましい具体的な実施形態に過ぎず、これらはいずれも本願の全体構想に基づく異なる実現態様であり、本願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、本願が開示する技術的範囲内で当業者が容易に考えられる変化または置換は、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準拠すべきである。
【符号の説明】
【0025】
11 衣服本体
12 水冷シート
13 小型水路
14 給水ポンプ本体
15 押圧式アダプター脱着式エルボ
16 水の入口・出口
17 パイプ
18 制御スイッチ
19 USB-Aインターフェース
21 断熱層
22 第1内側ポケット
23 第2内側ポケット
31 ファスナー
32 前側ポケット
41 水バック
42 バックル
51 キャップ
52 移動式ホルダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7