(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012513
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】建築物
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
E04H1/02
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115392
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 康貴
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA13
2E025AA14
2E025AA26
(57)【要約】
【課題】フロア間における人のコミュニケーションの行いやすさについて改善の余地がある。
【解決手段】建築物1であって、中央階段21と、前記中央階段21の周囲に設けられ、かつ、床高の異なる複数のフロア31と、を備え、前記複数のフロア31のうちの2つは、前記中央階段21に繋がり、かつ、前記中央階段21とは異なる移動通路41によって互いに繋がる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物であって、
中央階段と、
前記中央階段の周囲に設けられ、かつ、床高の異なる複数のフロアと、を備え、
前記複数のフロアのうちの2つは、前記中央階段に繋がり、かつ、前記中央階段とは異なる移動通路によって互いに繋がる、
建築物。
【請求項2】
前記複数のフロアは、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアとは異なる第1フロアを含み、
前記第1フロアは、前記中央階段に繋がらず、かつ、前記複数のフロアのうちの前記第1フロア以外のフロアの少なくとも1つと直接または間接的に繋がる、
請求項1に記載の建築物。
【請求項3】
前記第1フロアの天井高は、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのいずれの天井高よりも低い、
請求項2に記載の建築物。
【請求項4】
前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのうちの一方は、第2フロアであり、
前記第2フロアは、前記中央階段に繋がり、
前記第2フロアの床高は、前記第1フロアの床高よりも低く、
前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのうちの他方は、第3フロアであり、
前記第3フロアは、前記中央階段に繋がり、
前記第3フロアの床高は、前記第2フロアの床高よりも低く、
前記第1フロアは、前記移動通路によって、前記第2フロアおよび前記第3フロアの少なくとも1つからのみ、移動可能である、
請求項3に記載の建築物。
【請求項5】
前記第1フロアは、居住空間に対応する第1居住領域を有し、
前記第2フロアは、居住空間に対応する第2居住領域を有し、
前記建築物の高さ方向において、前記第2居住領域は、前記第1居住領域と重ならない、
請求項4に記載の建築物。
【請求項6】
前記第3フロアは、居住空間に対応する第3居住領域を有し、
前記建築物の高さ方向において、前記第3居住領域は、前記第2居住領域と重ならない、
請求項5に記載の建築物。
【請求項7】
前記建築物は、第1外壁と、前記第1外壁と対向する第2外壁と、を含み、
前記第2フロアは、前記第1外壁に面し、かつ、前記第1外壁と反対側において、平面視で前記第1フロアに隣接し、
前記第1フロアは、前記第2外壁に面し、かつ、前記第2外壁と反対側において、平面視で前記第2フロアに隣接し、
前記第1フロアと、前記第2フロアとの間には、第1境界面が定義され、
前記第1外壁のうちの少なくとも前記第1境界面に対向する部分には、第1採光部が設けられる、
請求項6に記載の建築物。
【請求項8】
前記第1フロアと前記第2フロアとの間には、前記第1境界面に沿う第1壁が設けられ、
前記第1壁には、前記第2フロアと前記第3フロアとを繋ぐ第1開口部が設けられる、
請求項7に記載の建築物。
【請求項9】
前記第1開口部には、前記第2フロアと前記第3フロアとを繋ぐ前記移動通路が設けられる、
請求項8に記載の建築物。
【請求項10】
前記第3フロアは、前記第2外壁に面し、かつ、前記第2外壁と反対側において、平面視で前記第2フロアに隣接し、
前記第2フロアと前記第3フロアとの間には第2境界面が定義され、
前記第2外壁の少なくとも前記第2境界面に対向する部分には、第2採光部が設けられる、
請求項9に記載の建築物。
【請求項11】
前記第2フロアと前記第3フロアとの間には、前記第2境界面に沿う第2壁が設けられ、
前記第2壁には、第2開口部が設けられる、
請求項10に記載の建築物。
【請求項12】
前記第2採光部は、室外に開口する外壁開口部を含み、
前記第3フロアは、前記外壁開口部を介して、外に繋がる第1領域を有する、
請求項11に記載の建築物。
【請求項13】
前記建築物は、前記第1外壁と前記第2外壁とを接続する第3外壁をさらに含み、
前記外壁開口部は、第1外壁開口部と、第2外壁開口部と、を含み、
前記第1外壁開口部は、前記第2外壁に設けられ、
前記第2外壁開口部は、前記第3外壁に設けられる、
請求項12に記載の建築物。
【請求項14】
前記第1領域は、入隅部を含む、
請求項13に記載の建築物。
【請求項15】
前記第1領域は、前記建築物の高さ方向において、前記第1フロアの真下に位置する、
請求項14に記載の建築物。
【請求項16】
前記第3フロアは、出入口を有する壁によって、前記第1領域と仕切られる第2領域をさらに有する、
請求項15に記載の建築物。
【請求項17】
前記複数のフロアは、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアおよび前記第1フロアと異なる第4フロアをさらに含み、
前記第4フロアの床高は、前記第1フロアの床高よりも低く、かつ、前記第2フロアよりも高く、
前記第4フロアは、前記中央階段に繋がり、かつ、室外に開口する天井開口部を介して外に繋がる、
請求項4に記載の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の床高の異なるフロアを有する建築物が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の建築物には、床高の異なるフロア間を繋ぐ梯子が設けられ、人は各フロア間を梯子によって行き来できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロア間における人のコミュニケーションの行いやすさについて改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する建築物は、中央階段と、前記中央階段の周囲に設けられ、かつ、床高の異なる複数のフロアと、を備え、前記複数のフロアのうちの2つは、前記中央階段に繋がり、かつ、前記中央階段とは異なる移動通路によって互いに繋がる。
【0006】
この構成によれば、フロア間を中央階段または移動通路によって移動できるため、フロア間の移動が行いやすい。したがって、人は、フロア間におけるコミュニケーションを行いやすい。
【0007】
(2)上記(1)の建築物において、前記複数のフロアは、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアとは異なる第1フロアを含み、前記第1フロアは、前記中央階段に繋がらず、かつ、前記複数のフロアのうちの前記第1フロア以外のフロアの少なくとも1つと直接または間接的に繋がる。
【0008】
この構成によれば、第1フロア以外のフロアの少なくとも1つから第1フロアに移動できるため、第1フロアにいる人と、第1フロア以外にいる人とがコミュニケーションを取りやすい。
【0009】
(3)上記(2)に記載の建築物において、前記第1フロアの天井高は、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのいずれの天井高よりも低い。
【0010】
この構成によれば、第1フロアは、中央階段に繋がる2つのフロアよりも天井高が低いため、中央階段に繋がる2つのフロアよりも建築物における配置の自由度が高い。
【0011】
(4)上記(2)または(3)に記載の建築物において、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのうちの一方は、第2フロアであり、前記第2フロアは、前記中央階段に繋がり、前記第2フロアの床高は、前記第1フロアの床高よりも低く、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのうちの他方は、第3フロアであり、前記第3フロアは、前記中央階段に繋がり、前記第3フロアの床高は、前記第2フロアの床高よりも低く、前記第1フロアは、前記移動通路によって、前記第2フロアおよび前記第3フロアの少なくとも1つからのみ、移動可能である。
【0012】
この構成によれば、第2フロアおよび第3フロアの少なくとも1つから第1フロアに移動できるため、第1フロアにいる人と、第2フロアおよび第3フロアの少なくとも1つにいる人とがコミュニケーションを取りやすい。
【0013】
(5)上記(4)に記載の建築物において、前記第1フロアは、居住空間に対応する第1居住領域を有し、前記第2フロアは、居住空間に対応する第2居住領域を有し、前記建築物の高さ方向において、前記第2居住領域は、前記第1居住領域と重ならない。この構成によれば、第2居住領域は、天井高を高くできる。
【0014】
(6)上記(5)に記載の建築物において、前記第3フロアは、居住空間に対応する第3居住領域を有し、前記建築物の高さ方向において、前記第3居住領域は、前記第2居住領域と重ならない。この構成によれば、第3居住領域は、天井高を高くできる。
【0015】
(7)上記(5)または(6)に記載の建築物において、前記建築物は、第1外壁と、前記第1外壁と対向する第2外壁と、を含み、前記第2フロアは、前記第1外壁に面し、かつ、前記第1外壁と反対側において、平面視で前記第1フロアに隣接し、前記第1フロアは、前記第2外壁に面し、かつ、前記第2外壁と反対側において、平面視で前記第2フロアに隣接し、前記第1フロアと、前記第2フロアとの間には、第1境界面が定義され、前記第1外壁のうちの少なくとも前記第1境界面に対向する部分には、第1採光部が設けられる。この構成によれば、第1採光部によって、第2フロアに光を取り込むことができる。
【0016】
(8)上記(7)に記載の建築物において、前記第1フロアと前記第2フロアとの間には、前記第1境界面に沿う第1壁が設けられ、前記第1壁には、前記第2フロアと前記第3フロアとを繋ぐ第1開口部が設けられる。
【0017】
この構成によれば、第1採光部から差し込む光を、第1開口部を介して第2フロアよりも下のフロアに取り込むことができる。
【0018】
(9)上記(8)に記載の建築物において、前記第1開口部には、前記第2フロアと前記第3フロアとを繋ぐ前記移動通路が設けられる。この構成によれば、移動通路によって、人は第2フロアから第3フロアに移動できる。
【0019】
(10)上記(8)または(9)に記載の建築物において、前記第3フロアは、前記第2外壁に面し、かつ、前記第2外壁と反対側において、平面視で前記第2フロアに隣接し、前記第2フロアと前記第3フロアとの間には第2境界面が定義され、前記第2外壁の少なくとも前記第2境界面に対向する部分には、第2採光部が設けられる。この構成によれば、第2採光部によって、第3フロアに光を取り込むことができる。
【0020】
(11)上記(10)に記載の建築物において、前記第2フロアと前記第3フロアとの間には、前記第2境界面に沿う第2壁が設けられ、前記第2壁には、第2開口部が設けられる。
【0021】
この構成によれば、第1採光部から差し込む光を、第2開口部を介して第3フロアよりも下のフロアに取り込むことができる。
【0022】
(12)上記(10)または(11)に記載の建築物において、前記第2採光部は、室外に開口する外壁開口部を含み、前記第3フロアは、前記外壁開口部を介して、外に繋がる第1領域を有する。この構成によれば、外壁開口部によって、第1領域に光を取り込むことができる。
【0023】
(13)上記(12)に記載の建築物において、前記建築物は、前記第1外壁と前記第2外壁とを接続する第3外壁をさらに含み、前記外壁開口部は、第1外壁開口部と、第2外壁開口部と、を含み、前記第1外壁開口部は、前記第2外壁に設けられ、前記第2外壁開口部は、前記第3外壁に設けられる。
【0024】
この構成によれば、第1外壁開口部および第2外壁開口部によって、第1領域に光を取り込むことができる。
【0025】
(14)上記(13)に記載の建築物において、前記第1領域は、入隅部を含む。この構成によれば、建築物に第1領域を配置することができる。
【0026】
(15)上記(13)または(14)に記載の建築物において、前記第1領域は、前記建築物の高さ方向において、前記第1フロアの真下に位置する。
【0027】
この構成によれば、第1採光部から差し込む光を、第1開口部を介して第1領域に取り込むことができる。
【0028】
(16)上記(13)から(15)のいずれかに記載の建築物において、前記第3フロアは、出入口を有する壁によって、前記第1領域と仕切られる第2領域をさらに有する。
【0029】
この構成によれば、人は、出入口を有する壁によって、第1領域と第2領域とを行き来できる。
【0030】
(17)上記(4)から(16)のいずれかに記載の建築物において、前記複数のフロアは、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアおよび前記第1フロアと異なる第4フロアをさらに含み、前記第4フロアの床高は、前記第1フロアの床高よりも低く、かつ、前記第2フロアよりも高く、前記第4フロアは、前記中央階段に繋がり、かつ、室外に開口する天井開口部を介して外に繋がる。
【0031】
この構成によれば、人は、第4フロアにおいて、天井開口部を介して解放感を得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、フロア間において、人がコミュニケーションを行いやすい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図2】
図1の建築物の第2外壁側から見た側面図である。
【
図3】
図1の建築物の、第1外壁および第4外壁側の斜視図である。
【
図4】
図1の建築物の、第2外壁および第4外壁側の斜視図である。
【
図5】
図1の建築物の、第1外壁および第3外壁側の斜視図である。
【
図6】
図1の建築物の、第2外壁および第3外壁側の断面斜視図である。
【
図10】
図1のD10-D10線に沿う断面図である。
【
図11】
図1のD11-D11線に沿う断面図である。
【
図12】
図1のD12-D12線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(実施形態)
図1から
図12を参照して、本実施形態に係る建築物1を説明する。
【0035】
<建築物>
図1に示されるように、建築物1は、第1外壁11と、第1外壁11と対向する第2外壁12と、を含む。第1外壁11は、室内と室外とを仕切る。第2外壁12は、室内と室外とを仕切る。建築物1は、第1外壁11と第2外壁12とを接続する第3外壁13をさらに含む。第3外壁13は、室内と室外とを仕切る。建築物1は、第3外壁13と対向する第4外壁14をさらに含む。第4外壁14は、第1外壁11と第2外壁12とを接続する。第4外壁14は、室内と室外とを仕切る。
【0036】
建築物1は、平面視において、第1外壁11、第2外壁12、第3外壁13、および、第4外壁14に囲まれる室内空間Sを有する。建築物1は、平面視において矩形である。建築物1は、側面視において矩形である。
【0037】
建築物1は、屋根2を含む。一例では、屋根2は、陸屋根である。屋根2は、室外に開口する天井開口部2Aを含む。天井開口部2Aは、矩形である。天井開口部2Aには、天窓が設けられてもよい。
【0038】
<外壁開口部>
第1外壁11、第2外壁12、第3外壁13、および、第4外壁14の少なくとも1つは、外壁開口部15を含む。外壁開口部15は、室外に開口する。外壁開口部15は、第1外壁開口部15Aと、第2外壁開口部15Bと、を含む。第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bは、窓サッシが設けられない。第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bは、常に開口するように構成される。
【0039】
第1外壁開口部15Aは、第2外壁12に設けられる。第2外壁開口部15Bは、第3外壁13に設けられる。第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bは、矩形である。第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bは、実質的に同じ大きさである。
【0040】
図3および
図5に示すように、外壁開口部15は、第3外壁開口部15Cを含む。第3外壁開口部15Cは、第1外壁11に設けられる。第3外壁開口部15Cは、第1外壁11の第3外壁13側に設けられる。第3外壁開口部15Cは、矩形である。第3外壁開口部15Cは、円形または三角形であってもよい。第3外壁開口部15Cには、例えば、窓が設けられる。
【0041】
外壁開口部15は、第4外壁開口部15Dを含む。第4外壁開口部15Dは、第1外壁11に設けられる。第4外壁開口部15Dは、第3外壁開口部15Cよりも下方に設けられる。第4外壁開口部15Dは、矩形である。第4外壁開口部15Dは、円形または三角形であってもよい。第4外壁開口部15Dは、第3外壁開口部15Cよりも小さい。第4外壁開口部15Dには、例えば、窓が設けられる。
【0042】
図2および
図4に示すように、外壁開口部15は、第5外壁開口部15Eを含む。第5外壁開口部15Eは、第2外壁12に設けられる。第5外壁開口部15Eは、第2外壁12の第4外壁14側に設けられる。第5外壁開口部15Eは、矩形である。第5外壁開口部15Eは、円形または三角形であってもよい。第5外壁開口部15Eは、第1外壁開口部15Aおよび第7外壁開口部15Gよりも大きい。第5外壁開口部15Eには、例えば、窓が設けられる。
【0043】
外壁開口部15は、第6外壁開口部15Fを含む。第6外壁開口部15Fは、第2外壁12に設けられる。第6外壁開口部15Fは、第2外壁12の第4外壁14側に設けられる。第6外壁開口部15Fは、建築物1の高さ方向Zにおいて、第5外壁開口部15Eの上方に設けられる。第6外壁開口部15Fは、矩形である。第6外壁開口部15Fは、第2外壁12に設けられる外壁開口部15の中で最も小さい。第6外壁開口部15Fには、例えば、窓が設けられる。
【0044】
外壁開口部15は、第7外壁開口部15Gを含む。第7外壁開口部15Gは、第2外壁12に設けられる。第7外壁開口部15Gは、第2外壁12の第3外壁13側に設けられる。第7外壁開口部15Gは、高さ方向Zにおいて、第1外壁開口部15Aの下方に設けられる。
【0045】
第7外壁開口部15Gは、矩形である。第7外壁開口部15Gは、円形または三角形であってもよい。第7外壁開口部15Gには、例えば、窓が設けられる。第5外壁開口部15Eおよび第7外壁開口部15Gは、水平方向に並んで配置される。第7外壁開口部15Gは、第1外壁開口部15Aと、実質的に同じ大きさである。第7外壁開口部15Gには、例えば、窓が設けられる。
【0046】
図5に示すように、外壁開口部15は、第8外壁開口部15Hを含む。第8外壁開口部15Hは、第3外壁13に設けられる。第8外壁開口部15Hは、第3外壁13の第2外壁12側に設けられる。第8外壁開口部15Hは、第2外壁開口部15Bの下方に設けられる。第8外壁開口部15Hは、矩形である。第8外壁開口部15Hは、円形または三角形であってもよい。第8外壁開口部15Hには、例えば、窓が設けられる。
【0047】
外壁開口部15は、第9外壁開口部15Kを含む。第9外壁開口部15Kは、第3外壁13に設けられる。第9外壁開口部15Kは、第3外壁13の第1外壁11側の上方に設けられる。第9外壁開口部15Kは、矩形である。第9外壁開口部15Kは、円形または三角形であってもよい。第9外壁開口部15Kには、例えば、窓が設けられる。
【0048】
外壁開口部15は、第10外壁開口部15Mを含む。第10外壁開口部15Mは、第3外壁13に設けられる。第10外壁開口部15Mは、水平方向において、第2外壁開口部15Bと、第9外壁開口部15Kとの間に設けられる。第10外壁開口部15Mは、矩形である。第10外壁開口部15Mは、円形または三角形であってもよい。第10外壁開口部15Mには、例えば、窓が設けられる。
【0049】
外壁開口部15は、第11外壁開口部15Nを含む。第11外壁開口部15Nは、第3外壁13に設けられる。第11外壁開口部15Nは、第3外壁13の第1外壁11側に設けられる。第11外壁開口部15Nは、第9外壁開口部15Kの下方に設けられる。第11外壁開口部15Nは、矩形である。第11外壁開口部15Nは、円形または三角形であってもよい。第11外壁開口部15Nは、第9外壁開口部15Kと実質的に同じ大きさである。第11外壁開口部15Nには、例えば、窓が設けられる。
【0050】
第2外壁開口部15Bは、第8外壁開口部15H、第9外壁開口部15K、第10外壁開口部15M、および、第11外壁開口部15Nよりも大きい。第8外壁開口部15Hは、第9外壁開口部15K、第10外壁開口部15M、および、第11外壁開口部15Nよりも大きい。第10外壁開口部15Mは、第9外壁開口部15Kおよび第11外壁開口部15Nよりも大きい。
【0051】
図3および
図4に示すように、外壁開口部15は、第12外壁開口部15Pを含む。第12外壁開口部15Pは、第4外壁14に設けられる。第12外壁開口部15Pは、矩形である。第12外壁開口部15Pは、例えば、人が出入り可能な大きさを有する。第12外壁開口部15Pは、第4外壁14の第1外壁11側に設けられる。第12外壁開口部15Pには、例えば、玄関ドアが設けられる。
【0052】
外壁開口部15は、第13外壁開口部15Rを含む。第13外壁開口部15Rは、第4外壁14に設けられる。第13外壁開口部15Rは、第4外壁14の第1外壁11側に設けられる。第13外壁開口部15Rは、高さ方向Zにおいて、第12外壁開口部15Pの上方に設けられる。第13外壁開口部15Rは、矩形である。第13外壁開口部15Rは、円形または三角形であってもよい。第13外壁開口部15Rには、例えば、窓が設けられる。
【0053】
外壁開口部15は、第14外壁開口部15Sを含む。第14外壁開口部15Sは、第4外壁14に設けられる。第14外壁開口部15Sは、第4外壁14の第1外壁11側に設けられる。第14外壁開口部15Sは、矩形である。第14外壁開口部15Sは、円形または三角形であってもよい。第14外壁開口部15Sには、例えば、窓が設けられる。
【0054】
第14外壁開口部15Sは、高さ方向Zにおいて、第13外壁開口部15Rの上方に設けられる。第13外壁開口部15Rおよび第14外壁開口部15Sは、高さ方向Zにおいて、第12外壁開口部15Pより上に、並んで配置される。
【0055】
外壁開口部15は、第15外壁開口部15Tを含む。第15外壁開口部15Tは、第4外壁14に設けられる。第15外壁開口部15Tは、第4外壁14の第2外壁12側に設けられる。第15外壁開口部15Tは、矩形である。第15外壁開口部15Tは、円形または三角形であってもよい。第15外壁開口部15Tには、例えば、窓が設けられる。第15外壁開口部15Tは、第6外壁開口部15Fと実質的に同じ大きさである。
【0056】
<中央階段>
図6から
図9に示されるように、建築物1は、中央階段21と、中央階段21の周囲に設けられ、かつ、床高の異なる複数のフロア31と、を備える。複数のフロア31については、後述する。
【0057】
中央階段21は、室内空間Sに設けられる。中央階段21は、基準フロア3から屋根2まで延びる。中央階段21は、建築物1の略中央に設けられる。一例では、中央階段21は、らせん階段である。中央階段21は、直階段、折り返し階段、または、回り階段であってもよい。
【0058】
建築物1は、中央階段配置部22を含む。中央階段配置部22は、建築物1の略中央に設けられる。中央階段21は、中央階段配置部22に配置される。中央階段配置部22は、基準フロア3から屋根2まで延びる。中央階段配置部22は、第1側壁23、第2側壁24、第3側壁25、および、第4側壁26を含む。第1側壁23は、第1外壁11と対向する。第2側壁24は、第2外壁12と対向する。第3側壁25は、第3外壁13と対向する。第4側壁26は、第4外壁14と対向する。第1側壁23、第2側壁24、第3側壁25、および、第4側壁26の少なくとも1つには、複数のフロア31の少なくとも1つに繋がる開口が設けられる。
【0059】
<移動通路>
建築物1は、中央階段配置部22に加えて、複数のフロア31のうちの2つのフロアを繋ぐ少なくとも1つの移動通路41を備える。移動通路41は、中央階段配置部22を使わないフロア間の移動手段を提供する。移動通路41は、例えば、階段、梯子、または、スロープである。移動通路41は、後述の第1移動通路42、第2移動通路43、第3移動通路44、第4移動通路45、および、第5移動通路46を含む。
【0060】
<フロア>
図6および
図7に示すように、建築物1は、基準フロア3を含む。基準フロア3は、室内空間Sに設けられる。基準フロア3は、例えば、1階フロアである。第1外壁11、第2外壁12、第3外壁13、および、第4外壁14は、例えば、基準フロア3から屋根2まで延びる。基準フロア3は、第4外壁開口部15D、第5外壁開口部15E、第7外壁開口部15G、第8外壁開口部15Hは、第11外壁開口部15N、第12外壁開口部15Pを介して、外に繋がる。基準フロア3は、第1側壁23および第4側壁26に設けられる開口を介して、中央階段21に繋がる。
【0061】
複数のフロア31は、室内空間Sに設けられる。複数のフロア31のうちの2つは、中央階段21に繋がり、かつ、中央階段21とは異なる第1移動通路42によって互いに繋がる。
【0062】
図6、
図9、および、
図10に示すように、複数のフロア31は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34とは異なる第1フロア32を含む。第1フロア32の床高は、基準フロア3および中央階段21に繋がる2つのフロア33,34の床高よりも高い。第1フロア32の天井高は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34のいずれの天井高よりも低い。第1フロア32の天井高は、例えば、1000mm以上、かつ、1400mm未満である。第1フロア32は、平面視において、矩形である。
【0063】
図6、
図8、
図9、および、
図11に示すように、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34のうちの一方は、第2フロア33である。中央階段21に繋がる2つのフロア33,34のうちの他方は、第3フロア34である。
【0064】
第2フロア33の床高は、第1フロア32の床高よりも低い。第2フロア33の床高は、基準フロア3の床高よりも高い。第2フロア33は、中央階段21に繋がる。第2フロア33は、第2側壁24に設けられる開口を介して、中央階段21に繋がる。
【0065】
第2フロア33は、平面視において、矩形である。第2フロア33の天井高は、第1フロア32の天井高よりも高い。第2フロア33の天井高は、例えば、1400mm以上である。第2フロア33は、第9外壁開口部15Kおよび第10外壁開口部15Mを介して、外に繋がる。
【0066】
第3フロア34の床高は、第2フロア33の床高よりも低い。第3フロア34の床高は、基準フロア3の床高よりも高い。第3フロア34は、中央階段21に繋がる。第3フロア34は、第3側壁25に設けられる開口を介して、中央階段21に繋がる。
【0067】
第3フロア34は、平面視において、矩形である。第3フロア34の天井高は、第1フロア32の天井高よりも高い。第3フロア34の天井高は、例えば、1400mm以上である。第3フロア34の天井高は、第2フロア33の天井高と同じであってもよく、異なっていてもよい。第2フロア33の床高と、第3フロア34の床高との差は、1m以上、かつ、3m以下である。第3フロア34は、第2フロア33と、第1移動通路42によって互いに移動可能である。第1移動通路42は、例えば、階段、梯子、または、スロープである。
【0068】
第1フロア32は、中央階段21に繋がらず、かつ、複数のフロア31のうちの第1フロア32以外のフロアの少なくとも1つと直接または間接的に繋がる。第1フロア32は、中央階段21から直接移動できない。
【0069】
第1フロア32は、第2移動通路43によって、第2フロア33から移動可能である。第2移動通路43は、例えば、階段、梯子、または、スロープである。第1フロア32は、第3移動通路44によって、第3フロア34から移動可能である。第3移動通路44は、例えば、階段、梯子、または、スロープである。第1フロア32は、第2移動通路43によって、第2フロア33からのみ移動可能であってもよく、第3移動通路44によって、第3フロア34からのみ移動可能であってもよい。
【0070】
第1フロア32は、第2外壁12に面し、かつ、第2外壁12と反対側において、平面視で第2フロア33に隣接する。第2フロア33は、第1外壁11に面し、かつ、第1外壁11と反対側において、平面視で第1フロア32に隣接する。第1フロア32と、第2フロア33との間には、第1境界面BS1が定義される。第1境界面BS1は、第1フロア32と、第2フロア33との間の仮想的な境界面である。
【0071】
第1外壁11のうちの少なくとも第1境界面BS1に対向する部分には、第1採光部51が設けられる。第1採光部51は、第3外壁開口部15Cを含む。第1フロア32と第2フロア33との間には、第1境界面BS1に沿う第1壁61が設けられる。
【0072】
第1壁61には、第2フロア33と第3フロア34とを繋ぐ第1開口部62が設けられる。第1採光部51から差し込む光は、第1開口部62を介して、第3フロア34に差し込む。第1開口部62には、第2フロア33と第3フロア34とを繋ぐ第1移動通路42が設けられる。
【0073】
第3フロア34は、第2外壁12に面し、かつ、第2外壁12と反対側において、平面視で第2フロア33に隣接する。第2フロア33と第3フロア34との間には第2境界面BS2が定義される。第2境界面BS2は、第2フロア33と第3フロア34との間の仮想的な境界面である。
【0074】
第2外壁12の少なくとも第2境界面BS2に対向する部分には、第2採光部52が設けられる。第2採光部52は、第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bを含む。第1外壁開口部15Aは、第2境界面BS2に対向する。
【0075】
第2フロア33と第3フロア34との間には、第2境界面BS2に沿う第2壁63が設けられる。第2壁63には、第2開口部64が設けられる。第2採光部52から差し込む光は、第2開口部64を介して、基準フロア3に差し込む。
【0076】
第1フロア32は、居住空間に対応する第1居住領域RA1を有する。第2フロア33は、居住空間に対応する第2居住領域RA2を有する。高さ方向Zにおいて、第2居住領域RA2は、第1居住領域RA1と重ならない、
【0077】
第3フロア34は、居住空間に対応する第3居住領域RA3を有する。高さ方向Zにおいて、第3居住領域RA3は、第2居住領域RA2と重ならない。
【0078】
第3フロア34は、第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bを介して、外に繋がる第1領域34Aを有する。第1領域34Aは、高さ方向Zにおいて、第1フロア32の真下に位置する。第1領域34Aは、第3居住領域RA3に含まれる。
【0079】
第3フロア34は、出入口34Cを有する壁34Dによって、第1領域34Aと仕切られる第2領域34Bをさらに有する。第2領域34Bは、高さ方向Zにおいて、第1フロア32と重ならない。第2領域34Bは、第3居住領域RA3に含まれる。出入口34Cは、例えば、窓である。出入口34Cは、扉または引き戸であってもよい。第2領域34Bは、第6外壁開口部15Fおよび第15外壁開口部15Tを介して、外に繋がる。
【0080】
第1領域34Aは、入隅部34Eを含む。入隅部34Eは、第1壁61と、出入口34Cを有する壁34Dとによって、形成される。入隅部34Eは、第1外壁11と第3外壁13とによって形成される入隅の反対側に位置する。
【0081】
図6、
図9、および、
図12に示すように、複数のフロア31は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34および第1フロア32と異なる第4フロア35をさらに含む。第4フロア35は、平面視において、矩形である。第4フロア35の床高は、第1フロア32の床高よりも低く、かつ、第2フロア33よりも高い。
【0082】
第4フロア35は、中央階段21に繋がり、かつ、天井開口部2Aを介して外に繋がる。第4フロア35は、第4側壁26に設けられる開口を介して、中央階段21に繋がる。第4フロア35と、中央階段21とを繋ぐ開口には、窓、扉、または、引き戸が設けられてもよい。第4フロア35は、第14外壁開口部15Sを介して、外に繋がる。
【0083】
第4フロア35は、中央階段21からのみ移動可能である。第4フロア35は、第2フロア33および第3フロア34の少なくとも1つから、移動通路41によって移動可能に構成されてもよい。第4フロア35は、居住空間に対応する第4居住領域RA4を有する。
【0084】
図8、
図9、および
図12に示すように、複数のフロア31は、中央階段21に繋がり、かつ、第3フロア34よりも床高が低い第5フロア36をさらに含む。第5フロア36は、基準フロア3よりも床高が高い。第5フロア36は、例えば、2階フロアである。
【0085】
第5フロア36は、第1外壁11および第4外壁14に沿った形状を有する。第5フロア36は、居住空間に対応する第5居住領域RA5を有する。第5居住領域RA5の少なくとも一部は、高さ方向Zにおいて、第4居住領域RA4の少なくとも一部と重なる。第5フロア36は、第13外壁開口部15Rによって外に繋がる。
【0086】
第5フロア36は、中央階段21を介して、基準フロア3、第2フロア33、第3フロア34、および、第4フロア35に繋がる。第5フロア36は、第1側壁23に設けられる開口を介して、中央階段21に繋がる。
【0087】
第5フロア36は、第4移動通路45を介して、基準フロア3に繋がる。第4移動通路45は、第1外壁11に沿って設けられる。第4移動通路45は、例えば、階段、梯子、または、スロープである。
【0088】
第5フロア36は、第2フロア33と、第5移動通路46によって互いに移動可能である。第5移動通路46は、第1側壁23に沿って設けられる。第5移動通路46は、例えば、階段、梯子、または、スロープである。
【0089】
(本実施形態の効果)
(1)建築物1は、中央階段21と、中央階段21の周囲に設けられ、かつ、床高の異なる複数のフロア31と、を備え、複数のフロア31のうちの2つは、中央階段21に繋がり、かつ、中央階段21とは異なる移動通路41によって互いに繋がる。
【0090】
この構成によれば、フロア間を中央階段21または移動通路41によって移動できるため、フロア間の移動が行いやすい。したがって、人は、フロア間におけるコミュニケーションを行いやすい。
【0091】
(2)複数のフロア31は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34とは異なる第1フロア32を含み、第1フロア32は、中央階段21に繋がらず、かつ、複数のフロア31のうちの第1フロア32以外のフロアの少なくとも1つと直接または間接的に繋がる。
【0092】
この構成によれば、第1フロア32以外のフロアの少なくとも1つから第1フロア32に移動できるため、第1フロア32にいる人と、第1フロア32以外にいる人とがコミュニケーションを取りやすい。
【0093】
(3)第1フロア32の天井高は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34のいずれの天井高よりも低い。
【0094】
この構成によれば、第1フロア32は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34よりも天井高が低いため、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34よりも建築物1における配置の自由度が高い。
【0095】
(4)中央階段21に繋がる2つのフロア33,34のうちの一方は、第2フロア33であり、第2フロア33は、中央階段21に繋がり、第2フロア33の床高は、第1フロア32の床高よりも低く、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34のうちの他方は、第3フロア34であり、第3フロア34は、中央階段21に繋がり、第3フロア34の床高は、第2フロア33の床高よりも低く、第1フロア32は、移動通路41によって、第2フロア33および第3フロア34の少なくとも1つからのみ、移動可能である。
【0096】
この構成によれば、第2フロア33および第3フロア34の少なくとも1つから第1フロア32に移動できるため、第1フロア32にいる人と、第2フロア33および第3フロア34の少なくとも1つにいる人とがコミュニケーションを取りやすい。
【0097】
(5)第1フロア32は、居住空間に対応する第1居住領域RA1を有し、第2フロア33は、居住空間に対応する第2居住領域RA2を有し、建築物1の高さ方向Zにおいて、第2居住領域RA2は、第1居住領域RA1と重ならない。この構成によれば、第2居住領域RA2は、天井高を高くできる。
【0098】
(6)第3フロア34は、居住空間に対応する第3居住領域RA3を有し、建築物1の高さ方向Zにおいて、前記第3居住領域RA3は、第2居住領域RA2と重ならない。この構成によれば、第3居住領域RA3は、天井高を高くできる。
【0099】
(7)建築物1は、第1外壁11と、第1外壁11と対向する第2外壁12と、を含み、第2フロア33は、第1外壁11に面し、かつ、第1外壁11と反対側において、平面視で第1フロア32に隣接し、第1フロア32は、第2外壁12に面し、かつ、第2外壁12と反対側において、平面視で第2フロア33に隣接し、第1フロア32と、第2フロア33との間には、第1境界面BS1が定義され、第1外壁11のうちの少なくとも第1境界面BS1に対向する部分には、第1採光部51が設けられる。この構成によれば、第1採光部51によって、第2フロア33に光を取り込むことができる。
【0100】
(8)第1フロア32と第2フロア33との間には、第1境界面BS1に沿う第1壁61が設けられ、第1壁61には、第2フロア33と第3フロア34とを繋ぐ第1開口部62が設けられる。
【0101】
この構成によれば、第1採光部51から差し込む光を、第1開口部62を介して第2フロア33よりも下のフロアに取り込むことができる。
【0102】
(9)第1開口部62には、第2フロア33と第3フロア34とを繋ぐ移動通路41が設けられる。
【0103】
この構成によれば、移動通路41によって、人は第2フロア33から第3フロア34に移動できる。
【0104】
(10)第3フロア34は、第2外壁12に面し、かつ、第2外壁12と反対側において、平面視で第2フロア33に隣接し、第2フロア33と第3フロア34との間には第2境界面BS2が定義され、第2外壁12の少なくとも第2境界面BS2に対向する部分には、第2採光部52が設けられる。
【0105】
この構成によれば、第2採光部52によって、第3フロア34に光を取り込むことができる。
【0106】
(11)第2フロア33と第3フロア34との間には、第2境界面BS2に沿う第2壁63が設けられ、第2壁63には、第2開口部64が設けられる。
【0107】
この構成によれば、第1採光部51から差し込む光を、第2開口部64を介して第3フロア34よりも下のフロアに取り込むことができる。
【0108】
(12)第2採光部52は、室外に開口する外壁開口部15を含み、第3フロア34は、外壁開口部15を介して、外に繋がる第1領域34Aを有する。
【0109】
この構成によれば、外壁開口部15によって、第1領域34Aに光を取り込むことができる。
【0110】
(13)建築物1は、第1外壁11と第2外壁12とを接続する第3外壁13をさらに含み、外壁開口部15は、第1外壁開口部15Aと、第2外壁開口部15Bと、を含み、第1外壁開口部15Aは、第2外壁12に設けられ、第2外壁開口部15Bは、第3外壁13に設けられる。
【0111】
この構成によれば、第1外壁開口部15Aおよび第2外壁開口部15Bによって、第1領域34Aに光を取り込むことができる。
【0112】
(14)第1領域34Aは、入隅部34Eを含む。この構成によれば、建築物1に第1領域34Aを配置することができる。
【0113】
(15)第1領域34Aは、建築物1の高さ方向Zにおいて、第1フロア32の真下に位置する。
【0114】
この構成によれば、第1採光部51から差し込む光を、第1開口部62を介して第1領域34Aに取り込むことができる。
【0115】
(16)第3フロア34は、出入口34Cを有する壁34Dによって、第1領域34Aと仕切られる第2領域34Bをさらに有する。
【0116】
この構成によれば、人は、出入口34Cを有する壁34Dによって、第1領域34Aと第2領域34Bとを行き来できる。
【0117】
(17)複数のフロア31は、中央階段21に繋がる2つのフロア33,34および第1フロア32と異なる第4フロア35をさらに含み、第4フロア35の床高は、第1フロア32の床高よりも低く、かつ、第2フロア33よりも高く、第4フロア35は、中央階段21に繋がり、かつ、室外に開口する天井開口部2Aを介して外に繋がる。
【0118】
この構成によれば、人は、第4フロア35において、天井開口部2Aを介して解放感を得ることができる。
【0119】
<変更例>
上記実施形態は、建築物1が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。建築物1は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変更例を示す。
【0120】
(1)建築物1の形状は、矩形に限定されない。例えば、建築物1の形状は、平面視において、三角形でもよい。建築物1の形状は、平面視において、台形でもよく、円形でもよく、楕円形でもよく、半円形でもよい。
【0121】
(2)複数のフロア31の各フロアの形状は、矩形に限定されない。例えば、複数のフロア31の各フロアの形状は、平面視において、三角形でもよい。複数のフロア31の各フロアの形状は、平面視において、台形でもよく、円形でもよく、楕円形でもよく、半円形でもよい。
【0122】
(3)第4外壁開口部15D、第5外壁開口部15E、第6外壁開口部15F、第7外壁開口部15G、第8外壁開口部15H、第9外壁開口部15K、第10外壁開口部15M、第11外壁開口部15N、第12外壁開口部15P、第13外壁開口部15R、第14外壁開口部15S、および、第15外壁開口部15Tの少なくとも1つは、省略されてもよい。
【0123】
本明細書には以下の技術が開示される。
[付記1]
建築物であって、中央階段と、前記中央階段の周囲に設けられ、かつ、床高の異なる複数のフロアと、を備え、前記複数のフロアのうちの2つは、前記中央階段に繋がり、かつ、前記中央階段とは異なる移動通路によって互いに繋がる。
【0124】
[付記2]
付記1に記載の建築物であって、前記複数のフロアは、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアとは異なる第1フロアを含み、前記第1フロアは、前記中央階段に繋がらず、かつ、前記複数のフロアのうちの前記第1フロア以外のフロアの少なくとも1つと直接または間接的に繋がる。
【0125】
[付記3]
付記2に記載の建築物であって、前記第1フロアの天井高は、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのいずれの天井高よりも低い。
【0126】
[付記4]
付記3に記載の建築物であって、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのうちの一方は、第2フロアであり、前記第2フロアは、前記中央階段に繋がり、前記第2フロアの床高は、前記第1フロアの床高よりも低く、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアのうちの他方は、第3フロアであり、前記第3フロアは、前記中央階段に繋がり、前記第3フロアの床高は、前記第2フロアの床高よりも低く、前記第1フロアは、前記移動通路によって、前記第2フロアおよび前記第3フロアの少なくとも1つからのみ、移動可能である。
【0127】
[付記5]
付記4に記載の建築物であって、前記第1フロアは、居住空間に対応する第1居住領域を有し、前記第2フロアは、居住空間に対応する第2居住領域を有し、前記建築物の高さ方向において、前記第2居住領域は、前記第1居住領域と重ならない。
【0128】
[付記6]
付記5に記載の建築物であって、前記第3フロアは、居住空間に対応する第3居住領域を有し、前記建築物の高さ方向において、前記第3居住領域は、前記第2居住領域と重ならない。
【0129】
[付記7]
付記6に記載の建築物であって、前記建築物は、第1外壁と、前記第1外壁と対向する第2外壁と、を含み、前記第2フロアは、前記第1外壁に面し、かつ、前記第1外壁と反対側において、平面視で前記第1フロアに隣接し、前記第1フロアは、前記第2外壁に面し、かつ、前記第2外壁と反対側において、平面視で前記第2フロアに隣接し、前記第1フロアと、前記第2フロアとの間には、第1境界面が定義され、前記第1外壁のうちの少なくとも前記第1境界面に対向する部分には、第1採光部が設けられる。
【0130】
[付記8]
付記7に記載の建築物であって、前記第1フロアと前記第2フロアとの間には、前記第1境界面に沿う第1壁が設けられ、前記第1壁には、前記第2フロアと前記第3フロアとを繋ぐ第1開口部が設けられる。
【0131】
[付記9]
付記8に記載の建築物であって、前記第1開口部には、前記第2フロアと前記第3フロアとを繋ぐ前記移動通路が設けられる。
【0132】
[付記10]
付記9に記載の建築物であって、前記第3フロアは、前記第2外壁に面し、かつ、前記第2外壁と反対側において、平面視で前記第2フロアに隣接し、
前記第2フロアと前記第3フロアとの間には第2境界面が定義され、
前記第2外壁の少なくとも前記第2境界面に対向する部分には、第2採光部が設けられる。
【0133】
[付記11]
付記10に記載の建築物であって、前記第2フロアと前記第3フロアとの間には、前記第2境界面に沿う第2壁が設けられ、前記第2壁には、第2開口部が設けられる。
【0134】
[付記12]
付記11に記載の建築物であって、前記第2採光部は、室外に開口する外壁開口部を含み、前記第3フロアは、前記外壁開口部を介して、外に繋がる第1領域を有する。
【0135】
[付記13]
付記12に記載の建築物であって、前記建築物は、前記第1外壁と前記第2外壁とを接続する第3外壁をさらに含み、前記外壁開口部は、第1外壁開口部と、第2外壁開口部と、を含み、前記第1外壁開口部は、前記第2外壁に設けられ、前記第2外壁開口部は、前記第3外壁に設けられる。
【0136】
[付記14]
付記13に記載の建築物であって、前記第1領域は、入隅部を含む。
【0137】
[付記15]
付記14に記載の建築物であって、前記第1領域は、前記建築物の高さ方向において、前記第1フロアの真下に位置する。
【0138】
[付記16]
付記15に記載の建築物であって、前記第3フロアは、出入口を有する壁によって、前記第1領域と仕切られる第2領域をさらに有する。
【0139】
[付記17]
付記4に記載の建築物であって、前記複数のフロアは、前記中央階段に繋がる前記2つのフロアおよび前記第1フロアと異なる第4フロアをさらに含み、前記第4フロアの床高は、前記第1フロアの床高よりも低く、かつ、前記第2フロアよりも高く、前記第4フロアは、前記中央階段に繋がり、かつ、室外に開口する天井開口部を介して外に繋がる。
【符号の説明】
【0140】
1…建築物、2A…天井開口部、11…第1外壁、12…第2外壁、13…第3外壁、15…外壁開口部、15A…第1外壁開口部、15B…第2外壁開口部、21…中央階段、31…複数のフロア、32…第1フロア、33…第2フロア、34…第3フロア、34A…第1領域、34B…第2領域、34C…出入口、34D…壁、34E…入隅部、35…第4フロア、41…移動通路、51…第1採光部、52…第2採光部、61…第1壁、62…第1開口部、63…第2壁、64…第2開口部、BS1…第1境界面、BS2…第2境界面、RA1…第1居住領域、RA2…第2居住領域、RA3…第3居住領域、Z…高さ方向。