(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001250
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
B60L 15/00 20060101AFI20241225BHJP
H02K 9/19 20060101ALI20241225BHJP
B60K 11/02 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
B60L15/00 Z
B60L15/00 H
H02K9/19 A
B60K11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100732
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 信人
【テーマコード(参考)】
3D038
5H125
5H609
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC23
5H125AA01
5H125CD06
5H125EE52
5H125FF01
5H125FF03
5H125FF22
5H125FF23
5H609BB03
5H609BB16
5H609PP02
5H609PP16
5H609QQ05
5H609RR26
5H609RR46
5H609SS20
5H609SS21
5H609SS22
5H609SS23
(57)【要約】
【課題】車両用の駆動装置を提供する。
【解決手段】車両用の駆動装置であって、モータと、モータと機械的に接続されたギアユニットと、モータと電気的に接続された電力変換ユニットと、ケーシングと、第1室および第2室の少なくとも一方に熱媒体を循環させる冷却システムと、を備える。ケーシングは、隔壁で互いに隔てられた第1室および第2室を有する。ケーシングは、モータおよびギアユニットの少なくとも一方を第1室に格納し、電力変換ユニットを第2室に格納する。冷却システムは、隔壁へ熱媒体を供給する隔壁冷却経路を含む。冷却システムは、車両の車速が高くモータの出力トルクが低い状態よりも、車速が低く出力トルクが高い状態の方が、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を多くする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の駆動装置であって、
モータと、
前記モータと機械的に接続されたギアユニットと、
前記モータと電気的に接続された電力変換ユニットと、
隔壁で互いに隔てられた第1室および第2室を有し、前記モータおよび前記ギアユニットの少なくとも一方を前記第1室に格納し、前記電力変換ユニットを前記第2室に格納するケーシングと、
前記第1室および前記第2室の少なくとも一方に熱媒体を循環させる冷却システムと、
を備え、
前記冷却システムは、前記隔壁へ前記熱媒体を供給する隔壁冷却経路を含み、前記車両の車速が高く前記モータの出力トルクが低い状態よりも、前記車速が低く前記出力トルクが高い状態の方が、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を多くする、
駆動装置。
【請求項2】
前記冷却システムは、前記車速に相関する車速指標が第1しきい値を下回るときに、前記出力トルクに相関するトルク指標が大きくなるほど、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を段階的又は連続的に増加させる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記冷却システムは、
前記車速指標が前記第1しきい値を下回り、かつ、前記トルク指標が第2しきい値を下回るときは、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を第1供給量に調整し、
前記車速指標が前記第1しきい値を下回り、かつ、前記トルク指標が前記第2しきい値を上回るときは、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を前記第1供給量よりも大きい第2供給量に調整する、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記冷却システムは、前記出力トルクに相関するトルク指標が第2しきい値を上回るときに、前記車速に相関する車速指標が大きくなるほど、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を段階的又は連続的に減少させる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記冷却システムは、
前記トルク指標が前記第2しきい値を上回り、かつ、前記車速指標が第1しきい値を下回るときは、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を第2供給量に調整し、
前記トルク指標が前記第2しきい値を上回り、かつ、前記車速指標が前記第1しきい値を上回るときは、前記隔壁冷却経路への前記熱媒体の供給量を前記第2供給量よりも小さい第3供給量に調整する、請求項4記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1室には、少なくとも前記モータが格納されており、
前記冷却システムは、前記モータへ前記熱媒体を供給するモータ冷却経路をさらに含み、前記車速に相関する車速指標と前記出力トルクに相関するトルク指標との組み合わせに応じて、前記隔壁冷却経路へ供給する前記熱媒体の供給量の、前記モータ冷却経路へ供給する前記熱媒体の供給量に対する比率を、少なくとも二つのレベルの間で切り替える、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記冷却システムは、前記トルク指標が第2しきい値を上回るときに、前記車速指標が大きくなるほど、前記比率を段階的又は連続的に減少させる、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記冷却システムは、
前記トルク指標が前記第2しきい値を上回り、かつ、前記車速指標が第1しきい値を下回るときは、前記比率を第1比率に調整し、
前記トルク指標が前記第2しきい値を上回り、かつ、前記車速指標が前記第1しきい値を上回るときは、前記比率を前記第1比率よりも小さい第2比率に調整する、請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記熱媒体は液状であり、
前記冷却システムは、
前記熱媒体を、前記隔壁冷却経路および前記モータ冷却経路へ供給するポンプと、
前記隔壁冷却経路へ供給する前記熱媒体の供給量の、前記モータ冷却経路へ供給する前記熱媒体の供給量の比率を調整可能な流量調整部と、
をさらに備える、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記熱媒体はオイルであり、
前記第1室は、前記ギアユニットを格納するギアコンパートメントをさらに備えており、
前記オイルは第1室に貯留される、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記ケーシングは、前記ギアコンパートメントの下部に、前記オイルを貯留する貯留部をさらに備えており、
前記ギアユニットの一部は、前記貯留部に貯留された前記オイルに浸漬しており、
前記冷却システムは、前記貯留部に貯留された前記オイルを、前記隔壁冷却経路へ送出するポンプをさらに備えており、
前記冷却システムは、前記車速に相関する車速指標と前記出力トルクに相関するトルク指標との組み合わせに応じて、前記ポンプの送出量を、少なくとも二つのレベルの間で切り替える、請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記冷却システムは、前記車速指標が大きくなるほど、前記隔壁冷却経路へ送出する前記オイルの送出量を段階的又は連続的に減少させる、請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記第1室は、前記モータを格納するモータコンパートメントをさらに備えており、
前記冷却システムは、前記モータへ前記オイルを供給するモータ冷却経路をさらに含み、
前記ポンプは、前記貯留部に貯留された前記オイルを、前記隔壁冷却経路および前記モータ冷却経路へ送出し、
前記冷却システムは、前記車速指標と前記トルク指標との組み合わせに応じて、前記隔壁冷却経路へ供給する前記オイルの供給量の、前記モータ冷却経路へ供給する前記オイルの供給量に対する比率を、少なくとも二つのレベルの間で切り替える、請求項12に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記冷却システムは、前記トルク指標が第2しきい値を上回るときに、前記車速指標が大きくなるほど、前記比率を段階的又は連続的に減少させる、請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記冷却システムは、
前記車速指標が第1しきい値を下回り、かつ、前記トルク指標が前記第2しきい値を上回るときは、前記比率を第1比率に調整し、
前記車速指標が前記第1しきい値を上回り、かつ、前記トルク指標が前記第2しきい値を上回るときは、前記比率を前記第1比率よりも小さい第2比率に調整する、請求項14に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記冷却システムは、前記隔壁冷却経路へ供給する前記熱媒体の供給量の、前記モータ冷却経路へ供給する前記熱媒体の供給量の比率を調整可能な流量調整部をさらに備える、請求項15に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記隔壁冷却経路は、前記隔壁内に配置されている流通経路を備えている、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記隔壁冷却経路は、前記隔壁に前記熱媒体を噴出する部位を備えている、請求項1に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、車両用の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている車両用の駆動装置は、電力変換ユニットを収容するケースと、モータを収容するケースとが、一体的に接続された構成を備えている。この駆動装置では、電力変換ユニットとモータとを隔てる隔壁に、空冷のためのフィンが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の駆動装置では、冷却の最適化が検討されていない。すると、走行風が期待出来ずに冷却が困難になる低速運転時や、モータの発熱量が大きくなる高トルク運転時などにおいて、モータから電力変換ユニットへの伝熱量が大きくなってしまう場合がある。その結果、熱負荷の増加により、電力変換ユニットの各種電子部品の寿命が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する車両用の駆動装置は、モータと、モータと機械的に接続されたギアユニットと、モータと電気的に接続された電力変換ユニットと、ケーシングと、第1室および第2室の少なくとも一方に熱媒体を循環させる冷却システムと、を備える。ケーシングは、隔壁で互いに隔てられた第1室および第2室を有する。ケーシングは、モータおよびギアユニットの少なくとも一方を第1室に格納し、電力変換ユニットを第2室に格納する。冷却システムは、隔壁へ熱媒体を供給する隔壁冷却経路を含む。冷却システムは、隔壁へ熱媒体を供給する隔壁冷却経路を含み、車両の車速が高くモータの出力トルクが低い状態よりも、車速が低く出力トルクが高い状態の方が、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を多くする。
【0006】
熱媒体は、様々な態様とすることができる。例えば熱媒体は、オイル、水、空気などであってよい。上記の構成によると、車速および出力トルクに応じて、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を適宜に調整することができる。隔壁の冷却が困難になる条件下(例:低車速条件、高トルク条件)においても、隔壁を冷却することができる。モータから電力変換ユニットへの伝熱量を抑制できるため、電力変換ユニットの熱負荷の増加を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】モータ40のトルクカーブTCの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
冷却システムは、車速に相関する車速指標が第1しきい値を下回るときに、出力トルクに相関するトルク指標が大きくなるほど、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を段階的又は連続的に増加させてもよい。
【0009】
上記の構成によると、車速が小さい場合には、モータの発熱が大きくなるほど、隔壁の冷却能力を増加させることが可能となる。
【0010】
冷却システムは、車速指標が第1しきい値を下回り、かつ、トルク指標が第2しきい値を下回るときは、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を第1供給量に調整してもよい。冷却システムは、車速指標が第1しきい値を下回り、かつ、トルク指標が第2しきい値を上回るときは、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を第1供給量よりも大きい第2供給量に調整してもよい。
【0011】
上記の構成によると、車速が小さい場合には、モータの出力トルクが大きくなることに応じて(すなわちモータの発熱が大きくことに応じて)、隔壁の冷却能力を増加させることが可能となる。
【0012】
冷却システムは、出力トルクに相関するトルク指標が第2しきい値を上回るときに、車速に相関する車速指標が大きくなるほど、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を段階的又は連続的に減少させてもよい。
【0013】
上記の構成によると、モータの出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなるほど、隔壁の冷却能力を減少させることが可能となる。これにより、隔壁の冷却能力の減少分を、モータなどの他の部位に割り当てることができる。駆動装置の冷却能力を、全体として最適化することが可能となる。
【0014】
冷却システムは、トルク指標が第2しきい値を上回り、かつ、車速指標が第1しきい値を下回るときは、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を第2供給量に調整してもよい。冷却システムは、トルク指標が第2しきい値を上回り、かつ、車速指標が第1しきい値を上回るときは、隔壁冷却経路への熱媒体の供給量を第2供給量よりも小さい第3供給量に調整してもよい。
【0015】
上記の構成によると、出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなることに応じて、隔壁の冷却能力を減少させることが可能となる。これにより、隔壁の冷却能力の減少分を、モータなどの他の部位に割り当てることができる。
【0016】
第1室には、少なくともモータが格納されていてもよい。冷却システムは、モータへ熱媒体を供給するモータ冷却経路をさらに含んでいてもよい。冷却システムは、車速に相関する車速指標と出力トルクに相関するトルク指標との組み合わせに応じて、隔壁冷却経路へ供給する熱媒体の供給量の、モータ冷却経路へ供給する熱媒体の供給量に対する比率を、少なくとも二つのレベルの間で切り替えてもよい。
【0017】
上記の構成によると、隔壁とモータとの間での冷却能力の割り振りを、隔壁とモータとの間での熱媒体の供給量の比率によって制御することができる。
【0018】
冷却システムは、トルク指標が第2しきい値を上回るときに、車速指標が大きくなるほど、比率を段階的又は連続的に減少させてもよい。
【0019】
上記の構成によると、モータの出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなるほど、冷却能力を隔壁よりもモータにより多く割り振ることができる。モータのエネルギ消費を抑制できるため、効率化を図ることが可能となる。
【0020】
冷却システムは、トルク指標が第2しきい値を上回り、かつ、車速指標が第1しきい値を下回るときは、比率を第1比率に調整してもよい。冷却システムは、トルク指標が第2しきい値を上回り、かつ、車速指標が第1しきい値を上回るときは、比率を第1比率よりも小さい第2比率に調整してもよい。
【0021】
上記の構成によると、出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなることに応じて、冷却能力を隔壁よりもモータにより多く割り振ることができる。
【0022】
熱媒体は液状であってもよい。冷却システムは、熱媒体を、隔壁冷却経路およびモータ冷却経路へ供給するポンプをさらに備えてもよい。冷却システムは、隔壁冷却経路へ供給する熱媒体の供給量の、モータ冷却経路へ供給する熱媒体の供給量の比率を調整可能な流量調整部をさらに備えてもよい。
【0023】
上記の構成によると、ポンプおよび流量調整部によって、モータと隔壁との間での冷却能力の割り振りを行うことができる。
【0024】
熱媒体はオイルであってもよい。第1室は、ギアユニットを格納するギアコンパートメントをさらに備えていてもよい。オイルは第1室に貯留されてもよい。
【0025】
ケーシングは、ギアコンパートメントの下部に、オイルを貯留する貯留部をさらに備えていてもよい。ギアユニットの一部は、貯留部に貯留されたオイルに浸漬していてもよい。冷却システムは、貯留部に貯留されたオイルを、隔壁冷却経路へ送出するポンプをさらに備えていてもよい。冷却システムは、車速に相関する車速指標と出力トルクに相関するトルク指標との組み合わせに応じて、ポンプの送出量を、少なくとも二つのレベルの間で切り替えてもよい。
【0026】
上記の構成によると、隔壁とギアユニットとの間でのオイル供給能力の割り振りを、ポンプの送出量によって制御することができる。
【0027】
冷却システムは、車速指標が大きくなるほど、隔壁冷却経路へ送出するオイルの送出量を段階的又は連続的に減少させてもよい。
【0028】
上記の構成によると、車速が大きくなるほど、貯留部に貯留されたオイル量を多くすることができる。よって、車速が大きくなるほど、オイルによる潤滑能力をギアにより多く割り振ることができる。ギアの焼き付きなどを抑制することが可能となる。
【0029】
第1室は、モータを格納するモータコンパートメントをさらに備えていてもよい。冷却システムは、モータへオイルを供給するモータ冷却経路をさらに含んでいてもよい。ポンプは、貯留部に貯留されたオイルを、隔壁冷却経路およびモータ冷却経路へ送出してもよい。冷却システムは、車速指標とトルク指標との組み合わせに応じて、隔壁冷却経路へ供給するオイルの供給量の、モータ冷却経路へ供給するオイルの供給量に対する比率を、少なくとも二つのレベルの間で切り替えてもよい。
【0030】
上記の構成によると、隔壁とギアユニットとモータとの間で、オイル供給能力の割り振りを制御することができる。
【0031】
冷却システムは、トルク指標が第2しきい値を上回るときに、車速指標が大きくなるほど、比率を段階的又は連続的に減少させてもよい。
【0032】
上記の構成によると、モータの出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなるほど、冷却能力を隔壁よりもモータにより多く割り振ることができる。モータのエネルギ消費を抑制できるため、効率化を図ることが可能となる。
【実施例0033】
(駆動装置1の構成)
図1に、本実施例の駆動装置1の概略構成を示す。駆動装置1は、モータおよびギアユニットと、モータを制御するための電力変換ユニットと、を同一ケーシング内に格納した、一体型の装置である。
図1は、駆動装置1が車両(電気自動車)に搭載されている状態を示している。方向FRは、車両の前後方向における前方を示している。また、方向RHは、車両の左右方向(あるいは幅方向)における右方を示している。そして、方向UPは車両の上下方向における上方を示している。
図1では、複数の軸(モータシャフト43、カウンタシャフト52、ドライブシャフト57)が、同一平面内に位置するように展開して示している。また冷却経路を実線で示している。
【0034】
駆動装置1は、制御装置2によって制御される。制御装置2は、例えば、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えている。制御装置2は、不図示の信号線によって、電力変換ユニット21、オイルポンプ64、可変オリフィス66、などに接続されている。
【0035】
駆動装置1は、ケーシング10を備えている。ケーシング10は、隔壁13で互いに隔てられた第1室11および第2室12を有している。
【0036】
第1室11は、モータコンパートメント31およびギアコンパートメント32を備えている。両コンパートメントは、仕切り壁35によって互いに隔てられている。モータコンパートメント31には、モータ40が格納されている。モータ40は、ステータ41、ロータ42、モータシャフト43、を備える。ステータ41は、円筒形状を有する。ステータ41の内部には、ロータ42が回転可能に配置されている。モータシャフト43は、ロータ42の回転中心と同軸上に配置されている。モータシャフト43は中空である。
【0037】
ギアコンパートメント32には、ギアユニット50が格納されている。ギアユニット50は、シャフトギア51、カウンタシャフト52、第1カウンタギア53、第2カウンタギア54、リングギア55、デファレンシャルギア56、を備える。シャフトギア51は、モータシャフト43に取り付けられている。これにより、ギアユニット50とモータ40とが、機械的に接続されている。
【0038】
カウンタシャフト52には、第1カウンタギア53および第2カウンタギア54が取り付けられている。第1カウンタギア53は、シャフトギア51と噛み合っている。第2カウンタギア54は、リングギア55と噛み合っている。リングギア55は、デファレンシャルギア56に取り付けられている。デファレンシャルギア56は、ドライブシャフト57を駆動させる。モータ40の回転がドライブシャフト57に伝達されると、ドライブシャフト57に接続されている一対の車輪(不図示)が回転する。これにより、車両が走行する。
【0039】
ギアコンパートメント32の下部には、貯留部33が備えられている。貯留部33には、オイル34が貯留されている。オイル34は、モータ40、隔壁13、ギアユニット50を冷却する熱媒体として機能するとともに、ギアユニット50の潤滑材として機能する。すなわちオイル34は、冷却機能と潤滑機能とを備えている。ギアユニット50の一部は、貯留部33に貯留されたオイル34に浸漬している。
図1の例では、デファレンシャルギア56の下部が、オイル34に浸漬している。貯留されたオイル34がデファレンシャルギア56によって掻き揚げられることにより、ギアユニット50の各ギアが潤滑される。
【0040】
また駆動装置1は、冷却システム60を備えている。冷却システム60は、第1室11内に貯留されたオイル34を循環させるシステムである。冷却システム60は、モータ冷却経路61、隔壁冷却経路62、ストレーナ63、オイルポンプ64、オイルクーラ65、可変オリフィス66、を備える。
【0041】
モータ冷却経路61は、モータ40へオイルを供給する経路である。モータ冷却経路61は、ストレーナ63から、オイルポンプ64およびオイルクーラ65を経由して、モータ40へ至る経路である。ストレーナ63は、貯留部33内に配置されている。オイルポンプ64は、ストレーナ63を介して、貯留部33内のオイル34を吸入する。そしてオイルポンプ64は、吸入したオイルを、モータ冷却経路61および隔壁冷却経路62へ送出する。オイルポンプ64の送出量は、制御装置2によって制御される。オイルポンプ64の送出量の制御内容については、後述する。オイルクーラ65は、冷媒との熱交換によってオイルを冷却する熱交換器である。オイルクーラ65から送出されたオイルは、モータコンパートメント31の上部に導入される。
【0042】
モータ冷却経路61は、モータコンパートメント31内において、上部経路61uおよび軸心経路61aに分岐する。上部経路61uには、径方向の下方に向かって開口する複数の吐出穴が設けられている。吐出穴から下方へ吐出されたオイルによって、ステータ41が冷却される。モータシャフト43は中空形状(円筒形状)を成しており、軸線上には軸心経路61aが設けられている。軸心経路61aには、径方向に貫通する複数の吐出穴が設けられている。吐出穴から流出したオイルは、ロータ42内の不図示の孔を経由して、モータコンパートメント31の底部に流下する。
【0043】
隔壁冷却経路62は、隔壁13へオイルを供給する経路である。隔壁冷却経路62は、モータ冷却経路61の分岐61bから、可変オリフィス66、壁内流通経路62wを経由して、モータコンパートメント31へ至る経路である。可変オリフィス66は、隔壁冷却経路62に分岐して流れるオイルの流量を制御するための、流量調整部である。換言すると、可変オリフィス66は、隔壁冷却経路62へ供給するオイルの供給量の、モータ冷却経路61へ供給するオイルの供給量に対する比率を、制御する。可変オリフィス66の制御内容については、後述する。壁内流通経路62wは、隔壁13内に配置されている流通経路である。
【0044】
モータ冷却経路61によってモータ40に供給されたオイルや、隔壁冷却経路62によって隔壁13に供給されたオイルは、モータコンパートメント31内の下方へ流下する。流下したオイルは、仕切り壁35に設けられた不図示の連通穴等を経由して、ギアコンパートメント32内の貯留部33へ戻る。
【0045】
第2室12には、電力変換ユニット21が格納されている。電力変換ユニット21は、モータ40に供給される電力や発電された電力を制御するための部位である。電力変換ユニット21に含まれる部品の一例としては、インバータやコンバータ等が挙げられる。電力変換ユニット21は、バスバー22によってモータ40に電気的に接続されている。また電力変換ユニット21には、冷却水路23が備えられている。冷却水路23は、ウォータポンプ24およびラジエータ25を備えている。冷却水路23には、冷却水が循環する。
【0046】
(オイル供給制御)
冷却システム60は、車速指標とトルク指標との組み合わせに応じて、オイルポンプ64および可変オリフィス66を制御する。車速指標は、車両の車速に相関する指標である。本実施例では、車速指標は、モータ40の回転数である。トルク指標は、モータ40の出力トルクに相関する指標である。本実施例では、トルク指標は、モータ40のトルク指令値である。
【0047】
図2を用いて、具体的に説明する。
図2は、モータ40のトルクカーブTCを示している。
図2の横軸はモータ40の回転数Nであり、縦軸は出力トルクTeである。回転数Nは、予め定められた第1しきい値TV1を備えている。出力トルクTeは、予め定められた第2しきい値TV2を備えている。なお、第1しきい値TV1および第2しきい値TV2の定め方は、様々であってよい。これらのしきい値は、例えば、固定値であってもよいし、計算式やテーブルに基づいて都度算出されてもよい。
【0048】
回転数Nにおいて、第1しきい値TV1よりも低い範囲は低速範囲LSと規定され、第1しきい値TV1よりも高い範囲は高速範囲HSと規定される。低速範囲LSでは、高速範囲HSよりも、電力変換ユニット21の冷却能力が低くなる。これは、車速が低くなるほど、ラジエータ25を通過する走行風の風量が低下するため、ラジエータ25による放熱量が低下するためである。ここで、走行風とは、車両が走行中した際に車内へと流れ込む空気の流れである。車速が上がるにつれて、走行風の風量も増加する。また、車速が低くなるほど、駆動装置1の周囲の環境温度が低下しにくくなる場合があるためである。また高速範囲HSでは、低速範囲LSよりも、ギアユニット50の焼き付きが発生しやすくなる。これは、ギアユニット50が高速回転するほど、油膜破断が発生しやすくなるためである。
【0049】
出力トルクTeにおいて、第2しきい値TV2よりも低い範囲は低トルク範囲LTと規定され、第2しきい値TV2よりも高い範囲は高トルク範囲HTと規定される。低トルク範囲LTになる状況の一例としては、下り坂や平地を走行している場合が挙げられる。高トルク範囲HTになる状況の一例としては、上り坂を走行している場合が挙げられる。高トルク範囲HTでは、低トルク範囲LTよりも、モータ40の発熱量が大きくなる。これは、出力トルクTeが大きくなるほど、モータ40に流れる電流が大きくなるためである。
【0050】
以上により、トルクカーブTCの領域は、低速低トルク領域R1、低速高トルク領域R2、高速低トルク領域R3、高速高トルク領域R4、の4つに分類される。低速低トルク領域R1は、低速範囲LSおよび低トルク範囲LTで規定される。低速高トルク領域R2は、低速範囲LSおよび高トルク範囲HTで規定される。高速低トルク領域R3は、高速範囲HSおよび低トルク範囲LTで規定される。高速高トルク領域R4は、高速範囲HSおよび高トルク範囲HTで規定される。低速低トルク領域R1および高速低トルク領域R3は、アクセル開度が比較的小さい領域である。低速高トルク領域R2および高速高トルク領域R4は、アクセル開度が比較的大きい領域である。
【0051】
図3の表に、隔壁13、モータ40、ギアユニット50の三者間における、オイル供給量の割り振りを示す。ここで「優先」とは、オイル供給量を多くすることを意味している。冷却システム60は、低速低トルク領域R1-高速高トルク領域R4の各々において、オイルを優先して供給する部位を変更する。具体的に説明する。
【0052】
低速低トルク領域R1では、モータ40の発熱量が少なく、ギアユニット50の油切れも発生しにくい。よって、モータ40、ギアユニット50、隔壁13の何れも、優先してオイルを供給する必要がない。
【0053】
低速高トルク領域R2では、モータ40および隔壁13へのオイル供給が、ギアユニット50へのオイル供給よりも優先される。モータ40の冷却を優先する理由は、高トルク範囲HTではモータ40の発熱量が大きくなるためである。また隔壁13の冷却を優先する理由は、低速範囲LSでは、電力変換ユニット21の冷却能力が低くなるためである。電力変換ユニット21の冷却能力が低下すると、隔壁13を介してモータ40から伝達してくる伝熱量を、取り除くことが困難となる。よってモータ40の発熱により電力変換ユニット21に与えられる熱負荷が、増加してしまう。そこで隔壁13の冷却機能を高めることにより、モータ40からの伝熱を抑制することができる。すなわち、車速の低下による電力変換ユニット21の冷却能力の低下を、隔壁13の冷却能力により補強することができる。
【0054】
高速低トルク領域R3では、ギアユニット50へのオイル供給が、モータ40および隔壁13へのオイル供給よりも優先される。この理由は、高速範囲HSでは、ギアユニット50の焼き付きが発生しやすくなるためである。また、低トルク範囲LTでは、モータ40の発熱量が小さいためである。
【0055】
高速高トルク領域R4では、モータ40およびギアユニット50へのオイル供給が、隔壁13へのオイル供給よりも優先される。モータ40の冷却を優先する理由は、高トルク範囲HTではモータ40の発熱量が大きくなるためである。ギアユニット50の潤滑を優先する理由は、高速範囲HSではギアユニット50の焼き付きが発生しやすくなるためである。また隔壁13の冷却を優先しなくてもよい理由は、高速範囲HSでは走行風量が増加するため、電力変換ユニット21の冷却能力が高くなるためである。
【0056】
(冷却システム60の動作および効果)
図3に示すオイル供給制御を行うための、冷却システム60の具体的な動作を説明する。冷却システム60は、低速低トルク領域R1では、隔壁冷却経路62へのオイル供給量を、第1供給量に調整する(
図3、領域A1参照)。また冷却システム60は、低速高トルク領域R2では、隔壁冷却経路62へのオイルの供給量を、第1供給量よりも大きい第2供給量に調整する(領域A2参照)。オイル供給量を増加させる制御は、隔壁冷却経路62へのオイル分配比率を可変オリフィス66によって高めること、および、オイルポンプ64の送出量を増加させること、の少なくとも一方によって行うことができる。
【0057】
換言すると冷却システム60は、低速範囲LSでは、出力トルクTeが大きくなるほど、隔壁冷却経路62へのオイルの供給量を段階的に増加させる(領域A1およびA2参照)。これにより、車速が小さい場合には、モータ40の出力トルクが大きくなることに応じて(すなわちモータ40の発熱が大きくことに応じて)、隔壁13の冷却能力を増加させることができる。モータ40の発熱により電力変換ユニット21に与えられる熱負荷を、抑制することが可能となる。
【0058】
冷却システム60は、低速高トルク領域R2では、隔壁冷却経路62へのオイル供給量を、第2供給量に調整する(
図3、領域A2参照)。また冷却システム60は、高速高トルク領域R4では、隔壁冷却経路62へのオイル供給量を、第2供給量よりも小さい第3供給量に調整する(領域A3参照)。
【0059】
換言すると、冷却システム60は、高トルク範囲HTでは、車速が大きくなるほど、隔壁冷却経路62へのオイル供給量を、段階的に減少させる(領域A2およびA3参照)。これにより、出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなることに応じて、隔壁13の冷却能力を低下させることができる。従って、隔壁13の冷却能力の低下分を、モータ40などの他の部位に割り当てることができる。駆動装置1の冷却能力を、全体最適化することが可能となる。
【0060】
冷却システム60は、低速高トルク領域R2では、隔壁冷却経路62へのオイル供給量の、モータ冷却経路61へのオイル供給量に対する比率を、第1比率に調整する(
図3、領域A2およびA4参照)。また冷却システム60は、高速高トルク領域R4では、上記の比率を、第1比率よりも小さい第2比率に調整する(領域A3およびA5参照)。上記の比率を小さくする制御は、モータ冷却経路61に対する隔壁冷却経路62へのオイル分配比率を、可変オリフィス66によって低下させることで行うことができる。
【0061】
換言すると、冷却システム60は、高トルク範囲HTでは、車速が大きくなるほど、隔壁冷却経路62へのオイル供給比率を段階的に減少させる。これにより、モータ40の出力トルクが大きい場合には、車速が大きくなるほど、冷却能力を隔壁13よりもモータ40により多く分配することができる。モータ40のエネルギ消費を抑制できるため、効率化を図ることが可能となる。
【0062】
冷却システム60は、高速高トルク領域R4でのギアユニット50のオイル潤滑(領域A7参照)を、低速高トルク領域R2でのギアユニット50のオイル潤滑(領域A6参照)よりも優先する。ギアユニット50のオイル潤滑を高める制御は、オイルポンプ64からのオイル送出量を低下させることにより、貯留部33のオイルの油面を上昇させることで実行できる。
【0063】
換言すると冷却システム60は、車速が大きくなるほど、オイルポンプ64からのオイル送出量を段階的に減少させる。これにより、車速が大きくなるほど、オイルによる潤滑能力を、ギアユニット50により多く割り振ることができる。ギアユニット50の焼き付きなどを抑制することが可能となる。
【0064】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で、技術的な有用性を持つものである。
【0065】
(第1変形例)
図4に、第1変形例に係る駆動装置101を示す。なお以下では、変形例の駆動装置と本実施例の駆動装置1(
図1)との間で共通する部位には同一符号を付すことで、説明を省略する。駆動装置101は、駆動装置1の壁内流通経路62wに代えて、冷却配管162pを備えている。冷却配管162pは、モータコンパートメント31内に、隔壁13と対向するように配置されている。冷却配管162pには、隔壁13に向かって開口する複数の吐出穴が設けられている。複数の吐出穴の各々からは、隔壁13に向かってオイルが噴出される。隔壁13を冷却することができる。
【0066】
(第2変形例)
図5に、第2変形例に係る駆動装置201を示す。駆動装置201は、ギア冷却経路263をさらに備えている。ギア冷却経路263は、ギアユニット50へオイルを供給する経路である。ギア冷却経路263は、モータ冷却経路61の分岐61cから、可変オリフィス268を経由して、ギアコンパートメント32へ至る経路である。またモータ冷却経路61には、可変オリフィス267が配置されている。冷却システム60は、可変オリフィス66、267、268を制御する。これにより、隔壁冷却経路62、モータ40の軸心経路61aおよび上部経路61u、ギア冷却経路263の各々において、オイル流量を個別に制御することができる。なお、駆動装置201では、ギア冷却経路263を省略することもできる。
【0067】
(第3変形例)
第2室12の配置位置は様々であってよい。例えば、
図6の第3変形例に係る駆動装置301に示すように、第2室12をギアコンパートメント32に隣接して配置してもよい。これにより、ギアコンパートメント32の不要な空間を第2室12に流用することができるため、駆動装置301の体格のさらなる小型化が可能となる。
【0068】
(第4変形例)
隔壁13を冷却する熱媒体は、オイルに限られない。例えば、
図7の第4変形例に係る駆動装置401に示すように、隔壁13が冷却水によって冷却される形態であってよい。駆動装置401では、第2室12は、モータコンパートメント31の上方に隣接して配置されている。またリングギア55およびドライブシャフト57は、車両の前方側(すなわち紙面の奥側)に位置しているため、点線で図示している。
【0069】
冷却水路23は、分岐23bにおいて、電力変換ユニット冷却経路23pおよび隔壁冷却経路23wに分岐する。隔壁冷却経路23wは、分岐23bから、可変オリフィス26および壁内流通経路62wを経由して、ウォータポンプ24へ戻る経路である。可変オリフィス26は、隔壁冷却経路23wに分岐して流れる冷却水の流量を制御するための、流量調整部である。換言すると、可変オリフィス26は、隔壁冷却経路23wへ供給する冷却水の供給量の、電力変換ユニット冷却経路23pへ供給する冷却水の供給量に対する比率を、制御する。
【0070】
第4変形例の駆動装置401においても、本実施例の駆動装置1と同様にして、熱媒体の供給量を制御することができる。すなわち、車速および出力トルクに応じて、隔壁冷却経路23wへの冷却水の供給量を適宜に調整することができる。従って、隔壁13の冷却が困難になる条件下(例:低車速条件、高トルク条件)においても、隔壁13を適切に冷却することが可能となる。
【0071】
(その他の変形例)
本明細書の駆動装置が搭載される車両は、電気自動車に限られない。本明細書の駆動装置は、例えばハイブリッド車やプラグインハイブリッド車に搭載することができる。この場合、本明細書の駆動装置は、ケーシング内にモータを複数格納していてもよいし、遊星歯車機構を格納していてもよい。また本明細書の駆動装置は、例えば燃料電池車など、少なくとも走行の一部に電動機を用いる車両にも適用可能である。
【0072】
車速範囲を区分する第1しきい値TV1や、トルク範囲を区分する第2しきい値TV2は、1つに限られず、複数あってもよい。また、冷却システム60によるオイル供給量の調整は、段階的に変化させる態様に限られない。例えば車速の変化や出力トルクの変化に応じて、オイル供給量を連続的に変化させてもよい。
【0073】
車速指標は様々であってよく、例えば実際の車速を用いてもよい。トルク指標は様々であってよく、例えばモータ40の電流値を用いてもよいし、トルクセンサによるトルク測定値を用いてもよい。
【0074】
車両内部を流れる走行風は、ラジエータ25だけでなく、駆動装置のケーシング10の表面を通過しても良い。また、ケーシング10の表面に、放熱フィンとして機能するリブを設けても良い。これにより、モータ40やギアユニット50側から電力変換ユニット21側へ与えられる熱負荷を、緩和することができる。
1:駆動装置 10:ケーシング 11:第1室 12:第2室 21:電力変換ユニット 33:貯留部 34:オイル 40:モータ 50:ギアユニット 60:冷却システム 61:モータ冷却経路 62:隔壁冷却経路 64:オイルポンプ 66:可変オリフィス N:回転数 Te:出力トルク