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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012585
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】撮影システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20250117BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20250117BHJP
   G05D 1/46 20240101ALI20250117BHJP
【FI】
E02F9/26 B
E02F9/24 B
G05D1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115513
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】幟立 晃
(72)【発明者】
【氏名】田中 精一
【テーマコード(参考)】
2D015
5H301
【Fターム(参考)】
2D015GA03
2D015GB07
2D015HA03
5H301AA03
5H301BB10
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG17
5H301QQ04
(57)【要約】
【解決手段】第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、特定箇所を撮影している第1の撮影装置または特定箇所を撮影していない第2の撮影装置が予め定められた条件を満たしたことに応じて第2の撮影装置が特定箇所の撮影を開始した場合に、表示装置の表示画像を第1の撮影装置による画像から第2の撮影装置による画像に切り替えさせる画像切替部とを備える撮影システムを提供する。撮影システムは、特定箇所を撮影している第1の撮影装置または特定箇所を撮影していない第2の撮影装置が予め定められた条件を満たしたことに応じて、第2の撮影装置に、特定箇所を撮影可能な場所へと移動させて特定箇所の撮影を開始させる撮影指示部を更に備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、
特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置または前記特定箇所を撮影していない前記第2の撮影装置が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記第2の撮影装置が前記特定箇所の撮影を開始した場合に、表示装置の表示画像を前記第1の撮影装置による画像から前記第2の撮影装置による画像に切り替えさせる画像切替部と
を備える撮影システム。
【請求項2】
前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置または前記特定箇所を撮影していない前記第2の撮影装置が前記予め定められた条件を満たしたことに応じて、前記第2の撮影装置に、前記特定箇所を撮影可能な場所へと移動させて前記特定箇所の撮影を開始させる撮影指示部を更に備える、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記第1の撮影装置および前記第2の撮影装置は飛行体である、
請求項2に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記撮影指示部は、前記特定箇所を撮影している状態の前記第1の撮影装置の位置情報および撮影設定情報の少なくとも何れかを取得して前記第2の撮影装置に提供する、
請求項3に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記表示装置の前記表示画像が前記第1の撮影装置による画像から前記第2の撮影装置による画像に切り替えられたことに応じて、前記第1の撮影装置による前記特定箇所の撮影を終了させる終了指示部を更に備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記予め定められた条件は、前記第1の撮影装置の電池残量が予め定められた閾値以下となること、前記第1の撮影装置に異常又は故障が生じること、前記第1の撮影装置の予め定められたメンテナンスタイミングとなること、および、飛行体である前記第1の撮影装置の現在の連続飛行時間が予め定められた時間以上となること、のうちの少なくとも何れかを含む、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記予め定められた条件は、前記第2の撮影装置の電池残量が予め定められた閾値以上となることを含む、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記予め定められた条件は、前記特定箇所に含まれる作業対象に対して作業する作業機械が前記作業対象に対する作業を行わない非作業状態に移行したことに応じて前記第1の撮影装置が前記特定箇所の撮影を中断可能な状態になることを含む、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項9】
前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置が前記予め定められた条件を満たした後、前記第2の撮影装置が撮影開始に適さない状態である場合には、ユーザに警告する警告部を更に備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項10】
前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置が前記予め定められた条件を満たした後、前記第2の撮影装置が撮影開始に適さない状態である場合には、前記第2の撮影装置による前記特定箇所の撮影開始を待たずに前記第1の撮影装置による前記特定箇所の撮影を終了させる終了指示部を更に備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項11】
前記特定箇所を撮影していない2以上の前記第2の撮影装置の電池残量に関する電池残量情報を取得する情報取得部と、
前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置が前記予め定められた条件を満たしたことに応じて、前記2以上の第2の撮影装置の前記電池残量情報に基づき、前記2以上の第2の撮影装置の中で、電池残量が最も多い前記第2の撮影装置、および、充電完了している前記第2の撮影装置、のうちの少なくとも何れかを選定し、選定した前記第2の撮影装置に前記特定箇所の撮影を開始させる選定部を更に備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の撮影システム。
【請求項12】
第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得される画像を表示する表示部と、
前記第1の撮影装置による画像に映る特定箇所が、前記第2の撮影装置から取得し始めた画像に映っていることに応じて、前記表示部に、前記第1の撮影装置による画像の表示から前記第2の撮影装置による画像の表示に切り替えさせる画像切替部と
を備える撮影システム。
【請求項13】
第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、
特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置または前記特定箇所を撮影していない前記第2の撮影装置が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記第2の撮影装置が前記特定箇所の撮影を開始した場合に、前記第1の撮影装置による画像の録画から前記第2の撮影装置による画像の録画に切り替える画像切替部と
を備える撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「ドローン100cとドローン100dとのバッテリー105の残量が少なくなった場合には、ドローン100cとドローン100dとを離着陸部に着陸させてバッテリー105に充電させ、ドローン100aとドローン100bとを離陸させて、それぞれの撮像装置102による撮像を行うようにすればいい。」(段落0062)と記載されている。特許文献2には、「作業機械10が建築物を破壊している際のバケット145が含まれている環境画像が画像出力装置222に表示される。」(段落0029)と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2022-188250号
[特許文献2] 特開2021-17696号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、撮影システムを提供する。撮影システムは、第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置または前記特定箇所を撮影していない前記第2の撮影装置が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記第2の撮影装置が前記特定箇所の撮影を開始した場合に、表示装置の表示画像を前記第1の撮影装置による画像から前記第2の撮影装置による画像に切り替えさせる画像切替部とを備える。
【0004】
上記の何れかの撮影システムは、前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置または前記特定箇所を撮影していない前記第2の撮影装置が前記予め定められた条件を満たしたことに応じて、前記第2の撮影装置に、前記特定箇所を撮影可能な場所へと移動させて前記特定箇所の撮影を開始させる撮影指示部を更に備えてもよい。
【0005】
上記の何れかの撮影システムにおいて、前記第1の撮影装置および前記第2の撮影装置は飛行体であってもよい。
【0006】
上記の何れかの撮影システムにおいて、前記撮影指示部は、前記特定箇所を撮影している状態の前記第1の撮影装置の位置情報および撮影設定情報の少なくとも何れかを取得して前記第2の撮影装置に提供してもよい。
【0007】
上記の何れかの撮影システムは、前記表示装置の前記表示画像が前記第1の撮影装置による画像から前記第2の撮影装置による画像に切り替えられたことに応じて、前記第1の撮影装置による前記特定箇所の撮影を終了させる終了指示部を更に備えてもよい。
【0008】
上記の何れかの撮影システムにおいて、前記予め定められた条件は、前記第1の撮影装置の電池残量が予め定められた閾値以下となること、前記第1の撮影装置に異常又は故障が生じること、前記第1の撮影装置の予め定められたメンテナンスタイミングとなること、および、飛行体である前記第1の撮影装置の現在の連続飛行時間が予め定められた時間以上となること、のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。
【0009】
上記の何れかの撮影システムにおいて、前記予め定められた条件は、前記第2の撮影装置の電池残量が予め定められた閾値以上となることを含んでもよい。
【0010】
上記の何れかの撮影システムにおいて、前記予め定められた条件は、前記特定箇所に含まれる作業対象に対して作業する作業機械が前記作業対象に対する作業を行わない非作業状態に移行したことに応じて前記第1の撮影装置が前記特定箇所の撮影を中断可能な状態になることを含んでもよい。
【0011】
上記の何れかの撮影システムは、前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置が前記予め定められた条件を満たした後、前記第2の撮影装置が撮影開始に適さない状態である場合には、ユーザに警告する警告部を更に備えてもよい。
【0012】
上記の何れかの撮影システムは、前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置が前記予め定められた条件を満たした後、前記第2の撮影装置が撮影開始に適さない状態である場合には、前記第2の撮影装置による前記特定箇所の撮影開始を待たずに前記第1の撮影装置による前記特定箇所の撮影を終了させる終了指示部を更に備えてもよい。
【0013】
上記の何れかの撮影システムは、前記特定箇所を撮影していない2以上の前記第2の撮影装置の電池残量に関する電池残量情報を取得する情報取得部を更に備えてもよい。上記の何れかの撮影システムは、前記特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置が前記予め定められた条件を満たしたことに応じて、前記2以上の第2の撮影装置の前記電池残量情報に基づき、前記2以上の第2の撮影装置の中で、電池残量が最も多い前記第2の撮影装置、および、充電完了している前記第2の撮影装置、のうちの少なくとも何れかを選定し、選定した前記第2の撮影装置に前記特定箇所の撮影を開始させる選定部を更に備えてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、撮影システムを提供する。撮影システムは、第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部によって取得される画像を表示する表示部と、前記第1の撮影装置による画像に映る特定箇所が、前記第2の撮影装置から取得し始めた画像に映っていることに応じて、前記表示部に、前記第1の撮影装置による画像の表示から前記第2の撮影装置による画像の表示に切り替えさせる画像切替部とを備える。
【0015】
本発明の第3の態様においては、撮影システムを提供する。撮影システムは、第1の撮影装置および第2の撮影装置から画像を取得する画像取得部と、特定箇所を撮影している前記第1の撮影装置または前記特定箇所を撮影していない前記第2の撮影装置が予め定められた条件を満たしたことに応じて前記第2の撮影装置が前記特定箇所の撮影を開始した場合に、前記第1の撮影装置による画像の録画から前記第2の撮影装置による画像の録画に切り替える画像切替部とを備える。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態による撮影システム10の概略図である。
図2】第1実施形態による制御装置100のブロック図の一例である。
図3】第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。
図4】第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。
図5】第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。
図6】第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。
図7】第2実施形態による撮影システム11の概略図である。
図8】第2実施形態による表示装置406のブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、第1実施形態による撮影システム10の概略図である。撮影システム10は、2以上の撮影装置により特定箇所を順に撮影して表示される画像を見るユーザ20が、先行の撮影装置による特定箇所の撮影から後行の撮影装置による特定箇所の撮影に切り替わる際に、表示画像上で連続的または概ね連続的に特定箇所を観察し続けることを可能にする。上述の特定箇所は、壁や地面や物などの1つまたは複数の静止体のみを指してもよく、1または複数の静止体と作業機械などの移動体との両方を指してもよい。上述の画像は、静止画であってもよく動画であってもよい。上述の画像は、リアルタイムに撮影された画像であってもよく、過去に撮影された記録済画像、すなわち録画された画像であってもよい。
【0020】
本実施形態による撮影システム10は、例えば建設現場や解体現場などの作業現場30における特定箇所を2以上の撮影装置によって順に撮影し、ユーザ20が表示画像上で特定箇所を観察し続けることを可能にする。
【0021】
本実施形態による撮影システム10は、制御装置100を備える。撮影システム10は更に、1または複数の建設機械200と、それぞれが1または複数のカメラを搭載している1または複数の飛行体300とを備えてもよい。本実施形態の撮影システム10によれば、図1に示すように、1つの建設機械200と、第1飛行体301、第2飛行体302および第3飛行体303の3つの飛行体300とを備える。以降の説明では、第1飛行体301、第2飛行体302および第3飛行体303を、複数の飛行体300や複数のドローンと称したり、単に飛行体300やドローンと称したりする場合がある。換言すると、以降の説明において飛行体300やドローンと称する場合、第1飛行体301、第2飛行体302および第3飛行体303の何れかを指してもよい。
【0022】
本実施形態では、図1に示す状態において、建設機械200は作業現場30に位置しており、制御装置100は作業現場30から遠隔の地に位置している。図1に示す状態において、第1飛行体301は、作業現場30の上空を飛行しており、第2飛行体302および第3飛行体303は、作業現場30の近くに位置する待機場所40に着陸した状態で待機している。飛行体300は、作業現場30に一時的に着陸していてもよい。なお、待機場所40は、建設機械200上に位置してもよい。
【0023】
制御装置100は、一例として、撮影システム10を管理する管理サーバであり、例えば撮影システム10を管理する管理会社に設置されていてもよい。制御装置100は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってもよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、制御装置100は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、制御装置100は、撮影システム10用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。
【0024】
本実施形態において、制御装置100は、通信ネットワーク50を介して建設機械200および飛行体300と無線通信または有線通信する。制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200から特定箇所の撮影指示を受信し、少なくとも1つの飛行体300、例えば第1飛行体301に、特定箇所を撮影可能な位置へ移動させて特定箇所の撮影を開始させる指示を送信してもよい。制御装置100は、特定箇所に向かって先発させた飛行体300による特定箇所の撮影が開始され、通信ネットワーク50を介して、当該飛行体300による特定箇所の画像データを受信し始めたことに応じて、当該画像データを建設機械200に送信し始めてもよい。
【0025】
制御装置100は更に、3つの飛行体300の少なくとも何れかが予め定められた条件を満たしたことに応じて、通信ネットワーク50を介して、少なくとも1つの飛行体300、例えば第2飛行体302に、特定箇所を撮影可能な位置へ移動させて特定箇所の撮影を開始させる指示を送信してもよい。制御装置100は、特定箇所に向かって後発させた飛行体300による特定箇所の撮影が開始され、通信ネットワーク50を介して、当該飛行体300による特定箇所の画像データを受信し始めたことに応じて、建設機械200において表示している画像を先発の飛行体300による画像から後発の飛行体300による画像に切り替える指示を建設機械200に送信してもよい。制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、当該指示の送信と共に、後発の飛行体300による画像データを建設機械200に送信し始めてもよい。
【0026】
建設機械200は、例えばクローラショベルであって、図1に示すように、クローラ式の下部走行体201と、下部走行体201に対して旋回機構を介して旋回可能に搭載されている上部旋回体202とを有する。一例として、上部旋回体202の前方左側部には、建設機械200の運転室(キャブ)203が設けられており、上部旋回体202の前方中央部には、先端にバケット205を有する作業アタッチメント204が設けられている。なお、作業アタッチメント204の先端には、バケット205に代えて、建物の解体用の破砕機や打撃装置(ブレーカ)が取り付けられていてもよい。
【0027】
運転室203には、図1に示すように、表示装置206が設けられている。運転室203には、表示装置206の他に、例えば、下部走行体201、上部旋回体202および作業アタッチメント204をそれぞれ操作する複数の操作装置が設けられている。当該複数の操作装置は、運転室203内でユーザ20により直接操作されてもよく、作業現場30から遠隔の場所に設けられた操作室内でユーザ20により遠隔操作されてもよい。なお、ここで言うユーザ20は、建設機械200を操縦するオペレータである。
【0028】
表示装置206は、例えばタッチパネルディスプレイであり、図1に示すように、建設機械200の運転室203の前方に設けられてもよい。表示装置206は、運転室203内にいるユーザ20が特定箇所の画像の表示を指示するためのタッチボタンを画面上に表示してもよい。これに加えて、表示装置206は、ユーザ20が特定箇所を指定するためのタッチボタンを画面上に表示してもよく、例えば、バケット205によって掘削、破壊等の作業をする作業対象70のみを指定するタッチボタンや、作業対象70とバケット205の少なくとも刃先部分との両方を指定するタッチボタンなどを画面上に表示してもよい。表示装置206は、ユーザ20によるタッチボタンの入力を受け付けたことに応じて、特定箇所の画像の表示等を指示する指示信号をコントローラ207に出力してもよい。なお、上述の作業対象70とは、例えば、作業現場30のうちバケット205の刃先が向いている部分を指してもよく、作業現場30のうちユーザ20によって予め指定された部分を指してもよい。なお、上記説明から理解される通り、特定箇所とは、固定の位置、すなわち常に同じ箇所であってもよく、変動する位置、すなわち適宜移動する箇所であってもよい。なお、建設機械200は、特定箇所に含まれる作業対象70に対して作業する作業機械の一例である。
【0029】
表示装置206は、コントローラ207から入力される画像データに基づいて画面上に画像を表示する。表示装置206は、例えば、撮影装置により撮影された特定箇所の画像を画面上に表示する。表示装置206は、特定箇所の画像として、図1の表示画面60に拡大して示すように、バケット205の少なくとも一部と作業対象70とを含む画像を表示してもよい。この場合、上述の特定箇所は、バケット205および作業対象70の両方であってもよい。表示装置206は、コントローラ207から入力されるテキストデータに基づいて画面上にテキストを表示してもよい。なお、表示装置206は追加的に、スピーカを有してもよく、コントローラ207から入力される音声データに基づいて音声を発してもよい。
【0030】
コントローラ207は、例えば表示装置206と併設されていてもよい。コントローラ207は、表示装置206から特定箇所の画像の表示等を指示する指示信号を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して、制御装置100に指示信号を送信してもよい。
【0031】
コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から上述した画像の画像データを受信して表示装置206に表示させる。コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から画像切り替えを指示する切替信号を受信して表示装置206の表示画像を切り替えさせる。コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から新たな画像データと共に切替信号を受信してもよく、新たな画像データを受信し始める前または受信し始めた後に切替信号を受信してもよい。
【0032】
コントローラ207は、建設機械200が作業対象70に対する作業を行わない非作業状態に移行したかどうかを判断してもよい。例えば、コントローラ207は、建設機械200のエンジンが停止したことや、運転室203内のユーザ20が運転室203内の1または複数の操作装置を中立(ニュートラル)状態にしたり安全レバー(油圧ロックレバーとも称され得る)を上げたりして複数の操作装置の操作ができない状態にしたことや、運転室203外に出たことや、建設機械200が作業対象70に対する作業以外の動作をしている、例えば走行したり上部旋回体202を旋回させたりすることなどを、建設機械200が非作業状態に移行したことと見做してもよい。コントローラ207は、建設機械200が非作業状態に移行したと判断したことに応じて、非作業状態に移行したことを通信ネットワーク50を介して制御装置100に報告してもよい。
【0033】
飛行体300は、例えば無線の無人ドローンであって、図1に示すように、複数の羽を有する回転翼機であってもよい。飛行体300は、有線の無人ドローンであってもよく、有人のヘリコプタであってもよい。なお、飛行体300は、上述した撮影装置の一例であり、以降の説明では、飛行体300を撮影装置と称する場合があり、1または複数のカメラを単にカメラと称する場合がある。なお、第1飛行体301は、第1の撮影装置の一例であってもよく、第2飛行体302および第3飛行体303の少なくとも何れかは、第2の撮影装置の一例であってもよい。
【0034】
飛行体300は更に、複数の羽を回転させるための電動モータ(アクチュエータ)と、自己の位置を検出するためのGNSSセンサや自己の姿勢を検出するためのジャイロセンサなどのセンサ群と、少なくともセンサ群と電動モータとカメラとに電力を供給するバッテリとを有する。当該バッテリは、例えば飛行体300が着陸した状態で待機する待機場所40に設けられた充電器から、接触充電または非接触充電される。
【0035】
飛行体300は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から飛行および撮影に関する指示信号を受信し、指示信号に従って、待機場所40から特定箇所を撮影可能な位置へと移動し、当該位置から特定箇所の撮影を開始する。飛行体300は、指示信号に従って、特定箇所を撮影可能な空中の位置でホバリングしながら特定箇所を撮影してもよく、特定箇所を撮影可能な、作業現場30における任意の位置に着陸した状態で特定箇所を撮影してもよい。なお、特定箇所を撮影可能な位置とは、飛行体300が建設機械200と干渉することなく特定箇所を撮影できる位置を意味する。なお、特定箇所を撮影していない飛行体300は、必ずしも待機場所40で待機していなくてもよく、例えば作業現場30における安全な場所に着陸した状態で待機していてもよく、例えば作業現場30における別の箇所を撮影していてもよい。
【0036】
飛行体300は、指示信号に従って、特定箇所の撮影を終了する。これに加えて又は代えて、飛行体300は、指示信号に従って、特定箇所を撮影可能な位置から退去してもよく、特定箇所を撮影可能な位置から待機場所40等へと帰還してもよい。
【0037】
複数の飛行体300のうち、少なくとも作業現場30に向かって最初に移動する飛行体300は、特定箇所を特定するための情報を制御装置100から通信ネットワーク50を介して受信する。当該情報は、建設機械200のバケット205の刃先が向いている部分、すなわち作業対象70を特定するために必要な情報を含んでもよい。当該情報は、例えば、建設機械200の位置情報とバケット205の3次元形状の情報とを含んでもよい。これに加えて又は代えて、当該情報は、例えば、建設機械200の位置情報と作業アタッチメント204の姿勢情報とを含んでもよい。
【0038】
図2は、第1実施形態による制御装置100のブロック図の一例である。制御装置100は、画像取得部110と、画像切替部120とを備える。制御装置100は更に、撮影指示部130と、情報取得部140と、選定部150と、終了指示部160と、警告部170と、作業計画記憶部180とを備えてもよい。
【0039】
画像取得部110は、飛行体300から画像を取得する。より具体的には、画像取得部110は、通信ネットワーク50を介して飛行体300から特定箇所の画像の画像データを受信する。画像取得部110は、取得した画像データを画像切替部120に出力する。なお、画像取得部110は、取得した画像データを録画して記録済画像として保持してもよい。
【0040】
画像切替部120は、画像取得部110から入力される画像データを、通信ネットワーク50を介して、制御装置100の外部の表示装置、例えば建設機械200のコントローラ207に送信する。画像切替部120は、特定箇所を撮影している飛行体300または特定箇所を撮影していない飛行体300が予め定められた条件を満たしたことに応じて特定箇所を撮影していない飛行体300が特定箇所の撮影を開始した場合に、表示装置、例えば建設機械200の表示装置206の表示画像を、特定箇所を撮影している飛行体300による画像から特定箇所を撮影していない飛行体300による画像に切り替えさせる。ここで、以降の説明では、特定箇所を撮影している飛行体300を先発の飛行体300と称し、特定箇所を撮影していない飛行体300を後発の飛行体300と称する場合がある。
【0041】
画像切替部120は、より具体的には、当該予め定められた条件が満たされたことに応じて後発の飛行体300が特定箇所の撮影を開始したことにより画像取得部110から後発の飛行体300による画像データを入力され始めた場合に、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に切替信号および後発の飛行体300による画像データを送信することにより、建設機械200の表示装置206の表示画像を切り替えさせてもよい。なお、画像切替部120は、画像取得部110から当該画像データを少なくとも予め定められた時間に亘って入力されたことによって、当該画像データが入力され始めた、すなわち後発の飛行体300が特定箇所の撮影を開始したと判断してもよい。これに加えて又は代えて、画像切替部120は、画像取得部110から、当該画像データを入力されると共に、撮影を開始したことを示す開始信号を入力されたことによって、当該画像データが入力され始めた、すなわち後発の飛行体300が特定箇所の撮影を開始したと判断してもよい。
【0042】
画像切替部120は、画像取得部110から先発の飛行体300による画像データを入力されている状態で、画像取得部110から後発の飛行体300による画像データを入力され始めた場合に、一定の期間、通信ネットワーク50を介して、先発の飛行体300による画像データおよび後発の飛行体300による画像データの両方を建設機械200のコントローラ207に送信してもよい。一定の期間は、例えば、画像取得部110から後発の飛行体300による画像データを最初に入力され始めてから、建設機械200のコントローラ207から表示装置206の表示画像の切り替えが完了した報告を受けるまでの期間であってもよい。
【0043】
画像切替部120は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から、表示装置206の表示画像の切り替えが完了した報告を受けたことに応じて、終了指示部160に撮影終了の指示を出力してもよい。画像切替部120は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から、建設機械200が非作業状態に移行したことを報告する信号を受信してもよい。
【0044】
画像切替部120は、情報取得部140や建設機械200から入力される情報に基づいて、先発の飛行体300または後発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたかどうかを判断してもよい。これに加えて又は代えて、画像切替部120は、作業計画記憶部180に記憶されている作業計画を参照し、作業計画に基づいて、先発の飛行体300または後発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたかどうかを判断してもよい。画像切替部120は、予め定められた条件が満たされたと判断した場合に、撮影指示部130に、後発の飛行体300による特定箇所の撮影の開始を指示する指示信号を出力してもよい。なお、画像切替部120は、情報取得部140から、先発の飛行体300または後発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたことを示す信号を入力されてもよく、すなわち、自ら上述の判断を行わなくてもよく、この場合、当該信号を入力されたことに応じて撮影指示部130に指示信号を出力してもよい。なお、画像切替部120は、予めメモリに記憶されている予め定められた条件を示す情報を適宜読み出してよい。
【0045】
上述した何れの場合であっても、画像切替部120は、予め定められた条件が満たされた時点でフラグを立てておいてもよく、フラグが立っている状態で後発の飛行体300による特定箇所の画像データが画像取得部110から入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に切替信号を送信してもよい。これに加えて又は代えて、画像切替部120は、予め定められた条件が満たされていない状況下で後発の飛行体300による特定箇所の画像データが画像取得部110から入力された時点でフラグを立てておいてもよく、フラグが立っている状態で予め定められた条件が満たされたことに応じて、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に切替信号を送信してもよい。
【0046】
撮影指示部130は、飛行体300を、特定箇所を撮影可能な場所へと移動させて特定箇所の撮影を開始させる。より具体的には、撮影指示部130は、例えば通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207から特定箇所の撮影指示を受信したことに応じて、情報取得部140に情報取得の指示を出力してもよい。撮影指示部130は更に、選定部150から入力される選定結果に示された飛行体300(先発の飛行体300)に、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影可能な場所へと移動させて特定箇所の撮影を開始させる開始指示を送信してもよい。これに代えて、撮影指示部130は、例えば通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207から特定箇所の撮影指示を受信したことに応じて、予め先発することが決められている飛行体300に、通信ネットワーク50を介して開始指示を送信してもよい。
【0047】
撮影指示部130は、特定箇所を撮影している先発の飛行体300または特定箇所を撮影していない後発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたことに応じて、後発の飛行体300に、特定箇所を撮影可能な場所へと移動させて特定箇所の撮影を開始させる。より具体的には、撮影指示部130は、例えば、画像切替部120から指示信号を入力されたことに応じて、情報取得部140に情報取得の指示を出力してもよい。撮影指示部130は更に、選定部150から入力される選定結果に示された飛行体300(後発の飛行体300)に、通信ネットワーク50を介して開始指示を送信してもよい。これに代えて、撮影指示部130は、例えば、画像切替部120から指示信号を入力されたことに応じて、予め後発することが決められている飛行体300に、通信ネットワーク50を介して開始指示を送信してもよい。
【0048】
撮影指示部130は、特定箇所を撮影している状態の先発の飛行体300の位置情報および撮影設定情報の少なくとも何れかを取得して後発の飛行体300に提供してもよい。より具体的には、撮影指示部130は、例えば、画像切替部120から指示信号を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して先発の飛行体300から位置情報および撮影設定情報の少なくとも何れかを受信してもよい。撮影指示部130は更に、先発の飛行体300から受信した情報を、通信ネットワーク50を介して後発の飛行体300に送信してもよい。
【0049】
上述の通り、撮影指示部130は、通信ネットワーク50を介して飛行体300に、飛行および撮影に関する指示信号(開始指示)、位置情報、撮影設定情報、等を送信する。撮影指示部130は、通信ネットワーク50を介して飛行体300の飛行および撮影を制御してもよい。これに代えて、撮影指示部130は、飛行体300の飛行および撮影の少なくとも何れかを制御しなくてもよく、すなわち、飛行体300は、撮影指示部130から受信する指示信号等と予め組み込まれたプログラムに従って、自律飛行および自律撮影の少なくとも何れかを実行してもよい。なお、これに加えて又は代えて、飛行体300の飛行および撮影の一部は、ユーザ20が飛行体300のコントローラを操作することによって無線通信によりマニュアル制御されてもよい。なお、ここで言うユーザ20は、建設機械200を操縦するユーザ20と同一であっても異なっていてもよく、例えば作業現場30において建設機械200の外から建設機械200による作業状況を監視する監視者であってもよい。
【0050】
情報取得部140は、特定箇所を撮影していない2以上の飛行体300の電池残量に関する電池残量情報を取得する。より具体的には、情報取得部140は、例えば撮影指示部130から情報取得の指示を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して待機場所40等に待機している2以上の飛行体300の電池残量情報を受信してもよい。これに加えて又は代えて、情報取得部140は、例えば定期的に通信ネットワーク50を介して待機場所40等に待機している1または複数の飛行体300に要求することにより、通信ネットワーク50を介して当該1または複数の飛行体300から電池残量情報を受信してもよい。これに加えて又は代えて、情報取得部140は、例えば通信ネットワーク50を介して待機場所40等に待機している1または複数の飛行体300から一方的に電池残量情報を受信してもよい。
【0051】
情報取得部140は、飛行体300から受信した電池残量情報等を、画像切替部120、選定部150、終了指示部160および警告部170の少なくとも何れかに出力する。当該飛行体300は、先発の飛行体300および後発の飛行体300の何れかであってもよい。なお、飛行体300の電池残量情報とは、飛行体300のバッテリにおける電池残量に関する情報であって、例えば満充電を100%とする0~100%の充電率の情報であってもよい。
【0052】
情報取得部140は、例えば予め定められた条件を満たした先発の飛行体300から交代を要求する要求信号を通信ネットワーク50を介して受信したことに応じて、要求信号を画像切替部120に出力してもよい。当該要求信号は、先発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたことを示す信号であってもよく、当該条件が満たされたかどうかを判断するための判断材料であってもよい。
【0053】
選定部150は、特定箇所を撮影している先発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたことに応じて、特定箇所を撮影していない2以上の後発の飛行体300の電池残量情報に基づき、2以上の後発の飛行体300の中で、電池残量が最も多い飛行体300および充電完了している飛行体300のうちの少なくとも何れかを選定する。選定部150は更に、選定した飛行体300に特定箇所の撮影を開始させる。より具体的には、選定部150は、例えば上述の要求信号を受け取った画像切替部120からの指示信号を入力された撮影指示部130が情報取得部140に情報取得の指示を出力した場合に、情報取得部140から2以上の後発の飛行体300の電池残量情報を入力されてもよい。選定部150は、例えば2以上の後発の飛行体300の中で最も充電率が高い飛行体300を選定してもよく、選定した飛行体300を特定するための識別情報を含む選定結果を撮影指示部130に出力してもよい。
【0054】
終了指示部160は、表示装置、例えば建設機械200の表示装置206の表示画像が先発の飛行体300による画像から後発の飛行体300による画像に切り替えられたことに応じて、先発の飛行体300による特定箇所の撮影を終了させてもよい。より具体的には、終了指示部160は、画像切替部120から撮影終了の指示を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して先発の飛行体300に撮影を終了させる指示信号を送信してもよい。
【0055】
終了指示部160は、特定箇所を撮影している先発の飛行体300が予め定められた条件を満たした後、後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態である場合には、後発の飛行体300による特定箇所の撮影開始を待たずに先発の飛行体300による特定箇所の撮影を終了させてもよい。より具体的には、終了指示部160は、撮影指示部130から後発の飛行体300に指示信号が送信された後、情報取得部140から、後発の飛行体300が特定箇所を撮影しに向かうには電池残量が不十分であることを示す電池残量情報や、後発の飛行体300が特定箇所を撮影しに向かっている最中に異常や故障が発生したことを示す情報等を入力された場合には、後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態であると判断してもよい。終了指示部160は更に、後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態であると判断したことに応じて、通信ネットワーク50を介して先発の飛行体300に撮影を終了させる指示信号を送信してもよい。
【0056】
終了指示部160は、通信ネットワーク50を介して、先発の飛行体300に撮影を終了させる指示信号を送信することに加えて又は代えて、先発の飛行体300に特定箇所を撮影可能な位置から退去させる指示信号を送信してもよく、または、特定箇所を撮影可能な位置から待機場所40等へと帰還させる指示信号を送信してもよい。
【0057】
警告部170は、特定箇所を撮影している先発の飛行体300が予め定められた条件を満たした後、後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態である場合には、ユーザ20に警告する。より具体的には、警告部170は、撮影指示部130から後発の飛行体300に指示信号が送信された後、情報取得部140から、後発の飛行体300が特定箇所を撮影しに向かうには電池残量が不十分であることを示す電池残量情報や、後発の飛行体300が特定箇所を撮影しに向かっている最中に異常や故障が発生したことを示す情報等を入力された場合には、後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態であると判断してもよい。
【0058】
警告部170は、後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態であると判断したことに応じて、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するためのテキストデータまたは音声データを、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に送信してもよい。特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するためのテキストデータまたは音声データは、例えば先発の飛行体300による特定箇所の撮影を継続できないこと、および、後発の飛行体300による特定箇所の撮影を開始できないこと、の少なくとも何れかをユーザ20に伝達するためのデータであってもよい。換言すると、ユーザ20に警告することは、先発の飛行体300による特定箇所の撮影を継続できないこと、および、後発の飛行体300による特定箇所の撮影を開始できないこと、の少なくとも何れかをユーザ20に伝達することを意味してもよい。なお、警告部170は、後発の飛行体300の待機場所40の情報や、選定部150によって選定された後発の飛行体300以外の後発になり得る飛行体300を特定するための識別情報や位置情報なども、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に送信してもよい。
【0059】
作業計画記憶部180は、建設機械200が作業現場30において予定している解体作業や建設作業の作業計画を記憶する。当該作業計画は、例えば画像切替部120が通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207から受信してもよく、この場合、画像切替部120によって作業計画が作業計画記憶部180に記憶されてもよい。作業計画記憶部180は、記憶している作業計画を画像切替部120により読み出されてもよい。
【0060】
なお、上記で説明した制御装置100の一部の構成要素又は全ての構成要素は、建設機械200や、作業現場30に設けられた制御機器や、作業現場30から遠隔の場所で建設機械200を遠隔操作するための操作室に設けられた遠隔制御機器などに備わっていてもよい。例えば、制御装置100が画像取得部110を備え、建設機械200が画像切替部120を備えてもよい。例えば、建設機械200に制御装置100が統合されてもよく、すなわち建設機械200が画像取得部110、画像切替部120等を備えてもよい。
【0061】
図3は、第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。図3に示す動作フローは、一例として、通信ネットワーク50を介して制御装置100から指示信号を受信した第1飛行体301が、特定箇所を撮影可能な位置に移動して、特定箇所を撮影し始めることによって開始されてもよい。図3に示す動作フローが開始する時点では、第2飛行体302および第3飛行体303が待機場所40で給電されながら待機しているものとする。また、図3に示す動作フローが開始したことに応じて、建設機械200のコントローラ207は、制御装置100を介して第1飛行体301による特定箇所の画像データを受信し始めて、表示装置206に特定箇所の画像を表示させているものとする。
【0062】
特定箇所を撮影している第1飛行体301は、予め定められた条件を満たしていない限り(ステップS101:NO)、制御装置100からの指示信号に従って特定箇所の撮影を継続し、予め定められた条件を満たしたことに応じて(ステップS101:YES)、通信ネットワーク50を介して、交代を要求する要求信号を制御装置100に送信する(ステップS103)。
【0063】
ここで、予め定められた条件は、特定箇所を撮影している第1飛行体301の電池残量が予め定められた閾値以下となること、当該第1飛行体301に異常又は故障が生じること、当該第1飛行体301の予め定められたメンテナンスタイミングとなること、および、当該第1飛行体301の現在の連続飛行時間が予め定められた時間以上となること、のうちの少なくとも何れかを含んでもよい。第1飛行体301は、電池残量に関する上記の閾値や、上記のメンテナンスタイミングが示されたスケジュールや、上記の予め定められた時間などを予めメモリに記憶していてもよく、タイマーによって連続飛行時間を計時してもよい。
【0064】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から要求信号を受信したことに応じて、第2飛行体302および第3飛行体303に電池残量情報を要求する(ステップS105)。より具体的には、制御装置100の情報取得部140は、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301から要求信号を受信したことに応じて、要求信号を画像切替部120に出力する。画像切替部120は、情報取得部140から要求信号を入力された場合に、第1飛行体301が予め定められた条件を満たしたと判断し、撮影指示部130に、第2飛行体302または第3飛行体303による特定箇所の撮影の開始を指示する指示信号を出力する。
【0065】
撮影指示部130は、画像切替部120から指示信号を入力されたことに応じて、情報取得部140に情報取得の指示を出力する。情報取得部140は、撮影指示部130から情報取得の指示を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して第2飛行体302および第3飛行体303に電池残量情報を要求する。
【0066】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302および第3飛行体303から電池残量情報を受信したことに応じて(ステップS107)、第2飛行体302および第3飛行体303の何れか一方を選定する(ステップS109)。より具体的には、制御装置100の情報取得部140は、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302および第3飛行体303から電池残量情報を受信し、これらの電池残量情報を選定部150に出力する。選定部150は、第2飛行体302および第3飛行体303の電池残量情報に基づいて、第2飛行体302および第3飛行体303の何れか一方を、特定箇所の撮影を開始させる飛行体300として選定する。選定部150は、選定結果を撮影指示部130に出力する。
【0067】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する(ステップS111)。より具体的には、制御装置100の撮影指示部130は、選定部150から選定結果を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する。
【0068】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から位置情報および撮影設定情報を受信したことに応じて(ステップS113)、ステップS109で選定した後発の飛行体300に特定箇所への移動および撮影開始を指示する(ステップS115)。より具体的には、制御装置100の撮影指示部130は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から位置情報および撮影設定情報を受信したことに応じて、選定部150によって選定された後発の飛行体300に第1飛行体301の位置情報および撮影設定情報を送信すると共に特定箇所への移動および撮影開始の指示信号を送信する。例えば、撮影指示部130は、第1飛行体301から、GNSSデータ、姿勢データ(撮影向きデータ)、被写界深度データ(焦点距離データ)、ズーミングデータ、ホワイトバランスデータ、明度データ、等の少なくとも何れかのデータを受信してもよい。撮影指示部130は更に、第1飛行体301から受信したデータを、選定された後発の飛行体300に通信ネットワーク50を介して送信してもよい。
【0069】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、選定した後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態であるかどうかを判断し(ステップS117)、撮影開始に適さない状態ではない場合には(ステップS117:NO)、当該後発の飛行体300から特定箇所の画像を取得し始めたかどうかを判断する(ステップS119)。制御装置100は、当該後発の飛行体300から特定箇所の画像を取得し始めていなければ(ステップS119:NO)、ステップS117へ戻る。ステップS119において、制御装置100は、特定箇所の画像を取得し始めた場合には(ステップS119:YES)、通信ネットワーク50を介して、建設機械200に画像切り替えを指示すると共に、建設機械200に対して、当該後発の飛行体300による画像の供給を開始する(ステップS121)。ステップS117において、制御装置100は、選定した後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態である場合には(ステップS117:YES)、選定しなかった他の後発の飛行体300を再選定し(ステップS118)、ステップS115へと戻る。
【0070】
より具体的には、制御装置100の情報取得部140が、通信ネットワーク50を介して、後発の飛行体300から、特定箇所を撮影しに向かうには電池残量が不十分であることを示す電池残量情報や、特定箇所を撮影しに向かっている最中に異常や故障が発生したことを示す情報等を受信しておらず、すなわち後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態となることなく、画像取得部110が後発の飛行体300から特定箇所の画像データを受信し始めた場合には、画像切替部120は建設機械200のコントローラ207に画像切り替えを指示する切替信号を送信する。画像切替部120はまた、通信ネットワーク50を介して、後発の飛行体300の画像データを建設機械200のコントローラ207に送信し始める。
【0071】
情報取得部140が、通信ネットワーク50を介して、後発の飛行体300から上述の情報等を受信した、すなわち後発の飛行体300が撮影開始に適さない状態となっている場合には、当該後発の飛行体300を除外して残りの1つまたは複数の後発の飛行体300から1つの飛行体300を再選定する指示を選定部150に出力する。選定部150が、情報取得部140から当該指示を入力されたことに応じて、他の後発の飛行体300を再選定し、撮影指示部130に再選定結果を出力する。撮影指示部130は、選定部150から再選定結果を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して、選定部150によって再選定された後発の飛行体300に第1飛行体301の位置情報および撮影設定情報を送信すると共に特定箇所への移動および撮影開始の指示信号を送信する。
【0072】
建設機械200のコントローラ207は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から切替信号を受信したことに応じて、表示装置206の表示画像を切り替えさせる(ステップS123)。コントローラ207は、切替信号に従って、表示装置206に表示されている、第1飛行体301によって撮影された特定箇所の先行画像を、後発の飛行体300によって撮影された特定箇所の後行画像へと、速やか且つ連続的に切り替えてもよい。コントローラ207は、これに代えて、切替信号に従い、先行画像を表示している表示装置206の画面を一時的にブラックアウトさせたり他の画像を表示させたり表示オフにしたりした後で後行画像に切り替えてもよく、先行画像のシングル表示から先行画像および後行画像のデュアル表示に切り替えた後に後行画像のシングル表示へと切り替えてもよい。
【0073】
建設機械200のコントローラ207は、表示装置206の表示画像の切り替えが完了したことに応じて、通信ネットワーク50を介して制御装置100に完了報告を送信する(ステップS125)。制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から、表示装置206の表示画像の切り替えが完了した報告を受けたことに応じて、第1飛行体301に撮影終了および帰還を指示する(ステップS127)。より具体的には、制御装置100の画像切替部120は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から当該報告を受信したことに応じて、終了指示部160に撮影終了および待機場所40への帰還の指示を出力する。終了指示部160は、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301に撮影を終了させて待機場所40へと帰還させる指示信号を送信する。
【0074】
第1飛行体301は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から当該指示信号を受信したことに応じて、特定箇所の撮影を終了し、待機場所40へと帰還することで(ステップS129)、当該動作フローは終了する。
【0075】
図3のフローチャート例による撮影システム10の動作フローでは、ステップS105~ステップS109において、制御装置100の選定部150が、特定箇所を撮影していない2以上の飛行体300の電池残量情報に基づいて、特定箇所の撮影を開始させる飛行体300を選定する構成を説明した。
【0076】
これに加えて又は代えて、選定部150は、特定箇所を撮影していない2以上の飛行体300のそれぞれの位置から特定箇所までの距離に関する距離情報を情報取得部140から入力され、距離情報に基づいて、特定箇所の撮影を開始させる飛行体300を選定してもよい。この場合、特定箇所を撮影していない2以上の飛行体300は、互いに異なる場所で待機していてもよい。
【0077】
具体的な一例として、特定箇所を撮影していない2つの飛行体300のうち、一方の飛行体300は、特定箇所の直ぐ近くの場所P1で待機しており且つ15分間の連続飛行及び連続撮影が可能であって、他方の飛行体300は、特定箇所まで5分の飛行移動を要する場所P2で待機しており且つ15分間の連続飛行及び連続撮影が可能であるとする。この場合、選定部150は、情報取得部140から入力される距離情報および電池残量情報に基づいて、特定箇所をより長い時間撮影できる当該一方の飛行体300を選定してもよい。なお、この場合に、終了指示部160は、例えば撮影終了の指示を画像切替部120から入力されたことに応じて、当該一方の飛行体300による特定箇所の撮影を終了させると共に、当該一方の飛行体300を、場所P1および場所P2のうち特定箇所からより近い場所P1へと帰還させてもよい。
【0078】
これに加えて又は代えて、選定部150は、特定箇所を撮影していない2以上の飛行体300のそれぞれの重量や、風の強さや、風向き等に基づいて、特定箇所の撮影を開始させる飛行体300を選定してもよい。飛行体300の重量が重いほど、風の強さが強い飛行経路を通るほど、追い風や向かい風のように風向きの影響を受け易い飛行経路を通るほど、特定箇所の撮影のために消費できる電池残量が少なくなる傾向があり得る。
【0079】
図3のフローチャート例による撮影システム10の動作フローでは、ステップS127において、制御装置100の終了指示部160が、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301に撮影終了および帰還を指示する指示信号を送信する構成を説明した。第1飛行体301は、表示装置206の表示画像が切り替わったことに応じて速やかに撮影終了することにより、撮影継続する場合に比べて電力を節約でき、節約した電力を待機場所40へ帰還するための電力等に回すことができる。これに代えて、終了指示部160は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301に撮影を終了させずに待機場所40へと帰還させる指示信号を送信してもよい。
【0080】
図3のフローチャート例による撮影システム10の動作フローでは、ステップS101~103において、制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から要求信号を受信した場合に、第1飛行体301が予め定められた条件を満たしたと判断する構成として説明した。第1飛行体301は、通信ネットワーク50を介して、要求信号を制御装置100に送信することに代えて、電池残量情報や異常又は故障が生じたことを示す危険情報などを制御装置100に送信してもよい。この場合、制御装置100の画像切替部120は、情報取得部140から入力される第1飛行体301の電池残量情報に基づいて第1飛行体301の電池残量が予め定められた閾値以下となったかどうかを判断してもよい。これに加えて又は代えて、画像切替部120は、情報取得部140から第1飛行体301の危険情報を入力された場合に、予め定められた条件を満たしたと判断してもよい。これに加えて又は代えて、制御装置100は、第1飛行体301から要求信号や電池残量情報等を受信することなく、第1飛行体301の予め定められたメンテナンスタイミングになったかどうかを判断したり、第1飛行体301の現在の連続飛行時間が予め定められた時間以上となったかどうかを判断したりしてもよい。
【0081】
図4は、第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。図4に示す動作フローは、一例として、通信ネットワーク50を介して制御装置100から指示信号を受信した第1飛行体301が、特定箇所を撮影可能な位置に移動して、特定箇所を撮影し始めることによって開始されてもよい。図4に示す動作フローにおいては、動作フローが開始する時点で特定箇所を撮影していない飛行体300を第2飛行体302のみとし、第3飛行体303は使用しないものとする。図4に示す動作フローが開始する時点では、第2飛行体302が待機場所40で給電されながら待機しているものとする。また、図4に示す動作フローが開始したことに応じて、建設機械200のコントローラ207は、制御装置100を介して第1飛行体301による特定箇所の画像データを受信し始めて、表示装置206に特定箇所の画像を表示させているものとする。
【0082】
特定箇所を撮影している第1飛行体301は、予め定められた条件を満たしていない限り(ステップS201:NO)、制御装置100からの指示信号に従って特定箇所の撮影を継続し、予め定められた条件を満たしたことに応じて(ステップS201:YES)、通信ネットワーク50を介して、交代を要求する要求信号を制御装置100に送信する(ステップS203)。
【0083】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から要求信号を受信したことに応じて、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する(ステップS205)。より具体的には、制御装置100の情報取得部140は、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301から要求信号を受信したことに応じて、要求信号を画像切替部120に出力する。画像切替部120は、情報取得部140から要求信号を入力された場合に、第1飛行体301が予め定められた条件を満たしたと判断し、撮影指示部130に、第2飛行体302による特定箇所の撮影の開始を指示する指示信号を出力する。撮影指示部130は、画像切替部120から指示信号を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する。
【0084】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から位置情報および撮影設定情報を受信したことに応じて(ステップS207)、第2飛行体302に特定箇所への移動および撮影開始を指示する(ステップS209)。より具体的には、制御装置100の撮影指示部130は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から位置情報および撮影設定情報を受信したことに応じて、第2飛行体302に第1飛行体301の位置情報および撮影設定情報を送信すると共に特定箇所への移動および撮影開始の指示信号を送信する。
【0085】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であるかどうかを判断し(ステップS211)、撮影開始に適さない状態ではない場合には(ステップS211:NO)、第2飛行体302から特定箇所の画像を取得し始めたかどうかを判断する(ステップS213)。制御装置100は、第2飛行体302から特定箇所の画像を取得し始めていなければ(ステップS213:NO)、ステップS211へ戻る。ステップS213において、制御装置100は、特定箇所の画像を取得し始めた場合には(ステップS213:YES)、通信ネットワーク50を介して、建設機械200に画像切り替えを指示すると共に、建設機械200に対して、第2飛行体302による画像の供給を開始する(ステップS215)。
【0086】
より具体的には、制御装置100の情報取得部140が、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302から上述の異常等の情報等を受信しておらず、すなわち第2飛行体302が撮影開始に適さない状態となることなく、画像取得部110が第2飛行体302から特定箇所の画像データを受信し始めた場合には、画像切替部120は建設機械200のコントローラ207に画像切り替えを指示する切替信号を送信する。画像切替部120はまた、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302の画像データを建設機械200のコントローラ207に送信し始める。
【0087】
ステップS211において、制御装置100は、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態である場合には(ステップS211:YES)、建設機械200の運転室203内にいるユーザ20に警告する(ステップS212)。より具体的には、制御装置100の警告部170は、情報取得部140から、第2飛行体302が特定箇所を撮影しに向かうには電池残量が不十分であることを示す電池残量情報等を入力された場合に、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であると判断する。警告部170は、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であると判断したことに応じて、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するためのテキストデータまたは音声データを、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に送信する。
【0088】
ステップS212に続けて、制御装置100は、第1飛行体301に撮影終了および帰還を指示する(ステップS221)。より具体的には、制御装置100の終了指示部160は、情報取得部140から、上述の情報等を入力された場合に、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であると判断し、これに応じて、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301に撮影を終了させて待機場所40へと帰還させる指示信号を送信する。
【0089】
建設機械200のコントローラ207は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するためのテキストデータまたは音声データを受信することなく(ステップS214:NO)、切替信号を受信した場合には、表示装置206の表示画像を切り替えさせる(ステップS217)。
【0090】
建設機械200のコントローラ207は、表示装置206の表示画像の切り替えが完了したことに応じて、通信ネットワーク50を介して制御装置100に完了報告を送信する(ステップS219)。ステップS214において、コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するためのテキストデータまたは音声データを受信した場合には(ステップS214:YES)、表示装置206を通じてユーザ20に警告する(ステップS216)。コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するためのテキストデータを受信して表示装置206に警告テキストを表示させてもよい。これに加えて又は代えて、コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から特定箇所の画像表示に関してユーザ20に警告するための音声データを受信して表示装置206に警告音声を発させてもよい。警告テキストおよび警告音声は何れも、第1飛行体301による特定箇所の撮影を継続できず、且つ、第2飛行体302による特定箇所の撮影を開始することもできないことをユーザ20に伝達するべく構成されている。
【0091】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から、表示装置206の表示画像の切り替えが完了した報告を受けたことに応じて、第1飛行体301に撮影終了および帰還を指示する(ステップS221)。より具体的には、制御装置100の画像切替部120は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から当該報告を受信したことに応じて、終了指示部160に撮影終了および待機場所40への帰還の指示を出力する。終了指示部160は、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301に撮影を終了させて待機場所40へと帰還させる指示信号を送信する。
【0092】
ステップS221に続けて、第1飛行体301は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から当該指示信号を受信したことに応じて、特定箇所の撮影を終了し、待機場所40へと帰還することで(ステップS223)、当該動作フローは終了する。
【0093】
図5は、第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。図5に示す動作フローは、一例として、図4に示した動作フローと同じ状況で開始されるものとし、重複する説明を省略する。
【0094】
制御装置100は、定期的に、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302に電池残量情報を要求する(ステップS301)。より具体的には、制御装置100の情報取得部140は、通信ネットワーク50を介して第2飛行体302に電池残量情報を要求する。
【0095】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302から電池残量情報を受信したことに応じて(ステップS303)、第2飛行体302の電池残量が予め定められた閾値以上となっているかどうかを判断し(ステップS305)、電池残量が当該閾値以上となっていなければ(ステップS305:NO)、ステップS301に戻る。より具体的には、制御装置100の情報取得部140は、通信ネットワーク50を介して第2飛行体302から電池残量情報を受信し、電池残量情報を画像切替部120に出力する。画像切替部120は、当該電池残量情報に基づいて、第2飛行体302の電池残量が予め定められた閾値以上となっているかどうかを判断することにより、第2飛行体302が予め定められた条件を満たしたかどうかを判断する。
【0096】
ステップS305において、第2飛行体302の電池残量が予め定められた閾値以上となっていれば(ステップS305:YES)、制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する(ステップS307)。より具体的には、制御装置100の画像切替部120は、第2飛行体302の電池残量が予め定められた閾値以上となっていると判断したことに応じて、撮影指示部130に、第2飛行体302による特定箇所の撮影の開始を指示する指示信号を出力する。撮影指示部130は、画像切替部120から指示信号を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する。
【0097】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から位置情報および撮影設定情報を受信したことに応じて(ステップS309)、第2飛行体302に特定箇所への移動および撮影開始を指示する(ステップS311)。より具体的には、制御装置100の撮影指示部130は、通信ネットワーク50を介して、第1飛行体301から位置情報および撮影設定情報を受信したことに応じて、第2飛行体302に第1飛行体301の位置情報および撮影設定情報を送信すると共に特定箇所への移動および撮影開始の指示信号を送信する。
【0098】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であるかどうかを判断し(ステップS313)、撮影開始に適さない状態ではない場合には(ステップS313:NO)、第2飛行体302から特定箇所の画像を取得し始めたかどうかを判断する(ステップS315)。制御装置100は、第2飛行体302から特定箇所の画像を取得し始めていなければ(ステップS315:NO)、ステップS313へ戻る。ステップS315において、制御装置100は、特定箇所の画像を取得し始めた場合には(ステップS315:YES)、通信ネットワーク50を介して、建設機械200に画像切り替えを指示すると共に、建設機械200に対して、第2飛行体302による画像の供給を開始する(ステップS317)。
【0099】
より具体的には、制御装置100の情報取得部140が、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302から上述の異常等の情報等を受信しておらず、すなわち第2飛行体302が撮影開始に適さない状態となることなく、画像取得部110が第2飛行体302から特定箇所の画像データを受信し始めた場合には、画像切替部120は建設機械200のコントローラ207に画像切り替えを指示する切替信号を送信する。画像切替部120はまた、通信ネットワーク50を介して、第2飛行体302の画像データを建設機械200のコントローラ207に送信し始める。
【0100】
ステップS313において、制御装置100は、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態である場合には(ステップS313:YES)、建設機械200の運転室203内にいるユーザ20に注意喚起する(ステップS314)。より具体的には、制御装置100の警告部170は、情報取得部140から、第2飛行体302が特定箇所を撮影しに向かうには電池残量が不十分であることを示す電池残量情報等を入力された場合に、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であると判断する。警告部170は、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であると判断したことに応じて、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に注意喚起するためのテキストデータまたは音声データを、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207に送信する。
【0101】
ステップS314に続けて、制御装置100は、第1飛行体301に撮影終了および帰還を指示する(ステップS323)。より具体的には、制御装置100の終了指示部160は、情報取得部140から、上述の情報等を入力された場合に、第2飛行体302が撮影開始に適さない状態であると判断し、これに応じて、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301に撮影を終了させて待機場所40へと帰還させる指示信号を送信する。
【0102】
建設機械200のコントローラ207は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に注意喚起するためのテキストデータまたは音声データを受信することなく(ステップS316:NO)、切替信号を受信した場合には、表示装置206の表示画像を切り替えさせる(ステップS319)。
【0103】
建設機械200のコントローラ207は、表示装置206の表示画像の切り替えが完了したことに応じて、通信ネットワーク50を介して制御装置100に完了報告を送信する(ステップS321)。ステップS316において、コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に注意喚起するためのテキストデータまたは音声データを受信した場合には(ステップS316:YES)、表示装置206を通じてユーザ20に注意喚起して(ステップS318)、当該フローは終了する。コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から、特定箇所の画像表示に関してユーザ20に注意喚起するためのテキストデータを受信して表示装置206に注意喚起テキストを表示させてもよい。これに加えて又は代えて、コントローラ207は、通信ネットワーク50を介して、制御装置100から特定箇所の画像表示に関してユーザ20に注意喚起するための音声データを受信して表示装置206に注意喚起音声を発させてもよい。注意喚起テキストおよび注意喚起音声は何れも、第1飛行体301による特定箇所の撮影は継続できるが、第2飛行体302による特定箇所の撮影を開始することはできないことをユーザ20に伝達するべく構成されている。
【0104】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から、表示装置206の表示画像の切り替えが完了した報告を受けたことに応じて、第1飛行体301に撮影終了および帰還を指示する(ステップS323)。より具体的には、制御装置100の画像切替部120は、通信ネットワーク50を介して、建設機械200のコントローラ207から当該報告を受信したことに応じて、終了指示部160に撮影終了および待機場所40への帰還の指示を出力する。終了指示部160は、通信ネットワーク50を介して第1飛行体301に撮影を終了させて待機場所40へと帰還させる指示信号を送信する。
【0105】
第1飛行体301は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から当該指示信号を受信したことに応じて(ステップS325:YES)、特定箇所の撮影を終了し、待機場所40へと帰還することで(ステップS327)、当該動作フローは終了する。ステップS325において、第1飛行体301は、通信ネットワーク50を介して制御装置100から当該指示信号を受信しなければ(ステップS325:NO)、特定箇所の撮影を終了することなく継続し、当該動作フローは終了する。
【0106】
図6は、第1実施形態による撮影システム10の動作フローのフローチャートの一例である。図6に示す動作フローは、一例として、図4に示した動作フローと同じ状況で開始されるものとし、重複する説明を省略する。
【0107】
建設機械200のコントローラ207は、建設機械200が上述の非作業状態に移行したかどうかを判断し続け(ステップS401)、非作業状態に移行したと判断した場合に(ステップS401:YES)、非作業状態への移行を通信ネットワーク50を介して制御装置100に報告する(ステップS403)。
【0108】
制御装置100は、通信ネットワーク50を介して建設機械200から非作業状態への移行の報告を受けた場合、第1飛行体301および第2飛行体302の少なくとも何れかが予め定められた条件を満たしたと判断し、通信ネットワーク50を介して、特定箇所を撮影している状態の第1飛行体301に現在の位置情報および撮影設定情報を要求する(ステップS407)。ステップS407は、図5のフローチャートにおけるステップS307に対応するため、重複する説明を省略する。図6に示す動作フローでは、撮影システム10は、ステップS407以降、図5のフローチャートにおけるステップS309~ステップS327に対応するステップS409~ステップS427を実行するため、重複する説明は省略する。
【0109】
ここで、上述の予め定められた条件は、建設機械200が作業対象70に対する作業を行わない非作業状態に移行したことに応じて第1飛行体301の撮影を中断可能な状態になることを含んでもよい。例えば、制御装置100の画像切替部120は、図6の動作フローのように、通信ネットワーク50を介して建設機械200のコントローラ207から非作業状態への移行を報告する信号を受信した場合に、すなわち作業中断の情報を取得した場合に、第1飛行体301の撮影を中断可能な状態になったと判断してもよい。これに加えて又は代えて、制御装置100の画像切替部120は、作業計画記憶部180に記憶されている建設機械200の作業計画を参照し、作業計画に基づいて建設機械200が非作業状態へ移行する時刻になった場合に、または非作業状態へ移行してから予め定められた時間が経過した場合に、第1飛行体301の撮影を中断可能な状態になったと判断してもよい。
【0110】
予め定められた条件は、作業計画に基づいて、建設機械200が、作業対象70に対する作業を行わない非作業状態から、作業対象70に対する作業を行う作業状態へ移行する時刻よりも予め定められた時間だけ前の時刻になり、第2飛行体302が特定箇所の撮影を開始可能な状態になることを含んでもよい。この場合、第1飛行体301は、建設機械200が非作業状態へ移行する前の状態、すなわち作業状態であるときに特定箇所を撮影しており、建設機械200が作業状態から非作業状態へ移行したことに応じて、特定箇所の撮影を終了してもよく、これに加えて又は代えて待機場所40等へと帰還してもよい。この場合、建設機械200が非作業状態にある時間帯のうちの少なくとも一部の時間帯において、第1飛行体301も第2飛行体302も特定箇所を撮影していなくてもよい。制御装置100の画像切替部120は、建設機械200の表示装置206に、第1飛行体301が特定箇所の撮影を終了する直前に撮影した特定箇所の記録済画像を当該少なくとも一部の時間帯において表示させるように指示する指示信号を、通信ネットワーク50を介してコントローラ207に送信してもよい。
【0111】
以上で説明した第1実施形態による撮影システム10の第1比較例として、カメラを搭載した複数の無線ドローンを用いて建設機械の作業を監視する監視システムを仮定する。より具体的には、第1比較例の監視システムでは、建設機械の作業を監視している1または複数の無線ドローンがバッテリ残量不足のためにホームポジションへと帰還したことに応じて、ホームポジションで充電していた他の1または複数の無線ドローンが飛び立ち、建設機械の作業を監視し始める。このような第1比較例のシステムによれば、無線ドローンによる監視画像を見ているユーザは、無線ドローンの入れ替え時間帯に監視画像を見ることができず、入れ替え時間帯では作業を中断したり他の監視不要な作業をしたりする必要がある。
【0112】
第2比較例として、カメラを搭載した有線のドローンを用いて建設機械の作業を監視する監視システムを仮定する。より具体的には、第2比較例の監視システムでは、建設機械の作業を監視している1または複数の有線ドローンが故障や異常の発生のためにホームポジションへと帰還したことに応じて、ホームポジションで充電していた他の1または複数の有線ドローンが飛び立ち、建設機械の作業を監視し始める。このような第2比較例のシステムによっても、有線ドローンによる監視画像を見ているユーザは、有線ドローンの入れ替え時間帯に監視画像を見ることができず、入れ替え時間帯では作業を中断したり他の監視不要な作業をしたりする必要がある。
【0113】
これに対して、第1実施形態による撮影システム10によれば、特定箇所を撮影している先発の飛行体300または特定箇所を撮影していない後発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたことに応じて当該後発の飛行体300による特定箇所の撮影が開始された場合に、表示装置の表示画像を先発の飛行体300による画像から後発の飛行体300による画像へと切り替える。このような構成を備える撮影システム10によれば、2以上の飛行体300により特定箇所を順に撮影して表示される画像を見るユーザ20は、先発の飛行体300による特定箇所の撮影から後発の飛行体300による特定箇所の撮影に切り替わる際に、連続的または概ね連続的に、特定箇所を観察し続けることができる。よって、ユーザ20は、長時間に亘って特定箇所を観察できる。
【0114】
以上の実施形態において、制御装置100の撮影指示部130が通信ネットワーク50を介して複数の飛行体300の飛行および撮影を制御する場合、撮影指示部130は、先発の飛行体300が特定箇所を撮影する位置と、後発の飛行体300が当該特定箇所を撮影する位置とが近くなるように、少なくとも後発の飛行体300の飛行を制御してもよい。なお、この場合に、画像切替部120は、後発の飛行体300が、そのような目標の位置に停留した状態で特定箇所の撮影を開始したことに応じて、建設機械200の表示装置206の表示画像を切り替えさせてもよい。
【0115】
例えば、撮影指示部130は、空中の特定の位置から特定箇所を撮影している状態にある先発の飛行体300に対して、水平方向、垂直方向および遠近方向の少なくとも何れかの方向の近傍に後発の飛行体300を位置させて、後発の飛行体300による特定箇所の撮影を開始させてもよい。遠近方向とは、特定箇所に向かって前後方向を意味してもよい。撮影指示部130は、後発の飛行体300の撮影範囲の少なくとも一部が先発の飛行体300の撮影範囲と重複するような位置に後発の飛行体300を停留させてもよい。撮影指示部130は、後発の飛行体300の撮影視野内に先発の飛行体300の撮影視野の中央が含まれるような位置に後発の飛行体300を停留させてもよい。
【0116】
より具体的な一例として、撮影指示部130は、かかる状態にある先発の飛行体300の停留位置に対して、垂直方向の近傍であって遠近方向にずれた位置に後発の飛行体300を停留させてもよく、これによって、一方の飛行体300の回転翼により生成される下降気流が他方の飛行体300の安定飛行を阻害することを回避してもよい。他のより具体的な一例として、撮影指示部130は、かかる状態にある先発の飛行体300の停留位置に対して、遠近方向の後方の近傍位置に後発の飛行体300を停留させてもよく、この場合に、画像切替部120は、建設機械200の表示装置206の表示画像を、先発の飛行体300による特定箇所のリアルタイム画像、先発の飛行体300による特定箇所の記録済画像、後発の飛行体300による特定箇所のリアルタイム画像、の順に切り替えさせてもよい。この場合に、撮影指示部130は、先発の飛行体300による特定箇所の記録済画像が表示装置206に表示されている間に、後発の飛行体300の撮影視野に先発の飛行体300が含まれないように先発の飛行体300を退去させてもよい。この場合に、撮影指示部130は、第1飛行体301からズーミングデータを受信して、第1飛行体301の画角に第2飛行体302の画角が合うように又は近づくように第2飛行体302のズームインアウトを調整してもよい。
【0117】
撮影指示部130は、このように複数の飛行体300の飛行および撮影を制御する場合に、特定箇所の近くを飛行している2以上の飛行体300間の離間距離を自然風の強さに応じて変更してもよく、これによって2以上の飛行体300が互いに接触することを回避してもよい。この場合に、複数の飛行体300のうちの少なくとも何れかは、自然風の強さを計測するべく、風速計を有してもよく、風速計の計測データを制御装置100の撮影指示部130に送信してもよい。飛行体300における風速計の取り付け位置は、例えば、飛行体300の回転翼により生成される下降気流などの風の影響を受けない位置であってもよい。
【0118】
撮影指示部130は、このように複数の飛行体300の飛行および撮影を制御する場合に、先発の飛行体300が特定箇所を撮影している位置から退去する際に後発の飛行体300と接触しないような飛行経路を先発の飛行体300に設定してもよい。
【0119】
以上の実施形態において、制御装置100の撮影指示部130が通信ネットワーク50を介して複数の飛行体300の飛行および撮影を制御する場合、撮影指示部130は、先発の飛行体300および後発の飛行体300について、特定箇所を撮影する向き、撮影時のズームインアウト、ホワイトバランス、明度および焦点の少なくとも何れかを予め定められた範囲内で一致するように設定してもよい。例えば、撮影指示部130は、ズームインアウトおよび焦点について、建設機械200の表示装置206における表示画像の切り替え前後で、予め定められた被写界深度範囲および画角範囲よりも大きな変化が表示画像に生じないように、撮影位置、撮影方向(パン・チルト・ロール)および撮影設定の少なくとも何れかを予め定められた範囲内で一致するように設定してもよい。なお、この場合に、画像切替部120は、そのような目標の設定に基づいた、後発の飛行体300による特定箇所の画像が入力されたことに応じて、建設機械200の表示装置206の表示画像を切り替えさせてもよい。
【0120】
以上の実施形態において、制御装置100の画像切替部120は、建設機械200の表示装置206における画像切り替えのタイミングを制御してもよい。例えば、画像切替部120は、建設機械200から非作業状態に移行した報告を受けたこと、すなわち作業対象70に対する作業を中断する情報を取得したことに応じて、建設機械200の表示装置206における表示画像を先発の飛行体300による画像から後発の飛行体300による画像に切り替えさせてもよい。これに加えて又は代えて、画像切替部120は、例えば表示装置206を使用してユーザ20に画像切り替えを予告した上で、表示装置206に表示画像を切り替えさせてもよい。これに加えて又は代えて、画像切替部120は、ユーザ20が例えば表示装置206を使用して画像切り替えを指示してきたことに応じて、表示装置206に表示画像を切り替えさせてもよい。これらの何れの場合であっても、制御装置100は、複数の飛行体300による画像によって特定箇所を観察しているユーザ20に画像切り替え前後で違和感を与えることを回避できる。
【0121】
以上の実施形態において、建設機械200は追加的に、運転室203内のユーザ20の視線を検出するセンサを備えてもよく、建設機械200のコントローラ207は、制御装置100から切替信号を受信した後にユーザ20の視線が表示装置206の表示画面から外れたことを検出したことに応じて、表示画像を切り替えてもよい。なお、コントローラ207は、制御装置100から切替信号を受信した時点でユーザ20の視線が表示装置206の表示画面から外れている場合には、速やかに表示画像を切り替えてもよい。
【0122】
以上の実施形態において、撮影システム10は、上記構成の制御装置100に代えて、画像取得部および画像切替部のみを有する制御装置を備えてもよい。この場合に制御装置は、例えば複数の撮影装置の移動も撮影も指示しなくてよく、複数の撮影装置の移動および撮影は、他の装置が指示してもよく、それぞれの撮影装置自体が予め組み込まれたプログラムに従って自律的に行ってもよい。これに代えて制御装置は、複数の撮影装置の移動および撮影の一方のみを指示してもよく、この場合、複数の撮影装置の移動および撮影の他方は、他の装置が指示してもよく、それぞれの撮影装置自体が予め組み込まれたプログラムに従って自律的に行ってもよい。何れの場合であっても、制御装置は、特定箇所を撮影している第1の撮影装置から特定箇所の画像を取得している状態において、特定箇所を撮影している第1の撮影装置または特定箇所を撮影していない第2の撮影装置が上述の予め定められた条件を満たしたことに応じて第2の撮影装置が特定箇所の撮影を開始した場合に、第2の撮影装置から特定箇所の画像を取得し始め、表示装置の表示画像を第1の撮影装置による画像から第2の撮影装置による画像へと切り替えさせる。
【0123】
図7は、第2実施形態による撮影システム11の概略図である。第2実施形態による撮影システム11は、第1実施形態による撮影システム10と異なる点として、第1実施形態による撮影システム10が備える制御装置100および建設機械200が統合された、建設機械400を備える。第2実施形態による撮影システム11の他の構成、例えば飛行体300については、第1実施形態による撮影システム10の対応する構成と同様であるため、第1実施形態による撮影システム10の対応する構成と同様の参照番号を用い、重複する説明を省略する。
【0124】
第2実施形態による建設機械400は、第1実施形態による建設機械200と異なる点として、第1実施形態による建設機械200が備える表示装置206およびコントローラ207に代えて、表示装置406を備える。第2実施形態による建設機械400の他の構成、例えば下部走行体401、上部旋回体402、運転室403、作業アタッチメント404、バケット405等については、第1実施形態による建設機械200の対応する構成と同様であるため、第1実施形態による建設機械200の対応する構成と同様の参照番号を用い、重複する説明を省略する。
【0125】
図8は、第2実施形態による表示装置406のブロック図の一例である。第2実施形態による表示装置406は、第1実施形態による制御装置100と同様の構成を備えるため、第1実施形態による制御装置100の対応する構成と同様の参照番号を用いる。具体的には、表示装置406は、画像取得部410、画像切替部420、撮影指示部430、情報取得部440、選定部450、終了指示部460、警告部470、作業計画記憶部480を備え、その他にユーザ入力部408および表示部415を備える。第2実施形態による表示装置406における、第1実施形態による制御装置100と同様の構成については、重複する説明を省略する。
【0126】
ユーザ入力部408は、例えば表示部415に表示されるタッチボタンであってもよく、運転室203内のユーザ20からの入力を受け付ける。ユーザ入力部408は、例えばユーザ20から特定箇所の画像の表示を指示するための入力を受け付けてもよく、ユーザ20から特定箇所を指定するための入力を受け付けてもよい。ユーザ入力部408は、入力された情報を、情報取得部440に出力する。
【0127】
表示部415は、画像取得部410によって取得される画像を表示する。より具体的には、表示部415は、画像取得部410から入力される1または複数の飛行体300による画像を表示画面に表示する。表示部415は、図7に示すように、第1実施形態による建設機械200の表示装置206と同様の配置構成や機能を有してもよく、重複する説明を省略する。
【0128】
第2実施形態による画像切替部420は、第1実施形態による画像切替部120と異なる点として、特定箇所を撮影している先発の飛行体300または特定箇所を撮影していない後発の飛行体300が予め定められた条件を満たしたことに応じて後発の飛行体300が特定箇所の撮影を開始したことを画像切り替えの条件とすることに代えて、先発の飛行体300による画像に映る特定箇所が後発の飛行体300から取得し始めた画像に映っていることを条件とする。より具体的には、画像切替部420は、先発の飛行体300による画像に映る特定箇所が後発の飛行体300から取得し始めた画像に映っていることに応じて、表示部415に、先発の飛行体300による画像の表示から後発の飛行体300による画像の表示に切り替えさせる。例えば、画像切替部420は、先発の飛行体300が特定箇所を撮影しているときに、後発の飛行体300による画像に特定箇所が映り込んだことに応じて、表示部415の表示画像を切り替えさせてもよい。
【0129】
このような構成を備える第2実施形態の撮影システム11によれば、第1実施形態による撮影システム10と同様の効果を奏する。第2実施形態による撮影システム11は、上述の表示装置406に代えて、画像取得部、表示部および画像切替部のみを有する表示装置を備えてもよい。この場合に表示装置は、例えば複数の撮影装置の移動も撮影も指示しなくてよく、複数の撮影装置の移動および撮影は、他の装置が指示してもよく、それぞれの撮影装置自体が予め組み込まれたプログラムに従って自律的に行ってもよい。これに代えて表示装置は、複数の撮影装置の移動および撮影の一方のみを指示してもよく、この場合、複数の撮影装置の移動および撮影の他方は、他の装置が指示してもよく、それぞれの撮影装置自体が予め組み込まれたプログラムに従って自律的に行ってもよい。何れの場合であっても、表示装置は、特定箇所を撮影している第1の撮影装置から特定箇所の画像を取得している状態において、第1の撮影装置による画像に映る特定箇所が、第2の撮影装置から取得し始めた画像に映っていることに応じて、表示部に、第1の撮影装置による画像の表示から第2の撮影装置による画像の表示へと切り替えさせる。
【0130】
以上の複数の実施形態において、撮影指示部が少なくとも第2の撮影装置の撮影設定を制御することに代えて又は加えて、画像取得部が第2の撮影装置により撮影された画像に対して特定の画像処理を行ってもよい。より具体的には、画像取得部は、第1の撮影装置の画像の被写界深度に合うように第2の撮影装置の画像を処理してもよい。これに加えて又は代えて、画像取得部は、第1の撮影装置の画像のホワイトバランスに合うように第2の撮影装置の画像を処理してもよい。これに加えて又は代えて、画像取得部は、第1の撮影装置の画像の明るさに合うように第2の撮影装置の画像を処理してもよい。これに加えて又は代えて、画像取得部は、第1の撮影装置の画像の画角に合うように第2の撮影装置の画像を処理してもよい。これに加えて又は代えて、画像取得部は、切り替える前後で表示画像に予め定められた被写界深度範囲および画角範囲よりも大きな変化が生じないように第2の撮影装置の画像を処理してもよい。これに加えて又は代えて、画像取得部は、第2の撮影装置の画像を処理し終えてから画像切替部に画像切り替えを指示してもよい。
【0131】
以上の複数の実施形態において、撮影指示部は、第1の撮影装置が特定箇所を撮影している状況下で、特定箇所の作業を行う作業機械から作業中断の情報を取得したことに応じて、第1の撮影装置を待機場所40や作業現場30における安全な場所などに着陸した状態で待機させてもよく、これによって第1の撮影装置の消費電力を抑えてもよい。この場合、撮影指示部は、作業中断の情報を取得した時点において、第1の撮影装置が予め定められた時間以上、特定箇所の撮影を継続できるかどうかを判断してもよく、継続できると判断した場合に、かかる状態で待機させてもよい。この場合に、撮影指示部は、作業機械から作業再開の情報を取得したことに応じて、第1の撮影装置を待機直線の位置、撮影向き、ズームインアウト、ホワイトバランス、明度および焦点の少なくとも何れかに戻してもよい。
【0132】
以上の複数の実施形態において、撮影装置は、カメラを搭載した飛行体として説明したが、これに代えて、カメラを搭載した歩行式や走行式の移動ロボットであってもよく、特定箇所を撮影可能な場所であって例えば作業現場30における任意の場所に固定されたカメラであってもよい。固定式のカメラである撮影装置は、バッテリ駆動式のものであってもよく、バッテリは、自家発電によって繰り返し充電可能なものであってもよく、交換式であってもよい。固定式の撮影装置は、このようにバッテリ交換タイプの撮影装置であってもよく、外部電源に接続されて常時給電される撮影装置であってもよい。常時給電される固定式の撮影装置の場合、上述した予め定められた条件は、例えば、固定式の第1の撮影装置に異常・故障が生じたこと、固定式の第1の撮影装置のメンテナンスタイミングになったこと、等であってもよい。バッテリ交換タイプの固定式の撮影装置の場合、上述した予め定められた条件は、固定式の第2の撮影装置のバッテリが、電池残量が予め定められた閾値未満のバッテリから、電池残量が当該閾値以上のバッテリに交換されたことであってもよい。
【0133】
以上の複数の実施形態において、画像切替部は、特定箇所を撮影している飛行体300または特定箇所を撮影していない飛行体300が予め定められた条件を満たしたことに応じて特定箇所を撮影していない飛行体300が特定箇所の撮影を開始した場合に、特定箇所を撮影している飛行体300による画像の録画から、特定箇所を撮影していない飛行体300による画像の録画に切り替えてもよい。この場合における撮影システムは、第1実施形態による撮影システムのように、飛行体の他、当該画像切替部を有する制御装置と、当該制御装置とは別の建設機械とを備えてもよく、第2実施形態による撮影システムのように、飛行体の他、当該画像切替部を有する建設機械を備えてもよい。これらに代えて、撮影システムは、第1実施形態による撮影システムおよび第2実施形態による撮影システムとは異なり、当該画像切替部を有する飛行体のみを備えてもよく、すなわち、各飛行体300で特定箇所を撮影した画像の録画を行ってもよく、これによって、ユーザ20は2以上の飛行体300により特定箇所を順に撮影した記録済画像を観察することにより長時間に亘って特定箇所を観察できる。
【0134】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0135】
例えば、以上の複数の実施形態では、撮影システムが備える建設機械の一例としてクローラショベルを例示したが、これに限らず、建設機械はクレーンやホイールローダなどであってもよい。また、撮影システムは、建設機械に代えて又は加えて、トラクタといった農業機械やフォークリフトといった作業機械、自動車や船舶などを備えてもよい。また、撮影システムは、建設機械の表示装置に特定箇所の画像を表示させることに代えて又は加えて、作業現場等で監視を行うための監視モニタに特定箇所の画像を表示させてもよい。
【0136】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0137】
10 撮影システム
20 ユーザ
30 作業現場
40 待機場所
50 通信ネットワーク
60 表示画面
70 作業対象
100 制御装置
110 画像取得部
120 画像切替部
130 撮影指示部
140 情報取得部
150 選定部
160 終了指示部
170 警告部
180 作業計画記憶部
200 建設機械
201 下部走行体
202 上部旋回体
203 運転室
204 作業アタッチメント
205 バケット
206 表示装置
207 コントローラ
300 飛行体
301 第1飛行体
302 第2飛行体
303 第3飛行体
11 撮影システム
400 建設機械
401 下部走行体
402 上部旋回体
403 運転室
404 作業アタッチメント
405 バケット
406 表示装置
408 ユーザ入力部
410 画像取得部
415 表示部
420 画像切替部
430 撮影指示部
440 情報取得部
450 選定部
460 終了指示部
470 警告部
480 作業計画記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8