(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001284
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】無人航空機の制御装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/46 20240101AFI20241225BHJP
【FI】
G05D1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100785
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518156358
【氏名又は名称】株式会社センシンロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 嵩之
(72)【発明者】
【氏名】諸藤 洋明
(72)【発明者】
【氏名】山崎 修平
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA06
5H301AA10
5H301BB10
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC08
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG16
(57)【要約】
【課題】建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、撮像することができる無人航空機の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置59は、完成予定の建物10を内部に含む四角柱状の仮想空間Sであり、かつ、仮想空間Sの各辺が、建物10の縁部と一致する仮想空間Sを設定する空間設定部503と、仮想空間Sの角部のうち、上側の4つの中央角部と、下側角部と、一対の上側角部とが、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるように、撮像装置35が撮像する撮像位置P1~P4の位置座標と、撮像位置P1~P4の位置座標ごとの撮像装置35の光軸の方向と、を設定する撮像条件設定部504と、撮像位置P1~P4の位置座標ごとに、撮像装置35が、撮像位置P1~P4の位置座標で、設定した光軸Cの方向D1~D4となるように、無人航空機30の飛行制御を行う飛行制御部505と、撮像位置P1~P4の位置座標で光軸Cの方向に合わせて、撮像装置35に建物10を撮像させる撮像制御部506と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設予定地に建設中の建物を少なくとも撮影する撮像装置と、水平方向の座標を検出する座標検出センサと、方位を検出する方位検出センサと、高度を検出する高度検出センサと、が搭載された無人航空機を制御する制御装置であって、
前記制御装置は、
完成予定の建物を内部に含む四角柱状の仮想空間であり、かつ、前記仮想空間の各辺が、前記建物の縁部と一致するように、前記建物の各隅部の位置座標、および前記建物の高さに基づいて、前記仮想空間を設定する空間設定部と、
前記仮想空間の角部のうち、上側の4つの上側角部のそれぞれに対して、撮像時に前記撮像装置の光軸が位置する前記上側角部を中央角部として設定し、前記中央角部と、前記中央角部から直下に位置する下側角部と、前記中央角部から伸び、前記仮想空間の上辺を規定する一対の上側角部と、の4つの角部が、前記撮像装置の撮像範囲内に収まるように、前記撮像装置が撮像する撮像位置座標と、前記撮像位置座標のごとの前記撮像装置の光軸の方向と、を設定する撮像条件設定部と、
設定した前記撮像位置座標ごとに、前記撮像装置が、前記撮像位置座標で、設定した前記光軸の方向となるように、前記無人航空機の飛行制御を行う飛行制御部と、
前記飛行制御された前記無人航空機から、前記撮像位置座標で前記光軸の方向に合わせて、前記撮像装置に前記建物を撮像させる撮像制御部と、
を備えることを特徴とする無人航空機の制御装置。
【請求項2】
前記撮像条件設定部は、前記中央角部から前記仮想空間の内部を通過し、前記中央角部に対して対角に位置する下側角部の位置座標と、前記中央角部の位置座標とを結ぶ対角線に、前記撮像装置の光軸が一致するように、前記光軸の方向を設定することを特徴とする、請求項1に記載の無人航空機の制御装置。
【請求項3】
前記中央角部の位置座標から前記撮像位置座標までが同じ距離となるように、前記各撮像位置座標を設定することを特徴とする請求項2に記載の無人航空機の制御装置。
【請求項4】
前記撮像条件設定部は、前記撮像位置座標ごとに、
前記建物の平面視において、前記撮像位置座標と、前記一対の上側角部のそれぞれの位置座標とを結ぶ第1および第2上辺とが成す角を二等分した二等分線であって、前記建物の側面視において、前記撮像位置座標と、前記下側角部の位置座標とを結ぶ側辺と、前記撮像位置座標と、前記一対の上側角部のうち、前記撮像位置座標からの距離が遠い方の上側角部の位置座標とを結ぶ前記第1または第2上辺とが成す角を二等分した二等分線に、前記撮像装置の光軸が一致するように、前記光軸の方向を設定することを特徴とする、請求項1に記載の無人航空機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像装置が搭載された無人航空機を用いて、建物を撮像することが行われている。例えば、特許文献1には、地上撮影するカメラと自己位置測定装置を搭載したドローン(無人航空機)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す無人航空機を用いて、建物を斜め上から撮影する俯瞰撮影を行う場合、建物の着工直後から竣工までを定期的に行うことがある。この場合、同じ位置から撮影することが望ましいが、建設途中の建物は、建設が進むに従って、その大きさが変化するため、同じ角度から同じ尺度で、建物を撮像装置の画角内に収めることが難しい。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、撮像することができる無人航空機の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題に鑑みて、本発明に係る無人航空機の制御装置は、建設予定地に建設中の建物を少なくとも撮影する撮像装置と、水平方向の座標を検出する座標検出センサと、方位を検出する方位検出センサと、高度を検出する高度検出センサと、が搭載された無人航空機を制御する制御装置であって、前記制御装置は、完成予定の建物を内部に含む四角柱状の仮想空間であり、かつ、前記仮想空間の各辺が、前記建物の縁部と一致するように、前記建物の各隅部の位置座標、および前記建物の高さに基づいて、前記仮想空間を設定する空間設定部と、前記仮想空間の角部のうち、上側の4つの上側角部のそれぞれに対して、撮像時に前記撮像装置の光軸が位置する前記上側角部を中央角部として設定し、前記中央角部と、前記中央角部から直下に位置する下側角部と、前記中央角部から伸び、前記仮想空間の上辺を規定する一対の上側角部と、の4つの角部が、前記撮像装置の撮像範囲内に収まるように、前記撮像装置が撮像する撮像位置座標と、前記撮像位置座標のごとの前記撮像装置の光軸の方向と、を設定する撮像条件設定部と、設定した前記撮像位置座標ごとに、前記撮像装置が、前記撮像位置座標で、設定した前記光軸の方向となるように、前記無人航空機の飛行制御を行う飛行制御部と、前記飛行制御された前記無人航空機から、前記撮像位置座標で前記光軸の方向に合わせて、前記撮像装置に前記建物を撮像させる撮像制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、飛行制御部により、設定した4つの撮像位置座標ごとに、撮像装置が、撮像位置座標で、設定した光軸の方向となるように、無人航空機の飛行制御を行い、撮像制御部で、飛行制御された無人航空機から、撮像位置座標で光軸の方向に合わせて、撮像装置に建物を撮像させる。これにより、撮像位置座標ごとに、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部が、撮像装置の撮像範囲内に収まるように、撮像することができる。このような結果、建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、撮像することができる。
【0008】
より好ましい態様としては、前記撮像条件設定部は、前記中央角部から前記仮想空間の内部を通過し、前記中央角部に対して対角に位置する下側角部の位置座標と、前記中央角部の位置座標とを結ぶ対角線に、前記撮像装置の光軸が一致するように、前記光軸の方向を設定する。
【0009】
この態様によれば、撮像条件設定部において、下側角部の位置座標と中央角部の位置座標とを結ぶ対角線に、撮像装置の光軸が一致するように、光軸の方向を設定するので、撮像位置座標ごとに、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部を、撮像した画像内にバランス良く写し込むことができる。このような結果、建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、バランス良く撮像することができる。
【0010】
より好ましい態様としては、前記中央角部の位置座標から前記撮像位置座標までが同じ距離となるように、前記各撮像位置座標を設定する。この態様によれば、すべての撮像位置座標から中央角部までの距離を同じ距離にすることにより、すべての画像の縮尺を同じ縮尺にすることができる。
【0011】
より好ましい態様としては、前記撮像条件設定部は、前記撮像位置座標ごとに、前記建物の平面視において、前記撮像位置座標と、前記一対の上側角部のそれぞれの位置座標とを結ぶ第1および第2上辺とが成す角を二等分した二等分線であって、前記建物の側面視において、前記撮像位置座標と、前記下側角部の位置座標とを結ぶ側辺と、前記撮像位置座標と、前記一対の上側角部のうち、前記撮像位置座標からの距離が遠い方の上側角部の位置座標とを結ぶ前記第1または第2上辺とが成す角を二等分した二等分線に、前記撮像装置の光軸が一致するように、前記光軸の方向を設定する。
【0012】
この態様によれば、撮像条件設定部において、建物の平面視および側面視における二等分線に、撮像装置の光軸が一致するように、光軸の方向を設定するので、撮像位置座標ごとに、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部を、撮像した画像内にバランス良く写し込むことができる。このような結果、建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、バランス良く撮像することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る無人航空機の制御装置を備えた無人航空機制御システムを示す模式図である。
【
図2】
図1に示す無人航空機の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す操作端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示す操作端末に搭載された制御装置を示す制御ブロック図である。
【
図5】
図4に示す空間設定部による仮想空間の設定を説明するための模式図である。
【
図6】
図4に示す撮像条件設定部による撮像条件を説明するための説明図である。
【
図7】(a)(b)は、
図6に示す撮像条件設定部による撮像条件の設定方法を説明するための模式図である。
【
図8】(a)(b)は、
図6に示す撮像条件設定部による撮像条件の別の設定方法を説明するための模式図である。
【
図9】無人航空機の制御装置の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る無人航空機の制御装置について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る無人航空機30を制御する制御装置39、59を備えた無人航空機制御システム1を示す模式図である。
図2は、
図1に示す無人航空機30の構成を示すブロック図である。
図3は、
図1に示す操作端末50の構成を示すブロック図である。
図4は、
図3に示す操作端末50に搭載された制御装置59を示す制御ブロック図である。
【0017】
なお、本実施形態では、後述するように、無人航空機30に搭載された制御装置39と、操作端末50に搭載された制御装置59との2つの制御装置が存在する。無人航空機30に搭載された制御装置39は、無人航空機30の飛行の安定性など飛行そのもの(具体的には駆動装置36等のアクチェータ)を制御するものである。一方、操作端末50の制御装置59は、無人航空機30の飛行の到達地点の設定、飛行ルートの設定、および撮像装置35の撮像座標の設定などを行った上で、この設定内容に沿って無人航空機30の飛行を制御するものである。したがって、制御装置59は、飛行および撮像タイミングに関する制御指令を無人航空機30に送信するものであり、本発明の制御装置は、以下に示す操作端末50に搭載された制御装置59が対応する。本実施形態では、制御装置39、59の2つの制御装置を用いているが、無人航空機30または操作端末50に、1つの制御装置として、集約されていてもよい。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る無人航空機制御システム1は、無人航空機(UAV)30と、無人航空機30を制御する操作端末50と、によって構成されている。無人航空機制御システム1は、無人航空機30を直接操縦するコントーラをさらに備えてもよい。本実施形態では、無人航空機制御システム1は建物10の建設の進行状況を確認する際に用いられる。
【0019】
無人航空機30は、所謂ドローンであり、操作端末50から送信される後述するデータ等に基づいて、建物10を撮像する。無人航空機30は、撮像した画像を操作端末50に送信する。
【0020】
操作端末50は、たとえば、所定のプログラム(アプリケーションソフトウェア)をインストールしたスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等であり、本実施形態ではスマートフォンである。操作端末50は、無人航空機30の撮像装置35が撮像した映像(動画)および画像(静止画)を取得するとともに、後述する表示装置52に画像を表示する。
【0021】
以下、無人航空機30および操作端末50をより具体的に説明する。
【0022】
[無人航空機30の構成]
無人航空機30は、
図2に示すように、通信装置31と、座標検出センサ(GPSセンサ)32と、方位検出センサ(ジャイロセンサ)33と、高度検出センサ34と、撮像装置35と、駆動装置36と、制御装置39と、を備えている。
【0023】
通信装置31は、操作端末50との間でデータの無線送受信を行う。通信装置31が操作端末50から受信する主要なデータとしては、無人航空機30の飛行ルートのデータ、撮像タイミング等、飛行制御および撮像制御を行うためのデータである。通信装置31が操作端末50に送信する主要なデータとしては、後述する座標検出センサ32からの位置座標データ、方位検出センサ33からの方位データ、高度検出センサ34からの高度データ、撮像装置35からの画像データ等を挙げることができる。
【0024】
座標検出センサ32は、GPS信号を受信するとともに、受信したGPS信号に基づいて座標検出センサ32の位置(経度、緯度)、すなわち無人航空機30自身の位置を検出する。方位検出センサ33は、無人航空機30が向いている方位(無人航空機30の前方の方位)を検出する。高度検出センサ34は、たとえば気圧を計測する気圧センサからなり、無人航空機30の地面からの高さを検出する。なお、高度検出センサ34を設けず、座標検出センサ32が受信したGPS信号に基づいて無人航空機30の地面に対する高さを検出してもよい。
【0025】
撮像装置35は、カラーのデジタルの映像および画像を取得できるカメラであり、本実施形態では、建物を対象物として撮像し、映像および画像を取得する。撮像装置35は、撮像装置35に含まれるレンズの光軸を水平方向に動かすパン機能、上下方向に動かすチルト機能を有してもよい。
【0026】
駆動装置36は、詳細は図示しないが、複数の回転翼と、回転翼に付与する駆動力を発生するモータと、モータに電力を供給する蓄電池と、を含んでいる。複数の回転翼の回転速度を個別に制御することによって、無人航空機30の飛行高さ、飛行経路、飛行速度、水平度、向き(方位)等を変更することができる。
【0027】
制御装置39は、演算装置(CPU)39aおよび記憶装置(たとえばRAM、ROM等)39bを含んでいる。演算装置39aは、記憶装置39bに記憶されている動作プログラムを実行する。
【0028】
制御装置39は、操作端末50から通信装置31を介して受信した高度データ、撮像座標データ、旋回角度データ等を記憶する。制御装置39は、操作端末50からの指令に基づいて、アクチュエータである駆動装置36を制御するものである。具体的には、制御装置39は、撮像座標データおよび飛行高さデータに基づいて駆動装置36を制御して、無人航空機30を自律飛行させる。制御装置39は、撮像位置データ(位置座標と高度を含むデータ)に基づいて撮像装置35を制御して、4つの撮像位置P1~P4で建物10を撮像する。この他にも、制御装置39は、旋回角度データに基づいて駆動装置36を制御して、無人航空機30を水平方向に所定角度旋回させる。制御装置39は、撮像装置35が取得した画像データを記憶するとともに、操作端末50に送信する。制御装置39は、方位検出センサ33の検出結果(検出方位)を無人航空機30の方位データとして記憶するとともに、操作端末50に送信する。
【0029】
制御装置39は、操作端末50から、操作者が直接入力する各種制御信号に基づいて、無人航空機30を所定方向に移動させたり、所定角度旋回させたり、撮像装置35のパン角やチルト角を変更したり、撮像装置35により画像を取得してもよい。
【0030】
[操作端末50の構成]
図3に示すように、操作端末50は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、および制御装置59を備えている。表示装置52と入力装置53とでタッチパネルディスプレイを構成していてもよい。無人航空機30を、直接操縦する際には、表示装置52に無人航空機30の操縦ボタンまたは操縦レバーを表示し、入力装置53でこれを操作する(タッチパネルディスプレイの場合には、画面を触れることで操作する)ようにしてもよい。
【0031】
通信装置51は、無人航空機30の通信装置31との間でデータの送受信を行うものであり、通信されるデータは上述したとおりである。表示装置52は、地図データを表示したり、無人航空機30の撮像装置35が撮像した映像および画像を表示したりする。なお、地図データは、インターネットを介して取得したものであってもよいし、後述する記憶装置59bに予め記憶されているものであってもよい。入力装置53は、操作者により入力されるものであり、建物10の隅部b1(t1)、b2(t2)、b3(t3)の位置座標(緯度、経度)および建物高さHなどの建物情報などが入力される。
【0032】
制御装置59は、入力装置53の入力により無人航空機30の飛行制御や撮像制御を行うものであり、本発明でいう制御装置に相当する。制御装置59は、演算装置(CPU)59aおよび記憶装置(たとえばRAM、ROM等)59bを含んでいる。演算装置59aは、記憶装置59bに記憶されている動作プログラムを実行する。制御装置59がプログラムを実行することによって、後述する各処理を実現することができる。このようなプログラムは、たとえばインターネットを介してダウンロードすることによって取得され、記憶装置59bにアプリケーションとして記憶される。制御装置59は、通信装置51が受信した画像データ等を記憶する。
【0033】
次に、
図4を参照して、本実施形態の操作端末50の制御装置59について詳細に説明する。制御装置59は、無人航空機30の飛行制御と、撮像装置35の撮像タイミングの撮像制御と、を行うものである。本実施形態では、制御装置59は、ソフトウェアとして建物情報記録部501、カメラ情報記録部502、空間設定部503、撮像条件設定部504、飛行制御部505、撮像制御部506を備えている。
【0034】
建物情報記録部501は、入力装置53を介して、入力データとして入力された建物10の隅部b1(t1)、b2(t2)、b3(t3)の位置座標(緯度、経度)および建物高さHを、建物情報として記録している。位置座標を、緯度および経度で特定することにより、無人航空機30に搭載した座標検出センサ32で検出される位置座標が、後述する撮像位置座標に近づくように、無人航空機30の飛行を、制御装置39で制御することができる。建物10の全体を撮像する際には、建物10の高さHよりも高い撮像高度まで、無人航空機30を飛行制御する。
【0035】
カメラ情報記録部502は、入力装置53を介して入力された撮像装置35に固有の装置情報を記録している。本実施形態では、カメラ情報記録部502には、撮像装置35のイメージセンサの縦および横の寸法、撮像装置35の焦点距離、撮像装置35の画角など、撮像装置35の固有の装置情報が記録されている。
【0036】
空間設定部503は、建物情報記録部501で記録された建物情報に基づいて、完成予定の建物10を内部に含む四角柱状の仮想空間Sを設定する。具体的には、空間設定部503は、仮想空間Sの各辺である上辺ET、側辺ES、下辺EBが、建物10の縁部である上縁部11t、側縁部11s、下縁部11bのそれぞれに一致するように、建物10の各隅部t1~t3、b1~b3の位置座標、および建物10の高さHに基づいて、四角柱状の仮想空間Sを設定する。
【0037】
より具体的には、建設予定地(敷地)A1において、これから建設されて、完成予定となる建物10を内部に含み、かつ、最小の大きさとなる四角柱状の仮想空間Sを設定する。したがって、
図1に示す建物10の場合には、建物10の隅部t1~t3、b1~b3と仮想空間Sの角部T1~T3、B1~B3が順に一致する。
図1に示す建物10とは異なり、建物10が、四角柱状である場合には、その建物10全体が、仮想空間Sに設定される。
【0038】
撮像条件設定部504は、
図6に示すように、仮想空間Sの角部T1~T4、B1~B4のうち、上側の4つの上側角部T1~T4のそれぞれに対して、撮像時に撮像装置35の光軸Cが位置する上側角部T1~T4を中央角部として設定する。たとえば、撮像条件Aでは、中央角部を上側角部T1としたときに、中央角部(上側角部T1)から直下に位置する下側角部B1と、中央角部(角部T1)から伸び、仮想空間Sの上辺ETを規定する一対の上側角部T2、T4と、の4つの角部T1、B1、T2、T4を選定する。この選定した4つの角部T1、B1、T2、T4、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるように、撮像装置35が撮像する撮像位置P1の位置座標(撮像位置座標)と、撮像位置P1の位置座標のごとの撮像装置35の光軸Cの方向D1と、を設定する。なお、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるとは、撮像装置35の画角内に、選定した4つの角部T1、B1、T2、T4が存在することである。
【0039】
同様に、
図6の表の第2段に示すように、撮像条件Bでは、撮像条件設定部504は、中央角部を上側角部T2としたときに、4つの角部T2、B2、T3、T1が、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるように、撮像装置35が撮像する撮像位置P2の位置座標と、撮像位置P2の位置座標に対する撮像装置35の光軸Cの方向D2と、を設定する。さらに、撮像条件設定部504は、撮像条件Cとして、同様の4つの角部T3、B3、T4、T2が、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるように、撮像装置35が撮像する撮像位置P3の位置座標と、撮像位置P3の位置座標に対する撮像装置35の光軸Cの方向D3と、を設定する。撮像条件設定部504は、撮像条件Dとして、同様の4つの角部T4、B4、T1、T3が、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるように、撮像装置35が撮像する撮像位置P4の位置座標と、撮像位置P4の位置座標に対する撮像装置35の光軸Cの方向D4と、を設定する。
【0040】
本実施形態では、仮想空間Sの上側角部T1~T4に対して、各方向D1~D4において、撮像することにより、これらの4つの画像により、建設中の建物10はもちろんのこと、建設が完了した建物10の全体を把握することができる。
【0041】
ここで、本実施形態では、
図6に示すように、撮像条件設定部504は、それぞれの撮像条件において、中央角部から仮想空間Sの内部を通過し、中央角部(たとえば上側角部T1)に対して対角に位置する下側角部(たとえば下側角部B3)の位置座標と、中央角部(たとえば上側角部T1)の位置座標とを結ぶ対角線に、撮像装置35の光軸Cが一致するように、光軸Cの方向D1を設定する。
【0042】
具体的には、撮像装置35のイメージセンサの縦横のサイズと、撮像装置35の焦点距離から、仮想空間Sの角部B1、T2、T4を結ぶ三角形の領域が、撮像装置35の画角内に収まる距離L1を求める。この距離L1は、平面視において、角部B1と撮像装置35との距離であり、この距離L1を用いて、角部B3、T1、B1の直角三角形の相似の関係を利用して、撮像装置35の高さH1を算出する。撮像条件設定部504は、距離L1、高さH1から、撮像位置P1の位置座標となる、撮像装置35(のイメージセンサ)の焦点の緯度、経度、および高さの3次元座標を算出する。さらに、撮像装置35の光軸Cの方向D1は、角部T1と角部B3を結ぶ直線(上述した対角線)と、角部B1と角部B3とを結ぶ直線とが成す角度θにより、設定することができる。
【0043】
ここで、中央角部を上側角部T1としたときに、仮想空間Sの角部B1、T2、T4が撮像装置35の画角内に収まっていればよいが、たとえば、
図7(a)および
図7(b)に示すようにして、撮像位置P1の位置座標を算出してもよい。
【0044】
図7(a)は、仮想空間Sを平面視した状態の模式図であり、
図7(b)は、仮想空間Sを側面視した状態の模式図である。なお、ここでは、説明上、仮想空間Sにおける上側角部T1~T4を、点A~Dと定義し、仮想空間Sにおける下側角部B1、B3と、点A’、B’と定義する。
【0045】
この例では、撮像装置35で撮像した画像の縁部に、仮想空間Sの上側角部T2、T3、(点B、D)と、下側角部B1(点A’)が位置しないように、すなわち、画像内に余裕代をもってこれらの点B、D、A’が写り込むように、1.0よりも大きい余裕率を設定する。
【0046】
ここで、点B、Cのうち、点Aから遠い方の点Bを基準する。まず、点Bを通り線分ACから下した垂線の線分BE(の長さ)は、以下の式(1)に示すように表すことができる。
【0047】
線分BE=線分AB×sin(∠BAC)…(1)
【0048】
余裕率をQとすると、線分BEを通り、点Eを端点とした垂線上の線分をYEとしたときに、線分YE(の長さ)は、式(2)に示すように表すことができる。ただし、余裕率Qは、1.0より大きく、好ましくは1.5以下の値である。
【0049】
線分YE=線分BE×Q…(2)
【0050】
撮像装置35の焦点をXとし、イメージセンサの幅をsw、イメージセンサの焦点距離をflとしたときに、線分XE(の長さ)は、以下の式(3)のようにして表すことができる。
【0051】
線分XE=(2/sw)×fl×線分YE…(3)
【0052】
したがって、平面視において、点Aから焦点Xまでの距離、すなわち線分XAの長さは、以下の式(4)のようにして表すことができる。
【0053】
線分XA(平面視)=線分XE-線分AE…(4)
ただし、線分AE=線分AB×cos(∠BAC)である。
【0054】
なお、ここで、角部T4(点D)を通る線分FDの長さは、以下の式(5)に示すように表すことができる。
【0055】
線分FD=線分AD×sin(∠DAC)…(5)
【0056】
ここで、線分XF(の長さ)を、式(4)で算出した線分XAを用いて以下の式(6)で算出することができる。
【0057】
線分XF=線分XA+線分AF=線分XA+線分AD×cos(∠DAC)…(6)
【0058】
式(6)で算出した線分XFを用いて、線分ZFの長さを、以下の式(7)で算出することができる。
【0059】
線分ZF=線分XF×(sw/2)/f1…(7)
【0060】
ここで、線分ZFの長さが線分CFの長さよりも短い場合には、線分ZFの長さが線分CFの長さ以上となるように、余裕率Qが大きくなるような補正を行う。このようにして得られた線分XAにより、線分AD’を延長した対角線上の焦点Xの高さH1を算出する。高さH1は、以下の式(8)により算出することができる。
【0061】
高さH1=線分XC×tan(∠AB’A’)…(8)
【0062】
このような高さH1に対して、
図7(b)に示すように、仮想空間Sを側面視したときに、撮像装置35の画角内に、上側角部T2(B)と、下側角部B1(A’)とが収まればよい。したがって、上述した計算方法と同様にして、以下の式(9)、式(10)で、線分BJの長さと線分VJの長さを算出する。
【0063】
線分BJ=線分AB×sin(∠BAB’)…(9)
線分VJ=線分XJ×(sh/2)/f1…(10)
【0064】
ここで、線分VJの長さが線分BJの長さよりも短い場合には、線分VJの長さが線分BJの長さ以上となるように、余裕率Qが大きくなるような補正を行う。
【0065】
同様に、以下の式(11)、式(12)で、線分A’Hの長さと線分ZHの長さを算出する。
【0066】
線分A’H=線分AA’×sin(∠BAA’)…(11)
線分ZH=線分XH×(sh/2)/f1…(12)
【0067】
ここで、線分ZHの長さが線分A’Hの長さよりも短い場合には、線分ZHの長さが線分A’Hの長さ以上となるように、余裕率Qが大きくなるような補正を行う。
【0068】
このようにして、余裕率Qを設定し、これを補正することで、点B、D、A’は写り込むように、撮像位置P1とこれに対応する光軸Cの方向を算出することができる。その他の撮像位置P2~P4の位置座標と、これらのそれぞれに対応する光軸Cの方向も同様にして算出する。なお、撮像位置P1~P4から、中央角部の位置座標から撮像位置座標までが同じ距離となるように、各撮像位置座標を設定する。この態様によれば、すべての撮像位置座標から中央角部までの距離を同じ距離にすることにより、すべての画像の縮尺を同じ縮尺にすることができる。
【0069】
別の変形例として、
図8(a)、(b)に示すように、撮像条件設定部504は、撮像位置P1~P4の位置座標ごとに、建物10の平面視において、撮像位置(たとえば、撮像位置P1)の位置座標と、一対の上側角部(たとえば、上側角部T3、T4)のそれぞれの位置座標とを結ぶ第1および第2上辺ET1、ET2とが成す角を二等分した第1二等分線DL1を設定する。撮像条件設定部504は、建物10の側面視において、撮像位置P1と、下側角部B1の位置座標とを結ぶ側辺ESと、撮像位置(たとえば、撮像位置P1)座標と、一対の上側角部(たとえば、上側角部T2、T4)のうち、撮像位置(たとえば、撮像位置P1)の位置座標からの距離が遠い方の上側角部(たとえば、上側角部T2)の位置座標とを結ぶ第1または第2上辺ET1、ET2とが成す角を二等分した第2二等分線DL2を設定する。撮像条件設定部504は、設定第1および第2二等分線のそれぞれに対して、撮像装置35の光軸Cが一致するように、各撮像位置の位置座標と、光軸Cの方向を設定する。
【0070】
具体的には、以下の撮像位置P1における位置座標と撮像装置35の光軸Cの設定に関して、
図8(a)、(b)を参照して説明する。
図8(a)に示すように、撮像装置35の光軸Cが上側角部T1を通過し、かつ、上側角部T1と上側角部T2とを結ぶ第1上辺ET1と、上側角部T1と上側角部T4とを結ぶ第2上辺ET2と、の成す角を二等分した第1二等分線DL1を設定する。なお、第1上辺ET1と第2上辺ET2は、四角柱状の仮想空間Sの上辺である。この第1二等分線DL1をx軸とし、上側角部T1とx座標とが直交する線を、y軸とする。
【0071】
ここで、
図8(a)の平面視において、矩形状の仮想空間Sの短辺の長さをr1、その長辺の長さをr2とする。さらに、x軸と、第1上辺ET1との成す角度を、θとする。上側角部T2、T4の位置座標(x,y)を以下のように表すことができる。
【0072】
上側角部T2の位置座標:(r2cosθ,r2sinθ)
上側角部T4の位置座標:(r1cos(θ+π/2),r1sinθ(θ+π/2))
【0073】
さらに、
図8(b)の平面視において、上辺角部T1と撮像位置P1との距離をLとし、線分T2P1とy軸との成す角度をφ1とし、線分T4P1とy軸の成す角度をφ2とすると、以下の式(13)、(14)のように示すことができる。
【0074】
φ1=atan(r2cosθ/{r2sinθ+L})…(13)
φ2=atan(r1cos(θ+π/2)/{r1sinθ(θ+π/2)+L})…(14)
【0075】
角度φ1および角度φ2のいずれも、水平方向の画角FOVL/2であることから、これらの式(13)および(14)は、変数θと変数Lの二元一次方程式となり、これらの方程式を解くことにより、θとLを算出することができる。
【0076】
図8(b)に示すように、撮像条件設定部504は、建物10の側面視において、撮像位置P1と下側角部B1の位置座標とを結ぶ側辺ESと、撮像位置P1の位置座標と上側角部T2の位置座標とを結ぶ第1上辺ET1と、が成す角(図では90°)を二等分した第2二等分線DL2を設定する。ここで、上側角度T2と下側角部B1とが、撮像装置35の画角FOVH内に入る撮像装置35の高さH1を算出する。
【0077】
飛行制御部505は、設定した撮像位置P1~P4の位置座標ごとに、撮像装置35が、撮像位置P1~P4の位置座標で、設定した光軸Cの方向D1~D4となるように、無人航空機の飛行制御を行う。具体的には、飛行制御部505は、無人航空機30の制御装置39を介して、駆動装置36に飛行指令を送り、飛行制御を行う。この際、無人航空機30の撮像位置P1~P4の位置座標を座標検出センサ32と高度検出センサ34から取得し、撮像装置35の光軸Cの方向D1~D4を方位検出センサ33から取得し、フィードバック制御により、飛行制御を行ってもよい。
【0078】
撮像制御部506は、飛行制御された無人航空機30から、撮像位置P1~P4ごとに、撮像位置P1~P4の位置座標の光軸Cの方向D1~D4に合わせて、撮像装置35に建物10を撮像させる。撮像制御部506による撮像装置35の撮像タイミングは、座標検出センサ32と高度検出センサ34による撮像位置P1~P4の位置座標から取得し、方位検出センサ33による撮像装置35の光軸Cの方向D1~D4が、
図6に示す撮像条件A~Dのそれぞれの撮像条件を満たしたときである。
【0079】
以下に、
図9を参照して、無人航空機30を飛行させた状態で、無人航空機30に搭載された撮像装置35で、建設中の建物10を少なくとも撮像する建物の撮像方法を説明する。
【0080】
まず、ステップS1では、建設予定となる建物情報を入力する。具体的には、建物10の上側隅部t1~t3または下側隅部b1~b3の位置座標(緯度および軽度)、建物10の高さ、建設予定となる敷地A1の領域の位置座標などを、建物情報として入力する。
【0081】
次にステップS2で、空間設定部503により、仮想空間Sの設定を行う。具体的には、仮想空間Sの完成予定の建物10を内部に含む最小の大きさとなる四角柱状の仮想空間Sである。これにより、仮想空間Sの各辺が、建物10の縁部と一致するように、建物10の各隅部の位置座標、および建物10の高さHに基づいて、仮想空間Sを設定する。
【0082】
次にステップS3で、撮像条件設定部504により、
図6の表に示すように、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部が、撮像装置10の撮像範囲G内に収まるように、撮像装置35が撮像する撮像位置P1~P4の位置座標と、撮像位置P1~P4の位置座標のごとに撮像装置35の光軸Cの方向D1~D4と、を設定する。具体的には、この設定は、
図6~
図8で説明した方法で設定する。
【0083】
次に、ステップS4に進み、平面視において、撮像位置P1~P4のいずれかが、建物10の敷地A1から外れている撮像位置があるかを判定する。ここで、敷地A1から外れていると判定された撮像位置P1~P4が存在する場合には、ステップS5に進み、そうでない場合には、ステップS6に進む。ここで、ステップS5では、敷地A1から外れていると判定された撮像位置P1~P4に対して、光軸Cの方向D1~D4に沿って、撮像位置P1~P4を仮想空間Sに近づけるように、撮像位置P1~P4の撮像位置座標を補正する。この際に、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部が、撮像装置35の撮像範囲G内に収まらない場合、たとえば
図7に示した例の場合には、余裕率Qを大きくする補正を行う。
【0084】
ステップS6では、飛行制御部505により、撮像位置P1まで無人航空機30を飛行させるとともに、撮像装置35の光軸Cの方向D1となるように、無人航空機30を飛行させ、ステップS7に進む。ステップS7では、飛行させた無人航空機30から、撮像装置35の撮像位置P1~P4の位置座標ごとに光軸Cの方向D1に合わせて、撮像装置35により建物10を撮像し、ステップS8に進む。
【0085】
ステップS8では、全ての撮像位置P1~P4で、建物10を撮像したかの判定を行う。ここで、撮像位置P1のみの場合には、ステップS6に戻る。撮像位置P2~P4まで、順に撮像が完了するまで、ステップS6~ステップS8までを繰り返す。
【0086】
本実施形態によれば、飛行制御部505により、設定した4つの撮像位置P1~P4の位置座標ごとに、撮像装置35が、撮像位置P1~P4の位置座標で、設定した光軸Cの方向D1~D4となるように、無人航空機30の飛行制御を行うことができる。次に、撮像制御部506で、飛行制御された無人航空機30から、撮像位置P1~P4の位置座標で光軸Cの方向D1~D4に合わせて、撮像装置35に建物10(建設途中または建設前の物も含む)を撮像させる。これにより、撮像位置P1~P4の撮像座標ごとに、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部が、撮像装置35の撮像範囲G内に収まるように、撮像することができる。このような結果、建設途中から建設が完了するまでの建物を、同じ角度から同じ尺度で、撮像することができる。
【0087】
特に、
図6および
図7に示す例では、撮像条件設定部504において、下側角部の位置座標と中央角部の位置座標とを結ぶ対角線に、撮像装置の光軸Cが一致するように、光軸Cの方向D1~D4を設定する。これにより、撮像位置P1~P4の位置座標ごとに、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部を、撮像した画像内にバランス良く写し込むことができる。これにより、このような結果、建設途中から建設が完了するまでの建物10を、同じ角度から同じ尺度で、バランス良く撮像することができる。
【0088】
同様に、
図9に示す例では、撮像条件設定部504において、建物10の平面視および側面視における第1および第2二等分線DL1、DL2に、撮像装置35の光軸Cが一致するように、光軸Cの方向D1~D4を設定する。これにより、撮像位置P1~P4の位置座標ごとに、中央角部と、下側角部と、一対の上側角部と、の4つの角部を、撮像した画像内にバランス良く写し込むことができる。これにより、このような結果、建設途中から建設が完了するまでの建物10を、同じ角度から同じ尺度で、バランス良く撮像することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0090】
10:建物、30:無人航空機、35:撮像装置、503:空間設定部、504:撮像条件設定部、505:飛行制御部、506:撮像制御部