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特開2025-12382発泡成形品の識別装置及び発泡成形品の識別方法
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  • 特開-発泡成形品の識別装置及び発泡成形品の識別方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012382
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】発泡成形品の識別装置及び発泡成形品の識別方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20250117BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20250117BHJP
   B29C 44/02 20060101ALI20250117BHJP
   B29C 44/60 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G06T7/00 610Z
G06K7/10 428
B29C44/02
B29C44/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115174
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(74)【代理人】
【識別番号】100147854
【弁理士】
【氏名又は名称】多賀 久直
(72)【発明者】
【氏名】長江 建哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 浩
【テーマコード(参考)】
4F214
5L096
【Fターム(参考)】
4F214AB02
4F214AG20
4F214AQ01
4F214AR13
4F214UA01
4F214UB01
5L096BA03
5L096CA17
(57)【要約】
【課題】発泡成形品に付された情報を精度よく識別する。
【解決手段】識別装置10は、発泡成形品50の表面に形成された凹凸形状52の画像データを取得する取得手段12と、成形欠陥がある凹凸形状の画像データを特定画像データとし、特定画像データと識別情報とが関連付けられた関連データを記憶する記憶部と、関連データに基づいて、取得手段12により取得された凹凸形状52の画像データに対応する識別情報を特定する特定手段とを備えている。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡成形品の表面に形成された凹凸形状の画像データを取得する取得手段と、
成形欠陥がある前記凹凸形状の画像データを特定画像データとし、前記特定画像データと識別情報とが関連付けられた関連データを記憶する記憶部と、
前記関連データに基づいて、前記取得手段により取得された前記凹凸形状の画像データに対応する前記識別情報を特定する特定手段と、を備える、発泡成形品の識別装置。
【請求項2】
前記特定画像データには、前記凹凸形状にボイドや欠けが存在する画像データが含まれる請求項1に記載の発泡成形品の識別装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
斜め方向から前記凹凸形状に光を照射する照明手段と、
前記光が照射された前記凹凸形状の正面に配置され、前記凹凸形状の二次元画像を撮像する撮像手段と、を備える請求項1に記載の発泡成形品の識別装置。
【請求項4】
前記発泡成形品が収容された容器に付された識別子を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段で読み取った前記識別子の情報と、前記特定手段で特定した前記識別情報との適否を判定する判定手段と、を備える請求項1に記載の発泡成形品の識別装置。
【請求項5】
発泡成形品の表面に形成された凹凸形状の画像データを取得し、
成形欠陥がある前記凹凸形状の画像データを特定画像データとし、前記特定画像データと識別情報とが関連付けられた関連データに基づいて、取得された前記凹凸形状の画像データに対応する前記識別情報を特定する、発泡成形品の識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発泡成形品の識別装置及び発泡成形品の識別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発泡成形品では、品種などが外観によって見分けがつき難いことがある。そこで、発泡成形品を識別するため、電子識別媒体を発泡成形品に埋め込むことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1は、発泡成形品の成形時に電子識別媒体を埋め込む手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5357647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、発泡成形品の表面に品種識別用の記号を成形すると、記号が欠けたり、ボイドが生じるなどの成形不良によって記号の読み取りが困難な場合がある。
【0005】
本発明は、従来の技術に係る前記課題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、発泡成形品に付された情報を精度よく識別できる発泡成形品の識別装置及び発泡成形品の識別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発泡成形品の識別装置の第1態様は、
発泡成形品の表面に形成された凹凸形状の画像データを取得する取得手段と、
成形欠陥がある前記凹凸形状の画像データを特定画像データとし、前記特定画像データと識別情報とが関連付けられた関連データを記憶する記憶部と、
前記関連データに基づいて、前記取得手段により取得された前記凹凸形状の画像データに対応する前記識別情報を特定する特定手段と、を備えることを要旨とする。
【0007】
本発明に係る発泡成形品の識別装置の第2態様は、前記第1態様において、
前記特定画像データには、前記凹凸形状にボイドや欠けが存在する画像データが含まれていてもよい。
【0008】
本発明に係る発泡成形品の識別装置の第3態様は、前記第1態様及び前記第2態様において、
前記取得手段は、
斜め方向から前記凹凸形状に光を照射する照明手段と、
前記光が照射された前記凹凸形状の正面に配置され、前記凹凸形状の二次元画像を撮像する撮像手段と、を備えていてもよい。
【0009】
本発明に係る発泡成形品の識別装置の第4態様は、前記第1態様、前記第2態様及び前記第3態様の何れか1つにおいて、
前記発泡成形品が収容された容器に付された識別子を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段で読み取った前記識別子の情報と、前記特定手段で特定した前記識別情報との適否を判定する判定手段と、を備えていてもよい。
【0010】
本発明に係る発泡成形品の識別方法の第1態様は、
発泡成形品の表面に形成された凹凸形状の画像データを取得し、
成形欠陥がある前記凹凸形状の画像データを特定画像データとし、前記特定画像データと識別情報とが関連付けられた関連データに基づいて、取得された前記凹凸形状の画像データに対応する前記識別情報を特定することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る発泡成形品の識別装置によれば、発泡成形品に付された情報を精度よく識別できる。
本発明に係る発泡成形品の識別方法によれば、発泡成形品に付された情報を精度よく識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る識別装置を示す概略図である。
図2】発泡成形品の凹凸形状の例を示す斜視図である。
図3】発泡成形品において成形欠陥がある凹凸形状の例を示す斜視図である。
図4】実施例の識別装置の電気的接続を説明するブロック図である。
図5】実施例の識別装置において、取得手段と発泡成形品との位置関係を示す図である。
図6】実施例の識別装置を用いた発泡成形品の識別の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る発泡成形品の識別装置及び発泡成形品の識別方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一例を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【実施例0014】
実施例に係る識別装置10は、発泡成形品50の表面に形成された凹凸形状52から識別情報を特定することで、識別情報に基づいて発泡成形品50の適否を識別するものである。図1に示すように、識別装置10は、台40の撮像位置に配置された容器60に収容された複数の発泡成形品50について、容器60毎に識別を行う。台40は、容器60の載置面から突出する規制位置と載置面から退避する退避位置との間で移動するストッパ42を備え、規制位置のストッパ42により容器60を撮像位置で位置決めする。ストッパ42は、識別装置10の後述する制御装置14(図4参照)により制御される。
【0015】
発泡成形品50は、発泡樹脂材料を成形型で発泡成形して得られるものであり、凹凸形状52は、成形型による発泡成形時に形成される。凹凸形状52は、図2(a)に示すように、発泡成形品50の表面から落ち込んだ凹状だけで形成したり、図2(b)に示すように、発泡成形品50の表面から突出する凸部だけで形成したり、凹部と凸部とを組み合わせて形成したりしてもよい。凹凸形状52は、凹凸形状52で表された数字、文字、符号及び標章などを含む記号によって、発泡成形品50の識別情報を表すものであり、複数の記号の組み合わせであったり、1つの記号であったりしてもよい。なお、凹凸形状52としては、誤認識防止や情報量の観点から複数の記号の組み合わせであることが好ましい。なお、識別情報は、発泡成形品50の品種や使用対象や出荷先などの1つ又は複数の情報を含む。
【0016】
図3に示すように、発泡成形品50において、発泡樹脂材料の発泡不足や成形収縮などに起因する成形欠陥54が凹凸形状52に及ぶことがある。例えば、凹凸形状52に欠けやボイドなどの成形欠陥54が存在すると、凹凸形状52が欠損したり、凹凸形状52の周囲に余分な凹凸が形成されたりして、凹凸形状52が不鮮明になる。
【0017】
図1に示すように、容器60には、複数の発泡成形品50が、凹凸形状52が設けられた表面を上に向けた状態で収容されている。容器60の側面には、識別子62が付されている。識別子62としては、バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コードが用いられている。識別子62は、撮像位置において識別装置10の後述する読み取り手段16で読み取られる。
【0018】
図1に示すように、識別装置10は、発泡成形品50の凹凸形状52の画像データを取得する取得手段12と、取得手段12で取得した画像データに基づいて各種処理を行う制御装置14と、発泡成形品50が収容された容器60に付された識別子62を読み取る読み取り手段16とを備えている。
【0019】
図4に示すように、取得手段12は、発泡成形品50の凹凸形状52に光を照射する照明手段18と、発泡成形品50の凹凸形状52の二次元画像を撮像する撮像手段20とを備えている。
【0020】
図5に示すように、照明手段18は、撮像位置に配置された容器60に収容された複数の発泡成形品50の斜め上側に配置されている。照明手段18は、斜め方向から発泡成形品50の凹凸形状52に対して光を照射する。照明手段18は、撮像位置に配置された容器60に収容された複数の発泡成形品50の上面全体に対して幅広く光を照射する。照明手段18は、撮像位置に配置された容器60を検出する図示しないセンサにより点灯し、容器60がセンサで非検出になると消灯する。照明手段18としては、例えば、LEDライトや蛍光灯や白熱灯やネオンランプや水銀灯などを用いることができる。
【0021】
図5に示すように、撮像手段20は、撮像位置に配置された容器60に収容された複数の発泡成形品50の上側において、照明手段18よりも上側に配置されている。撮像手段20は、照明手段18の光が照射された凹凸形状52の正面に配置されている。撮像手段20は、撮像位置に配置された容器60に収容された複数の発泡成形品50を全部含む領域を撮像し、複数の発泡成形品50の凹凸形状52を含む二次元画像を撮像する。撮像手段20は、有線又は無線の電気通信回線を介して制御装置14の後述する制御部24(図4参照)に接続されており、制御部24に制御されて撮像し、撮像した二次元画像を制御部24に送信する。撮像手段20としては、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどを用いることができる。
【0022】
図4に示すように、制御装置14は、各種情報を記憶する記憶部22と、取得手段12で取得した画像データ及び記憶部22に記憶された情報(関連データ)に基づいて所定の処理を実行する制御部24とを備えている。制御装置14としては、記憶部22と制御部24とが互いに電気的に接続された公知の計算機(コンピュータ)を用いることができる。
【0023】
記憶部22は、識別子62の情報に関連付いた品種情報、品種情報に関連付いた数量情報、品種情報に関連付いた識別情報などの各種情報を記憶している。また、記憶部22は、成形欠陥54がある凹凸形状52の画像データを特定画像データとし、特定画像データと識別情報とが関連付けられた関連データを記憶している。関連データには、成形欠陥54がない凹凸形状52の画像データと識別情報とを関連付けたものも含まれている。記憶部22としては、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ(SSD)などの記憶装置を用いることができる。
【0024】
識別装置10は、取得手段12によって成形欠陥54がある凹凸形状52の画像データを特定画像データとして取得し、この特定画像データに含まれている凹凸形状52と識別情報とを関連付けて機械学習させることで関連データを生成している。また、横並び向きの凹凸形状52や、縦並び向きの凹凸形状52や、上下逆向きの凹凸形状52などの様々なパターンで、取得手段12によって凹凸形状52の画像データを取得し、この画像データに含まれている凹凸形状52と識別情報とを関連付けて学習させることで関連データを生成している。
【0025】
図4に示すように、制御部24は、CPU26を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、記憶部22を制御する各種制御プログラム等を記憶したROM28と、取得手段12で取得した画像データや読み取り手段16で読み取った識別子62の情報等の各種情報を一時的に記憶するRAM30とが電気的に接続されている。
【0026】
制御部24は、本発明の特定手段に相当し、記憶部22に記憶された関連データに基づいて、取得手段12により取得された凹凸形状52の画像データに対応する識別情報を特定する。制御部24は、関連データに基づいて、取得手段12により取得された画像データに含まれる全ての凹凸形状52の識別情報を特定し、容器60に収容された複数の発泡成形品50の凹凸形状52のそれぞれについて識別情報を見分ける。すなわち、制御部24は、画像データから特定された識別情報の数によって、容器60に収容された発泡成形品50の数も特定している。
【0027】
制御部24は、本発明の判定手段に相当し、読み取り手段16で読み取った識別子62の情報と、取得手段12で取得した凹凸形状52の画像データから特定した識別情報との適否を判定する。具体的には、制御部24は、特定した識別情報が、識別子62の情報に関連付いた品種情報のものであるか否かを判定する。また、制御部24は、特定した識別情報の数が、識別子62の情報に関連付いた品種情報に含まれる数量情報と適合するか否かを判定する。
【0028】
制御部24は、識別子62の情報と識別情報とが適合している場合、ストッパ42を規制位置から退避位置に移動するように制御する。制御部24は、識別子62の情報と識別情報とが適合しない場合、ストッパ42を規制位置のままで保持する。また、図示しない表示部やスピーカーなどの報知手段によりエラー報知を行うようにしてもよい。
【0029】
図6に基づいて前述した識別装置10を用いた発泡成形品50の識別の流れを説明する。複数の発泡成形品50を収容した容器60を、台40の撮像位置に配置する。このとき、容器60を規制位置に突出したストッパ42に当てて位置決めすることで、容器60に収容された複数の発泡成形品50を、撮像手段20の撮像範囲に合わせて撮像手段20の正面に配置できる。また、図示しないセンサによって容器60が検出されることで、照明手段18から複数の発泡成形品50の上面に向けて光が斜め方向から照射される。
【0030】
容器60に付された識別子62を、読み取り手段16によって読み取る(ステップS100)。これにより、制御部24において、読み取られた識別子62の情報に対応する品種情報が特定される。撮像手段20によって複数の発泡成形品50を上から撮像し、発泡成形品50の上面に付された凹凸形状52を含む画像データを取得する(ステップS101)。制御部24は、記憶部22に記憶された関連データに基づいて、取得手段12により取得された画像データに含まれる全ての凹凸形状52の識別情報を特定する(ステップS102)。
【0031】
関連データは、様々な向きの凹凸形状52の画像データと識別情報とを関連付けておくことで、図1に示すように、複数の発泡成形品50における凹凸形状52の向きが揃っていなくても、向きが異なる複数の凹凸形状52の画像データから、個々の凹凸形状52の識別情報を特定することができる。
【0032】
制御部24は、読み取り手段16で読み取った識別子62の情報と、取得手段12で取得した凹凸形状52の画像データから特定した識別情報との適否を判定する(ステップS103)。制御部24は、特定した識別情報が、識別子62の情報に関連付いた品種情報と適合すると共に、特定した識別情報の数が、識別子62の情報に関連付いた品種情報に含まれる数量情報と適合している場合、誤品がないと判定する(ステップS104:YES)。制御部24はストッパ42を退避位置に下げ、容器60に収容された発泡成形品50が出荷される(ステップS105)。
【0033】
制御部24は、特定した識別情報が、識別子62の情報に関連付いた品種情報と適合しない場合又は特定した識別情報の数が識別子62の情報に関連付いた品種情報に含まれる数量情報と適合しない場合の少なくとも一方に該当すると(ステップS104:NO)、誤品があると判定する。この場合、検査員が目視によって発泡成形品50を検品し(ステップS106)、問題がなければ、容器60に収容された発泡成形品50を出荷し、問題があれば出荷を行わない。
【0034】
前述した識別装置10及び識別方法は、成形欠陥54がある凹凸形状52の画像データを特定画像データとし、特定画像データと識別情報とが関連付けられて記憶部22に記憶された関連データに基づいて、取得手段12により取得された凹凸形状52の画像データに対応する識別情報を特定する。このように、関連データにおいて成形欠陥54がある凹凸形状52の特定画像データと識別情報とが関連付けられていることから、凹凸形状52が成形欠陥54により欠けたりして不完全な状態であっても、取得手段12で取得した凹凸形状52の画像データから識別情報を精度よく特定できる。従って、成形欠陥54の完全な防止が困難である発泡成形品50であっても、凹凸形状52を発泡成形品50の表面に形成し、成形欠陥54によって不鮮明になるおそれがある凹凸形状52を用いて発泡成形品50を検品することが可能となる。
【0035】
発泡成形品50は、品種が異なっていても、外形がほぼ同じであると、目視では品種を判別できないことがある。前述した識別装置10及び識別方法によれば、取得手段12で取得した発泡成形品50の凹凸形状52の画像データから識別情報を特定することができるので、発泡成形品50の検品効率を大幅に向上できる。
【0036】
特定画像データに、発泡成形品50の凹凸形状52にボイドや欠けが存在する画像データが含まれることで、凹凸形状52が成形欠陥54により欠けたりして不完全な状態であっても、取得手段12で取得した凹凸形状52の画像データから、関連データに基づいて識別情報を精度よく特定できる。
【0037】
取得手段12は、斜め方向から凹凸形状52に光を照射する照明手段18と、光が照射された凹凸形状52の正面に配置され、凹凸形状52の二次元画像を撮像する撮像手段20とを備えている。照明手段18によって、斜め方向から凹凸形状52に光を照射することで、凹凸形状52のコントラストを強調することができ、このとき、撮像手段20によって、凹凸形状52の二次元画像を正面から撮像することで、凹凸形状52の鮮明な画像データを取得することができる。従って、取得手段12で取得した凹凸形状52の画像データから、関連データに基づいて識別情報を精度よく特定できる。
【0038】
読み取り手段16で読み取った識別子62の情報と、取得手段12で取得した画像データから特定した識別情報との適否を判定することで、発泡成形品50をより精度よく検品することができる。
【0039】
(変更例)
前述した事項に限らず、例えば以下のようにしてもよい。なお、本発明は、実施例及び以下の変更例の具体的な記載のみに限定されるものではない。
(1)実施例では、識別装置及び識別方法を、発泡成形品の検品に適用したが、これに限らず、発泡成形品を品種毎に仕分けする場合など、その他に適用してもよい。
(2)実施例では、撮像位置で発泡成形品を停止した状態で凹凸形状の画像データを取得したが、これに限らず、撮像位置を移動する発泡成形品から凹凸形状の画像データを取得してもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 識別装置,12 取得手段,16 読み取り手段,18 照明手段,
20 撮像手段,22 記憶部,24 制御部,50 発泡成形品,52 凹凸形状
図1
図2
図3
図4
図5
図6