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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012352
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ポイント管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20250117BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115127
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】523267461
【氏名又は名称】株式会社Starl
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】國枝 祐希
(72)【発明者】
【氏名】堤 純也
(72)【発明者】
【氏名】寒川 隼平
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】利用者が自由にポイントの内容を設計して発行でき、それらのポイントを適切な条件で安全に、収集や交換ができるポイント管理システムを提供する。
【解決手段】特定端末10、店舗端末20及び利用者端末30で構成され、分散型台帳技術により情報の正当性を確認できる基盤システムを利用して、交換可能なポイントを発行するポイント管理システム1であって、特定端末10は、特定の情報を有する特定ポイントを発行して、利用者端末30に提供し、店舗端末20は、発行者が内容を設定可能な情報を有する一般ポイントを発行して、利用者端末30に提供し、利用者端末30は、
特定ポイントを一般ポイントに交換して、店舗端末20に提供可能であるとともに、一般ポイントを特定ポイントに交換して、特定端末10に提供可能であるポイント管理システム1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定端末、店舗端末及び利用者端末で構成され、分散型台帳技術により情報の正当性を確認できる基盤システムを利用して、交換可能なポイントを発行するポイント管理システムであって、
前記特定端末は、特定の情報を有する特定ポイントを発行して、利用者端末に提供し、
前記店舗端末は、発行者が内容を設定可能な情報を有する一般ポイントを発行して、前記利用者端末に提供し、
前記利用者端末は、
前記特定ポイントを前記一般ポイントに交換して、前記店舗端末に提供可能であるとともに、
前記一般ポイントを前記特定ポイントに交換して、前記特定端末に提供可能であることを特徴とするポイント管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のポイント管理システムにおいて、
前記特定端末は、
前記利用者端末から提供される前記一般ポイントの件数に基づき、前記特定ポイントに対する前記一般ポイントの交換比率を算出し、該算出した交換比率に基づいて、前記一般ポイントと前記特定ポイントとを交換することを特徴とするポイント管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のポイント管理システムにおいて、
前記一般ポイントは、前記店舗端末が設置される店舗において提供される商品又は役務に関する特典に紐づけられ、
前記一般ポイントの総数の価値は、前記一般ポイントに紐付けられた前記特典の価値に基づいて算出されることを特徴とするポイント管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載のポイント管理システムにおいて、
前記利用者端末は、
前記一般ポイントを、他の前記利用者端末との間で交換できることを特徴とするポイント管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックチェーン技術を用いて、ポイントサービスを分散管理型で実行するポイント管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者に配布するポイントとして、ポイント残高が、ポイントを配布した指定企業の株価と連動する株価連動型のポイントを用い、ポイント管理装置のポイント管理部が、利用者のポイント残高を更新した際に用いた指定企業の更新時株価と、指定企業の新たな株価とに基づいて、ポイント残高を更新することにより、ポイント残高を株価と連動させ、ポイント管理部の端末処理部が、利用者端末からの残高照会要求に応じて、更新により得られた利用者の新たなポイント残高を利用者端末へ通知するポイント管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-199051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のポイント管理システムは、指定企業の株価に連動するポイントという特定のポイントに関するすべての管理をポイント管理装置で行い、利用者端末は、ポイント管理装置に対して残高照会要求を送信することによりポイント残高照会を行うシステムであった。つまり、株価という特定の情報に関するポイントをポイント管理装置で管理することができるだけであり、各利用者端末で種々のポイント内容を設定し、それらを交換したりすることはできないという課題があった。
【0005】
本発明は、こうした課題に鑑みなされたもので、利用者が自由にポイントの内容を設計して発行でき、それらのポイントを適切な条件で安全に、収集や交換ができるポイント管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を得るために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
[適用例1]
適用例1に記載の発明は、
特定端末(10)、店舗端末(20)及び利用者端末(30)で構成され、分散型台帳技術により情報の正当性を確認できる基盤システムを利用して、交換可能なポイントを発行するポイント管理システム(1)であって、
前記特定端末(10)は、特定の情報を有する特定ポイントを発行して、利用者端末(30)に提供し、
前記店舗端末(20)は、発行者が内容を設定可能な情報を有する一般ポイントを発行して、前記利用者端末(30)に提供し、
前記利用者端末(30)は、
前記特定ポイントを前記一般ポイントに交換して、前記店舗端末(20)に提供可能であるとともに、
前記一般ポイントを前記特定ポイントに交換して、前記特定端末(10)に提供可能であることを要旨とするポイント管理システム1である。
【0008】
このようなポイント管理システム(1)では、特定端末(10)、店舗端末(20)及び利用者端末(30)でシステムが構成され、特定端末(10)において特定ポイント、店舗端末(20)において一般ポイントが発行される。
【0009】
特定ポイントは、特定の情報、例えば、ポイント管理システム(1)の基軸となる情報を有するポイントである。
また、一般ポイントは、店舗端末(20)において発行者が内容を設定可能な情報、例えば、発行者が店舗運営者の場合に、客の購買価格に応じたサービスポイント、来店しただけで付与される来店ポイントなど種々の情報に対して発行するポイントなどのように、発行者がポイントの内容を自由に設定することができるようになっている。
【0010】
また、利用者端末(30)において、特定ポイントを一般ポイントに交換して、前記店舗端末(20)に提供可能であるとともに、一般ポイントを特定ポイントに交換して、特定端末(10)に提供可能である。換言すれば、特定端末(10)と店舗端末(20)との間では直接特定ポイントと一般ポイントを交換することはできない。
【0011】
このとき、特定ポイント、一般ポイントともに、分散型台帳技術により情報の正当性を確認できる基盤システムを利用して発行されるため、セキュリティが確保されるとともに、システムダウンなどによる情報の消失もない安全なシステムとすることができる。
【0012】
[適用例2]
適用例2に記載のポイント管理システム(1)は、適用例1に記載のポイント管理システム(1)において、
前記特定端末(10)は、
前記利用者端末(30)から提供される前記一般ポイントの件数に基づき、前記特定ポイントに対する前記一般ポイントの交換比率を算出し、該算出した交換比率に基づいて、前記一般ポイントと前記特定ポイントとを交換することを要旨とする。
【0013】
このようなポイント管理システム(1)では、特定ポイントと一般ポイントとの交換比率が各一般ポイントと特定ポイントとを相互に交換する際の交換件数に応じて決定され、ポイント交換情報として提供される。
【0014】
つまり、特定ポイントと一般ポイントとの交換比率が特定端末(10)のみで決定されるのではなく、複数の一般端末(20)での交換情報に基づいて刻々決定されていく。したがって、ポイント交換時に、その時点で最も適切な交換比率でポイントの交換を行うことができるポイント管理システム(1)となる。
【0015】
[適用例3]
適用例3に記載のポイント管理システム(1)は、適用例1に記載のポイント管理システム(1)において、
前記一般ポイントは、前記店舗端末(20)が設置される店舗において提供される商品又は役務に関する特典に紐づけられ、
前記一般ポイントの総数の価値は、前記一般ポイントに紐付けられた前記特典の価値に基づいて算出されることを要旨とする。
【0016】
このようなポイント管理システム(1)では、店舗端末(20)が設置される店舗で提供される商品や役務に関して特典が紐づけられている。また、一般ポイントの総数の価値が、一般ポイントに紐づけられた特典の価値に基づいて算出される。つまり、特典の価値が高くなれば、一般ポイントの総数の価値も高くなり、ひいては、一般ポイントと交換可能な特定ポイントの総数の価値も高くなる。
【0017】
[適用例4]
適用例4に記載のポイント管理システム(1)は、適用例1に記載のポイント管理システム(1)において、
前記利用者端末(30)は、
前記一般ポイントを、他の前記利用者端末(30)との間で交換できることを要旨とする。
【0018】
このようなポイント管理システム(1)では、複数の利用者端末(30)の間で一般ポイントが交換できるようになっている。したがって、利用者端末(30)を所有している者、例えば、店舗の顧客同士が事由に一般ポイントを交換できるようになり、便利なシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ポイント管理システムの概略の構成を示すブロック図である。
図2】特定端末において実行される主制御処理の流れを示すフローチャートである。
図3】特定端末において実行される交換比率算定処理の流れを示すフローチャートである。
図4】特定端末において実行されるトークン操作処理の流れを示すフローチャートである。
図5】店舗端末において実行される一般ポイント設定処理の流れを示すフローチャートである。
図6】利用者端末において実行される主制御処理の流れを示すフローチャートである。
図7】利用者端末において実行される特定ポイント交換処理の流れを示すフローチャートである。
図8】利用者端末において実行される一般ポイント交換処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0021】
[第1実施形態]
(ポイント管理システムの構成)
図1に基づき、ポイント管理システム1の構成について説明する。図1は、ポイント管理システム1の概略の構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、ポイント管理システム1は、特定端末10、店舗端末20、利用者端末30及び通信回線5を備えている。
特定端末10は、特定ポイントを発行し、利用者端末30に提供する機能を有する端末装置であり、演算装置11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14及び送受信装置15を備えている。
【0023】
演算装置11は、図示しないCPU、ROM、RAM及びI/Oを備えている。
入力装置12は、ポイント管理システム1の管理者などが入力をするための装置であり、具体的には、キーボード、マウス、スキャナなどの入力デバイスである。
【0024】
表示装置13は、管理者などに情報を提示するための装置であり、液晶ディスプレイやプリンタなどの出力デバイスである。
記憶装置14は、ハードディスク、ソリッドステートドライブなどの大容量の外部記憶装置である。
【0025】
送受信装置15は、特定端末10を通信回線5(以下、インターネット5と呼ぶ)に電気的に接続し、インターネット5を介して店舗端末20や利用者端末30とデータの送受信を行う装置である。
【0026】
店舗端末20は、発行者が内容を設定可能な情報を有する一般ポイントを発行し、利用者端末30に提供することができる機能などを有する端末装置である。本実施形態では、店舗端末20として、ディスプレイやキーボードを備えたパーソナルコンピュータを用いたものとして説明する。また、店舗端末20は、複数存在しているものする。
【0027】
利用者端末30は、利用者が内容を設定して発行できる一般ポイントを発行したり、特定ポイントと一般ポイントとを交換したりすることができる機能などを有する端末装置である。本実施形態では、利用者端末30として、表示用の液晶画面や入力を行うために液晶画面上に設置されているタッチスクリーンを備えたスマートフォンを用いたものとして説明する。また、利用者端末30は、複数存在しているものとする。
【0028】
通信回線5は、特定端末10、店舗端末20及び利用者端末30との間で通信を行って種々の情報を伝達するための通信回線であり、本実施形態ではインターネットを用いている。
【0029】
(特定端末における主制御処理)
次に、図2に基づき特定端末10において実行される主制御処理について説明する。図2は、特定端末10において実行される主制御処理の流れを示すフローチャートである。
特定端末10における主制御処理は、プログラムとして外部記憶装置に格納されており、利用者等による特定端末10への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
【0030】
図2に示すように、主制御処理においてCPUは、S100で、入力装置12から操作内容を取得する。操作内容としては「交換比率算定処理」と「トークン操作処理」の何れかである。
【0031】
続くS105では、S100において取得した操作内容が「交換比率算定処理」であるか否かを判定する。そして、操作内容が、交換比率算定処理であると判定した場合(S105:Yes)、処理をS110へ移行し、交換比率算定処理ではないと判定した場合(S105:No)、処理をS115へ移行する。
【0032】
S110では、交換比率算定処理を行った後、処理をS100へ戻し、主制御処理を繰り返す。交換比率算定処理については、詳細を後述する。
【0033】
S115では、S100において取得した操作内容が「トークン操作処理」であるか否かを判定する。そして、操作内容が、トークン操作処理であると判定した場合(S115:Yes)、処理をS120へ移行し、トークン操作処理ではないと判定した場合(S115:No)、処理をS100へ戻す。
【0034】
S120では、トークン操作処理を行った後、処理をS100へ戻し主制御処理を繰り返す。トークン操作処理については、詳細を後述する。
【0035】
(特定端末における交換比率算定処理)
次に、図3に基づき特定端末10において実行される交換比率算定処理について説明する。図3は、特定端末10において実行される交換比率算定処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
交換比率算定処理は、プログラムとして記憶装置14に格納されており、利用者等による特定端末10への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
図3に示すように、交換比率算定処理においてCPUは、S200で特定ポイントの内容を設定する。
【0037】
ここで特定ポイントとは、ポイント管理システム1の基軸となるポイントであり、この特定ポイントを介して一般ポイントの交換が行われる。また、特定ポイントは、いわゆるブロックチェーン技術を用いて発行されるトークンとして発行される。
【0038】
特定ポイントの内容の設定とは、特定ポイント全体の発行数やブロックチェーン技術を用いてポイント発行を行うために必要となる設定を意味している。
続くS205では、S200における特定ポイントの内容の設定が完了したか否を判定する。そして、設定が完了したと判定した場合(S205:Yes)、処理をS210へ移行し、設定が完了ししていないと判定した場合(S205:No)、交換比率算定処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0039】
S210では、複数ある利用者端末30のすべてからインターネット5を介してポイント交換情報を取得する。ここでポイント交換情報は、各利用者端末30において、一般ポイントを特定ポイントに交換する際の交換率(以下、単に交換率とも呼ぶ)や交換数を含んでいる。
【0040】
続くS215では、S210においてポイント交換情報が入力されたか否かを判定する。そして、ポイント交換情報が入力されたと判定した場合(S215:Yes)、処理をS220へ移行し、入力されていないと判定した場合(S215:No)、処理をS210へ戻す。
【0041】
S220では、S210において各利用者端末30から取得したポイント交換情報から、一般ポイント別の交換率を抽出し、抽出した複数の交換率から、一般ポイント別の適正な交換率を算出する。交換率の算出は、AMM(Automated Market Maker:自動マーケットメーカ)と呼ばれる方法で行われる。
【0042】
続くS225では、S220で算出した一般ポイント別の適正な交換比率を各利用者端末30へ送信した後、交換比率算定処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0043】
(特定端末におけるトークン操作処理)
次に、図4に基づき特定端末10において実行されるトークン操作処理について説明する。図4は、特定端末10において実行されるトークン操作処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
トークン操作処理は、プログラムとして記憶装置14に格納されており、利用者等による特定端末10への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
図4に示すように、トークン操作処理においてCPUは、S300で特定ポイントの未使用残高を算出する。
【0045】
ここで特定ポイントの未使用残高とは、各店舗端末20において設定される一般ポイントを基軸ポイントである特定ポイントに換算した残高(すべての店舗端末20において設定される一般ポイントの残高)の合計を意味している。
【0046】
続くS305では、トークンの理論価格を算出する。ここで、トークンの時価総額は、一般ポイントの未使用残高と同じであるため、トークンの時価総額をその時点でのトークンの発行枚数で割れば、トークンの理論価格を算出することができる。
【0047】
続くS310では、トークンのマーケット価格を取得する。具体的には、入力装置12で入力されるマーケット価格やインターネット5を介して送受信装置15から入力されるマーケット価格を取得する。
【0048】
続くS315では、S310においてトークンのマーケット価格を取得したか否かを判定する。そして、マーケット価格を取得したと判定した場合(S315:Yes)、処理をS320へ移行し、マーケット価格を取得しなかったと判定した場合(S315:No)、トークン操作処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0049】
S320では、トークンの売買方式を取得する。具体的には、入力装置12で入力される
・トークンを売るのか買うのか
・売買するトークンの価格
・売買するトークンの数量
・トークンを売買するタイミング
を取得する。
【0050】
S325では、S320においてトークンの売買方式を取得したか否かを判定する。そして、売買方式が入力されたと判定した場合(S325:Yes)、処理をS330へ移行し、入力されていないと判定した場合(S325:No)、トークン操作処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0051】
S330では、S320において取得した売買方式に基づいて、インターネット5を介して外部との間でトークンを売買した後、トークン操作処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0052】
(店舗端末における一般ポイント設定処理)
次に、図5に基づいて、各店舗端末20において設定される一般ポイントの設定処理の流れについて説明する。図5は、店舗端末20において実行される一般ポイント設定処理の流れを示すフローチャートである。一般ポイント設定処理は、プログラムとして店舗端末20の記憶装置に格納されており、利用者等による店舗端末20への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
【0053】
図5に示すように、一般ポイント設定処理においてCPUは、S400で一般ポイントの内容を設定する。
ここで、一般ポイントとは、複数の店舗端末20毎に内容を自由に設定できるポイントであり、例えば、売上げに応じた率で一般ポイントを還元したり、来店するごとに一般ポイントを付与したり、マイレージポイントとして一般ポイントを付与したりなど、店舗端末20を利用する業者などの事業形態に応じて自由に内容を設定できる。また、一般ポイントは、いわゆるブロックチェーン技術を用いて発行されるトークンとして発行される。
【0054】
続くS405では、S400において一般ポイントの内容設定が完了したか否かを判定する。そして、内容設定が完了したと判定した場合(S405:Yes)、処理をS410へ移行し、完了していないと判定した場合(S405:No)、処理をS400へ戻す。
【0055】
S410では、一般ポイントの価値設定を行う。一般ポイントの価値設定とは、店舗端末20が設置してある店舗において、商品やサービスなどを、どの数量の一般ポイントで提供するのかを設定することを意味している。これにより、その店舗における一般ポイントに対して購買できる商品やサービス価値が設定される。
【0056】
続くS415では、S410において一般ポイントの価値設定が完了したか否かを判定する。そして、価値設定が完了したと判定した場合(S415:Yes)、処理をS420へ移行し、完了していないと判定した場合(S415:No)、処理をS400へ戻す。
【0057】
S420では、S400において内容を設置した一般ポイントを、インターネット5を介して利用者端末30へ送信した後、処理をS400へ戻す。
【0058】
(利用者端末における主制御処理)
次に、図6に基づき利用者端末30において実行される主制御処理について説明する。図6は、利用者端末30において実行される主制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
利用者端末30における主制御処理は、プログラムとして利用者端末30の記憶装置に格納されており、利用者等による利用者端末30への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
【0060】
図6に示すように、主制御処理においてCPUは、S500で、図示しないタッチスクリーンから操作内容を取得する。操作内容としては「特定ポイント交換処理」と「一般ポイント交換処理」の何れかである。
【0061】
続くS505では、S500において取得した操作内容が「特定ポイント交換処理」であるか否かを判定する。そして、操作内容が、特定ポイント交換処理であると判定した場合(S505:Yes)、処理をS510へ移行し、特定ポイント交換処理ではないと判定した場合(S505:No)、処理をS515へ移行する。
【0062】
S510では、交換比率算定処理を行ったのち、処理をS500へ戻し主制御処理を繰り返す。交換比率算定処理については、詳細を後述する。
【0063】
S515では、S500において取得した操作内容が一般ポイント交換処理であると判定した場合(S515:Yes)、処理をS520へ移行し、一般ポイント交換処理ではないと判定した場合(S515:No)、処理をS100へ戻し、主制御処理を繰り返す。
【0064】
S520では、一般ポイント交換処理を行った後、処理をS500へ戻し、主制御処理を繰り返す。一般ポイント交換処理については、詳細を後述する。
【0065】
(特定ポイント交換処理)
次に、図7に基づき利用者端末30における特定ポイント交換処理について説明する。図7は、利用者端末30において実行される特定ポイント交換処理の流れを示すフローチャートである。特定ポイント交換処理は、プログラムとして利用者端末30の図示しない記憶装置に格納されており、利用者等による利用者端末30への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
【0066】
図7に示すように、特定ポイント交換処理においてCPUは、S600で、特定端末10から特定ポイントと交換率情報を取得する。
続くS605では、インターネット5を介して店舗端末20から一般ポイントを取得する。
【0067】
続くS610では、S600において取得した交換率情報から交換率を抽出するとともに、抽出した交換率に基づき、S600において取得した特定ポイントとS605において取得した一般ポイントとを交換する。
【0068】
S615では、特定ポイントと一般ポイントとを交換したか否かを判定する。そして、交換したと判定した場合(S615:Yes)、処理をS620へ移行し、交換していないと判定した場合(S615:No)、処理をS630へ移行する。
【0069】
S620では、S610において特定ポイントと交換した一般ポイントを、インターネット5を介して店舗端末20へ送信する。
続くS625では、S610で特定ポイントを一般ポイントに交換した際のポイント交換情報を、インターネット5を介して特定端末10へ送信する。
【0070】
S630では、S610において交換率情報から抽出した交換率で、S600において取得した特定ポイントとS605において取得した一般ポイントとを交換する。
S635では、一般ポイントを特定ポイントに交換したか否かを判定する。そして、交換したと判定した場合(S635:Yes)、処理をS640へ移行し、交換していないと判定した場合(S635:No)、特定ポイント交換処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0071】
S640では、S630において一般ポイントと交換した特定ポイントを、インターネット5を介して特定端末10へ送信する。
続くS645では、S630で行った特定ポイントと一般ポイントのポイント交換情報を、インターネット5を介して特定端末10へ送信した後、処理を主制御処理へ移行する。
【0072】
(一般ポイント交換処理)
次に、図8に基づき利用者端末30における一般ポイント交換処理について説明する。図8は、利用者端末30において実行される一般ポイント交換処理の流れを示すフローチャートである。一般ポイント交換処理は、プログラムとして利用者端末30の記憶装置に格納されており、利用者等による利用者端末30への実行開始指令によってCPUに読み込まれて実行される。
【0073】
図8に示すように、一般ポイント交換処理においてCPUは、S700で、特定端末10から一般ポイントの交換の対象となる利用者端末30利用者端末情報を取得する。利用者端末情報とは、利用者端末30のIPアドレスなどの識別符号である。
【0074】
続くS705では、利用者端末30の図示しないタッチスクリーンから操作内容を取得する。操作内容は、どれだけの数量の一般ポイントをどの利用者端末に送信するか、或いは、どれだけの数量の一般ポイントをどの利用者端末から受信するかの何れかである。
【0075】
続くS710では、S705において取得した操作内容がポイント送信であるか否かを判定する。そして、ポイント送信であると判定した場合(S710:Yes)、処理をS715へ移行し、ポイント送信ではないと判定した場合(S710:No)、処理をS720へ移行する。
【0076】
S715では、S705における操作内容の数量の一般ポイントを、インターネット5を介して、S700において取得した識別符号の利用者端末30へ送信する。
【0077】
S720では、S705において取得した操作内容がポイント受信であるか否かを判定する。そして、ポイント受信であると判定した場合(S720:Yes)、処理をS725へ移行し、ポイント受信ではないと判定した場合(S720:No)、一般ポイント交換処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0078】
S725では、S705における操作内容の数量の一般ポイントを、インターネット5を介して、S700において取得した識別符号の利用者端末30から受信した後、一般ポイント交換処理を終了し、処理を主制御処理へ移行する。
【0079】
(ポイント管理システムの特徴)
このようなポイント管理システム1では、特定端末10において発行される、本システムの基軸である特定ポイント、店舗端末20において内容を自由に設定できる一般ポイントが発行される。
【0080】
また、利用者端末30において、特定ポイントを一般ポイントに交換して店舗端末20に提供可能であるとともに、一般ポイントを特定ポイントに交換して、特定端末10に提供可能である。換言すれば、特定端末10と店舗端末20との間では直接特定ポイントと一般ポイントを交換することはできない。
【0081】
このとき、特定ポイント、一般ポイントともに、分散型台帳技術により情報の正当性を確認できる基盤システムを利用して発行されるため、セキュリティが確保されるとともに、システムダウンなどによる情報の消失もない安全なシステムとすることができる。
【0082】
さらに、特定ポイントと一般ポイントとの交換比率が各一般ポイントと特定ポイントとを相互に交換する際の交換件数に応じて決定され、ポイント交換情報として提供される。
つまり、特定ポイントと一般ポイントとの交換比率が特定端末10のみで決定されるのではなく、複数の一般端末30でのポイント交換情報に基づいて刻々決定されていく。したがって、より交換時に、その時点で最も適切な交換比率でポイントの交換を行うことができるポイント管理システム1となる。
【0083】
また、店舗端末20が設置される店舗で提供される商品や役務に関して特典が紐づけられているとともに、一般ポイントの総数の価値が、一般ポイントに紐づけられた特典の価値に基づいて算出される。つまり、特典の価値が高くなれば、一般ポイントの総数の価値も高くなり、ひいては、一般ポイントと交換可能な特定ポイントの総数の価値も高くなるという関連付けができるようになる。
【0084】
さらに、複数の利用者端末30の間で一般ポイントが交換できるようになっている。したがって、利用者端末30を所有している者、例えば、店舗の顧客同士が事由に一般ポイントを交換できるようになり、便利なシステムとすることができる。
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、店舗端末20及び利用者端末30としてパーソナルコンピュータを用いたが、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型端末を用いてもよい。
(2)上記実施形態では、トークンの売買方式として特定端末10の入力装置12から入力される情報を取得していたが、予め売買方式を設定し、記憶装置14に記憶させておき、その内容に基づいてトークンを売買してもよい。
例えば、トークンの売値と買値、1回の売買処理で売買するトークンの数量を記憶装置14に記憶させておき、S310において取得したトークンのマーケット価格が記憶させた売価又は買値となったときに売買するようにして、トークンを自動的に売買するようにしてもよい。
(3)また、トークンの売買の際にMintやburnなどの手法を用いてもよい。つまり、MintによりNFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)を新たに発行して売買してもよいし、burnによって、暗号資産(トークン)を使用できないようにして、トークンの発行数を減少させて、トークンの価値を上昇させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1… ポイント管理システム 5… 通信回線(インターネット) 10… 特定端末 11… 演算装置 12… 入力装置 13… 表示装置 14… 記憶装置 15… 送受信装置 20… 店舗端末 30… 利用者端末。
図1
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図8