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特開2025-127808業務支援システム及び業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025127808
(43)【公開日】2025-09-02
(54)【発明の名称】業務支援システム及び業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20250826BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20250826BHJP
【FI】
G06Q30/04
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024024726
(22)【出願日】2024-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 博暁
(72)【発明者】
【氏名】北岡 孝也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】領収書の発行にかかる手間を軽減できる、業務支援システム及び業務支援プログラムを提供する。
【解決手段】業務支援システム10は、発行処理部113と、指定処理部114と、を備える。前記発行処理部113は、診療に関する領収書Rc1を発行する。前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療に関する領収書を発行する発行処理部と、
前記領収書の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する指定処理部と、を備える、
業務支援システム。
【請求項2】
前記指定処理部は、前記診療の受付過程と前記診療の実施過程との少なくとも一方において前記領収書の形態を指定する、
請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記領収書の形態は、インボイス対応領収書であるか否かを含む、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記指定処理部は、前記領収書の形態以外の選択項目に基づいて前記領収書の形態を自動的に指定する、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項5】
前記選択項目は、算定区分と、保険診療及び自費診療の区分を含む自費事由区分と、の少なくとも一方を含む、
請求項4に記載の業務支援システム。
【請求項6】
前記選択項目と前記領収書の形態との対応関係を編集する編集処理部を更に備える、
請求項4に記載の業務支援システム。
【請求項7】
前記指定処理部は、前記領収書の形態の初期値を指定し、
前記領収書の形態を前記初期値から変更する変更処理部を更に備える、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項8】
前記変更処理部は、前記初期値が指定された後の過程において、前記領収書の形態を変更可能である、
請求項7に記載の業務支援システム。
【請求項9】
前記領収書に記載の特定項目を前記診療の受付より前に設定可能な設定処理部を更に備える、
請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項10】
診療に関する領収書を発行する発行ステップと、
前記領収書の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する指定ステップと、
をコンピューターに実行させるための業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療に用いられる業務支援システム及び業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、患者の診療情報の編集に用いられる業務支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係る業務支援システムは、電子カルテ装置、受付端末及び診察端末等を備えている。受付端末は、例えば、医療機関の受付窓口に配置され、会計処理を含む窓口業務に際して、医療機関の医療事務員によって使用される。この種の業務支援システムでは、受付端末に表示される会計画面上で特定の操作がされることにより、領収書を発行することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-161267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば日本国においては、診療に関する領収書の形態の一例として、インボイス対応領収書と、通常領収書(インボイス非対応領収書)と、が存在する。前記業務支援システムにおいて、発行可能な前記領収書の形態が前記通常領収書だけであると、例えば、前記インボイス対応領収書については、人が手書きで領収書を発行する必要があり、結果的に、前記領収書の発行に手間がかかることがあるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、領収書の発行にかかる手間を軽減できる、業務支援システム及び業務支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る業務支援システムは、発行処理部と、指定処理部と、を備える。前記発行処理部は、診療に関する領収書を発行する。前記指定処理部は、前記領収書の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する。
【0007】
本発明の他の局面に係る業務支援カルテプログラムは、発行ステップと、指定ステップと、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。前記発行ステップでは、診療に関する領収書を発行する。前記指定ステップでは、前記領収書の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、領収書の発行にかかる手間を軽減できる、業務支援システム及び業務支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る業務支援システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで発行される領収書の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示されるカルテ画面の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される会計画面の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される会計画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される会計画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される自費事由区分マスターメンテナンス画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される自費事由区分マスターメンテナンス画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示されるアカウント管理画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される受付画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される受付画面の一部を拡大した図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される保険設定画面の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される保険設定画面の一部を拡大した図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される会計時保険設定画面の一例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される会計時保険設定画面の一部を拡大した図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで実行される業務支援方法の手順の一例を説明するフローチャートである。
図17図17は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される設定画面の一例を示す図である。
図18図18は、本発明の実施形態に係る業務支援システムで表示される保険外費用一括修正画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、下記の実施形態で説明する構成及び処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
【0011】
[業務支援システム10]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る業務支援システム10は、電子カルテ装置1と、受付端末3と、診察端末2と、プリンター4とを備える。前記電子カルテ装置1、前記受付端末3、前記診察端末2、及び前記プリンター4は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、又はイントラネット等の通信網NT1を介して通信可能である。また、前記電子カルテ装置1には、前記通信網NT1を介して上位システム5が接続される。前記業務支援システム10は、前記電子カルテ装置1、前記受付端末3、前記診察端末2、及び前記プリンター4のうちの少なくとも一つについて、複数備えていてもよい。さらに、前記業務支援システム10は、例えば、携帯端末等、前記受付端末3及び前記診察端末2以外のクライアント端末を更に備えていてもよい。
【0012】
前記業務支援システム10のユーザーは、例えば病院、又は薬局などの医療機関における医師、医療事務員、医療クラーク、看護士、薬剤師、又は施設管理者などの医療従事者(医療スタッフ)である。本実施形態では一例として、前記業務支援システム10は、病院で用いられ、当該病院の医師及び医療事務員が前記業務支援システム10のユーザーであることとする。ユーザーは、基本的には前記診察端末2又は前記受付端末3を通じて、前記業務支援システム10を利用する。つまり、前記電子カルテ装置1は、前記診察端末2又は前記受付端末3に対するユーザーによる操作入力を受け付け可能であって、かつ前記診察端末2又は前記受付端末3に種々の情報を表示させることが可能である。
【0013】
前記業務支援システム10は、電子カルテを管理する機能を有している。本開示でいう「電子カルテ」は、患者の疾病情報、診察内容、診断結果、投薬情報、検査結果及び経過等の診療情報を電子的データとして保存した記録(診療記録)を意味する。前記電子カルテは、原則、患者ごとに作成され、複数の患者に対しては前記電子カルテも複数作成される。ここで、前記電子カルテに含まれる患者の種々の診療情報は「カルテ情報」に含まれる。前記カルテ情報は、例えば前記診察端末2に対するユーザー(医師)の操作に応じて、前記電子カルテ装置1により前記電子カルテに新規に記録(記載)される。さらに、前記電子カルテに記録されている前記カルテ情報は、例えば前記診察端末2に対するユーザーの操作に応じて、前記電子カルテ装置1による追記(追加)、削除、変更及び更新等が行われる。前記カルテ情報の新規記録、追記、削除及び更新等、前記電子カルテに含まれる前記カルテ情報に何らかの変更を加えることを、前記カルテ情報の「編集」と呼ぶ。つまり、前記業務支援システム10においては、ユーザーの操作に応じて、前記電子カルテの前記カルテ情報を編集することが可能である。
【0014】
また、前記業務支援システム10は、前記電子カルテを表示させる機能を有している。本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記電子カルテ装置1が、ユーザーによる前記診察端末2又は前記受付端末3の操作に応じて、前記カルテ情報等を含むカルテ画面P1(図3参照)等の表示画面を前記診察端末2又は前記受付端末3に表示させることが可能である。前記カルテ画面P1が前記診察端末2又は前記受付端末3に表示されることにより、ユーザーに前記電子カルテが提示され、ユーザーにおいては、前記診察端末2又は前記受付端末3を通じて前記電子カルテを確認することが可能となる。そして、ユーザーは、前記診察端末2又は前記受付端末3に表示される前記カルテ画面P1上で、前記カルテ情報を編集する操作を行うことにより、前記カルテ情報の編集を行うことができる。なお、前記診察端末2又は前記受付端末3は、前記電子カルテ装置1から送信される表示データに基づいて前記カルテ画面P1を表示し、又は前記電子カルテ装置1に記憶されている各種のデータを参照して前記カルテ画面P1を表示する。
【0015】
具体的に、本実施形態では、前記電子カルテ装置1と前記診察端末2又は前記受付端末3とによりサーバークライアントシステムが構成されており、前記電子カルテ装置1が前記診察端末2又は前記受付端末3のユーザー操作に応じて表示及び印刷などの各種の処理を実行する場合について説明する。そのため、本実施形態において、以下に説明する「表示」、「操作」、「選択」、及び「入力」等は、前記診察端末2又は前記受付端末3を用いて行われるものとして説明する。なお、同様の表示及び操作などが前記電子カルテ装置1で行われてもよい。
【0016】
また、前記業務支援システム10は、会計情報の登録及び更新などの会計処理を実行可能なレセプト電算処理システムの機能を有している。本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記電子カルテ装置1が、例えば、ユーザーによる前記受付端末3の操作に応じて、前記カルテ情報に従って前記会計情報の登録及び更新などの前記会計処理を実行する。前記会計情報は、前記カルテ情報と同様に、患者の種々の診療情報を含む。
【0017】
ここで、前記業務支援システム10は、前記会計処理の一部として、領収書Rc1(図1参照)を発行する機能を有している。本開示でいう「領収書」は、医療機関が診療に関する費用(つまり医療費)を領収した旨を示す書面である。前記領収書Rc1は、領収金額等の種々の情報を含む。前記領収書Rc1は、原則、一つの医療機関において一人の患者に対して、1回の診療ごとに作成される。一例として、ある医療機関が一人の患者に対して予防接種(保険外)を1回行った場合、当該予防接種に係る費用について前記領収書Rc1が発行される。前記領収書Rc1は、通常は、診療が終了して、当該診療に係る前記会計処理において、患者に対する請求金額が確定したときに発行され、当該領収書Rc1に記載の金額を医療機関が(患者から)受領したときに患者に受け渡される。
【0018】
本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記電子カルテ装置1が、前記カルテ情報に従ってレセプト情報を生成し、当該レセプト情報に基づく前記領収書Rc1が、ユーザーによる前記受付端末3の操作に応じて発行される。具体的に、前記受付端末3は、例えば、前記領収書Rc1の印刷データを生成し、当該印刷データを前記プリンター4に出力し前記領収書Rc1を印刷(発行)させることが可能である。
【0019】
前記上位システム5は、前記業務支援システム10とは別の医療関連システムであって、前記業務支援システム10と通信により連携可能であればよく、前記業務支援システム10に対して「上位」の関係にあることは必須でない。前記上位システム5は、例えば患者データ、薬品の患者への処方又は投与に関する処方データ、及び患者について行われた各種の検査の検査結果に関する検査データなどの入力を受け付け可能である。前記患者データには、例えば患者ID又は患者名(氏名)などのように個々の患者を識別するための患者識別情報、並びに、患者の年齢、性別、既往歴、処方薬履歴、飲酒有無、喫煙有無、家族情報、及び患者の身長、体重、体表面積等の身体情報など、患者に関する種々の情報が含まれる。
【0020】
前記上位システム5は、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどを、ユーザー操作に応じて前記電子カルテ装置1に入力し、又は予め設定された締め処理時刻などの所定タイミングで自動的に前記電子カルテ装置1に入力する。ただし、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどは、前記上位システム5から前記電子カルテ装置1に入力されることに限らず、前記電子カルテ装置1で作成されてもよい。また、前記電子カルテ装置1が前記上位システム5から前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データなどを能動的に読み出す構成であってもよい。前記上位システム5は複数設けられてもよく、さらに、複数の前記上位システム5は異なる種類のシステムを含んでもよい。なお、前記患者データ、前記処方データ及び前記検査データの少なくとも一つは、前記診察端末2、前記受付端末3又は前記電子カルテ装置1に対するユーザーの操作により、前記業務支援システム10に直接的に入力されてもよい。
【0021】
ところで、診療に関する領収書Rc1の形態の一例として、インボイス対応領収書と、通常領収書(インボイス非対応領収書)と、が存在する。前記業務支援システム10において、発行可能な前記領収書Rc1の形態が前記通常領収書だけであるとすれば、例えば、前記インボイス対応領収書については、人が手書きで前記領収書Rc1を発行する必要があり、結果的に、前記領収書Rc1の発行に手間がかかることがあるという問題がある。
【0022】
このような事情に鑑みて、本実施形態に係る前記業務支援システム10は、複数の形態の前記領収書Rc1に対応するための構成を採用する。具体的には、図1に示すように、前記業務支援システム10は、発行処理部113と、指定処理部114と、を備える。前記発行処理部113は、診療に関する前記領収書Rc1を発行する。前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する。
【0023】
このような前記業務支援システム10によれば、前記発行処理部113が発行する前記領収書Rc1の形態を、前記指定処理部114が、複数の形態の中から択一的に指定することができる。言い換えれば、前記指定処理部114が、前記領収書Rc1の形態を、複数の形態の中から択一的に指定し、当該指定された形態の前記領収書Rc1を、前記発行処理部113が発行可能となる。そのため、例えば、図2に示すように、前記インボイス対応領収書Rc11と、前記通常領収書Rc12と、を含む複数の形態の中から、前記指定処理部114が前記領収書Rc1の形態を択一的に指定することで、前記インボイス対応領収書Rc11と前記通常領収書Rc12とのいずれの形態の前記領収書Rc1であっても発行可能となる。結果的に、前記領収書Rc1の発行にかかる手間を軽減できる、前記業務支援システム10及び業務支援プログラムを提供することができる。前記発行処理部113及び前記指定処理部114の機能の詳細については、「業務支援方法」以降で説明する。
【0024】
[診察端末2]
前記診察端末2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示部24、操作部25、及びドライブ装置26などを備えるパーソナルコンピュータである。前記診察端末2は、前記業務支援システム10が使用される医療機関(本実施形態では病院)に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記診察端末2は、前記医療機関の診察室等に配置され、診察に際して、前記医療機関の医師によって使用される。なお、前記診察端末2は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はラップトップコンピュータなどの携帯(可搬)型の情報処理装置であってもよい。
【0025】
前記制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0026】
前記記憶部22は、前記制御部21によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶されるプログラム記憶部が含まれる。前記ブラウザソフトは、前記通信網NT1を介して前記電子カルテ装置1にアクセスすることにより前記表示部24に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作部25を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記電子カルテ装置1に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記電子カルテ装置1に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記電子カルテ装置1にアクセスする。
【0027】
前記通信I/F23は、前記通信網NT1を介して前記電子カルテ装置1、及び前記プリンター4などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
【0028】
前記表示部24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの装置である。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記電子カルテ装置1から受信する表示用データに基づいて、当該表示用データに基づく各種の情報を前記表示部24に表示させる。
【0029】
前記操作部25は、前記診察端末2に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される装置である。具体的に、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びポインティングデバイス(マウス等)を含む。また、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含んでもよい。そして、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記操作部25に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容を前記電子カルテ装置1に入力する。
【0030】
前記ドライブ装置26は、前記OS又は前記ブラウザソフトなどが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体261から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取る装置である。前記ドライブ装置26は、前記診察端末2に一体化されていてもよいし、前記診察端末2に対して取り外し可能に接続されることで前記診察端末2に外付けされてもよい。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリーなどであり、前記ドライブ装置26は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記診察端末2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記OS又は前記ブラウザソフトなどが前記記憶部22の前記プログラム記憶部にインストールされる。
【0031】
具体的に、前記電子カルテ装置1は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのWebページ記述言語によって記述されたデータを前記診察端末2に送信することにより、前記診察端末2の前記表示部24に各種の画面を表示させる。また、前記診察端末2の前記制御部21は、前記操作部25に対する操作入力に応じて前記電子カルテ装置1に操作信号を送信する。
【0032】
[受付端末3]
前記受付端末3は、制御部31、記憶部32、通信I/F33、表示部34、操作部35、及びドライブ装置36などを備えるパーソナルコンピュータである。前記受付端末3は、前記業務支援システム10が使用される医療機関(本実施形態では病院)に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記受付端末3は、前記医療機関の受付窓口等に配置され、診療の受付処理、及び前記会計処理を含む窓口業務に際して、前記医療機関の医療事務員によって使用される。
【0033】
前記受付端末3のハードウェアとしての構成自体は前記診察端末2と同様であって、前記制御部31、前記記憶部32、前記通信I/F33、前記表示部34、前記操作部35、及び前記ドライブ装置36は、それぞれ前記診察端末2の前記制御部21、前記記憶部22、前記通信I/F23、前記表示部24、前記操作部25、及び前記ドライブ装置26に相当する。そのため、ここでは前記受付端末3の構成についての詳しい説明は省略する。なお、前記ドライブ装置36は、コンピューター読み取り可能な記録媒体361から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取る。
【0034】
本実施形態では、前記受付端末3は、前記受付処理と前記会計処理との両方に用いられる。つまり、前記受付処理に用いられる端末及び前記会計処理に用いられる端末は、いずれも同一の前記受付端末3であることとする。ただし、この構成に限らず、例えば、前記受付端末3は前記受付処理と前記会計処理とのうち前記受付処理のみを行い、前記会計処理を行う会計端末が前記受付端末3とは別に設けられてもよい。
【0035】
[プリンター4]
前記プリンター4は、前記電子カルテ装置1、前記診察端末2又は前記受付端末3から前記通信網NT1を介して入力される印刷データに含まれる情報を紙などのシートに記録する印刷処理を実行可能なカラープリンター又はモノクロプリンターなどの画像形成装置である。本実施形態においては、一例として、前記プリンター4は、前記医療機関(病院)の受付窓口に配置されている。前記プリンター4では、例えば、前記印刷データにより、前記領収書Rc1が印刷される。また、前記プリンター4は、例えば、前記カルテ情報に従って前記電子カルテ装置1が生成する処方箋情報を含む印刷データにより、処方箋等の印刷(発行)にも用いられる。
【0036】
[電子カルテ装置1]
前記電子カルテ装置1は、図1に示すように、制御部11、記憶部12、通信I/F13、表示部14、操作部15、及びドライブ装置16などを備えるコンピューターである。なお、前記電子カルテ装置1は、前記業務支援システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関の外部に設けられてもよく、サーバー(又はクラウドコンピューティング)等で実現されてもよい。また、前記電子カルテ装置1は、スマートフォン、タブレット端末、又はラップトップコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0037】
前記制御部11は、前記制御部21と同様の構成であって、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有し、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0038】
前記記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。また、前記記憶部12には、プログラム記憶部121、マスター記憶部122、及び情報記憶部123が含まれる。
【0039】
前記プログラム記憶部121は、後述の業務支援方法に係る各種処理を前記制御部11に実行させるための業務支援プログラムなどが記憶される記憶領域である。なお、前記プログラム記憶部121には、オペレーティングシステム(OS)などのプログラムも記憶される。
【0040】
前記マスター記憶部122は、例えば、病名マスター、患者マスター、医薬品マスター、及び自費事由区分マスターなどの各種のマスター情報が記憶される記憶領域である。前記病名マスター、前記患者マスター、前記医薬品マスター、及び前記自費事由区分マスターなどは、前記電子カルテ装置1の初期設定時又はメンテナンス時などにおいて、前記電子カルテ装置1、前記診察端末2又は前記受付端末3のユーザー操作に応じて適宜編集されて前記マスター記憶部122に記憶される。
【0041】
前記情報記憶部123には、XML情報及びカルテデータベースなどの、前記電子カルテを構成する種々の情報が記憶される。前記XML情報は、前記電子カルテの前記カルテ情報をXML(Extensible Markup Language)を用いて記述したデータである。前記XML情報は、例えば前記診察端末2又は前記受付端末3を用いた医師等のユーザーの操作に応じて作成され、随時更新される。前記カルテデータベースは、前記電子カルテの前記カルテ情報等を蓄積して長期的に保存するためのデータベースである。例えば、診察の終了時などにおいて前記診察端末2又は前記受付端末3を用いた医師等のユーザーにより前記カルテ情報等の保存操作が行われると、前記XML情報に含まれる前記カルテ情報等が前記カルテデータベースに保存される。
【0042】
なお、前記マスター情報、前記XML情報、及び前記カルテデータベースの少なくとも一つは、前記電子カルテ装置1とは別の記憶装置に記憶されてもよい。例えば、前記マスター情報、前記XML情報、及び前記カルテデータベースの少なくとも一つは、前記業務支援システム10外の外部サーバー(又はクラウドコンピューティング)等に記憶されてもよい。そして、前記制御部11がインターネット等を介して前記外部サーバー等にアクセス可能であってもよい。
【0043】
前記通信I/F13は、前記通信I/F23と同様の構成であって、前記通信網NT1を介して前記診察端末2、前記受付端末3、及び前記プリンター4などの外部機器との間でデータ通信を実行する。前記通信I/F13は、前記上位システム5との間でもデータ通信を行う。
【0044】
前記表示部14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの装置である。前記操作部15は、前記操作部25と同様の構成であって、前記電子カルテ装置1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される装置である。そして、前記制御部11は、前記操作部15に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容に応じて処理を実行する。
【0045】
前記ドライブ装置16は、前記ドライブ装置26と同様の構成であって、前記業務支援プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体161から前記業務支援プログラムを読み取る装置である。そして、前記電子カルテ装置1では、前記制御部11により、前記ドライブ装置16を用いて前記記録媒体161から読み取られた前記業務支援プログラムが前記記憶部12の前記プログラム記憶部121にインストールされる。なお、前記業務支援プログラムは、前記記憶部12に予め記憶されていてもよいし、前記電子カルテ装置1が前記通信網NT1を介して外部装置から受信してもよい。
【0046】
ところで、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、図1に示すように、入力処理部111、表示処理部112、前記発行処理部113、前記指定処理部114、編集処理部115、変更処理部116、及び設定処理部117を含む。具体的に、前記制御部11は、前記業務支援プログラムに従って後述の業務支援方法に係る各種の処理を実行することにより、前記入力処理部111、前記表示処理部112、前記発行処理部113、前記指定処理部114、前記編集処理部115、前記変更処理部116、及び前記設定処理部117などの各種の処理部として機能する。すなわち、本実施形態では、前記電子カルテ装置1が前記業務支援システム10の主要機能を具現化する。言い換えれば、本実施形態に係る前記業務支援システム10は、前記電子カルテ装置1さえ備えていればよく、前記診察端末2、前記受付端末3、及び前記プリンター4などは、構成要素に含まなくてもよい。なお、前記制御部11は、複数のプロセッサーを備え、当該複数のプロセッサーのいずれかが前記各種の処理部として機能してもよい。また、前記各種の処理部の一部又は全部が電子回路で構成されていてもよい。
【0047】
また、前記電子カルテ装置1の機能の一部又は全部が、前記診察端末2又は前記受付端末3に設けられることも他の実施形態として考えられる。例えば、前記診察端末2又は前記受付端末3に、前記業務支援プログラムの一部又は全部がインストールされており、前記診察端末2の前記制御部21又は前記受付端末3の前記制御部31が、前記電子カルテ装置1から必要な情報を適宜取得して、後述の業務支援方法に係る各種の処理を実行することも考えられる。この場合、前記診察端末2又は前記受付端末3が前記業務支援システム10の主要機能を具現化する。さらに、前記業務支援システム10において、前記電子カルテ装置1と、前記診察端末2又は前記受付端末3と、が協働して後述の業務支援方法に係る各種の処理を実行することも考えられる。
【0048】
前記入力処理部111は、前記診察端末2又は前記受付端末3における入力操作に応じて、診療に関連する情報を入力情報として入力する入力処理(入力ステップ)を行う。前記診察端末2又は前記受付端末3では、患者に関する情報(患者ID、氏名等)、疾病情報、診察内容、診断結果、投薬情報、検査結果及び経過等の診療情報等の種々の情報が入力される。そして、これら情報が、前記入力情報として前記診察端末2又は前記受付端末3から前記電子カルテ装置1に送信されて、前記入力処理部111により前記電子カルテ装置1に入力される。
【0049】
前記表示処理部112は、前記カルテ画面P1等の表示画面を表示させる表示処理(表示ステップ)を行う。本実施形態では、前記カルテ画面P1は、例えば前記診察端末2の前記表示部24に表示されるので、前記表示処理部112は、前記診察端末2にデータを送信することで前記カルテ画面P1を表示させる。具体的に、前記表示処理部112は、例えば前記記憶部12に記憶されている前記電子カルテに基づいて、前記カルテ画面P1を生成し、当該カルテ画面P1を前記診察端末2に出力することにより、前記カルテ画面P1を表示させる。ここで、前記カルテ画面P1の生成に用いられる前記電子カルテには、前記カルテ情報が含まれる。前記受付端末3の前記表示部34に前記カルテ画面P1を表示させる場合、前記表示処理部112は、前記受付端末3にデータを送信することで前記カルテ画面P1を表示させる。
【0050】
前記発行処理部113は、診療に関する前記領収書Rc1を発行する発行処理(発行ステップ)を行う。具体的に、前記発行処理部113は、例えば会計画面P2(図4参照)を表示中の前記受付端末3がユーザーによる印刷操作を受け付けると、当該会計画面P2に対応する前記領収書Rc1を前記プリンター4に印刷させる。
【0051】
前記発行処理に係る「発行」の態様は、印刷に限らず、例えば、メモリー(前記記憶部12)への書き込み、表示、データ出力、他システム(他装置)への送信、データベースへの書き込み、及び前記記憶部12以外のメモリーへの書き込み等を含んでもよい。例えば、前記発行処理部113は、前記領収書Rc1のデータを生成し、当該データを前記情報記憶部123に書き込むだけでもよく、前記領収書Rc1を前記プリンター4に印刷させることは必須ではない。また、前記発行処理部113は、前記業務支援システム10以外の装置(前記上位システム5を含む)に、前記領収書Rc1のデータを出力してもよい。
【0052】
前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する指定処理(指定ステップ)を行う。つまり、前記指定処理部114は、前記発行処理部113が発行する前記領収書Rc1の形態を、例えば、前記インボイス対応領収書Rc11と、前記通常領収書Rc12と、を含む複数の形態の中から択一的に指定する。
【0053】
本実施形態では特に、前記指定処理部114は、前記診療の受付過程と前記診療の実施過程との少なくとも一方において前記領収書Rc1の形態を指定する。すなわち、前記業務支援システム10によって支援される業務には、前記診療の受付過程、前記診療(診察)の実施過程、及び前記診療に係る会計過程の3つの過程が含まれている。要するに、前記医療機関がある患者について診療を行う場合、前記医療機関においては、まずは当該患者について診療の受付を行い(受付過程)、次に当該患者について医師等が診療(診察及び/又は治療等)を行い(実施過程)、次に当該診療に係る会計を行う(会計過程)。このように、前記医療機関において患者の診療に際して行われる一連の過程のうち、前記受付過程と前記実施過程との少なくとも一方において、前記指定処理部114が前記領収書Rc1の形態を指定可能である。
【0054】
なお、本開示でいう「受付」は、患者が前記医療機関の窓口に赴いて行われる一般的な受付だけでなく、少なくとも患者と診療を行う日時とを特定するための種々の処理を含む。そのため、本開示でいう「受付」は、例えば、患者がオンライン(WEB及び電話等を含む)で来院日時を指定することによって行われる「予約」、並びに、患者が来院前に予めオンライン(WEB及び電話等を含む)で行う問診等を含む。
【0055】
本実施形態では、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態以外の選択項目に基づいて前記領収書Rc1の形態を自動的に指定する。つまり、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態を自動的に指定するので、ユーザーが前記領収書Rc1の形態を選択しなくとも、前記領収書Rc1の形態が指定されることになる。よって、ユーザーにおいては、前記領収書Rc1の形態を直接的に選択することなく、前記選択項目を選択するだけで、前記領収書Rc1の形態として適切な形態が自動的に指定される。
【0056】
ここで、前記選択項目は、算定区分と、保険診療及び自費診療の区分を含む自費事由区分と、の少なくとも一方を含む。これにより、ユーザーにおいては、前記領収書Rc1の形態を直接的に選択することなく、前記算定区分及び/又は前記自費事由区分(保険診療及び自費診療の区分を含む)等の前記選択項目を選択するだけで、前記領収書Rc1の形態として適切な形態が自動的に指定される。よって、ユーザーが前記領収書Rc1の形態を意識しなくとも、前記領収書Rc1の形態として適切な形態を自動的に指定可能となる。
【0057】
前記編集処理部115は、前記選択項目と前記領収書Rc1の形態との対応関係を編集する編集処理(編集ステップ)を行う。つまり、いずれの前記選択項目にいずれの前記領収書Rc1の形態を対応付けるかという前記対応関係は、固定的ではなく、適宜編集することが可能である。したがって、例えば医療機関ごとに、前記選択項目と前記領収書Rc1の形態との対応関係をカスタマイズすることが可能である。
【0058】
ここで、前記変更処理部116は、前記領収書Rc1の形態を初期値から変更する変更処理(変更ステップ)を行う。前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態の前記初期値を指定する。要するに、前記指定処理部114が指定するのは、前記領収書Rc1の形態の前記初期値であって、当該初期値については、後から前記変更処理部116にて変更することが可能である。これにより、前記指定処理部114によって指定される前記領収書Rc1の形態(前記初期値)が不変という訳ではなく、前記領収書Rc1の形態を柔軟に指定することが可能である。
【0059】
本実施形態では特に、前記変更処理部116は、前記初期値が指定された後の過程において、前記領収書Rc1の形態を変更可能である。例えば、前記受付過程において、前記指定処理部114が前記領収書Rc1の形態の前記初期値を指定した場合に、その後の前記実施過程等において、前記変更処理部116が前記領収書Rc1の形態を前記初期値から他の形態に変更することが可能である。これにより、前記指定処理部114によって指定される前記領収書Rc1の形態(前記初期値)が絶対という訳ではなく、前記領収書Rc1の形態を柔軟に指定することが可能である。
【0060】
前記設定処理部117は、前記領収書Rc1に記載の特定項目を前記診療の受付より前に設定する設定処理(設定ステップ)を行う。前記特定項目は、例えば、内税/外税/非課税、宛名、及び但し書き等の、前記領収書に記載される各種の項目である。つまり、前記領収書Rc1に記載される前記特定項目に関しては、前記受付過程よりも前に予め設定しておくことが可能である。そのため、前記受付過程以降の業務が逼迫しやすい状況下で前記特定項目を記入する場合に比べて、ユーザーの手間を大幅に軽減できる。
【0061】
[業務支援方法]
以下、前記電子カルテ装置1の前記制御部11によって実行される前記業務支援方法の一例について説明する。前記制御部11は、前記業務支援プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が前記診察端末2又は前記受付端末3に対して行われた場合に、前記業務支援方法に係る各種の処理を実行する。また、前記業務支援方法は、当該業務支援方法の実行中であっても前記診察端末2又は前記受付端末3に対する特定の終了操作に応じて終了することがある。なお、本発明は、前記電子カルテ装置1のようなコンピューターによって前記業務支援方法の一部又は全部の処理を実行する、方法(業務支援方法)の発明として捉えてもよい。
【0062】
ここで、前記開始操作は、前記電子カルテ装置1に対する前記診察端末2又は前記受付端末3の接続(アプリケーションソフトウェアの起動)、並びにユーザーID及びパスワードの入力を伴うログインなどを含む。一方、前記終了操作は、前記カルテ画面P1等の前記表示画面を閉じる操作、ログアウト、及び前記電子カルテ装置1と前記診察端末2又は前記受付端末3との間の接続切断などを含む。
【0063】
また、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、基本的に、前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34に表示される画面(前記カルテ画面P1及び前記会計画面P2等)を用いて、前記業務支援方法を実行する。本開示でいう「画面」は、前記表示部24又は前記表示部34等に表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト、及び動画などを含む。前記表示部24又は前記表示部34に表示される主な画面としては、図3に示す前記カルテ画面P1、及び図4に示す前記会計画面P2の他に、自費事由区分マスターメンテナンス画面P3(図7参照)、アカウント管理画面P4(図9参照)、受付画面P5(図10参照)、設定画面P6(図17参照)、保険外費用一括修正画面P7(図18参照)、及びホーム画面などがある。本実施形態では一例として、前記電子カルテ装置1の前記制御部11は、ユーザー操作に応じて、前記ホーム画面から前記カルテ画面P1又は前記会計画面P2などへ遷移可能に構成される。
【0064】
すなわち、前記開始操作により、まず前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34には、前記ホーム画面が表示される。そして、前記ホーム画面において、特定の操作がされると、前記ホーム画面から前記カルテ画面P1又は前記会計画面P2等に遷移する。前記表示部24又は前記表示部34に表示される各種の操作画面(前記カルテ画面P1及び前記会計画面P2等を含む)では、前記操作部25又は前記操作部35がユーザーの操作が受け付ける。
【0065】
以下では一例として、前記診察端末2は、前記操作部25に含まれるマウス及びキーボードにて、前記表示部24に表示される前記カルテ画面P1等の前記表示画面上での入力操作を受け付けることとする。同様に、前記受付端末3は、前記操作部35に含まれるマウス及びキーボードにて、前記表示部34に表示される前記会計画面P2等の前記表示画面上での入力操作を受け付けることとする。なお、前記カルテ画面P1又は前記会計画面P2等の前記表示画面中の各種の操作ボタンは、前記表示画面に含まれるオブジェクトであって、当該操作ボタンは、当該操作ボタンを選択するような前記操作部25又は前記操作部35の操作によって操作される。例えば、ユーザーは、前記操作部35に含まれるマウスを操作し、前記会計画面P2中の任意の前記操作ボタンにカーソルを合わせてクリックするなどの操作を前記操作部35で行うことで、当該操作ボタンを操作できる。
【0066】
[カルテ画面P1]
ここではまず、前記診察端末2の前記表示部24に表示される前記カルテ画面P1について、図3を参照して説明する。
【0067】
図3は、前記カルテ画面P1の一例を示す図である。図3に示すように、前記カルテ画面P1には、前記過去カルテ領域A1、前記現在カルテ領域A2、患者情報領域A3、キーパッド領域A4、ショートカット領域A5、及びカレンダー領域A6などが含まれている。また、図3などの前記表示部24に表示される画面を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、説明のために付しているに過ぎず、実際に前記表示部24に表示される訳ではない。
【0068】
前記過去カルテ領域A1は、基本的には、過去(前回又はそれ以前)の投薬情報などの前記診療情報、つまり過去カルテK2が表示される領域である。前記現在カルテ領域A2は、基本的には、現在入力中の投薬情報(今回処方)などの前記診療情報、つまり現在カルテK1が表示される領域である。前記過去カルテ領域A1と前記現在カルテ領域A2とは、前記カルテ画面P1において横方向(左右方向)に並べて配置されている。これにより、ユーザーにおいては、前記カルテ画面P1にて前記現在カルテK1と前記過去カルテK2とを一画面内で一覧することができ、例えば、前記過去カルテK2を参考にして前記現在カルテK1を編集することが可能となる。本実施形態では一例として、前記過去カルテ領域A1が左側、前記現在カルテ領域A2が右側に配置されているが、当該配置は逆であってもよいし、前記過去カルテ領域A1と前記現在カルテ領域A2とは縦方向(上下方向)に並べて配置されてもよい。
【0069】
前記患者情報領域A3は、患者の基本情報が表示される領域である。前記キーパッド領域A4は、前記電子カルテ(前記カルテ情報)の編集に用いられる前記キーパッドK4が表示される領域である。前記ショートカット領域A5は、前記電子カルテ(前記カルテ情報)の編集に用いられるショートカットキー等が表示される領域である。前記カレンダー領域A6は、日付及び曜日を表形式で表すカレンダー(七曜表)が表示される領域である。図3の例では、前記カレンダー領域A6には、横方向(左右方向)に並べて複数(ここでは3つ)のカレンダーが表示されている。
【0070】
前記電子カルテにおいては、前記カルテ画面P1の前記過去カルテ領域A1又は前記現在カルテ領域A2のように、1回の診察に関する前記診療情報として、「S」、「O」、「A」、「P」及び「指導」の各項目に分類されて各種の前記カルテ情報が記録される。「S」は主観情報(Subjective Information)であって、患者が主観的に感じている症状などに関する情報である。「O」は客観情報(Objective Information)であって、医師の診療所見及び検査所見などに関する情報である。「A」は評価情報(Assessment Information)であって、医師の評価及び判断などに関する情報である。「P」は計画情報(Plan Information)であって、投薬及び治療計画などに関する情報である。「指導」は指導情報であって、患者への教育及び指導などに関する情報である。なお、図3などにおいては便宜上、前記過去カルテK2を空白としているが、前記過去カルテK2について「S」、「O」、「A」、「P」及び「指導」の各項目が記載されていると、当該記載内容が前記カルテ画面P1の前記過去カルテK2に表示される。
【0071】
診察が開始されると、前記カルテ画面P1の前記現在カルテ領域A2に表示されている前記現在カルテK1に、前記診察端末2を用いた医師等のユーザー操作に応じて、一又は複数の前記カルテ情報が順次に記載される。ここで、前記現在カルテ領域A2に表示されている現在の診察を「今回」とした場合に、前記過去カルテ領域A1に表示されている前記過去カルテK2の前記診療情報は、同一患者についての前回(つまり今回の1つ前)、前々回(つまり今回の2つ前)、又はそれ以前(つまり今回の3つ以上前)のように、過去の任意の回の診察に係る情報である。前記過去カルテ領域A1に、いつの診察に係る前記過去カルテK2を表示させるかは、前記診察端末2を用いた医師等のユーザー操作により任意に選択される。
【0072】
前記業務支援システム10では、前記カルテ情報の前記診療情報を編集する方法として、例えば、前記現在カルテ領域A2に表示されている前記現在カルテK1の所望領域(所望項目)をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列を入力することによって、前記電子カルテに前記診療情報が記載可能となる。また、前記キーパッド領域A4に表示されている前記キーパッドK4をマウス、テンキー又はタッチパネル等で操作することでも、前記診療情報を記載可能である。さらに、前記過去カルテ領域A1に表示される前記過去カルテK2の少なくとも一部の項目を、複写操作又はドラッグアンドドロップ操作等で前記現在カルテ領域A2に表示される前記現在カルテK1に複写することにより、前記過去カルテK2と同じ前記診療情報を前記現在カルテK1の前記カルテ情報に記載することも可能である。
【0073】
ここで、前記電子カルテは患者ごとに記録されているので、いずれの患者についての前記電子カルテを表示させるかは、前記診察端末2に対するユーザーの操作によって指定される。具体的に、前記表示処理部112は、前記診察端末2において、患者リストから対象となる患者を選択するための操作が行われると、その選択された患者に対応する前記カルテ画面P1を表示する。当該カルテ画面P1においては、選択された患者についての過去の前記診療情報及び今回の前記診療情報などが、前記過去カルテ領域A1及び前記現在カルテ領域A2に表示される。
【0074】
なお、前記カルテ画面P1は、例えば、スライドバーを含み、前記スライドバーの操作により、縦方向(上下方向)又は横方向(左右方向)のスクロール表示が可能に構成されていてもよい。これにより、前記電子カルテに含まれる多くの情報(前記カルテ情報)を、前記カルテ画面P1を通してユーザーに提示することが可能となる。
【0075】
ところで、図3に示す前記カルテ画面P1においては、前記キーパッド領域A4に表示される前記キーパッドK4が、「F2 保険設定」と表記されたキーK41を含んでいる。そして、例えば前記キーK41が操作されることをもって、前記表示処理部112は、主として保険に関する項目を設定するための保険設定画面P11(図12参照)を前記診察端末2の前記表示部24に表示させる。本実施形態では一例として、前記保険設定画面P11は、前記カルテ画面P1に重ねてポップアップ表示される。前記保険設定画面P11について詳しくは「領収書の発行処理」の欄で説明する。
【0076】
[会計画面P2]
次に、前記受付端末3の前記表示部34に表示される前記会計画面P2について、図4を参照して説明する。
【0077】
図4は、前記会計画面P2の一例を示す図である。図4に示すように、前記会計画面P2には、診療情報領域A11、会計領域A12、支払状況領域A13、明細領域A14、及び精算領域A15などが含まれている。また、図4などの前記表示部34に表示される画面を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、説明のために付しているに過ぎず、実際に前記表示部34に表示される訳ではない。
【0078】
前記診療情報領域A11は、前記会計画面P2での会計の対象とする診療に関する基本情報、具体的には、患者の基本情報及び診療日等の情報が表示される領域である。前記会計領域A12は、前記会計画面P2での会計の対象とする診療について、内容(名称)、数量、単位、点数、回数及び保険適用(保険選択)などの項目が表示される領域である。前記支払状況領域A13は、未収金の診療の一覧、及び請求(領収)書の一覧が表示される領域である。
【0079】
前記明細領域A14は、前記会計画面P2での会計の対象とする診療について、保険点数及び請求受金額の明細情報が表示される領域である。さらに、前記明細領域A14には、一例として「但し、インフルエンザ予防接種代として」のように、前記領収書Rc1に記載される但し書きの内容を表示する但し書き欄A141が設けられている。前記会計画面P2においては、前記但し書き欄A141をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列を入力することによって、前記但し書きの内容を変更可能である。
【0080】
前記精算領域A15は、前記会計画面P2での会計の対象とする診療について、請求金額、預かり金額及びおつり等の、精算に係る情報が表示される領域である。さらに、前記精算領域A15には、「精算」と表記されたキーK15が含まれている。そして、例えば前記キーK15が操作されることをもって、前記業務支援システム10は、前記会計画面P2での会計を確定する。このとき、前記精算領域A15中の「精算時に領収書を印刷」にチェックが付いていれば、前記発行処理部113は、前記領収書Rc1の印刷データを前記プリンター4に出力し、前記領収書Rc1を印刷させる。
【0081】
ここで、前記会計処理は診療ごとに行われるので、いずれの患者のいずれの診療について前記会計画面P2を表示させるかは、前記受付端末3に対するユーザーの操作によって指定される。具体的に、前記表示処理部112は、前記受付端末3において、診療リストから対象となる診療を選択するための操作が行われると、その選択された診療に対応する前記会計画面P2を表示する。当該会計画面P2においては、選択された診療についての前記診療情報などが反映される。
【0082】
ところで、図4に示す前記会計画面P2においては、前記会計領域A12に、「保険設定」と表記されたキーK12を含んでいる。そして、例えば前記キーK12が操作されることをもって、前記表示処理部112は、主として保険に関する項目を設定するための会計時保険設定画面P21(図14参照)を前記受付端末3の前記表示部34に表示させる。本実施形態では一例として、前記会計時保険設定画面P21は、前記会計画面P2に重ねてポップアップ表示される。前記会計時保険設定画面P21について詳しくは「領収書の発行処理」の欄で説明する。
【0083】
[領収書の発行に関する処理]
次に、前記領収書Rc1の発行に関する一連の処理について、図4図16を参照して説明する。
【0084】
本実施形態では、前記会計画面P2において「精算」と表記された前記キーK15が操作されると、会計が確定して、(前記精算領域A15中の「精算時に領収書を印刷」にチェックが付いていれば)前記発行処理部113が前記領収書Rc1の発行を行う。前記発行処理部113が発行する前記領収書Rc1の形態は、複数の形態の中から前記指定処理部114が択一的に指定する。
【0085】
本実施形態では、前記領収書Rc1の形態は、前記インボイス対応領収書Rc11であるか否かを含む。つまり、前記指定処理部114は、前記発行処理部113が発行する前記領収書Rc1の形態を、少なくとも、前記インボイス対応領収書Rc11と、前記通常領収書Rc12と、を含む複数の形態の中から択一的に指定する。前記通常領収書Rc12は、インボイス非対応領収書であるので、前記インボイス対応領収書Rc11ではない。
【0086】
具体的に、図2に示すように、前記インボイス対応領収書Rc11は、「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」、「課税資産の譲渡等を行った年月日」、「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」、「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額等」及び「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の項目を含んでいる。これに対して、前記通常領収書Rc12は、「適格請求書発行事業者の登録番号」、「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率」及び「税率ごとに区分した消費税額等」の項目を含まない。
【0087】
前記医療機関で行われる診療には、保険が適用される保険診療とは別に、保険が適用されない自費診療が存在する。そして、前記医療機関が「適格請求書発行事業者」であって、かつ前記医療機関において事業者との間で請求書及び領収書のやり取りがある場合等、前記医療機関がインボイス制度の対象である場合に、前記医療機関は、前記自費診療について前記インボイス対応領収書Rc11を発行することがある。ただし、前記医療機関がインボイス制度の対象であっても、例えば、患者が保険証を持参していなかったことにより一時的に自費診療となる「保険証忘れ」である場合等、前記自費診療といえども前記インボイス対応領収書Rc11ではなく、前記通常領収書Rc12を発行するケースもある。
【0088】
本実施形態に係る前記業務支援システム10では、前記発行処理部113が発行する前記領収書Rc1の形態を、複数の形態の中から前記指定処理部114が択一的に指定するので、多様な形態の前記領収書Rc1の発行が可能である。
【0089】
ここにおいて、前記指定処理部114は、ユーザーが選択する前記選択項目に基づいて、前記領収書Rc1の形態を自動的に指定する。前記選択項目は、前記算定区分と、前記自費事由区分と、の少なくとも一方を含む。本実施形態では、前記指定処理部114は、少なくとも前記自費事由区分を含む前記選択項目に基づいて、前記領収書Rc1の形態を自動的に指定する。前記自費事由区分と前記領収書Rc1の形態との対応関係は、前記自費事由分マスターに含めて前記マスター記憶部122に予め記憶されている。
【0090】
一例として、図7に示す前記自費事由区分マスターメンテナンス画面P3のように、前記自費事由区分は、例えば、「保険証忘れ」、「保険未加入」、「交通事故」、「自由診療」、「予防接種」、「インフルエンザ予防接種」、「企業検診」、及び「企業検診(入社前検診)」などの自費事由を含む。そして、前記自費事由区分マスターにおいては、個々の自費事由に対して、前記領収書Rc1の形態(前記インボイス対応領収書Rc11又は前記通常領収書Rc12)、前記領収書Rc1の但し書きの内容、保険外費用名称及び保険外費用(金額)等が対応付けられている。ここでは、「インフルエンザ予防接種」及び「企業検診」等の前記自費事由区分には、前記インボイス対応領収書Rc11が対応付けられており、「保険証忘れ」等の前記自費事由区分には、前記通常領収書Rc12が対応付けられていることと仮定する。
【0091】
そうすると、例えば、図4に示す前記会計画面P2においては、前記自費事由区分として「インフルエンザ予防接種」が選択されているので、前記指定処理部114は、当該自費事由区分に対応する前記インボイス対応領収書Rc11を、前記領収書Rc1の形態として指定する。また、例えば、図5に示す前記会計画面P2においては、前記自費事由区分として「企業検診」が選択されているので、前記指定処理部114は、当該自費事由区分に対応する前記インボイス対応領収書Rc11を、前記領収書Rc1の形態として指定する。一方、図6に示す前記会計画面P2においては、前記自費事由区分として「保険証忘れ」が選択されているので、前記指定処理部114は、当該自費事由区分に対応する前記通常領収書Rc12を、前記領収書Rc1の形態として指定する。
【0092】
したがって、図4又は図5に示す前記会計画面P2において前記キーK15が操作されると、前記発行処理部113は、前記領収書Rc1として前記インボイス対応領収書Rc11の発行を行う。一方、図6に示す前記会計画面P2において前記キーK15が操作されると、前記発行処理部113は、前記領収書Rc1として前記通常領収書Rc12の発行を行う。
【0093】
さらに、前記自費事由区分マスターメンテナンス画面P3において、前記保険外費用(図7の例では「3300円」)が、「インフルエンザ予防接種」の前記自費事由区分に対応付けられている場合、当該保険外費用(内税、外税、非課税)が前記領収書Rc1の金額に反映される。
【0094】
また、本実施形態では、前記選択項目(前記自費事由区分を含む)と前記領収書Rc1の形態との対応関係は、固定的ではなく、前記編集処理部115によって適宜編集可能である。具体的に、図7に示すように、前記受付端末3の前記表示部34等に表示可能な前記自費事由区分マスターメンテナンス画面P3は、前記自費事由区分に対応付ける種々の項目を編集するための編集領域A31を含んでいる。前記自費事由区分マスターメンテナンス画面P3においては、図8に示すように、前記編集領域A31中の領収書形態欄A311をマウス又はタッチパネル等で選択することで、プルダウン形式で前記領収書Rc1の形態の一覧が表示され、所望の形態を選択することが可能となる。つまり、図8の状態において、「1:インボイス対応領収書」が選択されると、選択中の前記自費事由区分(ここでは「インフルエンザ予防接種」)に対応する前記領収書Rc1の形態が、前記インボイス対応領収書Rc11になる。
【0095】
さらに、図7に示すように、前記自費事由区分マスターメンテナンス画面P3の前記編集領域A31は、前記特定項目の一つである前記但し書きについても編集可能に構成されている。そのため、前記自費事由区分マスターメンテナンス画面P3においては、前記編集領域A31の「但し書き」の項目をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列を入力することによって、前記但し書きの内容を変更可能である。
【0096】
図9は、例えば前記受付端末3の前記表示部34等に表示可能な前記アカウント管理画面P4を示している。前記アカウント管理画面P4は、アカウント管理に関する種々の設定を行う画面である。本実施形態では、前記アカウント管理画面P4は、「適格請求書発行事業者の登録番号」(インボイス登録番号)を設定するための登録番号設定領域A41を含んでいる。つまり、前記アカウント管理画面P4においては、前記登録番号設定領域A41をマウス又はタッチパネル等で選択後、キーボードから文字列(数列)を入力することによって、前記インボイス対応領収書Rc11に記載される前記登録番号を設定可能である。
【0097】
また、本実施形態では、前記指定処理部114は、前記受付過程と前記実施過程との少なくとも一方、つまり前記会計過程よりも前の過程において、前記領収書Rc1の形態を指定する。そのため、図4図5及び図6に示すような前記会計画面P2が表示される前記会計過程においては、最初から、(前記選択項目に基づいて)前記領収書Rc1の形態が指定されている。これにより、前記会計過程においては、例えば、前記会計画面P2上で前記領収書Rc1の形態を指定する操作をユーザーが行う必要がなく、ユーザーの業務負担を軽減することができる。
【0098】
ただし、本実施形態では、前記指定処理部114によって指定される前記領収書Rc1の形態はあくまで「初期値」に過ぎず、後から、前記変更処理部116によって前記領収書Rc1の形態を変更することで、より柔軟な指定を可能としている。
【0099】
具体的に、ユーザーは、まず前記受付過程において、図10に例示するように、前記受付端末3の前記表示部34に表示される前記受付画面P5上で、前記自費事由区分を選択する。前記受付画面P5は、支払設定領域A51を含んでいる。前記支払設定領域A51は、図11に示すように、前記自費事由区分と前記領収書Rc1の形態とを含んでいる。ユーザーにおいては、前記支払設定領域A51にて、例えばプルダウン形式で任意の前記自費事由区分を選択する。
【0100】
一例として、図11に示すように、前記自費事由区分として「インフルエンザ予防接種」が選択された場合(図11の上段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する。また、前記自費事由区分として「企業検診」が選択された場合(図11の中段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する。一方、前記自費事由区分として「保険証忘れ」が選択された場合(図11の下段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記通常領収書Rc12を指定する。
【0101】
このように、前記指定処理部114は、前記受付過程において、前記自費事由区分が選択されることを受けて、当該自費事由区分に対応する前記領収書Rc1の形態を前記初期値として指定する。
【0102】
あるいは、前記受付過程において、例えば患者が来院前に予めオンラインで予約又は問診を行う場合、患者が来院目的(一例として「企業検診」等)を予約又は問診時に入力することで、当該来院目的から、前記自費事由区分が自動的に選択されてもよい。この場合、ユーザーにおいては、前記受付画面P5上で前記自費事由区分を選択することなく、前記受付過程で前記自費事由区分が選択されることになり、当該自費事由区分に対応する前記領収書Rc1の形態を自動的に指定することができる。
【0103】
さらに、前記受付過程で前記自費事由区分が選択されていない場合、ユーザーは、前記実施過程において、図12に例示するように、前記診察端末2の前記表示部24に表示される前記保険設定画面P11上で、前記自費事由区分を選択することが可能である。前記保険設定画面P11は、設定領域A111を含んでいる。前記設定領域A111は、図13に示すように、前記自費事由区分と前記領収書Rc1の形態とを含んでいる。ユーザーにおいては、前記設定領域A111にて、例えばプルダウン形式で任意の前記自費事由区分を選択する。
【0104】
一例として、図13に示すように、前記自費事由区分として「インフルエンザ予防接種」が選択された場合(図13の上段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する。また、前記自費事由区分として「企業検診」が選択された場合(図13の中段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する。一方、前記自費事由区分として「保険証忘れ」が選択された場合(図13の下段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記通常領収書Rc12を指定する。
【0105】
このように、前記指定処理部114は、前記実施過程において、前記自費事由区分が選択されることを受けて、当該自費事由区分に対応する前記領収書Rc1の形態を前記初期値として指定する。
【0106】
あるいは、前記受付過程で前記自費事由区分が選択されている場合、前記実施過程においては、前記保険設定画面P11にて、前記自費事由区分を変更することが可能である。これにより、前記変更処理部116は、変更後の前記自費事由区分に対応する前記領収書Rc1の形態に、前記領収書Rc1の形態を変更する。
【0107】
さらに、前記受付過程及び前記実施過程のいずれでも前記自費事由区分が選択されていない場合、ユーザーは、前記会計過程において、図14に例示するように、前記受付端末3の前記表示部34に表示される前記会計時保険設定画面P21上で、前記自費事由区分を選択することが可能である。前記会計時保険設定画面P21は、設定領域A211を含んでいる。前記設定領域A211は、図15に示すように、前記自費事由区分と前記領収書Rc1の形態とを含んでいる。ユーザーにおいては、前記設定領域A211にて、例えばプルダウン形式で任意の前記自費事由区分を選択する。
【0108】
一例として、図15に示すように、前記自費事由区分として「インフルエンザ予防接種」が選択された場合(図15の上段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する。また、前記自費事由区分として「企業検診」が選択された場合(図15の中段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する。一方、前記自費事由区分として「保険証忘れ」が選択された場合(図15の下段)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記通常領収書Rc12を指定する。
【0109】
このように、前記指定処理部114は、前記会計過程においても、前記自費事由区分が選択されることを受けて、当該自費事由区分に対応する前記領収書Rc1の形態を前記初期値として指定することが可能である。
【0110】
あるいは、前記受付過程又は前記実施過程で前記自費事由区分が選択されている場合、前記会計過程においては、前記会計時保険設定画面P21にて、前記自費事由区分を変更することが可能である。これにより、前記変更処理部116は、変更後の前記自費事由区分に対応する前記領収書Rc1の形態に、前記領収書Rc1の形態を変更する。
【0111】
ところで、前記変更処理部116は、前記自費事由区分に連動させるのではなく、前記領収書Rc1の形態を個別に変更してもよい。例えば、ユーザーは、前記会計時保険設定画面P21の前記設定領域A211で、前記領収書Rc1の形態を直接的に指定することにより、前記自費事由区分との対応関係にかかわらず、前記領収書Rc1の形態を変更することが可能である。例えば、前記自費事由区分として「保険証忘れ」が選択されている状態でも、前記変更処理部116は、前記領収書Rc1の形態を前記インボイス対応領収書Rc11に変更することができる。
【0112】
以下、図16を参照しつつ、前記業務支援方法のうち特に前記領収書Rc1の発行に係る前記制御部11の処理の手順の一例について説明する。
【0113】
<ステップS1>
ステップS1において、前記制御部11は、前記自費事由区分が選択されたか否かを判断する。例えば、前記受付過程において、前記受付画面P5上で、前記自費事由区分が選択されると、前記制御部11は、前記自費事由区分が選択されたと判断し(S1:Yes)、処理をステップS2に移行する。一方、前記自費事由区分が選択されなければ(S1:No)、前記制御部11は、前記ステップS1を繰り返し実行する。
【0114】
<ステップS2,S3,S4>
前記ステップS2において、前記制御部11の前記指定処理部114は、前記自費事由区分が「保険証忘れ」か否かを判断する。前記自費事由区分が「保険証忘れ」であれば(S2:Yes)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記通常領収書Rc12を指定する(S3)。一方、前記自費事由区分が「保険証忘れ」以外であれば(S2:No)、前記指定処理部114は、前記領収書Rc1の形態として前記インボイス対応領収書Rc11を指定する(S4)。
【0115】
<ステップS5>
次のステップS5において、前記制御部11は、前記自費事由区分が変更されたか否かを判断する。例えば、前記実施過程において、前記保険設定画面P11上で、前記自費事由区分が変更されると、前記制御部11は、前記自費事由区分が変更されたと判断し(S5:Yes)、処理を前記ステップS2に移行する。一方、前記自費事由区分が変更されなければ(S5:No)、前記制御部11は、処理をステップS6に移行する。
【0116】
<ステップS6>
前記ステップS6において、前記制御部11は、精算のための操作がされたか否かを判断する。例えば、前記会計画面P2において「精算」と表記された前記キーK15が操作されると、前記制御部11は、精算操作がされたと判断し(S6:Yes)、処理をステップS7に移行する。一方、前記精算操作がされなければ(S6:No)、前記制御部11は、処理を前記ステップS5に移行する。
【0117】
<ステップS7>
前記ステップS7において、前記制御部11の前記発行処理部113は、前記領収書Rc1を発行する(前記発行処理)。ここで、前記発行処理部113は、前記指定処理(S3,S4)で指定された前記領収書Rc1の形態に従って、前記領収書Rc1を発行する。つまり、前記ステップS3にて前記通常領収書Rc12が指定されている場合、前記発行処理部113は前記通常領収書Rc12を発行する。一方、前記ステップS4にて前記インボイス対応領収書Rc11が指定されている場合、前記発行処理部113は前記インボイス対応領収書Rc11を発行する。
【0118】
なお、上記のフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
【0119】
[その他の機能]
その他の機能として、前記インボイス対応領収書Rc11に関連して、前記制御部11は、税抜金額の計算時の桁落ち処理の機能を有する。すなわち、前記制御部11は、税込金額から税抜金額(本体金額)を算出する場合、税率10%であれば、前記税込金額を「1.1」で除することによって前記税抜金額を算出する。このとき、一例として、前記税込金額が「10000円」であれば、「10000/1.1=9090.9」となり、小数点以下の端数が生じる。このような場合、前記桁落ち処理として、前記制御部11は、小数点以下の四捨五入、切り上げ、又は切り捨てのいずれかの処理を行う機能を有している。
【0120】
一例として、前記税込金額が「10000円」の場合、前記四捨五入によれば、税抜金額が「9091円」、消費税額等が「909円」となり、前記切り上げによれば、税抜金額が「9091円」、消費税額等が「909円」となり、前記切り捨てによれば、税抜金額が「9090円」、消費税額等が「910円」となる。このような前記桁落ち処理により算出された前記税抜金額及び前記消費税額等が、前記インボイス対応領収書Rc11に反映される。
【0121】
ここで、前記桁落ち処理として、前記四捨五入、前記切り上げ又は前記切り捨てのいずれを適用するかは、例えば、図17に示す前記設定画面P6において設定可能である。すなわち、前記受付端末3の前記表示部34等に表示される前記設定画面P6は、「税抜価格計算時の桁落ち処理」の項目を含み、当該項目にて、いずれの処理を適用するかを選択可能である。
【0122】
さらに、前記設定画面P6では、例えば、前記インボイス対応領収書Rc11を発行する機能の有効/無効、及び、前記インボイス対応領収書Rc11の宛名として患者の氏名を表示するか否か等についても設定可能である。
【0123】
また、前記インボイス対応領収書Rc11においては、非課税の項目がある場合、前記インボイス対応領収書Rc11には「非課税」の項目が追記される。つまり、非課税の項目が記載された状態の前記インボイス対応領収書Rc11が発行される。
【0124】
また、例えば、図18に示す前記保険外費用一括修正画面P7では、前記自費事由区分そのものを編集可能である。例えば、前記受付端末3の前記表示部34等に表示される前記保険外費用一括修正画面P7では、前記自費事由区分として新規の区分を追加したり、既存の区分を削除又は変更したりすることが可能である。さらに、前記保険外費用一括修正画面P7では、保険外費用についても編集可能である。
【0125】
[変形例]
前記業務支援システム10に含まれる複数の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、上記実施形態において、複数の筐体に分散している複数の構成要素(前記制御部11及び前記表示部24など)が、1つの筐体に集約して設けられていてもよい。
【0126】
また、前記カルテ画面P1及び前記会計画面P2等の表示画面が前記診察端末2の前記表示部24又は前記受付端末3の前記表示部34に表示されることは必須ではなく、例えば前記電子カルテ装置1の前記表示部14に前記カルテ画面P1及び前記会計画面P2等が表示されてもよい。さらに、前記カルテ画面P1及び前記会計画面P2等の表示画面は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの前記表示部に限らず、例えばプロジェクターなどの表示装置によって投影表示されてもよい。
【0127】
また、前記領収書Rc1の指定は、例えば、前記医療機関ごと、患者ごと、診療科ごと、担当医師ごと、又は担当薬剤師ごと等で行われてもよい。
【0128】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0129】
<付記1>
診療に関する領収書を発行する発行処理部と、
前記領収書の形態を、複数の形態の中から択一的に指定する指定処理部と、を備える、
業務支援システム。
【0130】
<付記2>
前記指定処理部は、前記診療の受付過程と前記診療の実施過程との少なくとも一方において前記領収書の形態を指定する、
付記1に記載の業務支援システム。
【0131】
<付記3>
前記領収書の形態は、インボイス対応領収書であるか否かを含む、
付記1又は2に記載の業務支援システム。
【0132】
<付記4>
前記指定処理部は、前記領収書の形態以外の選択項目に基づいて前記領収書の形態を自動的に指定する、
付記1~3のいずれかに記載の業務支援システム。
【0133】
<付記5>
前記選択項目は、算定区分と、保険診療及び自費診療の区分を含む自費事由区分と、の少なくとも一方を含む、
付記4に記載の業務支援システム。
【0134】
<付記6>
前記選択項目と前記領収書の形態との対応関係を編集する編集処理部を更に備える、
付記4又は5に記載の業務支援システム。
【0135】
<付記7>
前記指定処理部は、前記領収書の形態の初期値を指定し、
前記領収書の形態を前記初期値から変更する変更処理部を更に備える、
付記1~6のいずれかに記載の業務支援システム。
【0136】
<付記8>
前記変更処理部は、前記初期値が指定された後の過程において、前記領収書の形態を変更可能である、
付記7に記載の業務支援システム。
【0137】
<付記9>
前記領収書に記載の特定項目を前記診療の受付より前に設定可能な設定処理部を更に備える、
付記1~8のいずれかに記載の業務支援システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18