(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025012844
(43)【公開日】2025-01-24
(54)【発明の名称】平型オープンショーケース用開閉カバー装置
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20250117BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20250117BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A47F3/04 G
A47F3/04 J
F25D23/02 302
F25D11/00 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023115984
(22)【出願日】2023-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】深野 竜志
(72)【発明者】
【氏名】安西 克樹
【テーマコード(参考)】
3B110
3L045
3L102
【Fターム(参考)】
3B110AA11
3B110DA03
3B110EA03
3B110FA01
3B110GA20
3B110HA13
3L045AA04
3L045BA01
3L045CA02
3L045PA04
3L102JA04
3L102KA02
3L102KB19
(57)【要約】
【課題】軽量化することができるとともに、商品購入時の取り出しやケース内への商品の補充作業等を効率よく行うことができるようにした平型オープンショーケース用開閉カバー装置を提供する。
【解決手段】上面が開口された箱型ケース状をなす平型オープンショーケース1に取り付けられる開閉カバー装置10であって、箱型ケース2の後部側の上部に左右方向に沿って取り付けられる巻取ユニット11と、巻取ユニット11から前方に引き出され、開口を開閉可能なカバーシート12と、カバーシート12の前縁に取り付けられた左右方向に延びる支持バー13と、巻取ユニット11の左右の両端部付近から箱型ケース2の前部側の上部に向かって延び、支持バー13の左右の両端部を前後方向に移動可能に支持する左右一対の支持レール14とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口された箱型ケース状をなす平型オープンショーケースに取り付けられる開閉カバー装置であって、
前記箱型ケースの後部側の上部に左右方向に沿って取り付けられる巻取ユニットと、
前記巻取ユニットから前方に引き出され、前記開口を開閉可能なカバーシートと、
前記カバーシートの前縁に取り付けられた左右方向に延びる支持バーと、
前記巻取ユニットの左右の両端部付近から前記箱型ケースの前部側の上部に向かって延び、前記支持バーの左右の両端部を前後方向に移動可能に支持する左右一対の支持レールと、
を備えることを特徴とする平型オープンショーケース用開閉カバー装置。
【請求項2】
前記巻取ユニットは、前記箱型ケースの後部側の上部に取り付け可能なブラケットにより支持され、左右一対の前記支持レールの後端部はそれぞれ前記ブラケットの左右の側端部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の平型オープンショーケース用開閉カバー装置。
【請求項3】
前記カバーシートは前記巻取ユニット方向に常時付勢され、前記支持バーと前記箱型ケースの前部側には、前記支持バーの後方への移動を阻止可能な係止手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平型オープンショーケース用開閉カバー装置。
【請求項4】
前記左右一対の前記支持レールは内側方に開口するコ字状断面をなし、それらのコ字状空間内には、前記カバーシートの巻き取り方向への付勢力に抗して前記支持バーの後方への移動を規制する規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平型オープンショーケース用開閉カバー装置。
【請求項5】
前記規制手段は、前記支持バーの上下両面の少なくともいずれか一方に弾性的に圧接する板ばねであることを特徴とする請求項4に記載の平型オープンショーケース用開閉カバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面が開口された平型オープンショーケースに取り付けられる開閉カバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等においては、冷凍食品等を保冷して販売するために、上面が開口された平型オープンショーケースが多用されている。このような平型オープンショーケースにおいては、上面の開口部に冷気のエアカーテンを形成し、ケース内の冷凍食品の保冷効果を高めるようになっているが、外部の環境等によりエアカーテンに乱れが生じると保冷効果が損なわれる。
【0003】
このような問題が発生するのを防止するために、例えば特許文献1には、平型オープンショーケースの上面の開口部に引き違い式の引戸を設置し、その下方に確実にエアカーテンが形成されるようにしたものが記載されている。客が冷凍食品を購入する際または店員が商品を補充する際には、引戸を前後方向にスライドさせて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5083875号公報(第4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているように、平型オープンショーケースの開口部に引き違い式の引戸を設置したものにおいては、引戸が透明なアクリル板等により形成されているため、特に大型の平型オープンショーケースの場合には、引戸も大型となって重量が大となるだけでなく、梱包費や輸送費も嵩む。また、引き違い式の引戸であるため開口部を全開することはできず、最大でほぼ半分しか開口することができない。そのため、商品購入時の取り出しやケース内への商品の補充作業等を効率よく行うことができないという問題もある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、軽量化することができるとともに、商品購入時の取り出しやケース内への商品の補充作業等を効率よく行うことができるようにした平型オープンショーケース用開閉カバー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の平型オープンショーケース用開閉カバー装置は、
上面が開口された箱型ケース状をなす平型オープンショーケースに取り付けられる開閉カバー装置であって、
前記箱型ケースの後部側の上部に左右方向に沿って取り付けられる巻取ユニットと、
前記巻取ユニットから前方に引き出され、前記開口を開閉可能なカバーシートと、
前記カバーシートの前縁に取り付けられた左右方向に延びる支持バーと、
前記巻取ユニットの左右の両端部付近から前記箱型ケースの前部側の上部に向かって延び、前記支持バーの左右の両端部を前後方向に移動可能に支持する左右一対の支持レールと、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、従来のような引き違い式の引戸を使用していないので、大型の平型オープンショーケース用の開閉カバー装置であっても軽量化が図れるだけでなく、梱包費や輸送費の節約が図れる。また、平型オープンショーケースの上面の開口を全開することができるので、商品購入時の取り出しやケース内への商品の補充作業等を効率よく行うことができる。さらに、支持バーは左右の支持レールに支持・ガイドされて安定よく移動するので、カバーシートを開口に沿って平行に前後方向に移動させることができ、箱型ケースの上面開口部に形成される冷気のエアカーテンに乱れを生じさせるおそれがない。
【0008】
前記巻取ユニットは、前記箱型ケースの後部側の上部に取り付け可能なブラケットにより支持され、左右一対の前記支持レールの後端部はそれぞれ前記ブラケットの左右の側端部に連結されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ブラケットに左右の支持レールを予め平行に連結しておくことができるので、左右の支持レールを単体で取り付けようとする際に平行度に誤差が生じることはなく、平行度が保たれた左右の支持レールにより支持バーを前後方向に安定的に、かつスムーズに移動させることができる。
【0009】
前記カバーシートは前記巻取ユニット方向に常時付勢され、前記支持バーと前記箱型ケースの前部側には、前記支持バーの後方への移動を阻止可能な係止手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、開口をカバーシートにより覆った状態に保持することができるとともに、開口をカバーシートにより覆った際にカバーシートが垂れ下がるのを防止することができる。
【0010】
左右一対の前記支持レールは内側方に開口するコ字状断面をなし、それらのコ字状空間内には、前記カバーシートの巻き取り方向への付勢力に抗して前記支持バーの後方への移動を規制する規制手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持バー及びそれに取り付けられたカバーシートを開口の前後方向の途中位置で停止させることができるので、客がケース内の手前側の商品を取り出す際に開口を必要以上に開く必要はなく、ケース内の商品の保冷効果を高めて省エネルギが可能となる。
【0011】
前記規制手段は、前記支持バーの上下両面の少なくともいずれか一方に弾性的に圧接する板ばねであることを特徴としている。
この特徴によれば、支持バーと板ばねとの摩擦力だけで、支持バー及びそれに取り付けられたカバーシートを開口の前後方向の任意の位置で無段階に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例に係る開閉カバー装置を備える平型オープンショーケースの縦断側面図である。
【
図5】支持レール、板ばね及びカバーシートに取り付けられた支持バーの側端部の分解斜視図である。
【
図6】支持レールに板ばね及び支持バーを組み付けた状態の内側面図である。
【
図7】板ばねの変形例を適用した支持レールの内側面図である。
【
図8】変形例における開閉カバー装置を備える平型オープンショーケースの縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る平型オープンショーケース用開閉カバー装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0014】
実施例に係る開閉カバー装置につき、
図1から
図6を参照して説明する。まず
図1を参照して平型オープンショーケースの構成を簡単に説明する。平型オープンショーケース(以下、ショーケースと略称する)1は、上面が開口された箱型ケース2を備え、その内部には商品収容空間Sが形成されている。
【0015】
箱型ケース2は、内ケース3と外ケース4とからなり、それらの上端には平面視方形の天板部5が取り付けられている。天板部5の中央部の上面には、ガラスまたはアクリル等からなる枠状の風防6が上向きに立設されている。
【0016】
内ケース3と外ケース4との間には冷気循環経路7が形成され、冷気循環経路7内に設けられた送風機(図示略)を作動させると、内ケース3の前部側の上端部に形成された冷気吹出口8から後方に向けて吹き出された冷気が、それと対向する内ケース3の後部側の冷気吸込口9により吸い込まれて冷気循環経路5内に流入する。吹き出し口8から吹き出された冷気は一部が下方へ流れるが説明の便宜上、矢印による図示は省略している。冷気循環経路7内に流入した冷気が冷却器Rによりさらに冷却されて矢印方向に対流することにより、商品収容空間Sに収容された冷凍食品等が所定温度で保冷されるようになっている。また、箱型ケース2の上面開口部には、冷気吹出口8から冷気吸込口9に吹き出される冷気によってエアカーテンCが形成されるため、商品収容空間S内の冷気の外部への流出や、外気が商品収容空間S内に流入するのが防止される。さらに、天板部5の上面には風防6が立設されているので、商品収容空間S内への外気の引き込みが防止される。
【0017】
次に、本発明に係る開閉カバー装置について説明する。開閉カバー装置10は、平型オープンショーケース1における箱型ケース2の上面の開口部に取り付けられるもので、開口部の左右幅より若干長い左右寸法の巻取ユニット11と、巻取ユニット11から前方に引き出し可能なカバーシート12と、カバーシート12の前縁に取り付けられた左右方向に長い支持バー13と、支持バー13の左右両端部を移動可能に支持・ガイドする左右一対の支持レール14、14とを備えている。支持レール14の上面の左右方向の中央部には、上向きの把手15が取り付けられている。
【0018】
図3に示すように、巻取ユニット11は、上面の開口の左右幅と同等もしくは若干小さな左右寸法の巻取りパイプ111と、その左右の両端より外側方に突出する回転軸111a、111aと、左右の回転軸111aを回転自在に支持する軸受112、112とを備え、カバーシート12は巻取りパイプ111に前方に引き出し可能に巻回されている。巻取りパイプ111は、図示しない捩りばね等により
図1の側面視において時計方向に付勢されている。これによりカバーシート12は、巻き取り方向である巻取ユニット11方向(後方)に常時付勢されている。
【0019】
箱型ケース2の後部側の天板部5における風防6よりも前方の上面には、巻取ユニット11を取り付けるためのブラケット16の左右方向を向く底板16aがねじ止めされ、底板16aの左右両端より起立する支持板16b、16bの内側面に軸受112、112が固定されている。
【0020】
カバーシート12は、商品収容空間S内の商品が上方から視認できるように、例えば透明なポリプロピレン樹脂により形成され、その左右寸法は、内ケース3により囲まれた開口の左右幅と同等または若干小さく形成されている。
【0021】
支持バー13は例えば合成樹脂材により形成され、その前面には磁性材よりなる金属プレート17が左右方向に沿って固着されている。この金属プレート17は、上面の開口をカバーシート12により覆う際に、風防6の内面に左右方向を向くように固着された磁石18に吸着されるようになっている(
図2参照)。なお、金属プレート17と磁石18は本発明に係る係止手段に相当する。
【0022】
このように、金属プレート17と磁石18を左右方向に長いものとすると、支持バー13の長さ方向全体を風防6に密着させることができるので好ましいが、それらを支持バー13と風防6の左右方向の中央部のみに、または一定間隔おきに複数固着してもよく、また把手15の前面とそれに対向する風防6の後面とに固着してもよい。また、上記とは反対に、支持バー13側に磁石18を、風防6側に金属プレート17を固着してもよい。なお、支持バー13全体を磁性材により形成すれば金属プレート17は省略することができる。
【0023】
図4及び
図5に示すように、左右の支持レール14、14(左右対称につき一方のみ図示する)は、内側方に開口する正面視コ字状断面をなし、例えば合成樹脂等により形成されている。支持レール14、14のコ字状空間内には、支持バー13の両側端より外側方に突出する突出部13a、13aが遊嵌されるようになっている。
【0024】
図1に示すように、支持レール14の前後寸法は、前後の風防6、6間において前後に対向する天板部5、5の側端部の上面に水平に架設される長さに形成されている。
図3に示すように、左右の支持レール14、14の後端部の外側面は、巻取ユニット11を支持するブラケット16の左右の支持板16b、16bの外側面に、連結板19、19を介して互いに平行をなすように予め連結され、左右の支持レール14、14を単体で取り付ける際に平行度に誤差が生じることがないようにしてある。これにより、左右の支持レール14、14は、平行度が保たれた状態で箱型ケース2の前後の天板部5、5の上面に架設することができる。このように、開閉カバー装置10は巻取ユニット11が箱型ケース2の上部開口縁部に設けられた天板部5の平坦な上面に固定されることで、頻繁な開閉操作に対して高い耐久性を有する。
【0025】
左右の支持レール14、14のコ字状空間内には、規制手段である上下2枚の板ばね20、20が次のようにして取り付けられている。上下の板ばね20、20の長さは支持レール14の前後寸法とほぼ同等に形成され、それらの前後の両端部には、それぞれ上方と下方に折曲された水平の固定部20a、20aが形成され、上方の前後の固定部20a、20aをコ字状空間内の下面に、下方の前後の固定部20a、20aをコ字状空間内の上面に、それぞれねじ21により固定して取り付けられている。このようにして取り付けると、
図6に示すように、上下の板ばね20における前後の固定部20aを除いた部分は、コ字状空間内の上面と下面から離間し、それぞれ上方と下方に弾性変形することができるようになる。
【0026】
上下の板ばね20における前後の固定部20aを除いた部分は、それぞれ規制部20b、20bとして機能し、上下の規制部20b、20b間に支持バー13の突出部13aを嵌合することにより、支持バー13及びそれに取り付けられたカバーシート12の後方移動が規制される。なお、上下の規制部20b、20bの対向面間の寸法は、突出部13aの上下寸法より所定寸法小さく設定され、上下の規制部20b、20bが突出部13aの上面と下面に弾性的に圧接するようになっている。これにより、上下の規制部20b、20b間を突出部13aが前後方向に移動する際に摩擦力が生じ、カバーシート12の巻き取り方向への付勢力に抗して支持バー13の後方移動が規制されるため、カバーシート12を開口の前後方向の任意の位置で無段階に停止させることができる。
【0027】
以上説明したように、実施例に係る開閉カバー装置10においては、従来のように、ショーケース1の上面の開口を開閉する引き違い式の引戸を使用していないので、大型のショーケース用の開閉カバー装置10であっても軽量化が図れるだけでなく、梱包費や輸送費も節約することができる。また、ショーケース1の上面の開口を全開することができるので、商品購入時の取り出しや商品収容空間S内への商品の補充作業等を効率よく行うことができる。
【0028】
また、店舗に客が不在のときにはカバーシート12を引き出し、支持バー13を風防6に密着させてショーケース10の上面開口をカバーシート12により覆った状態に保持することができるので、外気が商品収容空間S内に流入することはない。またこの際、カバーシート12は巻き取り方向に常時付勢され、張力が作用しているので垂れ下がることはない。
【0029】
客が商品収容空間S内の商品を購入する際には、把手15に手を掛けて支持バー13を後方に移動させ、カバーシート12を巻き取り方向に移動させて開口を開くことができる。この際、上下の板ばね20により支持バー13を任意の位置で停止させることができるので、例えば客が商品収容空間S内の手前側の商品を取り出す際に開口を必要以上に開く必要はなく、商品収容空間S内の商品の保冷効果を高めて省エネルギが可能となる。
【0030】
また、左右の支持レール14、14は、ブラケット16に予め固定されて平行度が保たれているので、左右の支持レール14、14により支持バー13を前後方向に安定的に、かつスムーズに移動させることができる。その結果、カバーシート12を開口面に沿って平行(水平)に前後方向に移動させることができ、箱型ケース2の上面開口部に形成される冷気のエアカーテンに乱れが生じて保冷効果が損なわれるのを抑えることができる。
【0031】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
【0032】
例えば、前記実施例では、支持バー13の後方移動を規制する規制手段に上下2枚の板ばね20を用いているが、上下いずれか一方の板ばね20を省略することもできる。この際には支持バー13の突出部13aに対する弾性圧接力を大とすればよい。
【0033】
また、前記実施例では、支持バー13を無段階に停止できるようにしているが、例えば
図7に示すように、下方の板ばね20に前後複数の凹部20cを形成し、これらの凹部20cに突出部13aが入り込むようにすれば、支持バー13を前後方向に段階的に停止させることができる。凹部20cから突出部13aが抜け出る際に上方の板ばね20が上向きに弾性変形するようにすればよい。なお、実施例のような板ばね20の代わりに、例えば摩擦抵抗の大きなフェルト状のシート材や起毛が施されたシート材などの規制手段を使用し、それらにより突出部13aの上下両面を挟むようにすれば、カバーシート12の巻き取り方向への付勢力に抗して支持バー13の後方への移動を規制することも可能である。また、実施例のような板ばね20などの部材を設ける代わりに、例えば支持バー13にウェイトを内蔵させて荷重を増やすことで、摩擦抵抗を大きくすることもできる。
【0034】
さらに、前記実施例では、支持バー13の係止手段を、支持バー13に固着された磁性材よりなる金属プレート17と、風防6に固着された磁石18とからなるものとしたが、例えば把手15に設けたフックと、風防6または天板部5に設けた、フックが係止される凹溝状またはリング状等の被係止部とからなる係止手段を使用することもできる。
【0035】
さらに、前記実施例では、開閉カバー装置10の構成部材を直接ショーケース1に取り付けているが、各構成部材を枠体内に組み付けておき、この枠体をショーケース1に取り付けるようにしてもよい。
【0036】
また、前記実施例では、開閉カバー装置10の巻取ユニット11が箱型ケース2の上部開口縁部に設けられた天板部5の平坦な上面に固定されているが、これに限らず、例えば
図8の変形例に示されるように、巻取ユニット51の後方に、風防6に対して上方から係止される係止片51aを設けて風防6に巻取ユニット51を支持させる構成としてもよい。この場合、支持レール54の前方側端部は図示しない固定手段により前方側の風防6に取り付けられ、支持レール54は前後の風防6、6に架設される。また、このような構成を採用した場合には、支持バー53の先端に磁石(図示略)を固定することで支持バー53の先端を風防6の上端の金属部6aに磁着させる構成の係止手段を使用することもできる。このようにすることで、平型オープンショーケース1の開口における最上部である風防6の上部に開閉カバー装置10を配置でき、省エネルギ性に優れるとともに、把手15にアクセスしやすく操作性に優れる。尚、巻取ユニットは天板部5に固定して、支持バーの前方側のみを風防6に支持させる構成としてもよい。
【0037】
また、
図8に示されるように、冷気吹出口8側に巻取ユニット51が配置される構成でもよい。これによれば、カバーシート52の開放度合い、すなわち開口面積に関わらず冷気の逃げを効果的に抑制することができる。