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特開2025-12361発泡性エアゾール組成物、及びエアゾール製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012361
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】発泡性エアゾール組成物、及びエアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20250117BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20250117BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/02
A61Q19/00
A61K8/34
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/891
A61K8/86
A61K8/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115139
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 明希乃
(72)【発明者】
【氏名】益子 優斗
(72)【発明者】
【氏名】久木田 茉優
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC331
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083BB04
4C083CC02
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】乳化安定性と、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性と、使用感とがいずれも優れる、発泡性エアゾール組成物及び該組成物を用いたエアゾール製品を提供する。
【解決手段】炭酸ガスを含む噴射剤と、原液とを含む発泡性エアゾール組成物であって、該原液は、HLBが10.0~18.0の界面活性剤である界面活性剤A、HLBが2.0~6.0の界面活性剤である界面活性剤B、(メタ)アクリル酸系ポリマー、油性成分、多価アルコール、塩基性のpH調整剤、及び水を含み、該油性成分は、高級アルコールを含み、該原液中の該(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量が、0.01質量%~0.25質量%である、発泡性エアゾール組成物によって課題を解決する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ガスを含む噴射剤と、原液とを含む発泡性エアゾール組成物であって、
該原液は、HLBが10.0~18.0の界面活性剤である界面活性剤A、HLBが2.0~6.0の界面活性剤である界面活性剤B、(メタ)アクリル酸系ポリマー、油性成分、多価アルコール、塩基性のpH調整剤、及び水を含み、
該油性成分は、高級アルコールを含み、
該原液中の該(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量が、0.01質量%~0.25質量%である、発泡性エアゾール組成物。
【請求項2】
前記油性成分が、さらに炭化水素化合物、エステル化合物、及び、動粘度が50cs以上のシリコン化合物から選択される1種又は2種以上を含む、請求項1に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤A、及び前記界面活性剤Bが、いずれもノニオン界面活性剤である、請求項1に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項4】
前記発泡性エアゾール組成物のpHが4.0~5.5である、請求項1に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項5】
前記原液は、温度20℃における粘度が1500mPa・s~30000mPa・sである、請求項1に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項6】
皮膚化粧料である、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項7】
発泡性エアゾール組成物がエアゾール容器に充填されたエアゾール製品であって、
該発泡性エアゾール組成物が、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性エアゾール組成物である、エアゾール製品。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発泡性エアゾール組成物、及び該発泡性エアゾール組成物を用いたエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、べたつかない、しっとりとした素肌感を得られるといった、使用感が高い皮膚化粧料や、皮膚洗浄剤組成物が検討されている。例えば特許文献1では、皮膜剤である両性アクリル系高分子化合物及び/又は酸性アクリル系高分子化合物と、常温で固体もしくは半固体の高級アルコールを組み合わせて配合した皮膚化粧料が開示されている。また引用文献2では、カルボキシビニルポリマー等の特定の2種のポリマー、低粘度の炭化水素油及び水を特定の割合で組み合わせた皮膚洗浄剤組成物が開示されている。
【0003】
このような皮膚化粧料等をフォーム状にすることにより、べたつかないだけでなく、垂れ落ちにくく、塗り広げやすくなるため、さらに使用感を高めることができる。従来、フォームを形成するエアゾール製品には、噴射剤及び発泡剤として、LPGなどの液化ガス、並びに炭酸ガスなどの圧縮ガスが用いられている。LPGなどの液化ガスは、発泡性が良好で、液垂れしにくいフォームを形成できるが、引火性ガスであるために安全性への懸念が生じる。これに対し、引用文献3には、水溶性増粘剤及び水を含み、且つpH7.1以上10以下である原液と、炭酸ガスとを含有するエアゾール化粧料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-022026号公報
【特許文献2】特開2015-030683号公報
【特許文献3】特開2022-170720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、炭酸ガスなどの圧縮ガスを用いたエアゾール製品のフォームは、液化ガスを使用したものに比べて発泡性が低く、消泡が早すぎ、液垂れしやすいといった点で改善の余地がある。原液の粘度を高めることで泡の保形性を高めることができるが、粘度を高めた原液中に炭酸ガスを充填させて溶解させる場合、炭酸ガス充填後の組成物の流動性が低く、安定して炭酸ガスを溶解させることが困難となる。流動性を高めるために原液の粘度を下げると、発泡性が低くなり泡質が低下するという問題がある。
【0006】
このような課題に鑑み、本開示は、乳化安定性と、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性と、使用感とがいずれも優れる、発泡性エアゾール組成物及び該組成物を用いたエアゾール製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、炭酸ガスを含む噴射剤と、原液とを含む発泡性エアゾール組成物において、原液に対して、HLBが異なる2種類の界面活性剤と、特定の濃度範囲の(メタ)アクリル酸系ポリマーと、高級アルコールを含む油性成分と、多価アルコールと、塩基性のpH調整剤と、水を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
[1]炭酸ガスを含む噴射剤と、原液とを含む発泡性エアゾール組成物であって、
該原液は、HLBが10.0~18.0の界面活性剤である界面活性剤A、HLBが2.0~6.0の界面活性剤である界面活性剤B、(メタ)アクリル酸系ポリマー、油性成分、多価アルコール、塩基性のpH調整剤、及び水を含み、
該油性成分は、高級アルコールを含み、
該原液中の該(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量が、0.01質量%~0.25質量%である、発泡性エアゾール組成物。
[2]前記油性成分が、さらに炭化水素化合物、エステル化合物、及び、動粘度が50cs以上のシリコン化合物から選択される1種又は2種以上を含む、[1]に記載の発泡性エアゾール組成物。
[3]前記界面活性剤A、及び前記界面活性剤Bが、いずれもノニオン界面活性剤である、[1]に記載の発泡性エアゾール組成物。
[4]前記発泡性エアゾール組成物のpHが4.0~5.5である、[1]に記載の発泡性エアゾール組成物。
[5]前記原液は、温度20℃における粘度が1500mPa・s~30000mPa・sである、[1]に記載の発泡性エアゾール組成物。
[6]皮膚化粧料である、[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物。[7]発泡性エアゾール組成物がエアゾール容器に充填されたエアゾール製品であって、
該発泡性エアゾール組成物が、[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性エアゾール組成物である、エアゾール製品。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、乳化安定性と、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性と、使用感とがいずれも優れる、発泡性エアゾール組成物及び該組成物を用いたエアゾール製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0011】
[発泡性エアゾール組成物]
本発明の一実施形態の発泡性エアゾール組成物(以下、単に「発泡性エアゾール組成物」ともいう。)は、炭酸ガスを含む噴射剤と、原液とを含む発泡性エアゾール組成物である。該原液は、HLBが10.0~18.0の界面活性剤である界面活性剤A、HLBが2.0~6.0の界面活性剤である界面活性剤B、(メタ)アクリル酸系ポリマー、油性成分、多価アルコール、塩基性のpH調整剤、及び水を含む。さらに該油性成分は、高級アルコールを含み、該原液中の該(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量が、0.01質量%~0.25質量%である。このような発泡性エアゾール組成物は、乳化安定性と、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性と、使用感とがいずれも優れる。
以下、発泡性エアゾール組成物に含まれる各成分について説明する。
【0012】
(界面活性剤)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、HLBが10.0~18.0(好ましくは12.0~16.5)の界面活性剤である界面活性剤Aを含有する。また、原液は、HLBが2.0~6.0(好ましくは2.5~5.0、より好ましくは2.7~4.5、さらに好ましくは2.7~3.5)の界面活性剤である界面活性剤Bと、を含有する。
【0013】
上記二種類の界面活性剤A及び界面活性剤Bを併用することで、良好な乳化安定性を達成できる。その理由としては、HLB値の異なる2種類の特定の界面活性剤を組み合わせ
ることにより、油-水界面膜に並ぶ界面活性剤密度が増すからと本発明者らは考えている。
【0014】
原液中の界面活性剤Aの含有量は、好ましくは0.10質量%~5.00質量%であり、より好ましくは0.30質量%~3.00質量%であり、さらに好ましくは0.50質量%~2.50質量%であり、さらにより好ましくは0.70質量%~2.00質量%である。原液中の界面活性剤Bの含有量は、好ましくは0.10質量%~5.00質量%であり、より好ましくは0.20質量%~2.50質量%であり、さらに好ましくは0.25質量%~1.80質量%である。界面活性剤A、及び界面活性剤Bの含有量が上記範囲内であることにより、乳化安定性をより向上させることができる。
【0015】
界面活性剤A、及び界面活性剤Bは、少なくともいずれか一方がノニオン界面活性剤であることが好ましく、いずれもノニオン界面活性剤であることがより好ましい。
【0016】
ここで、界面活性剤のHLB値は、以下のグリフィン法で算出する。下記式(1)において、「親水基の式量の総和/分子量」とは、親水基の質量%である。
(1) グリフィン法:HLB値=20×(親水基の式量の総和/分子量)
【0017】
界面活性剤Aとしては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
PEG-40水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-70水添ヒマシ油、PEG-80水添ヒマシ油、及びPEG-100水添ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ベヘネス-20、ベヘネス-30、セテス-10、セテス-15、セテス-20、ラウレス-9、オレス-10、オレス-15、オレス-20、オレス-50、(C12-14)パレス-7、(C12-14)パレス-9、及び(C12-14)パレス-12等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ラウリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、パルミチン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、及びリノール酸ポリグリセリル-10等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ラウリン酸ソルベス-6、テトラステアリン酸ソルベス-60、テトラオレイン酸ソルベス-40、及びテトラオレイン酸ソルベス-60等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;並びに、イソステアリン酸PEG-25グリセリル、イソステアリン酸PEG-30グリセリル、イソステアリン酸PEG-40グリセリル、イソステアリン酸PEG-50グリセリル、及びイソステアリン酸PEG-60グリセリル等のイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル。
【0018】
界面活性剤Bとしては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
モノオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、モノカプリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ミリスチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、及びオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;並びに、ステアリン酸ポリグリセリル-2、オレイン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリグリセリル-4、トリステアリン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、及びペンタオレイン酸ポリ
グリセリル-10等のポリグリセリン脂肪酸エステル。
【0019】
界面活性剤Aは、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルからなる群から選択される少なくとも一であり、より好ましくはベヘネス-20(HLB:16.5)、ラウリン酸ポリグリセリル-10(HLB:15.5)、ポリソルベート80(HLB:15.0)、テトラオレイン酸ソルベス-60(HLB:14.0)、オレイン酸ポリグリセリル-10(HLB:12.0)、及びイソステアリン酸PEG-60グリセリル(HLB:16.0)からなる群から選択される少なくとも一である。
【0020】
界面活性剤Bは、好ましくはグリセリン脂肪酸エステルであり、より好ましくはステアリン酸グリセリル(HLB:3.0)である。
【0021】
((メタ)アクリル酸系ポリマー)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、(メタ)アクリル酸系ポリマーを含有する。なお本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
【0022】
原液に(メタ)アクリル酸系ポリマーが含まれることで、良好な炭酸ガス充填後の流動性及び発泡性を達成できる。その理由として、本発明者らは以下の通り考えている。
(メタ)アクリル酸系ポリマーは、原液の粘度を高める増粘剤の役割を果たし、後述する塩基性のpH調整剤で中和することで原液を後述する特定の粘度範囲に増粘させることができる。原液中に炭酸ガスを充填させると、炭酸によりpHが低下するため減粘し、組成物の流動性が高くなって炭酸ガスを容易に溶解させることができる。組成物をエアゾール容器に充填して噴射すると、炭酸ガスが揮発して組成物のpHが上がり、再度増粘するため、高い発泡性を発揮できる。
【0023】
原液中の(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量は、0.01質量%~0.25質量%であり、好ましくは0.02質量%~0.20質量%であり、より好ましくは0.03質量%~0.15質量%である。(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量が上記範囲内であることにより、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性とをより向上させることができる。
【0024】
(メタ)アクリル酸系ポリマーとしては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、メタクリル酸ポリマー、アルキル変性メタクリル酸ポリマー、アクリレーツコポリマー、アクリル酸とアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー(例えば、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体)、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸塩とアクリルアミドとアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー等のアクリロイルジメチルタウリン酸塩のモノマー単位を含むポリマー。
【0025】
(メタ)アクリル酸系ポリマーは、好ましくはカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも一である。カルボキシビニルポリマーは、カルボマーとも称される。アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、例えば、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー等を挙げることができる。
【0026】
(油性成分)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、油性成分を含有する。該油性成分は、水に不溶な(水と相分離する)ものを用いることができるが、高級アルコールを含み、さらに炭化水素化合物、エステル化合物、及び、動粘度が50cs以上のシリコン化合物から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、炭化水素化合物、エステル化合物、及び、運動粘度が50cs以上のシリコン化合物を全て含むことがより好ましい。原液が高級アルコールを含むことで、良好な使用感を達成でき、さらに炭化水素化合物、エステル化合物、及び、特定のシリコン化合物(以下、高級アルコールと併せて、「特定の油性成分」ともいう。)を含むことで、使用感をより向上させることができる。なお、「水に不溶」とは、例えば、25℃において、100gの水への溶解度が1.0g以下であることを指す。
【0027】
原液中の油性成分の含有量は、好ましくは0.50質量%~50.00質量%であり、より好ましくは1.00質量%~40.00質量%であり、さらに好ましくは2.00質量%~30.00質量%である。油性成分の含有量が上記範囲内であることにより、使用感をより向上させることができる。
【0028】
油性成分に含まれる高級アルコールとしては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
カプロイルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、イソステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、コレステロール、及びフィトステロール。
原液中の高級アルコールの含有量は、好ましくは0.07質量%~7.50質量%であり、より好ましくは0.15質量%~6.00質量%であり、さらに好ましくは0.30質量%~4.50質量%である。
【0029】
油性成分に含まれる炭化水素化合物としては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
軽質イソパラフィン、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、ドデカン、テトラデカン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン、セレシン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、水添ポリイソパラフィン、リモネン、テレビン油、及びミネラルオイル。
原液中の炭化水素化合物の含有量は、好ましくは0.25質量%~25.00質量%であり、より好ましくは0.50質量%~20.00質量%であり、さらに好ましくは1.00質量%~15.00質量%である。
【0030】
油性成分に含まれるエステル化合物としては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、リノール酸エチル、サリチル酸ブチルオクチル、エチルヘキサン酸セチル、オリーブ脂肪酸エチル(オレイン酸エチル)、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸イソステアリル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、及びイソステアリン酸イソステアリル等の脂肪酸エステル;トリエチルヘキサノイン、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等の多価アルコール脂肪酸エステル;乳酸ラウリル、クエン酸
トリ2-エチルヘキシル、クエン酸トリオクチルドデシル、及びリンゴ酸ジイソステアリル等のヒドロキシカルボン酸とアルコールとのエステル;並びに、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、及びセバシン酸ジエチル等の多塩基酸エステル。
原液中のエステル化合物の含有量は、好ましくは0.07質量%~7.50質量%であり、より好ましくは0.15質量%~6.00質量%であり、さらに好ましくは0.30質量%~4.50質量%である。
【0031】
油性成分に含まれるシリコン化合物としては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
アルキル変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン(ジメチコン))、メチルフェニルポリシロキサン、及びフッ素変性ポリシロキサン。
油性成分に含まれるシリコン化合物は、動粘度が好ましくは50cs以上であり、より好ましくは100cs以上であり、さらに好ましくは200cs以上である。動粘度の上限値は特に限定されないが、通常100000cs以下であり、好ましくは10000cs以下である。シリコン化合物の動粘度が上記範囲内であることにより、シリコン化合物の揮発性が低くなるため、使用感をより向上させることができる。
原液中のシリコン化合物の含有量は、好ましくは0.05質量%~5.00質量%であり、より好ましくは0.10質量%~4.00質量%であり、さらに好ましくは0.20質量%~3.00質量%である。
【0032】
特定の油性成分以外の油性成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
杏仁油、椿油、アルガン油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、ココナッツ油、パーム油、パーム核油、ごま油、ホホバ油、綿実油、なたね油、アマニ油、ローズヒップ油、ヒマワリ油、精油、アボカド油、アルモンド油、米ヌカ油、サフラワー油、トウモロコシ油、グレープシード油、ヤシ油、アルガニアスピサノ核油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、ククイナッツ油、クランベアビシニカ種子油、アサ種子油、落花生油、サザンカ油、月見草油、ピスタチオ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、カカオ脂、シアバター、及びモクロウ等の植物性油脂;
エミュー油、馬油、牛脂、豚脂、羊脂、ミンク油、卵黄脂肪油、コイ脂、マグロ脂、及びメンヘーデン脂等の動物性油脂;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オキシステアリン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレイン酸、及びウンデシレン酸等の(好ましくは炭素数6以上40以下、より好ましくは炭素数12以上30以下の)脂肪酸;
ホホバ油、ホホバ脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、ラノリン、ミツロウ、モンタンロウ、鯨ロウ、オレンジラフィー油、サトウキビロウ、パームロウ、虫白ロウ、及び羊毛脂等のロウエステル;
キミルアルコール、バチルアルコール、及びセラキルアルコール等の多価アルコールと一価アルコールとのエーテル;
イソステアリン酸バチル、ステアリン酸バチル;
紫外線吸収剤(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オクトクリレン、t-ブチルメトキシベンゾイルメタン、サリチル酸エチルヘキシル、ポリシリコーン-15)、ディート、イカリジン、香料などの油性の有効成分などが挙げられる。
これらの油性成分は、特定の油性成分に加えて、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
油性成分は、乳化安定性及び調製時のハンドリングの観点から、20℃において液状であることが好ましい。
【0034】
(多価アルコール)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、多価アルコールを含有する。原液が多価アルコールを含むことで、良好な使用感を達成できる。
【0035】
原液中の多価アルコールの含有量は、好ましくは0.50質量%~30.00質量%であり、より好ましくは1.00質量%~25.00質量%であり、さらに好ましくは2.00質量%~20.00質量%である。多価アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、使用感をより向上させることができる。
【0036】
多価アルコールとしては、例えば、以下のものから選択される少なくとも一が挙げられる。
グリセリン、ジグリセリン、プロパンジオール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、及び1,3-ブチレングリコール等のブチレングリコール。
多価アルコールは、好ましくはグリセリン及びブチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一であり、より好ましくはグリセリン及び1,3-ブチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一である。
【0037】
(塩基性のpH調整剤)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、塩基性のpH調整剤を含有する。原液が塩基性のpH調整剤を含むことで、前述した(メタ)アクリル酸系ポリマーを中和することで原液を増粘させることができ、良好な炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性とを達成できる。なお本明細書において、「塩基性」とは、水中に溶解させた場合の水溶液のpHが7超であることを意味する。
【0038】
原液中の、塩基性のpH調整剤の含有量の、(メタ)アクリル酸系ポリマーの含有量に対する質量比は、好ましくは0.05~1.25であり、より好ましくは0.10~0.70であり、さらに好ましくは0.15~0.40である。また、原液の粘度や、原液のpH及び発泡性エアゾール組成物の噴射直後のpHが、それぞれ後述する範囲内となるように、塩基性のpH調整剤の含有量を調節することが好ましい。上記のように塩基性のpH調整剤の含有量を調節することにより、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性とをより向上させることができる。
【0039】
塩基性のpH調整剤としては、(メタ)アクリル酸系ポリマーを中和することができればよく、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、KOH、及びNaOHが挙げられる。
【0040】
(水)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、水を含有する。原液中の水の含有量は、特に制限されないが、好ましくは50.00質量%~99.85質量%であり、より好ましくは60.00質量%~99.50質量%であり、さらに好ましくは70.00質量%~99.30質量%である。
【0041】
(その他の添加剤)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液には、上記効果を損なわない程度に、水に混和する(相分離しない)有効成分、香料、酸化防止剤、防腐剤、酸性のpH調整剤、増粘剤、保湿剤、殺菌剤、皮膚保護剤(アミノ酸)、ビタミン類、各種抽出液、消臭・防臭剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、害虫忌避成分、及びその他等の添加剤を含有させてもよい。例えば、アルコールなどを含有させてもよい。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
低級アルコール(例えばエタノール等の炭素数1~3の脂肪族一価アルコール);酸性のpH調整剤(例えばクエン酸、乳酸);防錆剤(例えばアンモニア水、安息香酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム);防腐剤(例えばパラベン類、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル);尿素;カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラル;顔料;色素;抗炎症剤(例えばグリチルリチン酸ジカリウム);紫外線吸収剤(例えばテレフタリリデンジカンフルスルホン酸)等。
【0042】
(原液の粘度)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液は、温度20℃における粘度が好ましくは1500mPa・s~30000mPa・sであり、より好ましくは2000mPa・s~20000mPa・sである。ここでの粘度は、B型粘度計(TVB-10:東機産業株式会社)を用い、No.M3のローターを用いて、回転速度12rpm、測定時間1分で測定し、測定値が測定上限値(10000mPa・s)を超える場合は、No.M4のローターを用いて、回転速度12rpm、測定時間1分で測定した値である。
20℃での原液の粘度が上記範囲内であることにより、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性とをより向上させることができる。
【0043】
(原液のpH)
発泡性エアゾール組成物に含まれる原液のpHは、好ましくは5.0~7.0であり、より好ましくは5.3~6.9であり、さらに好ましくは5.5~6.8である。ここでのpHは、原液を20℃に温調し、pHメーター(HM-30R:東亜電波工業株式会社)で測定した値である。
原液のpHが上記範囲内であることにより、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性とをより向上させることができる。
【0044】
(発泡性エアゾール組成物のpH)
発泡性エアゾール組成物のpHは、好ましくは4.0~5.5であり、より好ましくは4.3~5.3であり、さらに好ましくは4.5~5.2である。ここでのpHは、以下のように測定することができる。発泡性エアゾール組成物をエアゾール製品に用いる場合、エアゾール製品を25℃に温調し、25℃常圧環境下でエアゾール製品から発泡性エアゾール組成物を100mLのガラス容器に噴射した後、直ちにpHメーター(HM-30R:東亜電波工業株式会社)を用いて測定を開始し、噴射から1分経過時点での測定値を採用する。
発泡性エアゾール組成物のpHが上記範囲内であることにより、炭酸ガス充填後の流動性と、発泡性とをより向上させることができる。
【0045】
(原液と炭酸ガスの質量比率)
発泡性エアゾール組成物における、原液と炭酸ガスの質量比率(原液:炭酸ガス)は、好ましくは90.0:10.0~99.5:0.5であり、より好ましくは93.0:7.0~99.0:1.0であり、さらに好ましくは95.0:5.0~98.5:1.5である。
【0046】
(発泡性エアゾール組成物の製造方法)
発泡性エアゾール組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、界面活性剤A、界面活性剤B、(メタ)アクリル酸系ポリマー、油性成分、多価アルコール、塩基性のpH調整剤、及び水、並びに必要に応じてその他の成分を任意の割合で混合し、回転式ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、又は超音波乳化機などを用いて乳化させ、原液を形成し、さらに原液中に炭酸ガスを含む噴射剤を充填させる方法が挙げられる。
【0047】
発泡性エアゾール組成物の用途は、特に制限されないが、人体用品、家庭用品、工業用品などに用いることができる。発泡性エアゾール組成物は、好ましくは皮膚化粧料であり、より好ましくはフェムケア用皮膚化粧料である。特にフェムケア用皮膚化粧料として用いた場合に、泡が垂れ落ちにくく、塗り広げやすく、べたつかず、十分な保湿感が得られるという効果を発揮できる。
【0048】
(エアゾール製品)
本発明の一実施形態のエアゾール製品(以下、単に「エアゾール製品」ともいう。)は、上記発泡性エアゾール組成物がエアゾール容器に充填されたエアゾール製品である。
エアゾール製品に用いるエアゾール容器は、耐圧容器としては公知の種々の容器を利用することができる。また、耐圧容器の種類に応じて、バルブ装置を装着するための構造を適宜選定することができる。
【0049】
エアゾール製品は、発泡性エアゾール組成物をエアゾール容器、すなわちエアゾール用バルブ(噴射バルブ)を備えた耐圧容器内に充填することによって製造される。例えば、原液を調製し、得られた原液と、炭酸ガスを含む噴射剤とをエアゾール容器に充填することによってエアゾール製品が製造される。耐圧容器内にさらに内容器を設け、噴射剤と乳化組成物とを内容器により隔離した、いわゆる二重容器を採用してもよい。
【0050】
発泡性エアゾール組成物がエアゾール容器内に充填されたときの容器内の圧力(ゲージ圧力)は、25℃で、0.1MPa~1.0MPaとなるように充填することが好ましく、0.2MPa~0.9MPaとなるように充填することがより好ましい。
【0051】
エアゾール製品の噴射形態は特に制限されないが、泡状であることが好ましい。エアゾール製品の噴射機構も特に制限されず、泡状に噴射しうる、公知のアクチュエーターを採用しうる。
【実施例0052】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に制限されない。
【0053】
<実施例1~22及び比較例1~9>
表1~表6に示す処方(質量%)にて、ガラスビーカーに合計100gの各原料を採取して混合した後、ローター式ホモジナイザー(プライミクス株式会社製:ホモミクサーMARK II 2.5型)を用いて乳化を行い、実施例1~22及び比較例1~9の原液を得た。
【0054】
さらに、得られた原液と噴射剤(炭酸ガス)とを耐圧容器に充填し、エアゾール製品を得た。なお、噴射機構には「FD129W“3”」(株式会社三谷バルブ)を用いた。
さらに、得られた原液及びエアゾール製品を用いて、後述する評価を行った。結果を表1~6に示す。
【0055】
(1)原液の粘度測定
得られた原液を20℃に温調し、粘度(mPa・s)を、B型粘度計(TVB-10:東機産業株式会社)を用いて測定した。測定はローター:No.M3又はNo.M4、回転速度:12rpm、測定時間:1分で行った。
【0056】
(2)原液のpH測定
得られた原液を20℃に温調し、pHメーター(HM-30R:東亜電波工業株式会社)を用いて測定した。
【0057】
(3)発泡性エアゾール組成物のpH測定
得られたエアゾール製品を25℃に温調し、25℃常圧環境下でエアゾール製品から発泡性エアゾール組成物を100mLのガラス容器に噴射した後、直ちにpHメーター(HM-30R:東亜電波工業株式会社)を用いて測定を開始し、噴射から1分経過時点での測定値を採用した。
【0058】
(4)原液の乳化安定性評価
得られた原液をガラス瓶にて40℃で1週間保存し、原液の外観を目視観察し、以下の評価基準に従って評価した。
【0059】
[評価基準]
3:分離しない。
2:わずかに分離。
1:分離する。
【0060】
(5)使用感評価
得られたエアゾール製品を25℃に温調し、パネラーの前腕に発泡性エアゾール組成物を約1g噴射し、塗布した。使用感を以下の評価点に従って評価し、パネラー10名の算術平均を算出して、以下の評価基準に従って評価した。
【0061】
[評価点]
5点:べたつきを感じない。
4点:べたつきをわずかに感じる。
3点:べたつきを感じる。
2点:べたつきをやや強く感じる。
1点:べたつきを強く感じる。
[評価基準]
4:評価点の算術平均が4.0点以上5.0点以下。
3:評価点の算術平均が3.0点以上4.0点未満。
2:評価点の算術平均が2.0点以上3.0点未満。
1:評価点の算術平均が1.0点以上2.0点未満。
【0062】
(6)発泡性評価
得られたエアゾール製品を25℃に温調し、プラスチックの板に発泡性エアゾール組成物を1秒間噴射した。噴射された泡を目視観察し、以下の評価基準に従って評価した。
【0063】
[評価基準]
3:立体的な泡を形成した。
2:平面的な泡を形成した。
1:ほとんど泡を形成せず、すぐに液状になった。
【0064】
(7)ガス充填後の流動性評価
得られた原液と噴射剤(炭酸ガス)とを耐圧容器に充填した後に振とうし、発泡性エアゾール組成物の動きを目視観察し、以下の評価基準に従って評価した。
【0065】
[評価基準]
2:流動性があり、ガスがすぐに溶解した。
1:流動性が全く無い。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
表中、使用した原料は以下の通りである。
【0073】
(界面活性剤A)
ポリソルベート80:NIKKOL TO-10V(日光ケミカルズ株式会社)
ベヘネス-20:NIKKOL BB-20(日光ケミカルズ株式会社)
ラウリン酸ポリグリセリル-10:NIKKOL DECAGLYN 1-L(日光ケミカルズ株式会社)
テトラオレイン酸ソルベス-60:NIKKOL GO-460V(日光ケミカルズ株式
会社)
オレイン酸ポリグリセリル-10:NIKKOL Decaglyn 1-OV(日光ケミカルズ株式会社)
イソステアリン酸PEG-60グリセリル:EMALEX GWIS-160(日本エマルジョン株式会社)
【0074】
(界面活性剤B)
ステアリン酸グリセリル:NIKKOL MGS-BV2(日光ケミカルズ株式会社)
【0075】
(シリコン化合物)
ジメチコン 350cs:DOWSILTM SH 200 C Fluid 350c
s(ダウ・ケミカル日本株式会社/ダウ・東レ株式会社)
ジメチコン 1000cs:DOWSILTM SH 200 C Fluid 100
0cs(ダウ・ケミカル日本株式会社/ダウ・東レ株式会社)
【0076】
(高級アルコール)
ベヘニルアルコール:カルコール220-80(花王株式会社)
ステアリルアルコール:カルコール8098(花王株式会社)
【0077】
(炭化水素化合物)
ミネラルオイル:CARNATION(sonneborn)
スクワラン:シュガースクワラン(日光ケミカルズ株式会社)
【0078】
(エステル化合物)
パルミチン酸イソプロピル:エキセパール IPP(花王株式会社)
パルミチン酸エチルヘキシル:Mファインオイル EHP(ミヨシ油脂株式会社)
【0079】
(多価アルコール)
グリセリン:化粧用濃グリセリン(花王株式会社)
ブチレングリコール:1,3-ブチレングリコール-P(KHネオケム株式会社)
【0080】
(塩基性のpH調整剤)
水酸化カリウム:日本薬局方 水酸化カリウム(小堺製薬株式会社)
【0081】
((メタ)アクリル酸系ポリマー)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:PemulenTM TR-2 Polymeric Emulsifier(日本ルーブリゾール株式会社)
カルボマー:Carbopol(登録商標) Ultrez 10 Polymer(Lubrizol Corporation)
【0082】
(増粘剤)
キサンタンガム:エコーガムT(MP五協フード&ケミカル株式会社)
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース:サンジェロース60L(大同化成工業株式会社)
ヒドロキシエチルセルロース:HECダイセルSE600(ダイセルミライズ株式会社)
【0083】
(防腐剤)
フェノキシエタノール:フェノキシエタノール-SP(四日市合成株式会社)
【0084】
(基材)
水:精製水(東洋エアゾール工業株式会社)