IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ユニオン産業の特許一覧

<>
  • 特開-クリップ 図1
  • 特開-クリップ 図2
  • 特開-クリップ 図3
  • 特開-クリップ 図4
  • 特開-クリップ 図5
  • 特開-クリップ 図6
  • 特開-クリップ 図7
  • 特開-クリップ 図8
  • 特開-クリップ 図9
  • 特開-クリップ 図10
  • 特開-クリップ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012572
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   B42F 1/02 20060101AFI20250117BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B42F1/02 B
F16B2/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115489
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】597114041
【氏名又は名称】株式会社ユニオン産業
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】森川 真彦
【テーマコード(参考)】
2C017
3J022
【Fターム(参考)】
2C017BA02
2C017CA02
2C017DA02
3J022DA12
3J022DA14
3J022EA02
3J022EB03
3J022EC02
3J022FA05
3J022FB08
3J022HA02
3J022HA05
3J022HB02
3J022HB06
(57)【要約】
【課題】部品点数が少なく構造が簡単で組立作業も容易なクリップを提供すること。
【解決手段】対向して設置した第1,第2のクリップ本体10-1,2の間に弾発体50を設置し、弾発体50の両端を第1,第2のクリップ本体10-1,2に設けた取付部15にそれぞれ取り付けたクリップ1-1である。弾発体50によって第1,第2のクリップ本体10-1、2を揺動自在に支持する。板バネ製の弾発体50は、湾曲部51と、一対のアーム部53と、アーム部53中に設けられるクリップ本体取付部61とを具備する。クリップ本体取付部61は、一対のスリット55間に係止部57を設け、且つ両スリット55の外側に一対の固定部59を設けて構成される。第1,第2のクリップ本体10-1,2には、弾発体50の固定部59を挿入する固定部挿入部19と、弾発体50の係止部57に係止する被係止部17とを設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に挟持部、他端側につまみ部をそれぞれ設けた第1のクリップ本体及び第2のクリップ本体を対向して設置し、
前記第1のクリップ本体と前記第2のクリップ本体の対向面である弾発体取付面の間に弾発体を設置し、
前記弾発体の両端にそれぞれ設けたクリップ本体取付部を、それぞれ前記第1のクリップ本体の弾発体取付面に設けた取付部と前記第2のクリップ本体の弾発体取付面に設けた取付部に取り付けることで、前記弾発体によって前記第1のクリップ本体と前記第2のクリップ本体とを揺動自在に支持すると同時に前記第1のクリップ本体の挟持部と前記第2のクリップ本体の挟持部とを前記弾発体の弾発力によって弾接させる構造であり、
前記弾発体は、板ばねの中央を湾曲させた湾曲部と、前記湾曲部の両側から延びる一対のアーム部と、前記一対のアーム部中に設けられる前記クリップ本体取付部とを具備し、
前記弾発体のクリップ本体取付部は、前記アーム部の先端辺に一対のスリットを併設することで両スリット間に係止部を設け、且つ前記両スリットの外側に一対の固定部を設けて構成され、
前記第1のクリップ本体の取付部と前記第2のクリップ本体の取付部は、前記弾発体の固定部を挿入して前記アーム部の前記弾発体取付面からの離間を規制する固定部挿入部と、前記弾発体の係止部に係止して前記アーム部の前記弾発体取付面上での移動を規制する被係止部とを有して構成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップであって、
前記弾発体の係止部は、当該係止部内に係止用開口を設けて構成されており、
前記第1のクリップ本体の被係止部と前記第2のクリップ本体の被係止部は、前記弾発体の係止用開口に係止される突起によって構成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項2に記載のクリップであって、
前記第1のクリップ本体の固定部挿入部と前記第2のクリップ本体の固定部挿入部は、前記弾発体の一対の固定部を、挟持部側からつまみ部側に向けてスライド自在に挿入する挿入溝を有して構成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項4】
請求項3に記載のクリップであって、
前記第1のクリップ本体の固定部挿入部と前記第2のクリップ本体の固定部挿入部は、前記弾発体取付面の前記被係止部を囲む四角形の内の前記挟持部側の辺を除く3辺を有する凸条部によって構成され、
前記凸条部の3辺の内の前記挟持部側からつまみ部側を見て左右の辺の対向する内側面に前記挿入溝を設け、
前記凸条部の3辺の内の中央の辺の内側面を前記弾発体のアーム部の先端辺を当接させる当接部としたことを特徴とするクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を挟んで固定したり、開封した袋の口を閉じたりする等の各種用途に使用されるクリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一端側に挟持部、他端側につまみ部をそれぞれ設けた一対のクリップ本体を揺動自在に連結し、その連結軸回りにバネ(弾発体)を取り付けて前記一対のクリップ本体の挟持部同士を弾接させる構造のクリップがあった(例えば特許文献1参照)。この種のクリップによれば、両者のつまみ部を挟持することで、前記バネの弾発力に抗して両挟持部間を開き、書類などを挟んで固定したり、開封した袋の口を閉じたりすること等を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-180164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来のクリップには、以下のような課題があった。
(1)両クリップ本体に、両クリップ本体間を揺動自在に連結させる連結構造を形成しなければならないので、両クリップ本体の構造が複雑になってしまう。また別途軸部材などを取り付けることで両クリップ本体間を揺動自在に連結しようとした場合、部品点数が増加してしまう。
【0005】
(2)両クリップ本体間を揺動自在に連結させたり、両クリップ本体の間にバネを取り付けたりする組立作業が煩雑になってしまう。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、部品点数が少なく、構造が簡単で組立作業も容易に行えるクリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るクリップは、一端側に挟持部、他端側につまみ部をそれぞれ設けた第1のクリップ本体及び第2のクリップ本体を対向して設置し、前記第1のクリップ本体と前記第2のクリップ本体の対向面である弾発体取付面の間に弾発体を設置し、前記弾発体の両端にそれぞれ設けたクリップ本体取付部を、それぞれ前記第1のクリップ本体の弾発体取付面に設けた取付部と前記第2のクリップ本体の弾発体取付面に設けた取付部に取り付けることで、前記弾発体によって前記第1のクリップ本体と前記第2のクリップ本体とを揺動自在に支持すると同時に前記第1のクリップ本体の挟持部と前記第2のクリップ本体の挟持部とを前記弾発体の弾発力によって弾接させる構造であり、前記弾発体は、板ばねの中央を湾曲させた湾曲部と、前記湾曲部の両側から延びる一対のアーム部と、前記一対のアーム部中に設けられる前記クリップ本体取付部とを具備し、前記弾発体のクリップ本体取付部は、前記アーム部の先端辺に一対のスリットを併設することで両スリット間に係止部を設け、且つ前記両スリットの外側に一対の固定部を設けて構成され、前記第1のクリップ本体の取付部と前記第2のクリップ本体の取付部は、前記弾発体の固定部を挿入して前記アーム部の前記弾発体取付面からの離間を規制する固定部挿入部と、前記弾発体の係止部に係止して前記アーム部の前記弾発体取付面上での移動を規制する被係止部とを有して構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体と弾発体の3部品のみでクリップを構成することができる。
また弾発体が第1のクリップ本体と第2のクリップ本体とを揺動自在に支持する構成なので、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体間を直接連結する連結機構を設ける必要が無く、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体の構造の簡素化を図ることができる。
弾発体の固定部を、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体それぞれの固定部挿入部に挿入してアーム部の弾発体取付面からの離間を規制し、且つ弾発体の係止部を、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体それぞれの被係止部に係止してアーム部の弾発体取付面上での移動を規制するので、容易且つ確実に弾発体の両アーム部を第1のクリップ本体と第2のクリップ本体に固定することができる。
【0008】
また本発明は、上記特徴に加え、前記弾発体の係止部は、当該係止部内に係止用開口を設けて構成されており、前記第1のクリップ本体の被係止部と前記第2のクリップ本体の被係止部は、前記弾発体の係止用開口に係止される突起によって構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、弾発体の一対の係止用開口に、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体それぞれの被係止部を係止するだけで、容易にアーム部の弾発体取付面上での移動を規制することができる。
【0009】
また本発明は、上記特徴に加え、前記第1のクリップ本体の固定部挿入部と前記第2のクリップ本体の固定部挿入部は、前記弾発体の一対の固定部を、挟持部側からつまみ部側に向けてスライド自在に挿入する挿入溝を有して構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、弾発体の一対の固定部を、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体それぞれの挿入溝にスライド自在に挿入するだけで、容易にアーム部の弾発体取付面からの離間を規制することができる。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記第1のクリップ本体の固定部挿入部と前記第2のクリップ本体の固定部挿入部は、前記弾発体取付面の前記被係止部を囲む四角形の内の前記挟持部側の辺を除く3辺を有する凸条部によって構成され、前記凸条部の3辺の内の前記挟持部側からつまみ部側を見て左右の辺の対向する内側面に前記挿入溝を設け、前記凸条部の3辺の内の中央の辺の内側面を前記弾発体のアーム部の先端辺を当接させる当接部としたことを特徴としている。
本発明によれば、第1のクリップ本体と第2のクリップ本体にそれぞれ凸条部を設けることで、一対ずつの挿入溝を容易に形成することができ、同時にアーム部の先端辺を当接部に当接させることで、アーム部の弾発体取付面上での移動を規制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部品点数を少なくでき、また構造が簡単で組立作業も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】クリップ1-1の斜視図である。
図2】クリップ1-1の断面図(図1のA-A断面図)である。
図3】第1のクリップ本体10-1(または第2のクリップ本体10-2)の斜視図である。
図4】つまみ部31の断面拡大図(図3のB-B断面拡大矢視図)である。
図5】弾発体50の斜視図である。
図6】弾発体50の側面図である。
図7】弾発体50を図6に示す矢印C方向から見た図である。
図8】クリップ本体取付部61の取付部15への取付状態を示す断面図である。
図9】クリップ1-1の使用方法説明用断面図である。
図10】クリップ1-2の斜視図である。
図11】クリップ1-2の使用方法説明用側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるクリップ1-1の斜視図、図2はクリップ1-1の断面図(図1のA-A断面図)である。これらの図に示すように、クリップ1-1は、第1のクリップ本体10-1と、第2のクリップ本体10-2と、弾発体50とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは下記する第1,第2のクリップ本体10-1,2の挟持部11からつまみ部31側を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0014】
第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2は同一なので両者に同一の符号を付し、以下の説明では主として第1のクリップ本体10-1について説明する。図3は第1のクリップ本体10-1(または第2のクリップ本体10-2)の斜視図(下記する弾発体取付面13側から見た斜視図)である。
【0015】
同図に示すように、第1のクリップ本体10-1は合成樹脂の一体成形品であり、略平板状で全体として略T字形状に構成されており、一端側(下側)を挟持部11とし、他端側(上側)をつまみ部31としている。第1のクリップ本体10-1の一方の面(弾発体50を設置する側の面)は、弾発体取付面13となっている。
【0016】
挟持部11は幅方向に長尺で略長方形平板状に形成されている。挟持部11の弾発体取付面13の下側の端辺近傍部分(つまみ部30から離れた側の辺)には、当該辺に沿う方向に延びる直線凹凸状の挟持当接部12が形成されている。
【0017】
つまみ部31は挟持部11の上側の辺の中央から上方向に向かって略平板状に突出するように形成されている。つまみ部31の弾発体取付面13には、下記する弾発体50のアーム部53を取り付ける取付部15が形成されている。
【0018】
図4はつまみ部31の断面拡大図(図3のB-B断面拡大矢視図)である。同図及び図3に示すように、取付部15は、つまみ部31のほぼ中央に設けられる突起状の被係止部17と、被係止部17の周囲を囲むように設けられる略コ字状の凸条部(線状突起)である固定部挿入部19とを具備して構成されている。
【0019】
被係止部17は、挟持部11側からつまみ部31側に向かって弾発体取付面13から離れていく方向に傾斜する傾斜面を具備して爪状に突出する小突起である。
【0020】
固定部挿入部19は、被係止部17を囲んで略コ字状に形成された凸条部によって構成されている。即ち、固定部挿入部19は、被係止部17を囲む四角形の内の挟持部11側の辺を除く略コ字状で凸条の3辺19A,19B,19Cによって構成されている。固定部挿入部19を挟持部11側から見て左右の辺19A,19Cの対向する内側面には、直線でスリット状の挿入溝21,21が形成されている。またもう1つの中央の辺19Bの内側面は、前記挿入溝21,21を設けた部分も含め全体にわたって直線状の同一面となっており、この面を下記する弾発体50のアーム部53の先端辺53aを当接させる当接部23としている。
【0021】
図5図7は、力が加わらない状態の弾発体50を示す図であり、図5は斜視図、図6は側面図、図7図6を矢印C方向から見た図である。これらの図及び図2に示すように、弾発体50は、略平板矩形状の板バネ材からなり、当該板バネの中央部分を所望の曲率半径で湾曲させた湾曲部51とし、湾曲部51の両側から延びる直線状の部分を一対のアーム部53,53として構成されている。両アーム部53,53は先端方向に向かって離間していく(開いていく)形状となっている。
【0022】
一対のアーム部53,53の先端辺53a,53aにはこれを切り欠くように、それぞれ一対のスリット55,55を併設して平行に設けており、これによって各アーム部53の両スリット55,55の間の部分を係止部57とし、両スリット55,55の外側の部分を一対の固定部59,59としている。これら各アーム部53中に設けられた係止部57と固定部59,59を、前記第1,第2のクリップ本体10-1,2それぞれの取付部15に取り付けられるクリップ本体取付部61ということとする。
【0023】
係止部57は、その内部に矩形状であって前記第1,第2のクリップ本体10-1,2の被係止部17を係止する大きさの係止用開口63を設けて構成されている。
【0024】
クリップ1-1を組み立てるには、弾発体50の一対のアーム部53,53それぞれの先端部分、即ちクリップ本体取付部61,61の部分を、それぞれ第1,第2のクリップ本体10-1,2の取付部15に取り付ける。取付方法としては、クリップ本体取付部61の左右の固定部59を、取付部15の固定部挿入部19の下側から、即ち挟持部11側からつまみ部31側に向けて、その挿入溝21内にスライド移動によって挿入し、固定部59の先端辺53aを辺19Bの当接部23に当接する。このスライド移動の際、同時に、クリップ本体取付部61中央の係止部57の先端辺53aを、被係止部17に当接させて被係止部17の傾斜面上を摺動させることで、係止部57を弾発体取付面13から離れる方向に移動させ(浮かせ)、その後被係止部17を係止用開口63に挿入させると同時に係止部57を弾発体取付面13に再び当接させ、即ちスナップイン係合させ、同時に係止部57の先端辺53aを辺19Bの当接部23に当接させる。図8はクリップ本体取付部61の取付部15への取付状態を示す断面図(図4と同一部分での断面図)である。
【0025】
これによって、弾発体50の固定部59を、第1,第2のクリップ本体10-1,2それぞれの固定部挿入部19に挿入してアーム部53の弾発体取付面13からの離間を規制し、且つ弾発体50の係止部57を、第1,第2のクリップ本体10-1,2それぞれの被係止部17に係止してアーム部53の弾発体取付面13上での移動を規制し、さらには弾発体50のアーム部53の先端辺53aを第1,第2のクリップ本体10-1,2それぞれの当接部23に当接させてアーム部53の弾発体取付面13上での移動を規制するので、容易且つ確実に弾発体50の両アーム部53を第1,第2のクリップ本体10-1,2に固定することができる。
【0026】
これによって図1図2に示すように、第1のクリップ本体10-1及び第2のクリップ本体10-2は、それらの弾発体取付面13が対向するようにして設置され、当該弾発体取付面13の間に弾発体50を設置した構造となる。そして弾発体50の弾発力によって第1,第2のクリップ本体10-1,2それぞれの挟持部11の挟持当接面12同士が弾接される。
【0027】
一方、図9に矢印Dで示すように、第1,第2のクリップ本体10-1,2のつまみ部31,31同士を両者が接近する方向に挟持すると、弾発体50の湾曲部51の湾曲度が増し、当該湾曲部51を中心にして第1,第2のクリップ本体10-1,2が揺動し、両挟持当接面12間が開く。この状態で両挟持当接面12間に書類や袋の開口部を挿入し、前記つまみ部31間の挟持を解除すれば、両挟持当接面12間が閉じ、書類や袋の開口部を挟持できる。
【0028】
図10は第2実施形態にかかるクリップ1-2を示す図である。同図に示すクリップ1-2において、前記図1図9に示す実施形態にかかるクリップ1-1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1図9に示す実施形態と同じである。
【0029】
このクリップ1-2において前記クリップ1-1と相違する点は、第1,第2のクリップ本体10-1,2にそれぞれストッパー41を設けた点のみである。ストッパー41は、固定部挿入部19の挿入溝21を設けた一方の辺19Aの背面上から所定寸法突出するように形成されている。ストッパー41は三角形の平板状に形成されている。
【0030】
このように構成されたクリップ1-2の両つまみ部31を挟持すれば、図11に示すように、両挟持当接面12間が開くが、開いていく途中でストッパー41の先端部分が対向する他方の固定部挿入部19の辺19Cの背面に当接し、それよりも開くことを制止する。これによって両挟持当接面12間が開く量を規制でき、開き過ぎることを防止できる。
【0031】
なお弾発体50の材質や厚みなどによってその弾発力を強くすることで開き過ぎることを抑制できるようにしておけば、ストッパー41を設けなくても開き過ぎを防止できる。また第1,第2のクリップ本体10-1,2のつまみ部31,31の上端同士が当接するまで開く構成とするならば、ストッパー41が不要であることはいうまでもない。
【0032】
以上説明したように、クリップ1-1,1-2は、一端側に挟持部11、他端側につまみ部31をそれぞれ設けた第1のクリップ本体10-1及び第2のクリップ本体10-2を対向して設置し、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2の対向面である弾発体取付面13の間に弾発体50を設置し、弾発体50の両端にそれぞれ設けたクリップ本体取付部61を、それぞれ第1のクリップ本体10-1の弾発体取付面13に設けた取付部15と第2のクリップ本体10-2の弾発体取付面13に設けた取付部15に取り付けることで、弾発体50によって第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2とを揺動自在に支持すると同時に第1のクリップ本体10-1の挟持部11と第2のクリップ本体10-2の挟持部11とを弾発体50の弾発力によって弾接させる構造であり、弾発体50は、板バネの中央を湾曲させた湾曲部51と、湾曲部51の両側から延びる一対のアーム部53と、一対のアーム部53中に設けられる前記クリップ本体取付部61とを具備し、クリップ本体取付部61は、アーム部53の先端辺53aに一対のスリット55を併設することで両スリット55間に係止部57を設け、且つ両スリット55の外側に一対の固定部59を設けて構成され、第1のクリップ本体10-1の取付部15と第2のクリップ本体10-2の取付部15は、弾発体50の固定部59を挿入してアーム部53の弾発体取付面13からの離間を規制する固定部挿入部19と、弾発体50の係止部57に係止してアーム部53の弾発体取付面13上での移動を規制する被係止部17とを有して構成されている。
【0033】
そしてこのクリップ1-1,1-2は、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2と弾発体50の3部品のみで構成されるので、部品点数を削減できる。
【0034】
また弾発体50自体が第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2とを揺動自在に支持する構成なので、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2間を直接連結する連結機構を設ける必要が無く、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2の構造の簡素化を図ることができる。
【0035】
また弾発体50のクリップ本体取付部61両側の固定部59を、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2それぞれの固定部挿入部19に挿入してアーム部53の弾発体取付面13からの離間を規制し、且つ弾発体50のクリップ本体取付部61中央の係止部57を、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2それぞれの被係止部17に係止してアーム部53の弾発体取付面13上での移動を規制するので、容易且つ確実に弾発体50の両アーム部53を第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2に固定することができる。
【0036】
またクリップ1-1,1-2は、弾発体50の係止部57を、係止部57内に係止用開口63を設けて構成し、第1のクリップ本体10-1の被係止部17と第2のクリップ本体10-2の被係止部17を、弾発体50の係止用開口63に係止する突起によって構成しているので、容易にアーム部53の弾発体取付面13上での移動を規制することができる。
【0037】
またクリップ1-1,1-2は、第1のクリップ本体10-1の固定部挿入部19と第2のクリップ本体10-2の固定部挿入部19が、弾発体50の一対の固定部59を、挟持部11側からつまみ部31側に向けてスライド自在に挿入する挿入溝21を有して構成されているので、弾発体50の一対の固定部59を、第1のクリップ本体10-1と第2のクリップ本体10-2それぞれの挿入溝21にスライド自在に挿入するだけで、容易にアーム部53の弾発体取付面13からの離間を規制することができる。
【0038】
またクリップ1-1,1-2は、第1のクリップ本体10-1の固定部挿入部19と第2のクリップ本体10-2の固定部挿入部19を、弾発体取付面13の被係止部17を囲む四角形の内の挟持部11側の辺を除く3辺19A~19Cを有する凸条部19によって構成し、前記凸条部19の内の挟持部11側からつまみ部31側を見て左右の辺19A,19Cの対向する内側面に挿入溝21を設け、前記凸条部19の内の中央の辺19Bの内側面を弾発体50のアーム部53の先端辺53aを当接させる当接部23としたので、挿入溝21を容易に形成することができ、またアーム部53の先端辺53aを当接部23に当接させることでクリップ本体取付部61の弾発体取付面13上での移動を規制することができる。
【0039】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、第1,第2のクリップ本体10-1,2と弾発体50の形状や構造は種々の変更が可能である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
1-1,1-2 クリップ
10-1 第1のクリップ本体
10-2 第2のクリップ本体
11 挟持部
13 弾発体取付面
15 取付部
17 被係止部(突起)
19 固定部挿入部(凸条部)
21 挿入溝
23 当接部
31 つまみ部
50 弾発体
51 湾曲部
53 アーム部
53a 先端辺
55 スリット
57 係止部
59 固定部
61 クリップ本体取付部
63 係止用開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11