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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025126657
(43)【公開日】2025-08-29
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両及び動力決定方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/16 20160101AFI20250822BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20250822BHJP
   F02D 29/06 20060101ALI20250822BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20250822BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20250822BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20250822BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20250822BHJP
【FI】
B60W20/16
F01N3/08 B
F02D29/06 D
B60K6/48 ZHV
B60W10/06 900
B60W10/08 900
B60L50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024022991
(22)【出願日】2024-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 聖
【テーマコード(参考)】
3D202
3G091
3G093
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202BB01
3D202BB11
3D202BB53
3D202CC46
3D202DD05
3D202DD16
3D202DD18
3D202DD20
3D202DD22
3D202DD24
3D202DD45
3G091AA02
3G091AA14
3G091AB05
3G091BA14
3G091CA17
3G091CB02
3G091EA17
3G091EA18
3G091EA21
3G091FC04
3G093AA01
3G093BA20
3G093EA01
3G093EB09
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA00
5H125BD17
5H125CA02
5H125EE27
5H125EE31
(57)【要約】
【課題】アンモニアの排出を抑制する。
【解決手段】車両Sは、アクセルの開度に基づいて、エンジン2の燃料噴射量とモータ5が発生するモータトルクとを決定する第1決定部223と、エンジン2の排気に含まれるNOxを排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する触媒3の温度と、モータ5に電気を供給するバッテリ6のSOCと、に基づいて、燃料噴射量とモータトルクとを補正するための補正係数を決定する第2決定部224と、補正係数に基づいて、燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する算出部226と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセルの開度に基づいて、エンジンの燃料噴射量とモータが発生するモータトルクとを決定する第1決定部と、
前記エンジンの排気に含まれるNOxを前記排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する触媒の温度と、前記モータに電気を供給するバッテリの充電率と、に基づいて、前記燃料噴射量と前記モータトルクとを補正するための補正係数を決定する第2決定部と、
前記補正係数に基づいて、前記燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、前記モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する算出部と、を有する、
ハイブリッド車両。
【請求項2】
前記第2決定部は、前記触媒の温度が低いほど前記補正係数を大きくし、
前記算出部は、前記補正係数が大きいほど、前記補正燃料噴射量を少なくし、前記補正モータトルクを大きくする、
請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項3】
前記第2決定部は、前記バッテリの充電率が高いほど前記補正係数を大きくする、
請求項2に記載のハイブリッド車両。
【請求項4】
前記第2決定部は、前記補正係数として、前記燃料噴射量を補正するための第1補正係数と、前記モータトルクを補正するための第2補正係数と、を決定し、
前記算出部は、前記第1補正係数に基づいて前記補正燃料噴射量を算出し、前記第2補正係数に基づいて前記補正モータトルクを算出する、
請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項5】
前記算出部は、前記燃料噴射量に前記補正係数を乗算した第1補正量を前記燃料噴射量から減算した前記補正燃料噴射量と、前記モータトルクに前記補正係数を乗算した第2補正量を前記モータトルクに加算した前記補正モータトルクと、を算出する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両。
【請求項6】
前記アクセルの開度と前記エンジンの回転数とに基づいて、前記燃料噴射量を補正するための燃料噴射量補正項と、前記モータトルクを補正するためのモータトルク補正項と、を決定する第3決定部をさらに有し、
前記算出部は、前記燃料噴射量補正項に前記補正係数を乗算した第1補正量を前記燃料噴射量から減算した前記補正燃料噴射量と、前記モータトルク補正項に前記補正係数を乗算した第2補正量を前記モータトルクに加算した前記補正モータトルクと、を算出する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両。
【請求項7】
前記触媒に前記排気が流入する流入口の温度と前記排気の流量とに基づいて、前記触媒の前記温度を推定する推定部をさらに有する、
請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項8】
アクセルの開度に基づいて、エンジンの燃料噴射量とモータが発生するモータトルクとを決定する第1決定工程と、
前記エンジンの排気に含まれるNOxを前記排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する触媒の温度と、前記モータに電気を供給するバッテリの充電率と、に基づいて、前記燃料噴射量と前記モータトルクとを補正するための補正係数を決定する第2決定工程と、
前記補正係数に基づいて、前記燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、前記モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する算出工程と、を有する、
動力決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両、及びハイブリッド車両が備える駆動源の動力を決定するための動力決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のハイブリッド電動車両は、排気に含まれるNOxを浄化する触媒の温度と、ハイブリッド電動車両に要求された負荷とに基づいて、モータ及びエンジンの出力の大きさを制御することにより、触媒のNOx浄化率を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-227888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の触媒は、排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアを吸着し、排気に含まれるNOxと当該アンモニアとを反応させて窒素と水に還元することで、NOxの排出を抑制する。そして、触媒が吸着できるアンモニア量は、触媒の温度が高いほど少なくなる。そのため、エンジンの出力を大きくする際の出力の変化量が大きい場合、排気温度の急上昇に伴って触媒の温度も急上昇することにより、触媒が吸着できるアンモニア量が急減少するため、アンモニアが触媒から脱離して排出されてしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、アンモニアの排出を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るハイブリッド車両は、アクセルの開度に基づいて、エンジンの燃料噴射量とモータが発生するモータトルクとを決定する第1決定部と、前記エンジンの排気に含まれるNOxを前記排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する触媒の温度と、前記モータに電気を供給するバッテリの充電率と、に基づいて、前記燃料噴射量と前記モータトルクとを補正するための補正係数を決定する第2決定部と、前記補正係数に基づいて、前記燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、前記モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する算出部と、を有する。
【0007】
前記第2決定部は、前記触媒の温度が低いほど前記補正係数を大きくし、前記算出部は、前記補正係数が大きいほど、前記補正燃料噴射量を少なくし、前記補正モータトルクを大きくしてもよい。
【0008】
前記第2決定部は、前記バッテリの充電率が高いほど前記補正係数を大きくしてもよい。
【0009】
前記第2決定部は、前記補正係数として、前記燃料噴射量を補正するための第1補正係数と、前記モータトルクを補正するための第2補正係数と、を決定し、前記算出部は、前記第1補正係数に基づいて前記補正燃料噴射量を算出し、前記第2補正係数に基づいて前記補正モータトルクを算出してもよい。
【0010】
前記算出部は、前記燃料噴射量に前記補正係数を乗算した第1補正量を前記燃料噴射量から減算した前記補正燃料噴射量と、前記モータトルクに前記補正係数を乗算した第2補正量を前記モータトルクに加算した前記補正モータトルクと、を算出してもよい。
【0011】
前記アクセルの開度と前記エンジンの回転数とに基づいて、前記燃料噴射量を補正するための燃料噴射量補正項と、前記モータトルクを補正するためのモータトルク補正項と、を決定する第3決定部をさらに有し、前記算出部は、前記燃料噴射量補正項に前記補正係数を乗算した第1補正量を前記燃料噴射量から減算した前記補正燃料噴射量と、前記モータトルク補正項に前記補正係数を乗算した第2補正量を前記モータトルクに加算した前記補正モータトルクと、を算出してもよい。
【0012】
前記触媒に前記排気が流入する流入口の温度と前記排気の流量とに基づいて、前記触媒の前記温度を推定する推定部をさらに有してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る動力決定方法は、アクセルの開度に基づいて、エンジンの燃料噴射量とモータが発生するモータトルクとを決定する第1決定工程と、前記エンジンの排気に含まれるNOxを前記排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する触媒の温度と、前記モータに電気を供給するバッテリの充電率と、に基づいて、前記燃料噴射量と前記モータトルクとを補正するための補正係数を決定する第2決定工程と、前記補正係数に基づいて、前記燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、前記モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する算出工程と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アンモニアの排出を抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るハイブリッド車両Sの概要を説明するための図である。
図2】車両Sの構成を示す図である。
図3】補正燃料噴射量と補正モータトルクとを説明するための図である。
図4】動力決定装置20における処理シーケンスの例を示す図である。
図5】第1変形例に係る車両Sの動作を示す図である。
図6】第2変形例に係る車両Sの動作を示す図である。
図7】第3変形例に係る車両Sの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<ハイブリッド車両Sの概要>
図1は、本実施形態に係るハイブリッド車両S(以下、「車両S」という)の概要を説明するための図である。車両Sは、駆動源としてエンジンとモータとを備え、エンジンに供給する燃料の噴射量とモータに発生させるトルクとを決定する機能を有する。車両Sは、例えば、モータに電気を供給するバッテリの充電率と触媒の温度とに基づいて、アクセル開度に基づく燃料の噴射量を補正した補正燃料噴射量と、アクセル開度に基づくモータのトルクを補正した補正モータトルクと、を決定する。そして、車両Sは、決定した補正燃料噴射量でエンジンに燃料を噴射させ、決定した補正モータトルクをモータに発生させる。
【0017】
アクセル開度は、車両Sの運転者がアクセルペダルを踏み込んだ踏込量である。以下の説明においては、アクセル開度に基づく燃料の噴射量を「燃料噴射量」、アクセル開度に基づくモータのトルクを「モータトルク」、バッテリの充電率を「SOC(State Of Charge)」、触媒の温度を「触媒温度」という。
【0018】
車両Sは、エンジンの排気に含まれるNOxを浄化するための触媒(いわゆる、SCR;Selective Catalytic Reduction)を備える。触媒は、例えば、排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアを吸着し、排気に含まれるNOxを当該アンモニアと反応させて窒素と水に還元することでNOxを浄化する。そして、触媒が吸着できるアンモニアの量は、触媒の温度が高いほど少なくなる。
【0019】
したがって、例えば、車両Sが走行している道路が平坦な道路から上り勾配が付された道路に変化した場合、運転者の操作に応じてエンジンの出力が急上昇すると、排気温度の上昇に伴い触媒温度も急上昇し、触媒が吸着できるアンモニアの量が急減少する。その結果、触媒においては、触媒温度が上昇する前に吸着したアンモニアの量が、触媒温度が上昇した後に吸着できるアンモニアの量を超えて、吸着したアンモニアを排出する(いわゆる、アンモニアスリップを発生させる)場合がある。これに対して、上り勾配を走行する際に、エンジンの出力に代えてモータの出力を上昇させる方策を取り得るが、この方策は、SOCが低下した状態においては、用いることができない。
【0020】
そこで、車両Sは、触媒温度とSOCとに基づく補正係数を決定する。そして、車両Sは、決定した補正係数に基づいて、アクセル開度に対応する燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、アクセル開度に対応するモータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を決定する。車両Sは、例えば、燃料噴射量に対応するエンジンの出力とモータトルクを発生したモータの出力との合計が、補正燃料噴射量に対応するエンジンの出力と補正モータトルクを発生したモータの出力との合計と一致又は近似するように補正燃料噴射量と補正モータトルクとを決定する。
【0021】
まず、車両Sは、燃料噴射量マップM1を参照することにより、アクセル開度に対応する燃料噴射量を決定する(図1に示す(1))。燃料噴射量マップM1は、アクセル開度が大きいほど大きい燃料噴射量を示すマップである。車両Sは、モータトルクマップM2を参照することにより、アクセル開度に対応するモータトルクを決定する(図1に示す(2))。モータトルクマップM2は、アクセル開度が大きいほど大きいモータトルクを示すマップである。
【0022】
車両Sは、補正係数マップM3を参照することにより、触媒温度及びSOCに対応する補正係数を決定する(図1に示す(3))。補正係数は、燃料噴射量及びモータトルクを補正するための係数であり、補正係数マップM3は、触媒温度及びSOCに対応する補正係数を示すマップである。補正係数及び補正係数マップM3については、後述する。
【0023】
車両Sは、燃料噴射量補正項マップM4を参照することにより、アクセル開度及びエンジン回転数に対応する燃料噴射量補正項を決定する(図1に示す(4))。車両Sは、モータトルク補正項マップM5を参照することにより、アクセル開度及びエンジン回転数に対応するモータトルク補正項を決定する(図1に示す(5))。燃料噴射量補正項、モータトルク補正項、燃料噴射量補正項マップM4及びモータトルク補正項マップM5については、後述する。
【0024】
続いて、車両Sは、燃料噴射量補正項に補正係数を乗算した乗算値を第1補正量として算出し(図1に示す(6))、燃料噴射量から第1補正量を減算した減算値を補正燃料噴射量として決定する(図1に示す(7))。車両Sは、モータトルク補正項に補正係数を乗算した乗算値を第2補正量として算出し(図1に示す(8))、モータトルクに第2補正量を加算した加算値を補正モータトルクとして決定する(図1に示す(9))。
【0025】
車両Sが上記のように動作することで、車両Sは、触媒温度が低下した状態においては、触媒温度が急上昇しないようにエンジンの出力を大きくできる。その結果、車両Sは、SOCの低下を抑制できるとともにアンモニアスリップの発生を抑制できる。そして、車両Sは、SOCの低下を抑制したことにより、アンモニアスリップが発生する可能性がある状態においてはモータの出力を上昇させやすくできるため、アンモニアスリップを抑制できる。さらに、車両Sは、触媒温度とSOCとが上昇した状態においては、エンジンの出力よりもモータの出力を大きくすることで触媒温度の上昇を抑制できるため、アンモニアスリップを抑制できる。
以下、車両Sの構成及び動作を詳細に説明する。
【0026】
<車両Sの構成>
図2は、車両Sの構成を示す図である。図2に示す車両Sは、アクセル装置1、エンジン2、触媒3、排気路4、モータ5、バッテリ6、温度センサ11、流量センサ12、回転数センサ13、走行制御装置14及び動力決定装置20を備える。図2においては、一例として、アクセル開度がアクセルペダルの踏込量である場合を示す。
【0027】
アクセル装置1は、車両Sの加速を制御するための装置である。アクセル装置1は、例えば、アクセルペダル及びペダルセンサを含み、車両Sの運転者がアクセルペダルを踏み込んだ量を示す踏込量をペダルセンサが検出する。アクセル装置1は、検出した踏込量をアクセル開度として動力決定装置20に出力する。
【0028】
エンジン2は、車両Sの駆動源であり、燃料と吸気(空気)の混合気を燃焼、膨張させて動力を発生させる内燃機関である。触媒3は、排気路4においてエンジン2の下流に設けられた、排気路4を流れるエンジン2の排気を浄化するための浄化装置であり、例えば、SCRを含む。触媒3は、エンジン2の排気に含まれるNOxを、排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する。排気路4は、エンジン2の排気が流れる流路である。
【0029】
モータ5は、車両Sの駆動源であり、インバータ(不図示)を介してバッテリ6から供給された電気により動力を発生させる電動機である。モータ5は、車両Sを制動させる際に、発電機として動作(いわゆる、回生ブレーキを実行)することにより発電した電気を、バッテリ6に蓄電させてもよい。バッテリ6は、充放電可能な蓄電池であり、モータ5に電気を供給する。バッテリ6は、例えば、車両Sの外部から供給された電気、モータ5が発電した電気、及び車両Sが備えるソーラパネル(不図示)が発電した電気を蓄電する。
【0030】
温度センサ11は、排気路4において触媒3の上流に設けられ、触媒3に排気が流入する流入口の温度を検出し、動力決定装置20に当該温度を出力するためのセンサである。流量センサ12は、排気路4を流れる排気の流量(以下、「排気流量」という)を検出し、動力決定装置20に当該流量を出力するためのセンサである。回転数センサ13は、エンジン2の回転数を検出し、動力決定装置20に当該回転数を出力するためのセンサである。
【0031】
走行制御装置14は、例えば、1又は複数の、CPU(Central Processing Unit)又はECU(Electronic Control Unit)等のプロセッサと記憶部とを含む装置である。走行制御装置14は、記憶部に記憶されたプログラムをプロセッサに実行させることにより、動力決定装置20が決定した補正燃料噴射量でエンジン2に燃料を噴射させたり、動力決定装置20が決定した補正モータトルクをモータ5に発生させたりする。走行制御装置14は、バッテリ6の充電率を取得し、動力決定装置20に通知する。
【0032】
動力決定装置20は、例えば、1又は複数の、CPU又はECU等のプロセッサを含む装置である。動力決定装置20は、例えば、アクセル装置1から取得したアクセル開度と、温度センサ11から取得した温度と、走行制御装置14から取得したSOCと、に基づいて、補正燃料噴射量と補正モータトルクとを決定する。動力決定装置20は、決定した補正燃料噴射量及び補正モータトルクを走行制御装置14に通知することにより、補正燃料噴射量でエンジン2に燃料を噴射させ、補正モータトルクをモータ5に発生させる。動力決定装置20は、電子部品を含む筐体を有していてもよく、電子部品が実装されたプリント基板であってもよい。動力決定装置20は、走行制御装置14を含んでいてもよい。
以下、動力決定装置20の構成及び動作を詳細に説明する。
【0033】
<動力決定装置20の構成>
動力決定装置20は、図2に示すように、記憶部21及び制御部22を有する。制御部22は、取得部221、推定部222、第1決定部223、第2決定部224、第3決定部225及び算出部226を有する。
【0034】
記憶部21は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部21は、制御部22が実行するプログラムと、補正燃料噴射量及び補正モータトルクを決定するための各種の情報と、を記憶している。一例として、記憶部21は、図1に示す、燃料噴射量マップM1、モータトルクマップM2、補正係数マップM3、燃料噴射量補正項マップM4及びモータトルク補正項マップM5を記憶している。
【0035】
制御部22は、例えば、CPU又はECU等のプロセッサである。制御部22は、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部221、推定部222、第1決定部223、第2決定部224、第3決定部225及び算出部226として機能する。なお、制御部22は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、複数のプロセッサ又は1以上のプロセッサと電子回路との組み合わせにより構成されていてもよい。
以下、制御部22により実現される各部の構成を説明する。
【0036】
取得部221は、動力決定装置20の外部から所定の制御周期で各種の情報を取得する。制御周期は、例えば、0.1秒である。取得部221は、例えば、アクセル開度をアクセル装置1から、触媒3の流入口の温度を温度センサ11から、排気路4を流れる排気の流量を流量センサ12から、エンジン2の回転数を回転数センサ13から、バッテリ6のSOCを走行制御装置14から、それぞれ取得する。取得部221は、例えば、取得した各種の情報を記憶部21に記憶させる。
【0037】
推定部222は、触媒3の温度(触媒温度)を推定する。推定部222は、例えば、触媒3に排気が流入する流入口の温度と排気の流量とに基づいて、触媒温度を推定する。具体的には、推定部222は、例えば、温度センサ11が検出した温度と流量センサ12が検出した排気の流量とを取得部221から取得し、取得した温度かつ流量の排気が触媒3に接触したことによる触媒温度を推定する。推定部222は、温度センサ11が検出した温度を触媒温度と推定してもよい。
【0038】
第1決定部223は、アクセル開度に基づいて、エンジン2の燃料噴射量とモータ5が発生するモータトルクとを決定する。第1決定部223は、例えば、記憶部21に記憶された燃料噴射量マップM1を参照することにより、取得部221が取得したアクセル開度に対応するエンジン2の燃料噴射量を決定する(図1に示す(1))。第1決定部223は、例えば、記憶部21に記憶されたモータトルクマップM2を参照することにより、取得部221が取得したアクセル開度に対応するモータトルクを決定する(図1に示す(2))。
【0039】
第2決定部224は、触媒温度と、バッテリ6のSOCと、に基づいて、燃料噴射量とモータトルクとを補正するための補正係数を決定する。補正係数は、燃料噴射量の第1補正量と、モータトルクの第2補正量と、を算出するための係数であり、例えば、0以上の値を示す係数である。第2決定部224は、例えば、記憶部21に記憶された補正係数マップM3を参照することにより、推定部222が推定した触媒温度と、取得部221が走行制御装置14から取得したバッテリ6のSOCと、に対応する補正係数を決定する(図1に示す(3))。
【0040】
第2決定部224は、例えば、触媒温度が低いほど補正係数を大きくする。すなわち、補正係数マップM3は、触媒温度が低いほど大きい値を示す補正係数を含む。第2決定部224がこのように補正係数を決定することで、車両Sは、触媒温度が低いほど、補正燃料噴射量を小さく、かつ補正モータトルクを大きくできる。その結果、触媒温度が低下した状態でエンジン2の出力を急上昇させることにより、触媒温度も急上昇してアンモニアスリップが発生することを抑制できる。
【0041】
第2決定部224は、例えば、バッテリ6のSOCが高いほど補正係数を大きくする。すなわち、補正係数マップM3は、SOCが高いほど大きい値を示す補正係数を含む。第2決定部224がこのように補正係数を決定することで、車両Sは、バッテリ6のSOCが高いほど、補正燃料噴射量を小さく、かつ補正モータトルクを大きくできる。その結果、バッテリ6のSOCが高い状態において、エンジン2の出力を小さくすることにより触媒温度の上昇を抑制できるため、アンモニアスリップの発生を抑制できる。
【0042】
第3決定部225は、エンジン2の回転数とアクセル開度とに基づいて、燃料噴射量を補正するための燃料噴射量補正項と、モータトルクを補正するためのモータトルク補正項と、を決定する。燃料噴射量補正項は、燃料噴射量の第1補正量を算出するための項であり、モータトルク補正項は、モータトルクの第2補正量を算出するための項である。
【0043】
第3決定部225は、例えば、記憶部21に記憶された燃料噴射量補正項マップM4を参照することにより、取得部221が取得したエンジン2の回転数とアクセル開度とに対応する燃料噴射量補正項を決定する(図1に示す(4))。燃料噴射量補正項マップM4は、エンジン2の回転数とアクセル開度とに対応する燃料噴射量補正項が含まれるマップであり、エンジン2の回転数が大きいほど、かつアクセル開度が大きいほど、第1補正量を大きくするための燃料噴射量補正項を示す。
【0044】
第3決定部225は、例えば、記憶部21に記憶されたモータトルク補正項マップM5を参照することにより、取得部221が取得したエンジン2の回転数とアクセル開度とに対応するモータトルク補正項を決定する(図1に示す(5))。モータトルク補正項マップM5は、エンジン2の回転数とアクセル開度とに対応するモータトルク補正項が含まれるマップであり、エンジン2の回転数が大きいほど、かつアクセル開度が大きいほど、第2補正量を大きくするためのモータトルク補正項を示す。
【0045】
エンジン2の回転数の大きさは、現時刻の排気流量の多さに対応し、アクセル開度の大きさは、現時刻から所定時間が経過した時刻の排気流量の多さに対応する。そして、排気流量が多いほど、触媒温度は高くなる。そのため、燃料噴射量補正項マップM4は、現時刻から所定時間後の触媒温度の変化量と現時刻の触媒温度とに対応する燃料噴射量補正項を含むことができる。モータトルク補正項マップM5は、現時刻から所定時間後の触媒温度の変化量と現時刻の触媒温度とに対応するモータトルク補正項を含むことができる。したがって、第3決定部225は、現時刻から所定時間後の触媒温度の変化量と現時刻の触媒温度とに対応する、燃料噴射量補正項とモータトルク補正項と、を決定できる。
【0046】
算出部226は、第2決定部224が決定した補正係数に基づいて、燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する。算出部226は、例えば、補正係数が大きいほど、補正燃料噴射量を少なくし、補正モータトルクを大きくする。
【0047】
図3は、補正燃料噴射量と補正モータトルクとを説明するための図である。図3の横軸は、時刻を示し、図3の縦軸は、触媒3の「触媒温度」と、バッテリ6の「SOC」と、第2決定部224が決定した「補正係数」と、「噴射量」と、「トルク」とを示す。図3に示す「噴射量」においては、実線が補正燃料噴射量を示し、一点鎖線が燃料噴射量を示す。図3に示す「トルク」においては、実線が補正モータトルクを示し、一点鎖線がモータトルクを示す。
【0048】
図3に示すように、時間P0及び時間P1において、触媒温度が温度C0から温度C1に低下し、かつSOCが充電率B0から充電率B2に上昇したことにより、第2決定部224は、補正係数を係数H0から係数H2に大きくする。そして、算出部226は、例えば、時刻T2において、第1決定部223が決定した燃料噴射量E22よりも少ない補正燃料噴射量E21を決定し、第1決定部223が決定したモータトルクM22よりも大きい補正モータトルクM21を決定する。
【0049】
続いて、時間P2において、触媒温度が温度C1から温度C3に上昇し、SOCが充電率B2から充電率B0に低下したことにより、第2決定部224は、補正係数を係数H2から係数H3に小さくする。そして、算出部226は、例えば、時刻T3において、第1決定部223が決定した燃料噴射量E32よりも少ない補正燃料噴射量E31を決定し、第1決定部223が決定したモータトルクM32よりも大きい補正モータトルクM31を決定する。
【0050】
図3に示す時間P0、時間P1及び時間P2においては、補正係数がもっとも大きい時刻T2における燃料噴射量と補正燃料噴射量との差「E22-E21」が、他の時刻における燃料噴射量と補正燃料噴射量との差よりも大きい。すなわち、算出部226は、補正係数が大きいほど、燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量を算出する。また、時刻T2における補正モータトルクとモータトルクとの差「M21-M22」は、他の時刻における補正モータトルクとモータトルクとの差よりも大きい。すなわち、算出部226は、補正係数が大きいほど、モータトルクよりも大きい補正モータトルクを算出する。
【0051】
算出部226が上記のように動作することで、算出部226は、触媒温度が低下したことにより補正係数が大きい場合に、補正燃料噴射量を少なくし、補正モータトルクを大きくできる(例えば、図3に示す時間P0)。その結果、算出部226は、触媒温度が低下した状態において、モータ5の出力よりもエンジン2の出力を大きくし、SOCの低下を抑制できる。その結果、算出部226は、アンモニアスリップが発生しやすい状態においてSOCが低下することを抑制できるため、当該状態においてモータ出力を大きくすることにより、アンモニアスリップを抑制できる。
【0052】
さらに、算出部226は、SOCが大きいことにより補正係数が大きい場合に、補正燃料噴射量を少なくし、補正モータトルクを大きくできる(例えば、図3に示す時間P1)。その結果、算出部226は、例えば、上り勾配が付された道路を走行するために大きい出力を要求されたとしても、SOCが大きいため、モータ5の出力を大きくすることで車両Sを駆動させることができるため、エンジン2の出力を抑制できる。その結果、算出部226は、触媒温度の上昇の抑制できることにより、アンモニアスリップを抑制できる。
【0053】
算出部226は、例えば、燃料噴射量補正項に補正係数を乗算した第1補正量(図1に示す(6))を燃料噴射量から減算した補正燃料噴射量(図1に示す(7))を算出する。算出部226は、例えば、燃料噴射量補正項に含まれる係数に、第2決定部224が決定した補正係数を代入することにより、燃料噴射量補正項に補正係数を乗算した第1補正量を算出し、燃料噴射量から第1補正量を減算した補正燃料噴射量を算出する。
【0054】
算出部226は、例えば、モータトルク補正項に補正係数を乗算した第2補正量(図1に示す(8))をモータトルクに加算した補正モータトルク(図1に示す(9))を算出する。算出部226は、例えば、モータトルク補正項に含まれる係数に、第2決定部224が決定した補正係数を代入することにより、モータトルク補正項に補正係数を乗算した第2補正量を算出し、モータトルクに第2補正量を加算した補正モータトルクを算出する。
【0055】
算出部226が上記のように動作することで、算出部226は、現時刻の触媒温度に対応するエンジン2の回転数と、現時刻から所定時間後の触媒温度に対応するアクセル開度と、に対応する燃料噴射量補正項とモータトルク補正項とを用いることができる。その結果、算出部226は、現時刻の触媒温度と、現時刻から所定時間後の触媒温度の変化量と、に対応する補正燃料噴射量と補正モータトルクとを算出できるため、アンモニアスリップを抑制する精度を高めることができる。
【0056】
算出部226は、算出した補正燃料噴射量と補正モータトルクとを走行制御装置14に出力することにより、補正燃料噴射量でエンジン2に燃料を噴射させ、補正モータトルクをモータ5に発生させる。
【0057】
<動力決定装置20における処理シーケンス>
図4は、動力決定装置20における処理シーケンスの例を示す図である。図4に示す処理シーケンスは、動力決定装置20が図1に示す動作を実行することにより、補正燃料噴射量と補正モータトルクとを算出する動作を示す処理シーケンスである。動力決定装置20は、図4に示す処理シーケンスを所定の制御周期で実行する。
【0058】
取得部221は、アクセル装置1からアクセル開度を取得し、回転数センサ13からエンジン回転数を取得する(S11)。第1決定部223は、取得部221が取得したアクセル開度に対応する燃料噴射量(図1に示す(1))と、アクセル開度に対応するモータトルク(図1に示す(2))と、を決定する(S12)。
【0059】
取得部221は、温度センサ11から触媒3の温度を取得し、走行制御装置14からバッテリ6のSOCを取得する(S13)。第2決定部224は、取得部221が取得したSOCと、取得部221が取得した触媒3の温度に基づいて推定部222が推定した触媒温度と、に基づいて、補正係数(図1に示す(3))を決定する(S14)。第3決定部225は、取得部221が取得したアクセル開度とエンジン回転数とに基づいて、燃料噴射量補正項(図1に示す(4))とモータトルク補正項(図1に示す(5))とを決定する(S15)。
【0060】
算出部226は、第3決定部225が決定した燃料噴射量補正項に含まれる係数に、第2決定部224が決定した補正係数を代入することにより、第1補正量(図1に示す(6))を算出する(S16)。例えば、算出部226は、燃料噴射量補正項に補正係数を乗算した乗算値を第1補正量に決定する。算出部226は、第3決定部225が決定したモータトルク補正項に含まれる係数に補正係数を代入することにより、第2補正量(図1に示す(8))を算出する(S16)。例えば、算出部226は、モータトルク補正項に補正係数を乗算した乗算値を第2補正量に決定する。算出部226は、燃料噴射量から第1補正量を減算した補正燃料噴射量(図1に示す(7))と、モータトルクに第2補正量を加算した補正モータトルク(図1に示す(9))とを算出し(S17)、処理を終了する。
【0061】
<第1変形例>
以上の説明においては、算出部226が、燃料噴射量補正項に補正係数を乗算した第1補正量と、モータトルク補正項に補正係数を乗算した第2補正量と、を算出したが、これに限らない。算出部226は、燃料噴射量補正項及びモータトルク補正項を用いずに、第1補正量と第2補正量とを算出してもよい。図5は、第1変形例に係る車両Sの動作を示す図である。図5に示す車両Sは、燃料噴射量補正項マップM4及びモータトルク補正項マップM5を有しない点と、図5に示す(4)及び(6)を有する点と、において図1に示す車両Sと異なり、他の点において同じである。
【0062】
算出部226は、例えば、燃料噴射量に補正係数を乗算した第1補正量(図5に示す(4))を燃料噴射量から減算した補正燃料噴射量(図5に示す(5))を算出する。算出部226は、例えば、モータトルクに補正係数を乗算した第2補正量(図5に示す(6))をモータトルクに加算した補正モータトルク(図5に示す(7))を算出する。算出部226がこのように動作することで、算出部226は、車両Sは、補正燃料噴射量と補正モータトルクとを算出するための計算量を小さくできる。
【0063】
<第2変形例>
以上の説明においては、第2決定部224が、補正燃料噴射量と補正モータトルクとを算出するための一の補正係数を決定する動作を例示したが、これに限らない。第2決定部224は、補正係数として、燃料噴射量を補正するための第1補正係数と、モータトルクを補正するための第2補正係数と、を決定してもよい。
【0064】
図6は、第2変形例に係る車両Sの動作を示す図である。図6に示す車両Sは、第1補正係数マップM3a及び第2補正係数マップM3bを有する点と、図6に示す(3a)及び(3b)を有する点と、において図5に示す車両Sと異なり、他の点において同じである。補正係数マップM3a及び補正係数マップM3bは、補正係数マップM3と同じように、バッテリ6のSOC及び触媒温度に対応する補正係数が含まれるマップであり、触媒温度が低いほど、かつSOCが高いほど大きい値を示す補正係数を含むマップである。
【0065】
第2決定部224は、例えば、記憶部21に記憶された第1補正係数マップM3aを参照することにより、触媒温度とSOCとに対応する第1補正係数を決定する(図6に示す(3a))。第2決定部224は、例えば、記憶部21に記憶された第2補正係数マップM3bを参照することにより、触媒温度とSOCとに対応する第2補正係数を決定する(図6に示す(3b))。
【0066】
算出部226は、第1補正係数に基づいて補正燃料噴射量を算出し、第2補正係数に基づいて補正モータトルクを算出する。算出部226は、例えば、燃料噴射量に第1補正係数を乗算した第1補正量を算出し(図6に示す(4))、燃料噴射量から第1補正量を減算した補正燃料噴射量を算出する(図6に示す(5))。算出部226は、例えば、モータトルクに第2補正係数を乗算した第2補正量を算出し(図6に示す(6))、モータトルクに第2補正量を加算した補正モータトルクを算出する(図6に示す(7))。
【0067】
第2決定部224が上記のように補正係数を決定することで、算出部226は、燃料噴射量及びモータトルクそれぞれに異なる補正係数を乗算することができる。その結果、算出部226は、補正燃料噴射量における第1補正量と補正モータトルクにおける第2補正量とを調節しやすくなる。
【0068】
<第3変形例>
以上の説明においては、算出部226が、燃料噴射量から第1補正量を減算した補正燃料噴射量と、モータトルクに第2補正量を加算した補正モータトルクと、を算出する動作を例示したが、これに限らない。算出部226は、燃料噴射量に補正係数を乗算した補正燃料噴射量と、モータトルクに補正係数を乗算した補正モータトルクと、を算出してもよい。
【0069】
図7は、第2変形例に係る車両Sの動作を示す図である。図7に示す車両Sは、図7に示す(4)及び(5)を有する点において、図6に示す車両Sと異なり、他の点において同じである。図7において、第2決定部224は、例えば、0以上かつ1以下の値を示す第1補正係数(図7に示す(3a))を決定し、1以上の値を示す第2補正係数(図7に示す(3b))を決定する。
【0070】
算出部226は、燃料噴射量に第1補正係数を乗算した乗算値を補正燃料噴射量に決定し(図7に示す(4))、モータトルクに第2補正係数を乗算した乗算値を補正モータトルクに決定する(図7に示す(5))。第2決定部224及び算出部226がこのように動作することで、車両Sは、補正燃料噴射量と補正モータトルクとを算出するための計算量を小さくできる。
【0071】
<第4変形例>
以上の説明においては、0以上の値を示す補正係数を第2決定部224が決定する動作を例示したが、これに限らない。第2決定部224は、0未満の値を示す補正係数を決定してもよい。この場合、算出部226は、例えば、燃料噴射量に第1補正量を加算した補正燃料噴射量と、モータトルクから第2補正量を減算した補正モータトルクとを算出する。
【0072】
<車両Sによる効果>
以上説明したように、車両Sは、アクセルの開度に基づいて、エンジン2の燃料噴射量とモータ5が発生するモータトルクとを決定する第1決定部223と、エンジン2の排気に含まれるNOxを排気に噴射された尿素水に含まれるアンモニアと反応させて浄化する触媒3の温度と、モータ5に電気を供給するバッテリ6のSOCと、に基づいて、燃料噴射量とモータトルクとを補正するための補正係数を決定する第2決定部224と、補正係数に基づいて、燃料噴射量よりも少ない補正燃料噴射量と、モータトルクよりも大きい補正モータトルクと、を算出する算出部226と、を有する。
【0073】
車両Sがこのように構成されることで、車両Sは、触媒温度が低下した状態においては、エンジン2の出力が急上昇することを抑制できるため、触媒温度が急上昇することを抑制できる。その結果、車両Sは、触媒温度が急上昇することにより触媒3に吸着できるアンモニア量が急減少し、触媒3から脱離したアンモニアを排出してしまうことを抑制できる。さらに、車両Sは、バッテリ6のSOCが高い場合は、エンジン出力よりもモータ出力を大きくすることができるため、触媒3から脱離したアンモニアを排出してしまうことを抑制できる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0075】
S ハイブリッド車両
1 アクセル装置
2 エンジン
3 触媒
4 排気路
5 モータ
6 バッテリ
11 温度センサ
12 流量センサ
13 回転数センサ
14 走行制御装置
20 動力決定装置
21 記憶部
22 制御部
221 取得部
222 推定部
223 第1決定部
224 第2決定部
225 第3決定部
226 算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7