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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012591
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】作業機械および飛行体
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20250117BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20250117BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20250117BHJP
   B64U 70/93 20230101ALI20250117BHJP
   B64U 101/31 20230101ALN20250117BHJP
【FI】
E02F9/26 C
E02F9/20 N
B64U10/13
B64U70/93
B64U101:31
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115529
(22)【出願日】2023-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】幟立 晃
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 龍一
(72)【発明者】
【氏名】前田 茜
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003BA03
2D003BA04
2D003BA07
2D003BB04
2D003CA02
2D003DA02
2D003DA04
2D003DB04
2D003FA02
2D015HA03
2D015HB00
(57)【要約】
【解決手段】機体に対して動くことが可能な可動部と、機体上に設けられた飛行体発着場と、飛行体の発着予定軌道に干渉する干渉位置に可動部が無い場合に、飛行体の発着を許可する発着許可部とを備える作業機械を提供する。作業機械は、建設機械であってもよく、可動部は、機体に対して上下動する作業アタッチメントであってもよい。作業機械は、干渉位置に作業アタッチメントが有る場合に、作業アタッチメントが発着予定軌道に干渉しない非干渉位置まで作業アタッチメントを下方へ移動させる移動指示部を更に備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に対して動くことが可能な可動部と、
前記機体上に設けられた飛行体発着場と、
飛行体の発着予定軌道に干渉する干渉位置に前記可動部が無い場合に、前記飛行体の発着を許可する発着許可部と
を備える作業機械。
【請求項2】
前記作業機械は建設機械であって、
前記可動部は、前記機体に対して上下動する作業アタッチメントである、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記干渉位置に前記作業アタッチメントが有る場合に、前記作業アタッチメントが前記発着予定軌道に干渉しない非干渉位置まで前記作業アタッチメントを下方へ移動させる移動指示部を更に備える、
請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記干渉位置に前記可動部が有る場合に、前記作業機械を操作するオペレータに警告する警告部を更に備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の作業機械。
【請求項5】
前記発着許可部は、前記飛行体発着場の上方に前記可動部が無い場合に、前記発着を許可する、
請求項1から3の何れか一項に記載の作業機械。
【請求項6】
前記発着が許可されることに応じて前記可動部の動作を停止させる停止指示部を更に備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の作業機械。
【請求項7】
前記停止指示部は、前記発着の後の前記飛行体が前記干渉位置を通過し終えたことに応じて前記動作の停止を解除させる、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
飛行体であって、
機体に対して動くことが可能な可動部および前記機体上に設けられた飛行体発着場を有する作業機械に対して、前記飛行体の発着予定軌道に干渉する干渉位置に前記可動部が有るかどうかを判断する判断部と、
前記干渉位置に前記可動部が無い場合に、前記作業機械に対して前記飛行体の発着を許可させる許可指示部と
を備える飛行体。
【請求項9】
作業機械であって、
機体上に設けられた飛行体発着場と、
飛行体の発着用のトリガがあったことに応じて、前記飛行体の発着に支障のある前記作業機械の動作を止める動作停止部と
を備える作業機械。
【請求項10】
飛行体であって、
機体上に設けられた飛行体発着場を有する作業機械に対して、前記飛行体の発着に支障のある前記作業機械の動作を止めるための指示信号を前記作業機械に送信する停止指示部と、
前記作業機械が前記指示信号に従って前記動作を止めたことに応じて前記発着が可能と判断する判断部と
を備える飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械および飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「測量が終了すると、ドローン100aとドローン100bとは、油圧ショベル10の本体装置40に設けられた離着陸部に着陸して充電を開始する。一方、ドローン100cが離着陸部から離陸して油圧ショベル10の上方から撮像装置102による撮像を行う。」(段落0057)と記載されている。特許文献2には、「制御装置201はドッキング装置S6の上に着陸する前に着陸可能か否かを判定してもよい。例えば、ショベル100のエンジン11が作動中の場合に着陸不能と判定してもよい。…制御装置201は、ショベル100が発信する機体傾斜情報に基づいてショベル100が傾斜していると判定した場合に着陸不能と判定してもよい。」(段落0288)と記載されている。特許文献3には、「重機制御装置29は、図19(b)に示すように、旋回装置30を180度旋回させる(ステップS105)。なお、ステップS105の終了後に2機のドローン100のうち1機を離着陸部に着陸させて充電を行うようにしてもよい。」(段落0090)と記載されている。特許文献4には、「マルチコプタ50は、予約完了を返信したショベル10のマルチコプタ用ポート70に向けて移動する(ステップSA2)。マルチコプタ50は、マルチコプタ用ポート70の上空に到達すると、下降を開始しマルチコプタ用ポート70に着陸する(ステップSA3)。このとき、例えば、マルチコプタ用ポート70の画像を取得し、画像解析を行いながら、マルチコプタ用ポート70に対する自機の相対位置を微調整できる。」(段落0127)と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2022-188250号公報
[特許文献2] 特開2022-000570号公報
[特許文献3] 特開2022-132679号公報
[特許文献4] WO2017/099070
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、作業機械を提供する。作業機械は、機体に対して動くことが可能な可動部と、前記機体上に設けられた飛行体発着場と、飛行体の発着予定軌道に干渉する干渉位置に前記可動部が無い場合に、前記飛行体の発着を許可する発着許可部とを備える。
【0004】
上記の作業機械は建設機械であってもよい。上記の作業機械において、前記可動部は、前記機体に対して上下動する作業アタッチメントであってもよい。
【0005】
上記の何れかの作業機械は、前記干渉位置に前記作業アタッチメントが有る場合に、前記作業アタッチメントが前記発着予定軌道に干渉しない非干渉位置まで前記作業アタッチメントを下方へ移動させる移動指示部を更に備えてもよい。
【0006】
上記の何れかの作業機械は、前記干渉位置に前記可動部が有る場合に、前記作業機械を操作するオペレータに警告する警告部を更に備えてもよい。
【0007】
上記の何れかの作業機械において、前記発着許可部は、前記飛行体発着場の上方に前記可動部が無い場合に、前記発着を許可してもよい。
【0008】
上記の何れかの作業機械は、前記発着が許可されることに応じて前記可動部の動作を停止させる停止指示部を更に備えてもよい。
【0009】
上記の何れかの作業機械において、前記停止指示部は、前記発着の後の前記飛行体が前記干渉位置を通過し終えたことに応じて前記動作の停止を解除させてもよい。
【0010】
本発明の第2の態様においては、飛行体を提供する。飛行体は、機体に対して動くことが可能な可動部および前記機体上に設けられた飛行体発着場を有する作業機械に対して、前記飛行体の発着予定軌道に干渉する干渉位置に前記可動部が有るかどうかを判断する判断部と、前記干渉位置に前記可動部が無い場合に、前記作業機械に対して前記飛行体の発着を許可させる許可指示部とを備える。
【0011】
本発明の第3の態様においては、作業機械を提供する。作業機械は、機体上に設けられた飛行体発着場と、飛行体の発着用のトリガがあったことに応じて、前記飛行体の発着に支障のある前記作業機械の動作を止める動作停止部とを備える。
【0012】
本発明の第4の態様においては、飛行体を提供する。飛行体は、機体上に設けられた飛行体発着場を有する作業機械に対して、前記飛行体の発着に支障のある前記作業機械の動作を止めるための指示信号を前記作業機械に送信する停止指示部と、前記作業機械が前記指示信号に従って前記動作を止めたことに応じて前記発着が可能と判断する判断部とを備える。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態による発着管理システム10の概略図である。
図2】第1実施形態による建設機械200のブロック図の一例である。
図3】第1実施形態による発着管理システム10の着陸動作フローのフローチャートの一例である。
図4】建設機械200が作業アタッチメント204を伸長させた状態の一例を示す模式図である。
図5】建設機械200が作業アタッチメント204を抱え込んだ状態の一例を示す模式図である。
図6】第1実施形態による発着管理システム10の離陸動作フローのフローチャートの一例である。
図7】第2実施形態による建設機械400のブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、第1実施形態による発着管理システム10の概略図である。発着管理システム10は、機体に対して動くことが可能な可動部を備える作業機械の機体上に設けられた飛行体発着場に対して、飛行体が作業機械の可動部に接触することなく発着できるように管理する。作業機械は、例えば建設機械(ショベル、クレーン等)、土木機械、建物解体機械、自動車解体機械等である。作業機械は、自走可能な機械であってもよく、自走不可能な設置型の機械であってもよい。
【0017】
発着管理システム10は、1または複数の建設機械200と、1または複数の飛行体300とを備えてもよい。発着管理システム10において、1または複数の建設機械200と、1または複数の飛行体300とは、通信ネットワーク50を介して互いに無線通信または有線通信する。第1実施形態による発着管理システム10は、図1に示すように、通信ネットワーク50を介して互いに無線通信する1つの建設機械200と1つの飛行体300とを備える。以降の説明では、飛行体300をドローンと称する場合がある。
【0018】
本実施形態において、上述の作業機械は、一例として、建設現場や解体現場などの作業現場30で作業する建設機械200である。本実施形態における作業機械の可動部は、建設機械200の機体に対して上下動する作業アタッチメント204である。本実施形態では、図1に示す状態において、建設機械200は作業現場30に位置しており、飛行体300は、作業現場30の上空を飛行している。
【0019】
建設機械200は、例えばクローラショベルであって、図1に示すように、クローラ式の下部走行体201と、下部走行体201に対して旋回機構を介して旋回可能に搭載されている上部旋回体202とを有する。一例として、上部旋回体202の前方左側部には、建設機械200の運転室(キャブとも称され得る)203が設けられており、上部旋回体202の前方中央部には作業アタッチメント204が設けられている。なお、上部旋回体202は、機体の一例である。
【0020】
作業アタッチメント204は、上部旋回体202に対して起伏可能に装着されているブーム205と、ブーム205の先端に回動可能に連結されているアーム206と、アーム206の先端に回動可能に連結されているバケット207とを有する。作業アタッチメント204は、伸縮可能な油圧シリンダにより構成されているブームシリンダ208によって、上部旋回体202に対して上下動される。ブームシリンダ208は、作動油の供給を受けることにより伸縮してブーム205を起伏方向に回動させるようにブーム205と上部旋回体202との間に介在する。作業アタッチメント204は、ブームシリンダ208以外の油圧シリンダ、例えばアームシリンダ、バケットシリンダ等によっても、上部旋回体202に対して上下動されてもよい。なお、上述した可動部は、作業アタッチメント204に代えて、ブーム205、アーム206およびバケット207の少なくとも何れかを指してもよい。
【0021】
図1に示すように、運転室203には、一例として、天井の外側に飛行体発着場209が設けられている。飛行体発着場209は、1または複数の飛行体300が着陸可能なスペースである。本実施形態では、一例として、飛行体発着場209には1つの飛行体300が着陸可能である。飛行体発着場209は、運転室203の天井外側に加えて又は代えて、上部旋回体202の上面における、飛行体300が着陸可能な任意の場所であってもよい。飛行体発着場209は、飛行体発着場209に着陸している飛行体300が脱落しないように、飛行体300と係合可能なロック機構を有してもよい。飛行体発着場209は、飛行体発着場209に着陸している飛行体300に接触充電または非接触充電が可能な充電器を有してもよい。飛行体発着場209は、飛行体300が着陸するための目印となる対空標識を有してもよい。飛行体発着場209は、給電用の有線ケーブルによって飛行体300と接続されていてもよく、当該有線ケーブルによって飛行体300に給電してもよい。
【0022】
運転室203内には、表示部270が設けられている。運転室203には、表示部270の他に、例えば、下部走行体201、上部旋回体202および作業アタッチメント204をそれぞれ操作する複数の操作装置が設けられている。当該複数の操作装置は、運転室203内でユーザ20により直接操作されてもよく、作業現場30から遠隔の場所に設けられた操作室内でユーザ20により遠隔操作されてもよく、自動運転により操作されてもよい。なお、ここで言うユーザ20は、建設機械200を操縦するオペレータである。
【0023】
表示部270は、ディスプレイであり、図1に示すように、建設機械200の運転室203の前方に設けられてもよい。表示部270は、運転室203内にいるユーザ20に対して、映像やメッセージを表示してもよい。表示部270は、例えば飛行体300によって撮影された映像を表示してもよい。表示部270は、例えば飛行体300が飛行体発着場209に着陸したり飛行体発着場209から離陸したりする際に作業アタッチメント204を自動下降させたり自動停止させたりする旨のメッセージを表示してもよい。なお、表示部270は追加的に、スピーカを有してもよく、入力される音声データに基づいて音声を発してもよい。
【0024】
飛行体300は、例えば無線の無人ドローンであって、図1に示すように、複数の羽を有する回転翼機であってもよい。飛行体300は、有線の無人ドローンであってもよく、有人のヘリコプタであってもよい。飛行体300は、建設機械200から受信する指示信号等と予め組み込まれたプログラムに従って、自律飛行および自律撮影の少なくとも何れかを実行してもよい。なお、これに加えて又は代えて、飛行体300の飛行および撮影の一部は、ユーザ20が飛行体300のコントローラを操作することによって無線通信によりマニュアル制御されてもよい。なお、ここで言うユーザ20は、建設機械200を操縦するユーザ20と同一であっても異なっていてもよく、例えば作業現場30において建設機械200の外から建設機械200による作業状況を監視する監視者であってもよい。
【0025】
本実施形態において、飛行体300は、1または複数のカメラ301を搭載しており、例えば1または複数のカメラ301によって飛行体300周りを360度撮影可能であってもよい。飛行体300は更に、複数の羽を回転させるための電動モータ(アクチュエータ)と、自己の位置を検出するためのGNSSセンサや自己の姿勢を検出するためのジャイロセンサなどのセンサ群と、少なくともセンサ群と電動モータとカメラ301とに電力を供給するバッテリとを有する。当該バッテリは、例えば建設機械200の飛行体発着場209に設けられた充電器から、接触充電または非接触充電される。
【0026】
飛行体300は、1または複数のカメラ301によって撮影した飛行体300周りの画像データを、通信ネットワーク50を介して建設機械200または遠隔の操作室に送信してもよい。飛行体300が撮影する画像は、静止画であってもよく動画であってもよい。
【0027】
飛行体300は、建設機械200の飛行体発着場209に対する発着、すなわち飛行体発着場209への着陸および飛行体発着場209からの離陸の少なくとも何れかを行う前に、通信ネットワーク50を介して建設機械200に発着意思信号を送信してもよい。飛行体300は、建設機械200が飛行体発着場209に対する飛行体300の発着を許可した場合に、通信ネットワーク50を介して建設機械200から発着許可信号を受信してもよく、発着許可信号を受信したことに応じて、飛行体発着場209に対する発着を行ってもよい。
【0028】
発着意思信号とは、建設機械200の飛行体発着場209に対して発着しようとしていることを示すための信号を意図してもよい。発着意思信号は、飛行体発着場209に着陸しようとしていることを示すための着陸意思信号、および、飛行体発着場209から離陸しようとしていることを示すための離陸意思信号の少なくとも何れかを含んでもよい。発着意思信号は、予め定められた飛行計画に従って飛行体300が発着すべき時刻になったことを示す信号であってもよく、飛行体300がマニュアル制御される場合にはコントローラ上でユーザ20により発着を指示するボタンが押下されたことを示す信号であってもよい。着陸意思信号は、飛行体300のバッテリの電池残量が予め定められた閾値以下となったことを示す信号であってもよく、飛行体300に異常、故障などが生じたことを示す信号であってもよい。離陸意思信号は、飛行体300のバッテリの電池残量が予め定められた閾値よりも大きくなったことを示す信号であってもよく、飛行体300に生じていた異常、故障などの問題が解決されたことを示す信号であってもよい。なお、発着許可信号とは、建設機械200の飛行体発着場209に対する発着を許可することを示すための信号を意図してもよい。
【0029】
図2は、第1実施形態による建設機械200のブロック図の一例である。第1実施形態による建設機械200は、通信部210と、発着許可部220と、移動指示部230と、警告部240と、停止指示部250と、発着検出部260と、表示部270と、供給制御部280と、作業アタッチメント駆動部290とを備える。
【0030】
通信部210は、通信ネットワーク50を介して飛行体300と無線通信する。通信部210は、例えば通信ネットワーク50を介して飛行体300から発着意思信号やGNSS情報などを受信してもよく、受信した発着意思信号等を発着許可部220に出力してもよい。通信部210は、例えば通信ネットワーク50を介して飛行体300から画像データを受信してもよく、受信した画像データを発着許可部220および表示部270の少なくとも何れかに出力してもよい。通信部210は、例えば発着許可部220から発着許可信号を入力されたことに応じて、通信ネットワーク50を介して飛行体300に発着許可信号を送信してもよい。
【0031】
発着許可部220は、飛行体300の発着予定軌道に干渉する干渉位置に作業アタッチメント204が無い場合に、飛行体300の発着を許可する。飛行体300の発着予定軌道とは、飛行体300が建設機械200の飛行体発着場209に対して発着するときに通過する予定の軌道、すなわち予定されている飛行経路を指してもよい。干渉位置とは、当該予定されている飛行経路のうち、飛行体発着場209から予め定められた範囲内、例えば作業アタッチメント204が動くことが可能な範囲内の飛行経路を指してもよい。
【0032】
具体的には、発着許可部220は、通信部210から飛行体300の発着意思信号を入力されたことに応じて、干渉位置に作業アタッチメント204が有るかどうかを判断してもよい。より具体的には、発着許可部220は、通信部210から、飛行体300の発着意思信号と、飛行体300の進行方向を撮影した画像データとを入力されたことに応じて、画像に映る飛行体300の発着予定軌道に干渉する干渉位置に作業アタッチメント204が有るかどうかを判断してもよい。
【0033】
発着許可部220は、例えば、干渉位置に作業アタッチメント204が有る場合に、移動指示部230に、飛行体300が発着できないことを示す発着不可信号を出力してもよい。発着許可部220は、例えば、干渉位置に作業アタッチメント204が有る場合に、発着不可信号を移動指示部230に出力する前に、発着許可信号を警告部240に出力してもよい。
【0034】
発着許可部220は、例えば、干渉位置に作業アタッチメント204が無い場合または干渉位置から作業アタッチメント204が無くなった場合に、発着許可信号を通信部210に出力し、通信ネットワーク50を介して飛行体300に発着許可信号を送信させてもよい。発着許可部220は、例えば、干渉位置に作業アタッチメント204が無い場合または干渉位置から作業アタッチメント204が無くなった場合、発着許可信号を通信部210に出力する前に、発着許可信号を停止指示部250に出力してもよく、これに加えて発着許可信号を警告部240に出力してもよい。
【0035】
発着許可部220は、例えば、発着検出部260により飛行体発着場209に対する飛行体300の発着が完了したことを検出したことを示す検出信号を入力されたことに応じて、検出信号を停止指示部250に出力してもよく、これに加えて検出信号を警告部240に出力してもよい。
【0036】
移動指示部230は、干渉位置に作業アタッチメント204が有る場合に、作業アタッチメント204が発着予定軌道に干渉しない非干渉位置まで作業アタッチメント204を下方へ移動させる。より具体的には、移動指示部230は、発着許可部220から発着不可信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動させる移動指示を供給制御部280に出力してもよい。
【0037】
警告部240は、干渉位置に作業アタッチメント204が有る場合に、建設機械200を操作するオペレータに警告する。より具体的には、警告部240は、発着許可部220から発着不可信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204を下方へ移動させることをユーザ20に予告させる移動予告指示を表示部270に出力してもよい。警告部240は、発着許可部220から発着許可信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204の動作を停止させることをユーザ20に予告させる停止予告指示を表示部270に出力してもよい。警告部240は、発着許可部220から検出信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204の動作停止を解除させることをユーザ20に予告させる解除予告指示を表示部270に出力してもよい。
【0038】
停止指示部250は、発着許可部220により発着が許可されることに応じて作業アタッチメント204の動作を停止させる。より具体的には、停止指示部250は、発着許可部220から発着許可信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作を停止させるための停止指示を供給制御部280に出力してもよい。ここで言う、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作とは、鉛直方向から建設機械200を見る平面視において、作業アタッチメント204と飛行体発着場209とが重なるような作業アタッチメント204の動作を指してもよく、例えばブーム205を上方に動かす動作のみを指してもよい。
【0039】
停止指示部250は、発着の後の飛行体300が干渉位置を通過し終えたことに応じて作業アタッチメント204の動作の停止を解除させる。より具体的には、停止指示部250は、発着許可部220から検出信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作停止を解除させる解除指示を供給制御部280に出力してもよい。
【0040】
発着検出部260は、飛行体発着場209に対する飛行体300の発着を検出する。発着検出部260は、飛行体発着場209に対する飛行体300の発着を検出したことに応じて、発着が完了したことを示す検出信号を発着許可部220に出力してもよい。
【0041】
発着検出部260は、飛行体300と飛行体発着場209との離間距離を計測するセンサを含んでもよい。この場合、発着検出部260は、例えば当該離間距離が0cmになったことを検出した場合に、飛行体300が飛行体発着場209に着陸したと見做してもよく、例えば当該離間距離が予め定められた距離以上になったことを検出した場合に、飛行体300が飛行体発着場209から離陸し且つ干渉位置から外れたと見做してもよい。
【0042】
表示部270は、上述の通り、映像やメッセージを表示する。より具体的には、表示部270は、通信部210から入力される飛行体300からの画像を表示してもよい。表示部270は、警告部240から各種の予告指示を入力されたことに応じて、予告指示の内容に従い、作業アタッチメント204を自動下降させたり自動停止させたり自動停止解除させたりする旨のメッセージを表示してもよい。
【0043】
供給制御部280は、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給を制御する。より具体的には、供給制御部280は、移動指示部230から移動指示を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動させるように、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給を制御してもよい。供給制御部280は、停止指示部250から停止指示を入力されたことに応じて、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給を停止させてもよい。供給制御部280は、停止指示部250から解除指示を入力されたことに応じて、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給停止を解除させてもよい。
【0044】
作業アタッチメント駆動部290は、パイロットポンプ291と、第1制御バルブ292と、操作装置293と、メインポンプ294と、第2制御バルブ295と、パイロットポート296とを有する。
【0045】
パイロットポンプ291は、パイロットラインを介して1次パイロット圧を第1制御バルブ292に供給する。第1制御バルブ292は、供給制御部280から入力される制御信号に応じて、パイロットポンプ291からの1次パイロット圧を操作装置293および制御弁297に供給する。操作装置293は、運転室203内に設けられ、例えば運転室203内にいるユーザ20の操作に応じて、1次パイロット圧を2次パイロット圧に変換して、2次パイロット圧をシャトル弁298を介して第2制御バルブ295のパイロットポート296に供給する。メインポンプ294は、高圧油圧ラインを介して作動油を第2制御バルブ295に供給する。第2制御バルブ295は、パイロットポート296に供給される2次パイロット圧に応じて、メインポンプ294からの作動油をブームシリンダ208に供給する。制御弁297は、供給制御部280から入力される制御信号に応じて、シャトル弁298の開閉を制御することにより、上述の2次パイロット圧が第2制御バルブ295のパイロットポート296に供給されることを制御する。
【0046】
作業アタッチメント駆動部290は、供給制御部280によって、パイロットポンプ291から操作装置293への1次パイロット圧の供給を制御される。例えば、作業アタッチメント駆動部290は、供給制御部280によって、上述のように作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動させられる。例えば、作業アタッチメント駆動部290は、供給制御部280によって、パイロットポンプ291から操作装置293への1次パイロット圧の供給を停止された場合に、ユーザ20が操作装置293を操作することによってブームシリンダ208を駆動することができない状態にされる、すなわちブーム205の操作を禁じられる。例えば、作業アタッチメント駆動部290は、供給制御部280によって、パイロットポンプ291から操作装置293への1次パイロット圧の供給停止を解除された場合に、ユーザ20が操作装置293を操作することによってブームシリンダ208を駆動することができる状態にされる、すなわちブーム205の操作が自由にされる。
【0047】
図3は、第1実施形態による発着管理システム10の着陸時動作フローのフローチャートの一例である。図3の着陸時動作フローは、一例として、作業現場30の上空でホバリングしながら作業現場30を撮影している飛行体300が、特定位置から建設機械200の飛行体発着場209が撮影視野の中央付近に位置するように飛行体発着場209の少なくとも一部を撮影し、通信ネットワーク50を介して、飛行体発着場209の少なくとも一部を撮影した画像データと共に着陸意思信号を建設機械200に送信することにより開始される。
【0048】
建設機械200は、通信ネットワーク50を介して飛行体300から、飛行体発着場209を撮影した画像データと共に着陸意思信号を受信したことに応じて、飛行体300の発着予定軌道に干渉する干渉位置に作業アタッチメント204が有るかどうかを判断する(ステップS101)。
【0049】
飛行体300が飛行体発着場209に着陸するときの発着予定軌道は、飛行体300が飛行体発着場209に着陸するときに通過する予定の軌道、すなわち予定されている飛行経路である。飛行体300は、上述の特定位置から直線的に飛行して飛行体発着場209に着陸する。特定位置は、飛行体発着場209の鉛直方向上方において作業アタッチメント204の最高到達高さよりも少し高い位置、例えば数m程度高い位置であってもよい。特定位置は、飛行体発着場209よりも少し高い、例えば数cm~1m程度高い水平面において飛行体発着場209から水平方向にずれた位置であってもよい。特定位置は、飛行体発着場209に対して斜め上方において飛行体発着場209の少なくとも一部を撮影可能な任意の位置であってもよい。特定位置は、作業現場30の上空でホバリングしながら作業現場30を撮影している飛行体300の現在位置であってもよく、当該現在位置とは異なる位置であってもよい。当該異なる位置を、待機位置と称する場合がある。
【0050】
干渉位置は、このような発着予定軌道、すなわち特定位置と飛行体発着場209とを結ぶ直線(最短距離)に対して、作業アタッチメント204が重なり得る位置であって、当該直線と作業アタッチメント204が動くことが可能な3次元範囲との重複位置(範囲)である。
【0051】
ステップS101において、より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、飛行体発着場209の少なくとも一部を撮影した画像データと共に着陸意思信号を受信したことに応じて、飛行体発着場209の少なくとも一部を撮影した画像を解析する。より具体的には、発着許可部220は、当該画像において、飛行体発着場209が、作業アタッチメント204によって部分的に隠されていないかどうかを判断する。
【0052】
建設機械200は、干渉位置に作業アタッチメント204が無いと判断した場合に(ステップS101:NO)、作業アタッチメント204の動作を停止させてから(ステップS103)、飛行体300の着陸を許可する(ステップS105)。より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、上述の画像において、飛行体発着場209が、作業アタッチメント204によって部分的に隠されていないと判断した場合に、停止指示部250を介して供給制御部280に作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作を停止させるべく、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給を停止させる。発着許可部220は、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作を停止させることに先立って、警告部240から表示部270に停止予告のメッセージを表示させてもよい。その後、発着許可部220は、通信部210から通信ネットワーク50を介して飛行体300に発着許可信号を送信させる。
【0053】
ステップS101およびステップS105に関して、図4および図5を用いて、具体的な一例を説明する。当該具体的な一例においては、飛行体300は、飛行体発着場209に着陸する場合、飛行体発着場209の鉛直方向上方において作業アタッチメント204の最高到達高さよりも少し高い位置から鉛直方向下方に直線的に飛行して飛行体発着場209に着陸する。飛行体300は、飛行体発着場209から離陸する場合、飛行体発着場209から鉛直方向上方に直線的に飛行して飛行体発着場209から離陸する。この場合、発着許可部220は、飛行体発着場209の上方に作業アタッチメント204が無い場合に、発着を許可する。
【0054】
例えば図4の模式図に示す、建設機械200が作業アタッチメント204を伸長させた状態の一例では、鉛直方向から建設機械200を見る平面視において作業アタッチメント204と飛行体発着場209とが重なっておらず、発着許可部220は、飛行体発着場209の上方に作業アタッチメント204が無いと判断して発着を許可してもよい。例えば図5の模式図に示す、建設機械200が作業アタッチメント204を抱え込んだ状態の一例では、平面視において作業アタッチメント204と飛行体発着場209とが部分的に重なっており、発着許可部220は、飛行体発着場209の上方に作業アタッチメント204が有ると判断して発着を許可しなくてもよい。
【0055】
図3の動作フローに戻り、建設機械200は、飛行体発着場209に飛行体300が着陸していなければ着陸するまで待機し(ステップS107:NO)、飛行体発着場209に飛行体300が着陸したことに応じて(ステップS107:YES)、作業アタッチメント204の動作の停止を解除させ(ステップS109)、当該フローは終了する。より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、発着検出部260から飛行体発着場209に飛行体300が着陸したことを示す検出信号を入力されたことに応じて、停止指示部250を介して供給制御部280に作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作停止を解除させるべく、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給停止を解除させる。発着許可部220は、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作停止を解除させることに先立って、警告部240から表示部270に解除予告のメッセージを表示させてもよい。
【0056】
ステップS101において、建設機械200は、干渉位置に作業アタッチメント204が有ると判断した場合に(ステップS101:YES)、非干渉位置まで作業アタッチメント204を下方へ移動させ(ステップS102)、ステップS101に戻る。より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、上述の画像において、飛行体発着場209が、作業アタッチメント204によって部分的に隠されていると判断した場合に、移動指示部230を介して供給制御部280に作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動するよう制御させる。発着許可部220は、作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動するよう制御させることに先立って、警告部240から表示部270に移動予告のメッセージを表示させてもよい。
【0057】
図6は、第1実施形態による発着管理システム10の離陸時動作フローのフローチャートの一例である。図6の離陸時動作フローは、一例として、飛行体発着場209に着陸した状態の飛行体300が、特定方向を撮影し、通信ネットワーク50を介して、特定方向を撮影した画像データと共に離陸意思信号を建設機械200に送信することにより開始される。
【0058】
建設機械200は、通信ネットワーク50を介して飛行体300から、特定方向を撮影した画像データと共に離陸意思信号を受信したことに応じて、飛行体300の発着予定軌道に干渉する干渉位置に作業アタッチメント204が有るかどうかを判断する(ステップS201)。
【0059】
飛行体300が飛行体発着場209から離陸するときの発着予定軌道は、飛行体300が飛行体発着場209から離陸するときに通過する予定の軌道、すなわち予定されている飛行経路である。飛行体300は、飛行体発着場209、または飛行体発着場209から僅かに浮遊した位置、例えば数cm~1m程度浮遊した位置から上述の特定方向へと直線的に飛行することによって飛行体発着場209から離陸する。特定方向は、鉛直方向上方であってもよく、水平面内の任意の方向であってもよく、飛行体発着場209から斜め上方向であってもよい。
【0060】
干渉位置は、このような発着予定軌道、すなわち飛行体発着場209から当該特定方向に延びる直線に対して、作業アタッチメント204が重なり得る位置であって、当該直線と作業アタッチメント204が動くことが可能な3次元範囲との重複位置(範囲)である。
【0061】
ステップS201において、より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、特定方向を撮影した画像データと共に離陸意思信号を受信したことに応じて、特定方向を撮影した画像を解析する。より具体的には、発着許可部220は、当該画像において、撮影視野の中央付近から予め定められた範囲、例えば飛行体300の寸法よりも少し大きな範囲が、作業アタッチメント204によって少なくとも部分的に隠されていないかどうかを判断する。
【0062】
建設機械200は、干渉位置に作業アタッチメント204が無いと判断した場合に(ステップS201:NO)、作業アタッチメント204の動作を停止させてから(ステップS203)、飛行体300の離陸を許可する(ステップS205)。より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、上述の画像において、上述の範囲が、作業アタッチメント204によって少なくとも部分的に隠されていないと判断した場合に、停止指示部250を介して供給制御部280に作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作を停止させるべく、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給を停止させる。発着許可部220は、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作を停止させることに先立って、警告部240から表示部270に停止予告のメッセージを表示させてもよい。その後、発着許可部220は、通信部210から通信ネットワーク50を介して飛行体300に発着許可信号を送信させる。
【0063】
建設機械200は、飛行体発着場209から飛行体300が離陸していなければ離陸するまで待機し(ステップS207:NO)、飛行体発着場209から飛行体300が離陸したことに応じて(ステップS207:YES)、作業アタッチメント204の動作の停止を解除させ(ステップS209)、当該フローは終了する。より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、発着検出部260から、飛行体発着場209から飛行体300が離陸したことを示す検出信号を入力されたことに応じて、停止指示部250を介して供給制御部280に作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作停止を解除させるべく、作業アタッチメント駆動部290における1次パイロット圧の供給停止を解除させる。発着許可部220は、作業アタッチメント204の少なくとも一部の動作停止を解除させることに先立って、警告部240から表示部270に解除予告のメッセージを表示させてもよい。
【0064】
発着検出部260が、飛行体発着場209から飛行体300が離陸したことを示す検出信号を出力するのは、飛行体300と飛行体発着場209との離間距離が予め定められた距離以上になったことを検出した場合であってもよく、当該予め定められた距離は、作業アタッチメント204が動くことが可能な範囲に対応してもよい。すなわち、発着検出部260は、飛行体300が飛行体発着場209から離陸し且つ干渉位置から外れた場合に、飛行体発着場209から飛行体300が離陸したことを示す検出信号を出力してもよい。
【0065】
ステップS201において、建設機械200は、干渉位置に作業アタッチメント204が有ると判断した場合に(ステップS201:YES)、非干渉位置まで作業アタッチメント204を下方へ移動させ(ステップS202)、ステップS201に戻る。より具体的には、建設機械200の発着許可部220は、上述の画像において、上述の範囲が、作業アタッチメント204によって少なくとも部分的に隠されていると判断した場合に、移動指示部230を介して供給制御部280に作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動するよう制御させる。発着許可部220は、作業アタッチメント204を非干渉位置まで下方へ移動するよう制御させることに先立って、警告部240から表示部270に移動予告のメッセージを表示させてもよい。
【0066】
以上で説明した第1実施形態による発着管理システム10によれば、機体に対して動くことが可能な可動部を備える作業機械の機体上に設けられた飛行体発着場に対して、飛行体が作業機械の可動部に接触することなく発着できるように管理する。より具体的には、発着管理システム10において、機体に対して上下動する作業アタッチメント204と飛行体発着場209とを備える建設機械200は、飛行体300の発着予定軌道に干渉する干渉位置に作業アタッチメント204が無い場合に、飛行体300の発着を許可する。このような構成を備える建設機械200によれば、作業アタッチメント204のような可動部が飛行体300に接触して損傷することを確実に回避しつつ飛行体300を飛行体発着場209に発着させることができる。
【0067】
以上の実施形態において、建設機械200は、建設機械200の周囲を監視するカメラや、建設機械200の周囲にいる人を感知する人感センサなどを備えてもよく、これらのカメラや人感センサの他、飛行体発着場209に着陸している飛行体300のカメラ301などによって、作業アタッチメント204が周囲の人や物に衝突し得ることを検出してもよい。建設機械200は、作業アタッチメント204が周囲の人や物に衝突し得ることを検出したことに応じて、作業アタッチメント204の自動降下などを停止してもよい。これに加えて又は代えて、建設機械200は、作業アタッチメント204の自動降下などの前に移動予告のメッセージを受けたユーザ20が、作業アタッチメント204の自動下降などを手動で停止できるように構成されてもよい。
【0068】
以上の実施形態において、建設機械200は、作業アタッチメント204を自動降下させることに加えて又は代えて、表示部270を介し、ユーザ20に作業アタッチメント204を手動で下方へ移動させるように警告してもよい。
【0069】
以上の実施形態において、建設機械200の発着許可部220は、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを、飛行体300によって撮影された画像に基づいて判断する構成として説明した。これに加えて又は代えて、発着許可部220は、飛行体発着場209に対して飛行体300の発着予定軌道が予め定められている場合に、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを、作業アタッチメント204の姿勢に基づいて判断してもよい。発着許可部220は、作業アタッチメント204の姿勢を、建設機械200に設けられた角度センサや、建設機械200に設けられたカメラや、ブームシリンダ208の伸長長さなどに基づいて特定してもよい。発着許可部220は、例えば作業アタッチメント204の位置を飛行体発着場209に対する相対座標で認識してもよい。発着許可部220は、例えば抱え込み姿勢の状態における作業アタッチメント204の位置を初期位置としてもよい。発着許可部220は、ブーム205の上下方向の位置に対応するブームシリンダ208の長さに基づいて作業アタッチメント204の位置を特定してもよい。
【0070】
例えば、発着許可部220は、ブームシリンダ208の伸縮長さと、作業アタッチメント204の1または複数の基準点の初期座標に対する変位量または変位軌道との関係を予め記憶しておいてもよく、作業アタッチメント駆動部290によって制御されるブームシリンダ208の伸縮長さと当該関係に基づいて、作業アタッチメント204の姿勢を算出してもよい。発着許可部220は、特定した作業アタッチメント204の姿勢と、既知の発着予定軌道とに基づいて、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断してもよい。この場合、建設機械200は、飛行体300から画像データを受信しなくてもよい。
【0071】
以上の実施形態において、建設機械200の発着許可部220は、飛行体300からの発着意思信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断する構成として説明した。これに加えて又は代えて、発着許可部220は、飛行体発着場209に対して飛行体300の発着予定軌道が予め定められて、且つ、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを作業アタッチメント204の姿勢などに基づいて判断する場合には、当該判断を常時行ってもよい。この場合、発着許可部220は、作業アタッチメント204が干渉位置に有ると判断したことに応じて、警告部240から表示部270にその旨のエラーメッセージを表示させてもよい。
【0072】
以上の実施形態において、建設機械200の発着許可部220は、飛行体300が飛行体発着場209から離陸する場合に、飛行体300からの離陸意思信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断する構成として説明した。これに加えて又は代えて、発着許可部220は、発着検出部260から、飛行体300が着陸している状態の飛行体発着場209に設けられたロック機構が解除されたことに応じて、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断してもよい。
【0073】
以上の実施形態において、建設機械200の発着許可部220は、飛行体300が飛行体発着場209から離陸する場合に、飛行体300からの離陸意思信号を入力されたことに応じて、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断する構成として説明した。これに加えて又は代えて、発着管理システム10において複数の飛行体300を用いる場合には、発着許可部220は、飛行中の飛行体300からの着陸意思信号を入力されたことに応じて、飛行体発着場209に着陸中の飛行体300を離陸させるべく、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断してもよい。
【0074】
以上の実施形態において、建設機械200の発着許可部220は、飛行中の飛行体300から建設機械200までの距離を考慮してもよい。例えば、発着許可部220は、飛行体300からGNSS位置情報を受信して、建設機械200のGNSS位置情報を参照することで当該距離を算出し、当該距離が予め定められた距離以下であるかどうかを判断してもよい。発着許可部220は、当該距離が予め定められた距離以下であることを条件として、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断するように構成されてもよい。
【0075】
以上の実施形態では、建設機械200の発着許可部220が、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断する構成として説明した。これに代えて、飛行体300が、作業アタッチメント204が干渉位置に有るかどうかを判断してもよい。より具体的には、飛行体300は、建設機械200に対して、飛行体300の発着予定軌道に干渉する干渉位置に作業アタッチメント204が有るかどうかを判断する判断部と、干渉位置に作業アタッチメント204が無い場合に、建設機械200に対して飛行体300の発着を許可させる許可指示部とを備えてもよい。当該判断部による、干渉位置に作業アタッチメント204が有るかどうかの判断手法は、以上の実施形態で説明した判断手法と同様であってもよく、重複する説明を省略する。
【0076】
以上の実施形態において、飛行体300および建設機械200の少なくとも何れかは、地上に設置された基準局からの位置情報を自己のGNSS情報に組合せるRTK方式を用いて自己の位置を特定してもよい。これに加えて又は代えて、飛行体300は、SLAM方式を用いて自己位置を推定してもよい。
【0077】
発着予定軌道は、例えば建設機械200の飛行体発着場209に対して予め定められた相対座標で定義されてもよい。このように相対座標で定義される発着予定軌道は、建設機械200のメモリに記憶されていてもよい。発着予定軌道の相対座標は、複数の点の座標であってもよい。この場合、建設機械200は、通信ネットワーク50を介して飛行体300に、GNSS情報等に基づく飛行体発着場209の現在の座標データと、発着予定軌道の相対座標データを送信してもよく、飛行体300は、建設機械200から受信した座標データに基づいて、GNSS情報等に基づく自己の現在の位置から建設機械200の飛行体発着場までの飛行経路を決定してもよい。当該飛行経路のうち、少なくとも建設機械200の飛行体発着場209の周辺の経路は、発着予定軌道に従う。
【0078】
以上の実施形態において、建設機械200の発着許可部220は、干渉位置に作業アタッチメント204が無いと判断した場合に、飛行体300の発着を許可するべく発着許可信号を飛行体300に送信する構成として説明した。これに加えて又は代えて、発着許可部220は、干渉位置に作業アタッチメント204が無いと判断した場合に、飛行体300が飛行体発着場209に対して発着可能になるように飛行体発着場209に指示を出力してもよい。例えば、発着許可部220は、飛行体300が飛行体発着場209に着陸可能になるように飛行体発着場209に指示を出力する場合、飛行体発着場209は、飛行体300が飛行体発着場209に着陸するための目印として必要とされる対空標識を非表示状態から表示状態に切り替えてもよい。例えば、発着許可部220は、飛行体300が飛行体発着場209から離陸可能になるように飛行体発着場209に指示を出力する場合、飛行体発着場209は、上述のロック機構によって飛行体300を固定している状態から固定していない状態に切り替えてもよい。
【0079】
以上の実施形態において、追加的に又は代替的に、飛行体300は、飛行体発着場209に対する発着を検出するセンサを有してもよい。当該センサは、飛行体に設けられた高度センサを含んでもよく、この場合、飛行体300および建設機械200の少なくとも何れかは、飛行体発着場209の高度を予め記憶していてもよく、飛行体発着場209の高度と飛行体300の高度との差分に基づいて、飛行体発着場209に対する飛行体300の発着を検出してもよい。なお、この場合に、建設機械200は発着検出部260を備えなくてもよい。
【0080】
図7は、第2実施形態による建設機械400のブロック図の一例である。第2実施形態による建設機械400は、第1実施形態による建設機械200と異なる点として、移動指示部230を備えず、更に、発着許可部220は、飛行体300の発着用のトリガがあったことに応じて、飛行体300の発着に支障のある建設機械200の動作を止める。発着許可部220は更に、建設機械200の動作を止めた場合に、飛行体300の発着を許可してもよい。トリガは、例えば飛行体300から発着意思信号を受信することや、オペレータが発着ボタンや音声指示等によって発着意思を示したことや、作業機械に搭乗しているオペレータ以外の現場作業者や現場監督、遠隔操作者、遠隔監視者等の外部の人から発着指示を受けたことなどであってもよい。支障のある動作は、例えば作業アタッチメント204の上下動や[0]上部旋回体202の旋回動作であってもよい。第2実施形態による建設機械400のその他の構成は、第1実施形態による建設機械200の対応する構成と同様であり、同じ参照番号を用いて、重複する説明を省略する。第2実施形態による建設機械400によっても、第1実施形態による建設機械200と同様の効果を有する。なお、本実施形態における発着許可部220は、動作停止部の一例である。
【0081】
以上の第2実施形態では、建設機械400の発着許可部220が、飛行体300の発着用のトリガがあったことに応じて、飛行体300の発着に支障のある建設機械200の動作を止める構成として説明した。これに代えて、飛行体300が、飛行体300の発着に支障のある建設機械200の動作を止めるよう建設機械400に指示してもよい。より具体的には、飛行体300は、建設機械400に対して、飛行体300の発着に支障のある建設機械200の動作を止めるための指示信号を建設機械400に送信する停止指示部と、建設機械400が指示信号に従って当該動作を止めたことに応じて、飛行体300の発着が可能と判断する判断部とを備えてもよい。当該判断部は、例えば、建設機械400から、当該動作を止めた旨を示す停止信号を受信した場合に、飛行体300の発着が可能と判断してもよい。
【0082】
以上の第2実施形態では、飛行体300および建設機械400の一方が、飛行体300の発着予定軌道を決めてもよい。例えば建設機械400の発着許可部220が、建設機械400の上記動作を止めさせた後、飛行体300が建設機械400の飛行体発着場209以外の部分と干渉しない飛行経路を設定してもよい。これに代えて、例えば飛行体300が、建設機械400の飛行体発着場209以外の部分を検出して発着予定軌道を決めてもよい。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0084】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0085】
10 発着管理システム
20 ユーザ
30 作業現場
50 通信ネットワーク
200 建設機械
201 下部走行体
202 上部旋回体
203 運転室
204 作業アタッチメント
205 ブーム
206 アーム
207 バケット
208 ブームシリンダ
209 飛行体発着場
210 通信部
220 発着許可部
230 移動指示部
240 警告部
250 停止指示部
260 発着検出部
270 表示部
280 供給制御部
290 作業アタッチメント駆動部
291 パイロットポンプ
292 第1制御バルブ
293 操作装置
294 メインポンプ
295 第2制御バルブ
296 パイロットポート
297 制御弁
298 シャトル弁
300 飛行体
400 建設機械
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7