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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012616
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】処理装置および処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/497 20060101AFI20250117BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20250117BHJP
   G01N 33/98 20060101ALI20250117BHJP
   B60K 28/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G01N33/497 A
G08G1/16 F
G01N33/98
B60K28/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115586
(22)【出願日】2023-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】本井 滋
【テーマコード(参考)】
2G045
3D037
5H181
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CB22
2G045DA74
2G045JA07
3D037FA03
3D037FB09
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC14
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】運転者の呼気中の特定成分の検出における同乗者による成り代わりを抑制する。
【解決手段】処理装置17は、車両1の運転者2の呼気中の特定成分の検出に関する処理を行う処理装置17であって、特定成分を検出する検出処理を行う第1処理部と、検出処理における検出結果を出力する出力処理を行う第2処理部と、を備え、第2処理部は、車両1の同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、出力処理を禁止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の運転者(2)の呼気中の特定成分の検出に関する処理を行う処理装置(17)であって、
前記特定成分を検出する検出処理を行う第1処理部(17b)と、
前記検出処理における検出結果を出力する出力処理を行う第2処理部(17c)と、
を備え、
前記第2処理部(17c)は、前記車両(1)の同乗者(3)の呼吸タイミングに基づいて、前記出力処理を禁止する、
処理装置。
【請求項2】
前記第2処理部(17c)は、前記検出処理の実行中に前記同乗者(3)が息を吐いている時間に基づいて、前記出力処理を禁止する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第2処理部(17c)は、前記検出処理の実行中に前記同乗者(3)が息を吐いている時間のうち、前記運転者(2)が息を吐いている時間と重複する時間に基づいて、前記出力処理を禁止する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第1処理部(17b)は、前記同乗者(3)の呼吸タイミングに基づいて、前記検出処理の開始タイミングを決定する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第1処理部(17b)は、前記同乗者(3)が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間に基づいて、前記検出処理の開始タイミングを決定する、
請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記第1処理部(17b)は、現時点から前記同乗者(3)が次に息を吸い始める時点までの予測時間に基づいて、前記検出処理の開始タイミングを決定する、
請求項4に記載の処理装置。
【請求項7】
前記第1処理部(17b)は、前記検出処理の開始タイミングを決定する前に、息を吸い始めることを促す指示を前記運転者(2)に対して報知する、
請求項4に記載の処理装置。
【請求項8】
前記第1処理部(17b)は、前記出力処理が禁止された場合、前記検出処理を再度行う、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項9】
前記第2処理部(17c)は、前記検出処理が所定回数行われ、いずれの前記検出処理に対しても前記出力処理を禁止した場合、前記検出処理が正常に行われなかった旨を前記運転者(2)に対して報知する、
請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記特定成分は、アルコールである、
請求項1~9のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項11】
車両(1)の運転者(2)の呼気中の特定成分の検出に関する処理を行う処理方法であって、
処理装置(17)の第1処理部(17b)が、前記特定成分を検出する検出処理を行い、
前記処理装置(17)の第2処理部(17c)が、前記検出処理における検出結果を出力する出力処理を行い、
前記第2処理部(17c)は、前記車両(1)の同乗者(3)の呼吸タイミングに基づいて、前記出力処理を禁止する、
処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置および処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転における安全性を確保する目的で、車両の運転者の呼気中のアルコール等の特定成分の検出を行うための技術が提案されている。このような技術として、例えば、特許文献1に開示されているように、運転者の呼気中の特定成分の検出における同乗者による成り代わりを抑制するための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-201700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、運転者の呼気中の特定成分の検出における同乗者による成り代わりを抑制するためのいくつかの技術が提案されている。しかしながら、運転者の呼気中の特定成分の検出における同乗者による成り代わりをより効果的に抑制するための新たな提案が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、運転者の呼気中の特定成分の検出における同乗者による成り代わりを抑制することが可能な処理装置および処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、処理装置は、車両の運転者の呼気中の特定成分の検出に関する処理を行う処理装置であって、特定成分を検出する検出処理を行う第1処理部と、検出処理における検出結果を出力する出力処理を行う第2処理部と、を備え、第2処理部は、車両の同乗者の呼吸タイミングに基づいて、出力処理を禁止する。
【0007】
上記課題を解決するために、処理方法は、車両の運転者の呼気中の特定成分の検出に関する処理を行う処理方法であって、処理装置の第1処理部が、特定成分を検出する検出処理を行い、処理装置の第2処理部が、検出処理における検出結果を出力する出力処理を行い、第2処理部は、車両の同乗者の呼吸タイミングに基づいて、出力処理を禁止する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、運転者の呼気中の特定成分の検出における同乗者による成り代わりを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
<車両の構成>
図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係る車両1の構成について説明する。
【0012】
図1は、車両1の概略構成を示す模式図である。図1には、車両1の車室1a内を車両1の前方から見た様子が示されている。車室1a内には、複数の座席11が設けられている。図1に示されるように、最前列の座席11は、運転席11aと、助手席11bとを含む。ただし、車両1には、運転席11aおよび助手席11b以外の座席11として、後部座席が設けられていてもよい。
【0013】
図1の例では、運転席11aに運転者2が座っており、同乗者3が助手席11bに座っている。同乗者3は、車両1に搭乗している人である搭乗者のうち運転者2以外の搭乗者を意味する。以下では、同乗者3が助手席11bに座っている例を主に説明する。ただし、後述されるように、同乗者3は、後部座席に座っていてもよい。
【0014】
図1に示されるように、車両1は、ステアリングホイール12と、ステアリングコラム13と、アルコール検知器14と、表示装置15と、車室センサ16と、処理装置17とを備える。
【0015】
ステアリングホイール12は、運転者2による操舵操作において用いられる。ステアリングホイール12は、運転席11aの前方に設けられる。ステアリングホイール12は、ステアリングコラム13を介して車両1に取り付けられている。
【0016】
アルコール検知器14は、呼気中のアルコールの濃度を検知する。具体的には、アルコール検知器14の使用者は、アルコール検知器14に対して息を吐く。そして、アルコール検知器14は、吐かれた息に含まれるアルコールの濃度を検出する。
【0017】
車両1では、運転者2が車両1を発進させる前に、運転者2の呼気中のアルコールの検出が行われる。例えば、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも高い場合、車両1の発進が処理装置17によって禁止される。それにより、飲酒運転が抑制される。アルコール検知器14は、このようなアルコールの検出において、運転者2によって用いられる。アルコール検知器14は、例えば、車室1a内で移動可能となっており、運転者2の手に把持された状態で使用される。
【0018】
以下では、運転者2の呼気中の特定成分の検出として、アルコールの検出が行われる例を説明する。ただし、後述されるように、検出対象となる特定成分は、アルコール以外であってもよい。
【0019】
表示装置15は、各種情報を視覚的に表示する装置である。表示装置15としては、例えば、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0020】
車室センサ16は、車室1a内の状態を検出する。車室センサ16としては、例えば、レーダー等が挙げられる。以下では、車室センサ16がレーダーである例を説明する。ただし、後述されるように、車室センサ16は、レーダー以外のセンサであってもよい。車室センサ16は、車室1a内に設けられる。例えば、車室センサ16は、車室1a内のルームミラーの近傍に後下方向を向いて設けられる。特に、車室センサ16は、運転者2および同乗者3を含む車両1の搭乗者の状態を検出できる。
【0021】
処理装置17は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)、および、CPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等を含む。処理装置17は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。処理装置17が複数に分かれる場合、以下で説明する各種機能が複数の装置に分担されてもよい。
【0022】
図2は、処理装置17の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、処理装置17は、例えば、取得部17aと、第1処理部17bと、第2処理部17cと、制御部17dとを備える。
【0023】
取得部17aは、車両1内の各装置から情報を取得する。例えば、取得部17aは、アルコール検知器14および車室センサ16から情報を取得する。なお、本明細書において、情報の取得には、情報の抽出または生成(例えば、演算)等が含まれ得る。
【0024】
第1処理部17bおよび第2処理部17cは、運転者2の呼気中のアルコールの検出に関する各種処理を行う。特に、第1処理部17bは、運転者2の呼気中のアルコールを検出する検出処理を行う。第2処理部17cは、検出処理における検出結果を出力する出力処理を行う。なお、第1処理部17bおよび第2処理部17cは、アルコール検知器14および表示装置15の動作を制御することもできる。
【0025】
制御部17dは、車両1内の各装置の動作を制御する。制御部17dは、例えば、車両1の駆動源(例えば、走行用モータまたはエンジン)の動作を制御する。
【0026】
<処理装置の動作>
図3を参照して、本発明の実施形態に係る処理装置17の動作について説明する。
【0027】
上記のように、処理装置17は、車両1の発進前に、飲酒運転を抑制する目的で、運転者2の呼気中のアルコールの検出に関する処理を行う。アルコールの検出は、本来、運転者2がアルコール検知器14に対して息を吐くことによって行われる。しかしながら、運転者2が飲酒している状況において、本来の想定とは異なり、同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐くことも考えられる。本実施形態では、処理装置17により行われるアルコールの検出に関する処理に工夫が施されることによって、運転者2の呼気中のアルコールの検出における同乗者3による成り代わりを抑制することが可能となる。
【0028】
図3は、処理装置17が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3におけるステップS101は、図3に示される処理フローの開始に対応する。図3におけるステップS112は、図3に示される処理フローの終了に対応する。図3に示される処理フローは、車両1の発進前に開始される。例えば、図3に示される処理フローは、車両1の電源システムが起動した際に開始される。
【0029】
図3に示される処理フローが開始されると、ステップS102において、第1処理部17bは、搭乗者の検出を行う。具体的には、第1処理部17bは、車両1において、運転者2の有無、および、同乗者3の有無を検出する。例えば、第1処理部17bは、車両1において、どの座席11に人が座っており、どの座席11に人が座っていないかを検出する。
【0030】
ステップS102では、第1処理部17bは、例えば、車室センサ16としてのレーダーの検出結果に基づいて、運転者2の有無、および、同乗者3の有無を検出できる。例えば、車室センサ16は、車室1a内の対象物と車室センサ16との間の距離を検出できる。ゆえに、車室1a内に搭乗者が存在する場合、車室センサ16は、搭乗者の呼吸に伴う搭乗者の胸の収縮を検出できる。よって、第1処理部17bは、車室センサ16の検出結果に基づいて、このような胸の収縮が生じている対象を搭乗者として検出できる。
【0031】
上述したように、図3に示される処理フローは、例えば、車両1の電源システムが起動した際に開始される。ゆえに、ステップS102において、第1処理部17bは、基本的には、運転者2が運転席11aに座っていると判断する。よって、ステップS102では、第1処理部17bは、主に、同乗者3の有無および人数を検出する。
【0032】
ステップS102の次に、ステップS103において、第1処理部17bは、同乗者3が存在するか否かを判定する。同乗者3が存在しないと判定された場合(ステップS103/NO)、ステップS104に進む。一方、同乗者3が存在すると判定された場合(ステップS103/YES)、ステップS106に進む。
【0033】
ステップS103でNOと判定された場合、ステップS104において、第1処理部17bは、運転者2の呼気中のアルコールを検出する検出処理を行う。
【0034】
検出処理において、第1処理部17bは、例えば、まず、アルコール検知器14に向けて息を吐くことを促す指示を運転者2に対して報知する。例えば、第1処理部17bは、上記の指示を表示装置15に表示させることによって、運転者2に対して上記の指示を報知する。
【0035】
ただし、上記の報知は、表示装置15を用いて実現される例に限定されない。例えば、上記の報知は、車両1に搭載されず、運転者2が所持する表示装置(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を用いて実現されてもよい。また、例えば、上記の報知は、表示および音の双方によって実現されてもよく、表示に替えて音によって実現されてもよい。
【0036】
検出処理において、第1処理部17bは、次に、例えば、所定時間に亘って、呼気中のアルコールの濃度の検知をアルコール検知器14に行わせる。そして、第1処理部17bは、アルコール検知器14の検知結果に基づいて、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも高いか否かを判断する。ただし、アルコール検知器14が、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも高いか否かを判断し、判断結果を処理装置17に送信してもよい。その場合、第1処理部17bは、検出処理において、アルコール検知器14による判断結果を取得する。
【0037】
ステップS104の次に、ステップS105において、第2処理部17cは、ステップS104の検出処理における検出結果を出力する出力処理を行い、図3に示される処理フローは終了する。
【0038】
例えば、第2処理部17cは、出力処理において、ステップS104の検出処理における検出結果を表示装置15に表示させることによって、運転者2に対して上記の検出処理における検出結果を報知する。
【0039】
ただし、上記の報知は、表示装置15を用いて実現される例に限定されない。例えば、上記の報知は、車両1に搭載されず、運転者2が所持する表示装置(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を用いて実現されてもよい。また、例えば、上記の報知は、表示および音の双方によって実現されてもよく、表示に替えて音によって実現されてもよい。
【0040】
ステップS104の検出処理において、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも低いと判断された場合、第2処理部17cは、ステップS105の出力処理において、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも低い旨を運転者2に対して報知する。そして、この場合、処理装置17の制御部17dは、車両1の発進を許可する。
【0041】
一方、ステップS104の検出処理において、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも高いと判断された場合、第2処理部17cは、ステップS105の出力処理において、運転者2の呼気中のアルコールの濃度が規定値よりも高い旨を運転者2に対して報知する。そして、この場合、処理装置17の制御部17dは、車両1の発進を禁止する。例えば、制御部17dは、車両1の駆動源(例えば、走行用モータまたはエンジン)を起動できないようにする。それにより、飲酒運転が抑制される。
【0042】
ステップS103でNOと判定された場合には、同乗者3が存在しないので、運転者2の呼気中のアルコール検出における同乗者3による成り代わりは生じない。一方、ステップS103でYESと判定された場合には、同乗者3が存在するので、運転者2の呼気中のアルコール検出における同乗者3による成り代わりを抑制する必要がある。
【0043】
以下、ステップS103でYESと判定され、同乗者3が存在する場合におけるステップS106以降の処理について説明する。なお、以下では、理解を容易にするために、運転席11aに座る運転者2、および、助手席11bに座る同乗者3の2人が車両1に搭乗している場合について説明する。複数の同乗者3が存在する場合については後述する。
【0044】
ステップS103でYESと判定された場合、ステップS106において、第1処理部17bは、息を吸い始めることを促す指示を運転者2に対して報知する。例えば、第1処理部17bは、上記の指示を表示装置15に表示させることによって、運転者2に対して上記の指示を報知する。
【0045】
ただし、上記の報知は、表示装置15を用いて実現される例に限定されない。例えば、上記の報知は、車両1に搭載されず、運転者2が所持する表示装置(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を用いて実現されてもよい。また、例えば、上記の報知は、表示および音の双方によって実現されてもよく、表示に替えて音によって実現されてもよい。
【0046】
ステップS106の次に、ステップS107において、第1処理部17bは、現在が検出処理の開始タイミングとして適切なタイミングであるか否かを判定する。以下、検出処理の開始タイミングとして適切なタイミングを、単に適切なタイミングとも呼ぶ。
【0047】
第1処理部17bは、同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、現在が適切なタイミングであるか否かを判定する。そして、現在が適切なタイミングであると判定された場合、後述されるように、検出処理が実行される。つまり、第1処理部17bは、同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、検出処理の開始タイミングを決定する。
【0048】
なお、処理装置17は、例えば、車室センサ16の検出結果に基づいて、運転者2の呼吸タイミング、および、同乗者3の呼吸タイミングを検出できる。上述したように、車室センサ16としてのレーダーは、車両1の搭乗者の呼吸に伴う搭乗者の胸の収縮を検出できる。よって、処理装置17は、車室センサ16により検出される運転者2の胸の収縮のタイミングに基づいて、運転者2の呼吸タイミングを検出できる。また、処理装置17は、車室センサ16により検出される同乗者3の胸の収縮のタイミングに基づいて、同乗者3の呼吸タイミングを検出できる。
【0049】
ここで、同乗者3により行われる呼吸において、息を吸うフェーズと、息を吐くフェーズとが、交互に周期的に繰り返される。このような呼吸における同乗者3の動作のタイミングが呼吸タイミングに相当する。処理装置17は、息を吸うフェーズの時間として一般的に想定される時間、および、息を吐くフェーズの時間として一般的に想定される時間を予め記憶している。なお、処理装置17は、息を吸うフェーズの時間、および、息を吐くフェーズの時間として、同乗者3の過去の呼吸タイミングから予測される時間を記憶していてもよい。そして、第1処理部17bは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐かない、あるいは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間ができるだけ短くなるように、検出処理の開始タイミングを決定する。
【0050】
第1処理部17bは、例えば、同乗者3が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間に基づいて、現在が適切なタイミングであるか否かを判定してもよい。例えば、第1処理部17bは、同乗者3が息を吸い終わった後において、同乗者3が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間が第1基準時間を上回った場合、現在が適切なタイミングであると判定する。第1基準時間は、同乗者3による息を吐くフェーズが近々終わると想定される程度の長さの時間に設定される。第1基準時間は、例えば、息を吐くフェーズの時間として一般的に想定される時間に基づいて設定されてもよく、息を吐くフェーズの時間として同乗者3の過去の呼吸タイミングから予測される時間に基づいて設定されてもよい。このように、同乗者3が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間が第1基準時間を上回ったタイミングを検出処理の開始タイミングにすることによって、同乗者3による息を吐くフェーズが終わった後、同乗者3により息が吸われている期間において検出処理を行うことができる。
【0051】
また、第1処理部17bは、例えば、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの予測時間に基づいて、現在が適切なタイミングであるか否かを判定してもよい。例えば、第1処理部17bは、同乗者3が息を吐いている際に、息を吐くフェーズの時間として一般的に想定される時間に基づいて、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの時間を予測する。なお、第1処理部17bは、同乗者3が息を吐いている際に、息を吐くフェーズの時間として同乗者3の過去の呼吸タイミングから予測される時間に基づいて、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの時間を予測してもよい。そして、第1処理部17bは、このように予測された時間である予測時間が第2基準時間を下回った場合、現在が適切なタイミングであると判定する。第2基準時間は、同乗者3による息を吐くフェーズが近々終わると想定される程度の長さの時間に設定される。このように、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの予測時間が第2基準時間を下回ったタイミングを検出処理の開始タイミングにすることによって、同乗者3による息を吐くフェーズが終わった後、同乗者3により息が吸われている期間において検出処理を行うことができる。
【0052】
なお、第1処理部17bは、例えば、同乗者3が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間、および、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの予測時間の両方に基づいて、現在が適切なタイミングであるか否かを判定してもよい。例えば、第1処理部17bは、同乗者3が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間が第1基準時間を上回り、かつ、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの予測時間が第2基準時間を下回った場合、現在が適切なタイミングであると判定してもよい。
【0053】
現在が検出処理の開始タイミングとして適切なタイミングではないと判定された場合(ステップS107/NO)、ステップS107が繰り返される。一方、現在が検出処理の開始タイミングとして適切なタイミングであると判定された場合(ステップS107/YES)、ステップS108に進む。
【0054】
ステップS107でYESと判定された場合、ステップS108において、第1処理部17bは、運転者2の呼気中のアルコールを検出する検出処理を行う。ステップS108の検出処理は、上述したステップS104の検出処理と同様である。
【0055】
ステップS108の次に、ステップS109において、第2処理部17cは、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であるか否かを判定する。
【0056】
第2処理部17cは、同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であるか否かを判定する。そして、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であると判定された場合、後述されるように、出力処理が実行される。一方、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当ではないと判定された場合、後述されるように、出力処理が禁止される。つまり、第2処理部17cは、同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、出力処理を禁止する。
【0057】
ここで、検出処理では、本来、運転者2がアルコール検知器14に対して息を吐き、運転者2の呼気中のアルコールの検出が行われる。ゆえに、検出処理において同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐いている場合、検出処理の検出結果の妥当性が損なわれてしまう。よって、同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐いている可能性があると判断される場合、第2処理部17cは、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当でないと判定する。
【0058】
第2処理部17cは、例えば、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間に基づいて、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であるか否かを判定する。例えば、第2処理部17cは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間が第3基準時間より長い場合、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当ではないと判定する。第3基準時間は、同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐いている場合に想定される程度の長さの時間に設定される。
【0059】
より詳細には、第2処理部17cは、例えば、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間のうち、運転者2が息を吐いている時間と重複する時間に基づいて、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であるか否かを判定してもよい。例えば、第2処理部17cは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間のうち、運転者2が息を吐いている時間と重複する時間が第3基準時間より長い場合、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当ではないと判定する。
【0060】
検出処理の実行中において、運転者2が息を吐いている時間と長い時間に亘って重複するように同乗者3が息を吐いている場合、運転者2がアルコール検知器14に対して息を吐いているとみせかけて、同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐いていることが想定される。ゆえに、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間のうち、運転者2が息を吐いている時間と重複する時間に着目することで、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であるか否かをより精度良く判定できる。
【0061】
ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であると判定された場合(ステップS109/YES)、ステップS105に進む。そして、ステップS105において、第2処理部17cは、ステップS108の検出処理における検出結果を出力する出力処理を行い、図3に示される処理フローは終了する。
【0062】
一方、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当ではないと判定された場合(ステップS109/NO)、ステップS105に進まずに、ステップS110に進む。このように、ステップS109でNOと判定された場合には、ステップS108の検出処理における検出結果を出力する出力処理が禁止される。
【0063】
ステップS109でNOと判定された場合、ステップS110において、第2処理部17cは、検出処理が所定回数行われたか否かを判定する。
【0064】
検出処理の検出結果が妥当ではないと判定され、出力処理が禁止された場合、後述されるように、第1処理部17bは、検出処理を再度行う。出力処理が禁止され続ける間において、検出処理の回数は、所定回数まで許容される。所定回数は、適宜設定されてもよく、例えば、数回程度である。
【0065】
検出処理が所定回数行われていないと判定された場合(ステップS110/NO)、ステップS106に戻る。この場合、検出処理が再度行われる。一方、検出処理が所定回数行われたと判定された場合(ステップS110/YES)、ステップS111に進む。
【0066】
ステップS110でYESと判定された場合、ステップS111において、第2処理部17cは、検出処理が正常に行われなかった旨を運転者2に対して報知し、図3に示される処理フローは終了する。例えば、第2処理部17cは、検出処理が正常に行われなかった旨を表示装置15に表示させることによって、検出処理が正常に行われなかった旨を運転者2に対して報知する。
【0067】
ただし、上記の報知は、表示装置15を用いて実現される例に限定されない。例えば、上記の報知は、車両1に搭載されず、運転者2が所持する表示装置(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を用いて実現されてもよい。また、例えば、上記の報知は、表示および音の双方によって実現されてもよく、表示に替えて音によって実現されてもよい。
【0068】
以上説明したように、処理装置17では、第1処理部17bが、特定成分を検出する検出処理を行い、第2処理部17cが、検出処理における検出結果を出力する出力処理を行う。そして、第2処理部17cは、車両1の同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、出力処理を禁止する。それにより、同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐いている可能性があると判断される場合に、検出処理における検出結果が出力されることを抑制できる。ゆえに、運転者2の呼気中のアルコールの検出における同乗者3による成り代わりを抑制することができる。
【0069】
以上、図3を参照して、処理装置17が行う処理例について説明した。ただし、処理装置17が行う処理は、上記の処理例に限定されず、例えば、上記の処理例に対して適宜変更を施した処理であってもよい。
【0070】
例えば、上記の図3のフローチャートでは、ステップS107において、現在が検出処理の開始タイミングとして適切なタイミングではないと判定され続けている間(つまり、ステップS107でNOと判定され続けている間)、ステップS107が繰り返さる。ただし、ステップS107でNOと判定され続けている状態が所定時間継続した場合、例えば、ステップS111に進み、第2処理部17cは、検出処理が正常に行われなかった旨を運転者2に対して報知してもよい。
【0071】
また、例えば、上記では、同乗者3が助手席11bに座っている例について説明した。ただし、同乗者3の位置は、この例に限定されない。例えば、同乗者3は、後部座席に座っていてもよい。この場合においても、処理装置17によれば、運転者2の呼気中のアルコールの検出における後部座席に座る同乗者3による成り代わりを抑制することができる。
【0072】
また、例えば、上記では、同乗者3の人数が1人である例について説明した。ただし、車室1a内に複数の同乗者3が存在してもよい。この場合、ステップS107において、第1処理部17bは、例えば、複数の同乗者3の各々の呼吸タイミングに基づいて、現在が検出処理の開始タイミングとして適切なタイミングであるか否かを判定する。例えば、第1処理部17bは、全ての同乗者3の呼吸タイミングに対して、現在が適切なタイミングであると判定した場合に、ステップS107でYESと判定する。また、ステップS109において、第2処理部17cは、例えば、複数の同乗者3のうち運転者2が息を吐き始めたタイミングと最も近いタイミングで息を吐き始めた同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、ステップS108の検出処理の検出結果が妥当であるか否かを判定する。
【0073】
また、例えば、上記では、車室センサ16がレーダーである例を説明した。ただし、車室センサ16は、レーダー以外のセンサであってもよい。例えば、車室センサ16は、車室1a内を撮像するカメラであってもよい。この場合、ステップS102において、第1処理部17bは、例えば、車室センサ16としてのカメラにより撮像された画像に対して画像処理を施すことによって、座席11に座っている人の顔または体を認識できる。ゆえに、第1処理部17bは、車室センサ16としてのカメラにより撮像された画像に基づいて、運転者2の有無、および、同乗者3の有無を検出できる。なお、第1処理部17bは、例えば、各座席11に設けられる着座センサの検出結果に基づいて、運転者2の有無、および、同乗者3の有無を検出してもよい。また、処理装置17は、例えば、車室センサ16としてのカメラにより撮像された画像に対して画像処理を施すことによって、運転者2の呼吸タイミング、および、同乗者3の呼吸タイミングを検出できる。
【0074】
また、例えば、上記では、運転者2の呼気中の特定成分の検出として、アルコールの検出が行われる例を説明した。ただし、検出対象となる特定成分は、アルコール以外であってもよい。例えば、検出対象となる特定成分は、服用により運転が禁止される飲食物や特定の薬物に含まれる成分等であってもよい。
【0075】
<処理装置の効果>
本発明の実施形態に係る処理装置17の効果について説明する。
【0076】
処理装置17は、特定成分(上記の例では、アルコール)を検出する検出処理を行う第1処理部17bと、検出処理における検出結果を出力する出力処理を行う第2処理部17cとを備える。そして、第2処理部17cは、車両1の同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、出力処理を禁止する。それにより、同乗者3が運転者2に成り代わって特定成分の検知器(上記の例では、アルコール検知器14)に対して息を吐いている可能性があると判断される場合に、検出処理における検出結果が出力されることを抑制できる。ゆえに、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりを抑制することができる。
【0077】
好ましくは、処理装置17では、第2処理部17cは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間に基づいて、出力処理を禁止する。それにより、同乗者3が運転者2に成り代わって特定成分の検知器に対して息を吐いている可能性があると判断される場合に、検出処理における検出結果が出力されることを抑制することが適切に実現される。ゆえに、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりを抑制することが適切に実現される。
【0078】
好ましくは、処理装置17では、第2処理部17cは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間のうち、運転者2が息を吐いている時間と重複する時間に基づいて、出力処理を禁止する。それにより、同乗者3が運転者2に成り代わって特定成分の検知器に対して息を吐いている可能性があると判断される場合に、検出処理における検出結果が出力されることを抑制することがより適切に実現される。ゆえに、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりを抑制することがより適切に実現される。
【0079】
好ましくは、処理装置17では、第1処理部17bは、同乗者3の呼吸タイミングに基づいて、検出処理の開始タイミングを決定する。それにより、同乗者3の呼吸タイミングを加味して、検出処理の開始タイミングを適正化できる。例えば、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐かない、あるいは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間ができるだけ短くなるように、検出処理の開始タイミングを決定することができる。ゆえに、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりを効果的に抑制できる。
【0080】
好ましくは、処理装置17では、第1処理部17bは、同乗者3が息を吐き始めた時点から現時点までの経過時間に基づいて、検出処理の開始タイミングを決定する。それにより、同乗者3の呼吸タイミングを加味して、検出処理の開始タイミングを適正化することが適切に実現される。例えば、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐かない、あるいは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間ができるだけ短くなるように、検出処理の開始タイミングを決定することが適切に実現される。ゆえに、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりをより効果的に抑制できる。
【0081】
好ましくは、処理装置17では、第1処理部17bは、現時点から同乗者3が次に息を吸い始める時点までの予測時間に基づいて、検出処理の開始タイミングを決定する。それにより、同乗者3の呼吸タイミングを加味して、検出処理の開始タイミングを適正化することが適切に実現される。例えば、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐かない、あるいは、検出処理の実行中に同乗者3が息を吐いている時間ができるだけ短くなるように、検出処理の開始タイミングを決定することが適切に実現される。ゆえに、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりをより効果的に抑制できる。
【0082】
好ましくは、処理装置17では、第1処理部17bは、検出処理の開始タイミングを決定する前に、息を吸い始めることを促す指示を運転者2に対して報知する。それにより、運転者2に息を吐く準備を行わせた上で、検出処理の開始タイミングを決定し、検出処理を開始できる。ゆえに、検出処理の開始タイミングと、運転者2が息を吐き始めるタイミングとのずれを小さくすることができるので、検出処理の検出結果の妥当性を向上させることができる。
【0083】
好ましくは、処理装置17では、第1処理部17bは、出力処理が禁止された場合、検出処理を再度行う。それにより、出力処理が誤って禁止された場合(例えば、上記のステップS109の判定に誤りがあった場合等)に、検出処理を再度行うことによって、運転者2の呼気中の特定成分の検出を適切に行うことができる。また、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりが行われた場合であっても、次回の検出処理において成り代わりが行われなかった場合、運転者2の呼気中の特定成分の検出を適切に行うことができる。
【0084】
好ましくは、処理装置17では、第2処理部17cは、検出処理が所定回数行われ、いずれの検出処理に対しても出力処理を禁止した場合、検出処理が正常に行われなかった旨を運転者2に対して報知する。それにより、例えば、所定回数の検出処理の各々において、運転者2の呼気中の特定成分の検出における同乗者3による成り代わりが行われた場合に、検出処理が正常に行われなかった旨を運転者2に認識させることができる。
【0085】
好ましくは、処理装置17では、特定成分は、アルコールである。それにより、同乗者3が運転者2に成り代わってアルコール検知器14に対して息を吐いている可能性があると判断される場合に、検出処理における検出結果が出力されることを抑制できる。ゆえに、運転者2の呼気中のアルコールの検出における同乗者3による成り代わりを抑制することができる。ゆえに、飲酒運転を適切に抑制できる。
【0086】
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0087】
例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0088】
また、例えば、上記で説明した処理装置17による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、および、ソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、情報処理装置の内部または外部に設けられる記憶媒体に予め格納される。
【符号の説明】
【0089】
1 車両
1a 車室
2 運転者
3 同乗者
11 座席
11a 運転席
11b 助手席
12 ステアリングホイール
13 ステアリングコラム
14 アルコール検知器
15 表示装置
16 車室センサ
17 処理装置
17a 取得部
17b 第1処理部
17c 第2処理部
17d 制御部
図1
図2
図3